JPH09164144A - 外科用ステープラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の外科用ステープラーは、１度につき、
１サイズの使い捨てローディングユニットしか使用でき
なかった。 【解決手段】 ａ）バレル部２２と、駆動ハンドル２６
とを備えるハンドルアセンブリ１２と；ｂ）バレル部２
２から先端側に延在する長尺のボディ１４と；ｃ）バレ
ル部２２内において駆動ハンドル２６の操作に応じて前
進移動が可能に取り付けられた歯状駆動ラックと；ｄ）
長尺ボディ１４内を延在する制御ロッド６４と；ｅ）長
尺ボディ１４の先端に係合されるとともに、ステープル
カートリッジ３４、開放閉塞可能とされたアンビル３
６、および、ステープル止めストローク時にはステープ
ルの連続的な発射をもたらす駆動手段を備える使い捨て
ローディングユニット３０と；を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外科用のステープ
ル止め装置に関するものであり、さらに詳細には、複数
の外科用ファスナーを生体組織に連続的に付与し、さら
に付加的に、固定された組織を切開するための装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】まず最初に対向するあご構造間に組織を
把持または固定し、次に外科用ファスナーにより結合さ
せるような外科用装置は、従来からよく知られている。
いくつかの器具においては、ナイフが設けられており、
このナイフによって、ファスナーにより既に結合された
組織がカットされる。ファスナーは、典型的には、外科
用ファスナーの形態とされている。しかしながら、２部
材高分子的ファスナー（two part polymeric fastener
s）も、また、利用可能である。

【０００３】この目的のための器具は、それぞれが組織
を捕獲または固定するために使用される２つの長尺部材
を備えている。典型的には、長尺部材の一方は、少なく
とも２つの側方列をなして設けられた複数のステープル
を収納するステープルカートリッジを備えている。一
方、長尺部材の他方は、ステープルカートリッジからス
テープルが駆動されたときにステープルの脚を形成する
ための表面を画成するアンビル（anvil） を有してい
る。一般に、ステープル止め操作は、ステープルカート
リッジ中を長さ方向に移動するカムバーによってもたら
される。この場合、カムバーは、ステープルカートリッ
ジからステープルを連続的に押し出すために、ステープ
ルプッシャー上を作動する。ナイフは、ステープル列間
においてステープル止めされた組織を長さ方向に切削す
るために、および／または、開くために、ステープル列
間を移動することができる。このような器具は、例え
ば、米国特許Ｎｏ．３，０７９，６０６、および、米国
特許Ｎｏ．３，４９０，６７５において開示されてい
る。

【０００４】米国特許Ｎｏ．３，４９９，５９１におい
て開示されているより最近のステープラーは、切開口の
両側にそれぞれ２列のステープルを付与している。これ
は、使い捨ての導入ユニットを設けることにより達成さ
れる。この場合、導入ユニット内においては、カム部材
が、千鳥状配置のステープルを備える２組の溝の間に位
置する長尺ガイドパス中を移動する。ステープル駆動部
材は、溝内に配置され、長さ方向に移動するカムが使い
捨て導入ユニットのステープルカートリッジからステー
プルを発射し得るような接触状態にあるように位置され
る。このようなステープラーの他の例は、米国特許Ｎ
ｏ．４，４２９，６９５、および、米国特許Ｎｏ．５，
０６５，９２９において開示されている。

【０００５】上記において記載された各器具は、外科医
が操作領域に対して直接的に手動アクセスを行うよう
な、従来の外科的手法において使用されるよう構成され
ていた。しかしながら、内視鏡的手法あるいは開腹的手
法においては、外科的処置は、小さな切開口を通して、
あるいは、皮膚に開けられた小さな入口から挿入された
狭いカニューラ（cannula） を通して行われる。内視鏡
的および／または開腹的外科処置の特定の要求に対応す
るために、内視鏡向き外科用ステープル止めデバイスが
開発されてきた。そして、これらは、例えば、米国特許
Ｎｏ．５，０４０，７１５（Ｇｒｅｅｎ氏他）、米国特
許Ｎｏ．５，３０７，９７６（Ｏｌｓｏｎ氏他）、米国
特許Ｎｏ．５，３１２，０２３（Ｇｒｅｅｎ氏他）、米
国特許Ｎｏ．５，３１８，２２１（Ｇｒｅｅｎ氏他）、
米国特許Ｎｏ．５，３２６，０１３（Ｇｒｅｅｎ氏
他）、米国特許Ｎｏ．５，３３２，１４２（Ｒｏｂｉｎ
ｓｏｎ氏他）において開示されている。

【０００６】本発明の出願人であるＵ．Ｓ．Ｓｕｒｇｉ
ｃａｌ社は、数年間にわたって、Ｍｕｌｔｉｆｉｒｅ
ＥＮＤＯ ＧＩＡ^* ３０、Ｍｕｌｔｉｆｉｒｅ ＥＮＤ
ＯＧＩＡ^* ６０のような、内視鏡向けステープル止め器
具を製造し、販売してきた。これらの器具は、意義深い
臨床的成果をもたらしてきた。それでもなお、改良が可
能である。例えば、コストを低減すること、製造をより
容易に行うことである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】現在の開腹的直線型ス
テープル止めデバイスは、１サイズだけの使い捨てロー
ディングユニット（Ｕ．Ｓ．Ｓｕｒｇｉｃａｌ社）およ
びステープルカートリッジ（Ｅｔｈｉｃｏｎ社）を使用
して操作されるよう構成されている。例えば、個々の直
線型ステープラーは、現時点においては、長さが３０ｍ
ｍ、４５ｍｍ、６０ｍｍであるような平行なステープル
列を付与し得るよう利用することができる。したがっ
て、通常の操作時には、外科医は、ただ１つの開腹的外
科手法を行う際であっても、複数の異なったステープル
止め器具を使用する必要がある。このようなやり方にお
いては、開腹的外科手法に関する時間、複雑さ、全体的
コストが増加することになる。加えて、多種のサイズの
ステープラーを設計・製造することは、ただ１つの多目
的型ステープラーを作ることと比較して、コストが非常
にかさむことになる。

【０００８】開腹的および／または内視鏡的外科施述時
に使用されて、このような手法に関連する全体コストを
低減し得るように、複数の異なるサイズの使い捨てロー
ディングユニットの使用が可能な外科用デバイスを提供
することは、非常に有用なことである。また、異なるサ
イズの、および、例えばステープル止め、クリップ止
め、および／または、切削のように異なる目的の使い捨
てローディングユニットを使用して、多種の作業をこな
し得るデバイスは、特に有効である。

【０００９】現在の器具を改良するあるいは修正するに
あたっては、他の市販製品、例えばＥｔｈｉｃｏｎ社に
より製造・販売されている内視鏡向けステープル止め器
具と比較した場合の、Ｍｕｌｔｉｆｉｒｅ ＥＮＤＯ
ＧＩＡ^* ３０および６０のいかなる重要な利点をも損な
わないことが強く要望される。改良により、例えば、器
具の各発射のための新鮮なナイフ刃が有効に提供される
ことになり、また、ステープル止め器具において、操作
者が動かそうとしない限りまた動かそうとするまでは、
使い捨てローディングユニットが確実に維持されている
ことが確保されることとなった。これらの利点は、Ｕ．
Ｓ．Ｓｕｒｇｉｃａｌ社の器具においてこれまでになさ
れたものであり、Ｅｔｈｉｃｏｎ社の器具においては、
なされてはいない。

【００１０】したがって、信頼性の高い外科用ステープ
ラー、および、このステープラーとともに使用される使
い捨てローディングユニットに対して、出願人が現在市
販している器具のすべての利点を有したままで、加え
て、コストおよび製造の複雑さを低減することが要望さ
れている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、主には、生体
組織に対して複数列の外科用ファスナーを付与するため
の、そして好ましくは、それに伴って、内視鏡的あるい
は開腹的外科施述時にステープルの列間に切開口を形成
するようなステープル止めデバイスに関してなされたも
のである。ここで説明されるステープル止めデバイスの
格別に独自の特徴点は、多数の異なる使い捨てローディ
ングユニットを使用することができる点にある。さら
に、本発明のステープル止めデバイスは、長さが約１５
ｍｍ〜約６０ｍｍの直線状のステープル列を付与し得る
よう構成された使い捨てローディングユニットとともに
使用することができる。

【００１２】本発明の外科用ステープラーの好ましい実
施形態においては、デバイスは、長尺のバレル部、およ
び、駆動ストロークによる移動が可能な駆動ハンドルを
備えるハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリのバ
レル部から先端側に延在するとともに長さ方向軸を画成
する長尺のボディとを具備している。長尺の駆動シャフ
トが、ハンドルアセンブリのバレル部内の少なくとも一
部に支持されて設けられており、この駆動シャフトは、
特定の直線寸法とされている。駆動ハンドルは、完全な
駆動ストロークによる駆動ハンドルの操作が所定の直線
距離の駆動シャフトの移動を引き起こすように、駆動シ
ャフトと相互作用する。

【００１３】使い捨てローディングユニットは、長尺ボ
ディの先端部に操作可能に係合される。使い捨てローデ
ィングユニットは、好ましくは、キャリア、複数のステ
ープルを含有するステープルカートリッジ、（ハウジン
グおよびステープルカートリッジを挿通して移動可能
な）駆動手段、および、アンビルを備えている。器具の
駆動シャフトは、特定の直線長さを有するステープルラ
インを形成するために、アンビルに対してステープルを
押し出すよう、ステープルカートリッジ内にわたって駆
動手段を駆動する。ステープルラインの直線長さは、１
回よりも多い特定回数にわたる完全なまたは部分的な駆
動ストロークにわたる駆動ハンドルの操作に対応して駆
動シャフトが移動する距離に対応していることが好まし
い。

【００１４】駆動シャフトは、少なくとも部分的には、
特定ラック長さとされた歯状ラックにより画成されるこ
とが好ましい。また、駆動ハンドルは、歯状ラックと選
択的に係合して、駆動ハンドルの操作に応じて駆動シャ
フトを前進させる爪部材を有している。ステープルの直
線列を有する使い捨てローディングユニットが使用され
たときには、ステープル止めユニットにより付与された
ステープルラインの直線寸法は、駆動シャフトの長さ方
向移動距離に比例することが好ましい。最も好ましい実
施形態においては、ステープルラインの最小直線寸法
は、常に、駆動シャフトが完全な駆動ストロークに対応
して移動する最大直線距離よりも大きい。

【００１５】アンビルを有する使い捨てローディングユ
ニットが使用されたときには、駆動ハンドルは、駆動シ
ャフトがアンビルを開放位置から閉塞位置へと移動させ
るための所定クランプ距離だけ移動するクランプ用スト
ロークにわたって移動可能であることが好ましい。クラ
ンプ用ストロークは、任意数の完全なまたは部分的な駆
動ストロークの最初になされる。好ましい実施形態にお
いては、クランプ距離の移動後に、駆動シャフトを選択
的に特定の位置に維持させるために、ハンドルアセンブ
リのバレル部内に、係合フックが設けられている。そし
て、係合フックを受けるために、また、着脱可能に保持
するために、駆動シャフトの先端部には、歯状ラックの
先端において、ノッチが形成されている。

【００１６】好ましい実施形態の使用実施形態において
は、駆動ハンドルがクランプ用ストロークとは逆方向に
移動すると、係合フックは、駆動シャフトを解放する。
これにより、アンビルの開放位置への移動が可能とされ
る。駆動ハンドルから延在するフランジには、持ち上げ
フィンガーが設けられている。持ち上げフィンガーは、
駆動ハンドルがクランプ用ストロークとは逆方向に移動
したときには、係合フックのノッチとの係合を解除させ
るよう係合フックを移動させる。好ましくは、第１付勢
スプリングが、駆動ハンドルを時計方向に付勢するため
に、ハンドルアセンブリ内に設けられる。また、第２付
勢スプリングが、駆動ハンドルをハンドル回転中心回り
に反時計方向に付勢するために、ハンドルアセンブリ内
に設けられる。反時計方向は、クランプ用、および、駆
動用ストロークの方向に対応している。

【００１７】係合フックは、駆動ストローク時におい
て、駆動シャフトを特定の長さ位置に維持するために、
歯状ラックと相互作用し得るよう構成されていることが
好ましい。そして、常態においては、係合フックは、駆
動シャフトに係合する向きに付勢されている。使い捨て
ローディングユニットが長尺ボディの先端部に操作可能
に係合されるまでは係合フックを駆動シャフトとは係合
しない位置に維持させるために、ステープラーボディの
基端部に関連して操作可能に当接支柱または梁が設けら
れる。当接支柱は、使い捨てローディングユニットが長
尺の器具のボディの先端部に操作可能に係合された後に
は、係合フックが駆動シャフトに係合することを許容す
る。

【００１８】ここで開示される外科用ステープラー止め
装置の他の好ましい実施形態においては、ハンドルアセ
ンブリには、任意回数の引き続くステープル止めストロ
ークにわたる駆動ハンドルの操作に応じた駆動シャフト
の引き続く先端側への前進を可能とするために、係合フ
ックの駆動シャフトからの係合解除をもたらすための解
除機構が操作可能に設けられている。加えて、ハンドル
アセンブリには、アンビルの閉塞位置から開放位置まで
の移動を可能とするよう駆動手段を引き込み得るよう
に、駆動ストロークの任意の時点における駆動シャフト
の手動引込をもたらすための引込機構が操作可能に設け
られている。

【００１９】ここで説明されるデバイスの好ましい実施
形態においては、使い捨てローディングユニットは、複
数の直線状のステープル列を付与するために使用される
ものであって、長尺の器具ボディの先端部に対して着脱
可能に結合される基端部を有するキャリアと；キャリア
内に支持されるとともに、複数の外科用ファスナー、お
よび、ファスナーを押し出すための複数のファスナープ
ッシャーを含有する長尺のステープルカートリッジと；
ファスナープッシャーに当接する駆動手段と；キャリア
に支持されるとともに、ステープルカートリッジに対し
て開放位置と閉塞位置との間を移動可能とされたアンビ
ルとを具備している。アンビルは、ファスナープッシャ
ーによりステープルカートリッジからファスナーが押し
出されたときに駆動されるファスナー形成表面を有して
いることが好ましい。また、アンビルは、ファスナー形
成表面とは反対側にカム表面を有していることが好まし
い。駆動手段は、ステープルカートリッジからファスナ
ーを押し出すために、ファスナープッシャーに対して次
々と相互作用するようステープルカートリッジ内を移動
する楔状駆動手段であることが好ましい。

【００２０】使い捨てローディングユニットは、さら
に、基端係合部、当接表面を有する先端作業部、およ
び、カム部材を備える長尺の駆動梁を具備することが好
ましい。基端係合部は、当接表面が発射時にステープル
カートリッジからのステープルを押し出すために駆動手
段と係合する際に、駆動アセンブリの先端部と係合し得
るよう構成されている。カム部材は、発射時には、アン
ビルのカム表面に当接する。使用時においては、ステー
プラー駆動アセンブリは、駆動梁をキャリア内にわたっ
て移動させて、カム部材によるアンビルの閉塞、また
は、アンビルの閉塞状態の維持をもたらす。これと同時
に、ステープラー駆動アセンブリは、駆動手段をステー
プルカートリッジ内にわたって移動させる。これによ
り、ステープルを発射させるための複数のファスナーと
の漸次的な相互作用がもたらされる。

【００２１】好ましくは、カム部材は、駆動梁の先端作
業部から延在するフランジにとりつけられた円柱状カム
ローラーの形態とされている。アンビル内には、駆動梁
の作業部の直線移動を可能とするために、長さ方向スロ
ットが形成されている。そして、作業部には、カムロー
ラーとは反対側に、カムローラーがアンビルのカム表面
と係合する際にキャリアの下面と係合するための縦方向
支持フランジが設けられている。長さ方向スロットは、
また、駆動梁の作業部の直線移動を可能とするために、
キャリアの下面にも形成されている。発射時において、
生体組織が不注意に駆動梁またはカムローラーに接触し
ないように、付加的にアンビルカバーを設けることがで
きる。

【００２２】好ましくは、ナイフ刃が、駆動梁の作業部
の先端近傍において、ステープル止めされた生体組織に
切開口を形成するために、操作可能に支持されている。
また、駆動手段は、平面状基部、および、各々がステー
プルカートリッジ内においてファスナープッシャーと相
互作用するための傾斜付先端を有して互いに離間された
直立カム楔を備えるスレッドであることが好ましい。

【００２３】ここで説明されるステープル止めデバイス
の好ましい実施形態においては、長尺ボディの先端部お
よびキャリアの基端部は、バヨネット型結合を形成する
ための部分を有している。バヨネット型結合は、長さが
約３０ｍｍ、４５ｍｍ、６０ｍｍであるステープル列を
付与するよう構成された使い捨てローディングユニット
を含む様々な異なるサイズの使い捨てローディングユニ
ットの便利な取り外し、および、係合を容易とする。し
たがって、デバイスは、コンパチブルな使い捨てローデ
ィングユニットを駆動するよう構成された少なくとも１
つの外科用器具と、サイズおよび種類において様々に異
なる複数の使い捨てローディングユニットとから構成さ
れるキットとして市販されることが予想される。使い捨
てローディングユニットは、直線的なステープル列、ク
リップ、あるいは他の形態のファスナーを付与するため
に使用することができる。これら使い捨てローディング
ユニットに共通した特徴点は、ファスナーを付与するた
めに、器具の駆動制御ロッドの長さ方向移動を使用する
ということである。

【００２４】本発明のこれらの特徴点、および、他の特
徴点については、以下における図面を参照したデバイス
の好ましい実施形態の詳細な説明により、当業者には、
より明瞭となるであろう。

【００２５】

【発明の実施の形態】本発明の外科用ステープル止め装
置の様々な実施の形態について、添付図面を参照しつ
つ、以下において説明する。

【００２６】図１は、本発明の好ましい実施形態に基づ
いて構成された外科用ステープル止め装置の斜視図であ
る。図において、各々がステープル止め装置において使
用されるよう構成された３つの異なるサイズの使い捨て
ローディングユニットが設けられている。図２は、図１
に示す外科用ステープル止め装置のハンドルアセンブリ
の分解斜視図である。図３は、本発明の好ましい実施形
態に基づいて構成された使い捨てローディングユニット
の分解斜視図である。図４は、図１に示す外科用ステー
プル止め装置におけるのハンドルアセンブリおよびボデ
ィの一部断面を含む斜視図である。この場合、図３に示
す使い捨てローディングユニットが、ボディの先端に挿
入される様子が図示されている。図５は、図４と同様の
一部断面を含む斜視図である。この場合、外科用ステー
プル止め装置のボディに取り付けられた使い捨てローデ
ィングユニット、および、使い捨てローディングユニッ
トの挿入の結果として可能とされるハンドル部内での駆
動機構が示されている。

【００２７】図６は、本発明の外科用ステープル止め装
置の駆動前の側面図である。図においては、駆動前にお
いて、ハンドル部内に収容された駆動アセンブリの各部
材の相対的位置関係を図示するために、ハンドル部が断
面で示されている。図７は、本発明の外科用ステープル
止め装置において、駆動ハンドルが部分的に圧縮された
ときの側面図である。図においては、使い捨てローディ
ングユニットのアンビルを閉塞位置へと移動させるため
に、駆動ハンドルが部分的に圧縮されたときの、駆動ア
センブリの各部材の相対的位置関係を図示するために、
ハンドル部が断面で示されている。図８は、本発明の外
科用ステープル止め装置において、駆動ハンドルが解放
されたときの側面図である。図においては、使い捨てロ
ーディングユニットのアンビルを開放位置へと移動させ
るために、駆動ハンドルが解放されたときの、駆動アセ
ンブリの各部材の相対的位置関係を図示するために、ハ
ンドル部が断面で示されている。図９は、本発明の外科
用ステープル止め装置において、アンビルが開放位置を
維持する位置にまで駆動ハンドルを移動したときの側面
図である。図においては、使い捨てローディングユニッ
トのアンビルが開放位置を維持する位置にまで駆動ハン
ドルを移動したときの、駆動アセンブリの各部材の相対
的位置関係を図示するために、ハンドル部が断面で示さ
れている。図１０は、本発明の外科用ステープル止め装
置において、駆動ハンドルを１回の完全な駆動ストロー
ク分だけ操作したときの側面図である。図においては、
使い捨てローディングユニットのステープルカートリッ
ジからステープルの一部を生体組織に対して付与するた
めに、駆動ハンドルを１回の完全な駆動ストローク分だ
け操作したときの、駆動アセンブリの各部材の相対的位
置関係を図示するために、ハンドル部が断面で示されて
いる。

【００２８】図１１は、本発明の外科用ステープル止め
装置において、使い捨てローディングユニットをステー
プラーのボディの先端から取り外すときの側面図であ
る。図においては、この場合の、駆動アセンブリの各部
材の相対的位置関係を図示するために、ハンドル部が断
面で示されている。図１２は、本発明における使い捨て
ローディングユニットの側面図である。図においては、
管状ベッセルを固定するためのアンビルの閉塞前の、各
部材の相対的位置関係を図示するために、使い捨てロー
ディングユニットの本体が断面で示されている。図１３
は、本発明における使い捨てローディングユニットの側
面図である。図においては、装置が完全に発射した後
の、各部材の相対的位置関係を図示するために、使い捨
てローディングユニットの本体が断面で示されている。
図１４は、図１３と同様の使い捨てローディングユニッ
トの側面図である。図においては、解放用スプリングの
付勢のもとに、アンビルが開放位置へと移動する様子が
示されている。図１５は、使い捨てローディングユニッ
トの代替可能な実施形態を示す斜視図である。図におい
ては、外科用クリップを付与するために適用される使い
捨てローディングユニットが示されている。

【００２９】図１６は、使い捨てローディングユニット
の代替可能な実施形態を示す斜視図である。図において
は、ただ１つの外科用ステープルを付与するために適用
される使い捨てローディングユニットが示されている。
図１７は、本発明の好ましい実施形態に基づいて構成さ
れた他の外科用ステープル止め装置の斜視図である。図
において、装置には、使用可能な複数の異なるサイズの
使い捨てローディングユニットのうちの１つが設けられ
ている。図１８は、図１７に示す外科用ステープル止め
装置のハンドルアセンブリの分解斜視図である。ハンド
ルアセンブリを構成する各部材は、図示の容易化のため
に離間して示されている。図１９は、図１７に示す外科
用ステープル止め装置のボディの分解斜視図である。ボ
ディ中を延在する長尺制御ロッドが示されている。図２
０は、図１９に示す制御ロッドの先端部を示す斜視図で
ある。

【００３０】図２１は、図１７に示す外科用ステープル
止め装置のボディ内に収容された内部支持チューブの基
端部を示す断面図であって、図１９における２１−２１
線矢視断面に対応している。図２２は、図１７に示す外
科用ステープル止め装置の一部断面を含む側面図であ
る。図においては、使い捨てローディングユニットをボ
ディの先端に取り付ける前のラックロックの向きを示し
ている。図２３は、図１７に示す外科用ステープル止め
装置の一部断面を含む側面図である。図においては、使
い捨てローディングユニットをボディの先端に取り付け
た後のラックロックの向きを示している。図２４は、本
発明の好ましい実施形態に基づいて構成された使い捨て
ローディングユニットの分解斜視図である。図におい
て、使い捨てローディングユニットは、図１９および図
２０に示す制御シャフトの長さ方向移動を制限するよう
機能するロックアウトアセンブリを備えている。図２５
は、図２４に示すロックアウトアセンブリを、制御ロッ
ドの先端とともに拡大して示す分解斜視図である。

【００３１】図２６は、図２４に示す使い捨てローディ
ングユニットの基端部を示す一部断面を含む側面図であ
る。図においては、使い捨てローディングユニットが、
駆動準備状態とされたロックアウトアセンブリを備える
ボディの先端に挿入されるときの様子が示されている。
図２７は、図２４に示す使い捨てローディングユニット
の基端部を示す一部断面を含む側面図である。図におい
ては、使い捨てローディングユニットの取付部が、ボデ
ィの先端に完全に挿入されたときの様子が示されてい
る。図２８は、図２４に示す使い捨てローディングユニ
ットの基端部を示す一部断面を含む側面図である。図に
おいては、使い捨てローディングユニットが、操作位置
へと回転されるときの様子が示されている。図２９は、
図２６における２９−２９線矢視断面図である。図にお
いては、制御ロッドのヘッドのノッチと、軸方向駆動ア
センブリの基端における係合フィンガーとの軸合わせを
示している。図３０は、図２８における３０−３０線矢
視断面図である。図においては、使い捨てローディング
ユニットが操作位置へと回転された後の、係合フィンガ
ーに対する制御ロッドのヘッドの位置を示している。

【００３２】図３１は、ステープル止め操作前におけ
る、図１７に示す外科用ステープル止め装置を示す一部
断面を含む側面図である。図において、アンビルは、開
放位置にあり、駆動シャフトおよび歯状ラックは、ハン
ドルアセンブリ内において最も基端側の位置に配置され
ている。図３２は、図１７に示す外科用ステープル止め
装置を示す一部断面を含む側面図である。図において、
駆動シャフトおよび歯状ラックは、アンビルの図３１に
示す開放位置から閉塞位置への移動をもたらすために、
クランプ用ストロークに伴って先端側に前進する。図３
３は、図１７に示す外科用ステープル止め装置を示す一
部断面を含む側面図である。図において、アンビルの図
３２に示す閉塞位置から開放位置への移動をもたらすた
めに、引き抜き機構により、駆動シャフトおよび歯状ラ
ックに対してラックロックおよび爪の係合が解除される
様子が示されている。図３４は、図３２に対応する図で
あり、外科用ステープル止め装置を示す図である。図に
おいては、駆動ハンドルがクランプ用ストローク分だけ
操作された後であり、アンビルは、閉塞状態とされてい
る。図３５は、図１７に示す外科用ステープル止め装置
を示す一部断面を含む側面図である。図においては、連
続するステープル止めストローク時における、駆動シャ
フトの先端側への移動を可能とするための、ラックロッ
クの手動解放を示している。

【００３３】図３６は、図１７に示す外科用ステープル
止め装置を示す一部断面を含む側面図である。図におい
ては、カートリッジからのステープルの部分的な連続す
る押出をもたらすための、駆動ハンドルの完全なステー
プル止めストロークに対応する駆動シャフトおよび歯状
ラックの先端側への前進を示している。図３７は、図１
７に示す外科用ステープル止め装置を示す一部断面を含
む側面図である。図においては、引き続いてのカートリ
ッジからのステープルの押出を行うための、駆動ハンド
ルの２回目の完全なステープル止めストロークに対応す
る駆動シャフトおよび歯状ラックの先端側への前進を示
している。図３８は、図１７に示す外科用ステープル止
め装置を示す一部断面を含む側面図である。図において
は、駆動シャフトを引っ込めて、アンビルを図３７に示
す閉塞位置から開放位置へと移動させるために、引込ノ
ブが基端側に引かれたときの、解放プレートによるラッ
クロックと歯状ラックからの爪との係合解除を示してい
る。図３９は、歯状ラックと、この歯状ラックに関連す
る解放プレートとを拡大して示す側面図である。図にお
いては、歯状ラックに係合されたラックロックを示して
いる。図４０は、歯状ラックと、この歯状ラックに関連
する解放プレートとを拡大して示す側面図である。図に
おいては、ラックロックを歯状ラックから係合解除する
よう移動した解放プレートを示している。

【００３４】図４１は、図３９における４１−４１線矢
視断面図である。図４２は、図４０における４２−４２
線矢視断面図である。図４３は、ラックロック（あるい
は係合部材）を拡大して示す斜視図である。図において
は、ラックロックの構造的幾何形状が示されている。図
４４は、使い捨てローディングユニットを示す一部断面
を含む側面図である。図においては、ステープル止め操
作の完了時における、軸方向駆動アセンブリ、および、
制御ロッドの位置を示している。図４５は、図２４の使
い捨てローディングユニットを示す一部断面を含む側面
図である。図においては、発射後の基端位置に向けて引
き抜かれている制御ロッドに対応する位置におけるロッ
クアウトアセンブリの部材を示している。

【００３５】図４６は、図２４の使い捨てローディング
ユニットを示す一部断面を含む側面図である。図におい
ては、制御ロッドが最も基端側の位置に近づいたときの
ロックアウトアセンブリの部材の向きを示している。図
４７は、図２４の使い捨てローディングユニットを示す
一部断面を含む側面図である。図においては、制御ロッ
ドが最も基端側の位置に引っ込められたときのロックア
ウトアセンブリの部材の向きを示している。図４８は、
図２４の使い捨てローディングユニットを示す一部断面
を含む側面図である。図においては、バヨネット結合を
解除するためにローディングユニットがボディに関して
先端側に移動したときのロックアウトアセンブリの部材
の向きを示している。図４９は、図２４の使い捨てロー
ディングユニットを示す一部断面を含む側面図である。
図においては、ローディングユニットの連続使用を阻止
するための阻止位置に図示されたロックアウトアセンブ
リの部材とともに、ステープル止め操作の完了時におい
て、ボディの先端から係合が解除された使い捨てローデ
ィングユニットを示している。図５０は、図４６におけ
る５０−５０線矢視断面図である。図においては、使い
捨てローディングユニットがボディの先端から取り外さ
れる前の、阻止プレート、および、制御ロッドを示して
いる。図５１は、使い捨てローディングユニットがボデ
ィの先端から取り外された後の、使い捨てローディング
ユニットを示す一部断面を含む拡大された斜視図であ
る。図においては、制御ロッドの先端が、軸方向駆動ア
センブリの駆動ブロック内に入らないような、阻止位置
におけるロックアウトアセンブリを示している。

【００３６】以下の図面中、および、説明中において
は、慣例にしたがって、”基端部”という用語は、ステ
ープル止め装置のうち、操作者に最も近い側の端部を指
すものとする。また、”先端部”という用語は、ステー
プル止め装置のうち、操作者に最も遠い側の端部を指す
ものとする。

【００３７】さて、図面においては、本発明の同様の部
材には、同様の参照符号を付すものとする。そして、図
１においては、本発明の好ましい実施形態に基づいて構
成された外科用装置が、全体的に符号１０で示されてい
る。簡単に言えば、外科用装置１０は、外科用ステープ
ル止め装置である。外科用ステープル止め装置は、生体
組織に係合し、生体組織に対して複数の外科用ファスナ
ーを付与し、そして開腹的外科施述時には、結合された
生体組織に切開口を形成するよう構成されている。装置
１０は、また、外科用クリップ、あるいは他のファスナ
ー（以下において、より詳細に説明される）を付与する
ためにも使用することができる。しかしながら、この説
明中においては、使い捨てローディングユニット内に配
設されたステープルカートリッジから平行な複数のステ
ープル列を付与する場合について、主に説明する。

【００３８】外科用装置１０は、複数の異なるサイズの
使い捨てローディングユニットを使用することができる
という点において、公知の開腹用デバイスに対して、特
有のものである。しかも、装置１０は、長さが３０ｍ
ｍ、４５ｍｍ、あるいは６０ｍｍである直線状のステー
プル列（図１）を付与する、あるいは、他のタイプのフ
ァスナー（図１５および図１６）を付与する個々の使い
捨てローディングユニットとともに操作可能であるよう
構成されていることが好ましい。よって、開腹的外科施
述時においては、複数の作業をこなすために、複数の相
互交換可能な使い捨てローディングユニットを使用する
に際しても、ただ１つだけの器具で済ませることができ
る。詳細に説明される好ましい実施形態は、主に、直線
的なステープル列を付与するために使用される使い捨て
ローディングユニットに関連している。

【００３９】図１に示すように、外科用装置１０は、ハ
ンドルアセンブリ１２、および、長尺のボディ１４を備
えている。装置１０は、使い捨てローディングユニット
３０、４５、６０とともに使用される。使い捨てローデ
ィングユニット３０、４５、６０は、各々が、キャリア
３２、ステープルカートリッジ３４、アンビル３６を有
している。アンビル３６に対しては、ハウジングから押
し出されたステープルが駆動されることになる。以下の
説明により、装置およびこの装置に関して使用される使
い捨てローディングユニットの、構成および操作が詳細
に理解されるであろう。

【００４０】図２に示すように、ハンドルアセンブリ１
２は、長尺のバレル部２２により画成されるハウジング
２０と、バレル部から垂下された固定ハンドル２４と、
バレル部に対して回転可能に取り付けられかつ固定ハン
ドルに対して移動可能とされた駆動ハンドル２６とを備
えている。駆動ハンドル２６は、ハウジング２０内にお
いて回転ピン２８により支持されており、また、コイル
状ねじりスプリング３８により反時計方向の移動を妨げ
るよう付勢されている。

【００４１】駆動ハンドル２６は、バレル部２２内に取
り付けられた駆動シャフト４０の直線移動を制御する。
さらに詳細には、駆動シャフト４０は、上部に形成され
た歯状ラック４２を有している。また、駆動ハンドル２
６は、ラチェット爪４４を有している。ラチェット爪４
４は、駆動ハンドル２６に取り付けられており、前進方
向に係合して、駆動シャフト４０を前進させるためのも
のである。爪４４は、回転ピン４６により取り付けられ
ており、また、コイル状ねじりスプリング４８は、爪４
４を、歯状ラック４２に対して係合する向きに付勢して
いる。直線状付勢用支柱５０は、バレル部内に支持され
ており、爪を付勢するためのかつ駆動ハンドルを回転ピ
ン２８回りの時計方向回転を阻止するよう付勢するため
のコイル状圧縮スプリング５２により先端側に向けて付
勢されている。付勢用支柱５０は、また、爪４４の傾斜
付後方カム面に対して作用するよう機能する。この場
合、支柱５０に対してカム表面が接触することにより、
爪４４が時計方向に（ラック４２から離れる向きに）回
転することになる。器具が静止状態にあるときには、爪
４４は、歯状ラック４２から離れるよう付勢されてい
る。駆動ハンドル２６が基端側に引かれたときには、爪
４４は、支柱５０から移動し、反時計方向に回転する。
そして、爪４４は、駆動シャフト４０の歯と係合する。
この結果、駆動ハンドル２６により、駆動シャフト４０
を先端側に移動させることが可能となる。

【００４２】駆動シャフト４０は、常態においては、バ
レル部２２内において、付勢力の一定なスプリング５４
により基端側に向けて付勢されている。スプリング５４
は、駆動シャフト４０の先端近傍に、従来より公知の固
定手段により、駆動シャフト４０に取り付けられてい
る。付勢力の一定なスプリング５４は、ハンドルアセン
ブリ１２のハウジング２０内に設けられたボス５６に支
持されている。駆動シャフト４０の先端部の下面には、
キャビティ５８が形成されている。このキャビティ５８
は、制御ロッド６４のフランジ付基端部６２に係合して
これを保持するためのものである。制御ロッド６４は、
外科用ステープラー１０の長尺ボディ１４内にわたって
同軸に延在しており、使い捨てローディングユニットの
基端部において、使い捨てローディングユニットと相互
作用を行う。よって、駆動ハンドル２６を操作すること
により、駆動シャフト４０を直線的に前進させれば、こ
れに対応して、制御ロッド６４が長さ方向に移動するこ
とになる。そして、これとともに、以下において詳細に
説明するように、使い捨てローディングユニットが駆動
されることになる。

【００４３】さらに、図２に示すように、外科用ステー
プラー１０の長尺ボディ１４の基端部は、この基端部上
に形成された環状フランジ６６を有している。この環状
フランジ６６は、バレル部２２内においてバレル部２２
の先端近傍に形成された環状凹所６８に係合する。この
係合により、２つの構造部材は、固定的に取り付けられ
る。凹所６８内へのフランジ６６の係合により、バレル
部２２に対するボディ１４の長さ方向軸回りの回転運動
が案内される。カラー７０は、ステープラーのボディ１
４の基端部に、一対の対向する突起７２、７４により、
固定的に取り付けられている。よって、カラー７０の回
転は、ボディ１４の回転に対応して引き起こされ、外科
用ステープラー１０の操作応用範囲を増大させる。

【００４４】ハンドルアセンブリ１２内には、ラックロ
ック８０と駆動シャフト４０の歯状ラック４２との係合
を開始させるための機構が設けられている。ラックロッ
ク８０は、付勢力の一定なスプリング５４の付勢のもと
に、駆動シャフト４０の長さ方向位置を維持する。ラッ
クロック８０は、使い捨てローディングユニットがボデ
ィ１４の先端部に操作可能に係合されない限りはまた係
合されるまでは、ラックと係合することはない。上記係
合開始機構は、図２に示されており、それのラックロッ
ク８０との相互作用は、また、図４、５を参照すること
によりよく理解される。係合開始機構は、長尺の梁また
は支柱８２を有している。長尺の梁または支柱８２に
は、先端タング８４が設けられている。先端タング８４
は、ステープラーのボディ１４内にスライド可能に取り
付けられている支持チューブ８８の基端部近傍に形成さ
れたキーパーノッチ８６に係合する。梁８２は、コイル
状付勢スプリング９２の基端部を係合するための中央フ
ック８０を有している。コイル状付勢スプリング９２の
先端部は、バレル部２２内に設けられたボス９４に取り
付けられている。付勢スプリング９２は、梁８２を、ま
た支持チューブ８８を、基端側へ移動することを阻止す
るよう付勢する。アーチ状カムフィンガー９６は、ラッ
クロック８０の本体１００の下部表面に画成された傾斜
カム表面９８と相互作用するために、梁８２から基端側
に突出している。ラックロック８０は、さらに、楔状ク
ラスプ部１０２を有している。楔状クラスプ部１０２
は、器具１０の操作時に、駆動シャフト４０の長さ方向
位置を維持するために、歯状ラック４２の歯と係合する
寸法とされ、また係合するよう構成されている。ラック
ロック８０の本体１００は、ハウジング２０のバレル部
２２内に設けられたボス１０４に取り付けられている。
また、ボス１０４には、コイル状ねじりスプリング１０
６が取り付けられている。コイル状ねじりスプリング１
０６は、本体１００に対して、ラックロックが歯状ラッ
ク４２に係合するよう付勢するよう接続されている。

【００４５】図４、５に示すように、使い捨てローディ
ングユニット３０のキャリア３２の基端部が長尺ボディ
１４の先端部内に挿入されたときには、支持チューブ８
８は、スプリング９２の付勢力に抗して、基端方向に駆
動される。それに伴って、梁８２は、基端側に移動し、
アーチ状カムフィンガー９６は、傾斜カム表面９８に当
接する。これにより、ラックロック８０が持ち上げら
れ、ラックロックがねじりスプリング１０６の付勢力に
抗して反時計方向に回転する。この時点において、梁８
２のカムフィンガー９６は、ラックロック８０の本体１
００内に形成された凹所１０８内に収容される。ラック
ロックがこの位置にあるときには、ラックロックは、駆
動ハンドルの操作に伴って駆動シャフト４０が先端側に
前進する際に、駆動シャフト４０と係合することにな
る。ラックロック８０と駆動シャフト４０との相互作用
については、器具１０が生体組織を拘束して生体組織に
ファスナーを付与する方法に関連して、以下において詳
細に説明する。

【００４６】さて、図３には、使い捨てローディングユ
ニットの一例が示されており、使い捨てローディングユ
ニットには、全体として符号３０が付されている。既に
述べたように、使い捨てローディングユニット３０は、
長さが約３０ｍｍである直線状の複数のステープル列を
付与するために特に構成されたものであって、外科施述
時に器具１０とともに使用し得る複数のサイズまたはタ
イプの使い捨てローディングユニットのうちの１種にす
ぎない。ステープル止めユニット３０のキャリア３２
は、長尺のチャネル（先端収納部）１１０を備えてい
る。チャネル１１０は、ベース１１２と、ステープルカ
ートリッジ３４およびアンビル３６を支持するための複
数の取付構造を有する２つの平行直立壁１１４、１１６
とを備えている。キャリア３２は、また、取付部（基端
取付部）１２０を備えている。取付部１２０は、互いに
離間して設けられた複数の矩形タング１２２がチャネル
１１０の対向壁１１４、１１６に形成された複数の対応
するスロット１２４に係合することにより、チャネル１
１０の基端部に取り付けられている。取付部１２０の基
端領域１２６は、長尺ボディ１４の先端部内に挿入可能
な寸法とされまた挿入可能に構成されている。また、制
御ロッド６４の先端を受け入れるための同軸孔１２５が
設けられている。

【００４７】基端領域１２６からは、結合用ステム１２
８が径方向外方に突出している。この結合用ステム１２
８は、長尺ボディ１４の先端部の壁に形成されたＪ字形
結合用スロット１３０（図４、５を参照）と相互作用す
るためのものである。ステム１２８およびスロット１３
０は、共に従来のバヨネット型結合をもたらすものであ
り、外科施述時におけるステープル止めユニットのステ
ープラーに対する、素早くかつ容易な係合および取外し
を促進する。一旦、ステープラーの長尺体１４の先端部
に係合した後には、支持チューブ８８の先端部は、コイ
ル状スプリング９２の付勢のもとに基端領域１２６を先
端側に向けて付勢する。これにより、結合用ステム１２
８は、結合用スロット１３０内での拘束が維持される。

【００４８】さらに、図３に示すように、チャネル１１
０の先端部は、ステープルカートリッジ３４を支持して
いる。ステープルカートリッジ３４は、複数の外科用フ
ァスナー（ステープル）１３２、および、複数の対応す
る押出機またはプッシャー（ステープルプッシャー）１
３４を含有している。押出機またはプッシャー１３４
は、駆動スレッド１４０によりファスナー駆動力が与え
られたときには、カートリッジ３４からファスナーを駆
動する。ステープルカートリッジ３４は、側方支柱１３
６がチャネル壁１１４、１１６の上部表面に対して摩擦
係合することにより、また、タブ１３８のようなハウジ
ングタブがノッチ１３９に対して凹凸嵌合することによ
り、チャネル１１０内に維持される。これらの構造は、
チャネル１１内におけるステープルカートリッジ３４の
横方向の、長さ方向の、および浮き上がり方向の移動を
制限するように機能する。

【００４９】互いに離間した複数の長さ方向スロット１
４２は、駆動スレッド１４０の直立カム楔１４４を収容
し得るよう、ステープルカートリッジ３４にわたって延
在している。スロット１４２は、内部に複数のファスナ
ー１３２およびプッシャー１３４がそれぞれ支持されて
いる横断保持スロット１４６と連通している。操作時
に、駆動スレッド１４０がステープルカートリッジ３４
内を移動したときには、カム楔１４４の傾斜した前端
は、次々と、プッシャー１３４に当接する。これによっ
て、プッシャーは、スロット１４６内を縦方向に移動
し、スロット１４６からファスナー１３２を飛び出させ
る。駆動スレッド１４０とプッシャー１３４との間の相
互作用の結果は、図１２〜図１４に示されている。これ
については、図面を参照して以下において説明する。合
わせて、Ｇｒｅｅｎ氏と共有で出願した米国特許Ｎｏ．
４，９７８，０４９を参照されたい。この文献中の開示
は、その全体が参考のためにここに組み込まれる。

【００５０】さらに、図３に示すように、使い捨てロー
ディングユニット３０のアンビル３６には、チャネル壁
１１４、１１６の回転孔１５４、１５６に係合するよう
な寸法とされまた係合するような構成とされた反対向き
に突出する取付ウィング１５０、１５２が設けられてい
る。スプリングアーム１５８ａ、１５８ｂを有する付勢
部材１５８が、アンビル３６の基端部に固定されてい
る。スプリングアームは、アンビル３６を常態において
開放位置に向けて付勢するように、取付部１２０内に形
成された内部抵抗表面に対して抵抗する。この場合、ア
ンビル３６の内部ファスナー形成表面１５５は、ステー
プルカートリッジ３４から離間している。

【００５１】使い捨てローディングユニット３０は、さ
らに、軸方向駆動アセンブリ１６０を備えている。軸方
向駆動アセンブリ１６０は、ステープル止め操作時にお
いて、制御ロッド６４により引き起こされる長さ方向駆
動力を、駆動スレッド１４０に対して伝達するためのも
のである。駆動アセンブリ１６０は、先端作業ヘッド１
６４および基端係合領域１６６を有する長尺の駆動梁１
６２を備えている。係合領域１６６は、一対の係合フィ
ンガー１６６ａ、１６６ｂを有している。一対の係合フ
ィンガー１６６ａ、１６６ｂは、駆動ブロック１６８内
に形成された対応する一対の保持スロット１６８ａ、１
６８ｂに対して、取付可能に係合するような寸法とされ
また係合するような構成とされている。駆動ブロック１
６８は、基端丸孔１７０を有している。基端丸孔１７０
は、使い捨てローディングユニット３０の基端部がステ
ープルのボディ１４の先端内に挿入されたときには、制
御ロッド６４の先端を受け入れるためのものである。長
尺ボディ１４と結合用ステム１２８との結合において図
示したのと同様に、バヨネット型の結合を形成するため
に、駆動ブロック１６８には、制御ロッド６４の先端か
らステム（図示せず）を受け入れるための内部スロット
を設けることができる。そのような結合は、制御ロッド
６４の移動に伴う操作者による駆動梁１６２の操作を可
能とすることになる。駆動梁１６２の作業端部１６４
は、ナイフ刃１７４を支持する直立支持支柱（支持フラ
ンジ）１７２と、駆動スレッド１４０の中央支持楔１４
５に係合する当接表面１７６とから構成されている。ナ
イフ刃１７４は、ステープル操作時に生体組織のステー
プル列間に切開口を形成するために、駆動スレッド１４
０のわずかに後方を移動する。直立支柱１７２からは、
円柱状カムローラー１８０を保持するために、保持フラ
ンジ１７８が先端側に突出している。カムローラー１８
０は、発射時に生体組織に対してアンビルを次第にクラ
ンプするために、アンビル３６の外部カム表面１８２に
対して、結合可能かつ移動可能な寸法とされまた結合可
能かつ移動可能な構成とされている。

【００５２】長さ方向スロット１８４は、保持フランジ
１７８および直立支柱１７２の移動を可能とするため
に、アンビル３６にわたって延在している。バランスフ
ランジ１８６は、フランジ１８６に形成された対応する
保持ポート１９０内への保持脚１８８の係合を介して、
駆動梁１６２の作業端部に固定されている。フランジ１
８６は、アンビル３６が次第にクランプされる際に、カ
ムローラー１８０により発生するクランプ力をバランス
させるよう機能する。長さ方向スロット１９２が、発射
時の保持脚１８８の長さ方向移動を可能とするために、
チャネル１１０のベース１１２に形成されている。

【００５３】図１に示す使い捨てローディングユニット
４５においては、アンビル３６の外部に沿って移動する
部材から組織を保護するために、アンビルカバーが設け
られている。特に、アンビルカバー４００は、アンビル
カバー４００の下面に形成されたチャネル４０２を有し
ており、アンビル３６との間にチャネルを形成するため
に、アンビル３６の上面に固定されている。カムローラ
ー１８０は、発射時には、カバー４００とアンビル３６
との間のチャネル４０２内を移動する。アンビルカバー
４００は、プラスチックであることが好ましいが、適切
な生体適合性を有する任意の材料から構成することがで
きる。

【００５４】再度、図３を参照すると、付勢力の一定な
２つのスプリング部材１９４、１９６がチャネルのベー
ス１１２の基端部に接続されており、また、駆動ブロッ
ク１６８の先端側に配置されている。これにより、駆動
ブロック１６８の先端側への移動を阻止するよう付勢し
ている。図１２〜図１４に示すように、駆動ブロック１
６８が先端側に移動したときには、スプリング部材１９
４、１９６は、駆動ブロック１６８の移動端部が通り過
ぎるまでは、巻き戻される。完全に巻き戻されると同時
に、スプリング部材は、それらの通常の巻き位置へと復
帰し、取付ブロックのためのバッファを形成する。した
がって、発射後にブロックを最も基端側の位置に戻そう
としてもできないことになる。

【００５５】次に、図４〜図１１を順に参照して説明す
る。器具１０の操作を開始するために、まず、所望の使
い捨てローディングユニットが選択される。このような
使い捨てローディングユニットは、図１に示す異なるサ
イズの使い捨てローディングユニットのうちの１つ、あ
るいは、外科用クリップを付与するために使用される使
い捨てローディングユニット（図１５）のうちの１つ、
あるいは、他のタイプの外科用ステープルを付与するた
めに使用される使い捨てローディングユニット（図１
６）のうちの１つとすることができる。ここでは、直線
状のステープル列を付与するために適用される使い捨て
ローディングユニットを使用した場合の器具の使用につ
いて説明する。使い捨てローディングユニット３０は、
図４に示すように、長尺ボディ１４の先端内に、使い捨
てローディングユニット３０の基端取付領域を挿入する
ことにより、ステープラーに対して取り付けられる。挿
入に先立って、支持チューブ８８は、長尺ボディ１４内
において最も先端側の位置にある。そして、スプリング
９２により、その位置に維持される。したがって、梁８
２のカムフィンガー９６は、ラックロック８０を、駆動
シャフト４０の歯状ラック４２から離間した上方係合解
除位置に維持する。

【００５６】一旦、使い捨てローディングユニットの基
端が長尺ボディの先端部内に挿入されると、結合用ステ
ム１２８を結合用スロットのベース内に位置させるよ
う、約１０゜〜１５゜回転させる。この場合、スプリン
グ９２の付勢力により支持チューブ８８が先端側に移動
し、ステム１２８がスロット１３０のベース内にロック
される。制御ロッド６４と駆動ブロック１６８との間に
結合システム（前述）が設けられている場合には、この
回転により、これら部材が同様に結合されることにな
る。加えて、図５に示すように、取付部１２０の基端領
域１２６が長尺ボディ１４内に挿入されることにより支
持チューブ８８が基端側に移動したときには、梁８２の
アーチ状カムフィンガー９６は、凹所１０８に到達する
まで、カム表面９８に沿って基端側に移動する。この場
合、ラックロック８０は、ねじりスプリング１０６の付
勢のもとに、係合位置へと移動する。以上により、器具
１０は、使用準備状態となる。

【００５７】使用前においては、図６に示すように、駆
動ハンドル２６は、図示のような中立位置とされてい
る。この位置においては、爪４４は、駆動シャフト４０
の歯状ラック４２からは離間した位置にある。加えて、
駆動ハンドル２６から先端側に突出しているリフトアー
ム２１０は、楔状クラスプ部１０２の近傍においてラッ
クロック８０の基端部に形成された張出フィンガー２１
２の下部に係合している。リフトアーム２１０は、クラ
スプ部１０２を、ある操作条件のもとに、駆動シャフト
４０に対して係合しないようにする機能を有している。
これについては、図８、９を参照して、以下において説
明する。

【００５８】駆動ハンドル２６を操作するに先立って、
駆動シャフト４０は、制御ロッド６４と同様に、付勢力
が一定のスプリング５４により先端側への移動が阻止さ
れるような向きに付勢されていることにより、最も基端
側の位置にある。したがって、アンビル３６は、スプリ
ングアーム１５８ａ、１５８ｂにより閉塞を阻止する向
きに付勢されていることにより、開放位置にある。よっ
て、この場合、管状ベッセル２００のような生体組織
は、アンビル３６の表面に形成されたファスナーとステ
ープルカートリッジ３４の組織接触表面との間に捕捉さ
れることができる。

【００５９】図７に示すように、矢印”Ａ”で示す方向
に駆動ハンドル２６が操作されると、爪４４は、先端方
向に移動して、反時計方向に回転し、歯状ラック４２と
係合する。そして、駆動シャフト４０は、スプリング５
４の付勢力に抗して先端側に駆動される。結果的に、制
御ロッド６４が先端側に駆動され、使い捨てローディン
グユニット３０内において駆動ブロック１６８を前方側
に押し込む。したがって、駆動梁１６２の作業端部１６
４は、先端側に移動する。そして、カムローラー１８０
が、アンビル３６のカム表面の基端部に係合し、アンビ
ルは、ステープルカートリッジ３４の組織接触表面に対
して管状ベッセル２００をクランプしながら、閉塞位置
へと移動することになる。加えて、駆動シャフト４０が
先端側へ前進したときには、ラックロック８０のクラス
プ部１０２は、ねじりスプリング１０６による付勢のも
とに、駆動シャフト４０の先端近傍において歯状ラック
４２の先端に形成されたノッチ領域２１４に係合する。
この場合、バレル部２２内における駆動シャフト４０の
長さ方向位置は、維持され、アンビル３６は、閉塞状態
にロックされる。

【００６０】状況によっては、アンビルを開放して捕捉
したベッセルまたは生体組織を開放すること、すなわ
ち、ベッセルの異なる箇所を捕捉し直すことが要求され
ることがある。アンビルを開放するには、図８に示すよ
うに、矢印”Ｂ”で示す方向に向けて、直線状圧縮スプ
リング５２の付勢力に抗して、駆動ハンドル２６が操作
される。結果的に、アーム２１０は、フィンガー２１２
を持ち上げ、図９に示すように、ラックロック８０をね
じりスプリング１０６の付勢力に抗して反時計方向に回
転させる。ラックロック８０のクラスプ部１０２は、こ
れにより、ノッチ領域２１４からの係合が解除され、駆
動シャフト４０および制御ロッド６４の最も基端側位置
への復帰が許容される。この時点において、駆動ブロッ
ク１６８は、スプリング部材１９４、１９６の付勢力に
より基端側に移動する。したがって、カムローラー１８
０は、アンビル３６の外部カム表面１８２から引っ込め
られ、そして、アンビルは、スプリング部材１５８の付
勢のもとに開放位置へと移動する。引き続くアンビルの
閉塞は、図７に関して上述した方法により得ることがで
きる。

【００６１】器具１０により発射を行って、アンビル３
６とステープルカートリッジ３４との間にクランプされ
た組織に複数の外科用ファスナー１３２を付与するに
は、図１０に示すように、矢印”Ｃ”で示す方向に固定
ハンドル２４に向けて、ねじりスプリング３８の付勢力
に抗して、駆動ハンドル２６が操作される。この場合、
爪４４は、歯状ラック４２と係合し、駆動シャフト４０
を付勢力が一定のスプリング５４の付勢力に抗して先端
側に駆動する。直線状のステープル列を有する使い捨て
ローディングユニットにより発射を行うという好ましい
実施形態においては、駆動ハンドル２６の１回の完全な
ストロークにより、駆動シャフト４０のバレル部２２内
における約１５ｍｍの前進が引き起こされる。これとと
もに、制御シャフト６４が駆動梁１６２に対して長さ方
向の駆動力を伝達することにより、使い捨てローディン
グユニット３０内においては、駆動梁１６２が、同じ距
離だけ移動する。結果として、３０ｍｍのステープルカ
ートリッジ３４内における外科用ファスナー１３２の半
分が、駆動ハンドル２６の１回の完全なストロークによ
り、ステープルカートリッジ３４から押し出される。駆
動シャフト４０は、ラックロック８０のクラスプ部１０
２と歯状ラック４２との係合により、この長さ方向に前
進した位置に維持される。引き続く解放、および、駆動
ハンドル２６の緩和位置への移動は、したがって、駆動
シャフト４０の長さ方向位置に影響を与えることはな
い。

【００６２】ステープルの発射操作を完了させるため
に、駆動ハンドル２６は、再度、固定ハンドル２４に向
けて接近させられる。これにより、爪４４は、歯状ラッ
ク４２に係合し、駆動シャフト４０をさらに１５ｍｍだ
け先端方向に前進させる。よって、駆動シャフト２６の
２回の完全なストロークが行われたことになり、駆動シ
ャフトは、バレル部２２内において、３０ｍｍ前進する
ことになる。このとき、駆動梁１６２の作業端部１６４
は、ステープルカートリッジ３４内を通って、ステープ
ルカートリッジ３４からすべての外科用ファスナーを連
続的に発射する。要望によっては、操作者は、複数回の
短いストロークにより制御シャフト６４を徐々に先端方
向に前進させることができる。この場合、最小前進距離
は、ラック４２の歯間の直線間隔により決定される。し
たがって、１５ｍｍの好ましいストローク距離からなる
２回の完全なストロークを（３０ｍｍの使い捨てローデ
ィングユニットにおいて発射を行うために）使用するこ
とができるけれども、完全なストロークは、必要ではな
く、あるいは、要求されない。

【００６３】図１２〜図１４に示すように、駆動ハンド
ル２６の２回の完全なストロークは、駆動シャフト４０
および関連する制御ロッド６４を、駆動ブロック１６８
がチャネル１１０の基端近傍に位置している図１２に示
すような最も基端側位置から、駆動ブロック１６８がス
テープルカートリッジ３４の先端に向けて移動している
図１３に示すような最も先端側位置へと移動させる。移
動の途中においては、駆動ブロック１６８は、駆動梁１
６６を先端側へ移動させ、管状ベッセル２００に対して
のアンビル３６の漸次的な閉塞をもたらす。そして、駆
動スレッド１４０がステープルカートリッジ３４内を挿
通移動することにより、生体組織に対して外科用ファス
ナー１３２が次々と押し出される。図１３に示すよう
に、カムローラー１８０が行程の先端まで到達したとき
には、カムローラー１８０は、アンビルスロット１８４
の先端に形成された横断スロット１８５内に落ち込む。
結果として、アンビル３６は、スプリング部材１５８に
よる付勢のもとに、図１４に示すようにステープル止め
された生体組織を解放して、開放位置へと復帰する。さ
らに、スプリング部材１９４、１９６は、巻き戻され
て、チャネル１１０の基端部においてコイル状態に復帰
する。

【００６４】上記のような発射操作が完了すると、使い
捨てローディングユニット３０は、図１１に示すよう
に、長尺ボディ１４の先端から取り外される。同時に、
支持チューブ８８は、スプリング９２の付勢力のもとに
最も先端側位置へと復帰することが許容される。したが
って、梁８２は、先端側へ移動し、これに伴って、アー
チ状カムフィンガー９６は、ラックロック８０を持ち上
げて、駆動シャフト４０の歯状ラック４２との係合を解
除させる。結果として、駆動シャフト４０は、バレル部
２２内において、付勢力が一定のスプリング５４の付勢
のもとに、最も基端側位置へと復帰する。この場合、新
たな使い捨てローディングユニットを器具の連結して、
さらなる外科手法を施すことができる。

【００６５】各々の長さが約４５ｍｍの平行なステープ
ル列を付与することを外科医が所望する場合には、使い
捨てローディングユニット４５（図１）が、長尺ボディ
１４の先端に取り付けられる。取付後に、駆動シャフト
４０および制御ロッド６４を４５ｍｍだけ先端方向に前
進させるために、３回の完全な駆動ストロークに等しい
ストローク分だけ、駆動ハンドル２６が複数回にわたっ
て操作される。これに代えて、長さが約６０ｍｍのステ
ープル列を付与するために使い捨てローディングユニッ
ト６０が選択された場合には、駆動シャフト４０および
制御ロッド６４を６０ｍｍだけ先端方向に前進させるた
めに、４回の完全な駆動ストロークに等しいストローク
分だけ、駆動ハンドル２６が複数回にわたって操作され
なければならない。

【００６６】図１５および図１６には、使い捨てローデ
ィングユニットの２つの代替可能な実施形態が示されて
いる。図１５に示す使い捨てローディングユニット４１
０は、外科用クリップを付与するために構成されてい
る。使い捨てローディングユニット４１０は、あご構造
４１２、および、ハウジング４１４内に収容された複数
のクリップを有している。共有で出願した米国特許Ｎ
ｏ．５，１００，４２０における開示は、その全体が参
考のためにここに組み込まれる。この文献中において
は、クリップをあご構造４１２に供給する方法、およ
び、クリップを付与する方法が開示されている。図１６
に示す使い捨てローディングユニット４２０は、例え
ば、ヘルニアの治療に有効なような個々の外科用ステー
プルを付与するために構成されている。使い捨てローデ
ィングユニット４２０は、あご構造４２２、および、ハ
ウジング４２４内に収容された複数のステープルを有し
ている。共有で出願した米国特許Ｎｏ．５，２８９，９
６３における開示は、その全体が参考のためにここに組
み込まれる。この文献中においては、ステープルをあご
構造４２２に供給する方法、および、ステープルを付与
する方法が開示されている。使い捨てローディングユニ
ット４１０、４２０は、上述の使い捨てローディングユ
ニットと同様の方法で外科用器具に固定され、そして、
駆動シャフト４０および制御ロッド６４の長さ方向移動
により駆動される。

【００６７】駆動シャフトにより移動されるストローク
距離が所望の外科施述に応じて調整可能であるべきこと
は、望ましいことであり、当業者の要求するところであ
る。例えば、長さが４０ｍｍ、６０ｍｍ、あるいは８０
ｍｍの平行なステープル列を付与するような使い捨てロ
ーディングユニットが要望されることもある。この場合
は、駆動シャフトにより移動される前進方向のストロー
ク距離は、約２０ｍｍ単位で調整することができる。加
えて、当業者は、制御ロッド６４の前進を制御するため
の代替可能な構造、あるいは、代替可能な構造の向きを
要望するかもしれない。歯状ラック４２は、回転させた
向きで配置しても良い。その場合、歯面はハンドルの側
を向いて下向きに設けられることとなり、ロックおよび
爪は、下側からラックに係合するよう移動する。また、
例えば、使い捨てローディングユニットの実際の発射前
に取り外さなければならないハンドルのロックアウトの
ような様々な安全機構を付加することもできる。これら
の特徴点、および、他の特徴点について、以下において
詳細に説明する。

【００６８】図１７には、本発明の好ましい実施形態に
基づいて構成された他の外科用ステープル止め装置が、
全体的に符号５００で示されている。上記実施形態と同
様に、外科用ステープル止め装置５００は、生体組織に
係合し、生体組織に対して複数の外科用ファスナーを付
与し、そして開腹的外科施述時には、結合された生体組
織に切開口を形成するよう構成されている。装置は、長
さが３０ｍｍ、４５ｍｍ、あるいは６０ｍｍである直線
状のステープル列を付与する個々の使い捨てローディン
グユニット（図１）、あるいは、他のタイプの使い捨て
ローディングユニット（図１５および図１６）とともに
操作可能であるよう構成されていることが好ましい。

【００６９】図１７に示すように、外科用ステープラー
５００は、ハンドルアセンブリ５１２、および、長尺の
ボディ５１４を備えている。ステープラー５００は、使
い捨てローディングユニット５３０、あるいは図示しな
い他の使い捨てローディングユニットとともに使用され
る。使い捨てローディングユニット５３０は、キャリア
５３２、ステープルカートリッジ５３４、アンビル５３
６を有している。アンビル５３６に対しては、カートリ
ッジから押し出されたステープルが駆動されることにな
る。

【００７０】図１８に示すように、上記実施形態と同様
に、ハンドルアセンブリ５１２は、バレル部５２２によ
り画成されるハウジング５２０と、固定ハンドル５２４
と、回転駆動ハンドル５２６とを備えている。駆動ハン
ドル５２６は、ハウジング５２０内において回転ピン５
２８により支持されており、また、ねじりスプリング５
３８により固定ハンドル５２４から遠ざかるように付勢
されている。駆動ハンドル５２６は、ハウジング５２０
のバレル部５２２内に支持された駆動シャフト５４０の
直線移動を制御する。さらに詳細には、駆動シャフト５
４０は、駆動シャフト５４０の下面に形成された歯状ラ
ック５４２を有している。また、駆動ハンドル５２６
は、爪５４４を有している。爪５４４は、歯状ラック５
４２に選択的に係合するよう取り付けられており、駆動
ハンドル５２６の駆動ストローク分の操作に対応して駆
動シャフト５４０を先端方向に前進させるためのもので
ある。爪５４４は、回転ピン５４６により駆動ハンドル
５２６に対して取り付けられており、また、コイル状ね
じりスプリング５４８により歯状ラック５４２に向けて
付勢されている。爪５４４の取付部は、ハンドルアセン
ブリ５１２のハウジング５２０内に形成された当接表面
５４５と相互作用するよう湾曲している。さらに詳細に
は、爪５４４の湾曲した取付部が当接表面５４５に当接
したときには、爪は、駆動シャフト５４０の歯状ラック
５４２との係合を解除するよう回転される。

【００７１】駆動シャフト５４０は、常態においては、
バレル部５２２内において、付勢力の一定なスプリング
５５４により基端側に向けて付勢されている。スプリン
グ５５４は、ハウジング５２０内に設けられたボス５５
６に支持されている。駆動シャフト５４０の基端近傍に
おいて、駆動シャフト５４０の上面には、ノッチ領域５
５５が形成されている。このノッチ領域５５５は、付勢
力の一定なスプリング５５４の自由端に設けられた係合
タブ５５７を収容しかつ保持するためのものである。駆
動シャフト５４０の先端には、制御ロッド５６４のフラ
ンジ付基端部５６４ｐと係合するための捕獲部材５５８
が設けられている。制御ロッド５６４は、ハンドルアセ
ンブリ５１２から長尺ボディ５１４を通って延在してお
り、ボディの先端に支持された使い捨てローディングユ
ニット５３０と相互作用を行う。よって、駆動ハンドル
５２６を操作することにより、駆動シャフト５４０およ
び制御ロッド５６４の上記操作に対応した長さ方向の移
動を引き起こす。これにより、以下において詳細に説明
するような方法で、使い捨てローディングユニットが駆
動されることになる。

【００７２】さらに、図１８に示すように、外科用ステ
ープラー５００の長尺ボディ５１４の基端部は、この基
端部上に形成された環状フランジ５６６を有している。
この環状フランジ５６６は、バレル部５２２内において
バレル部５２２の先端近傍に形成された環状凹所５６８
内に収容される。この係合により、ハンドルアセンブリ
５１２に対するボディ５１４の長さ方向軸回りのボディ
５１４の回転運動が補助される。カラー５７０は、ボデ
ィ５１４に対して、少なくとも１つの５７２により、固
定的に取り付けられている。よって、カラー５７０の回
転は、ボディ５１４の軸回りの回転に対応して引き起こ
され、外科用ステープラー５００の操作応用範囲を増大
させる。

【００７３】上記実施形態と同様に、外科用ステープラ
ー５００は、ラックロック（または、係合部材）５８０
を備えている。ラックロック５８０は、駆動シャフト５
４０の歯状ラック５４２と相互作用するものであり、バ
レル部５２２内での駆動シャフト５４０の長さ方向位置
を付勢力が一定のスプリング５５４の付勢力に抗して選
択的に維持させるものである。ラックロック５８０は、
使い捨てローディングユニットがボディ５１４の先端部
内に挿入されたときにのみ、歯状ラック５４２と相互作
用する位置に移動するような方法で取り付けられてい
る。さらに詳細には、ラックロック５８０は、回転ピン
５８３に取り付けられておりかつコイル状ねじりスプリ
ング５８５により歯状ラック５４２に向けて付勢されて
いるものであって、使い捨てローディングユニットがデ
バイス内に導入されるまでは、当接支柱５８２により相
互作用しない位置に維持される。当接支柱５８２は、固
定フランジ５８６に取り付けられる。固定フランジ５８
６は、図２１に示すように、ボディ５１４内において軸
方向移動可能に設けられている支持チューブ５８８の基
端部に形成されている。コイル状付勢スプリング５９２
は、ハンドルアセンブリ５１２のハウジング５２０内に
おいて、当接支柱５８２をボス５９３と結合する。付勢
スプリング５９２は、実効的には、支持チューブ８８を
先端側に付勢する。この結果、使い捨てローディングユ
ニットの挿入時において、支持チューブ５８８および当
接支柱５８２は、基端方向に移動する。

【００７４】さらに詳細には、図２２に示すように、ロ
ーディングユニット５３０の挿入に先立って、当接支柱
５８２から基端側に突出しているアーチ状カムフィンガ
ー５９６が、ラックロック５８０に形成された傾斜カム
表面５９８の基端部と相互作用する位置とされる。同時
に、ラックロック５８０は、コイル状ねじりスプリング
５８５の付勢に抗して、相互作用しない位置に維持され
る。その後、図２３に示すように、ローディングユニッ
ト５３０がボディ５１４の先端内に挿入されて、そし
て、関連する部材（ステム６２８ａ、６２８ｂ、およ
び、スロット６３０ａ、６３０ｂ）間においてバヨネッ
ト結合を形成するよう回転されたときには、支持チュー
ブ５８８および当接支柱５８２は、コイルスプリング５
９２（およびコイルスプリング５９７）の付勢力に抗し
て、基端側へ移動する。結果として、基端カムフィンガ
ー５９６がカム表面５９８に沿って基端方向に移動し、
ラックロック５８０を、ねじりスプリング５８５の付勢
のもとに、ピン５８３回りに相互作用位置へと回転させ
る。この場合、駆動シャフト５４０の歯状ラック５４２
は、駆動シャフト５４０の先端側への移動により係合す
ることができる。

【００７５】図２２、２３に示すように、当接支柱５８
２の反対側には、第２の当接支柱５８４が配設されてい
る。第２の当接支柱５８４は、当接支柱５８２と同じ方
法で支持チューブ５８８の基端部に結合されている。当
接支柱５８４と、当接支柱５８４に係合するとともにボ
ス５９１によりハウジング５２０に結合されているスプ
リング５９７とは、付加的な付勢力をもたらし、使い捨
てローディングユニット５３０とボディ５１４との間の
バヨネット結合を確実に維持する。

【００７６】図１９に示すように、長尺スロット６０２
が、支持チューブ５８８の部分に沿って延在して設けら
れており、また、横方向溝６０４が、制御ロッド５６４
の中央部から径方向外方に延在する支持ピン６０８を収
容し得るように、ボディ５１４の軸方向孔６０６に沿っ
て延在して設けられている。この構成は、ボディ５１４
および制御ロッド５６４に関する支持チューブ５８８の
長さ方向移動を可能とする。しかしながら、３つの同軸
構造体の相対的な角度配向は維持されたままであり、カ
ラー５７０によるこれら３部材の軸方向回転を容易なも
のとしている。

【００７７】さて、図２４には、図３に示す使い捨てロ
ーディングユニットと実質的に同様の方法で構成された
使い捨てローディングユニット５３０が示されている。
使い捨てローディングユニット５３０は、ステープルカ
ートリッジ５３４およびアンビル５３６を支持するため
の長尺の支持チャネル（先端収納部）６１０を有するキ
ャリア５３２と、ボディ５１４の先端に着脱可能に係合
されるよう構成された取付部（基端取付部）６２０とを
備えている。さらに詳細には、取付部６２０の基端部６
２６には、一対の結合用ステム６２８ａ、６２８ｂが設
けられている。一対の結合用ステム６２８ａ、６２８ｂ
は、ボディ５１４の先端部に形成されたＪ字形結合用ス
ロット６３０ａ、６３０ｂ（図２６を参照）と相互作用
するためのものである。結合用ステムおよびＪ字形スロ
ットは、共に従来のバヨネット型結合をもたらすもので
あり、ステープラーに対するローディングユニットの係
合および取外しを容易とする。上記実施形態と同様に、
軸方向孔６２５は、取付部６２０の基端部６２６を挿通
して延在しており、制御ロッド５６４の先端部５６４ｄ
を受け入れる。

【００７８】上記実施形態と同様に、使い捨てローディ
ングユニット５３０は、軸方向駆動アセンブリ６６０を
備えている。軸方向駆動アセンブリ６６０は、各部材間
において、制御ロッド５６４により引き起こされる長さ
方向駆動力を、ステープルカートリッジ５３４を挿通し
て延在しかつ互いに離間した長さ方向スロット６４２内
に配設される駆動スレッド６４０に対して伝達するため
のものである。複数のステープルプッシャー６４３が、
スロット６４２に関連して操作可能に設けられており、
駆動アセンブリ６６０により駆動スレッド１４０がステ
ープルカートリッジ５３４内を挿通駆動されたときに
は、駆動スレッド６４０により、次々と接触される。ス
テープルプッシャーは、ステープルカートリッジ５３４
から次々とステープルが押し出されるように、ステープ
ルカートリッジ５３４内に収容された複数のステープル
と相互作用する。

【００７９】駆動アセンブリ６６０は、図２５に示すよ
うに、先端作業ヘッド６６４を有する２股に分かれた駆
動梁６６２と、駆動ブロック６６８と組立的に係合する
よう構成された一対の係合フィンガー６６６ａ、６６６
ｂを有する基端係合領域６６５とを備えている。駆動ブ
ロック６６８は、基端丸孔６７０を有している。基端丸
孔６７０は、例えば、図２７に示すように、使い捨てロ
ーディングユニット５３０の基端取付領域６２６が長尺
ボディ５１４の先端内に挿入されたときには、制御ロッ
ド５６４の先端５６４ｄを受け入れるためのものであ
る。

【００８０】図２０に示すように、制御ロッド５６４の
先端部５６４ｄには、フランジ６６７が形成されてい
る。フランジ６６７には、図２６および図２９に示すよ
うに、制御ロッドが駆動ブロック６６８の基端側入口６
７０内に収容されるときに、２つの反対側に位置する係
合フィンガー６６６ａ、６６６ｂを収容し得るような寸
法とされた一対の径方向反対側に位置するノッチ６６９
ａ、６６９ｂが形成されている。その後、図２８および
図３０に示すように、ローディングユニット５３０が結
合用ステム６２８ａ、６２８ｂをＪ字形結合用スロット
６３０ａ、６３０ｂ内に係合させるよう軸回りに約２０
゜回転したときには、係合フィンガー６６６ａ、６６６
ｂは、係合ノッチ６６９ａ、６６９ｂからは位置がずれ
るように移動し、フランジ６６７は、使い捨てローディ
ングユニット５３０に固定される。この固定は、使い捨
てローディングユニット５３０が外科用ステープラー５
００から取り外されるまで続く。図２７と図２８とを比
較すればわかるように、駆動ブロック６６８の内部キャ
ビティ６７１は、ローディングユニット５３０のボディ
５１４の先端内への挿入時に、制御ロッド５６４の先端
５６４ｄの入口６７０内への侵入を許容し得るような寸
法とされている。

【００８１】再度、図２４を参照すると、駆動アセンブ
リ６６０の作業ヘッド６６４は、部分的には、ナイフ刃
６７４を支持している直立支持支柱（支持フランジ）６
７２により形成されており、駆動スレッド６４０に係合
するための当接表面６７５を有している。直立支柱６７
２からは、カムローラー６８０を保持するために、保持
フランジ６７８が先端側に突出している。カムローラー
６８０は、アンビル５３６の外部カム表面６８２に沿っ
て移動し得るよう構成されており、ステープル止め操作
時においては、アンビルスプリング６７６の付勢に抗し
てのアンビルの閉塞をもたらすものである。長さ方向ス
ロット６８４は、保持フランジ６７８の移動を可能とす
るために、アンビル５３６にわたって延在している。同
様のスロット６９２が、バランスフランジ６８６を支持
している保持脚６８８の移動を許容するために、チャネ
ル６１０のベース６１２に形成されている。フランジ６
８６は、カムローラー６８０によりもたらされるアンビ
ル５３６に対するクランプ力をバランスさせるよう機能
する。上記実施形態と同様に、ステープル止め操作時に
アンビル５３６の外部表面６８２上を移動する部材によ
る接触から生体組織を保護するために、アンビルカバー
（図示せず）を設けることができる。

【００８２】図２４および図２５に示すように、使い捨
てローディングユニット５３０には、識別される２つの
段階において動作するよう構成されたロックアウトアセ
ンブリ７００が設けられている。要約すれば、動作の第
１段階においては、ロックアウトアセンブリは、軸方向
駆動アセンブリ６６０に対する制御ロッド５６４の長さ
方向移動を制限するよう機能する（図４６を参照された
い）。動作の第２段階においては、ステープル止め操作
後に装置から使い捨てローディングユニットが取り外さ
れた後において、ロックアウトアセンブリは、駆動ブロ
ック６６８の基端側入口６７０内への制御ロッド５６４
の侵入を妨害することにより、使い捨てローディングユ
ニットの連続使用を阻止するよう機能する（図５１を参
照されたい）。

【００８３】図２５に示すように、好ましいロックアウ
トアセンブリ７００は、阻止プレート７１０を備えてい
る。阻止プレート７１０は、阻止プレート７１０から基
端側に延在する一対の平行な支持アーム７１２ａ、７１
２ｂを有している。阻止プレート７１０には、制御ロッ
ド５６４の長さ方向移動を許容し得るような寸法とされ
かつ許容し得るよう構成された中央孔７１６が形成され
ている。孔７１６には、駆動梁６６２の基端部６６５の
係合フィンガー６６６ａ、６６６ｂを収容するために、
径方向反対側にスロット７１７ａ、７１７ｂが形成され
ている。保持スプリング７１８が、一対の互いに離間し
たタブ７２０ａ、７２０ｂが対応する一対のポート７２
２ａ、７２２ｂに係合することにより、阻止プレート７
１０に接続されている。保持スプリング７１８は、取付
フランジ７２４を有しており、この取付フランジ７２４
により、使い捨てローディングユニット５３０の取付部
６２０の内部表面における取付領域７２５に対して固定
される（図２６を参照されたい）。保持スプリング７１
８の基端部には、一対の互いに離間したカム傾斜部７２
６ａ、７２６ｂが設けられている。カム傾斜部７２６
ａ、７２６ｂは、使い捨てローディングユニット５３０
が装置から取り外されたときに制御ロッド５６４の先端
フランジ６６７と相互作用し得るよう、基端側に向けて
傾斜している（全体的には、図４７を参照されたい）。

【００８４】ロックアウトアセンブリ７００は、さら
に、支持プレート７３０を備えている。支持プレート７
３０は、保持スプリング７１８の付勢に抗して阻止プレ
ートを非阻止位置に維持するために阻止プレート７１０
の支持アーム７１２ａ、７１２ｂと相互作用する一対の
突出アーム７３２ａ、７３２ｂを有している（図２
６））。支持プレート７３０には、駆動梁６６２の下部
を案内するための中央スロット領域７３３が形成されて
いる。スロット領域７３３内には、駆動梁６６２の下部
に形成された先端側および基端側の係合凹所７３５ａ、
７３５ｂと相互作用するための拘束凸部７３４が形成さ
れている。

【００８５】使用時において、例えば図４４に示すよう
に、駆動梁６６２が先端側に駆動されたときには、拘束
凸部７３４と基端側凹所７３５ｂとの係合により、駆動
梁６６２に連れて移動する。結果として、阻止プレート
７１０は、解放され、保持スプリング７１８の付勢のも
とに、制御ロッド５６４の長さ方向軸を横切る方向に移
動する。例えば図４５に示すように、制御ロッド５６４
が孔７１６を挿通して延在している場合には、阻止プレ
ート７１０は、非阻止位置のままである。しかしなが
ら、ステープル止め操作後に、制御ロッド５６４がアン
ビル５３６を開放するために完全に引き抜かれたときに
は、阻止プレート７１０は、阻止位置に移動し、図４６
に示すように、制御シャフト５６４の先端部５６４ｄと
係合する。この位置においては、阻止プレート７１０
は、制御ロッド５６４の長さ方向移動範囲を有効的に制
限する。範囲は、制御ロッド５６４の先端における縮径
部により決められる。

【００８６】駆動ブロック６６８からフランジ６６７が
完全に引き抜かれたときには、阻止プレート７１０は、
保持スプリング７１８の付勢のもとに、図４９に示すよ
うに、駆動ブロック６６８の基端側入口６７０を閉鎖す
るための完全阻止位置へと自由に移動することができ
る。ロックアウトアセンブリ７００の機能、および、ロ
ックアウトアセンブリ７００の制御ロッド５６４および
軸方向駆動アセンブリ６６０との相互作用について、以
下において、さらに詳細に説明する。

【００８７】次に、図３１〜図３８を順に参照して説明
する。外科用ステープラー５００の操作を開始するため
に、まず、一群の異なるユニットの中から所望のサイズ
および種類の使い捨てローディングユニットが選択さ
れ、そして、ボディ５１４の先端内に装着される。ロー
ディングユニット、すなわち、ローディングユニット５
３０が、基端取付部６２６をボディ５１４の先端内に挿
入して、バヨネット結合を確実に形成するようユニット
を回転させることにより、ステープラー５００に対して
取り付けられる（図２２、２３を参照されたい）。回転
角度は、約５゜〜約４０゜が好ましく、約２０゜が最も
好ましい。挿入とともに、支持チューブ５８８が、図２
２に示す位置から、図２３に示す位置へと基端側に移動
される。結果として、ラックロック５８０は、図３１に
示す相互作用位置へと移動する。この場合、駆動シャフ
ト５４０の歯状ラック５４２は、駆動シャフト５４０の
先端側への移動に伴って係合されることになる。図３１
に示すように、駆動シャフト５４０が付勢力の一定なス
プリング５５４により付勢されて最も基端側の位置にあ
るときには、アンビル５３６は、管状ベッセル７５０の
ような生体組織を受け入れるための開放位置にある。こ
の場合、爪５４４は、歯状ラック５４２の最も先端側に
位置する歯に係合しており、また、駆動ハンドル５２６
は、歯状ラックを前進させるために、スプリング５３８
の付勢力に抗して操作することができる。

【００８８】図３２に示すように、駆動ハンドル５２６
を駆動ストロークの初期分だけ（すなわち、クランプ用
ストローク分だけ）初期操作すると、駆動シャフト５４
０は、爪５４４と歯状ラック５４２との相互作用により
先端方向に駆動される。この場合、ラックロック５８０
の係合フック７５２は、駆動シャフト５４０の先端固定
部５５８近傍に形成されたキーパーノッチ７５４に係合
する。同時に、アンビル５３６は、アンビル表面６８２
の基端カム部に沿ったカムローラー６８０の前進によ
り、閉塞位置へと移動する。そして、係合フック７５２
の基端部は、駆動シャフト５４０の下部表面に形成され
た支持部７５５に当接する。結果として、駆動シャフト
５４０のこれ以上の先端側への移動は禁止され、また、
アンビル５３６はクランプした位置に維持される。

【００８９】仮に、この時点で、装置の使用者がアンビ
ル５３６を開放することにより管状ベッセル７５０を解
放することを所望した場合であっても、それは、ハンド
ルアセンブリ５１２に設けられた引込機構（後述）によ
り達成することができる。引込機構は、図３３に示すよ
うな使用者の基端側への駆動シャフトの引き移動を許容
するために、駆動シャフト５４０からラックロック５８
０および爪５４４の係合を解除するよう機能する。

【００９０】図１８に戻って説明すると、引込機構は、
一対の引込ノブ７６０ａ、７６０ｂを備えていることが
好ましい。一対の引込ノブ７６０ａ、７６０ｂは、結合
ロッド７６２を介して駆動シャフト５４０の基端部に接
続されている。結合ロッド７６２は、引込ノブ７６０
ａ、７６０ｂを受けるための左右の係合部７６４ａ、７
６４ｂと、駆動シャフト５４０の基端部近傍に形成され
た一対の長さ方向スロット７６６ａ、７６６ｂ内におい
て移動可能な寸法とされかつ移動可能に形成された中央
部７６４ｃとを有している。解放プレート７６８が、駆
動シャフト５４０に関連して操作可能に設けられてい
る。解放プレート７６８は、引込ノブ７６０ａ、７６０
ｂの操作に対応して、駆動シャフト５４０に関して移動
可能に取り付けられている。さらに詳細には、一対の離
間したピン（カムピン）７６７ａ、７６７ｂが、解放プ
レート７６８に形成された対応する一対の傾斜カムスロ
ット７６９ａ、７６９ｂに係合するよう、駆動シャフト
５４０の側面から外方に突出して設けられている。カム
スロットは、駆動シャフト５４０に対しての、厳密には
歯状ラック５４２に対しての解放プレートの移動経路を
画成する。解放プレート７６８の基端部には、結合ロッ
ド７６２の中央部７６４ｃを収容するために、縦方向ス
ロット７７０が形成されている。そして、引込ノブ７６
０ａ、７６０ｂが駆動シャフト５４０に対して相対移動
されたときの結合ロッド７６０の長さ方向移動を許容す
るために、ハンドルアセンブリ５１２のバレル部５２２
内には、長尺スロット７７２、７７４が形成されてい
る。結合ロッド７６２は、スプリング７６５ａにより先
端側に付勢されている。スプリング７６５ａは、一端が
結合ロッドの一部７６５ｃに固定されており、他端が駆
動シャフト５４０のポスト７６５ｂに固定されている。

【００９１】再度、図３３を参照すると、クランプされ
た生体組織７５０を解放するためにアンビル５３６を開
放したい場合には、装置５００の使用者は、引込ノブ７
６０ａ、７６０ｂを基端側に引けば良い。この場合、解
放プレート７６８は、傾斜カムスロット７６９ａ、７６
９ｂの経路に沿って全体的に基端側に移動する（図３
９、４０を参照されたい）。これにより、解放プレート
は、ラックロック５８０の係合フック７５２をキーパー
ノッチ７５４から外し、爪５４４を歯状ラック５４２か
ら係合解除させる。したがって、使用者は、駆動シャフ
ト５４０を基端方向に引くことができる。駆動シャフト
５４０が基端方向に引かれると、カムローラー６８０
は、駆動梁６６２と共に、基端方向に引かれることにな
る。結果として、アンビル５３６は、アンビルスプリン
グ６７６の付勢のもとに、開放位置へと移動する。そし
て、駆動ハンドル５２６は、ねじりスプリング５３８の
付勢のもとに、中立位置へと復帰する。一旦、駆動シャ
フト５４０が最も基端側の位置に戻ってしまうと、ステ
ープル止め装置は、リセット状態となる。

【００９２】さて、再度、生体組織７５０をクランプす
るためには、駆動ハンドル５２６は、駆動ストロークの
クランプ分だけ操作される。すると、ラックロック５８
０の係合フック７５２が再度キーパーノッチ７５４と係
合しかつ支持部７５５に当接する状態にまで、駆動シャ
フト５４０が先端側に駆動される。この時点において、
装置５００の使用者が、ステープル止め操作の開始を確
信したならば、駆動シャフト５４０のさらなる先端側へ
の移動を可能とするために、ラックロック５８０をキー
パーノッチ７５４から手動で外さなければならない。こ
れは、ハンドルアセンブリ５１２に操作可能に設けられ
た手動解除機構により達成される。手動解除機構は、図
３５に示すように、ラックロック５８０の基端側解除端
７５７と相互作用を行う。ラックロック（または、係合
部材）５８０の好ましい構成の詳細は、図４３に示され
ている。

【００９３】再度、図１８に戻って説明すると、手動解
除機構は、好ましくは、回転解除部材７８０を備えてい
る。回転解除部材７８０は、ボス７８４に取り付けられ
ているとともに、コイル状ねじりスプリング７８６によ
りラックロック５８０の基端側解除端７５７から遠ざか
るように付勢されている。解除部材７８０から側方に向
けて反対側に突出する一対の小翼、すなわち小翼７８８
が設けられている。一対の小翼７８８は、それぞれ、解
除ノブ７９０ａ、７９０ｂを支持するためのものであ
る。解除部材７８０は、下向きノーズ（解除フィンガ
ー）７９２を備えており、この下向きノーズ７９２は、
使用者により解除ノブ７９０ａ、７９０ｂが図３５にお
ける矢印”Ａ”方向に操作されたときにラックロック５
８０の基端側解除端７５７に当接し得る寸法とされてい
る。

【００９４】再度、図３５を参照すると、解除ノブ７９
０ａ、７９０ｂが操作され、これに伴ってラックロック
５８０が解放されたときには、駆動シャフト５４０は、
駆動ハンドル５２６の操作に応じて先端方向に移動自在
とされる。この場合、駆動シャフト５４０の直線位置
は、爪５４４と歯状ラック５４２との係合により維持さ
れる。

【００９５】図３６に示すように、ステープル止め用の
ストローク分だけの固定ハンドル５２４に向けての駆動
ハンドル５２６の操作は、爪５４４による歯状ラック５
４２の前進を引き起こす。これによって、駆動シャフト
５４０および制御ロッド５６４は、先端方向に前進す
る。結果として、使い捨てローディングユニット５３０
内に支持された軸方向駆動アセンブリ６６０は、先端側
に駆動される。これにより、軸方向駆動アセンブリ６６
０は、駆動スレッド６４０をプッシャー６４３に交差さ
せ、カートリッジ５３４から次々とステープルを押し打
させる。同時に、ナイフ刃６７４は、駆動スレッド６４
０の後方を進み、ステープル止めされた生体組織に切開
口を形成する。図３６に示すように、１回の完全なステ
ープル止めストロークは、カートリッジ５３４内のステ
ープルの一部の発射しかもたらさない。上述のように、
駆動ロッド５６４を前進方向に前進させるために、すな
わち、爪５４４がラック５４２を１回につき１歯ずつ前
進させるように、複数回の部分的なストロークを、ま
た、使用することもできる。

【００９６】図３７に示すように、カートリッジ５３４
内のすべてのステープルは発射され、管状ベッセル７５
０に対して付与される。ステープル止め装置５００に対
して図示のものよりも長いローディングユニットが使用
されている場合には、さらに駆動シャフト５４０を前進
させるために、付加的なステープル止め用のストローク
が要求されることになる。全体として、駆動シャフト５
４０の歯状ラック５４２は、少なくとも４回の各々が１
５ｍｍであるような完全なステープル止め用ストローク
を許容し得る寸法とされていることが好ましい。よっ
て、駆動ハンドル５２６の完全なステープル止め用スト
ロークの各々が駆動シャフトを１５ｍｍ前進させる場合
には、ステープル止め装置５００は、完全なストローク
の全回を使用して１５ｍｍ、３０ｍｍ、４５ｍｍ、６０
ｍｍのステープル列を付与するよう構成された使い捨て
ローディングユニットを使用して発射することができ
る。

【００９７】図３８に示すように、ステープル止め操作
の完了時において、アンビル５３６を開放位置へと移動
して外科用装置５００からステープル止めされた生体組
織７５０を解放するためには、使用者は、ハンドルアセ
ンブリ５２０のバレル部５２２に設けられた引込ノブ７
６０ａ、７６０ｂを使用する。さらに詳細には、図３９
〜図４２に示すように、ノブ７６０ａ、７６０ｂが基端
側に引かれると、結合ロッド７６２（図１８）が、駆動
シャフト５４０の基端部に形成された長さ方向スロット
７６６ａ、７６６ｂ内において基端側に移動する。結果
として、解放プレート７６８は、カムスロット７６９
ａ、７６９ｂにより画成される傾斜通路に沿って移動す
る。これにより、ラックロック５８０の係合フック７５
２および爪５４４（図示せず）の歯状ラック５４２との
係合が解除される。この場合、図３８に示すように、駆
動シャフト５４０は、使用者および付勢力の一定なスプ
リング５５４による付勢のもとに、基端方向への移動が
自由とされる。これに伴って、使い捨てローディングユ
ニット５３０内の軸方向駆動アセンブリ６６０は、制御
ロッド５６４のヘッドにより基端側に引かれ、アンビル
５３６は、カムローラー６８０が引かれることにより開
放位置へと移動する。

【００９８】図４５に示すように、図４４に示す最も先
端側の位置から基端側に向けて制御ロッド５６４が引か
れると、阻止プレート７１０は、制御ロッド５６４に沿
って移動し、保持スプリング７１８の付勢力に抗して上
位置に維持される。しかしながら、図４６に示すよう
に、制御ロッド５６４の縮径先端部５６４ｄが最も基端
側位置に近づくと、阻止プレート７１０は、孔７１６の
周縁部が制御ロッド５６４の先端部５６４ｄに係合する
よう、制御ロッドに向けて駆動される（図５０も合わせ
て参照されたい）。制御ロッド５６４がさらに基端側に
移動すると、駆動ブロック６６８は、図４７に示すよう
な最も基端側の位置へと引かれる。この場合、フランジ
６６７は、保持スプリング７１８のカム傾斜部７６２
ａ、７６２ｂと相互作用し、少なくとも部分的に阻止プ
レート７１０を持ち上げる。これとともに、制御ロッド
５６４の先端移動は、阻止プレート７１０とロッド５６
４の径が拡径されている基端部５６４ｄ側の拡径棚部と
の間の相互作用により制限される。しかしながら、制御
ロッド５６４は、なお、制御ロッド５６４の縮径部５６
４ｄに沿って、制限された範囲における長さ方向移動の
余裕を有している。その結果、アンビル５３６は、開放
位置・閉塞位置間で移動することができる。したがっ
て、アンビル５３６は、トロカー（trocar）および套管
デバイスを介した外科用装置５００の取り外しを容易と
するために容易に閉塞することができる。

【００９９】図４７に示すように、軸方向駆動アセンブ
リ６６０、および、軸方向駆動アセンブリ６６０ととも
に設けられた駆動ブロックが最も基端側位置にあるとき
には、支持プレート７３０上の拘束凸部７３４は、先端
凹所７３５ａと係合する。これとともに、支持プレート
７３０は、使い捨てローディングユニット５３０が外科
用装置５００から取り外された後に、使い捨てローディ
ングユニット５３０内における阻止プレート７１０の浮
き上がりを防止するために、最終停止位置に確実に保持
される。

【０１００】使い捨てローディングユニット５３０をボ
ディ５１４の先端から取り外すには、図４８に示すよう
に、ローディングユニットを、基端側に移動させ、バヨ
ネット結合を外すように回転させる。同時に、係合フィ
ンガー６６６ａ、６６６ｂは、フランジ６６７内のノッ
チ６６９ａ、６６９ｂと再び位置合わせされる。この場
合、フランジは、阻止プレート７１０をさらに上方に付
勢して、使い捨てローディングユニット５３０のボディ
５１４の先端からの取り外しを可能とする。フランジ６
６７がカム傾斜部７６２ａ、７６２ｂおよび阻止プレー
ト７１０を超えて移動するとすぐに、阻止プレートは、
保持スプリング７１８による付勢のもとに、完全阻止位
置への移動が自由とされる。図５１に示すような位置に
おいては、駆動ブロック６６８の基端側入口６７０内へ
の制御ロッド５６４の先端の侵入が、禁止されているこ
とが好ましい。したがって、発射済みのあるいは部分的
に発射済みの使い捨てローディングユニットは、外科用
装置５００からの取り外し後においては、引き続いて使
用することはできない。

【０１０１】本発明が好ましい実施形態について説明さ
れてきたけれども、本発明は、特許請求の範囲において
限定した本発明の精神または範囲を逸脱することなく、
変更または修正が可能であることは、当業者にとっては
明らかである。

【０１０２】なお、本出願は、１９９５年８月２８日出
願の継続中の特許出願Ｎｏ．０８／５２０，２０２の一
部継続出願である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の好ましい実施形態に基づいて構成さ
れた外科用ステープル止め装置の斜視図である。

【図２】 図１に示す外科用ステープル止め装置のハン
ドルアセンブリの分解斜視図である。

【図３】 本発明の好ましい実施形態に基づいて構成さ
れた使い捨てローディングユニットの分解斜視図であ
る。

【図４】 図１に示す外科用ステープル止め装置におけ
るのハンドルアセンブリおよびボディの一部断面を含む
斜視図である。

【図５】 図４と同様の一部断面を含む斜視図である。

【図６】 本発明の外科用ステープル止め装置の駆動前
の側面図である。

【図７】 本発明の外科用ステープル止め装置におい
て、駆動ハンドルが部分的に圧縮されたときの側面図で
ある。

【図８】 本発明の外科用ステープル止め装置におい
て、駆動ハンドルが解放されたときの側面図である。

【図９】 本発明の外科用ステープル止め装置におい
て、アンビルが開放位置を維持する位置にまで駆動ハン
ドルを移動したときの側面図である。

【図１０】 本発明の外科用ステープル止め装置におい
て、駆動ハンドルを１回の完全な駆動ストローク分だけ
操作したときの側面図である。

【図１１】 本発明の外科用ステープル止め装置におい
て、使い捨てローディングユニットをステープラーのボ
ディの先端から取り外すときの側面図である。

【図１２】 本発明における使い捨てローディングユニ
ットの側面図である。

【図１３】 本発明における使い捨てローディングユニ
ットの側面図である。

【図１４】 図１３と同様の使い捨てローディングユニ
ットの側面図である。

【図１５】 使い捨てローディングユニットの代替可能
な実施形態を示す斜視図である。

【図１６】 使い捨てローディングユニットの代替可能
な実施形態を示す斜視図である。

【図１７】 本発明の好ましい実施形態に基づいて構成
された他の外科用ステープル止め装置の斜視図である。

【図１８】 図１７に示す外科用ステープル止め装置の
ハンドルアセンブリの分解斜視図である。

【図１９】 図１７に示す外科用ステープル止め装置の
ボディの分解斜視図である。

【図２０】 図１９に示す制御ロッドの先端部を示す斜
視図である。

【図２１】 図１７に示す外科用ステープル止め装置の
ボディ内に収容された内部支持チューブの基端部を示す
断面図であって、図１９における２１−２１線矢視断面
に対応している。

【図２２】 図１７に示す外科用ステープル止め装置の
一部断面を含む側面図である。

【図２３】 図１７に示す外科用ステープル止め装置の
一部断面を含む側面図である。

【図２４】 本発明の好ましい実施形態に基づいて構成
された使い捨てローディングユニットの分解斜視図であ
る。

【図２５】 図２４に示すロックアウトアセンブリを、
制御ロッドの先端とともに拡大して示す分解斜視図であ
る。

【図２６】 図２４に示す使い捨てローディングユニッ
トの基端部を示す一部断面を含む側面図である。

【図２７】 図２４に示す使い捨てローディングユニッ
トの基端部を示す一部断面を含む側面図である。

【図２８】 図２４に示す使い捨てローディングユニッ
トの基端部を示す一部断面を含む側面図である。

【図２９】 図２６における２９−２９線矢視断面図で
ある。

【図３０】 図２８における３０−３０線矢視断面図で
ある。

【図３１】 ステープル止め操作前における、図１７に
示す外科用ステープル止め装置を示す一部断面を含む側
面図である。

【図３２】 図１７に示す外科用ステープル止め装置を
示す一部断面を含む側面図である。

【図３３】 図１７に示す外科用ステープル止め装置を
示す一部断面を含む側面図である。

【図３４】 図３２に対応する図であり、外科用ステー
プル止め装置を示す図である。

【図３５】 図１７に示す外科用ステープル止め装置を
示す一部断面を含む側面図である。

【図３６】 図１７に示す外科用ステープル止め装置を
示す一部断面を含む側面図である。

【図３７】 図１７に示す外科用ステープル止め装置を
示す一部断面を含む側面図である。

【図３８】 図１７に示す外科用ステープル止め装置を
示す一部断面を含む側面図である。

【図３９】 歯状ラックと、この歯状ラックに関連する
解放プレートとを拡大して示す側面図である。

【図４０】 歯状ラックと、この歯状ラックに関連する
解放プレートとを拡大して示す側面図である。

【図４１】 図３９における４１−４１線矢視断面図で
ある。

【図４２】 図４０における４２−４２線矢視断面図で
ある。

【図４３】 ラックロック（あるいは係合部材）を拡大
して示す斜視図である。

【図４４】 使い捨てローディングユニットを示す一部
断面を含む側面図である。

【図４５】 図２４の使い捨てローディングユニットを
示す一部断面を含む側面図である。

【図４６】 図２４の使い捨てローディングユニットを
示す一部断面を含む側面図である。

【図４７】 図２４の使い捨てローディングユニットを
示す一部断面を含む側面図である。

【図４８】 図２４の使い捨てローディングユニットを
示す一部断面を含む側面図である。

【図４９】 図２４の使い捨てローディングユニットを
示す一部断面を含む側面図である。

【図５０】 図４６における５０−５０線矢視断面図で
ある。

【図５１】 使い捨てローディングユニットがボディの
先端から取り外された後の、使い捨てローディングユニ
ットを示す一部断面を含む拡大された斜視図である。

【符号の説明】

１０ 外科用ステープラー １２ ハンドルアセンブリ １４ ボディ ２２ バレル部 ２６ 駆動ハンドル ３０ 使い捨てローディングユニット ３２ キャリア ３４ ステープルカートリッジ ３６ アンビル ４０ 駆動シャフト（歯状駆動ラック） ４４ 爪部材 ４５ 使い捨てローディングユニット ６０ 使い捨てローディングユニット ６４ 制御ロッド １１０ チャネル（先端収納部） １２０ 取付部（基端取付部） １３２ 外科用ファスナー（ステープル） １３４ ステープルプッシャー １４０ 駆動スレッド １６２ 駆動梁 １７２ 直立支持支柱（支持フランジ） １７４ ナイフ刃 １８０ カムローラー １８２ 外部カム表面 ４１０ 使い捨てローディングユニット ４２０ 使い捨てローディングユニット ５００ 外科用ステープラー ５１２ ハンドルアセンブリ ５１４ ボディ ５２２ バレル部 ５２６ 駆動ハンドル ５３０ 使い捨てローディングユニット ５３２ キャリア ５３４ ステープルカートリッジ ５３６ アンビル ５４０ 駆動シャフト（歯状駆動ラック） ５４４ 爪部材 ５５４ 付勢力の一定なスプリング ５６４ 制御ロッド ６１０ チャネル（先端収納部） ６２０ 取付部（基端取付部） ６３４ ステープルプッシャー ６４０ 駆動スレッド ６６２ 駆動梁 ６７２ 直立支持支柱（支持フランジ） ６７４ ナイフ刃 ６８０ カムローラー ６８２ 外部カム表面 ７００ ロックアウトアセンブリ ７１０ 阻止プレート ７３０ 支持プレート ７５４ キーパーノッチ ７５２ 係合フック ７６０ａ 引込ノブ ７６０ｂ 引込ノブ ７６７ａ ピン（カムピン） ７６７ｂ ピン（カムピン） ７６８ 解放プレート ７６９ａ 傾斜カムスロット ７６９ｂ 傾斜カムスロット ７８０ 回転解除部材 ７９０ａ 解除ノブ ７９０ｂ 解除ノブ ７９２ 下向きノーズ（解除フィンガー）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク・ジェイ・ヴィオラ アメリカ合衆国・コネチカット・06482・ サンディ・フック・グレイトクオーター・ ロード・320 (72)発明者 トーマス・ダブリュ・アレジ・ジュニア アメリカ合衆国・コネチカット・06812・ ニュー・フェアフィールド・スィートケイ ク・マウンテン・ロード・10 (72)発明者 ロバート・ジェイ・ゲイスト アメリカ合衆国・コネチカット・06460・ ミルフォード・オーヴァールック・ドライ ヴ・44 (72)発明者 ジョナサン・イー・ウィルソン アメリカ合衆国・コネチカット・06430・ フェアフィールド・オーチャード・ヒル・ ドライヴ・55

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ａ）長尺のバレル部と、初期クランプ用
   ストローク分とこれに引き続く少なくとも１回のステー
   プル止め用ストローク分とを有する完全な駆動ストロー
   クによる操作が可能に取り付けられた駆動ハンドルとを
   備えるハンドルアセンブリと； ｂ）前記ハンドルアセンブリの前記バレル部から先端側
   に延在するとともに、長さ方向軸を画成する長尺のボデ
   ィと； ｃ）前記ハンドルアセンブリの前記バレル部内に支持さ
   れるとともに、前記駆動ハンドルの操作に応じた直線的
   な前進方向への移動が可能に取り付けられた歯状駆動ラ
   ックと； ｄ）前記歯状駆動ラックの先端から前記長尺ボディを通
   って前記長尺ボディの先端部近傍位置にまで延在する長
   尺の制御ロッドと； ｅ）前記長尺ボディの先端部に操作可能に係合されると
   ともに、複数のステープルを含有するステープルカート
   リッジ、該カートリッジの近傍に取り付けられかつ開放
   位置と閉塞位置との間を移動可能とされたアンビル、お
   よび、前記制御ロッドの先端部に着脱可能に係合すると
   ともに前記クランプ用ストローク時には前記開放位置か
   ら前記閉塞位置への前記アンビルの初期移動をもたらし
   かつその後に引き続く何回かの前記ステープル止めスト
   ローク時には前記カートリッジからの前記ステープルの
   連続的な発射をもたらす駆動手段を備える使い捨てロー
   ディングユニットと；を具備することを特徴とする外科
   用ステープラー。
2. 【請求項２】 前記駆動ハンドルは、該駆動ハンドルの
   操作に応じて駆動シャフトを前進させるために前記歯状
   駆動ラックに対して選択的に係合可能に構成され、か
   つ、スプリングにより付勢された爪部材を備えることを
   特徴とする請求項１記載の外科用ステープラー。
3. 【請求項３】 さらに、前記ハンドルアセンブリ内に配
   設されるとともに、前記駆動ストロークの前記クランプ
   用ストローク分がなされたときに前記歯状駆動ラックの
   直線的な移動の程度を制限するために、前記歯状駆動ラ
   ックの先端近傍に形成されたキーパーノッチに初期的に
   係合するよう前記歯状駆動ラックに向けて付勢された係
   合フックを具備することを特徴とする請求項２記載の外
   科用ステープラー。
4. 【請求項４】 さらに、前記係合フックの前記キーパー
   ノッチに対する係合を手動により解除するための解除手
   段を具備することを特徴とする請求項３記載の外科用ス
   テープラー。
5. 【請求項５】 前記解除手段は、前記ハンドルアセンブ
   リに操作可能に設けられた少なくとも１つの解除ノブ
   と、前記解除ノブに対して操作可能に接続されるととも
   に前記係合フックから突出するフランジと相互作用する
   よう突出する解除フィンガーを有する回転解除部材とを
   備えることを特徴とする請求項４記載の外科用ステープ
   ラー。
6. 【請求項６】 前記歯状駆動ラックは、特定のラック長
   さを有しており、 前記ステープルカートリッジは、前記歯状駆動ラックの
   前記ラック長さよりも短い長さであるかまたは同じ長さ
   である特定の直線寸法を有する一連のステープルを収容
   していることを特徴とする請求項４記載の外科用ステー
   プラー。
7. 【請求項７】 さらに、前記駆動ストロークの任意の時
   点における前記駆動手段の引込および前記閉塞位置から
   前記開放位置への前記アンビルの移動を可能とするため
   に、前記歯状駆動ラックの基端側への手動引込をもたら
   す引込手段を具備することを特徴とする請求項６記載の
   外科用ステープラー。
8. 【請求項８】 前記引込手段は、前記ハンドルアセンブ
   リの前記バレル部に操作可能に設けられた少なくとも１
   つの引込ノブと、前記歯状駆動ラック近傍に取り付けら
   れるとともに、前記係合フックおよび前記爪を前記歯状
   駆動ラックとの係合から解除するために、前記引込ノブ
   の初期基端側移動に応じて前記歯状駆動ラックに関して
   移動可能とされた解放プレートとを備えていることを特
   徴とする請求項７記載の外科用ステープラー。
9. 【請求項９】 前記解放プレートは、一対の離間した傾
   斜カムスロットと、前記解放プレートと前記駆動シャフ
   トとの間の相対移動をもたらすために前記傾斜カムスロ
   ットと相互作用するよう前記歯状駆動ラックから側方に
   突出している一対のカムピンとを備えていることを特徴
   とする請求項８記載の外科用ステープラー。
10. 【請求項１０】 さらに、前記バレル部の基端近傍に配
    置されるとともに、前記歯状駆動ラックおよび駆動シャ
    フトを基端側に向けて付勢するために前記歯状駆動ラッ
    クに対して操作可能に接続されている付勢力の一定なス
    プリングを具備することを特徴とする請求項９記載の外
    科用ステープラー。
11. 【請求項１１】 前記駆動手段は、前記長尺制御ロッド
    の先端部を受けるために基端部において結合する長尺の
    駆動梁と、ステープル止めされた人体組織に切開口を形
    成し得るよう構成されたナイフ刃を自身の先端部におい
    て支持する支持フランジとを備えていることを特徴とす
    る請求項２記載の外科用ステープラー。
12. 【請求項１２】 前記駆動手段は、さらに、前記支持フ
    ランジ近傍に取り付けられ、かつ、前記開放位置から前
    記閉塞位置への前記アンビルの移動をもたらすために前
    記アンビルの外部カム表面に対して移動可能に構成され
    たカムローラーを備えていることを特徴とする請求項１
    １記載の外科用ステープラー。
13. 【請求項１３】 前記ステープルカートリッジ内には、
    駆動スレッドが支持されており、該駆動スレッドは、前
    記支持フランジにより前方側に駆動されることにより、
    前記ステープルの近傍において前記ステープルカートリ
    ッジ内に収容されている複数のステープルプッシャーと
    次々に相互作用するよう設けられていることを特徴とす
    る請求項１１記載の外科用ステープラー。
14. 【請求項１４】 前記駆動スレッドは、前記駆動梁の移
    動に応じて、先端側に向けてのみ移動可能に設けられて
    いることを特徴とする請求項１３記載の外科用ステープ
    ラー。
15. 【請求項１５】 前記使い捨てローディングユニット
    は、前記ステープルカートリッジおよび前記アンビルを
    支持し得るよう構成された先端収納部を有するキャリア
    と、前記ボディの前記先端部を受容可能な寸法とされた
    基端取付部とを備えていることを特徴とする請求項１１
    記載の外科用ステープラー。
16. 【請求項１６】 さらに、ロックアウトアセンブリを具
    備し、 該ロックアウトアセンブリは、前記キャリア内において
    前記キャリアの基端部に設けられるとともに、前記歯状
    駆動ラックが最も基端側の位置に引き抜かれた後におい
    て前記駆動梁の前記基端部における前記結合内における
    前記制御ロッドの長さ方向の移動範囲を制限するため
    に、前記制御ロッドの前記先端部と相互作用し得るよう
    構成されていることを特徴とする請求項１５記載の外科
    用ステープラー。
17. 【請求項１７】 前記ロックアウトアセンブリは、前記
    長尺ボディの長さ方向軸を横切る方向に移動可能とされ
    ることによって初期非阻止位置と引き続く阻止位置との
    間を移行可能に設けられ、かつ、スプリングにより付勢
    された阻止プレートを備えていることを特徴とする請求
    項１６記載の外科用ステープラー。
18. 【請求項１８】 前記キャリアには、第１位置からの直
    線移動が可能に支持プレートが設けられ、 前記阻止プレートは、前記阻止プレートの先端から離間
    した第２位置に向けてのスプリングの付勢力に抗して非
    阻止位置に維持されていることを特徴とする請求項１７
    記載の外科用ステープラー。
19. 【請求項１９】 前記駆動梁は、前記支持プレートを前
    記第１位置から前記第２位置へと移動させるために、前
    記支持プレートに対する係合手段を備えていることを特
    徴とする請求項１８記載の外科用ステープラー。