JPH09129889A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH09129889A
JPH09129889A JP7282955A JP28295595A JPH09129889A JP H09129889 A JPH09129889 A JP H09129889A JP 7282955 A JP7282955 A JP 7282955A JP 28295595 A JP28295595 A JP 28295595A JP H09129889 A JPH09129889 A JP H09129889A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】TFTのプラズマ水素化において、TFTの性
能を高めると共に半導体装置の信頼性を向上させる。 【解決手段】TFTを水素を含むガスによるプラズマ雰
囲気に曝し、300〜400℃の間の温度に保持してプ
ラズマ水素化を行った後、200〜300℃の温度まで
急冷し、さらに200〜300℃の温度で保持し、TF
Tのチャネル領域内及び外方へ水素を拡散させた後に室
温まで冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の製造方
法に関し、特に非単結晶半導体薄膜を基体とする薄膜ト
ランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アモルファスや多結晶のような構造を有
する非単結晶半導体薄膜を基体とする薄膜トラジスタ
(TFT)は、近年、スタティック・ランダムアクセス
・メモリ(SRAM)の負荷素子あるいは液晶ティスプ
レイ(LCD)の能動素子として精力的な研究および開
発が行われている。そして、このようなTFTを用いた
半導体装置が製品として市場に登場し始めている。
【0003】この非単結晶TFTは半導体基板表面に形
成された素子の上に層間絶縁膜を介して積層すること
や、石英、ガラスといった絶縁基板の上に形成すること
が容易であるという利点があるが、非単結晶であるため
に、基体となる半導体薄膜中に結晶の不対結合や結晶欠
陥によるトラップ準位、またゲート絶縁膜との界面等に
界面トラップ準位等が多量に存在し、高いリーク電流、
大きなサブスレッショルド係数、低い易動度といった、
単結晶に比べると悪いトランジスタ特性しか得られない
という問題を有している。
【0004】このような問題を解決するための従来の技
術として、非単結晶半導体薄膜を水素を含むプラズマ中
で処理し、上記のトラップ準位を水素で終端することに
より、非活性化するという、プラズマ水素化処理という
技術が例えば特公平6−44573号公報に開示されて
いる。以下に図面を用いてこの公報に記載されている技
術を説明する。
【0005】図8は、この従来の技術の要点を説明する
ための上記処理方法を示すグラフである。ここで、この
グラフは、横軸にプラズマ水素化の時間、縦軸にプラズ
マ水素化の温度をとったダイヤグラムである。そして、
これは、非単結晶半導体を基体とするTFTを形成した
後に行なう、水素放電によるプラズマ水素化処理につい
て模式化して示している。
【0006】まず、非単結晶半導体膜をチャネルとする
TFTを形成した後、水素放電を起し、水素を含むガス
によるプラズマ雰囲気中にこのTFTを曝し、300〜
500℃の温度に5〜60分保持し、室温まで急冷す
る。このようにすることで、非単結晶半導体膜中のトラ
ップ準位は水素原子により終端され非活性化して、TF
Tの特性が向上するようなる。また、トラップ準位を終
端した水素が脱離することを防止しようとしていた。
【0007】ここで、この水素放電は、主に、周波数が
1〜20MHzの高周波誘導炉内で、導入ガスが水素と
ヘリウムの混合ガスでその圧力が10-1〜10mmHg
の下に行われている。そして、プラズマ水素化時の基板
の加熱温度は、300〜500℃範囲がよく、水素放電
したままで急冷するべきことが記載されている。
【0008】さらに、別の種々の検討も加えられ、高周
波の周波数が〜1000MHzでもあるいはマイクロ波
でも使用できることも記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術においては、プラズマ水素化処理の後に室温まで急
冷することに問題がある。なぜならば、プラズマ水素化
処理中には、非単結晶半導体膜中に水素原子を十分に導
入するため、非常に高濃度の水素が非単結晶半導体膜以
外の領域、例えばゲート絶縁膜やTFTを覆う層間絶縁
膜中、あるいはTFTの下地に存在する絶縁膜中等に存
在している。これが室温まで急冷されることにより、高
濃度の水素が非単結晶半導体膜以外の領域に取り残され
ると、その後の熱処理、あるいは電気的ストレスにより
移動し、TFTの特性が変動してしまうからである。
【0010】また、SRAMの負荷素子としてこのTF
Tが用いられる場合のように、下地に他の半導体素子が
積層されている場合、前述の高濃度の水素が移動するこ
とで、上記他の半導体素子の特性も変動してしまう危険
性が大である。
【0011】特に、TFTの下地に層間絶縁膜としてB
PSG膜(ボロンガラスとリンガラスを含むシリコン酸
化膜)が通常使用されるが、この場合には、上記のBP
SG膜の下層に形成されているMOSトランジスタの特
性が不安定になり、長期の信頼性が低下するようにな
る。
【0012】本発明の目的は、このような従来の技術の
問題点を解決し、プラズマ水素化処理後に特性が変動す
ることが小さく、またより低いリーク電流、高い移動度
を持つTFTを実現する半導体装置の製造方法を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、絶縁体膜上に非単結晶半導体膜を基体とする
薄膜トランジスタを形成する工程と、前記TFTの上部
を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記TFTを30
0〜400℃範囲の温度に保持し水素を含むガスによる
プラズマ雰囲気に曝す工程と、室温まで急冷する工程
と、続けて、前記プラズマ雰囲気に曝したTFTに20
0〜300℃範囲の温度における熱処理を施す工程とを
有する。
【0014】ここで、前記200〜300℃の温度にお
ける熱処理は、大気圧下の窒素ガス雰囲気で行なわれ
る。
【0015】あるいは本発明の半導体装置の製造方法
は、絶縁体膜上に非単結晶半導体膜を基体とするTFT
を形成する工程と、前記TFTの上部を覆う層間絶縁膜
を形成する工程と、前記TFTを300〜400℃範囲
の温度に保持し水素を含むガスによるプラズマ雰囲気に
曝す工程と、前記300〜400℃の温度から200〜
300℃の温度まで急冷する工程と、続けて、前記TF
Tを200〜300℃の温度に保持した後、室温まで冷
却する工程とを有する。
【0016】ここで、前記200〜300℃の温度に保
持する工程は、大気圧下の窒素ガス雰囲気で行なわれ
る。
【0017】また本発明の半導体装置の製造方法は、絶
縁体膜上に非単結晶半導体膜を基体とするTFTを形成
する工程と、前記TFTの上部を覆う層間絶縁膜を形成
する工程と、前記TFTを300〜400℃範囲の温度
に保持し水素を含むガスによるプラズマ雰囲気に曝す工
程と、前記300〜400℃範囲の温度から200〜3
00℃の温度まで急冷する工程と、さらに前記200〜
300℃範囲の温度から室温まで徐冷する工程とを有す
る。
【0018】ここで、前記200〜300℃範囲の温度
から室温まで徐冷する工程は、大気圧下の窒素ガス雰囲
気で行なわれる。
【0019】本発明の半導体装置の製造方法は、以下の
ような原理に基づいている。プラズマ水素化の過程は、
水素イオンあるいは水素原子の拡散過程と、非単結晶半
導体膜中のトラップ準位との結合・脱離過程とに分けて
考えることができる。まず前者の水素イオンあるいは水
素原子の拡散は、処理温度が高ければ高いほど速くな
る。特にプラズマ等により活性化された水素は、約30
0℃以上の温度にすることにより非単結晶半導体膜中を
ほぼ自由に動き回ることができる。一方、後者のトラッ
プ準位との結合・脱離過程に関しては、後述するよう
に、300℃以下で結合、400℃以上で脱離が支配的
になる。従って、水素を含むガスによるプラズマ雰囲気
にTFTを曝す温度を300〜400℃の間の温度に設
定することにより、トラップ準位から水素が脱離せずか
つ水素原子の拡散が速い条件を実現できる。またプラズ
マ水素化後の200〜300℃の熱処理、あるいは徐冷
工程を設けることにより、プラズマ水素化で非単結晶半
導体膜以外の領域に高濃度に導入された水素を、拡散に
より外方または非単結晶半導体膜中へ拡散させ、非単結
晶半導体膜以外の領域の水素濃度を低下させると共に、
非単結晶半導体膜中の水素濃度をより高めることができ
る。また、熱処理による水素のトラップ準位からの脱離
は、大気圧下よりも減圧条件下で顕著であることを本発
明者は確認しており、200〜300℃の熱処理、ある
いは徐冷工程を概ね大気圧下とすることは、より水素の
脱離を抑え、プラズマ水素化の効果を高める作用を持
つ。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態
における水素化処理の対象となるTFTの構造のであ
る。以下、PチャネルTFTに対して説明するが、不純
物の導電型を逆にすることでNチャネルTFTに対して
も同様となる。また本発明の主眼点はTFT自体の製法
にあるのではないので、ここでは多結晶シリコンを基体
とするTFTの製法の場合について説明する。シリコン
基板1の上に膜厚100〜1000nmの絶縁体膜2を
形成し、その上に減圧の化学気相成長(LPCVD)法
等によりアモルファス・シリコン膜を10〜100nm
の厚さに形成する。そして、600℃程度の熱処理を加
えてこのアモルファス・シリコン膜を多結晶化し、リン
等のN型不純物をイオン注入法等により1016〜1018
cm-3の濃度に導入する。ここで、シリコン基板1の代
りに、他の素子を形成する半導体基板であってもよく、
石英等の絶縁体基板であってもよい。また、TFTのし
きい値の設定によってはN型不純物を導入しなくてもよ
い。
【0021】そして、その上にLPCVD法、熱酸化法
等によりゲート絶縁膜3を5〜50nmの厚さに形成
し、さらにLPCVD法等により多結晶シリコン膜を1
00〜300nm形成、リンまたはボロン等の不純物を
拡散法、イオン注入法等により導入し、フォトリソグラ
フィ技術とドライエッチング技術とによりパターニング
してゲート電極4を形成する。
【0022】次にゲート電極4をマスクとして、ボロン
等のP型不純物をイオン注入法により1019〜1021
-3の濃度に導入し、自己整合的にソース領域5、ドレ
イン領域6を形成する。このときゲート電極4の下部に
はチャネル領域7が残置される。ここで、ソース領域
5、ドレイン領域6を形成する際、ゲート電極4の側面
にサイドウォール絶縁膜を設けて、公知のLDD(Li
ghtly DopedDrain)構造を形成しても
よい。
【0023】そして、その上に、少なくとも底面に不純
物のドープされていない膜を持つ層間絶縁膜8を膜厚2
00〜500nm形成し、平坦化およびソース・ドレイ
ン領域の不純物の活性化のための熱処理を800〜11
00℃程度で行う。その後ソース領域5、ドレイン領域
6上の層間絶縁膜8に開口を設け、ソース電極9、ドレ
イン電極10をスパッタリング法あるいはCVD法によ
る金属膜の堆積と、フォトリソグラフィ技術とドライエ
ッチング技術による加工とで形成して、図1に示すTF
Tの構造が完成する。
【0024】次に、本発明の第1の実施の形態である図
2に示すようなダイヤグラムに従って水素化処理を行
う。すなわち、水素を含むガスによるプラズマ雰囲気中
にTFTを曝し、300〜400℃の間の温度に5〜1
20分程度保持した後、室温まで急冷する。このプラズ
マ水素化で、図1に示すように水素イオン11がTFT
上部を暴露する。そして、この水素イオン11はTFT
のチャネル領域7等に侵入するようになる。
【0025】このときプラズマ水素化を行うガスとして
は、例えばヘリウム希釈した水素ガス、あるいはアンモ
ニアガス等が可能である。そして、プラズマ水素化を行
う装置としては、例えば平行平板型プラズマCVD装置
等が可能である。次に窒素雰囲気で200〜300℃の
温度に5〜120分保持し、アニールした後、室温まで
冷却する。
【0026】また図3は本発明の実施の形態における、
プラズマ水素化の対象となるTFTの構造のもう一つの
例である。シリコン基板1の上に膜厚100〜1000
nmの絶縁体膜2を形成し、LPCVD法等により多結
晶シリコン膜を50〜200nm形成、リンまたはボロ
ン等の不純物を拡散法、イオン注入法等により導入し、
フォトリソグラフィ技術とドライエッチング技術とでパ
ターニングしてゲート電極4を形成する。ここで、シリ
コン基板1は他の半導体素子を形成する半導体基板であ
ってもよく、石英等の絶縁体基板であってもよい。
【0027】そして、その上にLPCVD法、熱酸化法
等によりゲート絶縁膜3を厚さ20nm程度形成し、さ
らにLPCVD法等によりアモルファス・シリコン膜を
10〜100nmの厚さに形成、600℃程度の熱処理
を加えて多結晶化する。
【0028】そして、リン等のN型不純物をイオン注入
法等により1016〜1018cm-3の濃度に導入する。
【0029】次に、公知のフォトレジストをマスクとし
て、ボロン等のP型不純物をイオン注入法により1019
〜1021cm-3の濃度に導入し、ソース領域5、ドレイ
ン領域6を形成する。このときゲート電極4の上部には
チャネル領域7が残置される。ここで、ソース領域5、
ドレイン領域6を形成する際、フォトレジストをマスク
として、ドレインまたはソース領域の一部分に低濃度不
純物領域を形成してもよい。
【0030】そして、これらのTFTの構成部分を被覆
して、その上に、少なくとも底面に不純物のドープされ
ていない膜を持つ層間絶縁膜8を膜厚300nm程度に
形成する。さらに、平坦化ならびにソース・ドレイン領
域の不純物活性化のための熱処理を800〜1100℃
程度で行う。その後ソース領域5、ドレイン領域6に開
口部を設ける。そして、ソース電極9、ドレイン電極1
0を形成する。
【0031】次に、先述したと同様に、第1の実施の形
態である図2に示すダイヤグラムに従って水素化処理を
行う。すなわち、水素を含むガスによるプラズマ雰囲気
中にTFTを曝し、300〜400℃の間の温度に10
分程度保持した後、室温まで急冷する。このプラズマ水
素化処理で、図3に示すように水素イオン11がTFT
上部を暴露する。次に窒素雰囲気で200〜300℃の
温度に60分程度保持し、アニールした後、室温まで冷
却する。
【0032】以上に述べた水素化処理は、ソース電極
9、ドレイン電極10を形成する前に行っても良い。但
し、この場合には、これらの電極形成後400℃を超え
る熱処理が入るような工程は避けなければならない。こ
れは、このような温度を超えるようになると、トラップ
準位に捕獲された水素原子が脱離するようになるからで
ある。また、このように高い温度になると、電極を構成
するアルミニウムとシリコン基板との反応が進行し、シ
リコン基板表面に形成される拡散層の劣化あるいはシリ
コン析出による開口部での高抵抗化が生じるようになる
ためである。
【0033】次に、このような水素化処理について詳細
に説明する。初めに、図2の処理方法での効果について
図4および図5に基づいて説明する。
【0034】ここで、プラズマ水素化に用いる処理装置
のチャンバー内の電極は平行平板型であり、RFの高周
波電源の周波数は13.56MHzである。また、水素
放電時にシリコン基板の載置される電極基板の温度は1
00〜500℃に変えられる。この電極基板が前述の平
行平板の陽極側(アース側)に接続される。すなわち、
アノードカップリングの構成がとられている。さらに、
水素ガスの圧力は50Paに固定されている。
【0035】先述したように、図2に示すダイヤグラム
に従って水素化処理がなされる。まず前述したTFTを
形成した後、水素を含むガスによるプラズマ雰囲気中に
TFTを曝し、300〜400℃の間の温度に5〜12
0分程度保持した後、室温まで急冷する。このときプラ
ズマ水素化を行うガスとしては、ヘリウム希釈した30
vol%の水素ガスが用いられている。次に、窒素雰囲
気で100〜400℃の温度に5〜120分保持し、ア
ニールした後、室温まで冷却する。
【0036】図4は、このような水素化処理後の、多結
晶シリコンを基体とするPチャネルTFTの、オフ電流
すなわちTFTの非導通状態のドレイン電流のアニール
温度依存性を示している。また、図5は、オン電流すな
わちTFTの導通状態のドレイン電流ののアニール温度
依存性を示している。この場合のTFTの測定条件は以
下の通りである。すなわち、オフ電流の測定では、ソー
ス電圧およびゲート電圧が0Vにドレイン電圧が−3.
3Vに設定される。オン電流の測定では、ソース電圧が
0Vにゲート電圧およびドレイン電圧が−3.3Vに設
定される。
【0037】ここで、プラズマ水素化の温度は350℃
である。これらを見てわかるように、アニールをしない
場合に比べ、200〜300℃のアニールにより、オフ
電流は減少し、オン電流が増加している。特に300℃
のアニールではオフ電流、オン電流両方の顕著な改善が
見られる。これはすなわち200〜300℃のアニール
においては、水素のトラップ準位からの脱離は支配的で
はなく、多結晶シリコン外方からの水素の拡散と、結合
が支配的であることを示している。一方400℃のアニ
ールにおいては、オフ電流の増加とオン電流の減少が見
られ、水素のトラップ準位からの脱離が支配的になって
くることを示している。本発明者は、さらに短いアニー
ル時間と長いアニール時間について調べ、400℃のア
ニールにおいては時間と共に特性が変化していくのに対
し、200〜300℃のアニールにおいては時間に対し
ほとんど変化せず、同様の効果が得られることを確認し
ている。
【0038】また、アニール時の圧力が低圧力になるほ
ど多結晶シリコンからの水素の脱離が顕著になることを
確認しており、この200〜300℃のアニールは大気
圧下で行われることが望ましい。
【0039】なお、プラズマ水素化の効果の検討では、
基板温度依存性は300℃以上であることが明確になっ
ている。これは、水素イオンの非単結晶半導体膜中の移
動がこのような温度以上で非常に大きくなるためと考え
られる。また、アルミニウムあるいはアルミニウム合金
でTFTのソース・ドレイン電極を形成した後のアロイ
温度は400℃以下にする必要があるために、この点か
らもプラズマ水素化の温度は400℃以下が好ましくな
る。
【0040】図6は、本発明の第2の実施の形態を示す
水素化処理のダイヤグラムである。この実施の形態にお
いては、300〜400℃の間の温度でプラズマ水素化
を行った後、200〜300℃の温度まで急冷し、その
ままの温度で保持、窒素雰囲気中でアニールしてから室
温まで急冷するものである。これはプラズマ水素化が終
了した時点で、プラズマ水素化を行う反応室から別のア
ニール用反応室へ短時間の間に移動させること等により
可能であり、一つの装置内で行うことが出来るという特
徴を持つ。またプラズマ水素化はプラズマを励起させる
ため低圧下で行うが、200〜300℃のアニールは、
圧力制御により前述したように大気圧下で行うことが望
ましい。
【0041】この場合には、TFTの水素化処理のため
の工程時間が、第1の実施の形態に比べ20〜30%短
縮されるようになる。
【0042】図7は、本発明の第3の実施の形態を示す
水素化処理のダイヤグラムである。本実施の形態におい
ては、300〜400℃の間の温度でプラズマ水素化を
行った後、200〜300℃の温度まで急冷し、室温ま
で徐冷するというものである。このとき、冷却速度は1
0℃/分程度に設定され、多結晶シリコン外の過剰水素
が十分に多結晶シリコン中あるいは外方へ拡散出来るよ
うな速度で冷却することが望ましい。
【0043】以上に説明した実施の形態で、アニール雰
囲気として窒素ガスの場合で説明したが、このアニール
雰囲気ガスは、その他、ヘリウムガス、アルゴンガス等
の賦活性ガスでもよいことに言及しておく。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体装
置の製造方法は、TFTを水素を含むガスによるプラズ
マ雰囲気に曝し、300〜400℃の間の温度に保持し
てプラズマ水素化を行った後、200〜300℃のアニ
ール等で水素を拡散させる工程を設ける。
【0045】このため、プラズマ水素化で非単結晶半導
体膜以外の領域に高濃度に導入された水素を、アニール
工程での拡散により外方または非単結晶半導体膜中へ拡
散させ、非単結晶半導体膜以外の領域の水素濃度を低下
させると共に、非単結晶半導体膜中の水素濃度をより高
めることができる。
【0046】また、200〜300℃で水素を拡散させ
る工程は大気圧下としたので、非単結晶半導体膜からの
水素の脱離を抑え、プラズマ水素化の効果を高めること
ができる。例えば、従来の技術では非単結晶半導体膜中
に1017〜1018cm-3の濃度で残置していた水素が、
本発明によれば1018〜1019cm-3程度に増加するよ
うになる。そして、TFTのオフ電流が1/2程度に減
少し、オン電流が1.5倍程度に増加する。
【0047】また、非単結晶半導体膜以外の領域すなわ
ちシリコン酸化膜あるいはBPSG膜中の水素濃度が低
減するようになり、MOSトランジスタ等の特性が安定
し、信頼性の高い半導体装置の製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるTFTの第1例を
示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す水素化ダイヤ
グラムである。
【図3】上記第1の実施の形態におけるTFTの第2例
を示す断面図。
【図4】上記第1の実施の形態の効果を示すグラブであ
る。
【図5】上記第1の実施の形態の効果を示すグラフであ
る。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示す水素化ダイヤ
グラムである。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示す水素化ダイヤ
グラムである。
【図8】従来の技術を説明するための水素化ダイヤグラ
ムである。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 絶縁体膜 3 ゲート絶縁膜 4 ゲート電極 5 ソース領域 6 ドレイン領域 7 チャネル領域 8 層間絶縁膜 9 ソース電極 10 ドレイン電極 11 水素イオン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体膜上に、非単結晶半導体膜を基体
    とする薄膜トランジスタ(TFT)を形成する工程と、
    前記TFTの上部を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記TFTを300〜400℃範囲の温度に保持し水素
    を含むガスによるプラズマ雰囲気に曝す工程と、室温ま
    で急冷する工程と、続けて、前記プラズマ雰囲気に曝し
    た後のTFTに200〜300℃範囲の温度における熱
    処理を施す工程と、を有することを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記200〜300℃の温度における熱
    処理は、大気圧下の窒素ガス雰囲気で行なわれることを
    特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 絶縁体膜上に、非単結晶半導体膜を基体
    とするTFTを形成する工程と、前記TFTの上部を覆
    う層間絶縁膜を形成する工程と、前記TFTを300〜
    400℃範囲の温度に保持し水素を含むガスによるプラ
    ズマ雰囲気に曝す工程と、前記300〜400℃の温度
    から200〜300℃の温度まで急冷する工程と、続け
    て、前記TFTを200〜300℃の温度に保持した
    後、室温まで冷却する工程と、を有することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記200〜300℃の温度に保持する
    工程は、大気圧下の窒素ガス雰囲気で行なわれることを
    特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁体膜上に、非単結晶半導体膜を基体
    とするTFTを形成する工程と、前記TFTの上部を覆
    う層間絶縁膜を形成する工程と、前記TFTを300〜
    400℃範囲の温度に保持し水素を含むガスによるプラ
    ズマ雰囲気に曝す工程と、前記300〜400℃範囲の
    温度から200〜300℃の温度まで急冷する工程と、
    さらに前記200〜300℃範囲の温度から室温まで徐
    冷する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記200〜300℃範囲の温度から室
    温まで徐冷する工程は、大気圧下の窒素ガス雰囲気で行
    なわれることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の
    製造方法。
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