JPH0840724A - 球状複合体粒子粉末及びその製造方法 - Google Patents

球状複合体粒子粉末及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0840724A
JPH0840724A JP6201313A JP20131394A JPH0840724A JP H0840724 A JPH0840724 A JP H0840724A JP 6201313 A JP6201313 A JP 6201313A JP 20131394 A JP20131394 A JP 20131394A JP H0840724 A JPH0840724 A JP H0840724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
spherical composite
spherical
composite particles
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6201313A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3407417B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Hakata
俊之 博多
Shigeru Horai
茂 寳来
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP20131394A priority Critical patent/JP3407417B2/ja
Publication of JPH0840724A publication Critical patent/JPH0840724A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3407417B2 publication Critical patent/JP3407417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/0036Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties showing low dimensional magnetism, i.e. spin rearrangements due to a restriction of dimensions, e.g. showing giant magnetoresistivity
    • H01F1/0045Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use
    • H01F1/0063Zero dimensional, e.g. nanoparticles, soft nanoparticles for medical/biological use in a non-magnetic matrix, e.g. granular solids

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強度が大きく、しかも、大きな飽和磁化値と
適当な導電率を有する球状複合体粒子粉末及び該球状複
合体粒子粉末が工業的に得られる製造方法を提供する。 【構成】 磁性粒子粉末と熱硬化性樹脂と該熱硬化性樹
脂の一部を炭化させることにより生成されるカーボンと
からなる球状複合体粒子であって、平均粒子径が1〜1
000μmである球状複合体粒子からなる球状複合体粒
子粉末。この球状複合体粒子粉末は、磁性粒子粉末を熱
硬化性樹脂をバインダとして結合してなる平均粒子径が
1〜1000μmの球状複合体粒子を不活性雰囲気中3
50℃以上の温度で加熱処理して前記熱硬化性樹脂の一
部を炭化させることにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度が大きく、しか
も、大きな飽和磁化値と適当な導電率を有する球状複合
体粒子粉末およびその製造方法に関するものである。
【0002】本発明に係る球状複合体粒子粉末の主な用
途は、磁性キャリアや磁性トナー等の静電潜像現像剤用
材料、電磁波吸収材用材料、電磁波シールド用材料、ブ
レーキシューや研磨用材料、潤滑用材料、磁気分離用材
料、磁石用材料、イオン変換樹脂用材料、固定化酵素担
体用材料、ディスプレー用表示材料、制振用材料、塗料
用材料、ゴム・プラスチック用着色材料、充填材料、補
強材料等である。
【0003】
【従来の技術】近年、新製品の開発や新用途の開拓がさ
かんであり、そのため高度の性能や新規な機能を有する
材料の研究・開発が活発である。
【0004】前述した各種分野においても例外ではな
く、異種材料相互の組み合わせや異種特性の併有等が種
々試みられており、大きな飽和磁化値と適当な導電性と
の両特性を備えた球状複合体粒子粉末は、現在、強く要
求されている。
【0005】更に、加工、処理、使用等に際して球状複
合体粒子粉末の諸特性を十分維持、発揮させるために
は、強度ができるだけ大きいと共に、充填性、流動性が
大きい球状粒子であることが要求されている。
【0006】従来、磁性と導電性との両特性を備えた粒
子としては、鉄等の金属粉末やフェライト等の金属酸化
物粉末が知られている。
【0007】また、各種粒子に導電性を付与する方法と
しては、金属粒子、セラミック粒子又はプラスチック
粒子の粒子表面にスパッタリングやCVD法によって金
属を被覆する方法(特開昭62−250172号公報)
やセラミック粒子又はプラスチック粒子の粒子表面に
無電解メッキ法によって金属を被覆する方法(特開平6
3−18096号公報)等がある。
【0008】また、機械的衝撃を与えて、カーボンブ
ラックを固着させた樹脂粒子を磁性粒子の表面に被着固
定化する方法(特開平2−13969号公報)、磁性
粉末とバインダー樹脂からなる複合粒子表面に導電性微
粒子を付着させる方法等がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】強度が大きく、しか
も、大きな飽和磁化値と適当な導電性との両特性を備え
た球状複合体粒子粉末は、現在最も要求されているとこ
ろであるが、前出公知の方法による場合には、未だこの
ような特性を備えた粒子は得られていない。
【0010】即ち、前出鉄等の金属粉末は、その形状が
不定形であるから使用に際して充填が困難であったり、
ビヒクルへの分散が十分ではないので、その機能を十分
発揮させることができず、しかも、酸化されやすいた
め、その取扱いが非常に難しい。前出フェライト等の金
属酸化物粉末は、球状のものも存在しており、空気中に
おいて安定ではあるが、導電性が十分ではない。
【0011】前出及びに記載の方法による場合に
は、粒子の表面に被覆されている導電層が機械的シェア
ーにより剥離しやすく、経時的に導電性が低下する。そ
して、特にの方法においては、処理コストが高く、か
つ特殊な装置が必要であり、の方法においては、メッ
キ廃液の処理の問題がある。
【0012】前出及びの方法においても、粒子の表
面に被覆されている表面導電層が機械的シェアーにより
剥離しやすいものである。さらにの方法は、磁性粒子
の含有量が少ないので飽和磁化値が小さいものである。
【0013】そこで、本発明は、導電性磁性体粒子の剥
離や離脱が生じることがないように、強度が大きく、し
かも、大きな飽和磁化値と適当な導電率を有する球状複
合体粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
とおりの本発明によって達成できる。
【0015】即ち、本発明は、磁性粒子粉末と熱硬化性
樹脂と該熱硬化性樹脂の一部を炭化させることにより生
成されるカーボンとからなる球状複合体粒子であって、
平均粒子径が1〜1000μmであることを特徴とする
球状複合体粒子からなる球状複合体粒子粉末及び磁性粒
子粉末を熱硬化性樹脂をバインダとして結合してなる平
均粒子径が1〜1000μmの球状複合体粒子を不活性
雰囲気中350℃以上の温度で加熱処理して前記熱硬化
性樹脂を炭化させることからなる前記球状複合体粒子粉
末の製造法である。
【0016】本発明の構成を詳しく説明すれば、次の通
りである。
【0017】先ず、本発明に係る球状複合体粒子粉末に
ついて述べる。
【0018】磁性粒子粉末としては、マグネタイト,ガ
ンマ酸化鉄等の磁性体酸化鉄、鉄以外の金属(Mn、N
i、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有する
スピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネト
プランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や
合金の微粒子粉末を用いることができる。その形状は、
粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高飽和
磁化を要する場合には、鉄等の磁性粒子粉末を用いるこ
とができるが、化学的な安定性を考慮すると、マグネタ
イト、ガンマ酸化鉄等の磁性酸化鉄を含むスピネルフェ
ライト及びバリウムフェライト等のマグネトプランバイ
ト型フェライトの磁性粒子粉末を用いることが好まし
い。
【0019】磁性粒子粉末の含有量は、80〜98重量
%が好ましい。80重量%未満の場合には、飽和磁化値
が不十分になりやすく、98重量%を越える場合には、
強磁性体粒子間の結着が弱く、強度が小さくなりやす
い。飽和磁化値及び強度を考慮すると80〜95重量%
が好ましい。
【0020】本発明に係る熱硬化性樹脂としては、通常
使用されるフェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂等が使用できる。粒子強度
を考慮すれば、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂が好ま
しい。
【0021】本発明に係る熱硬化性樹脂の含有量は、1
3重量%以下であることが好ましい。13重量%を越え
る場合には、所望の導電性が得られなくなる。導電性を
考慮すると10重量%以下が好ましい。
【0022】本発明におけるカーボンの含有量は、熱硬
化性樹脂に対し2〜15重量%である。2重量%未満の
場合には、導電性が不十分となりやすく、しかも、粒子
の強度が小さくなりやすい。15重量%を越える場合に
は、飽和磁化値が低下しやすい。導電性、飽和磁化値を
考慮すると2〜11重量%が好ましい。
【0023】本発明に係る球状複合体粒子の平均粒子径
は1〜1000μmである。平均粒子径が1μm未満の
粒子は、二次凝集しやすく、1000μmを越えるもの
は機械的強度が不十分になりやすく、充填材等として使
用される場合、破壊が生じる場合が生じやすい。各々の
用途によって平均粒子径は適宜選択すればよい。例え
ば、キャリア、トナー等の現像剤としては、平均粒子径
1〜300μm、好ましくは2〜200μmのものが使
用できる。
【0024】本発明に係る球状複合体粒子は、ほぼ球形
を呈している。そのため、分散性・流動性に優れ、機械
的強度にも優れているものである。
【0025】本発明においては、球形度が最大径wに対
する最小径lの比が0.7〜1.4の球状複合体粒子が
得られる。好ましくは球形度が0.8〜1.3である。
球形度が0.7未満の場合又は1.4を越える場合に
は、分散性、流動性が十分な複合体粒子が得られ難い。
【0026】次に、前記の通りの本発明に係る球状複合
体粒子粉末の製造法について述べる。
【0027】本発明に係る球状複合体粒子は、磁性粒子
粉末を熱硬化性樹脂をバインダとして結合してなる平均
粒子径が1〜1000μmの球状複合体粒子を不活性雰
囲気中350℃以上の温度で加熱処理して前記熱硬化性
樹脂の一部を炭化させることにより得られる。
【0028】磁性粒子粉末を熱硬化性樹脂であるフェノ
ール樹脂をバインダとして結合してなる球状複合体粒子
は、磁性粒子粉末及び塩基性触媒の存在下でフェノール
類とアルデヒド類とを水性媒体中で反応・硬化させるこ
とにより生成させることができる。
【0029】また、磁性粒子粉末を熱硬化性樹脂である
エポキシ樹脂をバインダとして結合してなる球状複合体
粒子は、磁性粒子の存在下で、ビスフェノール類とエピ
ハロヒドリンとをアルカリ性水性媒体中で反応・硬化さ
せるか、又は、未硬化エポキシ樹脂を水性媒体中で硬化
させて、磁性粒子と硬化したエポキシ樹脂とからなる複
合体粒状物を生成させるにあたり、前記磁性粒子として
表面が親油化処理されている磁性粒子を用いることによ
り得られる。
【0030】先ず、前者の熱硬化性樹脂がフェノール樹
脂である場合について述べる。
【0031】本発明における磁性粒子粉末の種類は前述
した通りであり、その粒子径は、0.01〜10μmで
あることが望ましく、磁性粒子粉末の水性媒体中におけ
る分散と生成する球状複合体粒子の強度を考慮すれば、
0.05〜5μmであることが好ましい。
【0032】そして、磁性粒子は、あらかじめ親油化処
理をしておくことが望ましく親油化処理がされていない
磁性粒子を用いる場合には、球状複合体粒子を得ること
が困難となる場合がある。
【0033】親油化処理は、シラン系カップリング剤や
チタネート系カップリング剤等のカップリング剤で処理
する方法又は界面活性剤を含む水性溶媒中に磁性粒子を
分散させ、粒子表面に界面活性剤を吸着させる方法等が
ある。
【0034】シラン系カップリング剤としては、疎水性
基、アミノ基、エポキシ基を有するものがあり、疎水性
基を有するシラン系カップリング剤としては、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・
トリス( β−メトキシ) シラン等があり、チタネート系
カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステア
ロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼン
スルホニルチタネート、イソプロピルトリス( ジオクチ
ルピロホスフェート) チタネート等がある。
【0035】アミノ基を有するシラン系カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル) −γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0036】エポキシ基を有するシラン系カップリング
剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) トリメト
キシシラン等がある。
【0037】界面活性剤としては、市販の界面活性剤を
使用することができ、磁性粒子や該粒子表面に有する水
酸基と結合が可能な官能基を有するものが望ましく、イ
オン性で言えばカチオン性、あるいはアニオン性のもの
が好ましい。
【0038】上記いずれの処理方法によっても本発明の
目的を達成することができるが、フェノール樹脂との接
着性を考慮するとアミノ基、あるいはエポキシ基を有す
るシラン系カップリング剤による処理が好ましい。
【0039】磁性粒子粉末の量は、フェノール類に対し
て重量で0.5〜200倍が好ましく、生成する球状複
合体粒子の強度を考慮すると、4〜100倍であること
がより好ましい。
【0040】塩基性触媒としては、通常のレゾール樹脂
製造に使用される塩基性触媒が使用される。例えば、ア
ンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルア
ミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミン等のア
ルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノ
ール類に対するモル比は、0.02〜0.3が好まし
い。
【0041】フェノール類としては、フェノールの他、
m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o
−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノー
ルA等のアルキルフェノール類、及びベンゼン核又はア
ルキル基の一部又は全部が塩素原子臭素原子で置換され
たハロゲン化フェノール類等のフェノール性水酸基を有
する化合物が挙げられるが、この中でフェノールが最も
好ましい。フェノール類としてフェノール以外の化合物
を用いた場合には、粒子が生成し難かったり、粒子が生
成したとしても不定形状であったりすることがあるの
で、形状性を考慮すれば、フェノールが最も好ましい。
【0042】アルデヒド類としては、ホルマリン又はパ
ラアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及び
フルフラール等が挙げられるが、ホルムアルデヒドが特
に好ましい。アルデヒド類のフェノール類に対するモル
比は、1〜2が好ましく、特に好ましくは1.1〜1.
6である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比
が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成した
としても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子
の強度が弱かったりする傾向があり、一方、アルデヒド
類のフェノール類に対するモル比が2よりも大きいと、
反応後に水性媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が
増加する傾向がある。
【0043】球状複合体粒子は、70〜90℃の温度範
囲で反応と同時に硬化反応を進行させた後、40℃以下
に冷却すると、球状複合体粒子を含む水分散液が得られ
る。
【0044】次いで、この水分散液を濾過、遠心分離等
の常法に従って固液を分離した後、洗浄・乾燥すること
により、球状複合体粒子が得られる。
【0045】反応においては、必要により懸濁安定剤を
存在させてもよい。
【0046】懸濁安定剤としては、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコールのような親水性有機化
合物及びフッ化カルシウムのようなフッ素化合物、硫酸
カルシウム等の水に不溶性の無機塩類等が挙げられる。
【0047】次に、後者の熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂
である場合について述べる。
【0048】表面が親油化処理されている磁性粒子は、
前記磁性粒子と親油化処理剤とを単に混合する方法、又
は前記磁性粒子と親油化処理剤とを水性溶媒中で混合し
て粒子表面に親油化処理剤を吸着させる方法等のいずれ
の方法によっても得ることができる。
【0049】親油化処理剤としては、親油基を有するチ
タネート系、シラン系等のカップリング剤、シリル化
剤、並びにシリコーンオイル等を使用することができ、
殊に、エポキシ樹脂と反応しうる官能基(−NH2 、化
1等)を持つものは、複合体粒状物自体の強度を高める
等の効果を有する為好ましいものである。
【0050】
【化1】
【0051】親油基を有するチタネート系カップリング
剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフ
ェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピ
ロホスフェート)エチレンチタネート等が、親油基を有
するシラン系カップリング剤としては、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン(以上は、エポキシ樹脂と反応しうる官能基を
有するシラン系カップリング剤である。)、ビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン等が、シリル化剤と
しては、ヘキサメチルジシラザン、トリアルキルアルコ
キシシラン、トリメチルエトキシシラン等が、シリコー
ンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチル
水素シリコーンオイル等が挙げられる。
【0052】親油化処理剤による処理量は、磁性粒子に
対し0.1〜5.0重量%である。0.1重量%未満の
場合には、親油化処理が不十分なために、磁性粒子の含
有量が高い複合体粒状物を得ることが困難となる。5.
0重量%を越える場合には、親油化の度合いが大きすぎ
るために、生成した複合体粒状物同志の粘着力が増加し
て複合体粒状物の凝集が生じ、大きな1個の塊となるの
で、複合体粒状物の粒子サイズの制御が困難となる。
【0053】ビスフェノール類としては、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシ
ン等フェノール性水素基を2個以上有する化合物を使用
することができる。経済性の面からビスフェノールAが
好ましい。
【0054】ビスフェノール類の使用量は、磁性粒子に
対して0.5〜25重量%である。0.5重量%未満の
場合には、生成するエポキシ樹脂の量が磁性粒子に対し
て不十分となる為に、複合体粒状物を得ることが困難と
なる。25重量%を越える場合には、生成するエポキシ
樹脂の量が磁性粒子に対して過剰となり、磁性粒子の含
有量が高い複合体粒状物を得ることが出来ない。また、
複合体粒状物同志の凝集が起こりやすくなり、複合体粒
状物の粒子サイズの制御が困難となる。
【0055】エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒ
ドリン、エピブロムヒドリン、エピヨードヒドリン等を
使用することができ、エピクロルヒドリンが好ましい。
【0056】エピハロヒドリンの使用量は、磁性粒子に
対して0.3〜20重量%である。0.3重量%未満の
場合には、生成するエポキシ樹脂の量が磁性粒子に対し
て不十分となる為に、複合体粒状物を得ることが困難と
なる。20重量%を越える場合には、生成するエポキシ
樹脂の量が磁性粒子に対して過剰となり、磁性粒子の含
有量が高い複合体粒状物を得ることが出来ない。また、
複合体粒状物同志の凝集が起こりやすくなり、複合体粒
状物の粒子サイズの制御が困難となる。
【0057】ビスフェノール類とエピハロヒドリンとの
使用割合は、モル比で0.5〜1.0:1.0である。
0.5未満の場合には、余剰のエピハロヒドリンに起因
する反応副生物等の影響により粒状化が困難となる。
1.0を越える場合には、硬化速度が速くなり、複合体
粒状物が得られ難く、得られたとしても粒度分布の拡が
りが大きくなる。
【0058】アルカリ性水性媒体は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリを水に添加することに
よって得られる。
【0059】反応は、磁性粒子とビスフェノール類及び
エピハロヒドリンとを含むアルカリ性水性媒体を硬化剤
の存在下で攪拌しながら60〜90℃の範囲の温度まで
昇温し、約1〜5時間重合反応を進行させるか、又は、
磁性粒子と未硬化エポキシ樹脂とを含む水性媒体中で硬
化剤の存在下で攪拌しながら、60〜90℃の範囲の温
度まで昇温し、約1〜8時間硬化反応を進行させること
によって行なわれる。
【0060】硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬
化剤として広く知られている。例えば、酸無水物、アミ
ン類を使用することができる。
【0061】未硬化エポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールAの両末端グリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールの両末端グリシジルエーテル等の分子内に2個以
上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物が使用でき
る。
【0062】アルカリ性水性媒体中又は水性媒体中に生
成した複合体粒状物は、濾過、遠心分離等の通常の方法
によって固液分離し、次いで、水洗後加熱乾燥すればよ
い。
【0063】本発明における球状複合体粒子の加熱処理
は、不活性雰囲気下350℃以上の温度で行う。
【0064】熱処理炉としては、固定式のものや、回転
式のもの等いずれの処理機でも構わないが、粒子同志の
凝集を防ぐ為には、回転式のものが望ましい。
【0065】本発明における不活性雰囲気は、ヘリウ
ム、アルゴン、窒素等の不活性ガスを熱処理炉中に流せ
ばよく、コスト的な面から窒素ガスで十分である。
【0066】不活性ガスの流量は、磁性粒子粉末、特
に、鉄やマグネタイト等を用いた場合には心配される酸
化を防止するために1l/min以上流すことが肝要で
ある。
【0067】本発明における加熱は、フェノール樹脂も
しくはエポキシ樹脂の一部が分解して炭化するのに必要
な温度、すなわち350℃以上で処理すればよい。処理
温度が350℃未満の場合には、樹脂の炭化が進行しに
くく長時間を要する。350℃以上であればフェノール
樹脂もしくはエポキシ樹脂の一部を炭化する為には十分
な温度であるが、磁性粒子粉末の組成変化による飽和磁
化値の低下および樹脂分の炭化の程度を考慮した温度、
時間を設定することが肝要となる。磁性粒子粉末の飽和
磁化値や樹脂分の炭化の程度を制御することを考慮すれ
ばその上限値は、好ましくは450℃である。450℃
を越える場合には、樹脂分の完全炭化により導電率が高
くなりすぎたり、さらに高温、例えば800℃を越える
場合には樹脂によって磁性粒子粉末の還元が進行しやす
くなり、例えば、マグネタイトの場合は還元が進行して
一部又は全部がウスタイトや鉄となり、これらは酸化さ
れやすく、また、酸化された場合には飽和磁化値が低下
してしまう。
【0068】加熱処理時間は、加熱温度によっても変わ
るが、0.5〜3時間の処理で十分である。
【0069】
【作用】まず、本発明において最も重要な点は、磁性粒
子粉末を熱硬化性樹脂をバインダとして結合してなる平
均粒子径が1〜1000μmの球状複合体粒子を不活性
雰囲気中350℃以上の温度で加熱処理して前記熱硬化
性樹脂の一部を炭化させた場合には、磁性粒子粉末と熱
硬化性樹脂と該熱硬化性樹脂の一部を炭化させることに
より生成されるカーボンとからなる球状複合体粒子であ
って、平均粒子径が1〜1000μmである球状複合体
粒子を得ることができ、この球状複合体粒子は、強度が
大きく、しかも大きな飽和磁化値と適当な導電率を有す
るという事実である。
【0070】本発明に係る球状複合体粒子が、大きな飽
和磁化値と適当な導電率を有する理由について、本発明
者は、球状複合体粒子を構成する樹脂が残炭率の高い熱
硬化性樹脂であることと球状複合体粒子中に含有される
磁性粒子粉末の含有率が80〜98重量%と多いことに
よるものと考えている。
【0071】本発明に係る球状複合体粒子の強度が強い
理由について、本発明者は、磁性粒子粉末が最密充填構
造を形成するように熱硬化性樹脂によって、均一且つ強
固に結合されている球状複合体粒子を被加熱処理粒子と
して用いたことに起因して、得られた球状複合粒子自体
も最密充填構造を形成していることによるものと考えて
いる。本発明においては、後述する方法IIによる強度
が0.08以下と強度が大きい球状複合体粒子が得られ
る。
【0072】本発明においては、飽和磁化値が40〜1
50emu/g、殊に、65〜150emu/gと大き
い球状複合体粒子が得られる
【0073】本発明においては、印加電圧15Vの直流
電界において、10-6〜10-4S/cmと適当な導電率
を有する球状複合体粒子が得られる。
【0074】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により本発明を説
明する。
【0075】尚、以下の実施例並びに比較例における平
均粒子径はレーザー回折式粒度分布計(堀場製作所
(株)製)により計測した値で示し、また、粒子の粒子
形態は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JMS
−5300) で観察したものである。
【0076】炭素量は、カーボン/サルファ・アナライ
ザーEMIA・2200(堀場製作所製)を用いて測定
した。
【0077】飽和磁化は、振動試料型磁力計VSM−3
S−15(東英工業(株)製) を用いて外部磁場10K
Oeのもとで測定した値で示した。
【0078】導電率は、ホイートストンブリッジ276
8(横河電機(株)製) で測定した値で示した。
【0079】球形度は、200個以上の粒子が写ったS
EM写真より、1個の粒子の長軸径(l)と短軸径
(w)を測定し、l/w比で表した。
【0080】強度は、以下のように測定した。ガラス製
の100mlの瓶に、粒子50gを入れ、フタを締めた
後、ペイント・コンディショナーにて60分間振とうし
た。振とう処理前と60分間振とう処理後のサンプル粒
子の粒度分布をレーザー回折式粒度分布計にて測定し、
得られた粒度分布を比較することによって強度を判定し
た。(方法I) A:変化ない又はほとんど変化がない。 B:若干変化がある。 C:変化がある。 本発明の強度としては”A”であることが望まれる。
【0081】また、レーザー回折式粒度分布計によっ
て、振とう前後の粒子の平均粒子径(a)(振とう
前)、(b)(振とう後)とを測定し、振とう処理前の
平均粒子径(a)と振とう処理後の平均粒子径(b)と
の差と振とう処理前の平均粒子径(a)との比:(a−
b)/aによって強度を示す。(方法II) 本発明の強度としては、(a−b)/a<0.1である
ことが望ましい。
【0082】フェノール樹脂の残存の有無は、下記の方
法により確認した。球状複合体粒子を試料として、該試
料を粉砕した後、粉砕物1gを試験管に入れ、直火で加
熱する。分解生成ガスが試験管上部に凝縮したことを確
かめてからいったん冷却し、蒸留水3mlを加えて煮沸
して凝縮物を水に溶解した後、濾過する。この液1ml
にミロン試薬を少量加え、赤色を呈すれば球状複合体粒
子中にフェノール樹脂が残存していることが確認でき
る。ミロン試薬は水銀5gを発煙硝酸5gに溶解し、蒸
留水100mlで薄めたものである。
【0083】エポキシ樹脂の残存の有無は、下記の方法
により確認した。球状複合体粒子を試料として、該試料
を粉砕した後、粉砕物1gを濃硫酸100mlに冷時溶
解し、室温で攪拌した後、濾別して得られる液1mlに
37%ホルマリンを1〜2滴加えると橙色になる。これ
を水の中に注いで薄めると、ただちに青色に変化すれ
ば、球状複合体粒子中にエポキシ樹脂が残存しているこ
とが確認できる。
【0084】球状複合体粒子中の熱硬化性樹脂の残存量
は、下記の方法により求めることができる。
【0085】球状複合体粒子中の熱硬化性樹脂の量は、
球状複合体粒子の比重の測定値dと球状複合体粒子の飽
和磁化の測定値及び強磁性体粒子の飽和磁化の測定値か
ら算出して求めた強磁性体の含有量とから、下記のよう
にして求めることができる。
【0086】先ず、強磁性体粒子の比重をp、熱硬化性
樹脂の比重をq、炭素の比重をrとし、球状複合体粒子
中の含有量をそれぞれx、y、z重量%とすると、球状
複合体粒子の比重(d)は下記式で表される。 d=(x+y+z)/〔(x/p)+(y/q)+(z/r)〕‥‥ 次に、x+y+z=100であるから、z=100−x
−yで表されるとともに、強磁性体粒子の飽和磁化値を
σ1 とし、一方、球状複合体粒子の飽和磁化値をσp
すると、強磁性体の含有量xは、σp /σ1 で表される
から、 d=100/〔(x/p)+(y/q)+(100−x−y)/r〕‥‥ となる。上記式に球状複合体粒子の比重の測定値d、
強磁性体粒子の比重p、熱硬化性樹脂の比重q、炭素の
比重r、強磁性体の含有量xのそれぞれを挿入すると、
熱硬化性樹脂の含有量y(重量%)を求めることができ
る。
【0087】<磁性粒子粉末と硬化したフェノール樹脂
との球状複合体粒子の生成> 実施例1〜3;
【0088】実施例1 ヘンシェルミキサー内に平均粒子径0.24μmの球状
マグネタイト粒子400gを仕込み良く攪拌した後、シ
ラン系カップリング剤(KBM−403;信越化学
(株)製)2.0gを添加し、約100℃まで昇温し3
0分間良く混合攪拌することによりカップリング剤で被
覆されている球状マグネタイト粒子を得た。
【0089】別に、1 lの四つ口フラスコに、フェノー
ル40g、37%ホルマリン60g、親油化処理された
マグネタイト400g、28%アンモニア水12g、水
40gを攪拌しながら40分間で85℃に上昇させ、同
温度で180分間反応・硬化させ、マグネタイト粒子と
硬化したフェノール樹脂とからなる複合体の生成を行っ
た。
【0090】次に、フラスコ内の内容物を30℃に冷却
し、0.5lの水を添加した後、上澄み液を除去し、さ
らに下層の沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを
減圧下(50mmHg以下) に50〜60℃で乾燥して
複合体粒子( 以下、複合体粒子aという)を得た。
【0091】ここに得られた複合体粒子aは、平均粒子
径が35μmであり、図1の走査型電子顕微鏡写真(×
2000)に示す通り、真球に近い球形を呈していた。
この球状複合体粒子の主要製造条件及び諸特性を表1に
示す。
【0092】実施例2 親油化処理を施さなかったこととフェノールの量及び水
の量を変化させた以外は、実施例1と同様にして、複合
体粒子(以下、複合体粒子bという)を得た。得られた
複合体粒子の主要製造条件及び諸特性を表1に示す。
【0093】実施例3 親油化処理剤の種類及び量並びに水の量を変化させた以
外は、実施例1と同様にして、複合体粒子(以下、複合
体粒子cという)を得た。得られた複合体粒子の主要製
造条件及び諸特性を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】<磁性粒子粉末と硬化したエポキシ樹脂と
の球状複合体粒子の生成> 実施例4〜6;
【0096】実施例4 500mlの4つ口フラスコに、水50ml、水酸化ナ
トリウム5.50g、ビスフェノールA20g、エピク
ロルヒドリン10g、無水フタル酸2.0g及び粒子表
面が0.5重量%のシランカップリング剤KBM602
(信越化学社製)で被覆されているマグネタイト粒子
(粒径0.24μm)200gを投入して攪拌した。
【0097】1.0〜1.5/分の速度で80℃まで昇
温した後、該80℃で1.5時間攪拌を続けて、磁性粒
子とエポキシ樹脂からなる複合体の生成を行った。
【0098】得られた生成物を濾別後、水洗、乾燥処理
をして複合体粒子を得た。得られた複合体粒子の平均粒
子径が37.0μmで、図2の走査型電子顕微鏡写真
(×2000)に示す通り、真球に近い球状を呈してい
た。
【0099】得られた複合体粒子の主要製造条件及び諸
特性を表2及び表3に示す。
【0100】実施例5及び6 磁性粒子の種類、ビスフェノールの種類及び量、エピク
ロルヒドリンの種類及び量、水酸化ナトリウムの量、硬
化剤の種類及び量、水の量を種々変えた以外は、実施例
4と同様にして複合体粒子を生成した。
【0101】得られた複合体粒子の主要製造条件及び諸
特性を表2及び表3に示す。尚、実施例5及び実施例6
におけるトナー帯電量は、平均粒子径が小さいため、測
定できなかった。
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】<複合体粒子の加熱処理> 実施例7〜11、比較例1;
【0105】実施例7 実施例1で得た球状複合体粒子a 1kgを内容量10
lの回転式熱処理炉内に入れ、窒素ガスを1l/min
の流量で流しながら、熱処理炉内を370℃に上げた後
2時間処理した。室温まで冷却した後取り出し、加熱処
理球状複合体粒子gを得た。
【0106】得られた加熱処理球状複合体粒子gは、分
析の結果フェノールが検出され、且つ、導電性を呈して
いることから、フェノールが部分的に炭化されたことが
確認された。
【0107】ここに得られた加熱処理球状複合体粒子g
の走査型電子顕微鏡写真(×2000)を図3に、そし
て主要製造条件及び諸特性を表4に示す。
【0108】100ccのガラス瓶に加熱処理球状複合
体粒子50gを入れ、ペイントコンディショナー(RE
D DEVIL社製)を用いて3時間振とうさせた後
に、飽和磁化値及び導電率を測定したところ、初期の値
をほぼ維持していた。このことから、加熱処理球状複合
体粒子は、ほとんど破壊されておらず、強度が極めて強
いことが認められた。
【0109】実施例8〜9 複合体の種類及び加熱処理条件を変えた以外は、実施例
7と同様にして加熱処理し、加熱処理球状複合体粒子h
及びiを製造した。この時の主要製造条件及び諸特性を
表4に示す。
【0110】
【表4】
【0111】実施例8〜9で得られた加熱処理球状複合
体粒子h及びiの各粒子は、分析の結果、いずれもフェ
ノールが検出され、且つ、導電性を呈していることか
ら、フェノールが部分的に炭化されたことが確認され
た。
【0112】実施例8〜9で得られた加熱処理球状複合
体粒子を実施例7と同様にして振とうさせた後に、飽和
磁化値及び導電率を測定したところ、初期の値をほぼ維
持していた。このことから、加熱処理球状複合体粒子
は、ほとんど破壊されておらず、強度が極めて強いこと
が認められた。
【0113】比較例1 実施例1で用いた磁性粒子粉末と市販のポリエチレン樹
脂(アドマーNS101;三井石油化学(株)製) をエ
クストルーダーにて混練した後、粉砕・分級して複合体
粒子を製造した。得られた複合体粒子は、不定形の粒子
であり、平均粒子径33μmであって、磁性粒子粉末の
含有率が80wt%であった。この複合体粒子を450
℃で1時間加熱処理して、得られた粒子lは、導電性を
全く示していなかった。そしてこの粒子lは、手で触る
と容易に壊れてしまった。
【0114】実施例10 実施例4で得られた複合体粒子1kgを内容量10lの
回転式熱処理炉内に入れ、窒素ガスを1l/minの流
量で流しながら、熱処理炉内を400℃に挙げ、1時間
熱処理した。熱処理炉内を室温まで冷却した後、生成物
を取り出し、加熱処理球状複合体粒子jを得た。
【0115】得られた加熱処理球状複合体粒子jの平均
粒子径は、36μmで、真球に近い球状(球形度:1.
1)を呈していた。得られた加熱処理球状複合体粒子j
の製造条件及び諸特性を表4に示す。
【0116】得られた加熱処理球状複合体粒子粉末j
は、エポキシ樹脂が検出され、且つ、導電性を示してい
ることから、エポキシ樹脂が部分的に炭化されているこ
とが確認された。
【0117】実施例11 複合体粒子の種類及び加熱処理条件を種々変えた以外
は、実施例10と同様にして加熱処理球状複合体粒子を
製造した。
【0118】加熱処理球状複合体粒子の製造条件及び諸
特性を表4に示す。
【0119】得られた加熱処理球状複合体粒子kの走査
型電子顕微鏡写真(×3500)を図4にに示す。
【0120】実施例11で得られた加熱処理球状複合体
粒子kの粒子はエポキシが検出され、且つ、導電性を示
していることから、エポキシ樹脂が部分的に炭化された
ことが確認された。
【0121】
【発明の効果】本発明に係る球状複合体粒子粉末は、強
度が大きく、しかも、大きな飽和磁化値と適当な導電率
を有するものであるので、磁性キャリアや磁性トナー等
の静電潜像現像剤用材料、電磁波吸収材用材料、電磁波
シールド用材料、ブレーキシューや研磨用材料、潤滑用
材料、磁気分離用材料、磁石用材料、イオン変換樹脂用
材料、固定化酵素担体用材料、ディスプレー用表示材
料、制振用材料、塗料用材料、ゴム・プラスチック用着
色材料、充填材料、補強材料等の材料として好適であ
る。
【0122】また、本発明に係る球状複合体粒子粉末
は、強度が大きいので、大きな飽和磁化値と適当な導電
率を長期に亘って維持することができるものであり、ま
た、球状であることによって、充填性がよく、また、樹
脂への混練及びビヒクルへの混合に際して分散性が優れ
ているという効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた球状複合体粒子粉末の粒
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)であ
る。
【図2】 実施例4で得られた球状複合体粒子粉末の粒
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)であ
る。
【図3】 実施例7で得られた球状複合体粒子粉末の粒
子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)であ
る。
【図4】 実施例11で得られた球状複合体粒子粉末の
粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×3500)で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NKU 101/00 C09C 1/48 PBE G03G 9/083 9/087 9/107 H01F 1/00 // C01G 49/08 A G03G 9/08 333 9/10 331 H01F 1/00 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粒子粉末と熱硬化性樹脂と該熱硬化
    性樹脂の一部を炭化させることにより生成されるカーボ
    ンとからなる球状複合体粒子であって、平均粒子径が1
    〜1000μmであることを特徴とする球状複合体粒子
    からなる球状複合体粒子粉末。
  2. 【請求項2】 磁性粒子粉末の含有量が80〜98重量
    %、熱硬化性樹脂の含有量が13重量%以下、熱硬化性
    樹脂を炭化させることにより生成されたカーボン含有量
    が2〜15重量%である請求項1記載の球状複合体粒子
    粉末。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂がフェノール樹脂又はエポ
    キシ樹脂である請求項1又は請求項2記載の球状複合体
    粒子粉末。
  4. 【請求項4】 磁性粒子粉末を熱硬化性樹脂をバインダ
    として結合してなる平均粒子径が1〜1000μmの球
    状複合体粒子を不活性雰囲気中350℃以上の温度で加
    熱処理して前記熱硬化性樹脂の一部を炭化させることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に
    記載の球状複合体粒子粉末の製造法。
JP20131394A 1994-08-02 1994-08-02 球状複合体粒子粉末及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3407417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20131394A JP3407417B2 (ja) 1994-08-02 1994-08-02 球状複合体粒子粉末及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20131394A JP3407417B2 (ja) 1994-08-02 1994-08-02 球状複合体粒子粉末及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0840724A true JPH0840724A (ja) 1996-02-13
JP3407417B2 JP3407417B2 (ja) 2003-05-19

Family

ID=16438945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20131394A Expired - Fee Related JP3407417B2 (ja) 1994-08-02 1994-08-02 球状複合体粒子粉末及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3407417B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001179101A (ja) * 1999-10-14 2001-07-03 Toda Kogyo Corp 多孔性機能粉体及びその製造法
US6939638B2 (en) * 2000-07-06 2005-09-06 Nisshinbo Industries, Inc. Fuel cell separator, process for production thereof, and polymer electrolyte fuel cell
KR101385869B1 (ko) * 2007-03-30 2014-04-17 도다 고교 가부시끼가이샤 본드 자석용 페라이트 입자 분말, 본드 자석용 수지 조성물및 이들을 이용한 성형체
JP2014162655A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法
CN111117166A (zh) * 2020-03-02 2020-05-08 桂林电子科技大学 一种针状磁性铁氧化物/环氧树脂改性母液及其制备方法和应用
US20210002434A1 (en) * 2018-04-02 2021-01-07 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Resin powder, sealing material, electronic component, and resin powder manufacturing method
WO2023248671A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 住友理工株式会社 ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102807840B (zh) * 2012-08-17 2014-05-14 中北大学 纳米Fe3O4-SrFe12O19复合吸波材料的制备方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63200866A (ja) * 1987-02-17 1988-08-19 Hitachi Maxell Ltd 光デイスク保護膜のコ−テイング方法
JPH0660811A (ja) * 1992-08-12 1994-03-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd Crt用メタルバックアンダーコート被膜の形成方法及び陰極線管を製造する方法
JPH06338256A (ja) * 1993-04-02 1994-12-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd 陰極線管メタルバックアンダーコート被膜の形成方法及びそれを用いた陰極線管
JP2001077323A (ja) * 1999-07-02 2001-03-23 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法
JP2002246293A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Sony Corp フォトレジストのコーティング方法
JP2004111850A (ja) * 2002-09-20 2004-04-08 Canon Inc バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極および該電極の製造方法ならびに該電極を用いた圧電体素子、薄膜キャパシタおよび該圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッド
JP2004281900A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Seiko Epson Corp セラミックス膜の製造方法およびこれに用いる加圧型熱処理装置
JP2006156565A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sharp Corp 回転塗布方法
WO2011089748A1 (ja) * 2010-01-21 2011-07-28 株式会社ユーテック Pbnzt強誘電体膜、ゾルゲル溶液、成膜方法及び強誘電体膜の製造方法
JP2011151137A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Panasonic Corp 半導体装置およびその製造方法
WO2013018155A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 株式会社ユーテック 強誘電体膜およびその製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63200866A (ja) * 1987-02-17 1988-08-19 Hitachi Maxell Ltd 光デイスク保護膜のコ−テイング方法
JPH0660811A (ja) * 1992-08-12 1994-03-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd Crt用メタルバックアンダーコート被膜の形成方法及び陰極線管を製造する方法
JPH06338256A (ja) * 1993-04-02 1994-12-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd 陰極線管メタルバックアンダーコート被膜の形成方法及びそれを用いた陰極線管
JP2001077323A (ja) * 1999-07-02 2001-03-23 Toshiba Corp 半導体装置の製造方法
JP2002246293A (ja) * 2001-02-19 2002-08-30 Sony Corp フォトレジストのコーティング方法
JP2004111850A (ja) * 2002-09-20 2004-04-08 Canon Inc バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極および該電極の製造方法ならびに該電極を用いた圧電体素子、薄膜キャパシタおよび該圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッド
JP2004281900A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Seiko Epson Corp セラミックス膜の製造方法およびこれに用いる加圧型熱処理装置
JP2006156565A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sharp Corp 回転塗布方法
JP2011151137A (ja) * 2010-01-20 2011-08-04 Panasonic Corp 半導体装置およびその製造方法
WO2011089748A1 (ja) * 2010-01-21 2011-07-28 株式会社ユーテック Pbnzt強誘電体膜、ゾルゲル溶液、成膜方法及び強誘電体膜の製造方法
WO2013018155A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 株式会社ユーテック 強誘電体膜およびその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001179101A (ja) * 1999-10-14 2001-07-03 Toda Kogyo Corp 多孔性機能粉体及びその製造法
US6939638B2 (en) * 2000-07-06 2005-09-06 Nisshinbo Industries, Inc. Fuel cell separator, process for production thereof, and polymer electrolyte fuel cell
KR101385869B1 (ko) * 2007-03-30 2014-04-17 도다 고교 가부시끼가이샤 본드 자석용 페라이트 입자 분말, 본드 자석용 수지 조성물및 이들을 이용한 성형체
JP2014162655A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法
US20210002434A1 (en) * 2018-04-02 2021-01-07 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Resin powder, sealing material, electronic component, and resin powder manufacturing method
CN111117166A (zh) * 2020-03-02 2020-05-08 桂林电子科技大学 一种针状磁性铁氧化物/环氧树脂改性母液及其制备方法和应用
WO2023248671A1 (ja) * 2022-06-24 2023-12-28 住友理工株式会社 ウレタン発泡成形体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3407417B2 (ja) 2003-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3397229B2 (ja) 球状複合体粒子粉末及び該粒子粉末からなる電子写真用磁性キャリア
US5654120A (en) Magnetic carrier for electrophotography
WO2012133645A1 (ja) 磁性酸化鉄粒子粉末、電子写真現像剤用磁性キャリア、及び二成分系現像剤
JP3407417B2 (ja) 球状複合体粒子粉末及びその製造方法
JP3185998B2 (ja) 球形導電性磁性体粒子粉末及びその製造方法
JP5556080B2 (ja) 電子写真現像剤用磁性キャリア及び二成分現像剤
JP2738734B2 (ja) 電子写真用磁性キヤリア及びその製造方法
JP2814007B2 (ja) 無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体及びその製造法
JP3389611B2 (ja) 無機物粒子含有樹脂複合球状物粉体
JP4055448B2 (ja) 球状フェライト粒子、その製造方法及び該球状フェライト粒子からなる電子写真現像用キャリア
EP0410788B1 (en) Magnetic particles used for electrostatic latent image developer and process for producing the same
JP3097710B2 (ja) 無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体
JP2825295B2 (ja) 電子写真用磁性キャリア及びその製造法
JP3175743B2 (ja) 無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体
JP3006657B2 (ja) 電子写真用磁性キャリア及びその製造法
JP3259749B2 (ja) 電子写真用磁性キャリア
JP2925602B2 (ja) 静電潜像現像剤用導電性磁性粉体及びその製造法
JP3405383B2 (ja) 電子写真現像剤用キャリア及びその製造法
JP2767063B2 (ja) 静電潜像現像剤用磁性粉体及びその製造法
JP3407547B2 (ja) 電子写真現像剤用キャリア及びその製造法
JP3257578B2 (ja) 電子写真用磁性キャリア
JP3001239B2 (ja) 球形を呈した無機物粒子含有フェノール樹脂複合物粉体及びその製造法
JP3405384B2 (ja) 電子写真現像剤用キャリア及びその製造法
JP4203694B2 (ja) 電子写真現像剤用磁性キャリア
JPH0486749A (ja) 電子写真用磁性キャリア

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090314

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100314

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100314

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees