JPH08500975A - 変異させた菌類細胞ならびに組換え生成物の製造方法 - Google Patents

変異させた菌類細胞ならびに組換え生成物の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、優れた菌類細胞、及び優れた品質の組換え生成物を高収率で生成する方法に関するものである。より詳細には、本発明は、細胞のDNA配列中に、少なくとも、同種および/または異種のタンパク質のO−グリコシル化に対する低減した許容性を示すような遺伝学的変異を有している菌類細胞、及び、組換え生成物を高収率で生成するための、かかる細胞の宿主細胞としての使用に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】変異させた菌類細胞ならびに組換え生成物の製造方法 本発明は、優れた菌類細胞、ならびに優れた品質の組換え生成物を高収率で生 成する方法に関するものである。より詳細には、本発明は、細胞のDNA配列中 に、少なくとも、同種および/または異種のタンパク質のO−グリコシル化に対 する低減した許容性を示すような遺伝学的変異を有している菌類細胞、ならびに 、組換え生成物を高収率で生成するに際しての、そうした細胞の宿主細胞として の使用に関するものである。 組換えDNA技術の発展によって、異種の生成物をコードする外来のDNA配 列を導入した宿主細胞中で、異種の生成物を生成することが可能となった。こう した技術の利点は、生成物を、高収率かつ高度に精製された形態で、汚染、たと えばウイルスによる汚染(エイズ、B型肝炎等)の危険性なしに生成しうること にある。こうした組換え技術は、組換えタンパク質を原核生物ならびに真核生物 の宿主細胞中で生成するにあたって、広く使用されている。原核生物の宿主細胞 としては、大腸菌〔Nagata et al.,Nature 284, 316, 1980; EP 001 929〕、枯 草菌〔Saunders etal., J. Bacteriol. 169, 2917, 1987〕、ストレプトミセス 、ならびにコリネバクテリウム(EP 433 117)がある。真核生物の宿主細胞とし ては、植物細胞、動物細胞、ならびに菌類細胞がある。 しかし、こうした技術による組換え生成物の大規模な製造は、こうした外来の DNA配列の発現効率、ベクターの不安定性、ならびに組換え生成物の生成が行 われる宿主による組換え生成物の 細胞内での分解といった問題ゆえに、いまだに限定されている。発現効率につい ては、強力なプロモーターを単離し、外来のDNA配列の発現レベルを上昇させ ることによって、組換え生成物の生成レベルを上昇させる努力がなされている。 宿主細胞中でベクターの安定性を上昇させる目的で、各種の系も開発されてきて おり、最もよく行われるのは、ベクターに抗生物質耐性の遺伝子を挿入して、組 換え宿主細胞が選択培地中で生存、成長しうるようにすることである。細胞内で の分解については、いくつかの変異型細胞が開示されており、こうした変異型細 胞では、プロテアーゼ活性を喪失させたり低減させたりすることによって、その 細胞が組換え生成物を分解する能力を制限している。 しかし、組換え生成物の大規模な製造や製剤への使用は、もっと別の問題によ っても制限されている。こうした問題の一つは、組換えによって生成した生成物 が、対応する天然物質と往々にして異なっているという事実から派生する。たと えば、細菌の宿主細胞は、哺乳動物のポリペプチドが成熟するうえで必要とされ る翻訳後の機構をすべて有しているわけではない。したがって、細菌中で生成さ れた哺乳動物のポリペプチドは、往々にして未成熟で、正しく再生されないこと となる。さらに、細菌の宿主細胞では、通常、生成物のN末端に余分なメチオニ ンが導入されてしまう。 異種の真核生物の宿主中で生成された組換え生成物も、大抵は、グリコシル化 物の含量が、天然に生じた対応物と異なっている。このことは、炭水化物構造の 存否、こうした炭水化物構造の生成物中での位置、ならびに炭水化物の性質と関 係してくる。もっと 具体的に述べると、酵母由来の組換え生成物は、対応する天然物質と比べると、 天然には存在しない余分なO−グリカンを有していることが多い。たとえば、ヒ ト血清インシュリン様増殖因子I(IGF−I)はグリコシル化されていないの に、S.セレビシエ中で生成した組換え形態のものは、O−グリコシル化、より 厳密には、O−マンノシル化されていることが示されている〔Hardet al., FEBS Letters 248, 111, 1989〕。同様に、ヒトの血小板由来の成長因子(PDGF )ならびにヒトのGM−CSFも、S.セレビシエ中で生成すると、天然には存 在しないO−マンノシル構造を示すことが示されている〔Biomedic. Environ. M assSpectrometry 19, 665, 1990; BIO/TECHNOLOGY 5, 831, 1987〕。こうした異 常なO−グリコシル化は、哺乳動物(ヒト)の細胞のグリコシル化機構と、哺乳 動物以外の真核生物の細胞、たとえば酵母のグリコシル化機構とでは、重要な差 異がある結果生じるものである。この点に関しては、種々の菌類細胞(酵母なら びに糸状菌を含む)中でのO−グリコシル化が、これまで他の生物では観察され たことのない、互いに類似した、しかも独特な過程で進行することが観察されて いる。 こうした望ましくないO−グリコシル化が菌類由来の組換え生成物で生じるこ とは、こうした技術の、薬剤を製造するうえでの重要な欠点となる。 第一の理由は、菌類に特有のグリカンによって、タンパク質上に新たな免疫決 定基が導入されてしまう可能性が有り、したがって、こうした天然に存在しない 炭水化物を有する糖タンパク質は、ヒトへの投与時に、抗原となる可能性がある ことである。この点 に関しては、たとえば、大抵のヒトが、N結合型の酵母のマンナン鎖に対して誘 導された抗体を有することが知られている〔Feizi and Childs, Biochem. J. 24 5, 1, 1987〕。 もう一つの理由は、適切な炭水化物構造を有さないタンパク質は、薬物動態学 的特性にも変化をきたしている可能性があることである。糖タンパク質の炭水化 物構造は、糖タンパク質のインビボでのクリアランス速度の決定に影響を及ぼし 、関与していることが示されており、このクリアランス速度は、薬剤の効率を決 定するうえで必須のものである。もっと詳しく述べると、肝上皮細胞ならびに滞 留マクロファージ上ではマンノースの受容体が特定されており、このマンノース 受容体は、マンノース型のオリゴ糖を示す糖タンパク質を除去する手段に他なら ない〔Stahl, Cell.Mol. Biol. 2, 317, 1990〕。したがって、タンパク質上に 、天然には存在しない余分なマンノース構造が存在すると、タンパク質のクリア ランス速度が上昇し、その結果、血漿中での半減期が低減してしまいかねない。 さらに別の理由は、糖タンパク質の生物学的活性が、糖タンパク質の炭水化物 の含量、位置、ならびに性質によっても左右されることが示されていることであ る。たとえば、グリコシル化が、組換え型のヒトEPOの生物学的特性に影響を 及ぼすこと〔Takeuchi et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86, 7819, 1989〕 、そして組換え型のヒトtPAの生物学的特性に影響を及ぼすこと〔Parekh et al., Biochemistry 28, 7644, 1989〕が示されている。 以上に述べたような理由から、菌類由来の組換え生成物の天然 には生じないO−グリコシル化が、生成物の免疫学、生物学、ならびに薬物動態 学上の特性に重大な影響を及ぼす可能性があり、したがって、そうした組換え生 成物のヒトの治療用途への開発を阻みかねないことが明らかである。 本発明は、細胞のDNA配列中に遺伝学的変異を有している変異菌類細胞を提 供することによって解決するものであり、細胞は、この遺伝学的変異によって、 少なくとも、固有の、あるいは外来のタンパク質のO−グリコシル化に対する低 減した許容性を有するようになっている。 出願人は、O−グリコシル化に対する許容性は低減しているものの、依然とし て生存可能で、工業的醗酵条件下で良好な成長特性を示す、遺伝学的に変異させ た菌類細胞を得ることができることを見いだした。予期せざることに、出願人は 、上記のような遺伝学的変異によっても、外来のDNAによる形質転換を行った 際のこうした菌類細胞の安定性が影響を受けないことも明らかとした。本発明の 変異菌類細胞は、高品質で、不要なO−グリカンを全く、あるいは少量しか有さ ない組換え生成物を生成する際の宿主細胞として、有利に使用することができる 。 本発明の一つの目的は、細胞のDNA配列中に遺伝学的変異を有しており、そ の変異によって、少なくとも細胞のO−グリコシル化に対する許容性が低減して いる菌類細胞である。 本発明の菌類細胞は、糸状菌および酵母から選ぶことができる。本発明で想定 している糸状菌の属の例としては、アスペルギルス、トリコデルマ、ムコール、 ノイロスポラ、フザリウムなどが挙げられる。酵母の属としては、クルイベロミ セス、サッカロミセス、 ピキア、ハンゼヌラ、カンジダ、シゾサッカロミセスなどが挙げられる。より好 適なのは、クルイベロミセス、サッカロミセス、ピキア、ハンゼヌラ、およびカ ンジダよりなる群から選ばれる属であり、特に好適なのは、クルイベロミセスお よびサッカロミセスから選ばれる属である。本発明の好適実施態様を構成するク ルイベロミセスの株の例としては、K.ラクティス、K.フラジリス、K.ワル ティー、K.ドロソフィラルムなどがある。サッカロミセスの好適な株は、S. セレビシエである。 本発明の趣旨では、遺伝学的変異とは、好ましくは、菌類細胞のDNA配列の 1つ以上の塩基あるいは断片の任意の抑制、置換、欠失、あるいは付加を意味す る。こうした遺伝学的変異は、(単離したDNA上で直接)インビトロで生じさ せることも、遺伝工学的手法を用いたり、菌類細胞を突然変異誘発剤に暴露した りすることによってインシトゥで生じさせることもできる。突然変異誘発剤とし ては、たとえば、物理的誘発剤、たとえばエネルギー線(X線、χ線、紫外線等 )、あるいはDNAの各種の官能基と反応しうる化学的誘発剤、たとえばアルキ ル化剤(EMS、NQO等)、ビスアルキル化剤、インターカレート剤等を挙げ ることができる。遺伝学的改変は、たとえば、Rothstein et al. Meth.Enzymol. 194, 281-301, 1991に開示された方法にしたがって、遺伝学的破壊によって行 うこともできる。 この方法をインビトロ用に改変して実施する場合には、遺伝子の一部あるいは 全部が相同組換えによって置換される。 遺伝学的変異は、DNA配列に任意の突然変異を生じるような挿入を行うこと によっても、たとえば、トランスポゾン、ファー ジ等を挿入することによっても生じさせることができる。 また、変異のうちのあるもの、たとえば点突然変異は、細胞の機構によって、 復帰あるいはアテニュエーションされてしまうことがあることも知られている。 こうした変異は、表現形質があまり安定ではない可能性があるので、本発明の変 異菌類細胞の最も有用な形態をもたらすものではない。本発明は、変異(すなわ ち表現形質)が分離の間も安定で、そして/または非復帰性で、そして/または 非漏出性である変異菌類細胞の製造方法も提供するものである。こうした変異菌 類細胞は、組換え生成物を生成する際の宿主として特に有利である。 したがって、本発明の好適実施態様は、分離の間も安定で、そして/または非 復帰性で、そして/または非漏出性である遺伝学的変異を有する菌類細胞である 。こうした変異は、一般に、欠失あるいは破壊によって得られる。 本発明の菌類細胞が有する遺伝学的変異は、細胞のDNA配列のコード領域に 位置させることも、遺伝子の発現および/または転写の調節を支配、あるいはそ れらに関与している領域に位置させることもできる。もっと詳しく述べると、上 記変異は、一般に、その発現生成物がO−グリコシル化経路の酵素であるような 1つ以上の遺伝子のコード領域、あるいは、その発現および/または転写の調節 を支配したり、それらに関与したりしている領域に影響を及ぼすものである。 したがって、本発明の菌類細胞が、タンパク質のO−グリコシル化に対して低 い許容性を有しているのは、構造上および/またはコンホメーションの変化によ って不活性な酵素が生成したり、 生物学的特性に変化をきたした酵素が生成したり、こうした酵素が生成されなか ったり、生成されても生成のレベルが低かったりする結果である可能性がある。 菌類細胞のO−グリコシル化経路では、第一のマンノシル残基が、タンパク質 あるいはペプチドのセリンおよび/またはトレオニンアミノ酸のヒドロキシル基 に結合し、その後、さらにマンノシル残基が付加することによって第一のマンノ シル残基が延長されて、O−結合型の二糖あるいはオリゴ糖が生成する。第一の マンノシル基は、ドリコール一リン酸マンノース(Dol−P−Man)から、 小胞体中のタンパク質へと転移され、追加のマンノシル残基は、ゴルジ体中でG PD−Manから転移される。これとは対照的に、高等真核細胞(非菌類細胞) のO−グリコシル化は、第一の工程がN−アセチルガラクトースアミンのセリン あるいはトレオニンへの共有結合である点、この第一の反応に脂質結合オリゴ糖 供与体が関与していない点、はじめの工程がゴルジ体で生じる点、炭水化物の構 造が異なっている点などで、菌類細胞とは異なったメカニズムにしたがって進行 する。 本発明の好適な実施態様では、変異菌類細胞は、その発現生成物が、セリンあ るいはトレオニンアミノ酸のヒドロキシル基へのマンノシル残基の結合に関与し ているような少なくとも1つの遺伝子に、遺伝学的変異を有している。 本発明のさらに好適な実施態様では、変異菌類細胞は、その発現生成物が、D ol−P−Man前駆体から、セリンあるいはトレオニンアミノ酸のヒドロキシ ル基への、マンノシル残基の転移に関与しているような少なくとも1つの遺伝子 の遺伝学的変異を 有している。 さらに好ましくは、こうした遺伝子の一つは、Dol−P−Man:タンパク 質(Ser/Thr)マンノシルトランスフェラーゼをコードしている、配列を 図4に示す遺伝子〔DPM2−PMT1とも称される〕、あるいは以下に記載す る活性と同一の活性をコードしている任意の相同な遺伝子である。 セリンあるいはトレオニンアミノ酸のヒドロキシル基へのマンノシル残基の結 合に関与している1つの遺伝子の変異に加えて、本発明の菌類細胞は、二糖ある いはオリゴ糖を生じるその後のマンノシル残基の付加、あるいはマンノシル残基 の供与体(Dol−P−Man)の合成に関与している遺伝子の変異も有するこ とができる。 こうした菌類細胞の具体的な例は、実施例に開示してある。 本発明のもう一つの目的は、外来のDNA配列が導入された、以上に開示した ような菌類細胞にある。 本発明の趣旨では、外来のDNA配列という用語は、上記細胞中に発現および /または分泌しようとしている所望のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子 を含む任意のDNA配列を包含するものである。こうしたDNA配列は、菌類細 胞中での上記タンパク質の合成を可能とする発現カセットに包含された、相補的 DNA配列(cDNA)、人工DNAの配列、ゲノムDNAの配列、ハイブリッ ドDNAの配列、または合成あるいは半合成DNAの配列とすることができる。 発現カセットは、上記の所望のタンパク質をコードする配列の5’末端に結合し た転写ならびに翻訳開始領域を含有するものとして、上記配列の転写ならびに翻 訳を誘 導し、場合によっては調節できるようにするのが好ましい。こうした領域の選択 は、使用した菌類細胞に応じて変化しうるものである。一般に、こうした配列は 、菌類細胞の遺伝子に由来するプロモーターおよび/またはターミネーターから 選択し、酵母の宿主で発現しようとする場合には、酵母の遺伝子から選択する。 特に重要なのは、菌類細胞の解糖遺伝子、たとえば、酵母に関しては、ホスホグ リセレートキナーゼ(PGK)、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナ ーゼ(GDP)、エノラーゼ(ENO)、あるいはアルコールデヒドロゲナーゼ (ADH)をコードする遺伝子、また糸状菌に関しては、トリオースリン酸イソ メラーゼ(tpi)をコードする遺伝子に由来する特定のプロモーターおよび/ またはターミネーター領域である。プロモーターおよび/またはターミネーター 領域は、他の強力に発現される遺伝子、たとえば酵母に関しては、ラクトース遺 伝子(LAC4)、酸ホスファターゼ遺伝子(PHO5)、アルコールオキシダ ーゼ遺伝子(AOX)、あるいはメタノールオキシダーゼ遺伝子(MOX)、ま た糸状菌に関しては、セロビオヒドラーゼ遺伝子(CBHI)、アルコールデヒ ドロゲナーゼ遺伝子(alcA、alcC)、グルコアミラーゼ遺伝子(GAM )、あるいはアセトアミダーゼ遺伝子(amds)などに由来するものとするこ ともできる。こうした転写ならびに翻訳開始領域は、たとえば、インビトロでの 突然変異誘発を行ったり、制御因子あるいは合成配列をさらに導入したり、欠失 を生じさせたりすることによって、さらに変異させることもできる。たとえば、 別のプロモーターに由来する転写調節因子、たとえばいわゆるUASを使用して ハイブリッ ドのプロモーターを構築することもでき、このハイブリッドプロモーターを使用 すると、菌類細胞の培養の成長局面を、所望のタンパク質をコードする配列の発 現局面と分離することが可能となる。使用する菌類細胞中で機能する転写ならび に翻訳終止領域は、コード配列の3’末端に位置させることもできる。また、タ ンパク質の配列のN末端にシグナルペプチド(プレ配列)を導入して、新生タン パク質を、使用している菌類細胞の分泌経路に誘導することもできる。このプレ 配列は、タンパク質を天然に分泌させる場合には、このタンパク質の天然のプレ 配列に対応するものとすることができるが、もっと別の起原のもの、たとえば別 の遺伝子から得たものとすることも、場合によっては人工のものとすることもで きる。 外来のDNA配列は、使用した菌類細胞中で自律的に複製するか、あるいは菌 類細胞自体のDNA配列(染色体)に組み込まれるベクターの一部とするのが好 ましい。自律的に複製するベクターは、菌類細胞の染色体DNA、あるいは天然 に生じる菌類細胞のプラスミド、たとえばpGKl−1〔de Louvencourt et al .,J. Bacteriol. 154, 737, 1982〕、pKD1(EP 241 435)、2μmのプラス ミド(Broach, Cell 28, 203-204, 1982)などに由来する自律的に複製する配列 (ARS)を含有することができる。組み込まれるベクターは、通常、菌類細胞 の染色体の領域と相同な配列を含有しており、この配列によって、菌類細胞への 導入後に、インビボでの組換えによって組み込みが可能となる。本発明の具体的 な実施態様では、上記の相同な配列は、菌類細胞中での変異を生じさせようとし ている染色体領域と対応しているの で、一工程での変異−組み込み機構が実現される。組み込みは、非相同な組換え によって生じることもある。 外来のDNA配列は、当業界で公知の任意の技術によって、菌類細胞に導入す ることができ、たとえば、組換えDNA技術、遺伝学的交差、プロトプラストフ ュージョン等によって行うことができる。組換えDNA技術に関しては、形質転 換、電気穿孔法をはじめとする文献に開示された任意の技術を使用することがで きる。さらに詳しく述べると、菌類細胞が酵母細胞である場合には、形質転換は 、Ito et al., J. Bacteriol. 153, 163, 1983 あるいはDurrens et al., Curr. Getet. 18, 7, 1990の方法、または EP 361 991 に開示された方法にしたがっ て行うことができる。電気穿孔法は、Karube et al., FEBS Letters, 82, 90, 1 985 にしたがって行うことができる。 本発明の菌類細胞は、組換え生成物、たとえば製剤および/または農業−食糧 上重要な異種タンパク質を生成する際の宿主細胞として有利に用いることができ る。本発明の菌類細胞は、高品質の生成物を生成および/または分泌することが 可能であり、菌類細胞の遺伝学的変異によって、上記生成物の発現ベクターの有 糸分裂時の安定性あるいは遺伝上の安定性に影響が及ぶことがないので、特に有 用である。本発明の細胞は、ヒトの治療上の用途を有していて、かつ、宿主細胞 によるO−グリコシル化を受けやすいタンパク質を生成するうえで特に適当であ る。 したがって、本発明のさらに別の目的は、組換え生成物を生成するにあたって 、上述の菌類細胞の培養を、外来のDNA配列が発現され、生成物が回収される ような条件下で行う方法にある。 好適な実施態様では、上記生成物は、培養液中に分泌される。別の好適な実施態 様では、上記生成物は、宿主細胞によるO−グリコシル化を受けやすいものであ る。 本発明の菌類細胞を用いて生成することのできる異種タンパク質の例として、 以下のタンパク質を挙げておく。酵素(たとえば、スーパーオキシドジスムター ゼ、カタラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、アミダーゼ、キモシン等、またはそれ らの任意の断片あるいは誘導体)、血液誘導体(たとえば、ヒト血清アルブミン 、α−あるいはβ−グロビン、因子VIII、因子IX、フォンビルブラント因 子、フィブリノネクチン、α−1 アンチトリプシン等、またはそれらの任意の 断片あるいは誘導体)、インシュリンならびにその変種、リンホカイン(たとえ ば、インターロイキン、インターフェロン、コロニー剌激因子(G−CSF、G M−CSF、M−CSF等)、TNF、TRF等、またはそれらの任意の断片あ るいは誘導体)、成長因子(たとえば、成長ホルモン、エリスロポイエチン、F GF、EGF、PDGF、TGF等、またはそれらの任意の断片あるいは誘導体 )、アポリポタンパク質、ワクチン(肝炎、サイトメガロウイルス、エプスタイ ン−バー、ヘルペス等)製造用の抗原性ポリペプチド、または任意の融合ポリペ プチド、たとえば、活性部分と、それに連結された安定化部分とから構成される 融合体。 本発明のさらに別の目的は、タンパク質のセリンあるいはトレオニンアミノ酸 のヒドロキシル基への、マンノシル残基の結合に関与する酵素をコードするDN A断片にある。出願人は、こうした酵素をコードするDNA断片を、はじめて提 供するものである。 さらに好ましくは、上記のDNA断片は、配列を図4に示すDo1−P−Man :タンパク質(Ser/Thr)マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子、任意の 相同な遺伝子、またはそれらの誘導体あるいは断片を含むものである。 本発明の趣旨では、ある遺伝子と相同な遺伝子とは、任意の菌類細胞の当該遺 伝子以外の任意の遺伝子で、要求される活性を有する酵素をコードしている遺伝 子を意味する。こうした当該遺伝子以外の遺伝子は、たとえば、上記活性を有さ ない変異型菌類細胞を、上記活性を有している菌類細胞から生成したDNAで補 い、活性を回復した形質転換体を選びだし、その形質転換体に挿入されているD NA配列を単離することによって得ることができる。こうした当該遺伝子以外の 遺伝子は、図4に示す配列の全部あるいは一部を含むプローブ(たとえばPCR プライマー)とのハイブリダイゼーションによって、DNAライブラリーから単 離することもできる。この点では、菌類細胞の相同な遺伝子を得るにあたって、 得られたDNA断片あるいはその任意の一部を、ハイブリダイゼーションのプロ ーブとして使用したり、変異型の表現型を補う際に使用したりすることも本発明 の一つの目的である。 誘導体という用語は、上述の遺伝子に任意の遺伝学的および/または化学的な 変異を生じさせることによって生成した任意の上述の遺伝子以外のDNA断片の ことを意味するものである。この遺伝学的および/または化学的な変異は、変異 が生じた結果、菌類宿主細胞での形質転換時に、酵素活性が上昇したり、同一レ ベルであったり、低減したり、全く無くなったりするような、上記遺伝子の1つ 以上の塩基あるいは領域の抑制、置換、欠失、ある いは付加とすることができる。図面の説明 図1.プラスミドpDM3、pMT4、およびpMT1の制限地図。 図2.プラスミドpDM3のサブクローニング。 図3.PMT1遺伝子の配列決定戦略。 図4a.PMT1遺伝子のヌクレオチド配列(配列番号1)。 図4b.PMT1遺伝子のアミノ酸配列(配列番号2)。 図5.pMT1.1/URA3の構築ならびに制限地図。 図6.S.セレビシエの野生型(パネルA)ならびに突然変異型(パネルB) のO−グリコシル化活性。 図7.K.ラクティスのPMT1遺伝子の部分ヌクレオチド配列(配列番号3 )。 図8.S.セレビシエのPMT1遺伝子(上側の配列)と、K.ラクティスの ゲノムDNAをPCRで増幅することによって単離したK.ラクティスの相同な 配列(下側の配列)の、ヌクレオチド配列(パネルA)と推定アミノ酸配列(パ ネルB)での比較。点は、配列が同一であることを表し、疑問符は、配列がはっ きりしないことを示す。プライマーSq3910と相補的なヌクレオチド配列に 下線を付してある。実施例 実施例1: S.セレビシエからの高度に精製されたマンノシルトランスフェラ ーゼの単離、ならびにペプチドの生成 Strahl-Bolsinger and Tanner, Eur. J. Biochem. 196, 185,1991にしたがっ て、全酵母膜からマンノシルトランスフェラーゼ活性部分を可溶化し、ヒドロキ シルアパタイト上で精製した。タンパク質は、(NH42SO4で沈殿させて、 さらに濃厚にしてから、アフィニティクロマトグラフィーによるさらなる精製を 行わなければならなかった。アフィニティクロマトグラフィーの溶出物を、SD S−PAGEで分離した。生じた92kDaのバンドを、ゲルから切り出した。 トリプシンによる消化を(ゲル中で)行うと、重複していないペプチドがいくつ か得られ、プローブを設計することが可能となった。実施例1.1 (NH42SO4による沈殿 マンノシルトランスフェラーゼ活性を有するヒドロキシルアパタイトのカラム の100mlの分画を、最終濃度が30%(w/v)となるまで(NH42SO4 と混合し、氷/塩浴中で1時間にわたって緩やかにかきまぜた。混合物を30 分間(8000×g)遠心分離した。得られたペレットを、8mlのAB緩衝液 (10mMトリス/HCl(pH7.5)、15%グリセロール(容量%)、0 .1のラブロール(容量%)、150mMのNaCl)中に再度懸濁させ、同じ 緩衝液に対して1時間透析した。 保存:−20℃。実施例1.2 アフィニティクロマトグラフィー 実施例1.2.1 アフィニティクロマトグラフィー用のカラムの調製 プロテインA−セファロースC14B(Protein A-SepharoseCl 4B)の凍結乾 燥粉末0.5gを、10mlの100mMNaPi (pH7.0)中で15分 間にわたって膨潤させ、焼結ガラスフィルター(G3)上で、200mlの同じ 緩衝液で洗浄した。プロテインA−セファロースC14Bを、100mMNaP i(pH7.0)中で平衡化させた。約3−6mlの抗マンノシルトランスフェ ラーゼ血清を、11(7)NaPi (100mM) (pH7.0)に対して 、2時間にわたって透析した。透析した血清を、カラム物質とともに、4℃にて 16時間インキュベートした。焼結ガラスフィルター(G3)を使用して、この 血清を除去した。カラム物質を、10mlの100mMNaPi (pH8.5 )で2回洗浄し、50mlの同じ緩衝液中に再度懸濁させた。 共有結合させる目的で、0.75mg/mlのジメチルスベリミデートを加え た。5−6滴の1MNaOHを加えることによって、pHをpH8.5に調整し た。材料を室温で1時間インキュベートした。再度、ジメチルスベリミデートを 加え、1MNaOHで、pHをpH8.5に調整した。このカラム物質を、焼結 ガラスフィルター(G3)上で、 a)50mlの100mMNaPi(pH8.0)、 b)25mlの100mMNaPi(pH8.0)、3Mロダン化アンモニウ ム、 c)100mlの100mMNaPi(pH8.0) を用いて順次洗浄した。 この物質を、AB緩衝液中で洗浄し、平衡化させた。 実施例1.2.2 92kDaのタンパク質の精製 (NH42SO4で沈殿させ、透析したタンパク質(実施例1.1)8mlを 、アフィニティカラムの物質(実施例1.2.1)とともに、緩やかにかきまぜ ながら、4℃で16時間にわたってインキュベートした。カラム(2cm×0. 5cm)を充填し、15mlのAB緩衝液で洗浄した。カラムを、100mMグ リシン/HCl(pH3.0)、0.05%ラブロール(容量%)、15%グリ セロール(容量%)で溶出させた。0.9mlの分画を集め、ただちに、1Mト リス(15μl/0.9mlの分画)で中和した。 92kDaのタンパク質を検出する目的で、40μlの各溶出分画を、Strahl -Bolsinger and Tanner (1991)に記載されたようにして、SDS−PAGEなら びにウェスタンブロット分析によって分析した。92kDaのタンパク質を含有 する分画(分画2−6)をプールし、5000×gで遠心分離を行うことにより 、マイクロコンセントレーター(セントリコン/アミコン(Centricon/Amicon) ) で100μlまで濃縮した。0.9mlの98%EtOHを加え、−20℃にて 16時間にわたってタンパク質を沈殿させた。30分間にわたって10,000 ×gで遠心分離を行うことによって、沈殿したタンパク質をペレット化した。実施例1.3 SDS−PAGE 沈殿したタンパク質(実施例1.2.2)を、150μlのSDS−サンプル 緩衝液(0.07MNa2CO2、0.07%β−EtSH、2%SDS、12% サッカロース、0.07%ブロムフェノールブルー)に再度懸濁させた。Lammli and Favre, J.Mol.Biol.80,575,1973にしたがって、バイオラッド−ミニ−プロ ティーンセル(Biorad-Mini-Protean cell)を使用して、SDSゲル電気泳動を5 0−70Vで行った。タンパク質の標準:ギブコ(Gibco) BRLのHMW−ス タンダーズ(HMW-Standards)。 タンパク質は、0.05%クーマシーR250(w/v)、25%イソプロパ ノール(容量%)、10%酢酸(容量%)を用いて染色し、7.5%酢酸(容量 %)で脱染することによって検出した。実施例1. 4 トリプシンによる消化、ならびにオリゴヌクレオチドの設計 SDS−PAGE(実施例1.3)を行った後、92kDaのタンパク質のバ ンドを切り出した(約10μgのタンパク質)。ゲルの断片を小片に刻み、5m lの50%メタノール/10%酢酸中で30分間にわたって3回、5mlの50 %メタノール中で30分間にわたって1回振とうした。ゲルを3時間にわたって 凍結乾燥した。トリプシンによる消化を、0.3mlの0.2M炭酸水素アンモ ニウム/2μgのトリプシン中で、37℃にて16時間行った。上清を除去した 。ペプチドの溶出を、0.2mlの0.2M炭酸水素アンモニウム中で、37℃ にて1時間にわ たって3回、0.2mlの0.2M炭酸水素アンモニウム/30%アセトニトリ ル中で37℃にて1時間にわたって1回行った。溶出物質をプールし、凍結乾燥 し、0.2mlの1M塩酸グアニジン/50mMトリス/HCl(pH7.5) に再度溶解した。0.13%TFA中で平衡化させた逆相RP18カラムを使用 して、ペプチドを分離した。ペプチドは、アセトニトリル(0−70%)で溶出 させた。40以下の互いに異なるペプチドのピークを検出することができた。主 要なピークのうちの5つの配列を、エドマン法(G.Allen in: Sequencing of pro teins and peptides, Laboratory Techniques in Biochem. and Mol. Biol. 9 e d.: Burdon, R.H. and Knippenberg, P.H., Elsevier,1989) にしたがって、 自動化配列解析によって解析した。得られた配列のうち、3種がオリゴヌクレオ チドを設計するうえで適当であった。それらを下記の表1に示す。 これらの配列にもとづいて、S.セレビシエのコドンの用法を使用して、オリ ゴヌクレオチドA−Cを化学的に合成した(Guthrie and Abelson in: The molec ular biology of the yeast sac charomyces; eds. J.N. Strathern, E.W. Jones, J.R. Broach,1982)。オリゴ ヌクレオチドA−Cは以下の性質を有している。 実施例2: 酵母のゲノムDNAのプラスミドライブラリーのスクリーニング 化学的に合成したオリゴヌクレオチドA−C(実施例1.4) を使用して、酵母のゲノムDNAのプラスミドライブラリーpCS19 (Sengs tag and Hinnen, Nucl. Acids Res. 15, 233,1987)をスクリーニングした。 このライブラリーは、酵母のゲノムDNAをSau3Aで消化し、ベクターpC S19のBclI制限部位にクローニングすることによって調製されたものであ る。実施例2.1 オリゴデオキシヌクレオチドの標識 オリゴヌクレオチドA−Cを、Maniatisら(T. Maniatis, J.Sambrook, E.F. Fritsch, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, C.S.H. Press, 1989) に したがってキナーゼ反応を実施することによって標識した。40ピコモルのオリ ゴデオキシヌクレオチドを、50μCiの〔γ−32P〕ATPを使用して標識し た。「NUCトラッププッシュカラム(NUC Trap Push Column)」(ストラタジ ーン(Stratagene) )を製造業者の取扱説明書にしたがって使用することによっ て、遊離放射性ヌクレオチドを除去した。実施例2.2 ライブラリーのスクリーニング DNAライブラリー(4992の互いに異なった単一コロニー)を、マイクロ タイタープレートからニトロセルロースに移した。コロニーハイブリダイゼーシ ョンを、下記の条件下で、Grunstein and Hogness,PNAS, 72, 3961, 1975にした がって実施した。 −予備ハイブリダイゼーション: フィルターを、200mlの5×デンハー ト溶液、6×NET、0.1%SDS(w/v)、0. 1mg/mlのサケ精子DNA中で、44℃で少なくとも4時間にわたってイン キュベートした(5×デンハート溶液: 0.1%フィコール、0.1%ポリビ ニルピロリドン、0.1%BSA; 6×NET: 0.9MNaCl、90m Mトリス−HC1(pH8.3)、6mMEDTA(pH8.0))。 −ハイブリダイゼーション: フィルターを、100mlの5×デンハート溶 液、6×NET、0.1%SDS(w/v)、0.1mg/mlのサケ精子DN A、標識オリゴデオキシヌクレオチドAおよびB(それぞれ40ピコモル)中で 、44℃でインキュベートした。ハイブリダイゼーションは、16時間にわたっ て行った。 −洗浄条件: フィルターを、50mlの6×SSC、0.1%SDS(w/ v)中で、0℃にて15分間にわたって3回洗浄した。 陽性のコロニーを検出するために、フィルターを、−70℃にて16時間、X 線フィルムに暴露した。こうした条件下で、12の陽性に反応するクローンを同 定することができた。実施例3: 12の陽性クローンのサザン分析 12の陽性クローンを、3種の異なったオリゴデオキシヌクレオチドを使用し て、サザンブロットで分析した。この分析によって、3種のオリゴヌクレオチド のすべてと反応する1つの陽性クローンを同定することができた。このクローン を、pDM3と称することとした。 12の陽性クローンを、アンピシリンを加えた5mlのLB培 地中で生育させ、そのDNAを、Birnbaum and Doly, Nucl. Acid. Res. 7, 151 3, 1979 の方法にしたがって単離した。 単離した各プラスミドDNA(プラスミド:pDM1−pDM12)の1/1 0を、制限酵素EcoRI−XhoI (各5U)、1×「ワン・フォア・オー ル(one for all)」緩衝液(ファルマシア(Pharmacia)) (合計容量、20μl )で、37℃で1時間にわたって消化した。DNA断片を1%アガロースゲル上 で分離し、Maniatisら(上掲)にしたがってニトロセルロースにブロットした。 オリゴAおよびBを使用し、ライブラリーのスクリーニングについて述べたのと 同一の条件を用いて、サザン分析を行った。オリゴAのハイブリダイゼーション 温度は48℃とし、オリゴBについては42℃とした。クローン1、2、3、5 、6、7、および11が、両方のオリゴデオキシヌクレオチドと陽性に反応した 。これらの7つのクローンを、サザンブロット分析でさらに分析した。すなわち 、3つの同一のブロットを調製し、クローン1、2、3、5、6、7、および1 1のDNAをEcoRI−XhoIで消化し、上述したようにしてニトロセルロ ースにブロットした。ブロット1、2、および3は、20mlの5×デンハート 溶液、6×NET、0.1%SDS(w/v)、0.1mg/mlのサケ精子D NA中で、50℃で4時間にわたって予備的にハイブリダイズさせた。次に、各 ブロットを、10mlの5×デンハート溶液、6×NET、0.1%SDS(w /v)、0.1mg/mlのサケ精子DNA、 40ピコモルの標識オリゴデオ キシヌクレオチド中で、16時間にわたってハイブリダイズさせた。ハイブリダ イゼーションの温度は、下記の表2 に示す。洗浄は、50mlの2×SSC、0.1%SDS(w/v)中で、各温 度で10分間にわたって行った。 クローン3が、オリゴA、B、およびCと反応する唯一のクローンであった。 このクローンをpDM3と称することとし、さらに分析を行った。実施例4: pDM3の分析 実施例4.1 方法 実施例4.1.1 制限エンドヌクレアーゼによる消化 分析のためのエンドヌクレアーゼを用いた消化を、1×「ワン・フォア・オー ル(one for all)」緩衝液(ファルマシア)、0.2−0.5μgのDNA、1 −5Uの制限酵素(合計容量、20μl)中で、37℃で1時間にわたって行っ た。 分取用消化を、合計容量40−80μlの、1−10μgのDNA、5−20 μlの制限酵素,1×「ワン・フォア・オール」緩衝液中で、37℃で2時間に わたって行った。 実施例4.1.2 DNA−ゲル電気泳動 DNA断片の分離を、Maniatisら(上掲)にしたがって行った。 実施例4.1.3 DNA断片の単離 DNA断片の分離の後、「ジーン・クリーン・キット(Gene-clean kit)」 ( ストラタジーン(Stratagene) )を製造業者の取扱説明書にしたがって使用して 、分離した断片を単離した。 実施例4.1.4 アルカリホスファターゼによる処理 DNA断片を、Maniatisら(上掲)にしたがって、アルカリホスファターゼに よって脱リン酸化した。 実施例4.1.5 ライゲーション DNA断片を、IUのT4−DNAリガーゼを含有する1×T4ライゲーショ ン緩衝液(50mMトリス/HCl(pH7.5)、10mM MgCl2 、5 mM DTT、1mM ATP) (合計容量10−15μl)中でライゲーシ ョンした。ベク ター:挿入断片のモルDNA比は、1:4又は1:8であった。DNAの絶対量 は、20−50ngであった。インキュベーション時間: 14℃で16時間、 又は25℃で5時間。 実施例4.1.6 大腸菌の形質転換 コンピテント大腸菌DH5α細胞を、Hanahan(J. Mol. Biol.166 (1983),557) にしたがって調製した。Maniatisら(上掲)に記載されたようにして形質転換を 行った。 実施例4.1.7 DNAの調整 プラスミドDNAを、Birnbaum and Doly (上掲)にしたがって調製した。 実施例4.1.8 サザンブロット分析 サザンブロット分析を、実施例3で述べたのと同一の条件を使用して実施した 。 実施例4.1.9 DNA配列の分析 Sangerら(PNAS, 74 (1977), 5463) の方法にしたがって、DNAの配列決定を 行った。プラスミドDNAのみの配列を調べた。T7−DNAポリメラーゼ・シ ークエンシング・キット (T7-DNApolymerase sequencing kit) (ファルマシア )を使用した。放射性ヌクレオチドは〔α−35S〕−dATP(比活性600C i/mmol)を使用した。実施例4.2 ORFの同定 この実施例は、pDM3の制限分析、オリゴヌクレオチドA、 B、又はCによって認識される各種DNA断片の同定、及びそれらのサブクロー ニングを開示する。これらのサブクローンの配列を決定することによって、OR Fを同定することが可能となった。 実施例4.2.1 オリゴA、B、又はCとハイブリダイズするpDM3DNA 断片のサブクローニング pDM3DNAを、EcoRI、Xho I、およびEcoRI−XhoIで 消化した。オリゴA、B、又はCを標的として用い、サザンブロット分析を行っ た。 オリゴAは3.0kbのEcoRI断片を認識し、オリゴBおよびCは1.1 kbのEcoRI−XhoI断片を認識する。3.0kbのEcoRI断片(E coRIで直鎖状とし、脱リン酸化したもの)を、pUC19にサブクローニン グした。1.1kbのEcoRI−XhoI断片(EcoRI−SalIで直鎖 状とし、脱リン酸化したもの)を、pUC18にサブクローニングした。制限分 析、及びオリゴA又はオリゴB/Cをそれぞれ使用したサザンブロット分析によ って、適当なサブクローンを同定した。 3.0kbのEcoRIサブクローンを、pMT4と称し、1.1kbのEc oRI−XhoIサブクローンを、pMT1と称することとした。さらに、いく つかの互いに異なった制限エンドヌクレアーゼ(たとえば、PstI、Hind IIIおよびBglII)を使用して、pMT4及びpMT1を制限分析した。 オリゴA又はオリゴB/Cを使用してサザンブロット分析を行うことにより、O RFとなりうる正確な領域を特定した。 図1に、pDM3、pMT4及びpMT1の制限地図を示す。 実施例4.2.2 配列の分析 プラスミドpMT4及びpMT1のDNA挿入断片の配列を、pUC19/p UC18のポリリンカーに隣接してプライミングする普遍プライマー及び逆プラ イマーを使用して両端から決定した。オリゴA、BおよびCも、配列決定用プラ イマーとして使用した。配列決定のデータから、pMT1の挿入断片の両側に、 約400bpのORFが存在することがわかった。逆プライマーを用いて配列決 定したところ、pMT4も約200bpのORFを示した。こうした配列決定の データを使用することにより、アミノ酸配列を推定することができた。このアミ ノ酸配列は、92kDaのタンパク質のペプチドの分析によってわかっていたペ プチド配列を示した(ピーク15、23、34と対応するペプチドが見いだされ た)。これらのデータから、遺伝子の5’/3’の向きを予測することができた 。 pUC18/19の普遍及び逆プライマーを使用して、これら以外にもいくつ かのサブクローンを構築し、配列決定を行った(図2)。 配列決定に際しては、以下のオリゴデオキシヌクレオチドも使用した。 これらのオリゴデオキシヌクレオチドは、新たに配列決定したDNA断片の一 部を表すものである。 遺伝子の5’末端領域の配列を決定するため、ベクターpMT4のexoII I/緑豆欠失を作製した。pMT4を、SphIを用いて直鎖状とした(3’重 複)。次に、BamHIを用いてプラスミドを切断した(5’重複)。 エキソヌクレアーゼIIIによる欠失は、Roberts and Lauer ( Meth. Enzymol. 68, (1979), 473)、 Henikoff (Meth. Enzymol. 155 (1987), 156) にしたがって実施した。 重複末端は、緑豆ヌクレアーゼによって取り除いた。得られたプラスミドを、 HindIIIおよびEcoRIを使用した、制限分析によって分析した。 クローンの配列分析は、pUC19の逆プライマーを使用して実施した。図3 に配列決定戦略を示す。図4に配列データを示す。実施例5: ノーザンブロット分析: マンノシルトランスフェラーゼをコード しているmRNAの同定 実施例5. 1 方法 実施例5. 1. 1 RNAの単離 全RNAを、Domdeyら(Cell 39 (1984), 611) にしたがって、酵母の系統SE Y2101(Mat a、ade2−1、leu2−3、112、ura3−5 2)(Emr et al.,PNAS 80(1983),7080 ) から単離した。実施例5.1.2 ノーザンブロット 全RNAを、ホルムアルデヒドアガロースゲルを使用して分離し、Maniatisら (上掲)に記載されたようにして、ニトロセルロースにブロットした。実施例5.1.3 DNA−標的 pTM1の1.1kbの挿入断片を、EcoRI−PstIでの消化によって 単離した。断片を、「ジーン・クリーン・キッ ト」 (ストラタジーン)を使用して精製した。 200ngのDNA断片を、「メガプライム(megaprime )」標識キット(アマ シャム)を製造業者の取扱説明書にしたがって使用して、〔α32P〕−dCTP (50μCi)で標識した。実施例5.2 結果 ニトロセルロースフィルターを、20mlの5×デンハート溶液、2×SSC 、0.1%SDS(w/v)、50%ホルムアミド(v/v)、0.1mg/m lのサケ精子DNA中で、42℃で2時間にわたって予備的にハイブリダイズさ せた。ハイブリダイゼーションを、10mlの1×デンハート溶液、2×SSC 、0.1%SDS(w/v)、50%ホルムアミド(v/v)、0.1mg/m lのサケ精子DNA、200μgの〔α32P〕−dCTPで標識したpMT1の 1.1kbのEcoRI−PstI断片中で、42℃で16時間にわたって行っ た。洗浄は、50mlの0.1×SSC、0.1%SDS(w/v)中で、室温 で2回、50℃で2回行った。標的のハイブリダイゼーションは、X線フィルム への暴露(−70℃、16時間)によって検出した。長さ3kbの単一のmRN Aが検出された。 当業者であれば、図4の配列に由来する別のプローブと、別の起原(別の菌類 細胞)から得たRNAとを使用して、以上の過程を容易に繰り返すことができる 。実施例6: O−グリコシル化活性を有さないS.セレビシエ細胞の調整 コード配列の1595塩基対に位置する、同定したORFのHindIII制 限部位にURA3遺伝子を挿入することにより、O−グリコシル化活性を有さな いS.セレビシエ細胞を遺伝子破壊により調製した。実施例6.1 遺伝子破壊に使用するプラスミドの構築 pMT1の1.1kbの挿入断片を、EcoRI−PstI断片として単離し 、pUC18ベクター (EcoRI/PstIで直鎖状とし、脱リン酸化。ポ リリンカーにHindIII部位を有さない。)にサブクローニングした。得ら れたベクターをpMT1.1と称することとした。 pMT1.1を、HindIIIで直鎖状とし、脱リン酸化した。S.セレビ シエのURA3遺伝子を含有するYEp24 (Julius et al., Cell 37 (1984), 1075 ) の1.1kbのHindIII断片を単離し、HindIIIで直鎖状 とし、脱リン酸化したベクターpMT1.1にサブクローニングした。クローン を制限分析で同定し、pMT1.1/URA3と称することとした(図5)。 pMT1.1/URA3は、URA3遺伝子の一方の側に隣接して0.24k bのpMT1のコード配列を有しており、他方の側に隣接して、0.86kbの pMT1のコード配列を有している。pMT1.1/URA3のCsCl−DN Aを、Maniatisら(上掲)にしたがって調製した。実施例6. 2 酵母の形質転換 40μgのpMT1.1/URA3のCsCl−DNAを、SphI/Eco RIで消化した。完全に消化されているかどうかを調べるために、消化したDN Aの一部を、DNAアガロースゲル上で分析した。次に、消化物をフェノール化 し、98%のEtOHでDNAを沈殿させた (Maniatisら、上掲)。DNAを、 10μlのTE(pH8.0)に再度溶解した。 S.セレビシエの系統であるSEY2101/2102(Mat a/α、u ra3−52、leu2−3、112、)( Emrら、上掲)及びSEY2101 (Mat a、ura3−52、leu2−3、112、ade2−1)を、It o ら (J. Bacteriol.153 (1983), 163 ) の方法にしたがって、5μlのEco RI/SphIで消化したベクターpMT1.1/URA3で形質転換した。 SEY2101/2102の形質転換体を、最小培地+Leu上で選択し、S EY2101の形質転換体を、最小培地+Leu,+Ade上で選択した。 30℃で3−4日後形質転換体を拾いだし、同じ培地上で2回目の平板培養を 行うことができた。実施例6.3 形質転換体のゲノムのサザンブロット 3種の半数体の形質転換体と野生型細胞のゲノムDNAを、Hoffmann and Win ston (Gene, 57 (1987), 267) に記載されたようにして単離した。1μgのゲノ ムDNAをXhoI/EcoRIで消化し、アガロースゲル上で分離し、Maniat isら、(上掲)に記載されたようにしてニトロセルロースにブロットした。 ブロットを、20mlの5×デンハート溶液、2×SSC、0.1%SDS (w/v)、0.1mg/mlのサケ精子DNA、50%ホルムアミド(w/v )中で、42℃で4時間にわたって予備的にハイブリダイズした。 ハイブリダイゼーションを、10mlの同一の溶液中で、〔α32P〕−dCT Pで標識したpMT1の1.1kbのEcoRI/PstI断片(実施例5.1 .3参照)200ngを加えて、42℃で16時間にわたって行った。洗浄は、 50mlの2×SSC、0.1%SDS(w/v)中で室温で2回、50mlの 1×SSC、0.1%SDS(w/v)中で68℃で2回行った。X線フィルム によって信号を検出した。野生型の細胞は1.1kbで単一の信号を示し、Ec oRI/XhoI断片がURA3挿入断片を有していないことが示された。破壊 した系統ではこの信号は検出されず、この信号のかわりに、新たな2.2kbの 断片が1.1kbの標的によって認識され、1.1kbのEcoRI/XhoI 断片が1.1kbのURA3断片を担持していることが示された。実施例7: 変異体の特徴づけ 実施例7.1 生育 SEY2101の野生型の細胞を、YPD(10g/1の酵母エキス、10g /1のペプトン、20g/1のデキストロース)、又は最小培地+Ade,+L eu,+Uraのいずれかの上で生育させた。SEY2101のPMT1::U RA3変異型細胞を、YPD及び最小培地+Ade,+Leu,上のいずれかで 生育さ せた。細胞は、水浴振とう装置中で30℃にて生育した。細胞を超音波処理して から、30分おきにOD578を測定した。野生型の細胞と変異型の細胞は、双 方の培地上でほぼ同一の生育を示すが、変異型の細胞は、場合によっては互いに 付着する。しかし、付着した細胞は、超音波処理(30秒、水浴を超音波処理) によって容易に分離することができる。これらの細胞の生育特徴を下記に示す。 ・世代時間 野生型: 99分 変異型: 93分 ・細胞数 野生型: 1 OD=1.9×107 変異型: 1 OD=1.9×107 ・倍加速度 野生型: 0.61/時 変異型: 0.65/時 対数成長している培養では、野生型の細胞の54.7%と、変異型の細胞の5 6%が出芽を示す。YPD上で24時間生育させたところ、野生型の細胞は、O D578が11.4に達し、変異型の細胞は、12.3に達した。実施例7. 2 インビトロでのマンノシルトランスフェラーゼの活性及びウェ スタンブロット 実施例7.2.1 膜粗製物の調製 SEY2101を、100mlの最小培地+Ade+f+Leu+Ura上で 、OD578=0.5となるまで生育させた。SEY2101のPMT1::U RA3を、100mlの最小培地+Ade,+Leu上で、OD578=0.5 となるまで生育させた。 各系統について二重に調製を行った。作業は氷浴上で行い、緩衝液は、いずれ も4℃とした。40ODの細胞をペレット化し、25mlのTMA(50mMト リス/HCl(pH7.5)、7.5mM MgCl2 )中で洗浄した。細胞を 、100μlのTMAに再度懸濁し、バイオラックスチューブに移した。0.3 gのガラスビーズを加え、ボルテックス上で、30秒間にわたって4回、(破砕 の合間には氷浴上で冷却しつつ、)細胞を破砕した。パスツールピペットを使用 して、抽出物をガラスビーズから除去した。ガラスビーズは、250μlのTM Aで3回洗浄した。洗浄液は、すべてエッペンドルフカップにプールした。溶液 を、15秒間遠心分離した(10,000×g)。上清を取り除き、ペレットを 40μlのTMAに再度懸濁した(1OD=1μl)。 実施例7.2.2 マンノシルトランスフェラーゼの検定(インビトロ) 1μlおよび5μlの膜粗製物(実施例7.2.1)の酵素活性を、Strahl-B olsinger and Tanner (上掲)に記載されたようにして調べた。野生型及び変異 型の細胞の、2つの並行な試料を測定した。下記に示すのは、これらの2つの独 立した測定の平均値である。 野生型の細胞とは対照的に、変異型の細胞は、インビトロでのマンノシルトラ ンスフェラーゼ活性を示さない。 実施例7.2.3 ウェスタンブロット分析 膜(実施例7.2.1の生成物、1μl)を、20μlのSDS試料緩衝液中 で、室温にて1時間インキュベートした。次に、Strahl-Bolsinger and Tanner (上掲)に記載されたようにして、SDS/PAGE及びウェスタンブロットを 実施した。抗体を検出するにあたっては、ペルオキシダーゼECLキット (Pero xidase ECL kit) (アマシャム)を製造業者の取扱説明書にしたがって使用した 。92kDaのタンパク質に対する抗体が、野生型の膜の92kDaのタンパク 質と特異的に反応する。変異型の膜では、この92kDaの信号が検出されない 。実施例7.3 インビボでのO−グリコシル化 インビボでのO−グリコシル化について調べる目的で、野生型及び変異型の細 胞を、〔3 H〕−マンノースの存在下で生育させた。次に、粗製の細胞壁+膜の 分画を単離し、β脱離によって、O−グリコシル化した物質を放出させた。 実施例7.3.1 〔3 H〕−マンノースによる処理 野生型及び変異型の細胞を、スクロースを唯一の炭素源として含有する最小培 地で一晩生育させた。7.5ODの培養物(OD578=1−2)をペレット化 し、5mlの水(30℃に予熱)で洗浄した。細胞を、5mlのYP/0.5% のスクロース/250μCi〔3 H〕−マンノース中で、水浴振とう装置中で、 30℃にて2時間生育させた。 実施例7.3.2 細胞壁及び膜粗製物分画の単離 5ODの〔3 H〕−マンノース処理細胞を遠心分離し、1mlのTMAで3回 洗浄した。細胞を200μlのTMAに再度懸濁し、実施例7.2.1に記載し たようにして、ガラスビーズで破砕した(取り込まれた物質全体に対応する放射 活性をカウントするため、10μlの試料を使用した)。次に、抽出物を15分 間遠心分離(10,000×g)し、上清を除去した(可溶性物質に対応する放 射活性をカウントするため、100μlの試料を使用した)。 実施例7.3.3β−脱離 得られたペレットを、1mlの0.1N NaOHに再度懸濁 した(β脱離が生じる前の物質に対応する放射活性をカウントするため、10μ lの試料を使用した)。インキュベーションは、30℃で24時間維持した。 実施例7.3.4β−脱離を生じた物質の分析 β−脱離を生じた物質を、ドウェックス(Dowex) 50WS8/H+カラム(0 .5cm×6cm)によって脱塩した。カラムを、0.5Mのマンノースで飽和 させ、H2O中で平衡化させた。β脱離を生じた試料をカラムに充填し、1.5 μlのH2Oで洗浄した。流出物を集め(β脱離を生じた物質に対応する放射活 性をカウントするため、100μlの試料を使用した)、スピードバック(speed -vac )中で10μlまで濃縮した。70:15:15のアセトン:ブタノール: H2Oにおける、シリカゲル60(メルク(Merck))上で薄層クロマトグラフィー を行った。標品:マンノース、スクロース、スタキオース、ラフィノース。クロ マトグラフィーをもう一度繰り返した。糖は、100mlの1N NaOH中の 0.5gKMnO4を用いて検出した。放射活性は、薄層スキャナー (バーソル ド(Berthold) ) によって検出した(図6)。 変異型の細胞は、野生型の細胞と比べて、低減したグリコシル化を示す。変異 型細胞でのO−グリコシル化は、野生型細胞でのO−グリコシル化より、約40 −50%低い。実施例8: クルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)のPMT1 相同物のクローニング 菌類の宿主細胞中で異種タンパク質の製造を望むときは、酵母であるS.セレ ビシエを選択の系として使用した。しかし、近年になって、特に生成物を培養液 中に分泌させることが要求されているときは、パン酵母の生産性が往々にして限 定されることが示された。したがって、多くの事例で、S.セレビシエ以外の菌 類の系を使用することが好適となっている〔Romanos et al., Yeast 8 (1992),4 23-488; Fleer, Curr. Opinion Biotechnol. 3 (1992) 486-496 を参照〕。パン 酵母を代替しうる酵母宿主の一つが、クルイベロミセス(Kluyveromyces) 属によ って代表され、このクルイベロミセス属は、商業上重要ないくつかのタンパク質 について、分泌量が優れていることが見いだされている〔たとえば、Van den Be rg et al., Bio/Technology 8 (1990), 135-139〕。以 下の実施例が例証するのは、S.セレビシエから単離されたPMT1遺伝子の配 列は、他の菌種で同様の酵素活性をコードしている遺伝子を同定するために有利 に使用することができるので、本発明はパン酵母に限定されるものではないとい うことである。さらに、本発明で明らかとなった配列情報は、S.セレビシエ中 の、マンノシルトランスフェラーゼをコードする関連遺伝子を同定するためにも 使用することができる。実施例8.1 PMT1関連遺伝子を増幅するための縮重PCRのプライマーの 設計 相同な遺伝子を増幅する際のPCRプライマー〔Polymerase-catalyzed Chain Reaction, Saiki et al., Science, 230 (1985)1350-1354; Mullis & Faloona , Meth. Enzymol. 155 (1987) 335-350〕を設計するため、マンノシルトランス フェラーゼタンパク質の中央の親水性の領域に対応する、PMT1のヌクレオチ ド配列の領域を選択した。増幅に際しては、これらの合成オリゴヌクレオチドを 、標的DNAとハイブリダイズ(アニーリングとも称される)させることが必要 となる。ゲノムDNAの個々の領域を増幅するに際しての特異性は、PCRの反 応条件、及び増幅を行うべきヌクレオチド配列とプライマーとの間の相同性の程 度に依存する。アニーリング工程に引き続いて、熱に安定なDNAポリメラーゼ を使用してプライマーを伸長させる。一旦相補鎖が重合されると、2本鎖を熱変 性によって分離し、新たなアニーリング及び重合のサイクルを開始し得る。 PMT1相同物をPCRで増幅するためのプライマーとして適 したオリゴヌクレオチドの4つの例を、下記の表2に示す。 これらの「縮重」オリゴヌクレオチドを設計するにあたっては、同一のアミノ 酸の新生ポリペプチド鎖への取り込みに関する情報を、数種のコドンが担ってい る可能性があり、トリプレットの第3番目の(「ゆらぎ」)位置で変異が生じて いることが最も多いことを考慮した。したがって、各プライマーは、各種のオリ ゴヌクレオチドの混合物を示し、配列中のYはC又はTを表し、RはA又はGを 表し、NはA、C、G又はTを表すものである。実施例8.2 K.ラクティスのゲノムDNAのPCRによる増幅 K.ラクティスの系統であるCBS2359のゲノムDNAを、Sherman ら〔 “Methods in Yeast Genetics”, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1986 ) p127〕に記載されたようにして調製した。10ngのゲノムDNAを、標準的 なPCR反応〔Sambrock et al.,“Molecular Cloning - A Laboratory Manual ”, Second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)〕に、 1μgの各プライマー及び5%の脱イオン化ホルムアミドの存在下で使用した。 増幅は、「DNAサーマルサイクラー (DNA Thermal Cycler) (パーキン・エル マー・シータス(Perkin Elmer Cetus))、及び「アンプリタックDNAポリメラ ーゼ (AmpliTag DNA Polymerase) (パーキン・エルマー・シータス、5単位 /反応チューブ)を使用することによって実施した。変性、アニーリング、及び 重合(30サイクル)の条件は、最初のサイクルで変性を5分間行った以外は、 それぞれ、91℃(1分)、42℃(2分)、及び72℃(3分)とした。上掲 のプライマーを使用したPCRによる増幅の結果を、下記の表3に示す。 これらの結果は、S.セレビシエのPMT1遺伝子と相同なK.ラクチスの遺 伝子について期待されたサイズと同一のサイズを示す断片を得ることができるば かりでなく、さらに、密接に関連した酵素活性をコードしている別の遺伝子に対 応する可能性が高いDNA断片を、高い特異性をもって増幅しうることも示す。実施例8.3 K.ラクティスのPMT1相同物の部分配列の特徴づけ Sq3908+Sq3910のプライマーの組み合わせによって増幅された4 00bpの断片を、ベクターpCRII (TAクローニング (TA Cloning) ( 登録商標)、インビトロゲン社 (Invitrogen Corp.) )に、供給業者の説明書に したがってサブクロ ーニングし、普遍プライマーを用いて、実施例4.1.9に記載した方法にした がって部分的に配列を決定した。得られた配列を図7に示す。S.セレビシエの PMT1遺伝子と、PCRによる増幅によりK.ラクチスのゲノムDNAから単 離した断片との間で配列を比較すると、ヌクレオチド及びアミノ酸のレベルで、 それぞれ、75%及び80.5%の同一性が示された(図8)。増幅した400 bpのDNA断片は、選択可能なマーカー遺伝子を、K.ラクチスのPMT1染 色体遺伝子座に、実施例6に記載した実験と同様にして送達し、それによって破 壊された遺伝子を得る際に使用することができる。この過程によって、Ser/ Thr特異的なマンノシルトランスフェラーゼ活性が低減したK.ラクチスの遺 伝子が得られる。また、増幅した断片は、K.ラクチスの全PMT1遺伝子を標 準的手法を使用してクローニングするため、相同ハイブリダイゼーションのプロ ーブとして使用し得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フレール,ラインハルト フランス国 エフ―91440 ビュール―シ ュール―イヴェット,アベニュー ボーゼ ジュール 47番地 (72)発明者 フールニール,アラン フランス国 エフ―92000 シャトネー マラブリー アベニュー サラングロ 28 番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞のDNA配列内に遺伝学的変異を有しており、その変異によって、少な くとも、O−グリコシル化に対する許容性が低減した菌類細胞。 2.上記変異が、任意の抑制、置換、欠失、付加、破壊、および/または突然変 異による挿入である請求の範囲第1項に記載の菌類細胞。 3.上記変異が、分離の間も安定で、および/または非復帰性で、および/また は非漏出性である請求の範囲第2項に記載の菌類細胞。 4.上記の変異が、細胞のDNA配列の少なくとも1つのコード領域に位置して いる請求の範囲第1ないし3項のいずれかに記載の菌類細胞。 5.上記の変異が、遺伝子の発現および/または転写調節を支配するか、または それらに関与する少なくとも1つの領域に位置している請求の範囲第1ないし3 項のいずれかに記載の菌類細胞。 6.上記遺伝子が、その発現生成物が0−グリコシル化経路の酵素である請求の 範囲第4または5項に記載の菌類細胞。 7.O−グリコシル化に対する許容性の低減が、不活性な酵素の生成、生物学的 特性が変化した酵素の生成、上記酵素の生成の欠如、又は、上記酵素の低レベル での生成である請求の範囲第6項に記載の菌類細胞。 8.上記遺伝子が、その発現生成物がセリン又はトレオニンアミノ酸のヒドロキ シル基への、マンノシル残基の結合に関与するもの である請求の範囲第6項に記載の菌類細胞。 9.上記遺伝子が、その発現生成物がマンノシル残基のDol−P−Man供与 体からセリン又はトレオニンアミノ酸のヒドロキシル基への転移に関与するもの である請求の範囲第8項に記載の菌類細胞。 10.上記遺伝子が、配列を図4に示す、Dol−P−Man:タンパク質(S er/Thr)のマンノシルトランスフェラーゼ〔PMT1〕をコードする遺伝 子、又は同一の活性をコードする任意の相同な遺伝子である請求の範囲第9項に 記載の菌類細胞。 11.さらに、マンノシル残基のその後の付加、又はマンノシル残基の供与体( Dol−P−Man)の合成に関与する少なくとも1つの遺伝子の変異を含む請 求の範囲第8ないし10項のいずれかに記載の菌類細胞。 12.外来DNA配列が導入された、前記請求の範囲のいずれかに記載の菌類細 胞。 13.外来DNA配列が、菌類細胞中で発現および/または分泌すべき所望のタ ンパク質をコードする、少なくとも1つの遺伝子を有する請求の範囲第12項に 記載の菌類細胞。 14.上記DNA配列が、所望のタンパク質をコードする上記DNA配列の5’ 末端に連結した転写および翻訳開始領域を含む発現カセットに含まれるものであ る請求の範囲第13項に記載の菌類細胞。 15.上記転写及び翻訳開始領域が、菌類細胞の遺伝子由来のプロモーターから 選ばれたものである請求の範囲第14項に記載の菌類細胞。 16.上記発現カセットが、さらに、所望のタンパク質をコードするDNA配列 の3’末端に転写および翻訳停止領域を含む、請求の範囲第14項に記載の菌類 細胞。 17.上記発現カセットが、新生タンパク質を上記菌類細胞の分泌経路に誘導す る目的で、さらに所望のタンパク質配列のN末端にシグナルペプチド(プレ配列 )を含む請求の範囲第14項に記載の菌類細胞。 18.外来DNA配列が、上記菌類細胞中で自律的に複製し得るか、又は細胞自 体のDNA配列(染色体)に組み込まれ得る、いずれかのベクターの一部である 請求の範囲第12ないし17項のいずれかに記載の菌類細胞。 19.菌類細胞が、糸状菌又は酵母から選ばれるものである、前記の請求の範囲 のいずれかに記載の菌類細胞。 20.糸状菌が、アスペルギルス(Aspergillus) 、トリコデルマ(Trichoderma) 、ムコール(Mucor) 、ノイロスポラ(Neurospora)、フザリウム(Fusarium)などか らなる群から選ばれる請求の範囲第19項に記載の菌類細胞。 21.酵母が、クルイベロミセス(Kluyveromyces) 、サッカロミセス(Saccharom yces) 、ピキア(Pichia)、ハンゼヌラ(Hansenula)、カンジダ(Candida) 、シゾ サッカロミセス(Schizosaccharomyces) などからなる群から選ばれる請求の範囲 第19項に記載の菌類細胞。 22.酵母が、クルイベロミセス(Kluyveromyces) 、サッカロミセス(Saccharom yces) 、ピキア(Pichia)、ハンゼヌラ(Hansenula)、およびカンジダ(Candida) からなる群から選ばれ、さらに好ま しくは、クルイベロミセスおよびサッカロミセスから選ばれる請求の範囲第21 項に記載の菌類細胞。 23.請求の範囲第12ないし22項に記載の菌類細胞を外来DNA配列が発現 され、かつ、生成物が回収される条件下で培養する、組換え生成物の製造方法。 24.上記生成物が、培養液中に分泌されるものである請求の範囲第23項に記 載の方法。 25.上記生成物が、菌類細胞によるO−グリコシル化を受けやすいものである 請求の範囲第23または24項記載の方法。 26.タンパク質のセリン又はトレオニンアミノ酸のヒドロキシル基への、マン ノシル残基の結合に関与する酵素をコードするDNA断片。 27.配列が図4に示されたDol−P−Man:タンパク質(Ser/Thr )マンノシルトランスフェラーゼ遺伝子、又はそれらの任意の断片もしくは誘導 体を含む請求の範囲第26項に記載のDNA断片。 28.図7に示す配列の全部又は一部を含む請求の範囲第26項に記載のDNA 断片。 29.菌類細胞の相同な遺伝子を得るための、ハイブリダイゼーションのプロー ブとして、または変異型表現型を補うにあたっての、請求の範囲第26もしくは 27項に記載のDNA断片またはそれらの任意の一部の使用。 30.Sq3908、Sq3909、Sq3910、およびSq3911のDN A断片。
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