JP3175743B2 - 無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体 - Google Patents

無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒子サイズが広範囲に
亘って制御でき、且つ、無機物粒子の含有量が高く、し
かも、表面物性が制御された粒状物表面が金属で被覆さ
れている無機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物からなる無
機物粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る無機物粒子含有エポキシ樹
脂粒状物粉体の主な用途は、磁性キャリア、磁性トナー
及び導電性磁性粒子等の静電潜像現像剤用材料粉末、電
磁波吸収材及び電磁波シールド材用材料粉末、ゴム、プ
ラスチック用着色材、充填材及び補強材並びにペンキ、
絵具及び接着剤用着色材、艶消材、充填材及び補強材等
である。
【0003】近年、高度な性能や新規な機能を有する材
料として異種材料間における複合化がさかんにおこなわ
れており、その一つとして無機物粒子と有機高分子とか
らなる複合体粒状物(以下、複合体粒状物という。)の
研究、開発が種々行なわれており、実用化されている。
【0004】これら複合体粒状物は、無機物粒子として
磁性粒子が用いられる場合は、主として磁性キャリア、
磁性トナー及び導電性磁性粉体等の静電潜像現像剤用材
料粉末として、無機物粒子として着色顔料粒子が用いら
れる場合には、主としてゴム、プラスチック用、ペン
キ、絵具及び接着剤用着色剤や艶消剤として使用されて
いる。
【0005】上記いずれの分野においても複合体粒状物
に共通して要求される特性は、用途に応じて、所望の
大きさの複合体粒状物の選択が可能となる様に粒子サイ
ズが広範囲、殊に、1〜1000μmの範囲に亘って制
御できること、無機物粒子の諸特性及び諸機能を十分
に発揮できる様に上記無機物粒子の含有量が可及的に高
いこと、用途に応じて、複合体粒状物の導電性が制御
できることである。
【0006】先ず、複合体粒状物の平均粒子径について
言えば、従来キャリア用材料粉末としては、特開平1−
282563号公報の「‥‥キャリア粒子の粒径は、前
記の現像剤寿命と感光体キャリア付着及び画質とのバラ
ンス上から、平均粒径20〜400μm‥‥とするのが
適当であり‥‥」なる記載の通り、20〜400μm程
度の複合体粒状物が、磁性トナー用材料粉末としては、
特開平1−172972号公報の「トナーの平均粒径が
25μmを超えると補給性が悪く画像がぼそついたもの
となる。また5μm未満であるとクリーニング性及び転
写性が悪くなる。」なる記載の通り、5〜25μm程度
の複合体粒状物が、導電性磁性粉体としては特開昭56
−142540号公報の「導電性磁性粒子の体積平均粒
径は磁性トナー(5〜25μm程度)のそれの1/5〜
4/5程度であることが好ましく‥‥」なる記載の通
り、1〜20μm程度の複合体粒状物が要求されてい
る。
【0007】また、複合体粒状物中に含まれる無機物粒
子の含有量について言えば、特開昭60−188419
号公報の「エマルジョン重合法およびサスペンジョン重
合法の場合のもう一つの欠点は、粒子に無機質あるいは
有機質粒子を一般に多く配合できないことである。特に
比重の重い無機粒子を多量に配合することは困難で、こ
のような粒子の実現が望まれていた。」なる記載の通
り、可及的に高いことが要求される。
【0008】次に、複合体粒状物は各種分野において導
電性を有していることが強く要求されている。近年、安
全面、衛生面や精度面からクリーンルームの使用が多く
なり、クリーンルームのほこりやごみを極力少なくする
為、クリーンルームに帯電防止された素材が使用され始
めている。また、ICやLSIの放電破壊を防ぐ為にも
帯電防止が必要となっている。一般に、帯電防止された
素材は、導電性を有する複合体粒状物を塗料、ゴム、プ
ラスチック等に分散させて導電性を付与することにより
製造されている。
【0009】静電潜像現像剤の分野においては、磁性ト
ナーとして一般に、強磁性体微粒子及び樹脂に加えてカ
ーボン等の導電性材料を添加した導電性磁性トナーが知
られている。また、近時、導電性磁性トナーを用いて現
像した画像は、他の記録体上へ静電的に転写することが
困難であるという欠点があり、この欠点を改良する方法
として導電性トナーに代えて体積電気抵抗が1012Ωc
m以上の高電気抵抗の磁性トナーを用いて現像する方法
がある。そして、この高電気抵抗の磁性トナーを用いる
場合の欠点である現像性を改良する為に、高電気抵抗の
磁性トナーとともに該トナーの平均粒径より小さい導電
性の複合体粒状物を使用することが提案されている。
【0010】ところで、従来、有機高分子としては、大
別して、ビニル系、スチレン系、アクリル酸系樹脂など
の熱可塑性樹脂とフェノール系樹脂、メラミン系樹脂、
エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂とが知られているが、
複合体粒状物を製造する為の樹脂としては一般に粒状化
が容易な熱可塑性樹脂が用いられており、粒状化が困
難、特に、球状粒子が得られにくい熱硬化性樹脂は用い
られていなかった。
【0011】一方、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比
べ、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れているので、これ
らの利点を生かした無機物粒子と熱硬化性樹脂とからな
る複合体粒状物が強く要求されている。
【0012】従来、無機物粒子と熱硬化性樹脂とからな
る複合物を得る方法としては、無機物粒子とエポキシ樹
脂及び硬化剤として作用するフェノール樹脂とからなる
複合物を粉砕する方法(特開昭58−122705号公
報)が知られており、また、エポキシ樹脂を粒状化する
方法としては、乳化剤の助けにより未硬化エポキシエマ
ルジョンを作成し、該未硬化エポキシエマルジョンを硬
化剤によって硬化する方法(特開昭53−73249号
公報)が知られている。更に、無機質または有機質粒子
とエポキシ樹脂とからなる複合体粒状物を製造する方法
としては、無機質または有機質粒子の存在下で、乳化剤
の助けにより未硬化エポキシエマルジョンを作成し、水
溶性アミン系化合物の硬化剤によって硬化する方法(特
開昭60−188419号公報)が知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】無機物粒子とエポキシ
樹脂とからなり、粒子サイズが広範囲に亘って制御で
き、無機物粒子の含有量が可及的に高く、しかも、導電
性が制御された複合体粒状物は、現在最も要求されてい
るところであるが、前出従来法による場合には、未だ、
このような複合体粒状物は得られていない。
【0014】即ち、前出特開昭58−122705号公
報に記載の方法による場合には、無機物粒子の含有量は
高いものであるが、粒状化が困難である。
【0015】また、前出特開昭60−188419号公
報に記載の方法による場合には、複合体粒状物の粒子サ
イズは0.5〜100μm程度であり、100μmを越
える複合体粒状物を得ることは困難であり、また、無機
質又は有機質粒子の含有量は高々75重量%程度であ
り、含有量に限界があった。
【0016】更に、硬化したエポキシ系樹脂粒子は、樹
脂に対して5重量%、好ましくは、10重量%以上の乳
化剤の存在下で製造される為、乳化剤が含まれている可
能性が非常に高く、その結果、複合体粒状物の帯電量が
変動しやすくなり、製品の品質面における問題が生起す
る。
【0017】そこで、本発明は、無機物粒子とエポキシ
樹脂とからなり、粒子サイズが広範囲に亘って制御で
き、且つ、無機物粒子の含有量が可及的に高く、しか
も、導電性が制御された複合体粒状物を乳化剤等を使用
することなく得ることを技術的課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0019】即ち、本発明は、表面が親油化処理されて
いる無機物粒子と硬化したエポキシ樹脂とからなり、数
平均粒子径が1〜1000μmであって、前記無機物粒
子の含有量が80〜99重量%である複合体粒状物の粒
状物表面が金属で被覆されていることからなる無機物粒
子含有エポキシ樹脂粒状物粉体である。
【0020】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0021】本発明における複合体粒状物は、無機物粒
子の存在下で、ビスフェノール類とエピハロヒドリンと
をアルカリ性水性媒体中で反応硬化させるか、又は、未
硬化エポキシ樹脂を水性媒体中で硬化させて、無機物粒
子と硬化したエポキシ樹脂とからなる複合体粒状物を生
成させるにあたり、前記無機物粒子として表面が親油化
処理されている無機物粒子を用いることにより得られ
る。
【0022】本発明における無機物粒子としては、水に
溶解せず、または、水によって変質、変性しないもので
あればよく、たとえば、マグネタイト粒子(FeO
Fe(0<x≦1))、マグヘマイト粒子、これ
らにコバルトを被着させ又は含有させた粒子、ヘマタイ
ト粒子、含水酸化第二鉄粒子、バリウム又はストロンチ
ウムを含むフェライト粒子並びにマンガン、ニッケル、
亜鉛等から選ばれた金属の1種又は2種以上を含むスピ
ネル型フェライト粒子等の鉄酸化物粒子や酸化チタン粒
子、シリカ粒子、タルク粒子、アルミナ粒子、硫酸バリ
ウム粒子、炭酸バリウム粒子、カドミウムイエロー粒
子、炭酸カルシウム粒子、亜鉛華粒子等が使用できる。
【0023】これら無機物粒子の粒子形態は、立方体
状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒
子をも使用することができ、平均粒子径は、目的とする
複合体粒状物の平均粒子径よりも小さいものであれば使
用できるが、0.01〜5.0μm、殊に、0.1〜
2.0μmの範囲のものが好ましい。
【0024】本発明における表面が親油化処理されてい
る無機物粒子は、無機物粒子と親油化処理剤とを単に混
合する方法、又は無機物粒子と親油化処理剤とを水性溶
媒中で混合して粒子表面に親油化処理剤を吸着させる方
法等のいずれの方法によっても得ることができる。
【0025】親油化処理剤としては、親油基を有するチ
タネート系、シラン系等のカップリング剤、シリル化
剤、並びにシリコーンオイル等を使用することができ、
殊に、エポキシ樹脂と反応しうる官能基(−NH2 、化
1等)を持つものは、複合体粒状物自体の強度を高める
等の効果を有する為好ましいものである。
【0026】
【化1】
【0027】親油基を有するチタネート系カップリング
剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフ
ェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェー
ト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピ
ロホスフェート)エチレンチタネート等が、親油基を有
するシラン系カップリング剤としては、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β
−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン(以上は、エポキシ樹脂と反応しうる官能基を
有するシラン系カップリング剤である。)、ビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン等が、シリル化剤と
しては、ヘキサメチルジシラザン、トリアルキルアルコ
キシシラン、トリメチルエトキシシラン等が、シリコー
ンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチル
水素シリコーンオイル等が挙げられる。
【0028】親油化処理剤による処理量は、無機物粒子
に対し0.1〜5.0重量%である。0.1重量%未満
の場合には、親油化処理が不十分なために、本発明の目
的とする無機物粒子の含有量が高い複合体粒状物を得る
ことができない。5.0重量%を越える場合には、親油
化の度合いが大きすぎるために、生成した複合体粒状物
同志の粘着力が増加して複合体粒状物の凝集が生じ、大
きな1個の塊となるので、複合体粒状物の粒子サイズの
制御が困難となる。
【0029】本発明におけるビスフェノール類として
は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノ
ールS、レゾルシン等フェノール性水素基を2個以上有
する化合物を使用することができる。経済性の面からビ
スフェノールAが好ましい。
【0030】ビスフェノール類の使用量は、無機物粒子
に対して0.5〜25重量%である。0.5重量%未満
の場合には、生成するエポキシ樹脂の量が無機物粒子に
対して不十分となる為に、複合体粒状物を得ることが困
難となる。25重量%を越える場合には、生成するエポ
キシ樹脂の量が無機物粒子に対して過剰となり、本発明
の目的とする無機物粒子の含有量が高い複合体粒状物を
得ることが出来ない。また、複合体粒状物同志の凝集が
起こりやすくなり、複合体粒状物の粒子サイズの制御が
困難となる。
【0031】本発明におけるエピハロヒドリンとして
は、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、エピヨ
ードヒドリン等を使用することができ、エピクロルヒド
リンが好ましい。
【0032】エピハロヒドリンの使用量は、無機物粒子
に対して0.3〜20重量%である。0.3重量%未満
の場合には、生成するエポキシ樹脂の量が無機物粒子に
対して不十分となる為に、複合体粒状物を得ることが困
難となる。20重量%を越える場合には、生成するエポ
キシ樹脂の量が無機物粒子に対して過剰となり、本発明
の目的とする無機物粒子の含有量が高い複合体粒状物を
得ることが出来ない。また、複合体粒状物同志の凝集が
起こりやすくなり、複合体粒状物の粒子サイズの制御が
困難となる。
【0033】本発明におけるビスフェノール類とエピハ
ロヒドリンとの使用割合は、モル比で0.5〜1.0:
1.0である。0.5未満の場合には、余剰のエピハロ
ヒドリンに起因する反応副生物等の影響により粒状化が
困難となる。1.0を越える場合には、硬化速度が速く
なり、複合体粒状物が得られ難く、得られたとしても粒
度分布の拡がりが大きくなる。
【0034】本発明におけるアルカリ性水性媒体は、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを水に添
加することによって得られる。
【0035】本発明における反応は、無機物粒子とビス
フェノール類及びエピハロヒドリンとを含むアルカリ性
水性媒体を硬化剤の存在下で攪拌しながら60〜90℃
の範囲の温度まで昇温し、約1〜5時間重合反応を進行
させるか、又は、無機物粒子と未硬化エポキシ樹脂とを
含む水性媒体中で硬化剤の存在下で攪拌しながら、60
〜90℃の範囲の温度まで昇温し、約1〜8時間硬化反
応を進行させることによって行なわれる。
【0036】硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬
化剤として広く知られている例えば、酸無水物、アミ
ン類を使用することができる。
【0037】未硬化エポキシ樹脂としては、ビスフェノ
ールAの両末端グリシジルエーテル、ポリエチレングリ
コールの両末端グリシジルエーテル等の分子内に2個以
上のエポキシ基を有するエポキシ系化合物が使用でき
る。
【0038】本発明において、アルカリ性水性媒体中又
は水性媒体中に生成した複合体粒状物は、濾過、遠心分
離等の通常の方法によって固液分離し、次いで、水洗後
加熱乾燥すればよい。
【0039】金属による被覆に際して用いる複合体粒状
物は、あらかじめ真空乾燥したもの、常圧で乾燥したも
の、さらに、濾過した直後の湿った状態のもののいずれ
をも使用することができる。
【0040】複合体粒状物は、周知の化学めっきをする
ことにより金属で被覆することができる。即ち、化学め
っきする方法としては、被めっき物を強酸性塩化第一錫
溶液に浸漬した後、強酸性塩化パラジウム溶液に浸漬し
て活性化処理をし、次いで、化学めっきする方法(特開
昭56−25770号公報、特公昭59−5663号公
報)、被めっき物を強酸性パラジウム−錫コロイド溶液
に接触させて化学めっきのための触媒作用を行うパラジ
ウムを付与し、次いで、化学めっきする方法(米国特許
3011920号公報)、被めっき物を含む水懸濁液と
陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性界面活性剤から
選ばれた一種又は二種以上を含むパラジウムヒドロゾル
とを混合攪拌して前記被めっき物の表面にパラジウムコ
ロイドを吸着させた後、水洗、濾過し、次いで、該パラ
ジウムコロイドが吸着されている被めっき物を化学めっ
きする方法(特公平2−58353号公報)及び被めっ
き物表面を予めアルカリ土類金属塩化物又は第4周期遷
移金属塩の水溶液で前処理した後、該前処理した被めっ
き物を含む水懸濁液と陰イオン性及び/又は非イオン性
界面活性剤を含むパラジウムヒドロゾルとを混合攪拌し
て前記被めっき物の表面にパラジウムコロイドを吸着さ
せ、次いで、水洗、濾過した後、該パラジウムコロイド
が吸着されている被めっき物を化学めっきする方法(特
公平2−58354号公報)等のいずれの方法による場
合でもよい。
【0041】化学めっきの為の金属イオン溶液として
は、通常使用されるニッケル、コバルト、銅、銀等の一
種又は二種以上を使用することができる。
【0042】金属の被覆量は、複合体粒状物に対し0.
05重量%以上であり、0.05重量%未満の場合に
は、不十分且つ不均一な被膜となりやすく、本発明の目
的とする導電性を自由に制御することが困難となる。ま
た、被覆量が多すぎると複合体粒状物中の強磁性体微粒
子含有量が低下し、大きな磁化値が得られなくなる。好
ましくは0.1〜10重量%である。
【0043】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、表面が
親油化処理されている無機物粒子と硬化したエポキシ樹
脂とからなり、数平均粒子径が1〜1000μmであっ
て、前記無機物粒子の含有量が80〜99重量%である
複合体粒状物の表面が金属で被覆されている無機物粒子
含有エポキシ樹脂粒状物は、粒子サイズが広範囲に亘っ
て制御でき、且つ、無機物粒子の含有量が高く、しか
も、導電性が制御されたものである。
【0044】本発明における複合体粒状物の粒子サイズ
は、複合体粒状物の生成にあたって仕込まれる原料中の
固形物濃度、無機物粒子に対するエポキシ樹脂成分の割
合並びに無機物粒子表面の親油化の程度等により制御す
ることができ、これらの値が大きくなる程生成する複合
体粒状物の粒子サイズは大きくなる傾向にある。
【0045】本発明において、無機物粒子の含有量が高
い複合体粒状物が得られる理由について、本発明者は、
後出する比較例に示す通り、無機物粒子の粒子表面が親
油化処理されていない場合には、無機物粒子の含有量が
制限されることから、無機物粒子の粒子表面が親油化処
理されていることによるものと考えている。
【0046】本発明において、乳化剤を用いなくてもよ
い理由について、本発明者は、無機物粒子の表面が親油
化されることによって、反応初期生成物である未硬化エ
ポキシ樹脂と無機物粒子とからなる複合物の性状が非常
にエマルジョン化し易いものになっているためであろう
と考えている。
【0047】本発明において、複合体粒状物の粒状物表
面に被覆されている金属の種類及び量を制御することに
よって導電性を自由に制御することができる。
【0048】本発明においては、複合体粒状物に含有さ
れる無機物粒子の含有量が高い為に複合体粒状物の表面
には多数の凹凸が形成されており、その為、該複合体粒
状物の粒状物表面に被覆される金属は強固に被着され、
衝撃や摩擦等の機械的応力によりはがれにくいものであ
る。
【0049】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における数平
均粒子径は、レーザ回折式粒度分布計(堀場製作所
(株)製)により計測した値で示し、また、複合体粒状
物の粒子形態は、走査型電子顕微鏡S−800((株)
日立製作所製)で観察したものである。飽和磁化は、振
動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業(株)
製)を用いて、外部磁場10KOeのもとで測定した値
で示した。複合体粒状物における無機物粒子の含有量
は、複合体粒状物の真比重をマルチボリウム密度計(マ
イクロメティクス社製)を用いて測定し、この比重の大
きさから計算によって算出した値で示した。導電率はT
RG142電流発生器(タケダ理研(株)製)及びME
−540電圧計(SOAR(株)製)を用いて、四端子
法により測定したものである。
【0050】<複合体粒状物の製造> 実施例1〜17 比較例1〜2; 実施例1 500mlの4つ口フラスコに、水50ml,水酸化ナ
トリウム5.50g,ビスフェノールA20g、エピク
ロルヒドリン10g、無水フタル酸2.0g及び粒子表
面が0.5重量%のシランカップリング剤KBM602
(信越化学(株)製)で被覆されているマグネタイト粒
子(平均粒子径0.24μm)200gを投入し、攪拌
した。1.0〜1.5℃/分の速度で80℃まで昇温し
た後、温度で1.5時間攪拌を続けて複合体粒状物の
生成を行なった。次に、フラスコ内の内容物を濾別した
後、水洗、乾燥して複合体粒状物を得た。得られた複合
体粒状物は、数平均粒子径が36.6μmであり、図1
に示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)に示す通
り、真球に近い形状を呈していた。さらに、図2の走査
型電子顕微鏡写真(×12000)に示す通り、複合体
粒状物の表面は含有される無機物粒子単位の均一な多数
の凹凸が形成されていることが認められた。また、マグ
ネタイト粒子の含有量は、86.6重量%であって、飽
和磁化は73.6emu/gであった。
【0051】実施例2〜17、比較例1〜2 無機物粒子の種類、ビスフェノールの量、エピクロルヒ
ドリンの量、水酸化ナトリウムの量、硬化剤の種類及び
量並びに水の量を種々変化させた以外は、実施例1と同
様にして複合体粒状物の生成を行った。実施例2乃至1
7の各実施例により、複合体粒状物B乃至Qを得た。得
られた複合体粒状物B乃至Qはいずれも走査型電子顕微
鏡観察の結果、表面に多数の凹凸が形成されていた。実
施例2及び実施例5で得られた複合体粒状物は、それぞ
れ、図3及び図4の走査型電子顕微鏡写真(×150
0)に示す通り、球状を呈していた。
【0052】この時の主要製造条件を表1に、複合体粒
状物の諸特性を表2に示す。比較例1及び2で得られた
生成物は、電子顕微鏡観察の結果、無機物粒子と樹脂と
が分離した混合物であった。尚、親油化剤として用いた
「KBE403」及び「KBE903」は、いずれも信
越化学(株)製のシランカップリング剤であり、また、
「プレンアクトTTS」は味の素(株)製のチタネート
系カップリング剤である。
【0053】<金属による被覆> 実施例18〜24; パラジウムヒドロゾルの調製 試料A〜C; 試料:A 塩化パラジウム(II)50μmolを塩化ナトリウム
250μmolを含む水溶液2.5mlに溶解し、次い
で純水で94mlに希釈した。この溶液を激しく攪拌し
ながら、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド
10mgを含む水溶液1mlを加え、次いで、水素化ホ
ウ素ナトリウム200μmolを含む水溶液5mlを滴
下すると、溶液の色が急変し、pH9.0の黒褐色透明
なパラジウムヒドロゾルを得た。
【0054】試料:B 界面活性剤としてポリエチレングリコール−p−ノニル
フェニルエーテル(ポリエチレングリコールの重合度1
0)を使用した以外は、試料Aと同様にしてpH8.5
のパラジウムヒドロゾルを得た。
【0055】試料:C 界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムを使用した以外は、試料Aと同様にしてpH8.7の
パラジウムヒドロゾルを得た。
【0056】金属めっき液の調製 試料I〜III; 試料:I(ニッケルめっき液の調製) 無水塩化ニッケル(II)0.1molを4mol/l
のアンモニア水溶液に溶解し、該溶液に0.2mol/
lの次亜リン酸ナトリウム500mlを加えて全容1
lとした後、濃塩酸により溶液のpHを8.9に調整し
た。
【0057】試料:II(コバルトめっき液の調製) 0.05molの硫酸コバルト(II)・7水塩、0.
2molの次亜りん酸ナトリウム、0.2molのクエ
ン酸ナトリウム・2水塩および0.5molの硫酸アン
モニウムを純水に溶解して全容1 lとし、該溶液に
7.4mol/lのアンモニア水溶液を加えてpHを1
0に調整した。
【0058】試料:III(銅めっき液の調製) 0.8mol/lのロッセル塩と、0.8mol/lの
水酸化ナトリウムおよび0.5mol/lの硫酸銅(I
I)5水塩を純水に溶解して100mlとし、さらに3
5%ホルムアルデヒド溶液100mlを混合した。
【0059】実施例18 平均粒子径86.6μmの複合体粒状物A(導電率5.
9×10-8S/cm)10gを試料Aのパラジウムヒド
ロゾル38mlに室温下60分間浸漬した後、水洗、濾
別した。上記パラジウムコロイドが吸着された複合体粒
状物Aを試料Iのニッケル化学めっき液に室温下浸漬し
た後、水洗、乾燥した。この時の主要製造条件及びニッ
ケルめっきされた複合体粒状物の諸特性を表3に示す。
得られた複合体粒状物は、電子顕微鏡観察の結果、粒子
表面に均一且つ強固にニッケルめっきがされていること
が確認された。
【0060】実施例19〜23 被めっき物である複合体粒状物の種類、パラジウムヒド
ロゾルの種類及び化学めっき液の種類を種々変えた以外
は実施例18と同様にして金属めっきされた複合体粒状
物を得た。この時の主要製造条件及び金属めっきされた
複合体粒状物の諸特性を表3に示す。また、実施例19
〜23の各実施例で得られた金属めっきされた複合体粒
状物は、いずれも電子顕微鏡観察の結果、粒子表面が均
一且つ強固にめっきされていることが確認された。
【0061】尚、金属めっき処理前の複合体粒状物B及
びCの導電率はそれぞれ6.7×10-8S/cm、8.
3×10-8S/cmであった。
【0062】実施例24 複合体粒状物A10gを塩化第一錫1.7g、濃塩酸
3.0ml及び水150mlからなる溶液に分散混合
し、60分間放置した後、濾別した。得られた粒子粉末
を塩化パラジウム0.13g、濃塩酸3.0ml及び水
150mlからなる溶液に分散混合し、60分間放置し
た後、濾別して活性化処理をおこなった。活性化処理が
された複合体粒状物を試料Iのニッケルめっき液を用い
て実施例18と同一の手順でニッケルめっきを行った。
この時の主要製造条件及びニッケルめっきされた複合体
粒状物の諸特性を表3に示す。得られた複合体粒状物
は、電子顕微鏡観察の結果、粒子表面に均一且つ強固に
ニッケルめっきがされていることが確認された。
【0063】 なお、「表1」中、実施例1〜17、比
較例16及び比較例17のそれぞれで使用されている無
機物粒子の商品名又は製造方法は、下記の通りである。 1)「MAT−305」(商品名:戸田工業(株)製) 2)「MC−127」(商品名:戸田工業(株)製) 3)「OS−140」(商品名:戸田工業(株)製) 4)後出6)の針状ゲータイト粒子粉末を水素気流中、
400℃で90分間還元することにより製造した針状マ
グネタイト粉末。 5)前出4)の針状マグネタイト粒子粉末を空気中27
0℃で120分間酸化することにより製造した針状マグ
ヘマイト粒子粉末。 6)下記方法により製造された針状ゲータイト粒子粉
末。 Fe 2+ 0.65mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液3.
0lに2.6−NのNaOH水溶液2.0lを加え、P
H12.0、温度35℃において水酸化第一鉄粒子を含
む懸濁液を得た。上記水酸化第一鉄粒子を含む懸濁液
に、3号ケイ酸ナトリウム(SiO 2 28.55wt
%)11.2g(Feに対し、Si換算で1.5原子%
に相当する。)を添加して攪拌混合した後温度45℃に
おいて毎分20lの空気を8.5時間通気して針状晶ゲ
ータイト粒子を生成した後、常法により、濾別、水洗、
乾燥、粉砕することにより製造した。 7)「試薬1級(アナターゼ型)」(関東化学(株)製) 8)「試薬1級」(関東化学(株)製) 9)「試薬1級(沈降性)」(関東化学(株)製) 10)「試薬1級」(関東化学(株)製) 11)「試薬1級」(関東化学(株)製) 12)「試薬1級」(関東化学(株)製) 13)「試薬1級(塩基性)」(関東化学(株)製) 14)「試薬1級」(関東化学(株)製) 15)「試薬1級」(関東化学(株)製) 16)「MAT−305」(商品名:戸田工業(株)製)
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明に係る無機物粒子含有エポキシ樹
脂粒状物粉体は、表面が親油化処理されている無機物粒
子とエポキシ樹脂とからなり、粒子サイズが広範囲に亘
って制御でき、無機物粒子の含有量が高く、しかも導電
性が制御されたものである。また、本発明に係る無機物
粒子含有エポキシ樹脂粒状物粉体は、乳化剤を含まない
ので、帯電量の変動がないため、製品の品質面の問題が
生起することがなく、また、耐久性、耐衝撃性、耐熱性
においても優れている。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた複合体粒状物の粒子構造を
示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図2】実施例1で得られた複合体粒状物の表面状態を
示す走査型電子顕微鏡写真(×15000)である。
【図3】実施例2で得られた複合体粒状物の粒子構造を
示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図4】実施例5で得られた複合体粒状物の粒子構造を
示す走査型電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図5】実施例18で得られた複合体粒状物の粒子構造
を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−11624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/12 - 3/16 C08L 63/00 - 63/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面が親油化処理されている無機物粒子
    と硬化したエポキシ樹脂とからなり、数平均粒子径が1
    〜1000μmであって、前記無機物粒子の含有量が8
    0〜99重量%である複合体粒状物の粒状物表面が金属
    で被覆されていることを特徴とする無機物粒子含有エポ
    キシ樹脂粒状物粉体。
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