JPH084427B2 - ホンシメジの人工栽培方法及びそのための培地 - Google Patents
ホンシメジの人工栽培方法及びそのための培地Info
- Publication number
- JPH084427B2 JPH084427B2 JP5290099A JP29009993A JPH084427B2 JP H084427 B2 JPH084427 B2 JP H084427B2 JP 5290099 A JP5290099 A JP 5290099A JP 29009993 A JP29009993 A JP 29009993A JP H084427 B2 JPH084427 B2 JP H084427B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- medium
- temperature
- wheat
- culture
- honshimeji
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Mushroom Cultivation (AREA)
Description
方法及びそのための培地に関する。
れており、シイタケ、ナメコ、ヒラタケ、エノキタケ等
の木材腐朽性キノコ類の人工栽培については、既に実用
化されている。しかし、生木の根の養分を吸収して成長
するホンシメジやマツタケ等の菌根性キノコ類について
は、人工栽培が困難であり、未だに実用的な方法が開発
されていない。
菌根性キノコ類、特にホンシメジを効率良く人工栽培で
きる方法及びそれに使用する実用的な培地を提供するこ
とを目的とする。
使用することにより、ホンシメジの菌糸の定着が可能で
あることを見いだし、本発明を完成した。
に、ホンシメジの菌糸を接種し、30℃以下の温度で培
養することにより、天然と同様のホンシメジの栽培を可
能とするものである。
温度で実施されてもよいが、18〜28℃で第一段の培
養をした後に、培地の温度を前記第一段の温度より3℃
以上低い温度に低下させて第二段の培養を実施するとい
う二段階法によるのが好ましい。この場合、第一段の培
養を20〜25℃程度で実施し、第二段の培養を10〜
18℃程度で実施するのが好ましい。
0重量%以上含有するように調製するのが好ましく、特
に固形分で麦を50〜100重量%含有するように調製
するのがよい。
て公知の培地に使用される固形分や栄養分、例えば木粉
(おがくず)、米糠、ふすま、稲藁、麦藁等を添加して
もよい。特に精麦した麦を粒状のまま使用する場合、麦
粒の間に木粉等を介在させると、麦粒の養分を確実に吸
収しながら、菌糸が伸長し易く、より効率のよい人工栽
培が可能となる。
イムギ、エンバク等がいずれも使用でき、これらは、精
麦した状態で使用するのが好ましいが、更に粉砕したも
のを使用してもよい。
であればよく、培地中の水分量は特に限定されないが、
通常、培地含水率を50〜80重量%程度に調整するの
が好ましい。
に、常圧又は高圧加熱して減菌して使用するのが好まし
く、また、栽培中に培地表面が乾燥すると、培地表面か
らきのこが出難くなるので、菌糸接種後、菌糸の培養期
間中(例えば接種より菌糸が蔓延するまでの期間中)、
培地表面を、水で湿った材料、例えば水で湿らせて減菌
したピート、バーミキュライト、土壌等で覆うのが好ま
しい。
く説明する。 ホンシメジの栽培実験 実施例1:−子実体形成能の高い系統の選抜− 精麦したライムギ(裸麦)粒8gを直径18mm、長さ
180mmの試験管に入れ、水12mlを加えて、高圧
減菌し、全国から集めたホンシメジ47系統の菌糸を接
種した。各菌糸に対して6個のサンプルを準備し、23
℃で70日間培養後、温度を15℃に下げ、子実体原基
が形成されるかどうかを調べた。その結果、Wl36、
Wl41、HY1L、SF−Ls6の4系統が50%以
上の割合で子実体原基を形成した。
眼でひだが見えるまでに成育したもの─子実体─を含
む)の形成率という2つの方法で検討した。 (1) 菌糸の成長速度 表1の6種の培地を準備し、30mm×200mmの試験管
を用いて、実施例1で選抜した4系統のホンシメジの菌
糸を接種し、菌糸成長速度を測定した。その結果を表2
に示す。
はこれにブナ木粉を加えた培地(M1〜M4)では、ブ
ナ木粉の添加量にかかわらず、菌糸がよく伸長した。こ
れに対して、オオムギ粒に米糠を加えた培地(M5)で
の菌糸成長速度は、やや遅かったが、菌糸の密度は他の
ものより高かった。なお、麦に代わりに米を使用した培
地(M6)では、実質的な菌糸の伸長は認められなかっ
た。
15℃とし、子実体原基が形成される割合を調査した
(ただし、M5とM6は菌糸の伸長が遅かったので、こ
の実験には用いなかった)。その結果を表3に示す。
これらの培地では、いずれの場合にも、子実体原基が形
成され、その割合はオオムギとブナ木粉を9:1の割合
で使用した培地(M3)において、やや高いことが分か
った。なお、形成された原基の一部は、傘およびひだが
明瞭な子実体にまで成長した。
に、培地表面に、炭酸カルシウムでpH5.4に調整した減
菌済ピートを約1cmの厚さとなるように置いた。子実体
(原基ではない)の形成率を、ピートで培地表面を覆わ
なかったものと比較して表4に示す。
を覆った場合に、子実体の形成率が著しく高められた。
この実験には、3系統のホンシメジを使用した。瓶1本
当たり精麦したオオムギ粒80g、ブナ木粉5g、米糠
5g、水135mlを入れて高圧減菌し、冷却後培地中央
に直径約1cmの穴をあけ、予め同じ組成の培地で培養し
たホンシメジの菌糸を接種した。23℃で70日間培養
した後、温度を15℃に下げたところ、表5に示す通り
子実体が発生した。この実験での培地容量は約220ml
であることから、現在菌床栽培されている各種きのこと
比較して、充分な発生量と考えられる。
ンシメジの人工栽培が可能となる。なお、本発明で使用
する培地は、麦又は麦と木粉等を用意するだけで、容易
に調製可能であり、実用性あるものである。
Claims (5)
- 【請求項1】 水湿潤状態の麦を含む培地に、ホンシメ
ジの菌糸を接種し、30℃以下の温度で培養することを
特徴とするホンシメジの人工栽培方法。 - 【請求項2】 18〜28℃で第一段の培養をした後
に、培地の温度を前記第一段の温度より3℃以上低い温
度に低下させて第二段の培養を実施すること特徴とする
請求項1の方法。 - 【請求項3】 菌糸接種後、培地表面を、水で湿った材
料で覆うことを特徴とする請求項1または2の方法。 - 【請求項4】 麦を固形分で30重量%以上含むことを
特徴とするホンシメジの人工栽培用の培地。 - 【請求項5】 麦に対して等量以下の木粉を含むことを
特徴とする請求項4の培地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5290099A JPH084427B2 (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | ホンシメジの人工栽培方法及びそのための培地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5290099A JPH084427B2 (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | ホンシメジの人工栽培方法及びそのための培地 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07115844A JPH07115844A (ja) | 1995-05-09 |
JPH084427B2 true JPH084427B2 (ja) | 1996-01-24 |
Family
ID=17751785
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5290099A Expired - Lifetime JPH084427B2 (ja) | 1993-10-25 | 1993-10-25 | ホンシメジの人工栽培方法及びそのための培地 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH084427B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998035546A1 (fr) * | 1997-02-12 | 1998-08-20 | Imb Kabushiki Gaisha | Methode de culture de sporophores d'agaricus blazei dans un lit artificiel de culture de champignons |
JP4925169B2 (ja) * | 2005-07-26 | 2012-04-25 | ヤマサ醤油株式会社 | ホンシメジの人工栽培法及び培地 |
JP2009017872A (ja) | 2007-05-29 | 2009-01-29 | Takara Bio Inc | きのこの菌床栽培方法 |
TWI432135B (zh) | 2007-07-24 | 2014-04-01 | Takara Bio Inc | The cultivation method of the fecal umbrella and the culture of the bed |
TW200926960A (en) | 2007-11-15 | 2009-07-01 | Takara Bio Inc | Hon-shimeji mushroom-fungal bed culture |
JPWO2009093634A1 (ja) * | 2008-01-25 | 2011-05-26 | タカラバイオ株式会社 | マツタケ子実体の誘導方法 |
CN103858641B (zh) * | 2014-03-17 | 2015-08-26 | 白瑞贤 | 麦田套种大球盖菇的方法 |
JP7497082B1 (ja) | 2022-09-09 | 2024-06-10 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 | マツタケ類の子実体原基の誘導方法、マツタケ類の子実体原基の製造方法、菌床培地、培養液 |
-
1993
- 1993-10-25 JP JP5290099A patent/JPH084427B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07115844A (ja) | 1995-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH084427B2 (ja) | ホンシメジの人工栽培方法及びそのための培地 | |
JP4925169B2 (ja) | ホンシメジの人工栽培法及び培地 | |
JP3002061B2 (ja) | マツオウジ用人工培地 | |
JP2007053928A (ja) | 新規菌株および新規子実体の栽培方法 | |
JP2005027585A (ja) | ホンシメジの人工栽培方法及びホンシメジの人工栽培用混合培地 | |
JPH0338807B2 (ja) | ||
CN113197018A (zh) | 一种药用真菌竹黄的袋栽栽培方法 | |
JP3542945B2 (ja) | ハタケシメジの人工栽培方法 | |
JP3512899B2 (ja) | ハタケシメジの人工栽培方法 | |
JP4202541B2 (ja) | ホンシメジの人工栽培方法 | |
JP2860959B2 (ja) | きのこの人工栽培方法 | |
JPH01181729A (ja) | きのこの種菌培地 | |
JPH09308373A (ja) | ハタケシメジの人工栽培方法 | |
JP2002112631A (ja) | ハタケシメジの室内栽培方法 | |
JP3735267B2 (ja) | ハタケシメジの栽培方法 | |
JP4008187B2 (ja) | 菌根菌の菌糸増殖用培地と菌糸の培養方法並びに子実体の栽培方法 | |
JP2002247917A (ja) | ホンシメジの人工栽培方法及びホンシメジの人工栽培用混合培地 | |
JP3097044B2 (ja) | 菌床シイタケ栽培用培地及び栽培方法 | |
JP3198726B2 (ja) | ハタケシメジの室内栽培法 | |
JPH07170856A (ja) | キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法 | |
Ramírez-Carrillo et al. | Culture conditions for increasing yields of Lentinula edodes | |
JP3503954B2 (ja) | ハタケシメジ新菌株 | |
JP3531448B2 (ja) | ハタケシメジの人工栽培方法 | |
JP3512920B2 (ja) | ハタケシメジの人工栽培方法 | |
JPH0670636A (ja) | ハタケシメジの栽培用培養基 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040223 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040330 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040531 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040615 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040816 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040907 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |