JP2004111850A - バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極および該電極の製造方法ならびに該電極を用いた圧電体素子、薄膜キャパシタおよび該圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッド - Google Patents
バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極および該電極の製造方法ならびに該電極を用いた圧電体素子、薄膜キャパシタおよび該圧電体素子を用いたインクジェット式記録ヘッド Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】組成式BaxSr1−xRuO3(式中、0<x<0.3)で表わされ、結晶構造がペロブスカイト型結晶構造を有する、バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウムにより形成されたバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体メモリ材料、圧電素子材料、焦電素子材料として用いられるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やPLZT(ランタン含有チタン酸ジルコン酸鉛)等のPZT系のメモリまたは素子等の下部電極層として有望な、BSRO(バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム)電極、該電極の製造方法ならびに該電極を備えた、圧電体素子、該圧電体素子を備えたインクジェット式記録ヘッドおよび薄膜キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PZT、PLZT等のPZT系強誘電体膜や圧電体膜をメモリ、圧電体素子の部材として用いる際には、上部及び下部電極には、白金電極が用いられていた。この場合の強誘電体膜、圧電体膜は、残留分極が大きく抗電界が小さい角形比に優れたヒステリシスを持ち1012回以上の繰り返しパルスを印加しても分極性能が劣化することがなく、優れた耐疲労特性をもつことが要求される。しかしながら、白金電極を用いた場合には、109サイクル程度のスイッチングによって分極反転電荷が減少し、メモリ特性を維持できないことが知られている。
【0003】
近年、良導体であり、かつPZT系酸化物と同様にペロブスカイト型結晶構造を有するLaNiO3、SrRuO3、YBa2Cu3Ox等の酸化物セラミックスを下部電極として用いると、白金電極に比べて強誘電体の分極反転による疲労を大きく抑えることができることがわかってきた。
【0004】
上述の導電性酸化物セラミックスにおいては、強誘電体層または圧電体層の分極反転に依って電極近傍に存在する酸素欠陥に対して酸素を補給する性質があるために、欠陥の蓄積が抑制され、分極疲労が抑制されるものと考えられている。またPb等に対する拡散バリア性に優れていることから、強誘電体材料、圧電体材料、焦電素子材料の酸素欠損を防止して、強誘電体層、圧電体層、焦電体層の疲労を良好に抑制することができるとされている。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記セラミックスは、いずれも、PZTやPLZT等のPZT系酸化物の結晶の格子定数と異なる格子定数を有しており、これらのセラミックスをPZT系薄膜に積層する場合、同一の結晶系ではあるものの、エピタキシャル成長が十分に行われない虞があり、また、PZT系層とこれらセラミックス層との間の応力緩和等が十分に行われないために、圧電特性を保持することが困難であり、性能が劣化するといった問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決すべく、先に列挙した酸化物セラミックスの中でも比較的格子定数がPZT系のものに近い、SRO(ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO3))を選択し、鋭意検討を重ねた結果、SROの構成元素であるSrよりもイオン半径の大きな原子であるBaを添加することにより格子定数が変化することを発見し本発明を完成するに到った。
【0006】
(1)本発明は、組成式BaxSr1−xRuO3(式中、0<x<0.3)で表わされ、結晶構造がペロブスカイト型結晶構造を有する、バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウムにより形成されたバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極に関するものである。
【0007】
(2)本発明はさらに、前記ペロブスカイト型結晶構造が、擬似立方晶であるとして求めた格子定数が3.930〜3.999Åであるペロブスカイト結晶構造であることを特徴とする請求項1記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極に関するものである。
【0008】
(3)本発明はさらに、電極の形成が、CSD法を適用して実施されることを特徴とする前記(1)または(2)記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極の製造方法に関するものである。
【0009】
(4)本発明はさらに、電極の形成が、MOCVD法、スパッタリング法または蒸着法を適用して実施されることを特徴とする前記(1)または(2)記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極の製造方法に関するものである。
【0010】
(5)本発明はさらに、圧電体素子において、該圧電体素子が下部電極および上部電極に挟持された圧電体を含む圧電体素子であって、該下部電極および上部電極が前記(1)または(2)記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極であることを特徴とする圧電体素子に関するものである。
【0011】
(6)本発明はさらに、前記(5)記載の圧電体素子において、下部電極および上部電極が、前記(3)または(4)記載の電極の製造方法により形成されたものであり、圧電体が、CSD法により成膜された、ペロブスカイト型結晶構造を有する、組成式Pb1−xLax(ZryTi1−y)O3(式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表される(ランタン含有)チタン酸ジルコニウム酸鉛から構成された圧電体であることを特徴とする圧電体素子に関するものである。
【0012】
(7)本発明はさらに、薄膜キャパシタにおいて、該薄膜キャパシタが下部電極および上部電極に挟持された誘電体を含む薄膜キャパシタであって、該下部電極および上部電極が前記(1)または(2)記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極であることを特徴とする薄膜キャパシタに関するものである。
【0013】
(8)本発明はさらに、前記(7)記載の薄膜キャパシタにおいて、下部電極および上部電極が、前記(3)または(4)記載の電極の製造方法により形成されたものであり、誘電体が、CSD法により形成された、ペロブスカイト型結晶構造を有する、組成式Pb1−xLax(ZryTi1−y)O3(式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表される(ランタン含有)チタン酸ジルコニウム酸鉛から構成された誘電体であることを特徴とする薄膜キャパシタに関するものである。
【0014】
(9)本発明はさらに、少なくとも、圧力室が形成された圧力室基板と、該圧力室の一方の面に設けられた振動板と、該振動板の該圧力室に対応する位置に設けられ該圧力室に体積変化を及ぼすことができるように構成された圧電体素子と、を備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、該圧電体素子が、前記(6)記載の圧電体素子であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドに関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の電極を形成するBSROにおいて、添加したBaがSRO結晶中でSrが占める位置においてSrと置換し、SrとBaのイオン半径の違いにより、元のSRO結晶格子に歪みが生じ、格子定数が変化する。
本発明におけるBSROのBaの原子分率xは、SROにBaが固溶し、かつBaRuO3の結晶が生成しない範囲が望ましく、置換の限度量は、作成方法にも依存するが、Baの原子分率xが0 < x <0.3である必要があり、好ましくは0.05<x<0.25である。
【0016】
本発明におけるBSROの製造方法は、製造されたBSROが十分に結晶化すること、およびBSRO結晶中でSrが占めるサイトに対して、添加したBaがSrを置換することが満たされれば、必要とする形態との兼ね合いにより様々な方法をとることが出来る。
【0017】
例えば原料粉末(一般的には、酸化物や炭酸塩)を混合、仮焼した後、焼成する固相反応法や、原料を溶液化または溶剤に分散しこれを基板に塗布、焼成することで目的物を得るCSD法(Chemical Solution Deposition;化学溶液法、またはゾルゲル法)、MOCVD法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属気相生成法)、あるいはスパッタリング法、蒸着法等の手法を用いることができる。
【0018】
本発明におけるBSROを製造するための原料は、必要な純度が確保できていれば、特に限定はなく、製法に応じて種々の原料を使用することができる。
固相反応法においては、原料としては、BSROを構成する金属の酸化物、炭酸塩などが用いられる。
CSD法においては、前駆体溶液を作るため、各金属原料として金属単体、塩化物、硝酸塩、酢酸塩、アルコキシド等、アルコールなどの溶剤に溶解しまたは分散可能なものであれば使用することができる。
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、まず、BSRO電極およびBSROから形成される下部電極および上部電極に挟持された圧電体を含む圧電体素子について説明する。
【0020】
本発明においてはCSD法を用いてBSRO電極を形成する圧電体素子の製造方法を例にして、その詳細を説明するが、BSRO電極の形成方法はMOCVD法、スパッタリング法、蒸着法を適用することができ、これらの方法によってもCSD法と同様に、PZT系(チタン酸ジルコン酸鉛系)薄膜の下部電極層または上部電極層として有望なBSRO膜を形成することが出来る。
【0021】
図1は、本発明の圧電体素子の一実施形態の構成を示す断面図である。
同図において、1は基板である。
基板1としては、シリコン(Si)やタングステン(W)などからなる半導体基板が好ましく用いられるが、ジルコニアやアルミナ、シリカなどのセラミックスのものを用いても構わない。また、シリコン基板の上に前記セラミックスを積層して多層構成としたり、白金、パラジウムなどの金属層を積層して用いても良い。
【0022】
図1において2および4は、それぞれ下部電極、上部電極であり、本発明の一実施態様においては、5〜500nm程度の厚みを有するCSD法により製造されたBSROで、組成式BaxSr1−xRuO3で表わされ、Baの原子分率xが、0< x <0.3であり、結晶構造がペロブスカイト型構造を有するBSROから形成される。
本発明におけるBSROは、上述したように、CSD法により製造することができる。
即ち、溶剤にBSROを生成することのできる金属アルコキシドまたは金属水酸化物等の原料を溶解または分散させた後、水を加えて、または水を加えて加水分解させて調製したBSROの前駆体(分散質と記載することがある)を含有する塗工液を基板上に塗工し、乾燥し、その後の熱処理工程において焼成を行うことにより得ることができる。
【0023】
溶剤としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン系などのアミド系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤が挙げられる。これらの中で好ましくはアルコール系溶剤である。
本発明におけるCSD法において用いられる溶剤の量は、金属アルコキシドに対しては、通常10倍モルから200倍モルであり、好ましくは20倍モルから100倍モルである。溶剤の量を10倍モルから200倍モルとすると、ゲル化が起こり易くなる一方で加水分解時の発熱を容易にコントロールすることができるので好ましい。
【0024】
ルテニウム化合物としては、アセチルアセトンルテニウム、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジアセチル)アセトナトルテニウム、ルテニウムオキサイド水和物、水酸化ルテニウム等、ルテニウムメトキシド、ルテニウムエトキシド、などのアルコキシドおよびそのアルキル置換体などが挙げられる。
【0025】
またルテニウムの無機塩化合物、具体的にはハロゲン化物、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩などまた有機酸塩化合物として具体的にはギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩などの各種カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、またアセチルアセトナート錯体などを溶剤と混合してアルコキシドをin situ合成して用いても良い。
【0026】
また、金属アルコキシドまたは金属塩の加水分解には、例えば金属アルコキシドまたは金属塩の0.05倍モル〜2倍モルの水を用いることができ、より好ましくは0.5倍モル〜1.5倍モルの水を用いることができる。加水分解には、酸触媒または塩基触媒を用いてもよく、好ましくは、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸を用いることができる。
【0027】
ストロンチウム、バリウムを含む化合物も、前記ルテニウムと同様な化合物を用いることができる。
【0028】
上記塗工液は、下部電極を形成する場合は基板上に、また、上部電極を形成する場合は後述する圧電体薄膜の上に塗工し乾燥させる。
塗工方法は、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコートなど公知の塗工方法を用いることができる。また多数回の塗工、乾燥を行ってもよい。乾燥後の1層あたりの膜厚は特に問わないが、0.01μm〜0.5μmが好ましい。上部電極と下部電極の種類、厚みは同一であってもまた異なっていても良い。
【0029】
図1において、3は圧電体薄膜である。本発明においては、例えば、Pb1−xLax(ZryTi1−y)1−xO3(式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表されるPLZT等のPZT系薄膜であり、CSD法等により製造することができる。
即ち、Pb、La、Zr、Tiのアルコキシド又は水酸化物等の原料を溶剤に分散させた後、水を加え加水分解して、PLZTを生成することのできる前駆体を調製しこれを含有する塗工液を調製し、これを基板上に塗工し、乾燥し、その後の熱処理工程による焼成を行うことによりPLZTから形成された圧電体膜を得ることができる。
【0030】
上記塗工液の調製に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン系などのアミド系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤が挙げられる。これらの中で好ましくはアルコール系溶剤である。
本発明におけるCSD法による圧電体薄膜の調製において用いられる溶剤の量は、金属アルコキシドに対しては、通常10倍モルから200倍モルであり、好ましくは20倍モルから100倍モルである。溶剤の量を10倍モルから200倍モルとすると、ゲル化が起こり易くなる一方で加水分解時の発熱を容易にコントロールすることができるので好ましい。
【0031】
またPb化合物としては、水酸化鉛、鉛2−エトキシエトキシド、鉛メトキシド、鉛エトキシド、鉛n−プロポキシド、鉛i−プロポキシド、鉛n−ブトキシド、鉛i−ブトキシド、鉛t−ブトキシドなどのアルコキシドおよびそのアルキル置換体などが挙げられる。
【0032】
また鉛の無機塩化合物、具体的には、塩化物、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩など、また有機塩化合物、具体的には、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩などの各種カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、またアセチルアセトナート錯体などを用いることができる。これらの無機塩化合物を溶剤と混合して水と反応させアルコキシドをin situ合成して用いても良い。
La、Zr、Tiについても同様の化合物または無機塩を用いることができる。
これらのPb、La、Zr、Tiの化合物を前記溶剤に分散し、加水分解を行い、PLZTの前駆体を含有する塗工液を得ることができる。
【0033】
上記各金属の仕込み比は、成膜時の焼成過程においてPbの消失がおこるため、あらかじめ塗工液作製時にPbの量を増やしておくことが好ましい。具体的には、原料のPb化合物の仕込みモル比を5%〜30%の範囲で増やすのが好ましい。
【0034】
また、金属アルコキシドまたは金属塩の加水分解には、例えば金属アルコキシドまたは金属塩の0.05倍モル〜2倍モルの水が用いられ、より好ましくは0.5倍モル〜1.5倍モルの水が用いられる。加水分解を行う際には、酸触媒または塩基触媒を用いるようにしてもよく、好ましくは、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸が用いられる。
【0035】
上記塗工液を、下部電極の上に塗工し、乾燥させ、塗工膜を形成する。
塗工方法は、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコートなど公知の塗工方法を用いることができる。また多数回の塗工、乾燥を行ってもよい。乾燥後の1層あたりの膜厚は特に問わないが、0.01μm〜5μmが好ましい。また総膜厚としては1μm〜30μm程度が好ましい。
【0036】
本発明の圧電体素子の製造方法についてさらに詳細に説明する。
【0037】
前記基板の上に前記塗工液を塗布し、前記CSD法により電極を形成し、下部電極とする。
塗工方法は特に限定されることはなくディップコート、スピンコート、バーコート、などの方法を用いることができる。スピンコート法により塗工する場合、電極用の塗工液を基板上に滴下し、スピンコータにより塗工液の均一な被膜(塗工膜と表わすことがある)を形成する。スピンコーティングでは、一般に回転数100〜500rpm程度の低速回転と回転数3000〜 5000rpm程度の高速回転が用いられる。すなわち、塗工液を滴下した基板を100〜500rpm程度の低速回転で1〜10秒程度回転させることにより、塗工液を基板表面全体に行き渡らせる。次いで、3000〜 5000rpm程度の高速回転で10〜30秒程度回転させることにより厚さの均一な塗工膜を形成する。
【0038】
次に、塗工膜に含まれる溶剤を除去するために、 150〜 200℃程度の温度で塗工膜を乾燥させる。さらに、乾燥した塗工膜に含まれる有機成分を除去するために、 300〜 500℃程度の温度で加熱処理する。膜厚を厚くする場合には、スピンコートと有機物除去の加熱処理とを交互に繰り返し行う。この後、500〜 700℃程度の温度で1〜60分程度熱処理(焼成と表わすことがある)することにより結晶化させ、BSROからなる下部電極を得る。
【0039】
焼成は不活性ガス雰囲気、酸素含有雰囲気(空気中等)等、任意の雰囲気下で行えばよく、常圧下または減圧下で行うこともできる。また、焼成の際に、段階的な昇温を行うようにしてもよい。このような焼成により、有機成分がほぼ消失して、緻密な構造の電極が得られる。
【0040】
このようにして形成された電極の上部に圧電体薄膜用の塗工液を塗工し、乾燥し、焼成して圧電体薄膜を形成する。
塗工液のスピンコーティングの条件は下部電極2のコーティングと同様にするのが好ましい。次いで、塗工膜に含まれる溶剤成分を除去するために、 150〜 200℃程度の温度で乾燥させる。さらに、乾燥した塗工膜に含まれる有機成分を除去するために、 300〜 500℃程度の温度で加熱処理する。膜厚を厚くする場合には、スピンコートと有機物除去の加熱処理とを交互に繰り返し行う。この後、500〜 700℃程度の温度で1〜60分程度焼成することにより結晶化させて、圧電体薄膜3を得る。この際の結晶化は、RTA(Rapid Thermal Annealing:高速熱処理)を適用してもよいし、また通常の電気炉熱を用いて焼成処理を行ってもかまわない。
【0041】
このとき、電極層と圧電体薄膜の接触界面では電極層を形成するBSROと圧電体薄膜層、例えば、PLZT層の双方の結晶系が同一でありなおかつ、格子定数がほぼ同じであるためにPLZTのエピタキシャル成長を促進する。また、PLZT膜の残留応力を緩和することにより圧電特性を改善することができる。
【0042】
焼成は、不活性ガス雰囲気、酸素含有雰囲気(空気中等)等、PbO雰囲気など、任意の雰囲気下で行えばよく、常圧下または減圧下で行うこともできる。また、焼成の際に、段階的な昇温を行うようにしてもよい。このような焼成により、有機成分がほぼ消失して、緻密な構造の圧電体膜が得られる。
【0043】
上部電極は圧電体薄膜の上部に下部電極と同様にして形成することができる。即ち上部電極は前記圧電体薄膜の上に電極用の塗工液を塗工し、乾燥し、焼成して形成する。
【0044】
このように本製造方法により圧電体薄膜と電極とを界面エピタキシャル成長させることにより圧電体薄膜と下部電極または上部電極との界面整合性を高め、良好な圧電特性を保持した圧電体素子を得ることができる。
【0045】
図2は、本発明の圧電体素子を用いたインクジェット式プリンターヘッド用のアクチュエータの概略を示す模式的断面図であり、本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実施形態である、圧電体素子がアクチュエータに用いられたインクジェット式プリンターヘッドの一部を拡大して模式的に示した図である。図2に示したプリンターヘッドの基本構成は、従来と同様であり、ヘッド基台5と振動板7および圧電体素子とから構成されている。
【0046】
ヘッド基台5には、インクを噴射する多数のインクノズル(図示せず)、それぞれのインクノズルに個別に連通する多数のインク経路(図示せず)、および、それぞれのインク経路に個別に連通する多数のインク室6が形成されており、ヘッド基台5の上面全体を覆うように振動板7が取り付けられ、この振動板7によってヘッド基台5の全てのインク室6の上面開口が閉塞されている。振動板7上には、それぞれのインク室6と個別に対応した位置に、振動板7に振動駆動力を与えるための圧電体素子8が被着形成されている。
【0047】
そして、多数の圧電体素子8を電源9を制御して、所望の選択された圧電体素子8に電圧を印加することにより、圧電体素子8を変位させて、その部分の振動板7を振動させる。これにより、振動板7の振動に対応した部分のインク室6の容積が変化して、インク経路を通ってインクノズルからインクが押し出されて印刷が行われることになる。
【0048】
次に、本発明の薄膜キャパシタの実施形態を、ペロブスカイト型結晶構造を有するBSROによって構成されている下部電極および上部電極に挟持された誘電体を含むことを特徴とする薄膜キャパシタを例として取り上げ説明する。
【0049】
本発明においては、CSD法によって電極を形成した薄膜キャパシタの製造方法について詳細を説明するが、MOCVD法、スパッタリング法、蒸着法を電極の形成に適用することによっても、同様に、優れた性能を有する薄膜キャパシタを提供することが出来る。
【0050】
図8は本発明の薄膜キャパシタの一実施形態の製造工程の要部を示す説明図である。
同図において、基板12は、熱酸化SiO2膜を形成したSi基板などの半導体基板、MgO単結晶基板、SrTiO3単結晶基板などの基板である。
【0051】
まず、図8(a)に示すように、基板12の上側にBSRO導電性ペロブスカイト型結晶構造を有するBSROからなる下部電極13を成膜する。
下部電極13の成膜は、液相を用いた成膜プロセスにより実施することができる。液相を用いた成膜プロセスは、特に限定されるものではないが、CSD法、MOD(Metalorganic Decomposition;メタルオーガニック・デポジション)法、水熱合成法などが適用される。CSD法やMOD法は、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング(噴霧コーティング)などのコーティング方法と組み合わせて利用することができる。
【0052】
CSD法とMOD法はよく似たプロセスであるが、これらは、反応過程に違いがあり、CSD法では加水分解縮重合反応が、MOD法では熱分解反応が用いられる。CSD法の場合には、まず、BSROの前駆体を含有する塗工液を基板12上に塗布し、塗工膜を乾燥し、乾燥した塗工膜を熱処理して縮重合反応させ、脱水反応および脱アルコール反応によりM−O−Mの架橋構造を形成させる。
MOD法の場合には、有機金属化合物を有機溶剤に溶解または分散させて調製した塗工液を、その状態(混合状態)で基板12上に塗布し、乾燥し、加熱して有機成分を分解・燃焼させ、M−O−Mの架橋構造を形成させる。
【0053】
BSROからなる下部電極13の成膜に、CSD法とスピンコーティングの組み合わせを適用する場合、まず、BSROの前駆体を含有する塗工液を調製する。塗工液としては、例えば、Baを含有するSrRuO3膜を形成する場合は、Br、SrとRuのアルコキシドを溶剤、例えば、2−メトキシエタノールに溶解または分散して調製したものを用いることができる。
【0054】
上記したような塗工液を基板12上に滴下し、スピンコータにより塗布し、均一な塗工膜を形成する。スピンコーティングでは、一般に回転数100〜500rpm程度の低速回転と回転数3000〜 5000rpm程度の高速回転が用いられる。すなわち、塗工液を滴下した基板を100〜500rpm程度の低速回転で1〜10秒程度回転させることにより、塗工液を基板表面全体に行き渡らせる。次いで、3000〜 5000rpm程度の高速回転で10〜30秒程度回転させることにより厚さの均一な塗工膜とする。
【0055】
次に、塗工膜に含まれる溶剤を除去するために、 150〜 200℃程度の温度で乾燥させる。さらに、塗工膜に含まれる有機成分を除去するために、 300〜 500℃程度の温度で加熱処理する。膜厚を厚くする場合には、スピンコートと有機物除去の加熱処理とを交互に繰り返し行う。この後、例えば酸素中にて500〜 700℃程度の温度で1〜60分程度熱処理することにより結晶化させ、BSRO膜からなる下部電極13を得る。
【0056】
CSD法を適用した場合、BSRO膜の結晶化は、後述する誘電体薄膜14の結晶化と同時に行ってもよいが、誘電体薄膜として例えばPZT系のものをスピンオンする場合には、BSRO膜を予め結晶化しておくことが好ましい。
【0057】
なお、上記した成膜工程はCSD法をスピンコーティングと組み合わせた場合について説明したが、各塗工液のコーティングには前述したように、ディップコーティング、スプレーコーティングなどを適用することもできる。
【0058】
上述したように、液相を用いた成膜法でBSRO膜を下部電極13として成膜することによって、液相内での分子レベルのオーダでの均一な混合状態に基づいて、組成ずれを生じさせることなく、膜組成の均一性に優れた下部電極13が得られる。電極のBSROと誘電体薄膜のPZT系酸化物双方の結晶系が同一であり、なおかつ、格子定数がほぼ同じであるために誘電体薄膜のPZT系酸化物のエピタキシャル成長を促進する。また、PZT系膜の残留応力を制御することができる。結果的に誘電体膜の電気特性の低下、例えば残留分極の減少、リーク電流の増大、疲労特性の劣化、誘電率の減少などを抑制することが可能となる。
【0059】
ここで、BSROからなる下部電極13の膜厚は通常の誘電体メモリと同様に5〜 500nm程度とすることができる。
【0060】
また、BSRO膜の加工の難しさから、これらの膜を薄くする場合には、BSRO膜のシート抵抗が高くなる傾向があるところから、下部電極13の膜厚を薄くする場合には、BSRO膜の下地として、Pt、Ru、Ir、Rh、RuO2 、IrO2などからなる導電層を形成するのが好ましい。
【0061】
次に、図8(b)に示すように、BSROからなる下部電極13上に誘電体薄膜14を成膜する。誘電体薄膜14には強誘電性または高誘電性を示す酸化物、例えば組成式ABO3(AおよびBは、それぞれ金属元素を表わす)で表されるペロブスカイト型結晶構造を有する酸化物(ペロブスカイト型酸化物と表わすことがある)が好ましく用いられる。誘電体薄膜14として用いるペロブスカイト型酸化物は、薄膜キャパシタの使用目的に応じて、誘電体としての機能を有する種々のぺロブスカイト型酸化物の中から選択して用いることができる。
【0062】
例えば、FRAMに適用する場合には、例えばPb(Zr,Ti)O3 (PZT)や(Pb,La)(Zr,Ti)O3 (PLZT)などのPb−Zr−Ti−O系酸化物、あるいはSrBi2 Ta2 O9などのSr−Bi−Ta−O系酸化物、Bi4 Ti3 O12などのBi−Ti−O系酸化物、Bi−Sr−Ti−O系酸化物などの強誘電性ペロブスカイト型酸化物が用いられる。
【0063】
また、BaリッチなBa1−x Srx TiO3やBaTiO3などのペロブスカイト型酸化物を用い、下部電極13との格子ミスマッチに起因する歪誘起強誘電性を利用して、FRAMの電荷蓄積部を構成することもできる。
【0064】
一方、DRAMとする場合には、Ba1−x Srx TiO3 (BSTOと略記することがある)、SrTiO3 (STOと略記することがある)、CaTiO3 、PbTiO3 、BaZrO3 、BaSnO3 、PbZrO3などの高誘電性ペロブスカイト型酸化物が用いられる。
【0065】
なお、上記したようなペロブスカイト型酸化物に、Ca、Sr、La、Nb、Mnなどを添加したものも用いることができる。
また、誘電体薄膜14の膜厚は特に限定されるものではないが、通常の誘電体メモリと同様に、10〜 300nm程度とすることができる。
【0066】
上述したようなペロブスカイト型酸化物からなる誘電体薄膜14についても、下部電極13と同様に、CSD法、MOD法などの成膜プロセスを適用して成膜することができる。CSD法やMOD法は前述したように、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティングなどのコーティング方法と組み合わせて利用することができる。
【0067】
CSD法とスピンコーティングとを組み合わせて誘電体薄膜14を成膜する場合には、まず、誘電体薄膜の形成に必要な前駆体を含有する塗工液を調製する。代表的な強誘電体であるPZT系強誘電体では、例えば、Pbの出発原料として、例えば、酢酸鉛3水和物、Zrの出発原料として、例えば、ジルコニウムテトラプロポキシド、Tiの出発原料として、例えば、チタンテトライソプロポキシドを用い、これらを溶剤としての、例えば、2−メトキシエタノールに所定の比率で溶解または分散させて塗工液を調製する。
【0068】
上記したような塗工液を基板12上に形成した下部電極13の上に滴下し、スピンコータにより塗工液の均一な塗膜を形成する。スピンコーティングの条件は、下部電極13の成膜と同様とすることが好ましい。次いで、塗工膜に含まれる溶剤を除去するために、 150〜 200℃程度の温度で乾燥させる。さらに、乾燥した塗工膜に含まれる有機成分を除去するために、 300〜 500℃程度の温度で加熱処理する。膜厚を厚くする場合には、スピンコートと有機物除去の加熱処理とを交互に繰り返し行う。この後、酸素中にて500〜 700℃程度の温度で1〜60分程度熱処理することにより結晶化させて、誘電体薄膜14を得る。この際の結晶化は、RTA(高速熱処理)を適用してもよいし、また通常の電気炉熱処理でもかまわない。
【0069】
上述したように、液相を用いた成膜法でペロブスカイト型酸化物からなる誘電体薄膜14を成膜することによって、本発明では、下部電極を形成するBSROと誘電体薄膜を形成する、例えば、PZT系酸化物双方の結晶系が同一でありなおかつ、格子定数がほぼ同じであるためにPZT系酸化物のエピタキシャル成長を促進する。また、液相内での分子レベルのオーダでの均一な混合状態に基づいて、組成ずれを生じさせることなく、特性の均一な誘電体薄膜14が得られる。
【0070】
次に、図8(c)に示すように、誘電体薄膜14上に上部電極15を成膜することによって、薄膜キャパシタが作製される。なお、上部電極15にはPEP(Photo Etching Process ;フォトエッチングプロセス)などにより電極パターンを形成することができる。
【0071】
上部電極15は、下部電極13と同様にBSROで構成してもよいし、またPt、Ru、Ir、Rh、RuO2 、IrO2などを使用することも可能である。特に、上部電極15についても下部電極13と同様に、CSD法を用いて成膜することが好ましい。上部電極15をCSD法を用いて成膜することによって、上部電極を構成するBSROと、誘電体膜を構成する、例えば、PZT系酸化物双方の結晶系が同一でありなおかつ、格子定数がほぼ同じであるためにBSROのエピタキシャル成長を促進する。そのため良好な結晶性を示し、下部電極13と同様に電気特性に優れるBSRO電極が得られるため、基板12上に形成した微小なキャパシタセルの電気的特性の均一性をさらに高めることができる。
【0072】
上部電極15を液相を用いて成膜する場合の条件は、前述した下部電極13の成膜条件と同様とすることができる。
【0073】
本発明の薄膜キャパシタの製造方法においては、前述したように電極層と誘電体薄膜の接触界面では電極層を構成するBSROと誘電体薄膜を構成する、例えば、PZT系酸化物双方の結晶系が同一でありなおかつ、格子定数がほぼ同じであるためにPZT系酸化物のエピタキシャル成長を促進する。また、Si基板上において薄膜化した強誘電体の特性劣化については、特に応力の影響が大きいとされているが、本発明においては、PZT系膜等の誘電体薄膜の応力を制御することにより強誘電特性を改善することができる。
【0074】
本発明において、BSRO電極を用いることによる、PZT系酸化物のエピタキシャル成長の促進および応力の制御により、残留分極、リーク電流、疲労特性、誘電率などの、薄膜キャパシタの電気的特性を高めることができる。
【0075】
上述した実施形態では誘電体メモリの電荷蓄積部(薄膜キャパシタ)についてのみ説明したが、上述した実施形態による薄膜キャパシタはトランジスタと共にDRAMやFRAMなどの誘電体メモリを構成することもできる。本発明の薄膜キャパシタを用いることにより、DRAMやFRAMなどの誘電体メモリの信頼性や特性などを向上させることが可能となると共に、誘電体メモリの製造歩留りを高めることができる。
【0076】
【実施例】
以下に本発明に係わるBSRO膜製造の実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0077】
電極形成用の塗工液として以下の組成のものを作製した。
(Ba含有SRO塗工液の作製)
Ba:0.1、Sr:0.9、Ru:1の原子分率に相当する組成となるよう金属Sr、金属Ba、塩化ルテニウム(水和物)を2−メトキシエタノールに分散し加熱溶解し、Ba:0.1、Sr:0.9、Ru:1に相当する組成(原子分率)を有する前駆体を5%(酸化物換算濃度)含有するコート用の前駆体溶液(A液)を調製した。
Ba:0.2、Sr:0.8、Ru:1の原子分率に相当する組成となるよう金属Sr 、金属Ba 、塩化ルテニウム(水和物)を2−メトキシエタノールに分散し加熱溶解し、Ba:0.2、Sr:0.8、Ru:1に相当する組成(原子分率)を有する前駆体を5%(酸化物換算濃度)含有するコート用の前駆体溶液(B液)を調製した。
Ba:0.5、Sr:0.5、Ru:1の原子分率に相当する組成となるよう金属Sr、金属Ba、塩化ルテニウム(水和物)を2−メトキシエタノールに分散し加熱溶解し、Ba:0.5、Sr:0.5、Ru:1に相当する組成(原子分率)を有する前駆体を5%(酸化物換算濃度)含有するコート用の前駆体溶液(C液)を調製した。
【0078】
(SRO塗工液の作製)
Sr:1、Ru:1の原子分率に相当する組成となるよう金属Sr、塩化ルテニウム(水和物)を2−メトキシエタノールに分散し加熱溶解し、Sr:1、Ru:1に相当する組成(原子分率)を有する前駆体を5%(酸化物換算濃度)含有するコート用の前駆体溶液(D液)を調製した。
【0079】
圧電体薄膜形成用の塗工液として以下の組成のものを作製した。
(Pb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48の原子分率を有するPLZTに該当する組成を有する前駆体を含有する塗工液の作製)
Pb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48の原子分率に相当する組成となるよう酢酸鉛、ランタンイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド、チタンイソプロポキシドをメトキシエタノール中に分散し加熱溶解した。希塩酸を添加し加水分解しPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48に相当する組成(原子分率)を有する前駆体を10%(酸化物換算濃度)含有する塗工液(E液)を得た。
また下記の市販のPZT塗工液を用いた。
三菱マテリアル(株)製PZT薄膜形成剤(10wt%PZT(110/52/48)(A6);商品名)をF液とした。
【0080】
圧電体素子およびその製造方法の実施例および比較例を示す。
【0081】
(実施例1)
図3および図4に示すような裏面の一部がくり抜かれたシリコン基板の表面に上記B液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成した。さらにB液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、3.970Åであった。下部電極の組成はBa:0.2、Sr:0.8、Ru:1.0(x=0.2)であった。
その上にF液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにF液を用いて塗工、乾燥、焼成を10回繰り返し圧電体薄膜を形成した。
その上にB液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し上部電極を形成し、圧電体素子を得た(図5)。圧電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.0、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
【0082】
(実施例2)
実施例1と同様の基板に、RFマグネトロンスパッタ法により基板温度600℃においてBSRO膜を製膜し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、3.933Åであった。下部電極の組成はBa:0.1、Sr:0.9、Ru:1.0(x=0.1)であった。
その上にE液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにE液を用いて塗工、乾燥、焼成を10回繰り返し圧電体薄膜を形成した。
その上に上記と同じ条件でBSRO膜を製膜し上部電極を形成して、圧電体素子を得た(図5)。圧電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
【0083】
(比較例1)
実施例1と同様の基板に上記C液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、4.000Åであった。XRDではBaRuO3のピークも現れていることから固溶限界を超えていることがわかった。また、下部電極の組成はBa:0.5、Sr:0.5、Ru:1.0(x=0.5)であった。
その上にE液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにE液を用いて塗工、乾燥、焼成を10回繰り返し圧電体薄膜を形成した。
その上にC液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し上部電極を形成して、圧電体素子を得た(図5)。圧電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
【0084】
(比較例2)
実施例1と同様の基板に上記D液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、3.830Åであった。下部電極の組成はSr:1.0、Ru:1.0であった。
その上にF液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにF液を用いて塗工、乾燥、焼成を10回繰り返し圧電体薄膜を形成した。
その上にD液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し上部電極を形成して、圧電体素子を得た(図5)。圧電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.0、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
【0085】
(比較例3)
実施例1と同様の基板にPtをスパッタし下部電極を形成した。
その上にE液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにE液を用いて塗工、乾燥、焼成を10回繰り返し圧電体薄膜を形成した。
その上にPtをスパッタし上部電極を形成して、圧電体素子を得た(図5)。
圧電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
【0086】
(評価)
実施例1〜2および比較例1〜3の圧電体素子を以下のように評価した。
上部電極と下部電極との間に10kHz、10Vの交流を印加しながら変位量をレーザードップラー法により測定し圧電体としての特性を評価した。
結果を表1に示す。表1に示した結果からわかるように実施例の圧電体は比較例の圧電体にくらべ、720時間の耐久試験後も変位量が大きく良好に動作している。
【0087】
【表1】
【0088】
(インクジェット式記録ヘッドの作製)
(実施例3)
実施例1で作製した素子に、図6および図7で示すようなノズルを取り付けさらにインクを導入するための導入管を設けインクジェット式記録ヘッドとした。
【0089】
(比較例4)
比較例3で作製した素子に、図6および7で示すようなノズルを取り付けさらにインクを導入するための導入管を設けインクジェット式記録ヘッドとした。
【0090】
(評価)
実施例3および比較例4で作製したインクジェット式記録ヘッドに導入管よりインクジェット用インクを導入しインク室を満たした。次に上部電極と下部電極間に1〜20kHz、10Vの交流電圧を印加しインクの吐出の様子を顕微鏡で観察した。
その結果、実施例3のインクジェット式記録ヘッドは各周波数に追随しインク滴を吐出できた。一方、比較例4のインクジェット式記録ヘッドは15kHz〜20kHzの間でインク滴を均一性よく吐出することができなかった。
【0091】
薄膜キャパシタおよびその製造方法の実施例および比較例を示す。
【0092】
(実施例4)
表面に厚さ1μmの熱酸化SiO2膜を形成したシリコン基板の表面に上記A液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、3.933Åであった。下部電極の組成はBa:0.1、Sr:0.9、Ru:1.0(x=0.1)であった。
その上にF液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにF液を用い塗工、乾燥、焼成を2回繰り返し誘電体薄膜を形成した。
その上にA液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し上部電極を形成した。誘電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.0、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
【0093】
上記した上部電極(BSRO膜)上に、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気相成長)法により厚さ500μmのSiO2膜を形成した後、フォトレジストを用いてPEPで上部電極パターンを形成した。RIE(Reactive Ion Etching ;反応性イオンエッチング)で余分なBSRO膜を除去した後、レジストをアッシングにより除去して上部電極に電極パターンを付与し、薄膜キャパシタを得た。
【0094】
(実施例5)
実施例4と同様の基板に上記B液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成した。さらにB液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、3.970Åであった。下部電極の組成はBa:0.2、Sr:0.8、Ru:1.0(x=0.2)であった。
その上にF液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにF液を用いて塗工、乾燥、焼成を2回繰り返し誘電体薄膜を形成した。
その上にB液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し、上部電極を形成した。誘電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.0、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
さらに実施例4と同様にして電極パターンを付与し薄膜キャパシタを得た。
【0095】
(実施例6)
実施例4と同様の基板に、RFマグネトロンスパッタ法により基板温度600℃においてBSRO膜を製膜し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が擬似立方晶であるとして計算すると、3.933Åであった。下部電極の組成はBa:0.1、Sr:0.9、Ru:1.0(x=0.1)であった。
その上にE液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにE液を塗工、乾燥、焼成を2回繰り返し誘電体薄膜を形成した。
その上に上記と同じ条件でRFマグネトロンスパッタ法により上部電極を形成した。圧電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
さらに実施例4と同様にして電極パターンを付与し、薄膜キャパシタを得た。
【0096】
(比較例5)
実施例4と同様の基板に上記C液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が立方晶であるとして計算すると、4.000Åであった。XRDではBaRuO3のピークが現れていることから固溶限界を超えていることがわかった。また、下部電極の組成はBa:0.5、Sr:0.5、Ru:1.0(x=0.5)であった。
その上にE液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにE液を用いて塗工、乾燥、焼成を2回繰り返し誘電体薄膜を形成した。
その上にC液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し、上部電極を形成した。誘電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
さらに実施例4と同様にして電極パターンを付与し薄膜キャパシタを得た。
【0097】
(比較例6)
実施例4と同様の基板に上記D液をスピンコーターにより塗工し、RTA(高速熱処理)法により600℃、10min焼成し下部電極を形成した。得られた薄膜についてXRD測定を行ったところ、薄膜はペロブスカイト型結晶構造であり、(200)配向を示していた。更に、格子定数をペロブスカイト型結晶構造が立方晶であるとして計算すると、3.830Åであった。下部電極の組成はSr:1.0、Ru:1.0であった。
その上にF液を同様にスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにF液を用いて塗工、乾燥、焼成を2回繰り返し誘電体薄膜を形成した。
その上にD液を塗工しRTAにより600℃、10min焼成し、上部電極を形成した。誘電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.0、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
さらに実施例4と同様にして電極パターンを付与し薄膜キャパシタを得た。
【0098】
(比較例7)
実施例4と同様の基板にPtをスパッタし下部電極を形成した。
その上にE液をスピンコーターで塗工した。RTAにより600℃、10min焼成した。さらにE液を用いて塗工、乾燥、焼成を2回繰り返し誘電体薄膜を形成した。
その上にPtをスパッタし上部電極を形成した。誘電体薄膜の中間部の組成を分析したところPb:1.1、La:0.01、Zr:0.52、Ti:0.48であった。
さらに実施例4と同様にして電極パターンを付与し、薄膜キャパシタを得た。
【0099】
(評価)
実施例4〜6および比較例5〜7の薄膜キャパシタの電気特性として残留分極(Prと表わすことがある)、疲労特性を、測定電圧5Vで測定、評価した。
疲労特性は電圧±5Vを印可し、分極反転を1010回サイクル行ったときの残留分極2Prの値と2Pr初期値との差を求め評価した。30点で測定した値の平均値を表2に示す。表2に示した結果から明らかなように、比較例の薄膜キャパシタにくらべ、実施例の薄膜キャパシタは、耐疲労性(信頼性)に優れるものであることがわかる。
【0100】
【表2】
【0101】
上記のように、本発明の製造方法によって製造したBSRO電極を有する圧電体素子は、圧電体薄膜と電極とを界面エピタキシャル成長させることにより圧電体薄膜と下部電極または上部電極との界面整合性を高め、良好な圧電特性を保持した圧電体素子であり、インクジェット式記録ヘッドの圧電体素子として優れた性能を有するだけでなく、他の装置にも広く用いることができる。
また、本発明のBSRO電極を有する薄膜キャパシタは、誘電体のエピタキシャル成長の促進および応力の制御により、残留分極、リーク電流、耐疲労特性、誘電率などの、薄膜キャパシタの電気的特性を高めることができ、これを用いたDRAMやFRAMなどの誘電体メモリの信頼性や特性などを向上させることが可能となると共に、誘電体メモリの製造歩留りを高くすることができる。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のBSRO電極を用いることにより、優れた特性を示す圧電素子、薄膜キャパシタ、インクジェット式記録ヘッドを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電体素子の一実施形態の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の圧電体素子を用いたインクジェット式プリンターヘッド用のアクチュエータの概略を示す模式的断面図である。
【図3】実施例1〜2、比較例1〜3で用いた基板の概略を示す斜視図である。
【図4】実施例1〜2、比較例1〜3で用いた基板の概略を示す断面図である。
【図5】実施例1〜2、比較例1〜3で作製した圧電体素子の概略を示す断面図である。
【図6】本発明のインクジェット式記録ヘッドのヘッド部の概略を示す模式的断面図である。
【図7】本発明のインクジェット式記録ヘッドのヘッド部の概略を示す斜視図である。
【図8】本発明の誘電体メモリの一実施形態の製造工程の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板
2 下部電極
3 圧電体薄膜
4 上部電極
5 ヘッド基台
6 インク室
7 振動板
8 圧電体素子
9 電源
10 ノズル
11 インク導入管
12 基板
13 下部電極
14 誘電体薄膜
15 上部電極
Claims (9)
- 組成式BaxSr1−xRuO3(式中、0<x<0.3)で表わされ、結晶構造がペロブスカイト型結晶構造を有する、バリウム含有ルテニウム酸ストロンチウムにより形成されたバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極。
- 前記ペロブスカイト型結晶構造が、擬似立方晶であるとして求めた格子定数が3.930〜3.999Åであるペロブスカイト結晶構造であることを特徴とする請求項1記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極。
- 電極の形成が、CSD法を適用して実施されることを特徴とする請求項1または2記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極の製造方法。
- 電極の形成が、MOCVD法、スパッタリング法または蒸着法を適用して実施されることを特徴とする請求項1または2記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極の製造方法。
- 圧電体素子において、該圧電体素子が下部電極および上部電極に挟持された圧電体を含む圧電体素子であって、該下部電極および上部電極が請求項1または2記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極であることを特徴とする圧電体素子。
- 請求項5記載の圧電体素子において、下部電極および上部電極が、請求項3または4記載の電極の製造方法により形成されたものであり、圧電体が、CSD法により成膜された、ペロブスカイト型結晶構造を有する、組成式Pb1−xLax(ZryTi1−y)O3(式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表される(ランタン含有)チタン酸ジルコニウム酸鉛から構成された圧電体であることを特徴とする圧電体素子。
- 薄膜キャパシタにおいて、該薄膜キャパシタが下部電極および上部電極に挟持された誘電体を含む薄膜キャパシタであって、該下部電極および上部電極が請求項1または2記載のバリウム含有ルテニウム酸ストロンチウム電極であることを特徴とする薄膜キャパシタ。
- 請求項7記載の薄膜キャパシタにおいて、下部電極および上部電極が、請求項3または4記載の電極の製造方法により形成されたものであり、誘電体が、CSD法により形成された、ペロブスカイト型結晶構造を有する、組成式Pb1−xLax(ZryTi1−y)O3(式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表される(ランタン含有)チタン酸ジルコニウム酸鉛から構成された誘電体であることを特徴とする薄膜キャパシタ。
- 少なくとも、圧力室が形成された圧力室基板と、該圧力室の一方の面に設けられた振動板と、該振動板の該圧力室に対応する位置に設けられ該圧力室に体積変化を及ぼすことができるように構成された圧電体素子と、を備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、該圧電体素子が、請求項6記載の圧電体素子であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
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