JP4795573B2 - セラミックス回路基板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス基板およびその製造方法ならびにセラミックス回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、セラミックス基板上に金属回路層が設けられた回路基板が広く使用されている。特に、窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ、アルミナとジルコニアなどの化合物を主成分とするセラミックス焼結体からなる基板上に、銅、アルミニウム等の金属板を設けたセラミックス回路基板は、優れた電気絶縁性、放熱性あるいは機械的強度を有していることから、例えばパワートランジスタ等の電子部品を実装したモジュール基板等に用いられている。
【0003】
このようなセラミックス回路基板を製造する際のコスト抑制および小型基板製造のための一つの方法として、大型のセラミックス焼結体を得、それを複数個に分割する方法(所謂「多数個取り」と称される方法)がある。例えば、グリーンシートと呼ばれるセラミックス成形体にブレイク溝を形成し、これを焼結してセラミックス焼結体を作製し、このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割する方法、あるいはセラミックス焼結体を作製し、次いでこのセラミックス焼結体にブレイク溝を形成し、その後このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割する方法によって、多数個取りが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
多数個取りを行なうためには、セラミックス焼結体の表面に、分割を容易に行なうためのブレイク溝が形成されている必要がある。従来から、ブレイク溝としては、ナイフカッター等の冶具によりライン状に溝を設ける方法(スクライブライン型)や、レーザー加工法などにより小さな穴を連続的に設ける方法(スクライブドット型)などがあるが、いずれの方法においてもブレイク溝はセラミックス基板の片面のみに成形されるのが一般的であった。
【0005】
このブレイク溝が浅い場合、分割後のセラミックス基板にバリが発生したり、ブレイク不良により所望の大きさ及び形状のセラミックス基板が得られ難い等の問題がある。このことからブレイク溝は深い方がセラミックス基板の分割操作が容易となり良好な分割断面を得ることができると言える。しかし、深いブレイク溝を形成することは、時間やコストの増大につながり、また分割前のセラミックス成形体の取り扱いが難しくなることがあってハンドリング性の点で満足できるものとは言えなかった。例えば、セラミックス焼結体にブレイク溝を形成する際は一般的にレーザー加工あるいはナイフカッター加工がなされるが、これらによって深いブレイク溝を形成することは時間やコストの点で不利である。また、グリーンシートにブレイク溝を形成する場合には、ハンドリング性が著しく悪化してシート取扱い中にシートが変形ないし分断してしまったり、その後の焼結工程において割れが発生してしまうことが考えられる。特に厚いセラミックス基板の場合、上記問題は顕著になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するものであって、基板の両面に適度のブレイク溝を形成することにより、ハンドリング性およびバリの発生がない優れた分割性に優れたセラミックス基板を提供するものである。
【0007】
したがって、本発明によるセラミックス基板は、セラミックス基板の少なくとも一つの側面に実質的に凸状の段差があること、を特徴とするものである。
【0008】
そして、本発明によるもう一つのセラミックス基板は、セラミックス焼結体をこのセラミックス焼結体に形成されたブレイク溝に沿って分割することによって得られたセラミックス基板であって、このセラミックス基板の少なくとも1つの側面に、前記ブレイク溝に由来する切欠き部がこの側面の上端部および下端部に形成されているものであること、を特徴とするものである。
【0009】
そして、本発明によるセラミックス回路基板は、上記のセラミックス基板上に、金属板が設けられてなるものであること、を特徴とするものである。
【0010】
また、本発明によるセラミックス基板の製造方法は、シート状のセラミックス成形体にブレイク溝を形成した後、これを焼結してセラミックス焼結体を作製し、このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割してセラミックス基板を製造する方法であって、前記ブレイク溝を前記セラミック成形体の上面および下面に形成すること、を特徴とするものである。
【0011】
さらに、本発明によるセラミックス基板の製造方法は、シート状のセラミックス成形体を焼結してセラミックス焼結体を作製し、次いでこのセラミックス焼結体の焼結前または焼結後にブレイク溝を形成し、その後このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割してセラミックス基板を製造する方法であって、前記ブレイク溝を前記セラミックス焼結体の上面および下面に形成すること、を特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明によるセラミックス基板は、セラミックス焼結体をこのセラミックス焼結体に形成されたブレイク溝に沿って分割することによって得られたセラミックス基板であって、このセラミックス基板の少なくとも1つの側面に、前記ブレイク溝に由来する切欠き部がこの側面の上端部および下端部に形成されているものであること、を特徴とするものである。
【0013】
このような本発明によるセラミックス基板の切欠き部が設けられている側面は、多数個取りの際の分割によって形成されたものである。よって、セラミックス基板の1つの側面のみが分割によって形成された場合にはその1つの側面のみに、セラミックス基板の2側面が分割によって形成された場合にはその2側面に、セラミックス基板の3側面あるいは4側面が分割によって形成された場合にはその3側面あるいは4側面に、切欠き部を有するセラミックス基板が得られることになる。
【0014】
以下、本発明を必要に応じて図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明によるセラミックス基板の一例を示す断面図である。図1に示されるセラミックス基板1の側面2には、分割のために形成されたブレイク溝に由来する切欠き部イおよび切欠き部ロが形成されている。本発明のセラミックス基板1は上端部、下端部に切欠き部イおよび切欠き部ロがあることから、少なくとも一つの側面においてその断面には実質的に凸状の段差ができる。
【0015】
側面2の下端部に形成された切欠き部イにおいて、横幅をA1、セラミックス基板の断面方向への長さをB1とし、側面2の上端部に形成された切欠き部ロにおいて、横幅をA2、セラミックス基板の断面方向への長さをB2とする。
【0016】
ブレイク溝の溝形状が左右対象でありかつブレイク溝が基板に対し直角に形成された場合、横幅A2はブレイク溝のほぼ半分の大きさとなり、切欠き部ロのセラミックス基板の断面方向への長さB2は、ブレイク溝の深さにほぼ相当する。この切欠き部は、分割のために形成されたブレイク溝に由来しており、この切欠き部の表面はブレイク溝の溝内壁面の片側の表面に対応するものであることから、上記の通りに、横幅A2はブレイク溝のほぼ半分の大きさであり、切欠き部ロのセラミックス基板の断面方向への長さB2はブレイク溝の深さにほぼ相当することになる。同様に切欠き部イでも、横幅A1はブレイク溝のほぼ半分の大きさであり、切欠き部イのセラミックス基板の断面方向への長さB1は、ブレイク溝の深さにほぼ相当している。また、切欠き部ロおよび切欠き部イの形状は、ブレイク溝の形状にほぼ相当している。
【0017】
なお、セラミックス基板の側面部における切欠き部がブレイク溝に由来するか否かは、切欠き部の表面粗さ(Ra)と、切欠き部でない側面部の表面粗さ(Ra)が異なっていることから判別可能である。例えば、切欠き部は焼結前または焼結後に設けるものであるのに対し、切欠き部でない側面部は分割した破断面の形状がそのまま残るか、あるいは側面を研磨することになるので切欠き部の表面粗さ(Ra)とは異なったものとなる。
【0018】
図1において、セラミックス基板の厚さはTで示めされている。セラミックス基板の厚さTはセラミックス基板の具体的用途や目的によって異なるが、本発明においては、比較的厚さが厚いセラミックス基板、特にTが0.6〜2.0mmである場合に効果的である。
【0019】
セラミックス基板の厚さが0.6mm未満と薄い場合は、片面のみにブレイク溝を設ける形態であっても十分に分割が容易である。一方、厚さが2.0mmを超えるとセラミックス基板の強度が大きいことから両面にブレイク溝を設けたとしても分割し難く、ブレイク不良を起こし易い。厚さが2.0mmを超える場合は、多数個取りを行わない方が好ましい。
【0020】
上記切欠き部ロのセラミックス基板の断面方向への長さがB2と、切欠き部イのセラミックス基板の断面方向への長さがB1との総和は、セラミックス基板の厚さTの1/2以下であることが好ましく、また1/4以上であることが好ましい[(1/4)T≦(B1+B2)≦(1/2)T]。B1とB2との総和がTの1/2を超える場合には、ハンドリング性が悪くこのセラミックス基板を安定して分割することが困難になる。また、B1とB2との総和がTの1/4を未満の場合は、分割に大きな力が必要となり、また分割の際にバリが発生したり、所望の大きさおよび形状のセラミックス基板が得られ難い等の問題が生じる。
【0021】
切欠き部イとロにおける基板の断面方向への長さB2とB1とは同一であっても異なっていても良い。
【0022】
また、同様に、切欠き部イとロにおける横幅A2とA1とは同一であっても異なっていても良い。
【0023】
横幅A2と横幅A1は、ブレイク溝の形成方法によって異なるが、本発明では、それぞれ0.01〜0.3mmの範囲内が好ましい。横幅A2と横幅A1は、セラミックス焼結体にブレイク溝をナイフカッターで形成するときは、0.01〜0.05mm程度であり、レーザー加工により形成するときは通常0.1〜0.5mm程度が好ましい。グリーンシート(セラミックス成形体)にブレイク溝を形成するときは焼結後の成形体の収縮を考慮して、0.05〜0.1mm程度であることが好ましい。
【0024】
なお、本発明によるセラミックス基板は、その側面の少なくとも一部分において所定の切欠き部が形成されていれば良い。従って、切欠き部イおよび切欠き部ロがセラミックス基板の側面の端部から端部まで連続して一様に設けられているもののみに限定されない。例えばレーザー照射を基板の両面に対して断続的に行い、多数のスポット状(ドット状)のレーザー加工孔が連続するように形成した後、分割することによって形成された側面形状のセラミックス基板も、本発明は包含するものである。
【0025】
本発明によるセラミックス基板1は、従来から一般的に用いられている各種のセラミックス基板材料から形成することができる。例えば、好ましくは窒化アルミニウム、窒化珪素、アルミナ、およびアルミナとジルコニアの化合物の少なくとも1種を主成分とする基板材料から形成することができる。このうち、熱伝導性の観点からは窒化アルミニウムを主体とする基板材料から形成されたものが好ましく、強度等の観点からは窒化珪素を主体とする基板材料から形成されたものが好ましい。このようなセラミックス基板材料は、必要に応じ、焼結助剤として各種の希土類化合物、好ましくは例えばイットリウム、イッテルビウム、エルビウム、セリウムの酸化物等を含有することができる。本発明において特に好ましい希土類化合物の種類およびその添加量は、セラミックス基板材料の種類、セラミックス回路基板の要求性能等に応じて決定することができる。例えば、窒化アルミニウムを主成分とし、特に熱伝導性が高いセラミックス基板を得る場合には、焼結助剤として酸化イットリウムを2〜5質量%使用することが好ましい。例えば、窒化珪素を主成分とし、特に機械的特性が高いセラミックス基板を得る場合には、焼結助剤として酸化イットリウム、酸化エルビウム、酸化イッテルビウムの少なくとも1種以上を合計で2〜17質量%使用することが好ましい。
【0026】
なお、本発明は焼結助剤として一種類の希土類化合物であっても所定の特性が得られるものであるが、複数の焼結助剤を組合せたものを排除するものでないことは言うまでもない。また、必要に応じ、Ti,Hf,Zr,W,Mo,Crの金属元素や化合物等の黒色化材を添加してもよい。
【0027】
前記のセラミックス原料粉末と焼結助剤との混合は常法に従って行うことができる。本発明では、例えばボールミル等を使用して前記のセラミックス原料粉末と焼結助剤等との混合を行うことができる。混合に際しては、必要に応じて、各種の補助材料を配合することができる。本発明では、この種のセラミックス基板の製造において従来から使用されてきた補助材料、例えばバインダーとして作用する各種の炭素質物質、を配合することができる。そのような炭素質物質の好ましい具体例としては、アクリル樹脂等の有機物バインダーを挙げることができる。
【0028】
前記のセラミックス原料粉末、焼結助剤粉末および必要に応じて配合された補助材料の混合物は、その後、例えば汎用の金型プレス法やドクターブレード法等によってシート状に成形される。
【0029】
本発明によるセラミックス基板は、種々の方法によって製造することができる。好ましくは、例えばシート状のセラミックス成形体(グリーンシート)にブレイク溝を形成した後、これを焼結してセラミックス焼結体を作製し、このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割してセラミックス基板を製造する方法であって、前記ブレイク溝を前記セラミック成形体の上面および下面に形成することによって製造することができる。
【0030】
あるいはシート状のセラミックス成形体を焼結してセラミックス焼結体を作製し、次いでこのセラミックス焼結体にブレイク溝を形成し、その後このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割してセラミックス基板を製造する方法であって、前記ブレイク溝を前記セラミックス焼結体の上面および下面に形成することによって製造することができる。
前記ブレイク溝の形状は任意である。例えば断面が実質的にV字型またはU字型を例示することができる。
【0031】
上記のシート状成形体は、必要に応じ脱脂工程に付された後、焼結される。脱脂工程は、例えば300〜800℃×0.5〜5時間が好ましい。脱脂工程の温度や処理時間はセラミックス基板のサイズおよび種類等に応じて適宜選択することができる。焼結温度は、好ましくは1600〜1950℃の範囲内である。焼結時間は、好ましくは0.5〜10時間の範囲内である。焼結温度および焼結時間は、成形体の形状、大きさ、成形体の密度、焼成体の強度、硬度、具体的用途や、焼結温度及び焼結時間との関連性を考慮したうえで、上記範囲内で最も適切な条件を具体的に定めることができる。
【0032】
上記のようにして得られたセラミックス焼結体は、所定の大きさおよび形状に分割することができる。セラミックス焼結体の分割は、グリーンシートの段階でブレイク溝が成形されたものである場合にはそのブレイク溝に沿って応力を印加することによって行うことができる。ブレイク溝が未だ形成されていない場合は、例えばレーザー加工等によってセラミックス焼結体に線状ないし点状にブレイク溝を形成し、これに沿って応力を印加することによって分割することができる。
このようにして、本発明によるセラミックス基板を製造することができる。
【0033】
本発明によるセラミックス基板には、その片面または両面の少なくとも一部に金属板を設けることができる。この金属板は、基板上に所望の電気回路が形成されるようにパターン化されたものであっても良い。このような電気回路が形成されるように金属板が設けられてなるセラミックス基板は、本発明の特に好ましい一具体例である。ここで、セラミックス焼結体の分割と金属板の設置(金属板の形成ないし積層)は、どちらを先に行っても良い。即ち、金属板を設置した後に分割することもできるし、分割した後に金属板を設置することもできる。また、金属板の設置を複数回に分け、一部の回路を形成した後に分割しその後残りの回路を設置するようにすることもできる。
【0034】
セラミックス基板上に金属回路板を設ける場合、基板の断面方向への長さが短い切欠き部の方へ金属回路板を設けるのが好ましい。即ち、B2<B1の場合、基板の断面方向の長さが短い切欠き部(ロ)の方へ金属回路板を設けるのが好ましい。
【0035】
金属板は、従来から一般的に用いられてきたものを使用することができる。本発明では、銅、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、亜鉛、鉛、錫、白金、および上記いずれかの金属化合物から形成された金属を使用することができる。上記の中でも、特に銅、アルミニウムの少なくとも1種を主成分とする金属から形成された金属板を使用することが好ましい。
【0036】
セラミックス基板への金属板の接合は、活性金属法および直接接合法によって行うことができる。また、金属板を接合させる形態以外にも、ペーストを用いた厚膜法やスパッタ等を用いた薄膜法によって回路を形成することも可能である。
【0037】
このような本発明のよるセラミックス基板およびセラミック回路基板は、優れた機械的強度および形状安定性を備えておりかつ製造時のハンドリング性も良好であることから、数々の用途に適したものである。特にパワートランジスタ等の電子部品を実装したモジュール基板に適したものである。
【0038】
【実施例】
<実施例1>
酸化アルミニウム粉末を主成分とし、焼結助剤として酸化イットリウムを4質量%添加したものをセラミックス原料として用い、これを焼結して表1に示されるセラミックス焼結体を作製した。このセラミックス焼結体の両面に、表1に示されるようにブレイク溝を形成した。このブレイク溝に沿って上記セラミックス分割して多個取りを行った。分割後のセラミックス基板の大きさは10mm×20mmに、多個取り個数は16個(4×4個)に統一した。
【0039】
なお、ブレイク溝の形成方法として「ナイフカッター法」はセラミックス成形体にナイフカッター等の冶具でスクライブラインを設けたものであり、「レーザー法」はセラミックス焼結体にレーザー加工によりスクライブドットを設ける方法である。また、本実施例においてはナイフカッターにより形成されたスクライブ溝の断面はU字型、レーザー加工により形成されたスクライブ溝の断面はV字型とした。
【0040】
同様なセラミックス焼結体を100枚を用意し、上記と同じ条件にて分割したときの結果から、ブレイク不良率(100枚のセラミックス焼結体のうちブレイク不良が発生したセラミックス基板の数の割合)を判定した。結果は、表1に示される通りであった。
【0041】
<実施例2>
窒化アルミニウム粉末を主成分とし、焼結助剤として酸化イットリウムを3質量%添加したものをセラミックス原料として用い、これを焼結して表1に示されるセラミックス焼結体を作製した。このセラミックス焼結体の両面に、表1に示されるようにブレイク溝を形成した。
実施例1と同様に多個取りおよび分割し、同様にブレイク不良率を判定した。結果は、表1に示される通りであった。
【0042】
<実施例3>
窒化珪素粉末を主成分とし、焼結助剤として酸化イットリウムを4質量%、酸化エルビウムを3質量%、酸化チタンを1質量%添加したものをセラミックス原料として用い、これを焼結して表1に示されるセラミックス焼結体を作製した。このセラミックス焼結体の両面に、表1に示されるようにブレイク溝を形成した。
実施例1と同様に多個取りおよび分割し、同様にブレイク不良率を判定した。結果は、表1に示される通りであった。
【0043】
<実施例4>
酸化ジルコニウム粉末を主成分とし、焼結助剤として酸化イットリウムを5質量%添加したものをセラミックス原料として用い、これを焼結して表1に示されるセラミックス焼結体を作製した。このセラミックス焼結体の両面に、表1に示されるように両面にブレイク溝を形成した。
実施例1と同様に多個取りおよび分割し、同様にブレイク不良率を判定した。結果は、表1に示される通りであった。
【0044】
<比較例1>
セラミックス焼結体の片面のみにブレイク溝を形成したこと以外は、実施例1と同様にして多個取りおよび分割し、同様にブレイク不良率および三点曲げ強度を判定した。結果は、表1に示される通りであった。
【0045】
【表1】
Figure 0004795573
表1から分かる通り、実施例1〜4のセラミックス基板は、ブレイク不良率が低減したものである。これに対し、比較例1のセラミックス基板はブレイク不良率が高いことが確認された。
【0046】
<実施例5>
酸化アルミニウム粉末を主成分とし、焼結助剤として酸化イットリウムを3質量%添加したものをセラミックス原料として用い、これを焼結して表2に示されるセラミックス焼結体を作製した。このセラミックス焼結体の両面に、表2に示されるようにブレイク溝を形成した。
実施例1と同様に多個取りおよび分割し、ブレイク不良率およびハンドリング性を判定した。ここで、ハンドリング性の評価は、脱脂または焼結工程において割れや欠けが発生したサンプルの割合(%)を求めることによって評価した(全サンプル数は100)。
結果は、表2に示される通りであった。
【0047】
【表2】
Figure 0004795573
表2から分かる通り、切欠き部のセラミックス基板の断面方向への長さB1、B2が大きくなる程、ブレイク不良率が低下することが分かる。しかし、B1、B2が大きくなる程、脱脂および焼結時の割れ率が高くなり、ハンドリング性が低下することが判明した。これはB1、B2を大きくすることにより成形体または焼結体のブレイク溝形成部の強度が低下したためであり、焼結時のセラミックス成形体の収縮や、脱脂または焼結工程でのセラミックス成形体の搬送中にセラミックス成形体が破損したものと考えられる。
【0048】
<実施例6および比較例2>
実施例1〜4および比較例1のセラミックス基板の片面(即ち、切欠き部ロ(A2、B2)側)に、金属回路板(この金属回路板は、横2mm×縦10mm×厚さ0.3mmの2枚の銅板からなっている)を設けて、表3に示されるセラミックス回路基板を製造した。セラミックス基板の金属回路板を設けていない面(即ち、切欠き部ロ(A1、B1)側)には、反り防止のために横8mm×縦10mm×厚さ0.3mmの銅板を接合した。
【0049】
各セラミックス回路基板のTCT特性を評価した。TCT特性は、−40℃×30分→25℃×10分→125℃×10分→25℃×10分を1サイクルとして、100サイクル後のセラミックス基板のクラックの有無を確認することによって評価した。結果は、表3に示される通りであった。
【0050】
また、比較例6−2として成形体サイズを比較例1と同サイズとし、ブレイク溝を設けないで製造する基板を用意した。
【0051】
金属板の接合法において、活性金属法は70wt%Ag-27wt%Cu-3wt%Tiろう材を用いて800〜880℃で熱処理を行うことにより接合したものである。また、直接接合法は銅板をセラミックス基板に接触させ1065〜1083℃で熱処理を行い銅と酸素の共晶体を生成させることにより接合したものである。なお、窒化アルミニウム基板に対し、直接接合法を行う場合には表面に厚さ1μmの酸化アルミニウム膜を形成した後に行ったものである。
【0052】
【表3】
Figure 0004795573
表3から分かる通り、実施例6−1−1〜実施例6−4−1のセラミックス基板は、TCT試験において多数個取りを行わない方法で製造された比較例6−2と同等の優れた特性を示すことが確認された。
また、比較例6−1はTCT試験後にクラックが発生していることが確認された。これは分割した際にブレイク溝を設けていない側の面の端部にバリや微小クラックが発生してしまい部分的に強度が低下したためであると考えられる。
【0053】
<実施例7>
窒化アルミニウム、窒化珪素を主成分とするセラミックス原料として使用し、表4に示されるように、基板厚さが異なるセラミックス基板を製造し、基板厚さに違いによるブレイク不良率およびハンドリング性を評価した。
結果は、表4に示される通りである。
【0054】
【表4】
Figure 0004795573
表4から明らかなように、本発明によれば分割性が良好な厚さ0.6〜2.0mmのセラミックス基板に有効である。基板厚さが0.6mm未満では両面にブレイク溝を設ける効果が小さい。一方、基板厚さが2.0mmを超えるとセラミックス基板のブレイク不良率が増加する。これは、セラミックス基板を構成するセラミックス焼結体の強度が高いために厚い焼結体を分割するのが困難なためである。言い換えれば、本発明の両面にブレイク溝を設けるセラミックス基板は基板厚さが0.6〜2.0mmのものに特に効果的であると言える。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、ハンドリング性が良好でバリ等の発生を抑制でき、分割性に優れたセラミックス基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス基板の一例を示す断面図
【符号の説明】
1 セラミックス基板
2 セラミックス基板側面
イ 切込み部
ロ 切込み部

Claims (2)

  1. セラミックス基板と、この基板上に直接接合法または活性金属接合法により金属回路板が設けられてなるセラミックス回路基板あって、
    前記セラミックス基板は、シート状のセラミックス成形体にブレイク溝を形成した後、これを焼結してセラミックス焼結体を作製し、このブレイク溝に沿って前記セラミックス焼結体を分割して製造されたものであって、厚さ0.6〜2.0mmのものであり、
    前記ブレイク溝は、前記セラミック成形体の上面および下面に形成されると共に、
    前記ブレイク溝は、横幅が0.05〜0.1mmであり、上面に形成されたブレイク溝の断面方向への長さと下面に形成されたブレイク溝の長さとの総和がセラミックス基板の厚さの1/4以上1/2以下であり、かつ
    前記金属回路板は、セラミックス基板の上端部に形成された切欠き部のセラミックス基板の断面方向への長さと、下面に形成された切欠き部のセラミックス基板の断面方向への長さとを比べたとき、短い方の切り欠き部の方に、設けられていることを特徴とする、セラミックス回路基板。
  2. 前記ブレイク溝が、V字型、U字型のいずれかの形状のものである、請求項1に記載のセラミックス回路基板。
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