JPH09235419A - ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物、ならびにガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およびその製造方法 - Google Patents

ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物、ならびにガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およびその製造方法

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JPH09235419A
JPH09235419A JP34987496A JP34987496A JPH09235419A JP H09235419 A JPH09235419 A JP H09235419A JP 34987496 A JP34987496 A JP 34987496A JP 34987496 A JP34987496 A JP 34987496A JP H09235419 A JPH09235419 A JP H09235419A
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polyolefin resin
glass fiber
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fiber reinforced
long
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JP34987496A
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English (en)
Inventor
Norihide Enomoto
本 憲 秀 榎
Taichi Ogawa
川 太 一 小
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性に優れ、かつ高い機械的強度を有するガ
ラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物、ならびにガ
ラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およびその製
造方法の提供。 【解決手段】(A)ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹
脂ペレット、(B)光安定剤、および(C)光吸収剤を
含むガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物、なら
びにガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品および
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス長繊維強化
ポリオレフィン樹脂組成物、ならびにガラス長繊維強化
ポリオレフィン樹脂成形品およびその製造方法に関し、
特に、耐候性に優れ、かつ高い機械的強度を有するガラ
ス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物、ならびにガラ
ス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維強化ポリオレフィン樹脂成形
品は、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性、耐衝撃性、引張
クリープ、疲労強度等の多くの機械的強度に優れるだけ
でなく、耐熱性および成形性にも優れるため、各種工業
部品に広く使われている。特に、連続したガラス繊維束
にポリオレフィンを含浸させた後、切断してなるガラス
長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレットを用いて得られ
るガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品は、ガラ
ス繊維が高密度に充填されているため、ガラス繊維のチ
ョップドストランドと樹脂とを混練成形して得られる、
いわゆる短繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品に比べ
て、衝撃強度、クリープ特性および振動疲労特性の点
で、優れた特性を示す。
【0003】このガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂
成形品の中でも、連続したガラス繊維束を、溶融ポリオ
レフィン中で引き抜きながらポリオレフィン樹脂を含浸
させる、いわゆる引抜き法によって得られるペレット
は、ガラス繊維が同一方向に配列されたものであるた
め、これを成形に用いて、極めて高密度にガラス繊維が
充填され、機械的強度が非常に高いガラス長繊維強化ポ
リオレフィン樹脂成形品を得ることができる利点があ
る。そのため、これらのガラス長繊維強化ポリオレフィ
ン樹脂成形品は、その特性を利用して、自動車部品、電
気部品、建材等の分野で多く利用されている。
【0004】しかし、従来のガラス長繊維強化ポリオレ
フィン樹脂成形品は、短期的な使用状況では、上記のよ
うな優れた機械的特性を示すが、長期的な使用、特に屋
外での長期使用においては、熱、酸素または光の作用に
よってポリオレフィン樹脂自体が劣化し、表面外観が悪
化したり、機械的特性が著しく損なわれる等、実用に耐
えなくなる場合があり、耐候性の面からは必ずしも満足
できるものではなかった。
【0005】従来、ポリオレフィン樹脂自体と、短繊維
強化ポリオレフィン樹脂成形品の耐候性の改良について
は、種々の検討がなされ、多くの提案がなされている。
しかし、ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品に
ついては、未だに十分な検討がなされていない。例え
ば、特開昭60−124642号公報には、ポリオレフ
ィン樹脂自体の耐候性の改良について、ポリオレフィン
100重量部に、特定のヒンダードアミン化合物、特定
の高分子量フェノール化合物、および特定の亜リン酸エ
ステル系化合物を、それぞれ0.1〜1重量部配合して
なるポリオレフィン組成物が提案されている。
【0006】また、特開平3−265638号公報に
は、特定のヒンダードピペリジンを含有するポリプロピ
レン樹脂組成物が提案されている。さらに、特開平6−
212032号公報には、結晶性ポリオレフィン及び/
又はオレフィン系エラストマーを含有するポリオレフィ
ン樹脂100重量部に対して(a) ヒンダードフェノール
系酸化防止剤0.05〜0.20重量部と、(b) リン系
酸化防止剤0.05〜0.20重量部と、(c) 紫外線吸
収剤0.10〜0.50重量部と(d) N−O−R型又は
N−CO−R型のヒンダードアミン系光安定剤0.10
〜0.50重量部とを含有する組成物が開示されてい
る。
【0007】一方、ガラス繊維等の無機充填材で強化さ
れた短繊維強化ポリオレフィンについて、特開昭62−
4733号公報には、ポリオレフィン100重量部およ
び無機フィラー1〜100重量部からなる組成物に、
(1) ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノン系紫外
線吸収剤0.01〜0.5重量部、(2) ヒンダードアミ
ン系またはフェニルベンゾエード系光安定剤0.01〜
1重量部および(3) 有機リン系化合物0.01〜1重量
部を含有する組成物が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の組
成物は、ガラス長繊維強化ポリオレフィンの特徴である
充填材の高充填を達成することができず、機械的強度に
おいて不充分なものであった。
【0009】また、従来のガラス長繊維強化ポリオレフ
ィン樹脂成形品は、紫外線を多量に含んだ直射日光に暴
露されるような過酷な環境下では、長期間にわたって十
分な耐候性を保持することが困難であり、例えば、約2
000時間の促進試験において各種の特性が劣化し、色
調変化も生じることとなる。
【0010】一方、ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹
脂成形品は、その優れた機械的特性を活かして、自動車
部品、電気部品等に用いられているが、その用途におい
ては、着色された状態で使用される。また、一般に、樹
脂材料を黒色に着色するためには、カーボンブラックが
用いられ、他の色に着色するためには、まず、白色の顔
料をベースとして用い、続いて赤色、黄色、青色等の所
望の顔料を配合することが行われる。したがって、樹脂
の着色に際しては、白色顔料が重要な役割を果たしてい
る。そして、最も一般的に用いられる白色顔料は、粒径
が小さくて均一であり、化学的に不活性でかつ紫外線に
よっても分解し難いという利点を有する酸化チタンであ
る。
【0011】ところで、自動車の内外装部品にガラス長
繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品は、黒あるいはグレ
ーに着色され、意匠性を付与して使用される場合が多
い。このとき、使用範囲の広いグレーに着色する場合、
ベースの白色顔料である酸化チタンに黒色顔料としてカ
ーボンブラックを加えて所望の色調とすることが一般的
である。
【0012】しかし、ガラス長繊維強化ポリオレフィン
樹脂成形品の着色に白色顔料として酸化チタンを使用す
ると、酸化チタンは表面硬度(モース硬度)が高いた
め、成形加工時にガラス繊維を傷つけ、成形品の引張強
度、曲げ強度、曲げ弾性、衝撃強度、クリープ特性ある
いは振動疲労等の機械的特性が損なわれるという欠点が
あった。
【0013】そこで、本発明の第1の目的は、従来のガ
ラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の問題点を解
決し、ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の優
れた機械的特性を維持するとともに、耐候性の改良され
たガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品を得るこ
とができる樹脂組成物を提供することにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、従来の問題
点を解決し、優れた機械的特性を維持するとともに、耐
候性の改良されたガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂
成形品を提供することにある。
【0015】さらに、本発明の第3の目的は、前記の成
形品を製造することができる方法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは、まず、優れた機械的強度を維持する
とともに、耐候性の改良されたガラス長繊維強化ポリオ
レフィン樹脂成形品を開発すべく鋭意検討した。
【0017】そこで、ガラス繊維の充填率が高いガラス
長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の方が、充填率の
低いガラス短繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品よりも
耐候性が劣る傾向があることが判明した。これは、ガラ
ス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品が、繊維充填率
が高いため、ガラス繊維が成形品の表面にも多く存在
し、このことが光の屈折、散乱、反射あるいは集光等の
光学作用を強めることとなり、ポリオレフィンの劣化を
招き、耐候性、特に耐光性を低下させるものと考えられ
た。
【0018】そこで、従来から使用されている紫外線吸
収剤および光安定剤を中心にして種々の添加剤について
検討した。しかし、紫外線吸収剤、光安定剤あるいは酸
化防止剤を単独で用いても、耐候性の改良に顕著な効果
が得られないこと、また、紫外線吸収剤、光安定剤ある
いは酸化防止剤のそれぞれの添加量を単独で増加させて
も、ガラス繊維と樹脂の濡れ性を阻害するためか、むし
ろ成形品の機械的強度が損なわれてしまうことも判明し
た。
【0019】しかし、驚くべきことに、本発明者らは、
紫外線吸収剤と光安定剤を併用することにより、耐候性
と機械的強度を兼ね備えたガラス長繊維強化ポリオレフ
ィン樹脂成形品を得ることができることを見出し、本発
明に至った。しかも、紫外線吸収剤と光安定剤は、相乗
効果を奏し、ポリオレフィン樹脂に対する両者の合計添
加量を極端に増加させなくても、両者を併用することに
よって、耐候性と機械的強度を兼ね備えたガラス長繊維
強化ポリオレフィン樹脂成形品が得られることも見出し
た。
【0020】また、これらの両添加剤に、酸化防止剤を
加えると、さらに耐候性が改善され、この場合も、ポリ
オレフィン樹脂に対する三者の合計添加量を増加させる
ことなく、目的を達成できることも判明した。
【0021】さらにまた、ガラス長繊維強化ポリオレフ
ィン樹脂成形品の着色についても検討したところ、着色
ベースとなる白色顔料として硫化亜鉛を用いると、従来
の成形品における機械的特性の低下が抑制され、しかも
耐候性も兼ね備えたガラス長繊維強化ポリオレフィン樹
脂成形品が得られることも見出した。
【0022】そこで、本発明は、前記第1の目的を達成
するものとして、(A)ガラス繊維束にポリオレフィン
樹脂を含浸させた後、繊維方向の長さで2〜150mm
に切断されてなるペレットであって、ペレット中のガラ
ス繊維が実質的にペレットと同一長さでかつ平行に整列
し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%であるガラス
長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレット、(B)光安定
剤、および(C)光吸収剤を含み、(A)ガラス長繊維
強化ポリオレフィン樹脂ペレットのポリオレフィン樹脂
100重量部に対して、(B)光安定剤および(C)光
吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部の割合であるガ
ラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物を提供するも
のである。
【0023】また、本発明は、前記組成物の好適態様と
して、(A)ガラス繊維束にポリオレフィン樹脂を含浸
させた後、繊維方向の長さで2〜150mmに切断され
てなるペレットであって、ペレット中のガラス繊維が実
質的にペレットと同一長さでかつ平行に整列し、ガラス
繊維含有率が10〜90重量%であるガラス長繊維強化
ポリオレフィン樹脂ペレット、(B)光安定剤、(C)
光吸収剤、ならびに(D)カーボンブラック、(E)硫
化亜鉛、(F)酸化防止剤および(G)ポリオレフィン
樹脂から選ばれる少なくとも1種を含み、全ポリオレフ
ィン樹脂100重量部に対して(B)光安定剤と(C)
光吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部であり、かつ
全ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、(B)光
安定剤、(C)光吸収剤、(D)カーボンブラック、
(E)硫化亜鉛および(F)酸化防止剤の総量が1.0
〜8.0重量部の割合であるガラス長繊維強化ポリオレ
フィン樹脂組成物を提供するものである。
【0024】また、本発明は、前記第2の目的を達成す
るために、(A−1)ポリオレフィン樹脂、(A−2)
重量平均繊維長が0.2mm以上のガラス繊維、(B)
光安定剤、および(C)光吸収剤を含み、(A−1)ポ
リオレフィン樹脂100重量部に対して、(A)光安定
剤と(C)光吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部で
あるガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品を提供
するものである。
【0025】さらに、本発明は、前記第3の目的を達成
するために、前記のガラス長繊維強化ポリオレフィン樹
脂組成物を溶融成形する工程を有するガラス長繊維強化
ポリオレフィン樹脂成形品の製造方法を提供するもので
ある。
【0026】以下、本発明のガラス長繊維強化ポリオレ
フィン樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」とい
う)、ならびにガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成
形品(以下、「本発明の成形品」という)およびその製
造方法(以下、「本発明の方法」という)について詳細
に説明する。
【0027】本発明は、前記特定の(A)、(B)およ
び(C)成分を必須成分とする本発明の組成物を用い
て、本発明の方法にしたがって得られる本発明の成形材
料からなるガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品
を得るものである。
【0028】本発明の組成物の(A)成分であるガラス
長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレットは、ガラス繊維
束にポリオレフィン樹脂を含浸させた後、繊維方向の長
さに切断されてなるペレットであって、ペレット中のガ
ラス繊維が実質的にペレットと同一長さでかつ平行に整
列しているものである。
【0029】本発明に用いられるガラス繊維束は、E−
ガラス、S−ガラス、C−ガラス、AR−ガラス、T−
ガラス、D−ガラス、R−ガラス等からなるガラス繊維
が集束され、通常は、複数のガラスフィラメントを集め
た束を、コイル状に巻きとった、いわゆるガラスロービ
ングの形態をしているものである。ガラス繊維束を構成
するガラス繊維は、繊維径が3〜40μmであるものが
好適であり、特に好ましくは9〜20μmである。繊維
径が3μm未満のガラス繊維は、同一のガラス含有量を
有するガラス繊維束では、相対的にガラス繊維数が増加
し、ガラス繊維束へのポリオレフィン樹脂の含浸が困難
となり、また、繊維径が40μmを超えると、得られる
成形品の表面外観が著しく悪化するおそれがある。
【0030】また、本発明に用いるガラス繊維は、カッ
プリング剤を含む表面処理剤で表面処理されていてもよ
い。カップリング剤としては、例えば、アミノシラン、
エポキシシラン、アミドシラン、アジドシラン、アクリ
ルシラン等のシランカップリング剤、チタネート系カッ
プリング剤およびこれらの混合物が利用できる。これら
のうち、アミノシランとエポキシシランがよく、特にア
ミノシランカップリング剤が好ましい。
【0031】本発明において、ガラス繊維束に含浸され
るポリオレフィン樹脂は、特に限定されず、エチレン、
プロピレン、ブテン、4−メチルペンテン等の単独重合
体並びに共重合体、さらには酢酸ビニル、アクリル酸、
アクリル酸エステル、無水マレイン酸等の極性モノマー
とのランダム、ブロックまたはグラフト共重合体も含ま
れる。また、これらの重合体にエチレン−α−オレフィ
ン系共重合体ゴム、イソプレンゴム、イソブチレンゴム
等の合成ゴムを50重量%未満添加した組成物などが挙
げられる。具体的には、高圧法エチレン単独重合体、同
エチレン−プロピレン共重合体、低圧法エチレン単独重
合体、同エチレン−プロピレン共重合体、同エチレン−
1−ブテン共重合体、同エチレン−1−ヘキセン共重合
体、中圧法エチレン共重合体、高圧法エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン−エ
チレンのランダムまたはブロック共重合体などがある。
これらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブチレンおよびポリペンテン、ならびにこれらの置換体
から選ばれる少なくとも1種が好ましく、さらに、結晶
性プロピレン系重合体、特にポリプロピレンが好まし
い。
【0032】また、これらのポリオレフィン樹脂は、変
性処理されたものであると、さらに好ましい。例えば、
変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン、変性ポリブチ
レンおよび変性ポリペンテン、ならびにこれらの置換体
からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0033】本発明において、ポリオレフィン樹脂とし
て、好適に用いられるポリプロピレンは、プロピレンの
単独重合体のほか、プロピレンを主体としてエチレン成
分を含む共重合体、例えばプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体、プロピレンとエチレン−プロピレンゴムと
のブロック共重合体などであってもよい。これらのなか
でも後者、特にエチレン成分を含むブロック共重合体が
好ましく用いられる。エチレン成分を含む共重合体を用
いる場合、エチレン成分は、共重合体の重量を基準とし
て通常20重量%以下の範囲で含まれる。また、本発明
で用いられるポリプロピレン樹脂は、このようなポリプ
ロピレンにさらにα−オレフィン系共重合体ゴムを含有
していてもよい。
【0034】前記α−オレフィン系共重合体ゴムは、2
種以上のα−オレフィンを共重合させて得られるゴム状
高分子であり、共重合成分となるα−オレフィンは、例
えば炭素数2〜12のものである。α−オレフィン系共
重合体ゴムのなかでも好ましいものは、エチレンと他の
α−オレフィンとの共重合体ゴムである。エチレンの共
重合相手となるα−オレフィンは、例えば炭素数3〜1
2のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、およびそれらの混合物などが例示さ
れるが、なかでもプロピレンまたは1−ブテンが好まし
い。
【0035】本発明の組成物の(A)成分であるガラス
長繊維強化ポリオレフィンペレットは、ガラス繊維束に
ポリオレフィン樹脂を含浸させた後、切断されて得られ
るものである。
【0036】このガラス長繊維強化ポリオレフィンペレ
ットの製造において、ガラス繊維束にポリオレフィン樹
脂を含浸させる方法は、いかなる方法を用いてもよく、
特に制限されない。例えば、ポリオレフィン樹脂のエマ
ルジョンをガラス繊維に含浸させ被覆付着させた後、乾
燥させる方法、ポリオレフィン樹脂の粉末懸濁液をガラ
ス繊維に付着させ、乾燥後、ポリオレフィン樹脂を加熱
溶融して含浸させる方法、帯電させたガラス繊維束にポ
リオレフィン樹脂粉末を付着させた後、該ポリオレフィ
ン樹脂を加熱溶融して含浸させる方法、溶媒に溶解させ
たポリオレフィン樹脂をガラス繊維束に含浸させた後、
溶媒を除去する方法、ポリオレフィン樹脂からなる連続
繊維とガラス繊維束の混合繊維を加熱し、溶融したポリ
オレフィン樹脂を含浸させる方法、また、ガラス繊維束
を溶融ポリオレフィン樹脂中で引き抜くことにより含浸
させる方法、いわゆる引き抜き法による方法などを挙げ
ることができる。これらの方法の中でも、きわめて高密
度にガラス繊維を充填させた成形品を得ることができ、
また、使用する装置およびプロセスの簡便さの点で、引
き抜き法が好適である。
【0037】この引き抜き法は、数千〜数万本のフィラ
メントからなるガラス繊維束を、バー、ロール、ダイス
上で開繊させながら引っ張り、加熱溶融させたポリオレ
フィン樹脂中を引き抜くことにより、ポリオレフィン樹
脂をガラス繊維に完全に含浸させ、親水性を有するガラ
ス繊維と、非極性であるポリオレフィン樹脂とのぬれ性
を改善する方法である。この方法は、米国特許4479
998号、同4549920号、および同455926
2号公報に記載され、本発明のガラス長繊維強化ポリオ
レフィンペレットは、これらの方法で製造されたものが
好ましい。
【0038】また、例えば、特開平5−17631号公
報には、溶融樹脂の含浸を容易にするために、ASTM
D−1238(荷重:2.16kg、温度:230
℃)の方法で測定したメルトフローレート30g/10
分以上の低粘度ポリプロピレンを用いる方法、特公平3
−25340号公報にはきわめて低分子量の樹脂を含浸
させる方法、および特開平3−181528号公報に
は、ぬれ性を改善するため、ガラス繊維を表面処理する
とともに、変性ポリプロピレン樹脂を使う方法が記載さ
れているが、本発明の成分(A)はこれらの方法で製造
されたものでもよい。
【0039】さらに、本発明の組成物の(A)成分であ
るガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレットは、前
記のとおり、ポリオレフィン樹脂が含浸されたガラス繊
維を繊維方向に切断されて得られ、ペレット中のガラス
繊維がペレットと実質的に同一の長さで存在するもので
ある。ポリオレフィン樹脂が含浸されたガラス繊維を繊
維方向に切断する方法は、特に限定されず、繊維方向に
対して直角方向に切断することができる方法が好まし
い。このガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレット
は、長さが繊維方向の長さで2〜150mm、好ましく
は3〜25mmである。ペレットの長さが2mm未満で
あると、成形品中のガラス繊維長が短かくなり、強度、
特に衝撃強度が低下する。150mmを越えると長繊維
強化の特長である高強度、高衝撃、耐クリープ性、耐振
動疲労性に対する効果が顕著でなくなり、かつ、射出成
形、押出し成形時のホッパー内での詰まりや、ポリオレ
フィン樹脂との混合品で偏析が起こるので好ましくな
い。ペレット形状は、長さが2〜150mmであればど
のような形状でも良く、例えば、切断面が円形、だ円
形、四角形でもよい。また、切断面の長手方向の長さ
は、アスペクト比(ペレット長さと切断面長さの比)が
0.1〜10、より好ましくは0.2〜5になるのが好
ましい。
【0040】また、このガラス長繊維強化ポリオレフィ
ンペレット中のガラス繊維含有率は、10〜90重量%
であり、好ましくは10〜75重量%、特に好ましくは
15〜65重量%である。ガラス繊維含有率が15重量
%未満では、マスターバッチとしての応用上の利点を生
かせず、経済的に不利となり、さらに、希釈後の成形品
の製品適用範囲が狭くなることから、工業的価値が減ず
る。90重量%を越えると、樹脂の含浸が十分に行え
ず、製造が極めて困難となる。
【0041】本発明の組成物の(B)成分である光安定
剤は、ポリオレフィン樹脂の光劣化で生じるラジカル種
を捕捉する作用を有するものを言い、アミン系化合物お
よびフェニルベンゾエート系光安定剤から選ばれる少な
くとも1種である。これらの中でも、ヒンダードアミン
系およびフェニルベンゾエート系光安定剤から選ばれる
少なくとも1種が好ましい。このヒンダードアミン系ま
たはフェニルベンゾエート系光安定剤の具体例として、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セパケート、コハク酸とN−(2−ヒドロキシプロ
ピル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキ
シピペリジンとの縮合物、テトラキス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−
ブタンテトラカルボキシレート、N,N’−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメ
チレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重縮合
物、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)
アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジル)フマレート、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−
テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミ
ノ〕〕、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−オク
チルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンゾエート、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどが挙げられ
る。
【0042】さらに、本発明の組成物の(C)成分であ
る光吸収剤は、ポリオレフィン樹脂を分解劣化させる波
長の光(例えば、紫外線領域の光)を吸収する作用を有
するものであり、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系およひベンゾエート系から選
ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの中では、ベ
ンゾトリアゾール系、およびベンゾエート系から選ばれ
る少なくとも1種が特に好ましい。
【0043】ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤とし
ては、例えば、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−
メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ5
−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)
ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。また、
ベンゾエート系の光吸収剤としては、例えば2,4−ジ
−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどを挙げる
ことができる。
【0044】本発明の組成物において、前記(B)光安
定剤および(C)光吸収剤の配合量は、(A)ガラス長
繊維強化ポリオレフィンペレット中のポリオレフィン樹
脂100重量部に対して、(B)光安定剤および(C)
光吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部の割合となる
量、好ましくは0.27〜7.25重量部となる量であ
る。0.25重量部未満となる量では、初期的な物性は
良好であっても、長期にわたる屋外暴露では、機械的特
性が低下し、成形品の耐候性が不充分である。0.75
重量部を超える量では、増量に見合う効果の向上が得ら
れず不経済であり、ときにはブリーディング等の原因に
もなる。また、(B)光安定剤の配合量は、(A)ガラ
ス長繊維強化ポリオレフィンペレット中のポリオレフィ
ン樹脂100重量部に対して、0.1〜3.0重量部の
割合となる量が好ましく、さらに0.1〜2.0重量部
の割合となる量が好ましい。さらに、(C)光吸収剤の
配合量は、(A)ガラス長繊維強化ポリオレフィンペレ
ット中のポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
0.05〜3.0重量部の割合となる量が好ましく、さ
らに0.1〜2.0重量部の割合となる量が好ましい。
【0045】また、本発明の組成物は、前記(A)成
分、(B)成分および(C)成分に加えて、さらに
(D)カーボンブラック、(E)硫化亜鉛、(F)酸化
防止剤および(G)ポリオレフィン樹脂から選ばれる少
なくとも1種を含有すると、耐熱性および意匠性に優れ
る点で、好ましい。本発明の組成物が、これらの(D)
カーボンブラック、(E)硫化亜鉛、(F)酸化防止剤
および(G)ポリオレフィン樹脂から選ばれる少なくと
も1種を含有する場合、(B)成分、(C)成分、
(D)カーボンブラック、(E)硫化亜鉛および(F)
酸化防止剤の配合量は、(B)成分、(C)成分、
(D)カーボンブラック、(E)硫化亜鉛および(F)
酸化防止剤の総量が、全ポリオレフィン樹脂100重量
部に対して、1.0〜8.0重量部の割合となる量が好
ましく、さらに1.25〜7.75重量部の割合となる
量が好ましい。
【0046】本発明の組成物において、(A)成分、
(B)成分および(C)成分に加えて、(F)酸化防止
剤を含有する組成物は、耐候性および耐熱性が要求され
る部品等に使用する場合に好適である。
【0047】この(F)成分として用いられる酸化防止
剤は、フェノール系化合物およびリン化合物から選ばれ
る少なくとも1種の酸化防止剤が好ましい。フェノール
系化合物としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタン等
が挙げられ、中でもヒンダードフェノール系化合物が好
ましく、例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノ
ール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホ
ネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス〔3,3−
ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチ
リデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,
2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノ
ール)、2,2’−エチリデンビス(4−sec−ブチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−
(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジ
ル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス
(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチル
ベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−
トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチ
レン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン、2−t−ブチル−
4−メチル−6−(2’−アクリロイルオキシ−3’−
t−ブチル−5’−メチルベンジル)フェノール、3,
9−ビス(1’,1’−ジメチル−2’−ヒドロキシエ
チル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,
5〕ウンデカン、ビス〔β−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート等が挙
げられる。これらのうちでは、1,3,5−トリス
(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチル
ベンジル)イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−
3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタンなどが好ましい。
【0048】リン化合物としては、アルキルホスファイ
ト、アルキルアリルホスファイト、アリルホスファイ
ト、アルキルホスフォナイト、アリルホスフォナイト等
のリン系安定剤を挙げることができ、具体的にはジステ
アリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,
4’−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスフ
ァイト−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどを例示す
ることができる。
【0049】この(F)酸化防止剤を含有する本発明の
組成物において、(B)光安定剤、(B)光吸収剤およ
び(F)酸化防止剤の配合量は、全ポリオレフィン樹脂
100重量部に対して、(B)光安定剤および(C)光
吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部の割合となる
量、好ましくは0.27〜7.25重量部となる量であ
る。このとき、(F)酸化防止剤の好ましい配合量は、
全ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、0.1〜
2.5重量部の割合となる量であり、さらに好ましくは
0.1〜2.0重量部の割合となる量である。また、酸
化防止剤として、フェノール系化合物とリン化合物を併
用する場合には、フェノール系化合物/リン化合物の重
量混合比は、1/10〜10/1の範囲がよく、好まし
くは、1/5〜5/1の範囲がよい。
【0050】ところで、カーボンブラックや各種の顔料
を用いない場合、ポリオレフィン樹脂成形品は、カーボ
ンブラックや各種の顔料による太陽光からの隠蔽効果が
少ないため、ポリオレフィン樹脂や各種添加剤が、光反
応によって発色団や有色の化合物に変化し、色相の変化
を生じる。しかし、カーボンブラックや各種の顔料によ
る隠蔽効果だけでは、安定した機械的特性を得ることが
できない。そこで、本発明においては、耐候性と機械的
特性の両者を損なうことなく、着色を施したガラス長繊
維強化ポリオレフィン樹脂成形品を得ることができる。
この成形品を黒色に着色するためには、(D)カーボン
ブラックを配合することができる。
【0051】(D)成分として用いられるカーボンブラ
ックは、特に制限されず、パウダー状等のあらゆる形状
のものを用いることができる。
【0052】本発明の組成物が(D)カーボンブラック
を含有する場合、(B)成分、(C)成分および(D)
成分の配合量は、全ポリオレフィン樹脂100重量部に
対して、(B)成分、(C)成分および(D)成分の総
量が1.0〜8.0重量部の割合となる量が好ましく、
さらに1.25〜7.75重量部の割合となる量が好ま
しい。
【0053】また、本発明の組成物は、前記(B)成
分、(C)成分、ならびに(D)カーボンブラックおよ
び前記(F)酸化防止剤を含有するものでもよい。この
組合せの組成物は、耐候性、耐熱性および意匠性を必要
とする自動車用部品等に使用する場合に好適である。
【0054】本発明の組成物が(D)カーボンブラック
および(F)酸化防止剤を含有する場合、(B)成分、
(C)成分、(D)成分および(F)成分の配合量は、
全ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、(B)成
分、(C)成分、(D)成分および(F)成分の総量が
1.0〜8.0重量部の割合となる量が好ましく、さら
に1.25〜7.75重量部の割合となる量が好まし
い。
【0055】本発明において、(D)カーボンブラック
や顔料を配合して着色したガラス長繊維強化ポリオレフ
ィン樹脂成形品は、カーボンブラックや顔料により、太
陽光からガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の
表面が隠蔽される効果ととともに、成形品の色相の変化
が抑制される。この点で、カーボンブラックや顔料によ
って着色されたガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成
形品は、自動車の外装や内装の樹脂製部品として、長期
間にわたって使用されるものとして好適である。また、
着色することにより、意匠性が高まり、利用範囲も広が
り、工業的な価値が高まるという効果もある。
【0056】また、本発明の組成物においては、自動車
部品等の色として多用されるグレー色に着色するため
に、(D)カーボンブラックと(E)硫化亜鉛を併用す
ることができる。この組成物は、前記(A)成分、
(B)成分および(C)成分に、(D)カーボンブラッ
クおよび(E)硫化亜鉛を加えてグレー色に着色された
ものでもよく、また、前記(A)成分、(B)成分およ
び(C)成分に、(D)カーボンブラック、(E)硫化
亜鉛および(F)酸化防止剤を加えてグレー色に着色さ
れたものでもよい。
【0057】本発明の組成物において、(E)成分とし
て用いられる硫化亜鉛は、特に制限されず、パウダー状
等のあらゆる形状のものを用いることができる。
【0058】本発明の組成物が、前記(A)成分、
(B)成分および(C)成分に、(D)カーボンブラッ
クおよび(E)硫化亜鉛を加えたものである場合、
(B)成分、(C)成分、(D)カーボンブラックおよ
び(E)硫化亜鉛の配合量は、全ポリオレフィン樹脂1
00重量部に対して、(B)成分、(C)成分、(D)
成分および(E)成分の総量が1.0〜8.0重量部の
割合となる量が好ましく、さらに1.25〜7.75重
量部の割合となる量が好ましい。
【0059】本発明の組成物が、前記(A)成分、
(B)成分および(C)成分に、(D)カーボンブラッ
ク、(E)硫化亜鉛および(F)酸化防止剤を加えたも
のである場合、(B)成分、(C)成分、(D)成分、
(E)成分および(F)成分の配合量は、全ポリオレフ
ィン樹脂100重量部に対して、(B)成分、(C)成
分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の総量が
1.0〜8.0重量部の割合となる量が好ましく、さら
に1.25〜7.75重量部の割合となる量が好まし
い。
【0060】さらに、本発明の組成物は、グレー色でな
く、他の色に着色されたものとする場合には、カーボン
ブラックを配合せずに、前記(A)成分、(B)成分お
よび(C)成分に、(E)硫化亜鉛を加えて白色に着色
されたものでもよく、また、黒またはグレー以外の他の
色に着色する場合は、前記(A)成分、(B)成分およ
び(C)成分に、(E)硫化亜鉛および(F)酸化防止
剤を加え、さらに適宜選択される顔料等の着色剤を配合
されたものでもよい。この場合、(B)成分、(C)成
分および(E)成分の総配合量または(B)成分、
(C)成分、(E)成分および(F)成分の総配合量
は、得られる成形品の耐候性および機械的特性を損なう
ことなく、種々の色に着色されたものを得ることができ
る点で、全ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
1.0〜8.0重量部の割合となる量であり、好ましく
は1.25〜7.75重量部の割合となる量である。
【0061】本発明の組成物において、(E)硫化亜鉛
を配合することにより、従来から白色顔料として用いれ
らている酸化チタンを用いた場合に比べて、引張強度、
曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度、振動疲労特性および
クリープ特性に優れ、特に衝撃強度に優れる成形品を得
ることができる。これは、酸化チタンがガラスより高硬
度であるため、ガラス繊維に傷を付け、その結果、耐衝
撃性を損なうのに対して、ガラスの硬度以下の硬度を有
する硫化亜鉛を用いることにより、ガラス繊維を傷付け
ることがないことに起因するものと考えられる。
【0062】本発明の組成物においては、黒、グレーま
たは白色以外の他の色に着色する場合は、発色を鮮明に
するために、他の色の着色剤とともに、白色顔料として
前記(E)硫化亜鉛が配合される。配合される他の顔料
は、所望の色に応じて適宜選択される。用いられる顔料
として、緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリー
ン(黄鉛と紺青(フェロシアン化鉄カリウム)との混合
物)、ジンクグリーン(亜鉛黄と紺青の混合物)、塩化
銅フタロシアニングリーン、フタロシアニングリーン、
ナフトールグリーン、ジベンザンスロン、マラカイトグ
リーンレーキ等が挙げられる。また、青色顔料として、
群青(天然物、合成物)、紺青、銅フタロシアニンブル
ー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、フォスト
スカイブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。
赤色顔料として、鉛丹、ベンガラ、塩基性クロム酸亜
鉛、クロムバーミリオン朱、カドミウム赤、パラレッ
ド、ブリリアントカーミン(縮合アゾ系赤)、ブリリア
ントスカーレット、キナクリドン赤、リソールレッド、
バーミリオン、チオインジゴレッド、ミンガミヤレッド
等が挙げられる。黄色顔料として、黄鉛、亜鉛黄、黄色
酸化鉄、チタンイエロー、ファーストイエロー、ハンザ
イエロー、オーラミンレーキ、ベンジジンエロ、インダ
ンスレンエロー等が挙げられる。硫化亜鉛とこれらの顔
料を混合し、所望の色彩や色相に調整することができ
る。
【0063】本発明の組成物において、(E)硫化亜鉛
を配合する場合、その配合量は、引張強度、曲げ強度、
曲げ弾性率、衝撃強度、振動疲労特性、クリープ特性等
の諸特性の点で、組成物の総重量に対して最大で8重量
%まで、好ましくは5重量%以下まで、混合することが
できる。
【0064】本発明の組成物は、前記各成分を単に混合
したものでもよいし、取扱い上の利便性に優れる点で、
各成分を溶融混練して賦形してなる成形材料としてもよ
い。
【0065】また、本発明の組成物は、前記の(A)〜
(C)成分、さらに必要に応じて配合される(D)〜
(F)成分に加えて、さらに、(G)ポリオレフィン樹
脂を含有していてもよい。
【0066】この(G)ポリオレフィン樹脂は、樹脂強
化用ガラス繊維を含まないものをいい、ガラス長繊維強
化ポリオレフィン樹脂のペレット(A)と混合する希釈
用ポリオレフィン樹脂であり、構成単位としてオレフィ
ンを70重量%以上含むものをいい、例示すると、成分
(A)で説明したポリオレフィンの他にプロピレンホモ
ポリマー、プロピレンと共重合可能なビニル基含有モノ
マー30重量%未満とプロピレン70重量%以上からな
る共重合体およびこれらの混合物がある。共重合体の例
としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エ
チレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレン−ブ
テン共重合体、プロピレン−EPDM共重合体が挙げら
れる。
【0067】特に耐衝撃性が要求される場合は、エチレ
ン−プロピレン共重合体やプロピレン−EPDM共重合
体は溶融粘度が高く、ガラス繊維への含浸が困難なた
め、これらの樹脂のガラス長繊維強化溶融成形品の製造
が難しい。従って本発明の低粘度範囲のポリオレフィン
樹脂ペレット(A)とこれら高衝撃共重合体用のポリプ
ロピレン樹脂との混合物を用いるとこれらの樹脂のガラ
ス長繊維強化成形品を製造するための有効な手段であ
る。
【0068】本発明の組成物が、(G)ポリオレフィン
樹脂を含有する場合、(A)ガラス長繊維強化ポリオレ
フィン樹脂ペレットと希釈用の(G)ポリオレフィン樹
脂の混合比率は、マスターバッチペレット(A)/
(G)ポリオレフィン樹脂=10/90〜90/10
(重量比)である。マスターバッチの混合比率が5重量
%未満であると、希釈後の成形品中のガラス繊維含有率
が低過ぎるため長繊維強化成形品の、高強度、高衝撃性
の特長を十分に発揮できない。また、90重量%を越え
ると、希釈用ポリオレフィン樹脂の使用量が10重量%
未満となるため経済的に不利なうえ、成形品の製品適用
範囲が狭くなる不利があり、工業的価値が減ずる。最適
なマスターバッチペレット(A)/(G)ポリオレフィ
ン樹脂の混合比率は、20/80〜80/20(重量
比)である。
【0069】希釈用の(G)ポリオレフィン樹脂の形状
は、特に限定はないが、粉末状、ペレット状が好まし
い。さらに好ましくは、マスターバッチペレットとする
ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレット(A)の
大きさ、形状に近いものが好ましい。両ペレットのサイ
ズが極端に異なると、溶融成形時に、ホッパー内で分離
する欠点がある。好ましい(G)ポリオレフィン樹脂の
形状は、2〜5mmの粒状または直径が1〜5mmで長
さ1〜10mmの円筒状である。
【0070】本発明の組成物には、さらに高級脂肪酸、
高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸のアミド、ワックス類等
の滑剤などを添加することができる。
【0071】本発明の組成物の製造方法は、(A)ガラ
ス長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレット、(B)光安
定剤、(C)光吸収剤、および必要に応じて配合される
(D)カーボンブラック、(E)硫化亜鉛または(F)
酸化防止剤、ならびに(G)ポリオレフィン樹脂、さら
に、その他の必要な添加剤をすべて同時に混練して製造
してもよい。特に、(B)成分、(C)成分は、オレフ
ィン樹脂をベースとしたマスターペレット中に混練して
おき、これを任意のタイミングで本発明の組成物の製造
時に加えるのが好ましい。(B)成分および(C)成分
をを含有するマスターペレットは、予め(A)成分と混
練してから他の成分と混練してもよい。
【0072】また、本発明は、前記の組成物または成形
材料を溶融成形して得られるガラス長繊維強化ポリオレ
フィン樹脂成形品を提供するものである。
【0073】溶融成形は、射出成形、インジェクション
−プレス成形、単軸押出、2軸押出、加熱プレス成形等
の方法を単独でもしくは2種以上の方法を組み合わせて
行うことができる。得られる成形品は、通常の射出成形
品、異型押出しによる棒状・板状の異型押出成形品、あ
るいはシートなどである。
【0074】また、本発明の成形品として、(A−1)
ポリオレフィン樹脂、(A−2)重量平均繊維長が0.
2mm以上のガラス繊維、(B)光安定剤および(C)
光吸収剤を含み、(A−1)ポリオレフィン樹脂100
重量部に対して、(A)光安定剤と(C)光吸収剤の総
量が0.25〜7.5重量部であるガラス長繊維強化ポ
リオレフィン樹脂成形品が代表的である。また、(D)
カーボンブラック、(E)硫化亜鉛および(F)酸化防
止剤、ならびにその他添加される(G)ポリオレフィン
樹脂、および添加剤等を含有していてもよい。(A−
1)ポリオレフィン樹脂および(A−2)ガラス繊維、
ならびに(A)光安定剤、(C)光吸収剤、さらに
(D)カーボンブラック、(E)硫化亜鉛および(F)
酸化防止剤、ならびにその他添加される(G)ポリオレ
フィン樹脂、および添加剤等については、前記と同様で
ある。
【0075】本発明の成形品における残存ガラス繊維長
は、重量平均長が0.2mm以上、好ましくは0.25
〜8mmである。重量平均長が0.2mm未満では、成
形品の特徴である高強度、高弾性率、優れたクリープ特
性および振動疲労特性等の機械的特性を十分に発揮する
ことができないおそれがある。
【0076】本発明の成形品の製造において、残存する
ガラス繊維の重量平均長を0.2mm以上とするために
は、比較的緩い成形条件、例えば、混練力を弱くし、溶
融物に加わる剪断力を小さくする必要がある。具体的に
は、深溝のスクリューを使用し、スクリューの背圧を0
〜3kg/cm2 程度の低いものとし、スクリュー回転
数を小さくする等の方法で行えばよい。
【0077】本発明の成形品におけるガラス繊維含有率
は、10〜90重量%であり、好ましくは10〜75重
量%、特に好ましくは15〜65重量%である。
【0078】また、本発明の組成物または成形品の製造
において、各種の強化材、充填材等を配合することがで
きる。用いられる強化材、充填材としては、ガラス短繊
維、ガラス屑、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、マイ
カ、タルク等が挙げられる。ガラス短繊維、ガラス屑、
ガラスビーズ等を配合した成形品の場合、成形品を焼成
した後のガラス短繊維、ガラス屑、ガラスビーズ等の識
別が困難であるため、簡易的に、焼成後の残渣分をふる
い等で分離し、0.2mm以上のガラス繊維の重量が1
0重量%以上の場合は、ガラス長繊維強化ポリオレフィ
ンペレットを原料としていると見なすことができる。
【0079】さらに、本発明においては、(B)光安定
剤、(C)光吸収剤、(D)カーボンブラック、(E)
硫化亜鉛、および(F)酸化防止剤、ならびに(G)ポ
リオレフィン樹脂およびその他の添加剤は、組成物の製
造、成形材料の製造、成形品の製造のいずれの工程にお
いても、適宜添加することができる。例えば、ガラス繊
維束にポリオレフィン樹脂を含浸させる工程で添加して
もよいし、ガラス長繊維強化ポリオレフィンペレットを
製造した後に、添加混合してもよいし、溶融混合あるい
は溶融成形時に添加してもよい。また、これらの添加剤
は、一工程でも、別々の工程においても添加することが
できるし、一時でも分割して添加してもよい。
【0080】
【実施例】以下に、本発明を実施例および比較例を挙げ
て具体的に説明する。本発明はこれらの具体例に限定さ
れない。
【0081】(実施例1〜4)VertonR MFX700-10 (5
0%ガラス長繊維含有ポリプロピレン樹脂:川崎製鉄
(株)製)50重量部とMIが50のポリプロピレンペ
レット(直径3mmの粒状)48重量部とカーボンブラ
ックを30重量%含有の低密度ポリエチレン2重量部、
表1(実施例)に記載の添加成分をポリオレフィン樹脂
総量に対して、表1に示すような添加量となるようにポ
リプロピレン樹脂ペレットに混合し、射出成形温度24
0℃、金型温度60℃の条件で射出成形し、ASTM準
拠の1号試験片を得た。得られた成形品の曲げ強度(A
STM)と曲げ弾性率(ASTM)を測定した。結果を
表1に示す。
【0082】(実施例5〜10)VertonR MFX700-10
(50%ガラス長繊維含有ポリプロピレン樹脂:川崎製
鉄(株)製)50重量部とMIが45のポリプロピレン
ペレット(直径3mmの粒状)と、カーボンブラックを
30重量%含有の低密度ポリエチレン、ポリプロピレン
の総量に対し、表2に示すような添加量となるように添
加剤をポリプロピレン樹脂ペレットに混合し、射出成形
温度240℃、金型温度60℃の条件で射出成形し、A
STM準拠の1号試験を得た。表2で得られた実施例5
〜10の成形品は、下記の耐候性促進試験2000時間
の時点で、ガラスの浮きは観察されず、曲げ強度も促進
試験を開始する前のそれぞれの試験片と比べて2000
HR経過時において85%以上を保持していた。
【0083】測定は初期曲げ強度と曲げ弾性率を測定
し、ASTM G−53に準拠して紫外線蛍光ランプに
よる促進耐候性試験を500時間、1000時間、15
00時間それぞれ行った結果を示す。照射条件は8時
間、70℃で2.7w/m2 の紫外線を照射し、次に4
時間、50℃のスチーム条件下に暗黒保持するサイクル
を1サイクルとして繰り返した。保持率は促進耐候性試
験後の強度を初期強度で除し%表示した。GF浮きは、
板材の表面を200倍にした際にガラス繊維の浮きが認
められるか否かで判断した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】なお、表1の組成物で用いた成分は以下の
ものである。 バイオソープ80は、住友化学(株)の商標。 それ以外は、旭電化(株)製の添加剤。
【0088】(耐候剤含有ガラス長繊維強化ポリプロピ
レンペレットの調製)ポリプロピレン(メルトフローレ
ート:8g/10分)100重量部、無水マレイン酸2
重量部および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3 0.3重量部の混合物
を、ベント付2軸押出機を用いて180℃で溶融混練し
て、グラフト共重合させて無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン(メルトフローレート:120g/10分)を得
た。
【0089】得られた無水マレイン酸変性ポリプロピレ
ンと、ポリプロピレン(メルトフローレート:60g/
10分)と、表4に示す各種添加剤とを、表4に示す割
合で2軸押出機に供給して220℃で溶融混練して溶融
樹脂組成物を調製した。次に、得られた溶融樹脂組成物
を、金属製のロール5本が内部に設置された含浸用浴槽
(温度280℃)に流し込んだ。
【0090】ガラスロービング(モノフィラメント直
径:16μm、モノフィラメント数:約2320本/
束、0.2重量%のγ−アミノプロピルトリエトキシシ
ランで表面処理)4束を、この含浸用浴槽の5本のロー
ル上に交互に通し、ガラスロービングに約2kgの張力
を掛け、ロール上でガラスロービングを開繊させなが
ら、1m/分の速度でロービングを引き抜き、開繊した
ガラス繊維の束に溶融樹脂組成物を含浸させた。次に、
溶融樹脂組成物が含浸したガラス繊維の束を、直径2.
5mmのダイを通じた後、カッターで10mmの長さに
切断して、耐候剤含有ガラス長繊維強化ポリプロピレン
ペレットを得た。
【0091】得られたペレットをマッフル炉にて650
℃で1時間焼成し、ガラス繊維のみを残して樹脂組成物
を灰化させたところ、ペレットと同一の長さのガラス繊
維が平行に配列されていた。また、ガラス繊維含有率を
測定したところ、50重量%であった。
【0092】このようにして、表4に示す各種組成に応
じて、LFRT01〜LFRT05の5種の耐候剤含有
ガラス長繊維強化ポリプロピレンペレットを得た。な
お、各成分のメルトフローレートは、JIS K721
0に準拠して測定した。
【0093】
【表4】
【0094】(耐候剤含有ポリプロピレンペレットの調
製)表5に示す各種の耐候剤と、ポリプロピレン(メル
トフローレート:40g/10分)とを、表5に示す割
合で2軸押出機(日本製鋼所(株)製、TEX30X、
L/D:42)に供給して、220℃で溶融混練し、溶
融混練物から長さ3mmの耐候剤含有ポリプロピレンの
ペレットを得た。このようにして、PPM01〜PPM
05の5種の耐候剤含有ポリプロピレンのペレットを得
た。
【0095】また、以下の実施例および比較例では、耐
候剤なしポリプロピレンペレットとして、メルトフロー
レート60g/10分、粒径3mmの市販品を用いた。
さらに、30重量%カーボンブラック入り低密度ポリエ
チレンとして市販品を用いた。
【0096】
【表5】
【0097】(白色顔料入りポリプロピレンペレットの
調製)白色顔料(酸化チタン、硫化亜鉛)またはカーボ
ンブラック、ポリプロピレン(メルトフローレート:4
0g/10分)および耐候剤を、表6に示す割合で2軸
押出機(日本製鋼所(株)製、TEX30X、L/D:
42)に供給して、220℃で溶融混練し、溶融混練物
から長さ3mmの顔料入りポリプロピレンのペレットを
得た。このようにして、PPM06およびPPM07の
2種の顔料入りポリプロピレンのペレットを得た。
【0098】
【表6】
【0099】(実施例11〜14)各例において、表4
に示すガラス長繊維強化ポリプロピレンペレットと、耐
候剤なしポリプロピレンペレットを、表7に示す割合で
混合して原料混合物を調製した。この原料混合物を用い
て、型締力50tの射出成形機にて、樹脂温度210
℃、金型温度60℃で、曲げ試験用の試験片(ASTM
D256準拠)およびアイゾット試験(ノッチ付き)
用の試験片(ASTM D790準拠)を作成した。
【0100】曲げ試験片およびアイゾット試験片を用い
て、サンシャインカーボンアーク法による耐候性試験
を、JIS D205に準拠して行った。この耐候性試
験は、スガ試験機(株)製サンシャインウェザ−メータ
ー(型式:WEL−SUN−DC(H))を用い、ブラ
ックパネル温度:63℃(±2℃)で、照射60分中1
2分試験片に水を噴霧する条件で実施した。また、この
耐候性試験の前後に曲げ試験およびアイゾット衝撃試験
(ノッチ付き)を、それぞれASTM D790および
ASTM D256に準拠して行った。
【0101】さらに、耐候性試験前後の試験片の色差
を、JIS Z8722に準拠して測定した。重量平均
ガラス繊維長Lwは、樹脂成形品または樹脂ペレットを
600℃で灰化させた後、残ったガラス繊維の繊維長を
測定し、下記式にしたがって求めた。 Lw=Σ(Wi×Li)/ΣWi Li:ガラス繊維長 Wi:繊維長がLiのガラス繊維の重量
【0102】また、ガラス繊維浮きは、試験片の表面を
50倍に拡大して観察し、表面にガラス繊維の浮きが認
められるか否かを調べた。
【0103】以上の原料混合物の組成、ならびに耐候性
試験前後の曲げ試験、アイゾット衝撃試験およびガラス
浮きの測定または評価の結果を、表7および8に示す。
その結果、1500時間の耐候性試験後においても、試
験片における色差(ΔE*)は7以下であった。また、
耐候性試験前後の曲げ強度、曲げ弾性率およびアイゾッ
ト衝撃値の保持率は、90%以上であった。ここで、保
持率(%)は、(1500時間の耐候性試験後の物性)
/(耐候性試験前の物性)×100で算出される値であ
る。
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】(比較例1〜4)耐候剤含有ガラス長繊維
強化ポリプロピレンペレットと、耐候剤なしポリプロピ
レンペレットの混合割合を表9に示す割合とした以外
は、実施例11と同様にして曲げ試験片およびアイゾッ
ト衝撃試験片を作成し、耐候性試験前後の曲げ試験、ア
イゾット衝撃試験およびガラス浮きの測定または評価を
行った。結果を表10に示す。その結果、1500時間
の耐候性試験前後の曲げ強度、曲げ弾性率およびアイゾ
ット衝撃値の保持率は、それぞれ30%以下、70%以
下、55%以下であった。また、色差(ΔE*)は、2
3以上であった。
【0107】
【表9】
【0108】
【表10】
【0109】(実施例15〜19)各例において、表1
1に示す組成の添加剤、さらに表12に示す配合割合
で、耐候剤含有ガラス長繊維強化ポリプロピレンペレッ
ト、耐候剤入りポリプロピレンペレット、耐候剤なしポ
リプロピレンペレット、および30重量%カーボンブラ
ック入りポリエチレンペレットを混合して調製した原料
混合物を、型締力50tの射出成形機を用いて、樹脂温
度240℃および金型温度70℃で、曲げ試験片および
アイゾット試験片に成形した。
【0110】得られた曲げ試験片およびアイゾット試験
片を、ASTM G53に準拠して紫外線蛍光ランプ照
射による耐候性促進試験を2000時間行った。この試
験は、12時間のサイクル中、ブラックパネル温度70
℃で8時間紫外線蛍光ランプを照射した。このとき、照
射エネルギーは、約2.7W/m2 であった。
【0111】このとき、耐候性試験前後の曲げ試験、ア
イゾット衝撃試験およびガラス浮きの測定または評価を
行った。結果を表12に示す。その結果、2000時間
の耐候性試験後の曲げ強度および曲げ弾性率の保持率
は、それぞれ85%以上および90%以上であった。ま
た、2000時間後の耐候性試験前に対する色差(ΔE
*)は、3以下であった。
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【0114】(比較例5〜7)耐候剤含有ガラス長繊維
強化ポリプロピレンペレット、耐候剤入りポリプロピレ
ンペレット、耐候剤なしポリプロピレンペレット、およ
び30重量%カーボンブラック入りポリエチレンペレッ
トの混合割合を表13に示す割合とした以外は、実施例
11と同様にして曲げ試験片およびアイゾット衝撃試験
片を作成し、耐候性試験前後の曲げ試験、アイゾット衝
撃試験およびガラス浮きの測定または評価を行った。結
果を表14に示す。その結果、2000時間の耐候性試
験後の曲げ強度および曲げ弾性率の保持率は、それぞれ
約40%以下および70%以下であった。また、200
0時間後の耐候性試験前に対する色差(ΔE*)は、8
以上であった。
【0115】
【表13】
【0116】
【表14】
【0117】(実施例20および21、比較例8および
9)各例において、表15に示す組成の添加剤、さらに
表16に示す配合割合で、耐候剤含有ガラス長繊維強化
ポリプロピレンペレット、耐候剤入りポリプロピレンペ
レット、耐候剤なしポリプロピレンペレット、および白
色顔料入りポリプロピレンペレットを混合して調製した
原料混合物を、型締力50tの射出成形機を用いて、樹
脂温度240℃および金型温度70℃で、曲げ試験片お
よびアイゾット試験片に成形した。
【0118】得られた曲げ試験片およびアイゾット試験
片を、スガ試験機(株)製、スーパーキセノンウエザー
メーター(型式:SC750−WAP)を用いて、キセ
ノンアーク光照射による耐候性試験を377時間行っ
た。この試験において、照射エネルギーは、300〜4
00nmの光エネルギー総和が164W/m2 で、ブラ
ックパネル温度89℃であった。また、自動車内装材料
向け耐候性試験として、320nm以下の光をフィルタ
ーによってカットして行った。
【0119】このとき、377時間の耐候性試験前後の
曲げ試験、アイゾット衝撃試験およびガラス浮きの測定
または評価を行った。結果を表16に示す。その結果、
酸化チタンを白色顔料として用いた比較例8および9
は、試験片のアイゾット衝撃値の極端な低下が認められ
た。
【0120】
【表15】
【0121】
【表16】
【0122】
【発明の効果】本発明の組成物は、衝撃強度が高いので
壊れにくく、しかも衝撃モードが、ヒビが入るが割れに
くく、耐繰り返し疲労特性および耐候性に優れているの
で長期の屋外での使用に対して信頼性が高い。また、本
発明のガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品およ
びその組成物は、従来の短繊維強化プラスチックエンジ
ンやリングプラスチック成形品に比して、低比重であ
るため低コストとすることができ、汎用プラスチック
がベース樹脂なのでリサイクル性が向上し、いくつか
の機能を同じ樹脂組成物の成形品に持たせることができ
るので部品数が低減でき組立コストの低減ができる利点
がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/14 KFT C08K 7/14 KFT

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ガラス繊維束にポリオレフィン樹脂
    を含浸させた後、繊維方向の長さで2〜150mmに切
    断されてなるペレットであって、ペレット中のガラス繊
    維が実質的にペレットと同一長さでかつ平行に整列し、
    ガラス繊維含有率が10〜90重量%であるガラス長繊
    維強化ポリオレフィン樹脂ペレット、 (B)光安定剤、および(C)光吸収剤を含み、(A)
    ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂ペレットのポリオ
    レフィン樹脂100重量部に対して、(B)光安定剤お
    よび(C)光吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部の
    割合であるガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】(A)ガラス繊維束にポリオレフィン樹脂
    を含浸させた後、繊維方向の長さで2〜150mmに切
    断されてなるペレットであって、ペレット中のガラス繊
    維が実質的にペレットと同一長さでかつ平行に整列し、
    ガラス繊維含有率が10〜90重量%であるガラス長繊
    維強化ポリオレフィン樹脂ペレット、 (B)光安定剤、 (C)光吸収剤、ならびに(D)カーボンブラック、
    (E)硫化亜鉛、(F)酸化防止剤および(G)ポリオ
    レフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種を含み、全ポ
    リオレフィン樹脂100重量部に対して(B)光安定剤
    と(C)光吸収剤の総量が0.25〜7.5重量部であ
    り、かつ全ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
    (B)光安定剤、(C)光吸収剤、(D)カーボンブラ
    ック、(E)硫化亜鉛および(F)酸化防止剤の総量が
    1.0〜8.0重量部の割合であるガラス長繊維強化ポ
    リオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(A)少なくともポリオレフィン樹脂中
    で、樹脂強化用連続ガラス繊維束を引抜きながら、該ガ
    ラス繊維束に該樹脂を含浸し、切断して得られる繊維方
    向の長さ2〜100mmのペレットであって、該ガラス
    繊維が実質的にペレットと同一長さで平行に整列し、ガ
    ラス繊維含有率が15〜75重量%のガラス長繊維強化
    ポリオレフィン樹脂ペレット、 (B)光安定剤、および (C)光吸収剤 (F)酸化防止剤、 (G)ポリオレフィン樹脂、を含有することを特徴とす
    る耐候性を有するガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】前記(B)光安定剤が、ヒンダードアミン
    類であり、かつ前記(C)光吸収剤が、ベンゾトリアゾ
    ール類およびベンゾエート類から選ばれる少なくとも1
    種である請求項1〜3のいずれかに記載のガラス長繊維
    強化ポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記(B)光安定剤が、ヒンダードアミン
    類であり、かつ前記(C)光吸収剤が、ベンゾトリアゾ
    ール類およびベンゾエート類から選ばれる少なくとも1
    種であり、さらに前記(F)酸化防止剤がヒンダードフ
    ェノール類およびリン化合物から選ばれる少なくとも1
    種である請求項2〜3のいずれかに記載のガラス長繊維
    強化ポリオレフィン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびポリペンテ
    ン、ならびにこれらの置換体からなる群から選ばれる少
    なくとも1種である請求項1〜5のいずれかに記載のガ
    ラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記ポリオレフィン樹脂が、変性ポリエチ
    レン、変性ポリプロピレン、変性ポリブチレンおよび変
    性ポリペンテン、ならびにこれらの置換体からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれ
    かに記載のガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載のガラス長
    繊維強化ポリオレフィン樹脂組成物を溶融成形する工程
    を有するガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の
    製造方法。
  9. 【請求項9】前記溶融成形が、射出成形、ブロー成形、
    押出成形、または射出圧縮成形である請求項8に記載の
    ガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品の製造方
    法。
  10. 【請求項10】(A−1)ポリオレフィン樹脂、 (A−2)重量平均繊維長が0.2mm以上のガラス繊
    維、 (B)光安定剤、および(C)光吸収剤を含み、(A−
    1)ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、(A)
    光安定剤と(C)光吸収剤の総量が0.25〜7.5重
    量部であるガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形
    品。
  11. 【請求項11】(A−1)ポリオレフィン樹脂、 (A−2)重量平均繊維長が0.2mm以上のガラス繊
    維、 (B)光安定剤、 (C)光吸収剤ならびに(D)カーボンブラック、
    (E)硫化亜鉛および(F)酸化防止剤から選ばれる少
    なくとも1種を含み、(A−1)ポリオレフィン樹脂1
    00重量部に対して(B)光安定剤と(C)光吸収剤の
    総量が0.25〜7.5重量部であり、かつ(A−1)
    ポリオレフィン樹脂100重量部に対して、(B)光安
    定剤、(C)光吸収剤、(D)カーボンブラック、
    (E)硫化亜鉛および(F)酸化防止剤の総量が1.0
    〜8.0重量部であるガラス長繊維強化ポリオレフィン
    樹脂成形品。
  12. 【請求項12】前記(B)光安定剤が、ヒンダードアミ
    ン類であり、かつ前記(C)光吸収剤が、ベンゾトリア
    ゾール類およびベンゾエート類から選ばれる少なくとも
    1種である請求項10または11に記載のガラス長繊維
    強化ポリオレフィン樹脂成形品。
  13. 【請求項13】前記(B)光安定剤が、ヒンダードアミ
    ン類であり、かつ前記(C)光吸収剤が、ベンゾトリア
    ゾール類およびベンゾエート類から選ばれる少なくとも
    1種であり、さらに前記(F)酸化防止剤がヒンダード
    フェノール類およびリン化合物から選ばれる少なくとも
    1種である請求項11に記載のガラス長繊維強化ポリオ
    レフィン樹脂成形品。
  14. 【請求項14】前記ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリブチレンおよびポリペンテ
    ン、ならびにこれらの置換体からなる群から選ばれる少
    なくとも1種である請求項10〜13のいずれかに記載
    のガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂成形品。
  15. 【請求項15】前記ポリオレフィン樹脂が、変性ポリエ
    チレン、変性ポリプロピレン、変性ポリブチレンおよび
    変性ポリペンテン、ならびにこれらの置換体からなる群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項10〜13の
    いずれかに記載のガラス長繊維強化ポリオレフィン樹脂
    成形品。
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