JPH07170856A - キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法 - Google Patents

キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法

Info

Publication number
JPH07170856A
JPH07170856A JP6260332A JP26033294A JPH07170856A JP H07170856 A JPH07170856 A JP H07170856A JP 6260332 A JP6260332 A JP 6260332A JP 26033294 A JP26033294 A JP 26033294A JP H07170856 A JPH07170856 A JP H07170856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mushrooms
culture medium
mushroom
culture
days
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6260332A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sato
藤 拓 佐
Kazuhiko Yamamoto
本 一 彦 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP6260332A priority Critical patent/JPH07170856A/ja
Publication of JPH07170856A publication Critical patent/JPH07170856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キノコの菌床人工栽培における収量を増加さ
せるとともに収穫に要する日数を短縮できる栽培技術を
提供する。 【構成】 キノコの菌床人工栽培において使用する培養
基であって、保水性担体(代表的には針葉樹オガクズ、
広葉樹オガクズ)にビール粕の粗粒子画分、必要に応じ
てさらに米糠、フスマ、コーンブランなどを配合したこ
とを特徴とするキノコ栽培用培養基。上記の培養基にキ
ノコの種菌を接種し、これを栽培することを特徴とする
キノコの人工栽培法。上記の培養基を用いることによ
り、低コストでキノコの人工栽培が可能となる上に、キ
ノコの生育が均一でむらが無く収穫までに要する日数も
短縮されて収量も向上させることができ、ビール粕その
ものを使用した場合の、多量に混合するとキノコの生育
に対して阻害作用を及ぼすという問題も解決することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、ヒラタケ、マイタケな
どに代表される食用キノコの菌床人工栽培に用いる培養
基およびこれを用いたキノコの人工栽培法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ヒラタケ、エノキタケ、ナメコ、マ
イタケなどの栽培において、オガクズに米糠等の栄養源
を配合した培養基を用いて、ビン、袋または箱で栽培を
行う菌床人工栽培法が確立され、1 年を通じて安定して
キノコを収穫できるようになってきた。しかし、コナ
ラ、クヌギ、ブナなどの広葉樹のオガクズは供給量が不
足し、コスト高となっており、スギなどの針葉樹のオガ
クズは数カ月間水にさらして、有害物質を流してからで
ないと使用できないという欠点を持っている。さらに、
この菌床栽培法においてもキノコを大量にかつ連続的に
栽培するには、いまだ収量が十分に高くはなく栽培期間
も長いため、生産コストは十分に安価ではない。このた
め、種々の農産廃棄物を培養基に用いて、収量を増加さ
せる試みがなされている。例えば、コーンコブ(トウモ
ロコシの穂軸)の粉砕物がエノキタケ、ヒラタケ、シロ
タモギタケ、ナメコ、シイタケなどのキノコの培養基に
用いられており、収量に置いて増収効果が認められてい
る。近畿大農紀要、17: 第113 〜119 頁(1984 年) で
は、オガクズに替えて、ビール粕を用いたヒラタケを中
心とする食用キノコ栽培が、また43回日林関東支論、第
179 〜180 頁(1992 年) では、ビール粕によるヒラタケ
栽培が報告されている。しかしながら、培養基中のビー
ル粕の含有率を高くすると、キノコの収量の減少と収穫
に要する日数の増大及び品質の低下が生じるという問題
があるため、オガクズの大部分を代替することは不可能
であった。
【0003】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状において、キノコの菌床人工栽培において従来用い
られていたオガクズの大部分を低コストの材料で代替す
ることができ、かつ収量の増加と収穫に要する日数を短
縮できるキノコ栽培法を提供することを目的とするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、保水性担体
にビール醸造にともなって副生するビール粕の粉砕物を
湿式ふるい分けして得られた粗粒子画分を配合した培養
基が、これらの目的を達成するのに極めて有効である事
を見出し、この知見をもとに本発明を完成させるに至っ
た。すなわち、本発明によるキノコ栽培用培養基は、保
水性担体にビール粕の粗粒子画分を配合したことを特徴
とするものである。また、本発明によるキノコの人工栽
培法は、上記の培養基にキノコの種菌を接種し、これを
栽培することを特徴とするものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕本発明によるキノコ
栽培用培養基およびキノコの人工栽培法において対象と
なるキノコは、腐朽菌であればその種類を問わず、代表
的には、ヒラタケ、マイタケ、エノキタケ、シイタケ、
ナメコ、シロタモギタケなどをあげることができる。キノコ栽培用培養基 本発明によるキノコ栽培用培養基は、保水性担体にビー
ル粕の粗粒子画分を配合したものであることは前記した
ところである。保水性担体は、保水性を有する培養基材
であって、キノコの菌床人工栽培において通常用いられ
る針葉樹オガクズ、広葉樹オガクズあるいはコーンコブ
の粉砕物が代表的なものであり、その他のセルロース系
物質、たとえばモミガラなども例としてあげられる。こ
れらの保水性担体は、そのうちの少なくとも一種、すな
わち単独あるいは適当な組合せの混合物の形で使用する
ことができる。また、本明細書でのキノコ栽培用培養基
は、キノコの培養において用いられる培地を示し、キノ
コの収穫を目的とする培養基や種菌作成を目的とする種
菌用培養基を包含するものである。
【0006】粗粒子画分を得るためのビール粕は、ビー
ルの醸造において副生するものであり、一般的には、ビ
ールの主原料である大麦麦芽の粉末に、副原料としてデ
ンプンを豊富に含む米やトウモロコシを蒸煮糊化して加
えて仕込を行い、デンプンを麦芽アミラーゼによって発
酵性糖にすることにより得られるもろみを温度処理し、
酵素作用を停止させてから麦汁をフィルタープレス等に
よって濾過し、不溶性のビール粕を分離することにより
得ることができる。ビール粕の粗粒子画分は、通常、粒
子直径が0.3 〜2.0mm のものであり、たとえばビール粕
をロールミルで粉砕した後、湿式ふるいで分画すること
により、保水力の高いキノコ栽培に適した担体として得
ることができる。この湿式ふるいによる粗粒子画分の分
離方法は、たとえば概略的に次のように示すことができ
る。含水量65%以上のビール粕を、ロール間の間隙を一
定(0.1 〜0.3mm )にしたロールミルで圧ぺん粉砕し、
ふるい部分が水没している振動ふるいに粉砕物を供給
し、ふるい分けする。ふるい分け処理の際、ふるい目の
寸法が10〜15メッシュのふるいを通過し、30〜35メッシ
ュのふるい上に残ったものが粗粒子画分として回収され
る(特公平4-31666 号公報参照)。粗粒子画分は通常、
80〜90%の水分含量を有するが、必要に応じて、乾燥に
より水分含量を所望の割合に調整することも可能であ
る。
【0007】ヒラタケなどの通常針葉樹オガクズを保水
性担体として用いることができるキノコ栽培の場合は、
上記の粗粒子画分を、保水性担体の一部か全量、好まし
くは20〜100 容量%(100 容量%の場合は粗粒子画分自
体が保水性担体となる)、より好ましくは60〜80容量%
(いずれも水分を含んだ粗粒子画分として)代替するこ
とができる。また、マイタケなどの通常広葉樹オガクズ
を保水性担体として必要とするキノコ栽培の場合は、上
記の粗粒子画分を、保水性担体の一部か全量、好ましく
は30〜100 容量%、より好ましくは30〜90容量%(いず
れも水分を含んだ粗粒子画分として)代替することがで
きる。乾燥した粗粒子画分は乾燥度に応じて、この容積
比が変わってくるのはいうまでもない。培養基の配合成
分としては、さらに米糠あるいはフスマ、オカラ、コー
ンブランなど、従来一般にオガクズなどの保水性担体に
栄養源として添加されて用いられているものを必要に応
じて単独または混合物の形で加えることができる。これ
らの添加成分の配合量は、全体量として、ヒラタケなど
の通常針葉樹オガクズを保水性担体として用いることが
できるキノコ栽培の場合は、通常最終培地の10〜30重量
%、より好ましくは15〜25重量%であり、マイタケなど
の通常広葉樹オガクズを保水性担体として必要とするキ
ノコ栽培の場合は、通常最終培地の8 〜20重量%、より
好ましくは12〜16重量%である。さらに、必要に応じて
他の添加成分、たとえば増産フスマ、大豆皮、乾燥酵母
などを、ヒラタケなどの針葉樹オガクズを保水性担体と
して用いることができるキノコ栽培の場合は、通常0 〜
30重量%程度、マイタケなどの広葉樹オガクズを保水性
担体として必要とするキノコ栽培の場合、通常0 〜20重
量%程度配合することもできる。上記したような培養基
により、キノコの人工菌床栽培における収量の増加と収
穫に要する日数を短縮することができる。
【0008】キノコ栽培法 本発明によるキノコの栽培法は、上述のような培養基に
キノコ種菌を接種し、これを栽培することを特徴とする
ものであることは前記したところである。上述のように
配合されたオガクズ等の保水性担体とビール粕の粗粒子
画分および必要に応じて加えられる米糠等の混合物(培
養基)は、通常キノコ栽培の常法に従って広口の耐熱性
プラスチック容器や栽培用袋に充填され殺菌処理され
る。ヒラタケの場合を例にとると、通常、培養基全体の
水分率を60〜70%に調整してから蒸気殺菌を行い、種菌
の接種、育成を行い、27〜46日程度で収穫することがで
きる。これら一連の操作は、培養基の成分の違いを除け
ば、従来の方法と基本的に変わるところはない。他のキ
ノコの栽培についても、常法に従って行うことができる
(きのこ年鑑、農村文化社参照)。本発明による培養基
を用いる事によって、キノコ(子実体)が均一でむらが
無く、収穫までに要する日数も短縮されて収量も向上さ
せる事ができ、しかもビール粕そのものを使用した場合
の、多量に混合するとキノコの生育に対して阻害作用を
及ぼすという問題も解決することができる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定され
る物ではない。粗粒子画分の製造例 粗粒子画分は、特公平4-31666 号公報記載の方法で得ら
れる。すなわち、まず含水量65%以上のビール粕を、ロ
ール間の間隙を0.1 〜0.3mm にしたロールミルで圧ぺん
粉砕し、ふるい部分が水没している振動ふるいに粉砕物
を供給し、ふるい分けする。ふるい分け処理の際、ふる
い目の寸法が10〜15メッシュのふるいを通過し、30〜35
メッシュのふるい上に残ったものが粗粒子画分として分
離回収される。収穫日数および子実体収量 後述の例において、言及されている収穫日数および子実
体収量の用語は、下記のように定義されるものである。
ヒラタケの場合、最も大きな子実体のカサの短径が15mm
以上になった時点で収穫し、種菌接種から収穫までの日
数を収穫日数(平均日数)、その際の子実体の生重量を
子実体収量(平均収穫量)とする。マイタケの場合、子
実体のカサの裏側に管孔が形成された時点で収穫し、種
菌接種から収穫までの日数を収穫日数(平均日数)、そ
の際の原基を除いた子実体の生重量を子実体収量(平均
収穫量)とする。
【0010】実施例1 スギオガを7.0L、粗粒子画分を7.0L、米糠を3.3L、水を
0.7L計りとり、混合して、ポリプロピレン製900ml 広口
ビン12本に520gづつ詰めて、培養基を形成した。この
時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。更に
このビンをキャップで打栓して、101 ℃、4 時間30分蒸
気滅菌した。この培養基を冷却した後、ヒラタケの種菌
を接種し、暗所にて温度22〜23℃、湿度70%の条件下で
菌糸が蔓延するまで21日間培養を行い、培養菌糸体をつ
くった。この培養菌糸体を更に同条件下で3 日熟成した
後、キャップを取り除いて、15℃、湿度90%の発生室に
移し子実体を発生させた。上記広口ビン12本の平均収穫
量は94.8±7.3g、収穫までに要した平均日数は35.8±0.
4 日であった。
【0011】実施例2 スギオガを3.5L、粗粒子画分を10.5L 、米糠を3.3L計り
とり、混合して、ポリプロピレン製900ml 広口ビン12本
に520gづつ詰めて、培養基を形成した。この時、キノコ
生育に最適なpHと培地密度が得られた。この培養基を実
施例1と同様の操作を行い子実体を発生させた。上記広
口ビン12本の平均収穫量は94.2±6.5g、収穫までに要し
た平均日数は36.0±0.0 日であった。
【0012】対照例1 スギオガを11.0L 、米糠を3.6L、水を3.0L計りとり、混
合して、ポリプロピレン製900ml 広口ビン12本に540gづ
つ詰めて、培養基を形成した。この時、キノコ生育に最
適なpHと培地地密度が得られた。この培養基を実施例1
と同様の操作を行い子実体を発生させた。上記広口ビン
12本の平均収穫量は72.2±5.8g、収穫までに要した平均
日数は36.3±0.7 日であった。
【0013】対照例2 スギオガを1.8L、乾燥ビール粕を5.4L、米糠を3.3L、水
を3.2L、消石灰を36.2g 計りとり、混合して、ポリプロ
ピレン製900ml 広口ビン12本に540gづつ詰めて、培養基
を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度
が得られた。更にこのビンをキャップで打栓して、101
℃、4 時間30分蒸気滅菌した。この培養基を冷却した
後、ヒラタケの種菌を接種し、暗所にて温度22〜23℃、
湿度70%の条件下で菌糸が蔓延するまで35日間培養を行
い、培養菌糸体をつくった。この培養菌糸体を更に同条
件下で3日熟成した後、キャップを取り除いて、15℃、
湿度90%の発生室に移し子実体を発生させた。上記広口
ビン12本の平均収穫量は64.2±6.1g、収穫までに要した
平均日数は47.3±1.8 日であった。
【0014】以上の結果を、表1に要約して示す。
【表1】
【0015】実施例3 スギオガを493.9ml 、乾燥した粗粒子画分を139.7ml 、
米糠を110g、水を298.1ml 計りとり、混合して、ガラス
製160ml 培養ビン5 本に84.6g づつ詰めて、培養基を形
成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得
られた。更にこのビンをキャップで栓をして、121 ℃、
50分加圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却した後、ヒラ
タケの種菌を接種し、暗所にて温度24℃、湿度70%の条
件下で培養を行い、ビンの底まで菌糸が蔓延するまで培
養した。この培養菌糸体を菌かき、浸水操作を行い、16
℃、湿度90%、照度1,000luxの発生室に移し、原基が形
成した時点でキャップを取り除いて、子実体を発生させ
た。上記培養ビン5 本の平均収穫量は16.3±1.1g、収穫
までに要した平均日数は26.0±1.4 日であった。
【0016】実施例4 スギオガを361.8ml 、乾燥した粗粒子画分を272.6ml 、
米糠を110g、水を300.5ml 計りとり、混合して、ガラス
製160ml 培養ビン5 本に79.2g づつ詰めて、培養基を形
成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得
られた。この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実
体を発生させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は16.8
±1.8g、収穫までに要した平均日数は24.0±0.0 日であ
った。
【0017】実施例5 スギオガを235.8ml 、乾燥した粗粒子画分を398.6ml 、
米糠を110g、水を302.8ml 計りとり、混合して、ガラス
製160ml 培養ビン5 本に73.8g づつ詰めて、培養基を形
成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得
られた。この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実
体を発生させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は17.1
±2.7g、収穫までに要した平均日数は23.4±0.6 日であ
った。
【0018】実施例6 スギオガを115.2ml 、乾燥した粗粒子画分を520.5ml 、
米糠を110g、水を305.1ml 計りとり、混合して、ガラス
製160ml 培養ビン5 本に68.4g づつ詰めて、培養基を形
成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得
られた。この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実
体を発生させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は18.6
±0.9g、収穫までに要した平均日数は22.8±0.9 日であ
った。
【0019】実施例7 粗粒子画分を635.6ml 、米糠を110g、水を307.2ml 計り
とり、混合して、ガラス製160ml 培養ビン5 本に63.0g
づつ詰めて、培養基を形成した。この時、キノコ生育に
最適なpHと培地密度が得られた。この培養基を実施例3
と同様の操作を行い子実体を発生させた。上記培養ビン
5 本の平均収穫量は17.6±3.1g、収穫までに要した平均
日数は23.4±0.6 日であった。
【0020】実施例8 乾燥した粗粒子画分を521.9ml 、米糠を40g 、フスマを
40g 、水を243.8ml 計りとり、混合して、ガラス製160m
l 培養ビン5 本に92.3g づつ詰めて、培養基を形成し
た。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られ
た。この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実体を
発生させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は18.6±2.
2g、収穫までに要した平均日数は26.0±0.8 日であっ
た。
【0021】対照例3 スギオガを607.3ml 、米糠を110g、水を295.6ml 計りと
り、混合して、ガラス製160ml 培養ビン5 本に101.1gづ
つ詰めて、培養基を形成した。この時、キノコ生育に最
適なpHと培地密度が得られた。この培養基を実施例3と
同様の操作を行い子実体を発生させた。上記培養ビン5
本の平均収穫量は16.4±3.3g、収穫までに要した平均日
数は28.5±1.8 日であった。
【0022】対照例4 スギオガを612.5ml 、米糠を50g 、フスマを50g 、水を
289.9ml 計りとり、混合して、ガラス製160ml 培養ビン
5 本に92.5g づつ詰めて、培養基を形成した。この時、
キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。この培養
基を実施例3と同様の操作を行い子実体を発生させた。
上記培養ビン5 本の平均収穫量は13.3±1.0g、収穫まで
に要した平均日数は25.2±0.5 日であった。
【0023】対照例5 スギオガを530.7ml 、乾燥ビール粕を44.7ml、米糠を11
0g、水を330.5ml 計りとり、混合して、ガラス製160ml
培養ビン5 本に108.3gづつ詰めて、培養基を形成した。
この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。
この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実体を発生
させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は13.0±2.0g、
収穫までに要した平均日数は29.0±0.0 日であった。
【0024】対照例6 スギオガを395.2ml 、乾燥ビール粕を88.8ml、米糠を11
0g、水を331.3ml 計りとり、混合して、ガラス製160ml
培養ビン5 本に119.2gづつ詰めて、培養基を形成した。
この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。
この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実体を発生
させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は19.1±2.0g、
収穫までに要した平均日数は32.8±0.5 日となり、収穫
までの日数が著しく増加した。
【0025】対照例7 スギオガを309.1ml 、乾燥ビール粕を156.1ml 、米糠を
130g、水を392.5ml 計りとり、混合して、ガラス製160m
l 培養ビン5 本に135.8gづつ詰めて、培養基を形成し
た。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られ
た。この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実体を
発生させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は19.0±0.
7g、収穫までに要した平均日数は50.0±0.0 日となり、
収穫までの日数が著しく増加した。
【0026】対照例8 スギオガを165.5ml 、乾燥ビール粕を222.7ml 、米糠を
140g、水を423.6ml 計りとり、混合して、ガラス製160m
l 培養ビン5 本に147.7gづつ詰めて、培養基を形成し
た。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られ
た。この培養基を実施例3と同様の操作を行い子実体を
発生させた。上記培養ビン5 本の平均収穫量は17.4±2.
3g、収穫までに要した平均日数は95.5±2.1 日となり、
収穫までの日数が著しく増加した。
【0027】対照例9 乾燥ビール粕を296.1ml 、米糠を150g、水を454.9ml 計
りとり、混合して、ガラス製160ml 培養ビン5 本に151.
9gづつ詰めて、培養基を形成した。この時、キノコ生育
に最適なpHと培地密度が得られた。この培養基を実施例
3と同様の操作を行い子実体を発生させた。上記培養ビ
ン5 本の平均収穫量は10.7±5.4g、収穫までに要した平
均日数は98.0±0.0 日となり、収量が著しく減少し、収
穫までの日数も著しく増加した。
【0028】以上の結果を、表2に要約して示す。
【表2】
【0029】実施例9 ブナオガを199.2ml 、乾燥した粗粒子画分を91.4ml、コ
ーンブランを30g 、水を153.3ml 計りとり、混合して、
直径30mmガラス製平底試験管5 本に37.4g づつ詰めて、
培養基を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培
地密度が得られた。更にこのビンをキャップで栓をし
て、121 ℃、50分加圧蒸気滅菌した。この培養基を冷却
した後、マイタケの種菌を接種し、温度22℃、湿度70
%、照度200luxの条件下で培養を行い、原基が形成する
まで培養した。この培養菌糸体を16℃、湿度90%、照度
1,000luxの発生室に移し、子実体を発生させた。上記培
地での菌糸蔓延は良好で、培養ビン5 本の平均収穫量は
3.47±0.88g 、収穫までに要した平均日数は39.0±1.2
日であった。
【0030】実施例10 ブナオガを145.0ml 、乾燥した粗粒子画分を182.1ml 、
コーンブランを30g 、水を153.6ml 計りとり、混合し
て、直径30mmガラス製平底試験管5 本に37.0g づつ詰め
て、培養基を形成した。この時、キノコ生育に最適なpH
と培地密度が得られた。この培養基を実施例9と同様の
操作を行い子実体を発生させた。上記培地での菌糸蔓延
は良好で、培養ビン5 本の平均収穫量は2.85±0.72g 、
収穫までに要した平均日数は41.0±4.0 日であった。
【0031】実施例11 ブナオガを91.3ml、乾燥した粗粒子画分を271.8ml 、コ
ーンブランを30g 、水を153.9ml 計りとり、混合して、
直径30mmガラス製平底試験管5 本に35.8g づつ詰めて、
培養基を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培
地密度が得られた。この培養基を実施例9と同様の操作
を行い子実体を発生させた。上記培地での菌糸蔓延は良
好で、培養ビン5 本の平均収穫量は 2.68 ±0.58g 、収
穫までに要した平均日数は 45.7 ±1.2 日であった。
【0032】実施例12 ブナオガを49.1ml、乾燥した粗粒子画分を360.8ml 、コ
ーンブランを30g 、水を154.2ml 計りとり、混合して、
直径30mmガラス製平底試験管5 本に34.4g づつ詰めて、
培養基を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培
地密度が得られた。この培養基を実施例9と同様の操作
を行い子実体を発生させた。上記培地での菌糸蔓延は良
好で、培養ビン5 本の平均収穫量は 2.88 ±0.23g 、収
穫までに要した平均日数は 46.2 ±1.1 日であった。
【0033】実施例13 乾燥した粗粒子画分を449.0ml 、コーンブランを30g 、
水を154.5ml 計りとり、混合して、直径30mmガラス製平
底試験管5 本に34.0g づつ詰めて、培養基を形成した。
この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。
この培養基を実施例9と同様の操作を行い子実体を発生
させた。上記培地での菌糸蔓延は良好で、培養ビン5 本
の平均収穫量は 2.53 ±0.25 g、収穫までに要した平均
日数は 46.5 ±1.0 日であった。
【0034】対照例10 ブナオガを250.4ml 、コーンブランを30g 、水を153.0m
l 計りとり、混合して、直径30mmガラス製平底試験管5
本に39.3g づつ詰めて、培養基を形成した。この時、キ
ノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。この培養基
を実施例9と同様の操作を行い子実体を発生させた。上
記培地での菌糸蔓延は良好で、培養ビン5 本の平均収穫
量は 2.75 ±1.02 g、収穫までに要した平均日数は 67.
4 ±12.1日であった。
【0035】対照例11 ブナオガを200.2ml 、乾燥ビール粕を27.4ml、コーンブ
ランを30g 、水を152.9ml 計りとり、混合して、直径30
mmガラス製平底試験管5 本に43.0g づつ詰めて、培養基
を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度
が得られた。この培養基を実施例9と同様の操作を行い
子実体を発生させた。上記培地で種菌接種後30日の菌糸
蔓延率は80%であり、菌糸蔓延はやや不良であった。こ
の時点で原基が形成されたため、発生室に移した。培養
ビン5 本の平均収穫量は 0.66 ±0.90g 、収穫までに要
した平均日数は 46.0 ±0.0 日であった。
【0036】対照例12 ブナオガを180.2ml 、乾燥ビール粕を65.1ml、コーンブ
ランを36g 、水を183.5ml 計りとり、混合して、直径30
mmガラス製平底試験管5 本に46.8g づつ詰めて、培養基
を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度
が得られた。この培養基を実施例9と同様の操作を行い
子実体を発生させた。上記培地で種菌接種後30日の菌糸
蔓延率は70%であり、菌糸蔓延は不良であった。この時
点で原基が形成されたため、発生室に移した。培養ビン
5 本の平均収穫量は 1.05 ±1.07g 、収穫までに要した
平均日数は 52.0 ±2.0 日であった。
【0037】対照例13 ブナオガを140.2ml 、乾燥ビール粕を115.0ml 、コーン
ブランを42g 、水を214.1ml 計りとり、混合して、直径
30mmガラス製平底試験管5 本に50.3g づつ詰めて、培養
基を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密
度が得られた。この培養基を実施例9と同様の操作を行
い子実体を発生させた。上記培地で種菌接種後30日の菌
糸蔓延率は60%であり、菌糸蔓延は著しく不良であっ
た。この時点で原基が形成されたため、発生室に移し
た。培養ビン5 本の平均収穫量は 1.07 ±1.47g 、収穫
までに要した平均日数は 61.0 ±2.8 日であった。
【0038】対照例14 ブナオガを80.1ml、乾燥ビール粕を175.3ml 、コーンブ
ランを48g 、水を244.6ml 計りとり、混合して、直径30
mmガラス製平底試験管5 本に59.5g づつ詰めて、培養基
を形成した。この時、キノコ生育に最適なpHと培地密度
が得られた。この培養基を実施例9と同様の操作を行い
子実体を発生させた。上記培地で種菌接種後30日の菌糸
蔓延率は40%であり、菌糸蔓延は著しく不良であった。
【0039】対照例15 乾燥ビール粕を246.5ml 、コーンブランを54g 、水を27
5.2ml 計りとり、混合して、直径30mmガラス製平底試験
管5 本に62.1g づつ詰めて、培養基を形成した。この
時、キノコ生育に最適なpHと培地密度が得られた。更に
このビンをキャップで栓をして、121 ℃、50分加圧蒸気
滅菌したところ、加圧蒸気滅菌中に培養基が、容器から
吹き出し、種菌の接種が不可能となった。このような培
地調製不能は本条件においてかなりの再現率で発生し、
回避は困難であると考えられる。
【0040】以上の結果を要約して表3に示す。
【表3】
【0041】表1〜3から明らかなように、収量が増加
し、収穫までの日数も短縮される。また、キノコ自体も
生育が均一でむらがなく、味覚的にも非常に優れたもの
であった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、キノコ(子実体)の生
育が均一でむらが無く、収穫までに要する日数も短縮さ
れて収量も向上させることができ、しかもビール粕その
ものを使用した場合の、多量に混合するとキノコの生育
に対して阻害作用を及ぼすという問題も解決することが
できる。また、従来キノコの人工栽培に用いられていた
オガクズの大部分を低コストであるビール粕の粗粒子画
分に代替することができるので、経済的にも極めて有利
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キノコの菌床人工栽培において使用する培
    養基であって、保水性担体にビール粕の粗粒子画分を配
    合したことを特徴とする、キノコ栽培用培養基。
  2. 【請求項2】保水性担体が、針葉樹オガクズ、広葉樹オ
    ガクズのうちの少なくとも一種類のものである請求項1
    記載の培養基。
  3. 【請求項3】さらに米糠、フスマ、コーンブランのうち
    の少なくとも一種類のものを配合した、請求項1または
    2記載のキノコ栽培用培養基。
  4. 【請求項4】保水性担体に、ビール粕の粗粒子画分を配
    合した培養基に、キノコの種菌を接種し、これを栽培す
    ることを特徴とする、キノコの人工栽培法。
  5. 【請求項5】培養基の保水性担体が針葉樹オガクズ、広
    葉樹オガクズのうちの少なくとも一種類のものである、
    請求項4記載のキノコの人工栽培法。
  6. 【請求項6】培養基にさらに米糠、フスマ、コーンブラ
    ンのうちの少なくとも一種類のものを配合した、請求項
    4または5記載のキノコ人工栽培法。
JP6260332A 1993-10-26 1994-10-25 キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法 Pending JPH07170856A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6260332A JPH07170856A (ja) 1993-10-26 1994-10-25 キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-267372 1993-10-26
JP26737293 1993-10-26
JP6260332A JPH07170856A (ja) 1993-10-26 1994-10-25 キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07170856A true JPH07170856A (ja) 1995-07-11

Family

ID=26544564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6260332A Pending JPH07170856A (ja) 1993-10-26 1994-10-25 キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07170856A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103392507A (zh) * 2013-08-10 2013-11-20 黄艳芳 一种条形状菌种的制备方法
CN104003796A (zh) * 2014-05-05 2014-08-27 安徽金豪生态农业科技有限公司 一种蛹虫草栽培麦粒培养基
CN105638246A (zh) * 2016-02-03 2016-06-08 毕节市中药研究所 酒糟培养天麻蜜环菌生产种的方法
CN106882990A (zh) * 2017-02-28 2017-06-23 上海市农业科学院 一种香菇工厂化高效生产培养料及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103392507A (zh) * 2013-08-10 2013-11-20 黄艳芳 一种条形状菌种的制备方法
CN104003796A (zh) * 2014-05-05 2014-08-27 安徽金豪生态农业科技有限公司 一种蛹虫草栽培麦粒培养基
CN105638246A (zh) * 2016-02-03 2016-06-08 毕节市中药研究所 酒糟培养天麻蜜环菌生产种的方法
CN106882990A (zh) * 2017-02-28 2017-06-23 上海市农业科学院 一种香菇工厂化高效生产培养料及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6624781B2 (ja) キクラゲの栽培方法
KR20080105001A (ko) 버섯의 균상 재배방법
KR101645802B1 (ko) 톱밥배지를 이용한 버섯의 재배방법
CN103404370A (zh) 用火山石培养食用菌菌种的方法
JP5124670B2 (ja) きのこの人工栽培方法
KR101687892B1 (ko) 새송이버섯의 재배방법 및 배지조성물
JPH07170856A (ja) キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法
JP2000270675A (ja) マイタケ菌床人工栽培用栄養材
KR101687890B1 (ko) 느타리버섯의 재배방법 및 배지조성물
KR101687891B1 (ko) 목이버섯의 재배방법 및 배지조성물
JP4202541B2 (ja) ホンシメジの人工栽培方法
JP3481350B2 (ja) キノコ栽培用培養基およびキノコ栽培法
JP3871425B2 (ja) ムキタケの栽培方法
JPH0158927B2 (ja)
JPH01181729A (ja) きのこの種菌培地
JP2860959B2 (ja) きのこの人工栽培方法
JP3512899B2 (ja) ハタケシメジの人工栽培方法
JP4685821B2 (ja) ホンシメジの人工栽培方法
JPH0436120A (ja) キノコ栽培用培養基及びキノコ人工栽培法
JPH01117724A (ja) キノコの人工栽培方法
JP4751409B2 (ja) ホンシメジの人工栽培方法
JP4132536B2 (ja) ホンシメジの人工栽培方法
JP4063707B2 (ja) きのこの人工栽培方法
WO2024070193A1 (ja) エンドファイト資材及びエンドファイトの培養方法
JPH09308373A (ja) ハタケシメジの人工栽培方法