JP3185998B2 - 球形導電性磁性体粒子粉末及びその製造方法 - Google Patents

球形導電性磁性体粒子粉末及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度が大きく、しか
も、大きな飽和磁化値と高い導電率を有する球形導電性
磁性体粒子粉末およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】本発明に係る球形導電性磁性体粒子粉末の
主な用途は、磁性キャリアや磁性トナー等の静電潜像現
像剤用材料、電磁波吸収材用材料、電磁波シールド用材
料、ブレーキシューや研磨用材料、潤滑用材料、磁気分
離用材料、磁石用材料、イオン変換樹脂用材料、固定化
酵素担体用材料、ディスプレー用表示材料、制振用材
料、塗料用材料、ゴム・プラスチック用着色材料、充填
材料、補強材料等である。
【0003】
【従来の技術】近年、新製品の開発や新用途の開拓がさ
かんであり、そのため高度の性能や新規な機能を有する
材料の研究・開発が活発である。
【0004】前述した各種分野においても例外ではな
く、異種材料相互の組み合わせや異種特性の併有等が種
々試みられており、磁性と導電性との両特性を備えた導
電性磁性体粒子粉末は、現在、強く要求されている。
【0005】従来、磁性と導電性との両特性を備えた粒
子としては、鉄等の金属粉末やフェライト等の金属酸化
物粉末が知られている。
【0006】また、各種粒子に導電性を付与する方法と
しては、金属粒子、セラミック粒子又はプラスチック
粒子の粒子表面にスパッタリングやCVD法によって金
属を被覆する方法(特開昭62−250172号公報)
やセラミック粒子又はプラスチック粒子の粒子表面に
無電解メッキ法によって金属を被覆する方法(特開平6
3−18096号公報)等がある。
【0007】また、機械的衝撃を与えて、カーボンブ
ラックを固着させた樹脂粒子を磁性粒子の表面に被着固
定化する方法(特開平2−13969号公報)、磁性
粉末とバインダー樹脂からなる複合粒子表面に導電性微
粒子を付着させる方法等がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】磁性と導電性との両特
性を備えた粒子は、現在最も要求されているところであ
るが、前出公知の方法による場合には、未だこのような
特性を備えた粒子は得られていない。
【0009】即ち、前出鉄等の金属粉末は、その形状が
不定形であるから使用に際して充填が困難であったり、
ビヒクルへの分散が十分ではないので、その機能を十分
発揮させることができず、しかも、酸化されやすいた
め、その取扱いが非常に難しい。前出フェライト等の金
属酸化物粉末は、球状のものも存在しており、空気中に
おいて安定ではあるが、導電性があまり高くない。
【0010】前出及びに記載の方法による場合に
は、粒子の表面に被覆されている導電層が機械的シェア
ーにより剥離しやすく、経時的に導電性が低下する。そ
して、特にの方法においては、処理コストが高く、か
つ特殊な装置が必要であり、の方法においては、メッ
キ廃液の処理の問題がある。
【0011】前出及びの方法においても、粒子の表
面に被覆されている表面導電層が機械的シェアーにより
剥離しやすいものである。さらにの方法は、磁性粒子
の含有量が少ないので飽和磁化値が小さいものである。
【0012】そこで、本発明は、導電性磁性体粒子の剥
離や離脱が生じることがないように、強度が大きく、し
かも、大きな飽和磁化値と高い導電率を有する球形導電
性磁性体粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
とおりの本発明によって達成できる。
【0014】即ち、本発明は磁性粒子粉末85〜98重
量%とカーボン2〜15重量%との複合体であって、平
均粒子径が1〜1000μm、飽和磁化が40〜150
emu/g、導電性が10 -6 S/cm台乃至10 -3 S/
cm台である球形導電性磁性体粒子からなる球形導電性
磁性体粒子粉末及び磁性粒子粉末と硬化したフェノール
樹脂との複合体であって、平均粒子径が1〜1000μ
mである球形複合体粒子を不活性雰囲気中400〜80
0℃の温度範囲で加熱処理して前記フェノール樹脂を炭
化させることにより、球形導電性磁性体粒子を得ること
からなる前記球形導電性磁性体粒子粉末の製造法であ
る。
【0015】以下、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0016】本発明に係る導電性磁性体粒子粉末は、磁
性粒子粉末85〜98重量%とカーボン2〜15重量%
との複合体であって、平均粒子径が1〜1000μm
飽和磁化が40〜150emu/gである球形導電性磁
性体粒子粉末である。
【0017】磁性粒子粉末としては、マグネタイト,ガ
ンマ酸化鉄等の磁性体酸化鉄、鉄以外の金属(Mn、N
i、Zn、Mg、Cu等)を一種又は二種以上含有する
スピネルフェライト、バリウムフェライト等のマグネト
プランバイト型フェライト、表面に酸化層を有する鉄や
合金の微粒子粉末を用いることができる。その形状は、
粒状、球状、針状のいずれであってもよい。特に高飽和
磁化を要する場合には、鉄等の磁性粒子粉末を用いるこ
とができるが、化学的な安定性を考慮すると、マグネタ
イト、ガンマ酸化鉄等の磁性酸化鉄を含むスピネルフェ
ライト及びバリウムフェライト等のマグネトプランバイ
ト型フェライトの磁性粒子粉末を用いることが好まし
い。
【0018】磁性粒子粉末の含有量は、85〜98重量
%である。85重量%未満の場合には、飽和磁化値が不
十分である。98重量%を越える場合には、強磁性体粒
子間の結着が弱く、強度が小さくなる。
【0019】本発明におけるカーボンの含有量は、2〜
15重量%である。2重量%未満の場合には、導電性が
不十分であり、しかも、粒子の強度が小さくなる。15
重量%を越える場合には、飽和磁化値が低下する。
【0020】本発明に係る導電性磁性体粒子の平均粒子
径は1〜1000μmである。平均粒子径が1μm未満
の粒子は、二次凝集しやすく、1000μmを越えるも
のは機械的強度が弱く充填材等として使用される場合、
破壊が生じる場合が生じやすい。
【0021】本発明に係る導電性磁性体粒子は、ほぼ球
形を呈している。そのため、分散性・流動性に優れ、機
械的強度にも優れているものである。
【0022】本発明に係る導電性磁性体粒子は、磁性粒
子粉末及び塩基性触媒の存在下でフェノール類とアルデ
ヒド類とを水性媒体中で反応・硬化させることにより生
成した磁性粒子粉末と硬化したフェノール樹脂との複合
体であって、平均粒子径が1〜1000μmである球形
複合体粒子を不活性雰囲気中400〜800℃の温度範
で加熱処理して前記フェノール樹脂を炭化させること
により得られる。
【0023】本発明における磁性粒子粉末の種類は前述
した通りであり、その粒子径は、0.05〜10μmで
あることが望ましく、磁性粒子粉末の水性媒体中におけ
る分散と生成する球形複合体粒子の強度を考慮すれば、
0.1〜5μmであることが好ましい。
【0024】そして、磁性粒子は、あらかじめ親油化処
理をしておくことが望ましく親油化処理がされていない
磁性粒子を用いる場合には、球形複合体粒子を得ること
が困難となる場合がある。
【0025】親油化処理は、シラン系カップリング剤や
チタネート系カップリング剤等のカップリング剤で処理
する方法又は界面活性剤を含む水性溶媒中に磁性粒子を
分散させ、粒子表面に界面活性剤を吸着させる方法等が
ある。
【0026】シラン系カップリング剤としては、疎水性
基、アミノ基、エポキシ基を有するものがあり、疎水性
基を有するシラン系カップリング剤としては、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・
トリス( β−メトキシ) シラン等があり、チタネート系
カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステア
ロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼン
スルホニルチタネート、イソプロピルトリス( ジオクチ
ルピロホスフェート) チタネート等がある。
【0027】アミノ基を有するシラン系カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル) −γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0028】エポキシ基を有するシラン系カップリング
剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) トリメト
キシシラン等がある。
【0029】界面活性剤としては、市販の界面活性剤を
使用することができ、磁性粒子や該粒子表面に有する水
酸基と結合が可能な官能基を有するものが望ましく、イ
オン性で言えばカチオン性、あるいはアニオン性のもの
が好ましい。
【0030】上記いずれの処理方法によっても本発明の
目的を達成することができるが、フェノール樹脂との接
着性を考慮するとアミノ基、あるいはエポキシ基を有す
るシラン系カップリング剤による処理が好ましい。
【0031】磁性粒子粉末の量は、フェノール類に対し
て重量で0.5〜200倍が好ましく、生成する球形複
合体粒子の強度を考慮すると、4〜100倍であること
がより好ましい。
【0032】次に、本発明における塩基性触媒として
は、通常のレゾール樹脂製造に使用される塩基性触媒が
使用される。例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテ
トラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポ
リエチレンイミン等のアルキルアミンが挙げられる。こ
れら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.
02〜0.3が好ましい。
【0033】本発明におけるフェノール類としては、フ
ェノールの他、m−クレゾール、p−tert−ブチル
フェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノー
ル、ビスフェノールA等のアルキルフェノール類、及び
ベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子臭
素原子で置換されたハロゲン化フェノール類等のフェノ
ール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、この中で
フェノールが最も好ましい。フェノール類としてフェノ
ール以外の化合物を用いた場合には、粒子が生成し難か
ったり、粒子が生成したとしても不定形状であったりす
ることがあるので、形状性を考慮すれば、フェノールが
最も好ましい。
【0034】本発明におけるアルデヒド類としては、ホ
ルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルム
アルデヒド及びフルフラール等が挙げられるが、ホルム
アルデヒドが特に好ましい。アルデヒド類のフェノール
類に対するモル比は、1〜2が好ましく、特に好ましく
は1.1〜1.6である。アルデヒド類のフェノール類
に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難かっ
たり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いため
に、生成する粒子の強度が弱かったりする傾向があり、
一方、アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が2
よりも大きいと、反応後に水性媒体中に残留する未反応
のアルデヒド類が増加する傾向がある。
【0035】本発明における球形複合体粒子は、70〜
90℃の温度範囲で反応と同時に硬化反応を進行させた
後、40℃以下に冷却すると、球形複合体粒子を含む水
分散液が得られる。
【0040】次に、この水分散液を濾過、遠心分離等の
常法に従って固液を分離した後、洗浄・乾燥することに
より、球形複合体粒子が得られる。
【0041】本発明における反応においては、必要によ
り懸濁安定剤を存在させてもよい。
【0042】懸濁安定剤としては、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコールのような親水性有機化
合物及びフッ化カルシウムのようなフッ素化合物、硫酸
カルシウム等の水に不溶性の無機塩類等が挙げられる。
【0043】本発明における球形複合体粒子の加熱処理
は、不活性雰囲気下400〜800℃の温度範囲で行
う。
【0044】熱処理炉としては、固定式のものや、回転
式のもの等いずれの処理機でも構わないが、粒子同志の
凝集を防ぐ為には、回転式のものが望ましい。
【0045】本発明における不活性雰囲気は、ヘリウ
ム、アルゴン、窒素等の不活性ガスを熱処理炉中に流せ
ばよく、コスト的な面から窒素ガスで十分である。
【0046】不活性ガスの流量は、磁性粒子粉末、特
に、鉄やマグネタイト等を用いた場合には心配される酸
化を防止するために1l/min以上流すことが肝要で
ある。
【0047】本発明における加熱は、フェノール樹脂が
分解して炭化するのに必要な温度、すなわち400℃以
上で処理すればよい。処理温度が400℃未満の場合に
は、樹脂の炭化が進行せず高い導電率が得られない。4
00℃以上であればフェノール樹脂の炭化は十分である
が、磁性粒子粉末の組成変化による飽和磁化値の低下を
考慮することが肝要となる。磁性粒子粉末の飽和磁化値
を考慮すればその上限値は、好ましくは800℃であ
る。800℃を越える場合には、樹脂によって磁性粒子
粉末の還元が進行しやすくなり、例えば、マグネタイト
の場合は還元が進行して一部又は全部がウスタイトや鉄
となり、これらは酸化されやすく、また、酸化された場
合には飽和磁化値が低下してしまう。
【0048】加熱処理時間は、加熱温度によっても変わ
るが、1〜3時間の処理で十分である。
【0049】
【作用】まず、本発明において最も重要な点は、磁性粒
子粉末と硬化したフェノール樹脂との複合体であって、
平均粒子径が1〜1000μmである球形複合体粒子を
不活性雰囲気中400〜800℃の温度範囲で加熱処理
して前記フェノール樹脂を炭化させた場合には、磁性粒
子粉末85〜98重量%とカーボン2〜15重量%との
複合体であって、平均粒子径が1〜1000μm、飽和
磁化が40〜150emu/g、導電性が10 -6 S/c
m台乃至10 -3 S/cm台である球形導電性磁性体粒子
を得ることができ、この球形導電性磁性体粒子は、強度
が大きく、しかも大きな飽和磁化値と高い導電率を有す
るという事実である。
【0050】本発明に係る球形導電性磁性体粒子が、大
きな飽和磁化値と高い導電率を有する理由について、本
発明者は、球形複合体粒子を構成する樹脂が残炭率の高
いフェノール樹脂であることと球形複合体粒子中に含有
される磁性粒子粉末の含有率が85〜98重量%と多い
ことによるものと考えている。
【0051】本発明に係る球形導電性磁性体粒子の強度
が強い理由について、本発明者は、磁性粒子粉末が最密
充填構造を形成するようにフェノール樹脂によって、均
一且つ強固に結合されている球形複合体粒子を被加熱処
理粒子として用いたことに起因して、得られた球形導電
性磁性体粒子自体も最密充填構造を形成していることに
よるものと考えている。
【0052】本発明においては、飽和磁化値が40〜1
50emu/g、殊に、65〜150emu/gと大き
い球形導電性磁性体粒子が得られる
【0053】本発明においては、印加電圧15Vの直流
電界において、10 -6 S/cm台乃至10 -3 S/cm台
と高い導電率を有する球形導電性磁性体粒子が得られ
る。
【0054】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により本発明を説
明する。
【0055】尚、以下の実施例並びに比較例における平
均粒子径はレーザー回折式粒度分布計(堀場製作所
(株)製)により計測した値で示し、また、粒子の粒子
形態は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JMS
−5300) で観察したものである。
【0056】飽和磁化は、振動試料型磁力計VSM−3
S−15(東英工業(株)製) を用いて外部磁場10K
Oeのもとで測定した値で示した。
【0057】導電率は、ホイーストンブリッジ2768
(横河電機(株)製) で測定した値で示した。
【0058】<磁性粒子粉末と硬化したフェノール樹脂
との球形複合体粒子の生成> 実施例1〜3; 実施例1 ヘンシェルミキサー内に平均粒子径0.24μmの球状
マグネタイト粒子400gを仕込み良く攪拌した後、シ
ラン系カップリング剤(KBM−403;信越化学工業
(株)製)2.0gを添加し、約100℃まで昇温し3
0分間良く混合攪拌することによりカップリング剤で被
覆されている球状マグネタイト粒子を得た。
【0059】別に、1 lの四つ口フラスコに、フェノー
ル40g、37%ホルマリン60g、親油化処理された
マグネタイト400g、28%アンモニア水12g、水
40gを攪拌しながら40分間で85℃に上昇させ、同
温度で180分間反応・硬化させ、マグネタイト粒子と
硬化したフェノール樹脂とからなる複合体の生成を行っ
た。
【0060】次に、フラスコ内の内容物を30℃に冷却
し、0.5lの水を添加した後、上澄み液を除去し、さ
らに下層の沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを
減圧下(50mmHg以下) に50〜60℃で乾燥して
複合体粒子( 以下、複合体粒子Aという)を得た。
【0061】ここに得られた複合体粒子Aは、平均粒子
径が35μmであり、図1の走査型電子顕微鏡写真(×
2000)に示す通り、真球に近い球形を呈していた。
この球形複合体粒子の主要製造条件及び諸特性を表1に
示す。
【0062】実施例2 親油化処理を施さなかったこととフェノールの量及び水
の量を変化させた以外は、実施例1と同様にして、複合
体粒子(以下、複合体粒子Bという)を得た。得られた
複合体粒子の主要製造条件及び諸特性を表1に示す。
【0063】実施例3 親油化処理剤の種類及び量並びに水の量を変化させた以
外は、実施例1と同様にして、複合体粒子(以下、複合
体粒子Cという)を得た。得られた複合体粒子の主要製
造条件及び諸特性を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】<複合体粒子の加熱処理> 実施例4〜、比較例1〜; 実施例4 実施例1で得た球形複合体粒子A 1kgを内容量10
lの回転式熱処理炉内に入れ、窒素ガスを1l/min
の流量で流しながら、熱処理炉内を450℃に上げ、1
時間処理して、導電性磁性体粒子を製造した。室温まで
冷却した後取り出し、導電性磁性体粒子Dを得た。ここ
に得られた導電性磁性体粒子Dの走査型電子顕微鏡写真
(×2000)を図2に、そして主要製造条件及び諸特
性を表2に示す。
【0066】100ccのガラス瓶に導電性磁性体粒子
50gを入れ、ペイントコンディショナー(RED D
EVIL社製)を用いて3時間振とうさせた後に、飽和
磁化値及び導電率を測定したところ、初期の値をほぼ維
持していた。このことから、導電性磁性体粒子は、ほと
んど破壊されておらず、強度が極めて強いことが認めら
れた。
【0067】実施例5〜,比較例 複合体の種類及び加熱処理条件を変えた以外は、実施例
4と同様にして加熱処理し、導電性磁性体粒子E〜Iを
製造した。この時の主要製造条件及び諸特性を表2に示
す。得られた導電性磁性体粒子Eの走査型電子顕微鏡写
真(×15000)を図3に示す。
【0068】実施例5〜で得られた導電性磁性体粒子
を実施例4と同様にして振とうさせた後に、飽和磁化値
及び導電率を測定したところ、初期の値をほぼ維持して
いた。このことから、導電性磁性体粒子は、ほとんど破
壊されておらず、強度が極めて強いことが認められた。
【0069】比較例 実施例1で用いた磁性粒子粉末と市販のポリエチレン樹
脂(アドマーNS101;三井石油化学(株)製) をエ
クストルーダーにて混練した後、粉砕・分級して複合体
粒子を製造した。得られた複合体粒子は、平均粒子径3
3μmであって、磁性粒子粉末の含有率が80wt%で
あった。この複合体粒子を実施例4と同様に加熱処理し
て、導電性磁性体粒子Jを製造した。ここに得られた導
電性磁性体粒子Jは手で触ると容易に壊れてしまった。
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】本発明に係る導電性磁性体粒子粉末は、
強度が大きく、しかも、大きな飽和磁化値と高い導電率
を有するものであるので、磁性キャリアや磁性トナー等
の静電潜像現像剤用材料、電磁波吸収材用材料、電磁波
シールド用材料、ブレーキシューや研磨用材料、潤滑用
材料、磁気分離用材料、磁石用材料、イオン変換樹脂用
材料、固定化酵素担体用材料、ディスプレー用表示材
料、制振用材料、塗料用材料、ゴム・プラスチック用着
色材料、充填材料、補強材料等の材料として好適であ
る。
【0072】また、本発明に係る導電性磁性体粒子粉末
は、強度が大きいので、大きな飽和磁化値と高い導電率
を長期に亘って維持することができるものであり、ま
た、球状であることによって、充填性がよく、また、樹
脂への混練及びビヒクルへの混合に際して分散性が優れ
ているという効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた球形導電性磁性体粒子粉
末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×200
0)である。
【図2】 実施例4で得られた球形導電性磁性体粒子粉
末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×200
0)である。
【図3】 実施例5で得られた球形導電性磁性体粒子粉
末の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(×1500
0)である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粒子粉末85〜98重量%とカーボ
    ン2〜15重量%との複合体であって、平均粒子径が1
    〜1000μm、飽和磁化が40〜150emu/g、
    導電性が10-6S/cm台乃至10-3S/cm台である
    球形導電性磁性体粒子からなる球形導電性磁性体粒子粉
    末。
  2. 【請求項2】 磁性粒子粉末と硬化したフェノール樹
    との複合体であって、平均粒子径が1〜1000μmで
    ある球形複合体粒子を不活性雰囲気中400〜800℃
    の温度範囲で加熱処理して前記フェノール樹脂を炭化さ
    せることにより、球形導電性磁性体粒子を得ることを特
    徴とする請求項1記載の球形導電性磁性体粒子粉末の製
    造法。
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