JP6515387B2 - 超硬工具及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、超硬工具に関し、さらに詳しくは、高硬度鋼材加工用の超硬工具に関する。
高硬度鋼材等の鋼材を加工するために、超硬工具が利用される。超硬工具はたとえば、鋼材表面の旋盤加工用工具、ねじ切削工具、粉体成形金型、冷間引き抜きプラグ及びビレット穿孔工具等である。鋼材を加工する際、超硬工具と被加工鋼材との摩擦により、超硬工具に機械的摩耗が生じる。特に、高硬度鋼材を切削加工する際は、超硬工具の機械的摩耗が早く、刃先欠損が著しい。そのため工具寿命が短くなる傾向がある。
超硬工具の工具寿命を向上させる技術は、硬質保護膜を形成する方法と、硬質保護膜を形成しない方法とに大別される。硬質保護膜を形成しない方法はたとえば、特開昭62−250134号公報(特許文献1)及び特開2002−210525号公報(特許文献2)に記載されている。これらの特許文献では、超硬工具の基材に、窒化処理等の表面処理を施す。これにより、超硬工具の表面を硬くして、工具寿命を向上させる。
一方、硬質保護膜を形成する方法ではたとえば、基材表面にダイヤモンド又は金属窒化物等の硬質保護膜を形成する。これにより、超硬工具の表面を硬くし、さらには超硬工具表面の潤滑性を向上させて、工具寿命を向上させる。
硬質保護膜を形成する場合、硬質保護膜の密着力が低ければ、超硬工具使用時に硬質保護膜が剥離する。硬質保護膜が剥離すれば、工具寿命は向上されない。したがって、硬質保護膜には、優れた密着力が要求される。
ダイヤモンドの硬質保護膜の密着力を高める技術がたとえば、特開平4−263074号公報(特許文献3)及び特開2008−272863号公報(特許文献4)に記載されている。これらの文献では、基材の表面粗さを大きくすることで、硬質保護膜の密着力を高める。
特許文献3には、硬質材料の表面にダイヤモンド及び/又はダイヤモンド状炭素被覆層を形成してなる被覆硬質材料が記載されている。特許文献3に記載されている被覆硬質材料は、(1)基材表面に微視的凹凸が存在し、(2)凸部が、ダイヤモンド及び/又はダイヤモンド状炭素被覆層―基材界面において、基準長さを50μmとしたとき、この基準長さ内の面粗度がRmaxにて0.5〜30μmであることを特徴とする。
特許文献4には、気相合成法により超硬合金基材上に10〜1000μmの厚みでダイヤモンドを形成した気相合成ダイヤモンドチップが記載されている。特許文献4に記載されているダイヤモンドチップは、超硬合金基材の少なくともダイヤモンドとの境界部は、WC粒子が溶融結合したWC集合体からなる気相合成ダイヤモンドチップである。特許文献4にはさらに、超硬合金基材の表面粗さをRmax2〜10μmの凹凸を有する表面とすることについて、記載がある。
一方で、金属窒化物等の硬質保護膜の密着力を高める技術がたとえば、特開2005−42146号公報(特許文献5)及び特表2010−524710号公報(特許文献6)に記載されている。
特許文献5に記載された高耐摩耗性高硬度被膜は、基材と、コーティング層と、下地層と、中間層とを備える。基材は、高速度鋼である。コーティング層は金属窒化物からなり、被処理物である基材の外側表面に形成される。下地層はTi又はCrの窒化物からなり、コーティング層と被処理物との間に設けられる。中間層は、中間層に接するコーティング層の組成と下地層の組成との混合組成からなり、コーティング層と下地層との界面に設けられる。
特許文献6に記載された、超硬合金工具の製造方法は、超硬合金切削工具母材の表面を0.5〜5μmの範囲で均一に除去して表面が平滑な面を有しながらタングステンカーバイド粒子の周囲に存在する焼結気孔の面積比率が5%以上が残存するようにする段階と、除去された表面上にコーティングする段階とを備える。
特開昭62−250134号公報 特開2002−210525号公報 特開平4−263074号公報 特開2008−272863号公報 特開2005−42146号公報 特表2010−524710号公報
しかしながら、上述の特許文献に開示された超硬工具であっても、表面粗さが大きい、あるいは硬質保護膜の密着力が不十分である場合がある。この場合、工具寿命を向上しにくい。
本発明の目的は、優れた工具寿命を有する超硬工具を提供することである。
本実施形態による超硬工具は、基材と、硬質保護膜とを備える。基材は、WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有する。基材は、テキスチャーを含む表面を有する。テキスチャーは、マトリクス状に配置された複数の凹みを含む。凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmである。硬質保護膜は、テキスチャー上に形成されている。硬質保護膜は、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
本実施形態による超硬工具の製造方法は、準備工程と、表面加工工程と、成膜工程とを備える。準備工程では、WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有する基材を準備する。表面加工工程では、準備工程の後に、レーザーアブレーションにより、テキスチャーを基材の表面に形成する。テキスチャーは、マトリクス状に配置された複数の凹みを含み、凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmである。成膜工程では、表面加工工程の後に、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する硬質保護膜を、基材のテキスチャーを形成した表面上に形成する。
本実施形態による超硬工具は、硬質保護膜の密着力が高く、潤滑性が高い。そのため、優れた工具寿命を有する。
図1は、本実施形態による超硬工具の断面図である。 図2は、基材2の表面21をその法線方向から見た図である。 図3は、図2とは異なる他の実施形態による、基材2の表面の図である。
本発明者らは、超硬工具の工具寿命を向上させる方法について種々検討を行った。その結果、以下の知見を得た。
硬質保護膜の密着力は高いことが好ましい。硬質保護膜の密着力が高ければ、超硬工具使用時に、硬質保護膜の剥離が抑制される。これにより、超硬工具の高い硬度と高い潤滑性とが維持される。そのため、超硬工具の工具寿命が向上する。
硬質保護膜の密着力を高めるには、超硬工具の基材表面に凹凸を付与することが有効である。これにより基材表面の面積を増大させ、基材と硬質保護膜との化学的結合力を高めることができる。さらに、基材表面の凹凸によるアンカー効果により、硬質保護膜の密着力が高まる。
従来、基材表面の表面粗さを大きくすることにより、上述の硬質保護膜の密着力向上が図られてきた。表面粗さが大きくなるまで基材表面に凹凸を付与することにより、より大きなアンカー効果を得ることができる。しかしながら、表面粗さを大きくすれば、超硬工具の潤滑性が低下する。そのため、超硬工具使用時の摩擦抵抗が上がり、工具寿命が短くなる。表面粗さを大きくすればさらに、基材表面に形成した凹凸を埋めるために十分な厚さの硬質保護膜を形成し、その後、硬質保護膜の表面に対して平滑化処理を実施する必要が生じる。
そこで、本実施形態ではレーザーアブレーションにより、従来よりも小さな凹凸を基材表面に付与する。具体的には、マトリクス状に配置された複数の凹みを含むテキスチャーを、基材の表面に形成する。凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmである。凹みの大きさは十分に小さい。そのため、テキスチャーを形成することにより、表面粗さを増大させることなく、基材表面の表面積を増大させ、かつ、アンカー効果を得ることができる。したがって、超硬工具の優れた潤滑性と、硬質保護膜の優れた密着力とを両立でき、さらに、平滑化処理を実施する必要がない。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態による超硬工具は、基材と、硬質保護膜とを備える。基材は、WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有する。基材は、テキスチャーを含む表面を有する。テキスチャーは、マトリクス状に配置された複数の凹みを含む。凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmである。硬質保護膜は、テキスチャー上に形成されている。硬質保護膜は、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
本実施形態による超硬工具は、マトリクス状に配置された、ごく小さな凹みを含むテキスチャーを基材表面に有する。そのため、硬質保護膜の密着力が高く、潤滑性が高い。
上述の超硬工具は、硬質保護膜の表面における表面粗さRaが、0.20μm以下であることが好ましい。
本実施形態による超硬工具の製造方法は、準備工程と、表面加工工程と、成膜工程とを備える。準備工程では、WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有する基材を準備する。表面加工工程では、準備工程の後に、レーザーアブレーションにより、マトリクス状に配置された複数の凹みを含むテキスチャーを基材の表面に形成する。凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmである。成膜工程では、表面加工工程の後に、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する硬質保護膜を、基材のテキスチャーを形成した表面上に形成する。
上述の表面加工工程は、YAGレーザー加工によって行われることが好ましい。
以下、図面を参照して、本実施形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[超硬工具]
図1は本実施形態による超硬工具の断面図である。図1を参照して、超硬工具1は基材2と硬質保護膜3とを備える。硬質保護膜3は、基材2の表面21上に形成されている。
[基材2の化学組成]
基材2は、WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有する。
炭化タングステン(WC)は、高硬度及び高融点の炭化物であり、靱性及び抗折強度に優れる。そのため、WCは、主に重切削の環境下で工具寿命を向上する。さらに、WCの熱伝導率が高いため、切削等の加工時に、超硬工具1に発生する摩擦熱を外部へ逃がすことができる。コバルト(Co)はWCの結晶粒の粒界に介在する。CoはWC結晶粒のバインダ(結合材)として機能し、WC結晶粒の粒界すべり強度を高める。
基材2はさらに、任意の成分として、炭化チタン(TiC)又は炭化タンタル(TaC)を含有してもよい。TiCはWCと比較して硬度が高い。そのため、TiCを含有した場合、超硬工具1の強度が向上する。TaCは化学的安定性が高い。そのため、TaCを含有した場合、超硬工具1の化学的安定性が高まる。したがって、基材2はWC及びCoとともに、TiC及びTaCのいずれか1種以上を含有するのが好ましい。
[テキスチャー]
図2は、基材2の表面21をその法線方向から見た図である。表面21は、テキスチャーを含む。テキスチャーは微細な凹凸構造を意味する。本実施形態では、テキスチャーはマトリクス状に配置された複数の凹み4を含む。各凹み4は半球状である。テキスチャー(つまり、複数の凹み4)は、レーザーアブレーションにより、表面21に形成される。
図2に示すとおり、各凹み4の開口は円形である。開口の直径(開口径)は、0.05〜0.2μmである。凹み4の開口径が0.05μm未満であれば、十分なアンカー効果が得られず、さらに、十分に基材2の表面積を大きくできない。そのため硬質保護膜3の密着力が低下する。一方、凹み4の開口径が0.2μmよりも大きければ、レーザーの照射時間が長くなり過ぎる。あるいは、レーザーの出力が高くなり過ぎる。この場合、焼結体である基材2にクラックが入る場合がある。さらに、凹み4の開口径が0.2μmよりも大きければ、硬質保護膜の密着力が低下する。したがって、凹み4の開口径は、0.05〜0.2μmである。凹み4の開口径の下限は好ましくは0.10である。
凹み4の深さは、0.05〜0.1μmである。凹み4の深さが0.05μm未満であれば、十分なアンカー効果が得られず、さらに、十分に基材2の表面積を大きくできないため硬質保護膜3の密着力が低下する。一方、凹み4の深さが0.1μmより大きければ、硬質保護膜3の表面粗さが大きくなり過ぎる。この場合、超硬工具の潤滑性が低下する。凹み4の深さが0.1μmより大きければさらに、レーザーによる表面加工工程の際、加工くずが多量に発生する。加工くずは、凹み4の円周に付着しやすい。凹み4の円周に付着した加工くずは、基材2の表面21上に凸部を形成し、硬質保護膜3の一部に入り込む。この場合、硬質保護膜3が均質に形成できないため、硬質保護膜3の密着力が低下する。凸部が形成されればさらに、硬質保護膜3の表面粗さ、つまり超硬工具1の表面粗さが大きくなる。したがって、凹み4の深さは、0.05〜0.1μmである。
マトリクス状に配置された複数の凹み4のうち、隣り合う凹み4同士の間隔は、0.2〜1.0μmである。ここで、凹み4の間隔とは、隣り合う凹み4同士の最短のピッチ(間隔)を意味する。ピッチは、隣り合う凹み4同士の中心間の距離で定義される。たとえば、図2のように、X方向の凹み4の配列ピッチ(間隔)と、Y方向の凹み4の配列ピッチとが等しい場合、隣り合う凹み4同士の最短のピッチ(間隔)は、距離cではなく、距離a及び距離bである。隣り合う凹み4同士の間隔は一定でもよいし、0.2〜1.0μmの範囲内で変化してもよい。変化する場合は、規則的に変化しても、変則的に変化してもよい。隣り合う凹み4同士の間隔が変化する場合であっても、硬質保護膜3は全体として均質に形成される。
複数の凹み4の配列は、図2に限定されない。たとえば、図3に示すように、正三角形の頂点に各凹み4が配置されるようなマトリクス状の配置であってもよい。この場合、隣り合う凹み4同士の距離a、距離d及び距離eはいずれも等しい。したがって、隣り合う凹み4同士の間隔は距離a、距離d及び距離eである。なお、隣り合う凹み4同士の間隔は、一定であってもよいし、0.2〜1.0μmの範囲内で変化してもよい。
隣り合う凹み4同士の間隔が0.2μm未満である場合、隣り合う凹み4の円周に付着した加工くずが一つの塊となり、超硬工具1の表面粗さが大きくなる。隣り合う凹み4同士の間隔が0.2μm未満であればさらに、後述する表面加工工程の加工時間が長くなる。この場合、生産効率が低下する。隣り合う凹み4同士の間隔が0.2μm未満ではさらに、レーザーによる加工が精度良く行えない場合がある。この場合、隣り合う凹み4同士が繋がる。複数の凹み4同士が繋がれば、凹み4の直径が大きすぎる場合と同様に、硬質保護膜3の密着力が低下する。したがって、隣り合う凹み4同士の間隔の下限は0.2μmである。
一方、隣り合う凹み4同士の間隔が1.0μmより大きければ、基材2の表面21に形成する凹み4の数が少なすぎる。この場合、十分なアンカー効果が得られず、さらに、十分に基材2の表面積を大きくできないため、硬質保護膜3の密着力が低下する。したがって、隣り合う凹み4同士の間隔の上限は1.0μmである。
「マトリクス状に配置された」とは、二次元方向に配置されたことをいう。つまり、凹み4の配置は、図2及び図3に図示された配置に限定されない。
基材2の表面21は、レーザー光により瞬間的に加熱及び冷却される。そのため、レーザー光が照射された基材2の表面21の組織は、基材2の内部と比較してより緻密になり、高い硬度を有する。基材2の表面21の硬度が高ければ、硬質保護膜3の密着力がより高まる。
[硬質保護膜3]
超硬工具1は、基材2のテキスチャーを形成した表面21上に、硬質保護膜3を備える。硬質保護膜3は、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。
硬質保護膜3は、超硬工具1の硬度及び潤滑性をさらに高める。硬質保護膜3はたとえば、TiやAlを含む金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物、金属酸化物又はこれらの複合化合物である。硬質保護膜3は、基材2と同等又はそれ以上の硬さを有する。硬質保護膜3はさらに、切削等の加工環境下において十分な化学的安定性を有する。そのため、加工対象材、たとえば、高硬度鋼材との凝着が抑制される。
硬質保護膜3は、基材2の表面21上に単層又は複層で形成される。硬質保護膜3の表面は、下地となる基材2の表面性状の影響を受ける。すなわち、基材2の表面粗さが大きければ、硬質保護膜3の表面粗さも大きい。反対に、基材2の表面粗さが小さければ、硬質保護膜3の表面粗さも小さい。
硬質保護膜3は、テキスチャーが形成された基材2表面に形成される。したがって、基材2の表面積が増大し、硬質保護膜3との化学的な結合力が高まる。さらに、基材2の表面にテキスチャーが形成されているため、アンカー効果により、硬質保護膜3の密着力が高まる。また、基材2の表面は、レーザーアブレーションにより、部分的に硬化している。下地となる基材2表面の硬度が高ければ、超硬工具1の使用時に、基材2が変形しにくい。そのため、硬質保護膜3の密着力がさらに高まる。
[表面粗さ]
テキスチャーの凹み4は非常に小さい。そのため、硬質保護膜3の下地となる基材2の表面21の表面粗さは小さい。したがって、硬質保護膜3の表面粗さも小さい。硬質保護膜3の表面粗さは、0.2μm以下であることが好ましい。表面粗さが0.2μm以下であれば、超硬工具1の潤滑性が安定的に高まる。この場合、工具寿命が向上しやすい。表面粗さの下限は低い程良いが、たとえば0.1μmである。
[製造方法]
本実施形態の超硬工具1の製造方法の一例を説明する。本実施形態の超硬工具1の製造方法は、準備工程、表面加工工程及び成膜工程を備える。以下、各工程を詳述する。
[準備工程]
初めに、基材2を製造する。基材2の製造方法は特に限定されない。たとえば、上述の化学組成に対応する成分を含有した原料の炭化物及び金属粉末を、整粒及び混合して混合原料を製造する。混合原料を所定形状の金型で加圧成形して打ち抜きする。得られた成形体を真空中で焼成して、基材2を製造する。
[表面加工工程]
表面加工工程では、準備工程の後に、レーザーアブレーションにより、基材の表面に半球状の凹み4を有するテキスチャー形成する。レーザーアブレーションとは、高集束のレーザー光を被加工物に照射して溶解、蒸発させて加工する方法である。レーザー光を当てられると、被加工物を構成する元素が原子、分子、ラジカル、クラスター、液滴及びそれらのイオン等の形で爆発的に放出される。レーザーはたとえば、気体レーザー、固体レーザー、半導体レーザー及び色素レーザーである。気体レーザーはたとえば、CO2、ヘリウム・ネオン、アルゴンイオン、エキシマXeF、エキシマXeCl、エキシマKrF及びエキシマArFである。固体レーザーはたとえば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、ルビーである。YAGはたとえば、エルビウム・イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Er:YAG)、ネオジム・イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Nd:YAG)である。表面加工方法で用いるレーザーの種類は特に限定されないが、YAGレーザーであることが好ましい。
形成するテキスチャーは、マトリクス状に配置された複数の凹み4を含み、凹み4の開口径は0.05〜0.2μmであり、凹み4の深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う凹み4同士の間隔は0.2〜1.0μmである。表面加工工程では、基材2をレーザーアブレーション装置に固定する。そして、基材2の表面21にレーザー光を照射する。レーザー光の照射条件は、上述の凹み4を有するテキスチャーとなるように適宜設定できる。レーザー光の照射条件はたとえば、YAGレーザーを使用し、発振波長:266nm、出力:500Wである。テキスチャーは、超硬工具1の表面21全体に形成してもよい。テキスチャーは、切削刃の機能を有する部分のみに部分的に形成してもよい。部分的に形成する場合は、たとえば、超硬工具1の中で、超硬工具1の使用時に特に負荷がかかる部分にのみテキスチャーを形成し、その上に硬質保護膜3を形成してもよい。これにより、硬質保護膜3の剥離を抑制できる。
[成膜工程]
成膜工程では、表面加工工程の後に、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する硬質保護膜3を形成する。具体的には、表面加工工程を実施した基材2に対して、周知の成膜工程を実施する。たとえば、物理蒸着法、化学蒸着法及び溶融塩浴処理法のいずれかを実施する。
物理蒸着は、たとえば以下の方法で行うことができる。硬質保護膜3を構成する金属元素を用いた混合粉末を、円板形状に加圧成形して成形体を製造する。成形体を真空焼結後、スパッタ法又はアークイオンプレーテイング法を用いて、金属成分から金属イオンを電磁気的に励起させる。その後、装置気相中に窒素ガス等を充填させる。充填された窒素ガスは分解して窒素イオンとなる。励起した金属イオンは、直流バイアス電源制御により負に帯電した基材2の表面に引き付けられる。窒素イオンと金属イオンとが基材2の表面で化学結合することにより、基材2の表面に硬質保護膜3が形成される。
硬質保護膜3は、基材2のテキスチャーを形成した表面21上に形成する。これにより、硬質保護膜3の密着力が高まる。上述のように、テキスチャーを超硬工具1の表面21に部分的に形成した場合は、少なくともその表面21上に硬質保護膜3を形成する。テキスチャーを、超硬工具1の表面に部分的に形成した場合であっても、硬質保護膜3を、超硬工具1の表面21全体に形成してもよい。
[準備工程]
2種類の基材を作製した。基材Aは、WC:85質量%、Co:10質量%、TiC:3質量%、TaC:2質量%を混合し、混合原料を作製した。基材Bは、WC:90質量%、Co:10質量%を混合し、混合原料を作製した。
混合原料を整粒及び混合し、200MPaで加圧成形した。得られた成形体に対して、大気中にて、1000℃で仮焼結を実施した。加熱時間は2時間であった。仮焼結後の成形体に対して、真空中にて、1500〜1700℃で本焼結を実施して焼結体を製造した。加熱時間は2時間であった。以上の工程により、基材を準備した。
[表面加工工程]
得られた基材に、表1に示す直径、深さ及び間隔を有する凹みを有するテキスチャーを、YAGレーザー加工により形成した。レーザー光の照射条件は、発振波長:266nm、出力:500Wであった。凹みは、図2に示すとおり、横方向X及び縦方向Yにそれぞれ等間隔に形成した。形成した凹みの間隔は全て同じであった。試験番号11及び試験番号12の基材には、表面加工工程を実施しなかった。
Figure 0006515387
[成膜工程]
各試験番号の超硬工具の基材上に硬質保護膜を成膜した。成膜工程として物理蒸着法(PVD)を用いた。Ti及びAlを用いた混合粉末を、円板形状に加圧成形して成形体を製造した。成形体を真空焼結後、スパッタ法を用いて、金属成分を電気的に励起させた。その後、装置気相中に窒素ガスを充填させた。励起させた金属成分と基材の成分とを、基材の表面上にて化学結合させて、TiAl−Nからなる硬質保護膜を3.0μm厚で成膜した。
[表面粗さ測定試験]
各試験番号の硬質保護膜の表面粗さを測定した。具体的には、株式会社ミツトヨ製、Surf Scan、SV−600型表面粗さ測定器を用いて評価した。表面粗さ触針(ダイアモンド製;外径25μm)を用い、室温、荷重;0.1N、測定速度;0.5mm/秒として、硬質保護膜の任意表面を試験片の長手方向及び長手方向と直交する方向の双方10mm長で計測し、双方向の平均値を以て表面粗さとした。表面粗さは、JIS規格B0601(1994)に定める「算術平均粗さ;Ra」を採用した。測定結果を表1に示す。
[硬質保護膜密着力測定試験]
硬質保護膜の基材に対する密着力を測定した。密着力の測定には、CSM Instruments社製、Revetest Scratch Tester、N27−486型のスクラッチ式試験機を使用した。ダイアモンド製触針;外径200μm(N2−4996型)を荷重;0〜200N間で、室温、走査速度10mm/分、荷重速度100N/分で走査させた。異常振動信号が検出された荷重値と、走査動画写真にて硬質保護層の剥離もしくは破壊が確認された時点の荷重値とを比較して、低い方の荷重値を密着力として定義した。測定結果を表1に示す。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。表1を参照して、試験番号1〜試験番号10の超硬工具は、基材表面に適切な直径、深さ及び間隔を有する凹みを有するテキスチャーを有した。そのため、硬質保護膜成膜後の表面粗さRaが0.20μm以下となり、優れた潤滑性を示した。さらに、試験番号1〜試験番号10の超硬工具の硬質保護膜の密着力は100N以上となり、優れた密着力を示した。
一方、試験番号11及び試験番号12の超硬工具は、表面加工工程を実施しなかった。そのため、硬質保護膜成膜後の表面粗さRaは0.20μmとなったものの、硬質保護膜の密着力が100N未満となった。
試験番号13の超硬工具は、基材表面に形成した凹みの直径が0.20μmより大きかった。そのため、硬質保護膜成膜後の表面粗さRaが0.20μmより大きくなり、さらに、硬質保護膜の密着力が100N未満となった。
試験番号14及び試験番号15の超硬工具は、基材表面に形成した凹みの深さが0.1μmより大きかった。そのため、硬質保護膜成膜後の表面粗さRaが0.20μmより大きくなり、さらに、硬質保護膜の密着力が100N未満となった。
試験番号16及び試験番号17の超硬工具は、基材表面に形成した凹みの間隔が1.0μmより大きかった。そのため、硬質保護膜成膜後の表面粗さRaは0.20μm以下となったものの、硬質保護膜の密着力が100N未満となった。
試験番号18の超硬工具は、基材表面に形成した凹みの間隔が0.2μm未満であった。そのため、硬質保護膜成膜後の表面粗さRaが0.20μmより大きくなり、さらに、硬質保護膜の密着力が100N未満となった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
1 超硬工具
2 基材
3 硬質保護膜
4 凹み
21 基材表面

Claims (4)

  1. WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有し、テキスチャーを含む表面を有する基材と、
    前記テキスチャー上に形成されており、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する硬質保護膜とを備え、
    前記テキスチャーは、マトリクス状に配置された複数の凹みを含み、前記凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、前記凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う前記凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmである、超硬工具。
  2. 請求項1に記載の超硬工具であって、
    前記硬質保護膜の表面における表面粗さRaが0.20μm以下である、超硬工具。
  3. WC、Co、TiC及びTaCからなる群から選択される2種以上からなり、少なくともWC及びCoを含有する基材を準備する工程と、
    前記基材を準備する工程の後に、レーザーアブレーションにより、マトリクス状に配置された複数の凹みを含み、前記凹みの開口径は0.05〜0.2μmであり、前記凹みの深さは0.05〜0.1μmであり、隣り合う前記凹み同士の間隔は0.2〜1.0μmであるテキスチャーを前記基材の表面に形成する工程と、
    前記テキスチャーを形成する工程の後に、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物及び金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する硬質保護膜を、前記基材の前記テキスチャーを形成した表面上に形成する工程とを備える、超硬工具の製造方法。
  4. 請求項3に記載の超硬工具の製造方法であって、
    前記テキスチャーを形成する工程では、YAGレーザー加工によって、前記テキスチャーを形成する、超硬工具の製造方法。
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