JP2000025030A - セラミックス基板及びその製造方法 - Google Patents
セラミックス基板及びその製造方法Info
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Abstract
法、及び分割して得られた、強度の低下がなく且つ寸法
精度に優れたセラミックス基板を提供する。 【解決手段】 セラミックス焼結体基板1の表面に端か
ら端まで連続した浅い傷1aを傷付け工具5を用いて形
成した後、その傷1aに沿ってセラミックス焼結体基板
1を複数のセラミックス基板に分割する。傷付け工具5
は、その刃先エッジ部5aが超硬合金又はダイヤモンド
からなることが好ましい。
Description
の製造方法、詳しくは大きなセラミックス焼結体基板を
分割してセラミックス基板を得る方法、及びこの方法に
より得られるセラミックス基板に関する。
数のセラミックス基板に分割する方法としては、一般に
ダイヤモンド等の砥粒を含有させた切断刃でダイシング
を行う方法、及びレーザ光線で切断する方法が知られて
いる。これらの方法では、セラミックス焼結体基板を一
度に完全に切断する場合のほか、ハーフカットした後に
外力を加えて分割することも行われている。
に行われている方法であり、例えば切断刃に対してセラ
ミックス焼結体基板をX方向及び/又はY方向に相対的
に移動させながら切断する。ダイシングの中でも、所定
深さまでハーフカットした後にセラミックス焼結体基板
に外力を加えて分割する方法は、一度に完全に切断する
場合に比較して、処理能力が高いこと、切断刃の摩耗が
少ないことなどの理由から、加工コストを抑えることが
できる。
ドット状にレーザを照射してセラミックス焼結体基板に
微小な穴を連続的に形成する。形成された微小な穴がセ
ラミックス焼結体基板を貫通する場合は、セラミックス
焼結体基板を一度で完全に分割することになる。微小な
穴がセラミックス焼結体基板を貫通しない場合はハーフ
カットとなり、その後外力を加えて分割する。この場合
においても、ハーフカット後に分割する方が、一度に完
全に切断する場合に比較して一般に処理時間が短いた
め、加工コストを抑えることができる。
ミックスの成形体にハーフカットを施し、これを焼結し
てセラミックス焼結体基板とした後、ハーフカットの部
分に沿ってセラミックス焼結体基板を分割する方法もあ
る。
うち、図3に示すように、切断刃3によるダイシングで
セラミックス焼結体基板1を切断する場合には、切断刃
3の刃幅dの分だけセラミックスが切屑として捨てられ
てしまう。また、切断刃3は摩耗が激しく、一般にダイ
ヤモンドを使用することが多い。このような事情から、
切断刃3を用いたダイシングでは、加工コストが高くな
るという問題点がある。
フカットした後、ハーフカット溝に沿って分割する一般
的な方法では、図4に示すように、分割して得られる各
セラミックス基板2にハーフカットによる切り残し部分
2aが付いてくるので、所望の基板寸法Dに対して最大
で切断刃3の刃幅dの2倍に相当する寸法のバラツキが
生じてしまう。また、セラミックス基板2に切り残し部
分2aが残ることで、破壊起点となりうる部分が多数存
在する結果、セラミックス基板2の破壊強度が相対的に
低下するという欠点がある。
中の切断刃やセラミックス焼結体基板の加熱を防ぐため
に水などの冷却媒体を注水するが、セラミックス焼結体
基板が窒化アルミニウムである場合には、基板に水分が
付着した状態で放置するとアンモニアが発生してしまう
という問題もある。
光線で穴を形成して行くために、完全な切断であっても
又ハーフカットであっても、得られるセラミックス基板
にレーザの痕跡が残存してしまう。このレーザ照射の痕
跡部分が破壊起点となって、分割後のセラミックス基板
の強度が低下しやすい。また、セラミックス基板の熱伝
導率が高い場合には、照射されたレーザの熱が基板上に
拡散するため、レーザの照射時間を長くするか、若しく
はレーザの出力を上げる等の処置が必要になるため、加
工コストが高くなるという問題がある。
しきれなかったセラミックス成分がレーザで形成された
穴の周辺部に付着又は溶着する。これらの付着物はセラ
ミックス基板上に凸形状で存在するため、例えば焼き付
けタイプのメタライズ層を形成する場合などにペースト
をスクリーン印刷したとき、印刷パターン又はその焼成
後のメタライズ層に欠陥が発生したり、これらの付着物
が印刷スクリーンにダメージを与え、最悪の場合にはス
クリーンが破損するという問題がある。
に分割する方法の場合、焼結による収縮バラツキが影響
を生じるため、特にセラミックス基板が大型化する程、
その寸法精度が低下するという欠点がある。
セラミックス焼結体基板を分割して複数のセラミックス
基板とする際に、簡単に実施できてコストの削減が可能
であり、表面への付着物の発生のない方法を提供するこ
と、及びその方法により強度の低下がなく、且つ寸法精
度に優れたセラミックス基板を提供することを目的とす
る。
め、本発明が提供するセラミックス基板の製造方法は、
セラミックス焼結体基板の表面に端から端まで連続した
浅い傷を傷付け工具を用いて形成した後、その傷に沿っ
てセラミックス焼結体基板を分割することを特徴とす
る。また、この本発明に使用する傷付け工具は、その刃
先エッジ部が超硬合金又はダイヤモンドからなることが
好ましい。更に、形成する傷の深さは、セラミックス焼
結体基板の1/100以上1/10以下であることが好
ましい。
ラミックス基板は、セラミックス焼結体基板を分割して
得られたセラミックス基板であって、その表面と分割面
との縁に沿って深さがセラミックス基板の厚みに対して
1/100以上1/10以下の傷跡を有することを特徴
とする。
すように、傷付け工具5の刃先エッジ部5aで、セラミ
ックス焼結体基板1の一表面上に、連続した浅い傷1a
を表面の端から端まで形成する。次に、この傷付けした
セラミックス焼結体基板1に外力を加えることにより、
図2に示すように、この傷1aを破壊起点として厚み方
向に傷が伝わり、傷1aに沿ってセラミックス焼結体基
板1が分割され、複数のセラミックス基板4が得られ
る。尚、傷1aを付ける表面は、セラミックス焼結体基
板1の両表面でもよいが、通常一方の表面のみで充分で
ある。両表面に傷付けする場合は、表裏での傷1aの位
置決めや方向性に注意する必要がある。
5aが超硬合金やダイヤモンドなどの硬質材料からなる
ものが好ましく、特にダイヤモンドは基板の強度低下を
招くことが少ないので好ましい。一般に超硬合金やダイ
ヤモンドなどの硬質材料はセラミックスより硬度も高
く、耐久性に優れているために、シャープな傷を連続的
にセラミックス焼結体基板1に形成することができる。
形成する傷1aは、従来の切断刃を用いたダイシングで
のハーフカットに比べ、傷付け工具5の刃先エッジ部5
aで形成するので遥かに浅く、しかも傷幅も非常に小さ
くなる。従って、得られるセラミックス基板4の寸法バ
ラツキを小さくできると共に、傷付けに要する時間が短
く、切屑として捨てられるセラミックスも極めて少なく
すむので、加工コストの低減を図ることができる。
の表面に形成する傷1aの深さとしては、セラミックス
焼結体基板1の厚みに対して1/100以上1/10以
下が好ましい。傷1aの深さがセラミックス焼結体基板
1の厚みの1/100未満の場合、外力を加えても傷1
aに沿って分割されないこともある。また、傷1aの深
さが厚みの1/10を越えると、傷1aを形成したセラ
ミックス焼結体基板1にそのままスクリーン印刷等を行
う際に、セラミックス焼結体基板1が破断しやすくな
る。
の傷1aは凹形状となるため、例えばメタライズ層形成
用ペーストのスクリーン印刷を行っても、印刷スクリー
ンにダメージを与えることはない。このため、セラミッ
クス焼結体基板1に傷1aを具備させた状態のまま、表
面に印刷など処理を行うことも可能である。また、レー
ザ光線での加工の場合のように表面付着物が発生しない
ので、メタライズ層に付着物による欠陥が発生すること
もない。
ステッパーなどにセラミックス焼結体基板を載置固定
し、傷付け工具とセラミックス焼結体基板をX方向又は
Y方向に相対的に移動させることにより、セラミックス
焼結体基板表面に所定のピッチで精度良く傷付け加工を
行うことが可能である。また、その際に傷付け工具に加
える荷重を調整することにより、傷の深さを調節するこ
とも可能である。
ルミニウムが特に好ましい。窒化アルミニウムは数μm
程度の粒子から形成されており、各粒子が互いに粒界相
によって接着した構造となっている。このため、表面に
傷を形成したセラミックス焼結体基板に外力を加えて分
割する際に、傷が破壊起点となって粒界相に傷が次々に
伝わり、容易に分割することができる。その結果、分割
面の形状が非常に滑らかであり、破壊起点となり得る部
分も少なく、レーザカットの場合のようにセラミックス
自体の強度低下を引き起こすこともないので、本来の強
度を保持したセラミックス基板を得ることができる。
シング加工では、基板と切断刃の摩擦熱から切断刃を保
護するために、水のような冷却媒体を使用する。この水
がダイシングにより露出した酸化被膜に覆われていない
表面に付着すると、窒化アルミニウムと水とが反応して
アンモニアを発生することがある。しかし、本発明方法
によれば、傷付け加工やその後の分割時に水などの冷却
媒体を使用する必要がないので、セラミックス焼結体基
板が例え窒化アルミニウムの場合でもアンモニアが発生
することはない。
るセラミックス焼結体基板の硬さとしては、ビッカース
硬度で1500Hv以下が好ましい。ビッカース硬度が
1500Hvを越える場合、傷付け工具でセラミックス
焼結体基板に傷付け加工しても傷の深さが相対的に浅く
なりやすいため、外力を加えて分割する際に傷の形状に
沿って分割されにくく、局所的に破損が生じる危険があ
るからである。
けたセラミックス焼結体基板1を分割することで、図2
に示すように複数のセラミックス基板4が得られる。こ
の分割により得られたセラミックス基板4は、傷1aに
沿って厚み方向に分割されるので、セラミックス基板4
の表面4aと分割面4bとの縁に沿って傷跡1bが残
る。この傷跡1bの深さは、セラミックス基板4の厚み
に対して1/100以上1/10以下の範囲であること
が望ましい。
ム、アルミナ、窒化ケイ素からなる各セラミックス焼結
体基板を用意した。これらのセラミックス焼結体基板の
表面に、それぞれ超硬合金又は人工ダイヤモンドの刃先
エッジ部を有する傷付け工具を用いて傷を形成した。形
成した傷は基板表面の端から端まで達する直線状の浅い
傷(深さ30μm)であり、5.0mmピッチで基板全
面に形成した。次に、これらのセラミックス焼結体基板
に外力を加え、傷に沿って複数のセラミックス基板に分
割した。
板を、レーザ光線及び切断刃でのダイシングにより、一
度に完全に切断するか又はハーフカットした後に外力を
加えて、上記と同じ5.0mmのピッチで分割した。
尚、レーザ光線は直径120μm及びピッチ120μm
で基板に照射し、ハーフカットの場合はレーザの到達す
る深さが基板の厚み方向に200〜250μmとなるよ
うに照射時間を調整した。また、ダイシングに関しては
刃幅0.2mmの切断刃を使用して注水しながら加工
し、ハーフカットの場合にはその深さを300μmとし
た。
板について、分割後の幅方向の寸法(目標5.0mm)
及びその公差、三点曲げ強度、ペーストのスクリーン印
刷時の印刷性、分割の際の基板破損の有無、及び窒化ア
ルミニウム焼結体基板についてはアンモニア発生の有無
を評価した。尚、強度の評価は、傷付け加工した側のセ
ラミックス基板表面を下側にして、2つの支点(間隔3
0μm)で支えた中間点に荷重を加え、破断したときの
荷重を測定した。また、寸法測定は、セラミックス基板
の長さ方向に4等分した各3点における幅方向の寸法を
測定した。得られた結果を各セラミックス基板の種類ご
とに下記各表に示した。
割方法においては、切断刃によるダイシングよりも高い
寸法精度が得られ、またレーザ光線による場合に比べて
セラミックス本来の強度を低下させることなく、簡単に
セラミックス焼結体基板を分割して複数のセラミックス
基板を製造することができる。また、刃先エッジ部がダ
イヤモンドからなる傷付け工具を用いると、基板強度の
低下が少なく、分割時の破損も無くなるため、特に好ま
しいことが分かる。
ウム焼結体基板(縦横50mm)を用意した。各焼結体
基板の表面に、実施例1と同様に人工ダイヤモンドの刃
先エッジ部を有する傷付け工具を用いて、実施例1と同
一形状の傷を表4に示す種々の深さに形成した。次に、
傷付けした各焼結体基板の表面にAgペーストをスクリ
ーン印刷し、焼き付けした後、外力を加えて傷を起点と
して分割した。得られた試料1〜10の各基板500枚
について、分割性を確認した結果を表4に併せて示し
た。
良好な分割が可能であったが、試料1と試料6ではスク
リーン印刷時の圧力により500枚中の1枚(0.2
%)のみが破断し、また試料5と試料10では500枚
中の1枚(0.2%)のみが傷に沿った分割ができず、
目的とする形状の基板が得られなかった。また、傷に沿
って目的形状に分割された全基板について、実施例1と
同様に幅方向の寸法(目標5.0mm)を測定したとこ
ろ、5.0±0.03mmの範囲内であることが分かっ
た。
単な方法によって、セラミックス焼結体基板を分割して
複数のセラミックス基板を安価な加工コストで製造する
ことができ、しかも得られるセラミックス基板は強度の
低下がなく、且つ寸法精度に優れている。
体基板が窒化アルミニウムの場合には、セラミックス自
身が粒界破壊しやすいため寸法精度が高くなるうえ、冷
却媒体として水を使わないのでアンモニアの発生もな
い。更に、分割後のセラミックス基板へのペーストの印
刷においても、表面に付着物が存在しないので、スクリ
ーンに傷が付く恐れがない。
傷付け加工を示す概略の断面図である。
を示す概略の断面図である。
ダイシングを示す概略の断面図である。
されたセラミックス基板を示す概略の断面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 セラミックス焼結体基板の表面に端から
端まで連続した浅い傷を傷付け工具を用いて形成した
後、その傷に沿ってセラミックス焼結体基板を分割する
ことを特徴とするセラミックス基板の製造方法。 - 【請求項2】 傷付け工具の刃先エッジ部が超硬合金又
はダイヤモンドからなることを特徴とする、請求項1に
記載のセラミックス基板の製造方法。 - 【請求項3】 表面に形成した傷の深さがセラミックス
焼結体基板の厚みに対して1/100以上1/10以下
であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセラ
ミックス基板の製造方法。 - 【請求項4】 セラミックス焼結体基板のビッカース硬
度が1500Hv以下であることを特徴とする、請求項
1〜3のいずれかに記載のセラミックス基板の製造方
法。 - 【請求項5】 セラミックス焼結体基板が窒化アルミニ
ウムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
に記載のセラミックス基板の製造方法。 - 【請求項6】 セラミックス焼結体基板への傷の形成時
及び分割時に冷却媒体を使用しないことを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載のセラミックス基板の製
造方法。 - 【請求項7】 セラミックス焼結体基板を分割して得ら
れたセラミックス基板であって、その表面と分割面との
縁に沿って深さがセラミックス基板の厚みに対して1/
100以上1/10以下の傷跡を有することを特徴とす
るセラミックス基板。
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