JPH08500908A - キャリヤーとして電子写真法に適当な粒子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ａ）磁性核と、ｂ）酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化珪素、酸化錫もしくは酸化ジルコニウムまたはその混合物からの殻とからなる、キャリヤーとして電子写真法に適当な新規の粒子（Ｉ）、ならびにａ）磁性核と、ｂ）チタンテトラアルコラートをガス相中で水蒸気および／または酸素との反応によって運動している核の存在下に分解することにより得ることができる酸化チタンからの殻とからなる、キャリヤーとして電子写真法に適当な他の新規の粒子（II）、前記粒子の製造法、ならびに電子写真用の２成分系現像剤への前記粒子の使用。

Description

【発明の詳細な説明】 キャリヤーとして電子写真法に適当な粒子 本発明は、 ａ）磁性核と、 ｂ）酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化 珪素、酸化錫もしくは酸化ジルコニウムまたはその混合物からの殻とからなる、 キャリヤーとして電子写真法に適当な新規の粒子（Ｉ）に関する。 更に、本発明は、 ａ）磁性核と、 ｂ）チタンテトラアルコラートをガス相中で水蒸気および／または酸素との反応 によって運動している核の存在下に分解することにより得ることができる酸化チ タンからの殻とからなる、キャリヤーとして電子写真法に適当な他の新規の粒子 （ＩＩ）に関する。 更に、本発明は、前記粒子の製造法、ならびに電子写真用の２成分系現像剤を 製造するための前記粒子の使用および該粒子を含有する電子写真用の２成分系現 像剤に関する。 ２成分系現像剤は、電子写真複写装置およびレーザープリンターの場合に電子 写真法により発生される潜像を現像するために使用され、かつ通常キャリヤー粒 子およびトナー粒子からなる。キャリヤー粒子は、一般に２０〜１０００μｍの 大きさを有する磁性粒子である。トナー粒子は、本質的に色形成成分および結合 剤からなり、かつ約５〜３０μｍの大きさである。 静電潜像は、複写処理の際に静電帯電された光伝導体ローラをオリジナルから 反射された光で選択的に露光することによって発生される。このことは、レーザ ー印刷機の場合には、レーザー光によって行なわれる。 静電潜像を発生させるために、トナー粒子は、扇形磁石の磁力線に沿って整列 されたキャリヤー粒子である“磁気ブラシ”により光伝導体ローラに運搬される 。この場合、トナー粒子は、静電的にキャリヤー粒子に付着し、かつ運搬の際に 磁界内でキャリヤー粒子を摩擦させることによって対向した静電帯電を生じる。 こうして磁気ブラシによって光伝導体ローラ上に移されたトナー粒子は、“トナ ー像”を生じ、引続きこのトナー像は、静電帯電された紙の上に転写され、かつ 固着される。 この場合、使用されるキャリヤー粒子には、一連の要求が課されている：この キャリヤー粒子は、磁性化可能でなければならず、即ち磁気ブラシの迅速な構成 を可能にする。更に、このキャリヤー粒子の表面は、扇形磁石と光伝導性ローラ との間の短絡を阻止するために僅かな伝導性を有していなければならない。この 伝導性は、現像剤の摩擦電気的帯電を長時間一定に保 持するためにキャリヤーの長い動作時間に亘って一定のままでなければならない 。また、もとより、キャリヤー粒子は、さらさらしていなければならず、かつ現 像剤貯蔵容器中で塊状化してはならない。 この要求を満足させるために、硬質磁性材料または殊に軟質磁性材料からなる キャリヤー粒子は、一般に被覆されていなければならない。 欧州特許出願公開第３０３９１８号公報の記載から、鋼キャリヤーおよびフェ ライトキャリヤーを酸化鉄または二酸化チタンで被覆することは公知であり、こ の場合この酸化鉄または二酸化チタンは、鉄ペンタカルボニルもしくは四塩化チ タンをガス相から酸化分解または加水分解することによってキャリヤー粒子上に 析出される。 更に、また、キャリヤー粒子の表面を重合体、殊に重合体フルオル炭化水素で 被覆するかまたは金属性キャリヤー粒子の表面を酸化によって不動態化すること は、公知である。 しかし、最後に記載した被覆法は、数多くの欠点を有する。一定で十分な厚さ の層は、製造するのが困難なだけでなく、さらに重合体で被覆されたキャリヤー は、キャリヤー表面上の重合体層の劣悪な付着のために僅かな寿命のみを有する 。 本発明の課題は、有利な使用特性を示す、電子写真法のための新規のキャリヤ ーを提供することであり、 ひいてはそれぞれ使用されるトナーに対してキャリヤーの最適な一致を可能にす る可能性を得ることに基づくものであった。 この課題の解決のため、 ａ）磁性核と、 ｂ）酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化 珪素、酸化錫もしくは酸化ジルコニウムまたはその混合物からの殻とからなる、 キャリヤーとして電子写真法に適当な新規の粒子（Ｉ）が見い出された。 更に、揮発性のアルミニウム化合物、クロム化合物、モリブデン化合物、タン グステン化合物、珪素化合物、錫化合物および／またはジルコニウム化合物を水 蒸気および／または酸素との反応によってガス相中で運動している核の存在下に 分解することによって特徴付けられる、粒子（Ｉ）の製造法が見い出された。 更に、 ａ）磁性核と、 ｂ）チタンテトラアルコラートをガス相中で水蒸気および／または酸素との反応 によって運動している核の存在下に分解することにより得ることができる酸化チ タンからの殻とからなる、キャリヤーとして電子写真法に適当な他の新規の粒子 （ＩＩ）、ならびにそれによって定義される粒子（ＩＩ）の製造法が見い出され た。 もとより、電子写真用２成分系現像剤および粒子を含有する電子写真用２成分 系現像剤を製造するための粒子（Ｉ）および（ＩＩ）の使用は、見い出されてい た。 本発明によれば、キャリヤーとして電子写真法に適当な粒子（Ｉ）および（Ｉ Ｉ）の核は、常用の軟質磁性材料、例えば鉄、鋼、マグネタイト、フェライト（ 例えば、ニッケル／亜鉛フェライト、マンガン／亜鉛フェライトおよびバリウム フェライト）、コバルトおよびニッケルならびにこれらの金属または金属化合物 の通常当該目的のために使用される重合体樹脂を埋封した粒子からなることがで きる。更に、硬質磁性材料、例えばストロンチウムフェライトもしくはバリウム フエライトまたはネオジム鉄硼化物が適当である。 キャリヤー（Ｉ）の場合、核は付加的に酸化鉄および／または酸化チタンまた はその混合物で被覆されていてもよく、キャリヤー（ＩＩ）の場合には、酸化鉄 で被覆されていてもよい。この種の被覆は、上記の欧州特許出願公開第３０３９ １８号公報に記載されている。 キャリヤー核（Ｉ）および（ＩＩ）の本発明による金属酸化物殻は、概して次 の酸化物から構成されている：酸化アルミニウム（ＡＩ₂Ｏ₃）、酸化クロム（Ｉ ＩＩ）（Ｃｒ₂Ｏ₃）、酸化モリブデン（ＶＩ）（ＭｏＯ₃）、酸化タングステン （ＶＩ）（ＷＯ₃）、二酸化 珪素（ＳｉＯ₂）、二酸化亜鉛（ＳｎＯ₂）および二酸化ジルコニウム（ＺｒＯ₂ ）ならびにキャリヤー（ＩＩ）の場合に二酸化チタン（ＴｉＯ₂）。更に、別の 酸化段階での金属の酸化物ならびに塩基性酸化物は、製造法に応じて一般にせい ぜい微少量で含有されている。また、キャリヤー（Ｉ）の酸化物殻は、順次また は同時に析出される記載された酸化物の混合物ならびに混合酸化物からなること ができる。 酸化物殻の厚さは、それ自体重要なものではない。原理的に極めて薄手の層も 厚手の層も可能である。酸化物殻の最適な厚さは、そのつどの使用目的に関係す る。一般に、この厚さは、約２ｎｍ〜５００ｎｍ、特に１０ｎｍ〜２００ｎｍで ある。 酸化物殻の形成のために、キャリヤー（Ｉ）および（ＩＩ）を製造するための 本発明による方法の場合には、相応する金属の揮発性の化合物は、加水分解的お よび／または酸化的にガス相中で被覆すべきキャリヤー核の存在下に分解される （“化学蒸着”）。 この場合には、有利に相応するカルボニル、ハロゲン化物およびアルコラート が使用される。 特に有利なのは、ハロゲン化物の場合には塩化物であるが、しかし、臭化物お よび沃化物、例えば三臭化アルミニウムを使用してもよい。 アルコラートは、芳香族化合物ならびに脂肪族化合物であることができる。こ の場合、有利なのは、例え ばフェノラートおよびベンジルアルコラート、特にＣ₁〜Ｃ₄アルカノラート、例 えばメタノラート、エタノラート、ｎ−プロパノラートおよびイソプロパノラー トならびにｎ−ブタノラート、第三ブタノラートおよびイソブタノラートである 。 特に有利な出発化合物は、クロムヘキサカルボニル、モリブデンヘキサカルボ ニルおよびタングステンヘキサカルボニル、三塩化アルミニウムならびに四塩化 珪素、四塩化錫および四塩化ジルコニウムである。 本発明によれば、酸化チタン、本質的に二酸化チタンで被覆されたキャリヤー （ＩＩ）を製造する場合には、チタンテトラアルコラート、例えばチタンテトラ フェノラート、チタンテトラベンジルアルコラートおよびチタンテトラ−Ｃ₁〜 Ｃ₄−アルカノラート、例えばチタンテトラメタノラート、チタンテトラエタノ ラート、チタンテトラ−ｎ−プロパノラート、チタンテトラ−ｎ−ブタノラート 、チタンテトライソブタノラートおよびチタンテトラ第三ブタノラート、有利に チタンテトライソプロパノラートが使用される。 この場合、カルボニルの分解は、特に酸素または空気での酸化によって行なわ れ、ハロゲン化物およびアルコラートは、有利に水蒸気での加水分解によって酸 素の存在下または不在下で分解される。アルコラートおよびハロゲン化物は、酸 化分解することもできるが、しかし、そのために、殊にハロゲン化物の場合には 、 より高い温度（約２００〜６００℃）が必要とされる。従って、一般に温度安定 性の核、例えば鋼核およびフェライト核のみがこうして実施される被覆に適当で ある。 処理技術的には、有利に次のように行なわれる： キャリヤー核は、差当たり加熱可能な反応容器中、有利に運動している固定床 または渦動床中で不活性ガス、例えば窒素で流動化され、かつ一般に１００〜４ ００℃、有利に２００〜３００℃に加熱される。次に、蒸発された金属化合物は 、不活性ガス、例えば窒素との混合物で、それぞれの反応成分、酸化のための空 気もしくは別の酸素／窒素混合物かまたは加水分解のための窒素もしくは空気の ようなキャリヤーガスと一緒の水蒸気に別々に供給される。この場合、それぞれ キャリヤーガス中の酸素、水蒸気および特に金属化合物の濃度は、金属酸化物を 用いてのキャリヤー表面の均質な被覆を保証するために有利に約５容量％である 。 形成される金属酸化物層の厚さは、勿論、金属化合物の供給される量に左右さ れ、したがって被覆時間により制御されることができる。 更に、生成物は冷却後に搬出されることができ、かつ他の後処理なしに使用す ることができる。 相応する金属化合物のガス相分解によるキャリヤー核の被覆は、本発明による キャリヤーを製造するための好ましい方法である。しかし、この方法は、原理的 に金属塩水溶液または有機溶剤からの金属酸化物または金属水酸化物の沈殿およ び引き続く温度処理によって行なうこともできる。 本発明によるキャリヤーは、均質な耐摩耗性の金属酸化物層を有する。このキ ャリヤーの表面は、望ましい僅かな伝導性を示す。このキャリヤーは、そのつど 使用されるトナーに依存して正のトナー帯電ならびに負のトナー帯電を可能にし 、したがって意図的にそれぞれの使用目的に選択することができる。更に、この キャリヤーは、高い寿命を有し、したがって全体的に有利には市販のトナーと一 緒に電子写真用の２成分系現像剤の製造のために使用することができる。 実施例 Ａ．本発明によるキヤリヤーの製造 粗製キャリヤーの被覆は運動している固定床中で行なわれた。この場合には、 反応容器として、回転蒸発器に固定されている、１０ｃｍの直径を有する５００ ｍｌの石英フラスコを使用した。回転蒸発器のモータ軸を通じて、温度調節可能 な金属ノズルは、フラスコ中のキャリヤー堆積物の中央部に導入され、この場合 この金属ノズルは、２個の別個の水冷却されたガス導入管および気密に設けられ た温度計を備えていた。石英フラスコの加熱は、６リットルの加熱マッシュルー ム（Heizpilz）により行なった。導入管を通じて、ノズルに前接された蒸発容器 中でそれぞれ蒸発した金属 化合物を窒素流中に供給した。第２の導入管を窒素の導入および酸化のための空 気または他の前接された蒸発容器中で水蒸気で負荷された空気の導入に利用した 。 上記の装置中で、“粗製キャリヤー”： Ａ：平均粒径７５〜１８０μｍの球状鋼キャリヤー、型ＴＣ１００（Pometon S. p.A.社、イタリア）、 Ｂ：平均粒径４５〜１０５μｍのフェライトキャリヤー、型ＫＢＮ１００（Hita chi社、日本）または Ｃ：平均粒径２０〜６０μｍのフェライトキャリヤー、型ＣＭ３０−６０ＳＨ（ Hoeganaes社、スウェーデン） ｘ ｋｇを５０ｒｐｍで４０ １／ｈの窒素流中で２５０℃に加熱した。蒸発温 度Ｖ［℃］に加熱した蒸発容器を介して、金属化合物ｙ ｇ （ｍｌ）をｎ ｌ ／ｈの窒素流中でｄ時間装置中に導入した。付加的に酸化のために空気ｓ ｌ／ ｈまたは２０℃に温度調節した第２の蒸発容器を介して加水分解のために水蒸 気で負荷された空気（ｗ ｌ／ｈ）を供給した。 引続き、こうして被覆されたキャリヤーを５０ ｌ／ｈの窒素流の下で冷却し 、かつ搬出した。 試験の詳細ならびに結果は、第１表中に記載されている。 Ｂ.本発明によるキャリヤーの電気抵抗および静電荷可能性の測定 Ｂ．１電気抵抗 例１〜１４からのキャリヤーの電気抵抗をＰＥＳ研究室のＣ計量装置（Dr.R. Epping, Neufahrn）を用いて測定した。そのために、キャリヤー粒子を３０秒間 ９００ガウスの磁界内で１００Ｖの電圧Ｕ。の際に移動させた（容量Ｃ＝１ｎＦ ）。 電気抵抗Ｒを次式により印加された磁界の除去後の時間的な電圧降下から計算 した： Ｒ＝ｔ／［Ｃ／１ｎ（Ｕｏ／Ｕ）］ 但し、次のものを表わす。 Ｒ：電気抵抗［Ω］； ｔ：測定時間［ｓ］； Ｃ：容量［Ｆ］ ； Ｕｏ：測定の開始時の電圧［Ｖ］； Ｕ：測定の終結時の電圧［Ｖ］。 この場合、電気抵抗Ｒは、通常対数計算された値で記載されている。測定結果 は、第２表に記載されている。 Ｂ． ２静電荷率（elektrostatische Aufladbarkeit）Ｑ／Ｍ 例１〜１４からのキャリヤーの静電荷率Ｑ／Ｍを次のトナーに対して測定した ： Ｔ１：市販のジーメンス（Siemens）ＮＤ ２／３− レーザープリンターのための正に帯電可能なトナー； Ｔ２：市販のＩＢＭ−３８２７−レーザープリンターのための負に帯電可能なト ナー； Ｔ３：含量および他の添加剤なしの“ニュートラルトナー（Neutraltoner)”： 実験室用のピン止めされたディスクミル中で２６．７μｍの平均粒径に粉砕し、 かつ３６μｍで篩別されたスチロ １０６２−トナー樹脂； PoIyvinylchemie社、オランダ）。 そのために、キャリヤー粒子を差当たりそれぞれのトナーと重量比９８．５： １．５で混合し、かつガラス容器中で２分間振盪した。その後に、この混合物の 秤量した量を電位計と結合されたハード−ブロー−オフーセル（ＰＥＳ研究所の Ｑ／M、Dr.R.Epping,Neufahrn)中に充填した。このセル中で使用された篩いの目 開きは、４０μｍであり、かつキャリヤーの搬出は行なわれなかったが、しかし トナー粉末は完全に吹いて取り除くことができる程度に選択されていた。トナー を吹いて取り除きかつ吸引した後、電荷を測定し、かつ吹いて取り除かれたトナ ーの重量に対して再び量を秤った。 測定結果は、第２表に記載されている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チェック， エルヴィン 兵庫県神戸市東灘区森北町７丁目20番31号

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ａ）磁性核と、 ｂ）酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化 珪素、酸化錫もしくは酸化ジルコニウムまたはその混合物からの殻とからなる、 キャリヤーとして電子写真法に適当な新規の粒子（Ｉ）。 ２．ａ）磁性核と、 ｂ）チタンテトラアルコラートをガス相中で水蒸気および／または酸素との反応 によって運動している核の存在下に分解することにより得ることができる酸化チ タンからの殻とからなる、キャリヤーとして電子写真法に適当な他の新規の粒子 （ＩＩ）。 ３．請求項１記載の粒子（Ｉ）を製造する方法において、揮発性のアルミニウム 化合物、クロム化合物、モリブデン化合物、タングステン化合物、珪素化合物、 錫化合物および／またはジルコニウム化合物を水蒸気および／または酸素との反 応によってガス相中で運動している核の存在下に分解することを特徴とする、請 求項１記載の粒子（Ｉ）の製造法。 ４．揮発性化合物として金属ハロゲン化物、金属カルボニルまたは金属アルコラ ートを使用する、請求項３記載の方法。 ５．請求項２記載の粒子（ＩＩ）を製造する方法にお いて、チタンテトラアルコラートをガス相中で水蒸気および／または酸素との反 応によって運動している核の存在下に分解することを特徴とする、請求項２記載 の粒子（ＩＩ）の製造法。 ６．電子写真用の２成分系現像剤を製造するための請求項１または２に記載の粒 子の使用。 ７．電子写真用の２成分系現像剤において、請求項１または２に記載の粒子を含 有することを特徴とする、電子写真用の２成分系現像剤。