JPH05186669A - 無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体 - Google Patents

無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体

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JPH05186669A
JPH05186669A JP4024442A JP2444292A JPH05186669A JP H05186669 A JPH05186669 A JP H05186669A JP 4024442 A JP4024442 A JP 4024442A JP 2444292 A JP2444292 A JP 2444292A JP H05186669 A JPH05186669 A JP H05186669A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無機物粒子とエポキシ樹脂とからなり、粒子
サイズが広範囲に亘って制御でき、無機物粒子の含有量
が可及的に高く、しかも、表面物性が制御された複合体
粒状物を提供する。 【構成】 表面が親油化処理されている無機物粒子と硬
化したエポキシ樹脂とからなり、数平均粒子径が1〜1
000μmであって、前記無機物粒子の含有量が80〜
99重量%である複合体粒状物の粒状物表面が樹脂で被
覆されている無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子サイズが広範囲に
亘って制御でき、且つ、無機物粒子の含有量が高く、し
かも、表面物性が制御された粒状物表面が樹脂で被覆さ
れている無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物からなる無
機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る無機物粒子含有エポキシ樹
脂粒状物粉体の主な用途は、磁性キャリア、磁性トナー
及び導電性磁性粒子等の静電潜像現像剤用材料粉末、電
磁波吸収材及び電磁波シールド材用材料粉末、ゴム、プ
ラスチック用着色材、充填材及び補強材並びにペンキ、
絵具及び接着剤用着色材、艶消材、充填材及び補強材等
である。
【0003】近年、高度な性能や新規な機能を有する材
料として異種材料間における複合化がさかんにおこなわ
れており、その一つとして無機物粒子と有機高分子とか
らなる複合体粒状物(以下、複合体粒状物という。)の
研究、開発が種々行なわれており、実用化されている。
【0004】これら複合体粒状物は、無機物粒子として
磁性粒子が用いられる場合は、主として磁性キャリア、
磁性トナー及び導電性磁性粉体等の静電潜像現像剤用材
料粉末として、無機物粒子として着色顔料粒子が用いら
れる場合には、主としてゴム、プラスチック用、ペン
キ、絵具及び接着剤用着色剤や艶消剤として使用されて
いる。
【0005】上記いずれの分野においても複合体粒状物
に共通して要求される特性は、用途に応じて、所望の
大きさの複合体粒状物の選択が可能となる様に粒子サイ
ズが広範囲、殊に、1〜1000μmの範囲に亘って制
御できること、無機物粒子の諸特性及び諸機能を十分
に発揮できる様に上記無機物粒子の含有量が可及的に高
いこと、用途に応じて、複合体粒状物の表面物性が制
御できることである。
【0006】先ず、複合体粒状物の平均粒子径について
言えば、従来キャリア用材料粉末としては、特開平1−
282563号公報の「‥‥キャリア粒子の粒径は、前
記の現像剤寿命と感光体キャリア付着及び画質とのバラ
ンス上から、平均粒径20〜400μm‥‥とするのが
適当であり‥‥」なる記載の通り、20〜400μm程
度の複合体粒状物が、磁性トナー用材料粉末としては、
特開平1−172972号公報の「トナーの平均粒径が
25μmを超えると補給性が悪く画像がぼそついたもの
となる。また5μm未満であるとクリーニング性及び転
写性が悪くなる。」なる記載の通り、5〜25μm程度
の複合体粒状物が、導電性磁性粉体としては特開昭56
−142540号公報の「導電性磁性粒子の体積平均粒
径は磁性トナー(5〜25μm程度)のそれの1/5〜
4/5程度であることが好ましく‥‥」なる記載の通
り、1〜20μm程度の複合体粒状物が要求されてい
る。
【0007】また、複合体粒状物中に含まれる無機物粒
子の含有量について言えば、特開昭60−188419
号公報の「エマルジョン重合法およびサスペンジョン重
合法の場合のもう一つの欠点は、粒子に無機質あるいは
有機質粒子を一般に多く配合できないことである。特に
比重の重い無機粒子を多量に配合することは困難で、こ
のような粒子の実現が望まれていた。」なる記載の通
り、可及的に高いことが要求される。
【0008】次に、複合体粒状物の表面物性について説
明する。ビヒクルや樹脂組成物に用いられる樹脂は、用
途により各種異なっているが、複合体粒状物は用いられ
る樹脂の種類に応じてなじみやすいことが強く要求され
ている。
【0009】また、静電潜像現像剤用材料粉末の分野に
おいては、トナーは、鮮明な画像を形成する為に、現像
機器に適合した適切な帯電量を有することが要求される
が、トナーに所望の帯電量を付与する為には、電荷を付
与する役割を持つキャリアの帯電量が所望により自由に
制御できることが強く要求される。
【0010】この事実は、特開昭60−458号公報の
「現像中のキャリアの役割は、‥‥トナーに正確な摩擦
帯電特性及び適当な電荷を付与せしめ、画像部に付着し
たトナーを再度静電気的に吸引して除去し鮮明な画像を
形成せしめることにある。」なる記載の通りである。
【0011】ところで、従来、有機高分子としては、大
別して、ビニル系、スチレン系、アクリル酸系樹脂など
の熱可塑性樹脂とフェノール系樹脂、メラミン系樹脂、
エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂とが知られているが、
複合体粒状物を製造する為の樹脂としては一般に粒状化
が容易な熱可塑性樹脂が用いられており、粒状化が困
難、特に、球状粒子が得られにくい熱硬化性樹脂は用い
られていなかった。
【0012】一方、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比
べ、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れているので、これ
らの利点を生かした無機物粒子と熱硬化性樹脂とからな
る複合体粒状物が強く要求されている。
【0013】従来、無機物粒子と熱硬化性樹脂とからな
る複合物を得る方法としては、無機物粒子とエポキシ樹
脂及び硬化剤として作用するフェノール樹脂とからなる
複合物を粉砕する方法(特開昭58−122705号公
報)が知られており、また、エポキシ樹脂を粒状化する
方法としては、乳化剤の助けにより未硬化エポキシエマ
ルジョンを作成し、該未硬化エポキシエマルジョンを硬
化剤によって硬化する方法(特開昭53−73249号
公報)が知られている。更に、無機質または有機質粒子
とエポキシ樹脂とからなる複合体粒状物を製造する方法
としては、無機質または有機質粒子の存在下で、乳化剤
の助けにより未硬化エポキシエマルジョンを作成し、水
溶性アミン系化合物の硬化剤によって硬化する方法(特
開昭60−188419号公報)が知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】無機物粒子とエポキシ
樹脂とからなり、粒子サイズが広範囲に亘って制御で
き、無機物粒子の含有量が可及的に高く、しかも、表面
物性が制御された複合体粒状物は、現在最も要求されて
いるところであるが、前出従来法による場合には、未
だ、このような複合体粒状物は得られていない。
【0015】即ち、前出特開昭58−122705号公
報に記載の方法による場合には、無機物粒子の含有量は
高いものであるが、粒状化が困難である。
【0016】また、前出特開昭60−188419号公
報に記載の方法による場合には、複合体粒状物の粒子サ
イズは0.5〜100μm程度であり、100μmを越
える複合体粒状物を得ることは困難であり、また、無機
質又は有機質粒子の含有量は高々75重量%程度であ
り、含有量に限界があった。
【0017】更に、硬化したエポキシ系樹脂粒子は、樹
脂に対して5重量%、好ましくは、10重量%以上の乳
化剤の存在下で製造される為、乳化剤が含まれている可
能性が非常に高く、その結果、複合体粒状物の帯電量が
変動しやすくなり、製品の品質面における問題が生起す
る。
【0018】そこで、本発明は、無機物粒子とエポキシ
樹脂とからなり、粒子サイズが広範囲に亘って制御で
き、且つ、無機物粒子の含有量が可及的に高く、しか
も、表面物性が制御された複合体粒状物を乳化剤等を使
用することなく得ることを技術的課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0020】即ち、本発明は、表面が親油化処理されて
いる無機物粒子と硬化したエポキシ樹脂とからなり、数
平均粒子径が1〜1000μmであって、前記無機物粒
子の含有量が80〜99重量%である複合体粒状物の粒
状物表面が樹脂で被覆されていることからなる無機物粒
子含有エポキシ樹脂粒状物粉体である。
【0021】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0022】本発明における複合体粒状物は、無機物粒
子の存在下で、ビスフェノール類とエピハロヒドリンと
をアルカリ性水性媒体中で反応硬化させるか、又は、未
硬化エポキシ樹脂を水性媒体中で硬化させて、無機物粒
子と硬化したエポキシ樹脂とからなる複合体粒状物を生
成させるにあたり、前記無機物粒子として表面が親油化
処理されている無機物粒子を用いることにより得られ
る。
【0023】本発明における無機物粒子としては、水に
溶解せず、または、水によって変質、変性しないもので
あればよく、たとえば、マグネタイト粒子(FeO x
Fe2 3 (0<x≦1))、マグヘマイト粒子、これ
らにコバルトを被着させ又は含有させた粒子、ヘマタイ
ト粒子、含水酸化第二鉄粒子、バリウム又はストロンチ
トウムを含むフェライト粒子並びにマンガン、ニッケ
ル、亜鉛等から選ばれた金属の1種又は2種以上を含む
スピネル型フェライト粒子等の鉄酸化物粒子や酸化チタ
ン粒子、シリカ粒子、タルク粒子、アルミナ粒子、硫酸
バリウム粒子、炭酸バリウム粒子、カドミウムイエロー
粒子、炭酸カルシウム粒子、亜鉛華粒子等が使用でき
る。
【0024】これら無機物粒子の粒子形態は、立方体
状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒
子をも使用することができ、平均粒子径は、目的とする
複合体粒状物の平均粒子径よりも小さいものであれば使
用できるが、0.01〜5.0μm、殊に、0.1〜
2.0μmの範囲のものが好ましい。
【0025】本発明における表面が親油化処理されてい
る無機物粒子は、無機物粒子と親油化処理剤とを単に混
合する方法、又は無機物粒子と親油化処理剤とを水性溶
媒中で混合して粒子表面に親油化処理剤を吸着させる方
法等のいずれの方法によっても得ることができる。
【0026】親油化処理剤としては、親油基を有するチ
タネート系、シラン系等のカップリング剤、シリル化
剤、並びにシリコーンオイル等を使用することができ、
殊に、エポキシ樹脂と反応しうる官能基(−NH2 、化
1等)を持つものは、複合体粒状物自体の強度を高める
等の効果を有する為好ましいものである。
【0027】
【化1】
【0028】親油基を有するチタネート系カップリング
剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフ
ェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピ
ロホスフェート)エチレンチタネート等が、親油基を有
するシラン系カップリング剤としては、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン(以上は、エポキシ樹脂と反応しうる官能基を
有するシラン系カップリング剤である。)、ビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン等が、シリル化剤と
しては、ヘキサメチルジシラザン、トリアルキルアルコ
キシシラン、トリメチルエトキシシラン等が、シリコー
ンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチル
水素シリコーンオイル等が挙げられる。
【0029】親油化処理剤による処理量は、無機物粒子
に対し0.1〜5.0重量%である。0.1重量%未満
の場合には、親油化処理が不十分なために、本発明の目
的とする無機物粒子の含有量が高い複合体粒状物を得る
ことができない。5.0重量%を越える場合には、親油
化の度合いが大きすぎるために、生成した複合体粒状物
同志の粘着力が増加して複合体粒状物の凝集が生じ、大
きな1個の塊となるので、複合体粒状物の粒子サイズの
制御が困難となる。
【0030】本発明におけるビスフェノール類として
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、レゾルシン等フェノール性水素基を2個以上有
する化合物を使用することができる。経済性の面からビ
スフェノールAが好ましい。
【0031】ビスフェノール類の使用量は、無機物粒子
に対して0.5〜25重量%である。0.5重量%未満
の場合には、生成するエポキシ樹脂の量が無機物粒子に
対して不十分となる為に、複合体粒状物を得ることが困
難となる。25重量%を越える場合には、生成するエポ
キシ樹脂の量が無機物粒子に対して過剰となり、本発明
の目的とする無機物粒子の含有量が高い複合体粒状物を
得ることが出来ない。また、複合体粒状物同志の凝集が
起こりやすくなり、複合体粒状物の粒子サイズの制御が
困難となる。
【0032】本発明におけるエピハロヒドリンとして
は、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨ
ードヒドリン等を使用することができ、エピクロルヒド
リンが好ましい。
【0033】エピハロヒドリンの使用量は、無機物粒子
に対して0.3〜20重量%である。0.3重量%未満
の場合には、生成するエポキシ樹脂の量が無機物粒子に
対して不十分となる為に、複合体粒状物を得ることが困
難となる。20重量%を越える場合には、生成するエポ
キシ樹脂の量が無機物粒子に対して過剰となり、本発明
の目的とする無機物粒子の含有量が高い複合体粒状物を
得ることが出来ない。また、複合体粒状物同志の凝集が
起こりやすくなり、複合体粒状物の粒子サイズの制御が
困難となる。
【0034】本発明におけるビスフェノール類とエピハ
ロヒドリンとの使用割合は、モル比で0.5〜1.0:
1.0である。0.5未満の場合には、余剰のエピハロ
ヒドリンに起因する反応副生物等の影響により粒状化が
困難となる。1.0を越える場合には、硬化速度が速く
なり、複合体粒状物が得られ難く、得られたとしても粒
度分布の拡がりが大きくなる。
【0035】本発明におけるアルカリ性水性媒体は、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを水に添
加することによって得られる。
【0036】本発明における反応は、無機物粒子とビス
フェノール類及びエピハロヒドリンとを含むアルカリ性
水性媒体を硬化剤の存在下で攪拌しながら60〜90℃
の範囲の温度まで昇温し、約1〜5時間重合反応を進行
させるか、又は、無機物粒子と未硬化エポキシ樹脂とを
含む水性媒体中で硬化剤の存在下で攪拌しながら、60
〜90℃の範囲の温度まで昇温し、約1〜8時間硬化反
応を進行させることによって行なわれる。
【0037】硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬
化剤として広く知られている。例えば、酸無水物、アミ
ン類を使用することができる。
【0038】未硬化エポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールAの両末端グリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールの両末端グリシジルエーテル等の分子内に2個以
上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物が使用でき
る。
【0039】本発明において、アルカリ性水性媒体中又
は水性媒体中に生成した複合体粒状物は、濾過、遠心分
離等の通常の方法によって固液分離し、次いで、水性後
加熱乾燥すればよい。
【0040】樹脂による被覆に際して用いる複合体粒状
物は、あらかじめ真空乾燥したもの、常圧で乾燥したも
の、さらに、濾過した直後の湿った状態のもののいずれ
をも使用することができる。
【0041】複合体粒状物の粒状物表面を被覆する樹脂
としては、周知のエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ス
チレン系樹脂、メラミン樹脂、アクリロニトリル系重合
体、ポリアミド樹脂、ケイ素樹脂及びフッ素樹脂から選
ばれた樹脂の1種又は2種以上を使用することができ、
主として樹脂の種類を変化させることによって複合体粒
状物のビヒクルや樹脂組成物とのなじみを改良したり、
帯電量を変化させる等表面物性を制御することができ
る。
【0042】樹脂の被覆量は、複合体粒状物に対し0.
05重量%以上であり、0.05重量%未満の場合に
は、不十分且つ不均一な被膜となりやすく、本発明の目
的とするなじみの改良や帯電量を自由に制御することが
困難となる。また、被覆量が多すぎると複合体粒状物中
の強磁性体微粒子含有量が低下し、大きな磁化値が得ら
れなくなる。好ましくは0.1〜10重量%である。
【0043】複合体粒状物の樹脂による被覆方法は、周
知の方法によって行なえばよく、例えば、次の方法があ
る。メラミン樹脂による被覆は、複合体粒子とメラミン
類及びアルデヒド類とを中性もしくは弱塩基性の水性媒
体中で攪拌して反応させ、続いてゲル化させることによ
って行う。ゲル化は、必要により、酸性触媒の存在下で
行ってもよい。さらにゲル化させたものを熱処理するこ
とにより硬化させる。その際の温度は130〜150℃
が好ましい。
【0044】超微粒子状のメラミン樹脂は、複合体粒状
物の表面を均一且つ緻密に被覆させることができるの
で、複合体粒状物の電気抵抗を効果的に向上させること
ができる。しかも、超微粒子状のメラミン樹脂が被覆さ
れている為、比表面積が大きく、効果的に高い電気抵抗
が得られやすい。
【0045】メラミン類としては、メラミン及びメラミ
ンのホルムアルデヒド付加物、例えばジメチロールメラ
ミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラ
ミン、更にはメラミン・ホルムアルデヒドの初期縮合物
が挙げられるが、この中ではメラミンが最も好ましい。
【0046】本発明の製造法におけるメラミン樹脂によ
る被覆反応の一例を以下に説明する。水性媒体を激しく
攪拌しながら、メラミン類、アルデヒド類及び複合体粒
状物を常温で添加し溶液pHを7〜9.5とした後、攪
拌しながら0.5〜1.5℃/min、好ましくは0.
8〜1.2℃/minの割合で70〜90℃好ましくは
80〜85℃まで昇温させ、この温度で10〜30分
間、好ましくは15〜20分間反応させる。
【0047】次いで、この内容物を30℃以下に冷却し
酸性触媒を加えた後、攪拌下で昇温速度を徐々に上昇さ
せ、反応温度75〜95℃、好ましくは80〜90℃で
60〜150分間、好ましくは80〜110分間反応さ
せる。かかる反応において、反応と同時にゲル化反応が
進行し、粒子表面にメラミン樹脂が被覆される。このよ
うにして反応・被覆させた後、反応物を30℃以下に冷
却すると、粒子表面が超微粒子状のメラミン樹脂で被覆
されている複合体粒状物の水分散液が得られる。
【0048】次に、この分散液を濾過、遠心分離等の常
法にしたがって固液分離した後、洗浄し、例えば、13
0〜150℃の温度で熱処理して超微粒子状のメラミン
樹脂を硬化させると、表面が均一に超微粒子状の硬化し
たメラミン樹脂で被覆された複合体粒状物が得られる。
【0049】次に、アクリロニトリル系重合体による被
覆は、複合体粒子とアクリロニトリルを主成分とする単
量体とを不活性ガス雰囲気下、弱酸性の水性媒体中で攪
拌して重合させることによって行う。アクリロニトリル
を主成分とする単量体は重合が進行するにつれ水に不溶
性の超微粒子又は膜状物質として複合体粒状物表面に析
出する。均一且つ緻密に被覆させることができるので複
合体粒子の電気抵抗を効果的に向上させることができ
る。
【0050】単量体としては、アクリロニトリルあるい
はアクリロニトリルと他のビニル系モノマーの混合物を
用いることができる。アクリロニトリルに加えて用いる
ビニル系モノマーには、何ら制限はないが、例えばスチ
レン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン4−ブロムス
チレン等のスチレン系化合物やメタクリル酸メチル、ア
クリル酸メチル、アクリル酸、エチレングリコールジメ
タクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等
を用いることができる。
【0051】本発明の製造方法において必要により使用
される酸性触媒としては、硫酸、塩酸等の鉱酸やギ酸、
リン酸、シュウ酸等が挙げられる。これら酸性触媒の使
用量は、反応開始系のpHを5〜6に保つように用いる
ことが好ましい。
【0052】本発明における複合体粒状物とアクリロニ
トリルを主成分とする単量体との反応は、窒素、アルゴ
ン等の不活性ガス雰囲気下で行われ、室温ないし70℃
の範囲の温度で進行させる。不活性ガスは、重合反応の
進行を妨げる酸素を除去する目的で必要であり、室温以
下の温度では重合反応の速度が小さく、効率が悪い。7
0℃以上の温度では重合反応速度が大きずき、均一な膜
が得られない。また、水仕込み量は特に限定はないが、
複合体粒状物が30〜60重量%となるようにすること
が望ましい。
【0053】本発明における複合体粒状物とアクリロニ
トリルを主成分とする単量体との被覆反応の一例が以下
に説明する。窒素気流下、複合体粒状物を水性媒体中に
分散させ、アクリロニトリル系単量体、酸触媒を加え、
35℃に昇温し、5〜15分間攪拌する。ここに過硫酸
カリウム及び亜硫酸ナトリウム水溶液を徐々に加え、同
温度で1〜3時間反応させる。かかる反応において、反
応と同時に粒子表面にアクリロニトリル系重合体が被覆
される。このようにして反応被覆させた後、反応物を2
0℃まで冷却すると粒子表面がアクリロニトリル系重合
体で被覆されている複合体粒状物の水分散液が得られ
る。
【0054】次にこの分散液を濾過または遠心分離等の
常法に従って固液分離した後、洗浄し、例えば80〜1
20℃の温度で熱処理して、アクリロニトリル系重合体
を溶融させると、表面が均一にアクリロニトリル系重合
体被膜で覆われた複合体粒状物が得られる。
【0055】本発明におけるポリアミドによる被覆は、
周知のアニオン重合法を用いることができる。すなわ
ち、複合体粒状物とラクタム類及びこのラクタム用の溶
媒とアニオン重合触媒とからなるポリアミド重合溶液中
に複合体粒状物を懸濁させ、攪拌下に活性化剤を加えて
上記ラクタム類のアニオン重合を開始させ、ラクタム類
の開環重合によりポリアミドを生成させることにより行
う。
【0056】重合反応の進行により生成するポリアミド
は、複合体粒状物の表面全体を均一かつ緻密に被覆させ
ることができるので、複合体粒状物の電気抵抗を効率的
に向上させることができ、しかも大きな機械的強度を得
ることができる。
【0057】ラクタム類としては、ポリアミドを生成す
るすべてのラクタム、例えば、カプロラクタム、エナン
トラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム等が
挙げられるが、このなかではカプロラクタムが最も好ま
しい。ラクタム類の使用割合としては、複合体粒状物に
対し0.5〜40重量%が好ましく、特に好ましくは5
〜30重量%である。0.5重量%未満の場合には、被
覆量が不十分となることがあり、一方、40重量%を越
える場合には、ポリアミド樹脂が単独で生成し、複合体
粒状物との分離が困難となることがある。
【0058】使用する溶媒は、80〜200℃の範囲内
の沸点を有するハロゲン化された、もしくはされていな
い脂肪族炭化水素、例えば、パラフィン系又は脂環式又
は芳香族系(例えば、キシレン又はトルエン)の溶媒で
ある。この溶媒は、ラクタムを溶解するが、複合体粒状
物を溶解せず、かつ本発明の方法で使用する触媒、活性
化剤、ラクタム、複合体粒状物のいずれとも反応しない
ものでなければならない。
【0059】触媒は、ナトリウム又はその化合物、例え
ば、水素化ナトリウム又はナトリウムメチラート等が挙
げられ、好ましくは水素化ナトリウムである。
【0060】活性化剤は、ラクタムN−カルボキシアニ
リド、イソシアネート、カルボジイミド、シアンイミ
ド、アシルラクタム、トリアジン、尿素、N−置換イミ
ド、エステル等が挙げれる。
【0061】ポリアミド樹脂による被覆反応は有機溶媒
中で行われるが、この場合の溶媒仕込み量は特に限定は
ないが、複合体粒状物濃度が10〜50重量%となるよ
うにすることが望ましい。
【0062】本発明におけるポリアミドの被覆反応の一
例を以下に説明する。溶媒、複合体粒状物、ラクタム類
の順で、窒素雰囲気下、室温にて添加し、ゆるやかに攪
拌しながら昇温速度0.5〜10℃/min、好ましく
は2〜6℃/minで90〜150℃、好ましくは10
0〜120℃まで昇温させ、この温度で30〜120分
間、好ましくは45〜75分間維持してすべてのラクタ
ム類を溶解させ、使用溶媒量の5〜30%の溶媒を留去
し、存在する可能性のある水を共沸蒸留により留去す
る。次いで、大気中に戻し、触媒を添加し、攪拌下で9
0〜150℃、好ましくは100〜130℃に加熱し、
溶媒にあらかじめ溶解した活性化剤を一定の速度で1〜
4時間、好ましくは1.5〜3時間で添加した後、反応
温度90〜150℃、好ましくは100〜130℃で1
0〜90分間、好ましくは20〜60分間反応させる。
かかる反応により、粒子表面にポリアミドが均一に被覆
される。このように反応、被覆させた後に反応物を30
℃以下に冷却すると、粒状物表面がポリアミドで被覆さ
せている複合体粒状物の溶媒分散液が得られる。
【0063】次に、この分散液を濾過・遠心分離等の常
法によって固液分離した後、溶媒で洗浄し、得られた複
合体粒状物を80〜100℃の温度で乾燥する。さら
に、リン酸等の弱酸水溶液でアルカリ触媒残滓を中和し
て固液分離した後、再度80〜100℃の温度で乾燥さ
せると、表面が均一にポリアミド層で被覆された複合体
粒状物が得られる。
【0064】エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、スチレ
ン系樹脂、ケイ素樹脂及びフッ素樹脂による被覆は、例
えば、スプレードライヤーを用いて複合体粒状物に樹脂
を吹きつける方法、ヘンシェルミキサー、ハイスピード
ミキサー等を用いて複合体粒状物と樹脂とを乾式混合す
る方法、樹脂を含む溶剤中へ複合体粒状物を含浸する方
法等いずれの方法であってもよい。
【0065】エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
系エポキシ樹脂やノボラック系エポキシ樹脂等が、ポリ
エステル樹脂としては、エチレングリコールやトリエチ
レングリコール等のポリオールとジカルボン酸、例え
ば、マレイン酸、イタコン酸等を縮合重合させて得られ
るポリエステル樹脂等が、スチレン系樹脂としては、ポ
リスチレンやスチレン−ブチルアクリレート等のスチレ
ン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−無水マレイン酸共重合体等が、ケイ素樹
脂としては、加熱硬化型シリコーン樹脂や常温硬化型シ
リコーン樹脂等のシリコーン樹脂やシリコーンオイルあ
るいはシランカップリング剤等が、フッ素樹脂として
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体等のフ
ッ素含有樹脂等が使用できる。
【0066】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、表面が
親油化処理されている無機物粒子と硬化したエポキシ樹
脂とからなり、数平均粒子径が1〜1000μmであっ
て、前記無機物粒子の含有量が80〜99重量%である
複合体粒状物の表面が樹脂で被覆されている無機物粒子
含有エポキシ樹脂粒状物は、粒子サイズが広範囲に亘っ
て制御でき、且つ、無機物粒子の含有量が高く、しか
も、表面物性が制御されたものである。
【0067】本発明における複合体粒状物の粒子サイズ
は、複合体粒状物の生成にあたって仕込まれる原料中の
固形物濃度、無機物粒子に対するエポキシ樹脂成分の割
合並びに無機物粒子表面の親油化の程度等により制御す
ることができ、これらの値が大きくなる程生成する複合
体粒状物の粒子サイズは大きくなる傾向にある。
【0068】本発明において、無機物粒子の含有量が高
い複合体粒状物が得られる理由について、本発明者は、
後出する比較例に示す通り、無機物粒子の粒子表面が親
油化処理されていない場合には、無機物粒子の含有量が
制限されることから、無機物粒子の粒子表面が親油化処
理されていることによるものと考えている。
【0069】本発明において、乳化剤を用いなくてもよ
い理由について、本発明者は、無機物粒子の表面が親油
化されることによって、反応初期生成物である未硬化エ
ポキシ樹脂と無機物粒子とからなる複合物の性状が非常
にエマルジョン化し易いものになっているためであろう
と考えている。
【0070】本発明において、複合体粒状物の粒状物表
面に被覆されている樹脂の種類がビヒクルや樹脂組成物
中の樹脂の種類と同一の場合には、複合体粒状物の表面
のなじみがより改良されたものとなり、また、樹脂の種
類によって帯電量を自由に制御することができる。
【0071】本発明においては、複合体粒状物に含有さ
れる無機物粒子の含有量が高い為に複合体粒状物の表面
には多数の凹凸が形成されており、その為、該複合体粒
状物の粒状物表面に被覆される樹脂は強固に被着され、
衝撃や摩擦等の機械的応力によりはがれにくいものであ
る。
【0072】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における数平
均粒子径は、レーザ回折式粒度分布計(堀場製作所
(株)製)により計測した値で示し、また、複合体粒状
物の粒子形態は、走査型電子顕微鏡S−800((株)
日立製作所製)で観察したものである。飽和磁化は、振
動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業(株)
製)を用いて、外部磁場10KOeのもとで測定した値
で示した。複合体粒状物における無機物粒子の含有量
は、複合体粒状物の真比重をマルチボリウム密度計(マ
イクロメティクス社製)を用いて測定し、この比重の大
きさから計算によって算出した値で示した。電気抵抗
は、「ハイレジスタンスメーター4329A」(横河ヒ
ューレットパッカード社製)で測定した値で示した。
【0073】粒子表面が樹脂によって被覆されている複
合体粒状物のトナー帯電量は、この複合体粒状物95重
量部と市販のトナーCLC−200ブラック(商品名)
(キャノン(株)製)5重量部との混合物200mgを
ブローオフ帯電量測定機MODEL TB−200(東
芝ケミカル(株)製)を用いて測定した値A(μc)か
ら式〔A×1/0.2×0.05(μc/g)〕に従っ
て求めたg当りの換算値として計算した値で示した。
【0074】<複合体粒状物の製造> 実施例1〜17 比較例1〜2; 実施例1 500mlの4つ口フラスコに、水50ml,水酸化ナ
トリウム5.50g,ビスフェノールA20g、エピク
ロルヒドリン10g、無水フタル酸2.0g及び粒子表
面が0.5重量%のシランカップリング剤KBM602
(信越化学(株)製)で被覆されているマグネタイト粒
子(平均粒子径0.24μm)200gを投入し、攪拌
した。1.0〜1.5℃/分の速度で80℃まで昇温し
た後、〃温度で1.5時間攪拌を続けて複合体粒状物の
生成を行なった。次に、フラスコ内の内容物を濾別した
後、水洗、乾燥して複合体粒状物を得た。得られた複合
体粒状物は、数平均粒子径が36.6μmであり、図1
に示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)に示す通
り、真球に近い形状を呈していた。さらに、図2の走査
型電子顕微鏡写真(×12000)に示す通り、複合体
粒状物の表面は含有される無機物粒子単位の均一な多数
の凹凸が形成されていることが認められた。また、マグ
ネタイト粒子の含有量は、86.6重量%であって、飽
和磁化は73.6emu/gであった。
【0075】実施例2〜17、比較例1〜2 無機物粒子の種類、ビスフェノールの量、エピクロルヒ
ドリンの量、水酸化ナトリウムの量、硬化剤の種類及び
量並びに水の量を種々変化させた以外は、実施例1と同
様にして複合体粒状物の生成を行った。実施例2乃至1
7の各実施例により、複合体粒状物B乃至Qを得た。得
られた複合体粒状物B乃至Qはいずれも走査型電子顕微
鏡観察の結果、表面に多数の凹凸が形成されていた。実
施例2及び実施例5で得られた複合体粒状物は、それぞ
れ、図3及び図4の走査型電子顕微鏡写真(×150
0)に示す通り、球状を呈していた。
【0076】この時の主要製造条件を表1に、複合体粒
状物の諸特性を表2に示す。比較例1及び2で得られた
生成物は、電子顕微鏡観察の結果、無機物粒子と樹脂と
が分離した混合物であった。尚、親油化剤として用いた
「KBE403」及び「KBE903」は、いずれも信
越化学(株)製のシランカップリング剤であり、また、
「プレンアクトTTS」は味の素(株)製のチタネート
系カップリング剤である。
【0077】<樹脂による被覆> 実施例18〜26 実施例18 500ml三ツ口フラスコにメラミン2g、37%ホル
マリン5g、複合体粒状物A 50g、水100gを加
え、攪拌しながら溶液pHを水酸化ナトリウムで8.5
にあわせ、40分間で85℃に上昇させ、同温度で15
分間反応させる。次に、内容物を30℃に冷却し5%塩
化アンモニウム溶液30gを加え、60分間で85℃に
上昇させ、同温度で90分間反応・硬化させた。
【0078】次に、フラスコ内の内容物を30℃に冷却
し、1 lビーカーに移し、数回水洗の後風乾した。次
いで、これを減圧下(5mmHg以下)、100〜15
0℃で乾燥させることにより、メラミン樹脂による被覆
を行った。得られたメラミン樹脂によって被覆されてい
る複合体粒状物のメラミン樹脂の量は、複合体粒状物に
対し磁化の測定から算出した結果、1.5重量%であっ
た。
【0079】実施例18で得られたメラミン樹脂で被覆
されている複合体粒状物におけるメラミン樹脂被膜の状
態は、図5に示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)
に示す通り、十分且つ均一であり、しかも、超微粒子状
のメラミン樹脂によって被覆されていることが認められ
た。
【0080】実施例19 500mlの三ツ口フラスコに、キシレン300ml、
複合体粒状物A 50g、カプロラクタム7.5gを窒
素雰囲気下でゆるやかに攪拌しながら加え、20分間で
110℃に上昇させ、同温度で60分間維持し、カプロ
ラクタムを溶解した。次に、減圧下(20mmHg)で
キシレン50mlを共沸蒸留により留去した後、常圧に
戻し、純度64%の水素化ナトリウム0.56gを加
え、7分間で130℃に上昇させ、あらかじめキシレン
50mlに溶解させステアリルイソシアソート2.05
gを含む溶液を1.5時間で加えて同温度で30分間反
応させる。続いて、内容物を30℃に冷却し、500m
lビーカーに移してキシレンで数回洗浄し、固液分離し
た後、80〜100℃の温度で乾燥した。これを1%リ
ン酸水溶液で洗浄し、さらに水洗の後固液分離し、80
〜100℃の温度で乾燥させることにより、ポリアミド
層による被覆を行った。
【0081】得られたポリアミド層で被覆されている複
合体粒状物のポリアミドの量は、複合体粒状物に対し磁
化の測定から算出した結果、1.6重量%であった。実
施例19で得られたポリアミド層で被覆されている複合
体粒状物におけるポリアミドの被覆の状態は、第6図の
走査型電子顕微鏡写真(×2000)に示すとおり、十
分かつ均一であり、ポリアミドによって被覆されている
ことが認められた。また、その体積電気抵抗は、2.1
×1010であった。
【0082】実施例20 窒素気流下、300ml4つ口フラスコに、水100m
l、複合体粒状物A50g、アクリロニトリル単量体
5.3g、濃硫酸0.01gを入れ、攪拌しながら1℃
/min程度で35℃まで昇温し、同温度で10分間攪
拌する。次に、過硫酸カリウム0.171g、亜硫酸ナ
トリウム0.071gを順次滴下し、同温度で2時間攪
拌する。水を加え20℃まで冷却し、固形分を濾別、水
洗の後、風乾した。次いで、これをオーブン中に入れ、
100℃で、熱処理させることにより、ポリアクリロニ
トリルによる被覆を行った。
【0083】アクリロニトリル重合体による被覆は、第
7図の走査型電子顕微鏡写真(×12000)に示すと
おり、その断面から、均一且つ緻密であり、その為、体
積電気抵抗は、3.8×1010Ω・cmと高いものであ
った。得られたアクリロニトリル重合体によって被覆さ
れている複合体粒状物表面上のアクリロニトリル重合体
の量は、磁化の測定から算出した結果、複合体粒状物に
対し1.7重量%であった。
【0084】実施例21 窒素気流下、ヘンシェルミキサー内に、複合体粒状物A
1Kgおよびスチレン系樹脂(ハイマーSB−75;
三洋化成(株)製)30gを入れ、攪拌しながら120
℃まで昇温し、同温度で1時間攪拌した。スチレン系樹
脂による被覆は、走査型電子顕微鏡観察の結果、均一且
つ緻密であった。得られたスチレン系樹脂によって被覆
されている複合体粒状物の諸特性を表4に示す。スチレ
ン系樹脂による被覆量は、磁化の測定から算出した結
果、複合体粒状物に対し2.0重量%であった。
【0085】実施例22〜26 複合体粒状物の種類、樹脂の種類及び混合量を種々変化
させた以外は、実施例21と同様にして樹脂によって被
覆されている複合体粒状物を得た。この時の主要製造条
件及び諸特性を表4に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】本発明に係る無機物粒子含有エポキシ樹
脂粒状物粉体は、表面が親油化処理されている無機物粒
子とエポキシ樹脂とからなり、粒子サイズが広範囲に亘
って制御でき、無機物粒子の含有量が高く、しかも表面
物性が制御されたものである。また、本発明に係る無機
物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体は、乳化剤を含まな
いので、帯電量の変動がないため、製品の品質面の問題
が生起することがなく、また、耐久性、耐衝撃性、耐熱
性においても優れている。
【0091】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた複合体粒状物の粒子構造を
示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図2】実施例1で得られた複合体粒状物の表面状態を
示す走査型電子顕微鏡写真(×12000)である。
【図3】実施例2で得られた複合体粒状物の粒子構造を
示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図4】実施例5で得られた複合体粒状物の粒子構造を
示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図5】実施例18で得られた複合体粒状物の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
【図6】実施例19で得られた複合体粒状物の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
【図7】実施例20で得られた複合体粒状物の断面の状
態を示す走査型電子顕微鏡写真(×12000)であ
る。
【図8】実施例21で得られた複合体粒状物の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真(×1000)である。
【図9】実施例22で得られた複合体粒状物の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真(×1000)である。
フロントページの続き (72)発明者 垣原 博臣 広島県大竹市明治新開1番4戸田工業株式 会社大竹工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が親油化処理されている無機物粒子
    と硬化したエポキシ樹脂とからなり、数平均粒子径が1
    〜1000μmであって、前記無機物粒子の含有量が8
    0〜99重量%である複合体粒状物の粒状物表面が樹脂
    で被覆されていることを特徴とする無機物粒子含有エポ
    キシ樹脂粒状物粉体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5695901A (en) * 1995-12-21 1997-12-09 Colorado School Of Mines Nano-size magnetic particles for reprographic processes and method of manufacturing the same
US5695900A (en) * 1995-12-21 1997-12-09 Colorado School Of Mines Surface treatment of magnetic particles for use in reprographic processes
JP2002280208A (ja) * 2001-03-22 2002-09-27 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電波吸収体
JP2009518489A (ja) * 2005-12-09 2009-05-07 キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 磁性ポリマー粒子
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