JPH0852597A - トランスファプレス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アプライトの幅の短縮化を図ることにより、
金型工程間距離、プレスラインの短縮化、及びアイドル
ステーションの省略化を可能としたトランスファプレス
を提供する。 【構成】 クラウン、スライド、及びベッドをそれぞれ
１組としてモジュール化したユニットを複数個並列に設
けたトランスファプレスにおいて、隣接するモジュール
化したユニット間に共通するアプライトと、前記隣接す
るそれぞれのクラウン、またはベッドを位置決めする位
置決め手段と、前記クラウン、ベッド、及び共通するア
プライトを通して挿通された１本のタイロッドとよりな
り、このタイロッドによりクラウンとベッドとをアプラ
イトを介して締め付けるようにしたトランスファプレ
ス。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、クラウン、スライド、
及びベッドをそれぞれ１組としてモジュール化したユニ
ットを複数個並列に設けたトランスファプレスに関し、
アプライトの幅の短縮化を図ることにより、プレスライ
ン全長の短縮化、及びアイドルステーションの省略化を
可能としたトランスファプレスに関する。

【０００２】

【従来の技術】トランスファフィーダを備えたトランス
ファプレスは、プレス本体内に複数の加工ステーション
を有し、前記トランスファフィーダにより各加工ステー
ションにワークを順次搬送して加工を行うように構成さ
れている。一般的には第１工程に絞り加工用のプレスを
配設し、第２工程以下にトリム、ピアス及びその他の付
加的な加工を行う複数のトランスファプレスを配設して
いる。

【０００３】前記トランスファプレスでは、クラウン、
スライド、ベッドをモジュール化することにより、プレ
スの仕様に合わせて、そのモジュール化した各ユニット
を組み合わせるようにして、ニーズの多様化、仕様の変
更容易化による汎用性の向上と、低価格化を図り、かつ
輸送性を向上するようにしたトランスファプレスとし
て、図１０に示すような特開平２−２４７０３１があ
る。このプレス設備では、クラウン及びベッドを工程ご
とに分割するとともに、前記クラウンをそれぞれアプラ
イトで支持する構造とし、前記アプライトは隣接するク
ラウン及びベッドの連結面両側にそれぞれ１本ずつ近接
して立設されるか、または図１０に示すように、隣接す
るクラウン５５，５５及びベッド５１，５１の連結面に
１本の共通のアプライト５３が立設されている。前記ク
ラウン５５、アプライト５３及びベッド５１の締結に
は、これらを貫通する２本のタイロッド挿入用穴にそれ
ぞれタイロッド５６を挿通し、上下両端面をナット５７
で締着している。また、クラウン５５、ベッド５１とア
プライト５３との連結面には、互いの位置ずれを防止す
るために図示しない取り付け片（位置決め手段）が装着
されている。また、このプレス設備は、ワークのフィー
ドストロークを最小にするため金型工程間距離Ａの中間
点、すなわち、前面の各アプライト５３の背面にそれぞ
れアイドルステーション５８を設け、次工程に移送すべ
きワーク６０を前記アイドルステーション５８上に一時
保管するようにしている。

【０００４】その他、プレスラインを短縮するためのト
ランスファプレスに関する技術としては、図９に示すよ
うな特開平５−１７７３９９がある。この技術において
は、分割した複数のベッド５１，５２を並設し、これら
のベッド５１，５２上に複数のアプライト５３を立設す
る。そして、前記アプライト５３上に分割した支持ビー
ム５４を架設し、その上に工程ごとに分割したクラウン
５５を井桁状に載置している。前記ベッド５１，５２、
アプライト５５、支持ビーム５４及びクラウン５５は、
これらの全部またはいくつかの部品を貫通するタイロッ
ド（図示せず）により互いに締結される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】特開平２−２４７０３
１によるプレス設備は、隣接する工程間に設ける共通の
アプライト５３に２本のタイロッド５６を挿通している
ために、アプライト５３のプレスライン方向の幅が広く
なる。そのため、製品のフィードストロークも長くなる
ので、次のような問題点がある。 （１）重量増加を招くだけでなく、製品のフィードスト
ロークが長くなるので、そのフィードストロークを所定
値以下に抑えるために、前記各アイドルステーション５
８にはワーク６０を保持するためのアイドルネスト（ア
タッチメント）５９を設ける必要があり、そのためプレ
スライン全長が増大する。また、隣接する各クラウンと
ベッドとを２本のタイロッド５６で締め付けているた
め、アプライト５３、及びタイロッド５６の重量が増大
すると共に、タイロッド５６の長い挿通穴も２つ加工す
る必要があり、製造コストをアップする。 （２）また、各工程の中間に設けたアイドルネスト５９
にはワーク６０を保管するに足る長さを確保しなければ
ならないので、フィードストロークもこれに伴って更に
長くなる。従って、金型工程間距離Ａが長くなり、最終
的にはプレスラインの全長が長くなる。 （３）製品の種類の変更に伴って前記アイドルネスト５
９の段取り替えをしなければならないが、前記アイドル
ネスト５９は前部アプライト５３の内側に設置されてい
るため、アイドルネスト５９の整備は内段取りとなり、
作業性が悪く、安全性の面で問題が起こりやすい。 （４）前記アイドルネスト５９の数が多いため、ワーク
６０の位置ずれなどによる機械の自動停止が発生しやす
い。 （５）一般に、第２工程以降ではトリム、ピアス加工を
行うため、再利用し得る板材や予め、計画した小物部品
が発生する、しかし、アプライトの幅が広くなるためア
イドルステーションから、前記再利用し得る板材や予
め、計画した小物部品などをプレスライン外へ取り出し
難い問題がある。

【０００６】また、特開平５−１７７３９９によるトラ
ンスファプレスの場合には次のような問題点がある。第
２区間のクラウン支持ビーム５４やベッド５２などの大
物フレーム寸法、重量が大きくなり、輸送限界に入れる
ための分割方法が複雑になるなどの問題がある。

【０００７】本発明は前記従来の問題点に着目してなさ
れたもので、金型工程間距離とフィードストロークを同
一とすることにより、従来、前部アプライトの内側に設
置されていたアイドルステーションを廃止して、プレス
ライン全長を短縮して重量を軽減すると共に、アイドル
ネストの内段取りによる作業性、安全性の問題を解決す
ること、トリム、ピアス加工などによって発生する再利
用可能な板材や小物部品の回収を容易化することを主な
目的とするものである。また、トランスファプレスにお
ける各加工工程のモジュール化したプレス装置を需要の
見込める順に予め、多量生産しておき、客先の注文する
プレス装置の仕様に合わせて、前記モジュール化した各
プレスを組み合わせることができるので、ニーズの多様
化、仕様の変更容易化による汎用性の向上と、低価格化
を図ることできる。また、クラウン、スライド、ベッド
をモジュール化した各プレス毎に分割できるので、特
に、大型トランスファプレスの輸送性を向上することが
できる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るモジュール化したトランスファプレス
は、クラウン、スライド、及びベッドをそれぞれ１組と
してモジュール化したユニットを複数個並列に設けたト
ランスファプレスにおいて、隣接するモジュール化した
ユニット間に共通するアプライトと、前記隣接するそれ
ぞれのクラウン、またはベッドを位置決めする位置決め
手段と、前記クラウン、ベッド、及び共通する各アプラ
イトに対して挿通された１本のタイロッドとよりなり、
このタイロッドによりクラウンとベッドとをアプライト
を介して締め付けるように構成した。

【０００９】前記モジュール化したユニットを有するト
ランスファプレスにおいて、それぞれ次の加工工程へ加
工品を搬送する搬送手段を設け、そのフィードストロー
クを、隣接する前記モジュール化した各ユニットの金型
工程間距離に等しくできる。第１工程を絞り工程のプレ
スとし、第２工程以下を前記モジュール化したユニット
を有するトランスファプレスにおいて、前記第１工程と
第２工程との間に、フィードハイト変更手段、又は加工
物の姿勢変更手段等のアイドルステーションを設けても
よく、前記モジュール化したユニットを有するトランス
ファプレスにおいて、ベッド下端からクラウン上端まで
の高さＨ、及びベッドとクラウンそれぞれの製品搬送方
向の長さＬはそれぞれ一定に構成してもよく、前記モジ
ュール化したユニットを有するトランスファプレスにお
いて、そのプレスラインと直角の方向に移動する台車
を、アイドルステーションに出入自在に設置し、前記プ
レスラインから取り出された台車上でアイドルネストの
段取り替えを可能とするように構成してもよい。

【００１０】

【作用】上記構成によれば、本発明に係るトランスファ
プレスの内、隣接する各プレスのクラウンとベッドとに
共通のアプライトを設け、前記隣接する各プレスのクラ
ウンとベッドそれぞれを位置決め手段により位置決めし
た後、前記アプライトを介して隣接する各プレスのクラ
ウンとベッドとを１本のタイロッドにより締結すること
により、金型工程間距離、及びプレスラインの全長を短
縮可能な、連続したトランスファプレスラインを組み立
てることができる。

【００１１】前記モジュール化したユニットの金型工程
間距離を短縮できるので、その金型工程間距離を搬送手
段のフィードストロークに等しくすれば、アイドルネス
トは必要でなくなる。第１工程の絞り工程と、第２工程
のモジュール化したユニットを有するトランスファプレ
ス工程との間にアイドルステーションを設ければ、フィ
ードハイト変更手段、又は加工物の姿勢変更手段等を設
置することができる。前記モジュール化した各ユニット
のベッド下端からクラウン上端までの距離、及びベッド
とクラウンそれぞれの加工品搬送方向の各距離を一定と
すれば、加工工程の異なる各プレスを交換したり、所定
のプレスの追加あるいは除去が可能となり、また、必要
に応じて各プレス間にアイドルステーションを挿入した
りすることが可能となる。前記トランスファプレスライ
ンのアイドルステーションから、台車上に載置されたア
イドルネストをトランスファプレスラインと直角の方向
に引き出して、アイドルネストの外段取り替えをするこ
とができる。

【００１２】

【実施例】以下に、本発明に係るトランスファプレスの
実施例について、図面を参照して説明する。図１はトラ
ンスファプレスラインの全体構成を示す平面図、図２は
同じく正面図、図３は同じく側面図である。

【００１３】次に、図１〜図３に示す、第１工程を絞り
加工、第１工程の次にアイドルステーション、その次
に、第２工程〜第４工程までモジュールプレス化したト
ランスファプレスラインの全体構成について簡単に説明
する。トランスファプレス１に設置された駆動電動機２
３は、駆動機構２４を介して左右二つの駆動軸２５，２
５を回転させる。この駆動軸２５，２５は、製品の搬送
方向においてモジュール化された各プレスとほぼ同じ長
さを有し、それら各駆動軸２５，２５は、各ユニット間
でスプラインにより互いに連結されている。前記駆動軸
２５，２５には、クランク２６，２６が嵌着されてお
り、このクランク２６，２６とスライド５とに枢着され
たコネクティングロッド２７，２７を介してスライド５
を上下動させるように構成されている。このスライド５
には前後左右の脚部５ａが固設され、この脚部５ａは図
示しない摺動材を介して、アプライト３にガイドされて
いる。また、駆動電動機２３は、モジュール化された各
プレスに製品を順次搬送するための前後一対の搬送駆動
装置２８，２８を、前記スライド５の上下動と同期させ
て駆動する。なお、前記実施例では１つの駆動電動機２
３により各ユニットを駆動しているが、各ユニット毎に
駆動電動機２３を設けて各ユニットを駆動するようにし
てもよい。

【００１４】１８，１８はワーク搬送用のトランスファ
バーで、各アプライト３に支持されたリフト駆動手段１
９により上下動自在に吊り下げられ、前記前後一対の搬
送駆動装置２８，２８により一定のフィードストローク
で、製品の搬送方向に往復駆動される。この各トランス
ファバー１８，１８には所定個のクロスバー２９が装架
され、このクロスバー２９には製品搬送用の吸着装置３
０が設置されている。３１は製品の材料を供給するため
の材料搬入装置、３２は加工された製品を受け取るため
の製品受取装置である。また、１４は加工された製品を
次の加工工程に搬送する前に一時保管するためのアイド
ルネスト、１５は、再利用材や小物部品をプレスライン
から取り出すためにレール２２上を移動する自走台車、
１６は、金型交換時にレール２２上を移動する、下金型
を載置したムービングボルスタである。これらアイドル
ネスト１４、自走台車１５、ムービングボルスタ１６、
レール２２の作用については、図８により詳細に説明す
る。

【００１５】図４及び図５は、本発明に係るトランスフ
ァプレスの各実施例の基本構成を模式的に示した正面図
で、（ ）内数字は工程番号であり、図４には、製品の
流れ方向の長さＬ、高さＨの外径寸法を有する、各一つ
づつの絞り加工用のプレスとアイドルステーションと、
製品の流れ方向の長さＬ、高さＨの外径寸法内にモジュ
ール化した三つの各ユニットらなるトランスファプレス
が、また、図５には、図４と同様にモジュール化した四
つの各ユニットがらなるトランスファプレスが記載され
ている。図４、図５の場合、第１工程は絞り加工用のプ
レス（１）であり、後の３組のプレス（２）〜（４）は
トランスファプレスにより構成されている。図１〜図５
において、１はプレス本体、２はプレス本体１のベッ
ド、３はベッド２上に立設されたアプライト、４はアプ
ライト３上に設置されたクラウン、５はスライドであ
る。前記ベッド２、クラウン４は各工程ごとに分割され
ておのおの独立であり、互いに隣接するベッド２、クラ
ウン４の間には共通のアプライト３が用いられている。
前記フィードハイト変更、及び加工物の回転・反転等の
姿勢変更等の機能を有する、アイドルステーションは必
要に応じて設けるものとし、これが不要のプレスライン
に対しては図５に示すようにモジュール化された複数の
プレスユニット（１）〜（４）が隙間なく直列に配設さ
れている。

【００１６】図６は，互いに隣接するトランスファプレ
スの連結部とその周辺部分を示す正面図である。互いに
隣接するベッド２，２の連結面近傍前面及び背面には、
対向する位置にそれぞれ連結用ブラケット２ａが突出し
ていて、前記連結用ブラケット２ａはタイボルト６を用
いて締結されている。一方、互いに隣接するクラウン
４，４の連結面、ベッド２，２の連結面及びアプライト
３には、これらを貫通するようにタイロッド挿入用穴が
設けられ、このタイロッド挿入用穴には１本のタイロッ
ド７が挿通されている。前記タイロッド７の両端に取り
付けたナット８によりアプライト３を介してクラウン４
とベッド２とが締着される。前記タイロッド７の上部に
装着されたタイプレート９は、ナット８により互いに隣
接するクラウン４の連結面近傍上面を締着している。前
記クラウン４の連結面近傍上面には左右それぞれ１箇所
にキー溝が設けられ、タイプレート９の下面には前記キ
ー溝と対向する２箇所の位置にキー溝が設けられてい
て、これらのキー溝に挿嵌されたキー１０が前記タイプ
レート９の締着によって固定され、クラウン４が互いに
固定される。１１，１２は上下の金型で、フィードスト
ロークを金型工程間距離Ａに等しくして、各工程間にア
イドルステーションを廃止してあるが、必要に応じてモ
ジュール化したユニット間を距離Ｌだけ離間させ、その
離間した空間部をアイトルステーションとすることもで
きる。なお、２１は加工される製品である。

【００１７】本発明では、アイドルステーション１３は
必要に応じて一つのモジュール化したプレスのスペース
に設けるようにして、金型工程間距離Ａの中間点、すな
わち、前後一対のアプライト３，３の間にはアイドルス
テーションを設けないので、前記中間点にワーク２１を
一時保管するためのスペースを確保する必要がない。従
って、金型工程間距離Ａは従来のプレスラインに比べて
著しく短縮される。更に、アプライト３を介してクラウ
ン４とベッド２とを締結するタイロッド７を各アプライ
ト３ごとにそれぞれ１本としたので、アプライト３の製
品の流れ方向の幅寸法が短縮され、金型工程間距離Ａの
短縮に寄与する。このような改良により、プレスライン
の全長は従来に比べて大幅に短縮される。また、前記金
型工程間距離Ａの短縮により、ワーク２１を次工程に１
ステップで搬送することができ、プレス加工のスピード
アップが可能になる。なお、製品の流れ方向の搬送軌跡
は、点線Ｓ1 で示されるように、屈折しない軌跡とな
り、戻り方向の搬送軌跡は、クロスバー及び吸着装置の
金型との干渉を避けるために、点線Ｓ2 で示されるよう
に、１つ屈折した軌跡となる。これに対して、図１０に
示される従来の技術は、製品の流れ方向の搬送軌跡は、
点線Ｓ3 で示されるように、１つ屈折した軌跡となり、
戻り方向の搬送軌跡は、クロスバー及び吸着装置の金型
との干渉を避けるために、点線Ｓ4 で示されるように、
３つ屈折した軌跡となるため、本考案の搬送軌跡は従来
の技術に比べ単純化されている。

【００１８】図７は、互いに隣接するクラウン４，４の
連結方法の他の実施例を示す部分断面図で、タイプレー
ト９の下面両端はくさび形（レ形）に突出し、クラウン
４，４の連結面近傍上面には前記タイプレート９と対向
する位置にくさび形の溝が設けられている。各クラウン
４，４の連結面、各ベッド２，２の連結面及びアプライ
ト３にこれらを貫通するように穿設した一つのタイロッ
ド挿入用穴にタイロッド７を挿通し、前記タイロッド７
の上端に取り付けたナット８を締め付けると、前記タイ
プレート９の突出部がクラウン４，４の上面に設けた溝
に繋止されるので、各クラウン４，４が互いに確実に、
かつ強固に連結、固定される。

【００１９】アイドルステーション１３を必要とする場
合は、図４に示したように第１工程（１）と第２工程
（２）との間に１工程分の空間を設け、この空間をアイ
ドルステーション１３としている。図８は、図２におけ
るアイドルステーション１３とその周辺を正面から見た
説明図で、アプライト３は鎖線で示した位置に立設され
ている。アイドルステーション１３にワーク２１を一時
保管する際に使用するアイドルネスト１４は、前後方向
（図１のＸ方向）、すなわち、プレスライン（図１のＹ
方向）と直角の方向に走行自在の自走台車１５の上に設
置されている。製品の品種変更に伴って前記アイドルネ
スト１４を交換する場合は、自走台車１５をレール２２
上を手前に引き出すことにより外段取りが可能となる。
また、第２工程のムービングボルスタ１６と前記自走台
車１５との間には、前記自走台車１５に向かって下り傾
斜となるベルトコンベア１７が設置され、再利用材や小
物部品はベルトコンベア１７を介して自走台車１５の下
部に設けられた空間に収容される。前記再利用材や小物
部品は、自走台車１５をレール２２上を手前に引き出す
ことにより容易に回収することができる。なお、一般に
第１工程と第２工程との間には、隣接する各工程間の搬
送高さを調整するためのフィードハイト変更装置、ある
いは製品の加工位置を変更するための姿勢変更装置を前
記自走台車１５に搭載することができるので、これらの
メインテナンスが極めてやりやすくなる。

【００２０】本発明のように、各工程ごとにそれぞれ独
立するモジュール化したプレスを用いてプレスラインを
構成すると、合計能力４０００ｔｏｎのトランスファプ
レスの場合、その重量を従来に比べて約２０％軽減させ
ることができる。また、本実施例ではクラウン、スライ
ド、ベッドをおのおの１組としてモジュール化し、スラ
イドは各工程ごとに独立に駆動されるものとして説明し
たが、これに限るものではなく、第２工程以降の各スラ
イドをタイボルトで締結して一体構成としてもよく、ま
た、製品の加工工程に対応して必要台数を直列に連続的
に設置することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば次のような顕著な効果を得ることができる。 （１）隣接する各クラウン、ベッド、及び共通するアプ
ライトを通して挿通された１本のタイロッドにより、ク
ラウンとベッドとを締め付けるようにしたので、アプラ
イトの製品流れ方向の幅が減少し、従って搬送装置のフ
ィードストロークが減少するため、各加工工程間に必ず
しもアイドルステーションを設ける必要がなくなり、そ
のためプレスライン全長が短くなり、設置スペースを少
なくできる。従って、プレスラインの基礎工事費の低
減、及びタイロッドは各アプライトに１本としたための
コスト低減を図ることができる。 （２）必要に応じて設置した、アイドルステーションに
はアプライトがないため、台車に乗せたアイドルネスト
をそのアイドルステーションの外方に引き出して、アイ
ドルネストの交換が容易となり、生産性が向上する。ま
た、このアイドルステーションから再利用材の回収が容
易になるため、スタンピングコストの低減が可能とな
る。 （３）アイドルステーションを必要に応じて設置するよ
うにして、その数を減少させたので、加工品搬送中にお
ける加工品のアイドルネスト上でのずれ等による機械の
自動停止を防止することができるため、機械稼動率、及
び生産性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】トランスファプレスラインの全体構成を示す平
面図である。

【図２】トランスファプレスラインの全体構成を示す正
面図である。

【図３】トランスファプレスラインの全体構成を示す側
面図である。

【図４】工程間にアイドルステーションを備えたトラン
スファプレスラインの模式的正面図である。

【図５】アイドルステーションを設けないトランスファ
プレスラインの模式的正面図である。

【図６】互いに隣接するモジュール化したプレスの連結
部とその周辺部分を示す正面図である。

【図７】互いに隣接するクラウンの連結方法の他の例を
示す部分断面図である。

【図８】第２工程で発生する再利用材などの回収機構を
説明する正面図である。

【図９】従来の技術によるトランスファプレスのユニッ
ト構成の一例を示す斜視図である。

【図１０】従来の技術によるトランスファプレスの連結
部とその周辺部分を示す正面図である。

【符号の説明】

１…プレス本体、２，２１，２２…ベッド、３，２３…
アプライト、４，２５…クラウン、５…スライド、７，
２６…タイロッド、９…タイプレート、１０…キー、１
３…アイドルステーション、１４，２８…アイドルネス
ト、１５…自走台車、１７…ベルトコンベア、１８…ト
ランスファバー。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クラウン、スライド、及びベッドをそれ
   ぞれ１組としてモジュール化したユニットを複数個並列
   に設けたトランスファプレスにおいて、隣接するモジュ
   ール化したユニット間に共通するアプライトと、前記隣
   接するそれぞれのクラウン、またはベッドを位置決めす
   る位置決め手段と、前記クラウン、ベッド、及び共通す
   る各アプライトに対して挿通された１本のタイロッドと
   よりなり、このタイロッドによりクラウンとベッドとを
   アプライトを介して締め付けることを特徴とするトラン
   スファプレス。
2. 【請求項２】 前記モジュール化したユニットを有する
   トランスファプレスにおいて、それぞれ次の加工工程へ
   加工品を搬送する搬送手段を設け、そのフィードストロ
   ークを、隣接する前記モジュール化した各ユニットの金
   型工程間距離に等しくしたことを特徴とするトランスフ
   ァプレス。
3. 【請求項３】 第１工程のプレスと、第２工程以下を前
   記モジュール化したユニットを有するトランスファプレ
   スにおいて、前記第１工程と第２工程との間に、フィー
   ドハイト変更手段、又は加工物の姿勢変更手段等のアイ
   ドルステーションを設けたことを特徴とする請求項１記
   載のトランスファプレス。
4. 【請求項４】 前記モジュール化したユニットを有する
   トランスファプレスにおいて、ベッド下端からクラウン
   上端までの高さＨ、及びベッドとクラウンそれぞれの製
   品搬送方向の長さＬはそれぞれ一定であることを特徴と
   する請求項１記載のトランスファプレス。
5. 【請求項５】 前記モジュール化したユニットを有する
   トランスファプレスにおいて、そのプレスラインと直角
   の方向に移動する台車を、アイドルステーションに出入
   自在に設置し、前記プレスラインから取り出された台車
   上でアイドルネストの段取り替えを可能とすることを特
   徴とする請求項２記載のトランスファプレス。