JPH08333567A - 温度依存性色彩記憶性樹脂組成物及びこれを用いた積層体 - Google Patents

温度依存性色彩記憶性樹脂組成物及びこれを用いた積層体

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JPH08333567A
JPH08333567A JP7166870A JP16687095A JPH08333567A JP H08333567 A JPH08333567 A JP H08333567A JP 7166870 A JP7166870 A JP 7166870A JP 16687095 A JP16687095 A JP 16687095A JP H08333567 A JPH08333567 A JP H08333567A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度変化に依存して色彩及び透明度が大きな
ヒステリシス特性を示して変化する温度依存性色彩記憶
性樹脂組成物及びこれを用いた積層体を提供する。 【構成】 (イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)
フェノール性水酸基を有する化合物、(ハ)アルコール
類、エステル類、ケトン類、またはカルボン酸類のいず
れかより選んだ化合物を含む均質相溶体が、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体に、透明性向上剤として塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体及び/又は
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体がブレンドされて
構成されており、低温側トリガーと高温側トリガーとの
温度差が10℃乃至50℃であり、前記低温側トリガー
と高温側トリガーとの間の温度域で、該低温側トリガー
以下及び高温側トリガー以上の温度で変化させた様相を
択一的且つ互変的に記憶保持されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は温度依存性色彩記憶性樹
脂組成物及びこれを用いた積層体に関する。さらに詳細
には、温度変化に依存して色彩及び透明度が大きなヒス
テリシス特性を示して変化し、低温側トリガーと高温側
トリガーとの温度差が10乃至50℃であり、前記低温
側トリガー以下及び高温側トリガー以上の温度で変化さ
せた各様相を択一的に前記低温側トリガーと高温側トリ
ガーとの間の温度域で記憶保持される、可逆性を有する
温度依存性色彩記憶性樹脂組成物及びこれを用いた積層
体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温度−色濃度に関して大きなヒス
テリシス特性を示して変化する色彩記憶性熱変色性材料
について、特公平4−17154号公報等に開示されて
いる。前記提案は電子供与性呈色性有機化合物、電子受
容性化合物、及び前記両者の反応媒体の必須三成分から
なる熱変色性材料において、反応媒体として特定の化合
物を選択して適用することにより、大きなヒステリシス
特性を発現させ、変色に要した熱又は冷熱を取り去った
後にあっても変化前後の色彩を特定温度域で記憶保持さ
せようとするものであり、通常、この種の熱変色性材料
は、前記必須三成分を微小カプセルに内包させた微小カ
プセル顔料形態として実用に供されている。
【0003】これとは別に、本出願人は温度変化により
大きなヒステリシス特性を示して、着色不透明状態と無
色透明状態の両状態を互変的に呈し、前記両状態を択一
的に特定温度範囲で記憶保持させる熱変色性遮光−透光
性材料に関する提案を特開平6−135144号公報に
開示している。前記提案は、前記必須三成分からなる均
質相溶体を母体樹脂である塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体中に微粒子化して分散状に固着させることにより、
反応媒体として特定の化合物を適用することなく、前記
ヒステリシス特性を効果的に発現させ、色変化と共に透
明性−不透明性の変化を伴う非微小カプセル形態の熱変
色性材料に関するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記後者
のタイプ、即ち、色変化と共に透明性が大きなヒステリ
シス特性を示して変化する非微小カプセル形態の熱変色
性材料に関して、更に検討を加え、前記従来の母体樹脂
に特定の共重合体を併用することにより、着色時と消色
時の両状態に対して透明性を顕著に向上させることを見
出し、本発明を完成させた。
【0005】前記微小カプセル形態の熱変色性材料は、
カプセル壁に覆われた顔料粒子自体の光散乱現象によ
り、これらの顔料粒子を透明樹脂中に分散状態に固着さ
せて得た熱変色層は、その透明性は著しく損なわれてお
り、下絵等に密接状態に積層させた系では、下絵が視覚
可能であるとしても、離隔状態に配した系では下絵等の
像は透視でき難いという欠点を有している。
【0006】これに対して、前記提案による非微小カプ
セル形態のものは、消色時の透明性を向上させている
が、未だ不充分である。人間の目で見た場合、透明と感
じるのは曇価が概ね35%程度以下であり、本発明者ら
は前記の値を得ることを目標として透明性向上の検討を
行なった。曇価が35%以上になると、消色時における
僅かな濁りが、特に下地の光輝性や金属光沢を透過させ
る場合に十分な効果を与えないことがあった。本発明は
前記した不具合を解消するものであり、少なくとも消色
時の透明性を顕著に向上させた熱変色性材料、更に詳細
には、温度変化により色変化と共に透明度を変化させ、
大きなヒステリシス特性を示して、消色透明状態と着色
透明状態の互変性、或いは消色透明状態と着色不透明状
態の互変性を呈し、変化前後の前記各様相を択一的に特
定温度域で記憶保持できる温度依存性色彩記憶性樹脂組
成物及びそれを用いた積層体を提供しよとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (イ) 電子供
与性呈色性有機化合物、 (ロ) フェノール性水酸基を有
する化合物、 (ハ) アルコール類、エステル類、ケトン
類、またはカルボン酸類のいずれかより選んだ化合物を
含む均質相溶体が、樹脂母体中に微粒子状に分散状態、
又は固溶体状態に固定されており、前記樹脂母体は塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体に、透明性向上剤として塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体及び
/又は塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体が混合され
て構成されており、温度変化に依存して色彩及び透明度
が大きなヒステリシス特性を示して変化し、低温側トリ
ガーと高温側トリガーとの温度差が10乃至50℃であ
り、前記低温側トリガー以下及び高温側トリガー以上の
温度で変化させた各様相を択一的に前記低温側トリガー
と高温側トリガーとの間の温度域で記憶保持される、可
逆性を有する温度依存性色彩記憶性樹脂組成物を要件と
する。
【0008】更に好ましくは、前記樹脂母体100重量
部に対し、ピペリジン誘導体から選ばれるヒンダードア
ミン系化合物0.1〜10重量部、 (イ) 電子供与性呈
色性有機化合物0.8〜33重量部、 (ロ) フェノール
性水酸基を有する化合物1.6〜50重量部、 (ハ) ア
ルコール類、エステル類、ケトン類、又はカルボン酸類
のいずれかより選んだ化合物が8〜83重量部の比率で
構成されること、更には、樹脂母体を構成する、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体が平均分子量7,000〜50,00
0、構成モノマー重量比が塩化ビニル60% 〜92% 、酢酸
ビニル8%〜40% であり、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体が平均分子量7,000〜50,000、構
成モノマー重量比が塩化ビニル70% 〜92% 、酢酸ビニル
1%〜10% 、ビニルアルコール4%〜20% であり、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体が平均分子量7,000 〜50,0
00、構成モノマー重量比が塩化ビニル70〜90% 、塩化ビ
ニリデン10〜30% であること、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体に対して、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルア
ルコール共重合体及び/又は塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体が10〜70重量%ブレンドされてなるこ
と、全量に対して0.002〜0.5重量%分散助剤が
添加されてなること、フェノール性水酸基を有する化合
物は下記一般式から選択される化合物が少なくとも全フ
ェノール性水酸基を有する化合物の50重量%であるこ
と、 一般式
【化1】[ 但し、R1 はH又はCH3 を、R2 はCn
2n+1(4<n<11)又はR1 =R2 =CF3 をそれぞ
れ表す。又、Cn 2n+1は直鎖及び側鎖のアルキル基を
表す。Xは芳香環の置換基を表す。又、X=H、又はC
3 、又はハロゲンを表す。〕 更に好ましくは、前記 (ハ) 成分が、(a)一価の脂肪
酸と、脂肪族一価アルコール又は脂環を有する一価アル
コールからなる総炭素数が10以上のエステル類、
(b)脂肪族二価又は多価カルボン酸と、脂肪族一価ア
ルコールまたは脂環を有する一価アルコールからなる総
炭素数28以上の多塩基酸エステル類、(c)脂肪族二
価または多価アルコールと一価の脂肪酸からなる総炭素
数26以上のエステル類、(d)芳香環を有する二価ア
ルコールと一価の脂肪酸からなる総炭素数28以上のエ
ステル類、(e)炭素数が10以上の脂肪族一価の飽和
アルコール類、から選ばれてなること等を要件とする。
【0009】更には、 (イ) 電子供与性呈色性有機化合
物、 (ロ) フェノール性水酸基を有する化合物、 (ハ)
アルコール類、エステル類、ケトン類、またはカルボン
酸類のいずれかより選んだ化合物を含む均質相溶体が、
樹脂母体中に微粒子状に分散状態、又は固溶体状態にて
固定されており、前記樹脂母体は塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合樹脂に、透明性向上剤として塩化ビニル−酢酸
ビニル−ビニルアルコール共重合体及び/又は塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体が混合されて構成されてお
り、温度の変化に依存して色彩及び透明度が大きなヒス
テリシス特性を示して変化し、低温側トリガーと高温側
トリガーとの温度差が10℃乃至50℃であり、前記低
温側トリガー以下及び高温側トリガー以上の温度で変化
させた様相を択一的に前記低温側トリガーと高温側トリ
ガーとの間の温度域で記憶保持される、可逆性を有する
温度依存性色彩記憶性樹脂組成物からなる層を支持体上
に積層してなる積層体を要件とする。更には、支持体は
透明性支持体であること、支持体表面にガラス転移点が
80℃以上のメタクリル樹脂層をアンダーコート層とし
て設けてなること、温度依存性色彩記憶性樹脂組成物か
らなる層上にアルコール可溶性又は脂肪族炭化水素可溶
性の透明性を有するメタクリル樹脂およびアクリル樹
脂、又はそれらの共重合体からなる層を積層したこと、
支持体表面に光輝性、光輝度反射性、光干渉性、虹彩
性、ホログラム性、金属光沢性、真珠光沢性、蛍光性の
いずれかの光学的性状を呈する層が設けられてなるこ
と、前記積層体のいずれかは、立体物の少なくとも一部
を構成してなること等を要件とするものである。
【0010】ここで、トリガーとは「色彩及び透明性の
変化」が起きる温度を表す。具体的には、低温側トリガ
ーを境とし、それ以下の温度では着色透明状態又は着色
不透明状態を呈し、高温側トリガーを境とし、それ以上
の温度では消色透明状態を呈し、前記低温側トリガーと
高温側トリガーの間の温度域で前記した両状態を択一的
に記憶保持できる。
【0011】前記した如く本発明の特徴は、熱変色要素
である必須三成分の均質相溶体を塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体と、透明性向上剤として塩化ビニル−酢酸ビ
ニルアルコール共重合体及び/又は塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体が混合された母体樹脂中に微粒子状に
分散状態、又は、顕微鏡では粒径が確認できない固溶体
状態にて固定させた構成にあり、前記構成により安定的
に熱変色要素が母体樹脂中に保持され、温度変化に応答
して大きなヒステリシス特性を発現させて、着色透明乃
至着色不透明状態と、消色透明状態の互変的変化と前記
様相を特定温度域での択一的な記憶保持機能を発現させ
ると共にこれらの機能を持続的に正常に果たすことがで
き、殊に前記消色時の透明性を顕著に高めるものであ
る。
【0012】前記した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
と併用される、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコ
ール共重合体、又は、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体は、いずれも透明性を顕著に向上させるために機能
し、通常、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に対して1
0乃至70重量%の範囲でブレンドされ、10重量%以
下では透明性向上の効果が得られない。70重量%以上
では熱変色要素である必須三成分の母体樹脂中での固着
性が低下する結果、母体樹脂中、又は表面に(ハ)成分
の析出が起こり、均質な色変化を示さない。ここで、前
記両共重合体を併用してもよい。
【0013】又、母体樹脂に対して、他の相溶可能な樹
脂を30% 以下の重量比率で混合してもよい。かかる少量
の樹脂成分は、本発明の基本的機能、即ち温度の変化に
よる色変化と透明性の変化を損わない範囲で、二次加工
時の接着性付与、皮膜強度の向上等の目的で使用でき
る。かかる他の相溶性を有する樹脂としては、変性アル
キッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹
脂、油溶性セルロース樹脂、炭化水素樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、メチルメタクリ
レート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、エチレ
ン- 酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹
脂、ポリアミド樹脂、スチレン樹脂、アクリル- スチレ
ン共重合樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、塩化ゴム、シ
リコン樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、ケトン
樹脂等がある。
【0014】本発明で使用する電子供与性呈色性有機化
合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物によ
って呈色する、いわゆるロイコ染料群が適用され、ジフ
ェニルメタンフタリド類、フルオラン類、ジフェニルメ
タンアザフタリド類、インドリルフタリド類、フェニル
インドリルフタリド類、フェニルインドリルアザフタリ
ド類、スチリルキノリン類、ピペリジン化合物、キゾリ
ン系化合物、ビスキナゾリン系化合物等がある。以下こ
れらの化合物を次に例示する。3,3−ビス(P−ジメチ
ルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3
−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル
−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−
(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−
(1−エチル−2−メチル インドール−3−イル)−
4−アザフタリド、1,3−ジメチル−6−ジエチルア
ミノフルオラン、2−クロロ−3−メチル−6−ジメチ
ルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−
クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、3,6−ジ−n−ブト
キシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノ
フルオラン、1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフル
オラン、1,2−ベンツ−6−エチルイソアミルアミノ
フルオラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−
エチルアミノ)フルオラン、2−(N−フェニル−N−
メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−エチルアミ
ノ)フルオラン、2−(3’−トリフルオロメチルアニ
リノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロロ−
6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−メチル−6
−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−メトキシ−4
−ドデコキシスチリルキノリン等がある。
【0015】次にフェノール性水酸基を有する化合物と
しては、一価フェノール、二価フェノール及び多価フェ
ノールがあり、さらにベンゼン環の置換基としてアルキ
ル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロ
ゲン等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール
等がある。電子供与性呈色性有機化合物を呈色せしめる
フェノール化合物を以下に例示する。フェノール、o−
クレゾール、ターシャリーブチルフェノール、ノニルフ
ェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェ
ノール、n−ステアリルフェノール、p −クロロフェノ
ール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノー
ル、P−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキ
シ安息香酸n−オクチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−
ドデシル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、2,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4’−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド、1−フェニル−1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチルプロ
ピオネート、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−チオ
ビス(6−ターシャリーブチル−3−メチルフェノー
ル)、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2
−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナン
等がある。
【0016】一般にフェノール化合物はそのフェノール
性水酸基のために比較的極性が高いため、極性の低い前
記 (ハ) 成分に対する溶解性が乏しい。溶解性が悪い
と、母体樹脂中において、フェノール性化合物と前記
(ハ) 成分は析出、分離現象を起こしやすく、ブリード
の原因となったり、良好な可逆的色変化を生起しなくな
り、実用上の点で安定を欠くことが少なくない。
【0017】かかる理由から、好ましくは下記一般式で
示したフェノール性化合物をフェノール性水酸基を有す
る成分として100%(重量)或いは少なくとも50% (重
量)以上の比率で使用することが好ましい。前記 (ハ)
成分に対して、良好な溶解性を有するフェノール化合物
としては下記一般式に示す構造を有するフェノール性水
酸基を有する化合物が特に好ましい。
【化1】[ 但し、R1 はH又はCH3 を、R2 はCn
2n+1(4<n<11)又はR1 =R2 =CF3 をそれぞ
れ表す。又、Cn 2n+1は直鎖及び側鎖のアルキル基を
表す。Xは芳香環の置換基を表す。又、X=H、又はC
3 を表す。〕 以下、前記一般式の化合物を例示するが、これらに限定
されるものではない。1,1−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)−4−メチルブタン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)n−ペンタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,
1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ノナ
ン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n−ド
デカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)n
−ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)n−ノナン、1,1−ビス(3’−メチル−4’−
ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
等を挙げることができる。
【0018】次に、アルコール類としては炭素数が10以
上の脂肪族一価の飽和アルコールが使用される。以下に
化合物を例示する。デカン1−オール、ウンデカン1−
オール、ラウリルアルコール、トリデカン1−オールミ
リスチルアルコール、ペンタデカン1−オール、セチル
アルコール、ヘプタデカン1−オール、ステアリルアル
コール、オクタデカン2−オール、エイコサン1−オー
ル、ドコサン1−オール、6−(パーフルオロ−7−メ
チルオクチル)ヘキサノール、等がある。
【0019】本発明に適用するエステル類化合物は下記
(a)〜(d)に大別される。 (a)一価の脂肪酸と、脂肪族一価アルコール又は脂環
を有する一価のアルコールからなる総炭素数が10以上
エステル類 (b)脂肪族二価又は多価カルボン酸と、脂肪族一価ア
ルコールまたは脂環を有する一価のアルコールからなる
総炭素数28以上の多塩基酸エステル類 (c)脂肪族二価または多価アルコールと一価の脂肪酸
からなる総炭素数26以上のエステル類 (d)芳香環を有する二価アルコールと一価の脂肪酸か
らなる総炭素数28以上のエステル類 前記において、顕著に透明性を向上させるためには、
(ハ)成分として前記(b)が効果的であり、(b)単
独、又は(b)を20%程度以上を含み、且つ炭素数が
10以上の脂肪族一価の飽和アルコールとの混合系が好
ましい。
【0020】前記(a)のエステル類を以下に例示す
る。カプリル酸エチル、カプリル酸n−ブチル、カプリ
ル酸n−オクチル、カプリル酸ラウリル、カプリル酸セ
チル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸n−ブチル、
カプリン酸n−ヘキシル、カプリン酸ミリスチル、カプ
リン酸ドコシル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸2−エ
チルヘキシル、ラウリン酸n−デシル、ラウリン酸ステ
アリル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸3−メチル
ブチル、ミリスチン酸2−メチルペンチル、ミリスチン
酸n−デシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステ
アリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオ
ペンチル、パルミチン酸n−ノニル、パルミチン酸n−
ウンデシル、 パルミチン酸ラウリル、パルミチン酸ミ
リスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリ
ル、パルミチン酸シクロヘキシル、パルミチン酸シクロ
ヘキシルメチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エ
チル、ステアリン酸n−プロピル、ステアリン酸n−ブ
チル、ステアリン酸n−アミル、ステアリン酸2─メチ
ルブチル、ステアリン酸n−ヘキシル、ステアリン酸n
−ヘプチル、ステアリン酸3,5,5−トリメチルヘキ
シル、ステアリン酸n−オクチル、ステアリン酸2─エ
チルヘキシル、ステアリン酸n−ノニル、ステアリン酸
n−デシル、ステアリン酸n−ウンデシル、ステアリン
酸ラウリル、ステアリン酸n−トリデシル、ステアリン
酸ミリスチル、ステアリン酸n−ペンタデシル、ステア
リン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸
エイコシル、ステアリン酸n−ドコシル、ステアリン酸
シクロヘキシル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、
ステアリン酸オレイル、ステアリン酸イソステアリル、
1,2−ヒドロキシステアリン酸n−ブチル、ベヘン酸
n−メチル、ベヘン酸n−エチル、ベヘン酸n−プロピ
ル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸n−ブチル、ベヘ
ン酸イソブチル、ベヘン酸2−メチルブチル、ベヘン酸
n−アミル、ベヘン酸ネオペンチル、ベヘン酸n−ヘキ
シル、ベヘン酸2─メチルペンチル、ベヘン酸n−ヘプ
チル、ベヘン酸2−エチルヘキシル、ベヘン酸n−ノニ
ル、ベヘン酸ミリスチル、ベヘン酸n−ウンデシル、ベ
ヘン酸ラウリル、ベヘン酸n−トリデシル、ベヘン酸ミ
リスチル、ベヘン酸n−ペンタデシル、ベヘン酸セチ
ル、ベヘン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等がある。
前記(b)の脂肪族二価又は多価カルボン酸と、脂肪
族一価アルコールまたは脂環を有する一価のアルコール
からなる総炭素数28以上の多塩基酸エステル類を以下
に例示する。
【0021】シュウ酸ジ−ミリスチル、シュウ酸ジ−セ
チル、マロン酸ジ−ラウリル、マロン酸ジ−セチル、マ
ロン酸ジ−ステアリル、コハク酸ジ−ラウリル、コハク
酸ジ−ミリスチル、コハク酸ジ−セチル、コハク酸ジ−
ステアリル、グルタル酸ジ−ラウリル、アジピン酸ジ−
ウンデシル、アジピン酸ジ−ラウリル、アジピン酸ジ−
n−トリデシル、アジピン酸ジ−ミリスチル、アジピン
酸ジ−セチル、アジピン酸ジ−ステアリル、アジピン酸
ジ−n−ドコシル、アゼライン酸ジ−n−デシル、アゼ
ライン酸ジ−ラウリル、アゼライン酸ジ−n−トリデシ
ル、セバシン酸ジ−n−ノニル、セバシン酸ジ−ミリス
チル、セバシン酸ジ−ステアリル、1,18−オクタデ
シルメチレンジカルボン酸ジ−n−ペンチル、1,18
−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジ−n−オクチル
1,18−オクタデシルメチレンジカルボン酸ジ−
(シクロヘキシルメチル)、1,18−オクタデシルメ
チレレンジカルボン酸ジ−ネオペンチル、1、18−オ
クタデシルメチレンジカルボン酸ジ−n−ヘキシル、
1、18−オクタデシルメチレンジカルボン酸−n−ヘ
プチル、1、18−オクタデシルメチレンジカルボン酸
−n−オクチル等がある。前記(c)の脂肪族二価及び
多価アルコールまたは脂環を有するか2価及び多価アル
コールと一価の脂肪酸からなる総炭素数26以上のエス
テル類を以下例示する。
【0022】エチレングリコールジ−ミリステート、エ
チレングリコールジ−パルミテート、エチレングリコー
ルジ−ステアレート、プロピレングリコールジ−ラウレ
ート、プロピレングリコールジ−ミリステート、プロピ
レングリコールジ−パルミテート、ブチレングリコール
ジ−ステアレート、ヘキシレングリコールジ−ラウレー
ト、ヘキシレングリコールジ−ミリステート、ヘキシレ
ングリコールジ−パルミテート、ヘキシレングリコール
ジ−ステアレート、1,5−ペンタンジオールジ─ステ
アレート、1,2,6−ヘキサントリオール─ジミリス
テート、ペンタエリスリトールトリミリステート、ペン
タエリスリトールテトララウレート、1,4−シクロヘ
キサンジオールジデシル、1,4−シクロヘキサンジオ
ールジミリスチル、1,4−シクロヘキサンジオールジ
ステアリル、1,4−シクロヘキサンジメタノールのジ
ラウレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのジ
ミリステート等が挙げられる。
【0023】前記(d)の芳香環を有する二価アルコー
ルと一価の脂肪酸からなる総炭素数28以上のエステル
類を以下に例示する。キシレングリコールジ−カプリネ
ート、キシレングリコールジ−n−ウンデカネート、キ
シレングリコールジ−ラウレート、キシレングリコール
ジ−ミリステート、キシレングリコールジ−パルミテー
ト、キシレングリコールジ−ステアレート等が挙げられ
る。
【0024】次に、ケトン類としては炭素数10以上の
化合物が使用され、デカン2−オン、ウンデカン2−オ
ン、ラウロン、ステアロンが挙げられる。
【0025】カルボン酸類としては炭素数12以上の高
級脂肪酸が使用され、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等が挙げられる。
(ハ)成分として使用される化合物は前記、アルコール
類、エステル類、ケトン類、カルボン酸類から一種、ま
たは二種以上を選択して使用してもよい。複数の化合物
を併用して用いる場合には、色の変化及び透明性の変化
を引き起こすトリガー温度の設定により自由度が増える
利点がある。次に、温度の変化に応じて色の変化と共に
透明性の変化を生起せしめる条件として、母体樹脂に対
する必須三成分からなる均質相溶体の占める比率が透明
性の変化及び色変化における濃度の決定に重要な要素を
もつ。例えば、母体樹脂100重量部に対し、(イ)電
子供与性呈色性化合物を3.3重量部、 (ロ) フェノー
ル性化合物を13重量部とした場合、 (ハ) 成分として
炭素数28のカプリン酸ステアリルを5重量部適用する
と、低温側トリガー以下の温度における着色濃度は極め
て低い。一方、116重量部とすると高温側トリガー以
上の温度における透明性が低下し、実質上透視できなく
なる。従って、良好なコントラストをもって透明性の変
化と共に熱変色性を得るためには、必須三成分からなる
均質相溶体の添加比率は母体樹脂100重量部に対し、
(イ)電子供与性呈色性有機化合物0.8〜33重量
部、 (ロ) フェノール性水酸基を有する化合物1.6〜
50重量部、 (ハ) アルコール類、エステル類、ケトン
類、又はカルボン酸類のいずれかより選んだ化合物が8
〜83重量部の比率が有効である。さらに好ましくは、
母体樹脂100重量部に対し、(イ)電子供与性呈色性
有機化合物は1.7〜83重量部、(ロ)フェノール性
水酸基を有する化合物3.3〜20重量部、前記 (ハ)
成分として17〜50重量部からなる比率で構成され
る。
【0026】更に、本発明では前記母体樹脂100重量
部に対して、0.1〜10重量部、より好ましくは0.
5〜5重量部のピペリジン誘導体から選ばれるヒンダー
ドアミン系化合物がブレンドされる。前記母体樹脂は、
塩化ビニル樹脂にみられる脱塩素化を極めて起こし難
く、酢酸ビニル樹脂にみられる減感性を実質上発揮させ
ない熱変色性材料の良好な母体として効果的であるが、
室温における長期の保存(2〜3ケ月)、又は50℃以
上における1週間以上の保存においては、塩化ビニルモ
ノマー系から微量に分離して発生する塩化水素によって
ロイコ染料と呈色反応を生起させ、不可逆発色、即ち、
消色時の色残りの発生を起こしがちであるが、前記ヒン
ダードアミン系化合物の配合により、前記した不具合は
解消される。前記化合物の配合により、未添加の系にお
ける初期状態における温度−色濃度曲線を実質上変化さ
せることなく、経時的にも熱的にも安定的に初期の変色
特性を持続させることができる。
【0027】従来、塩化ビニルモノマー系からの熱的要
因による遊離の塩素原子に基づく塩化水素の抑制手段と
して種々の安定剤が知られているが、従来の添加剤は単
なる樹脂の熱的分解抑制のために使用された。本発明に
おいて塩化水素の微量の発生は更に敏感にロイコ染料と
呈色反応を生起させ、不可逆の残色の発生を引き起こ
す。これを防止するには従来の単なる分解劣化抑制によ
る手段による効果を上回る手段を必要とする。
【0028】従来より知られている塩化ビニル樹脂の安
定剤として、燐酸エステル、エポキシ化エステル、脂肪
酸金属塩、有機錫硫黄化合物、鉛化合物、ヒンダードフ
ェノール類が知られている。燐酸エステル、エポキシ化
エステルは変色鋭敏性に著しく悪影響を与えるため、熱
変色材料としての機能を低下させる。更には、本発明組
成物が着色状態で保存された場合には、前記(イ)、
(ロ)成分と、これら添加剤が非局在的に融合する結
果、消色し難くなるという影響を与える。一方、有機錫
化合物、鉛化合物は重金属を含有するため安全性の面か
ら、用途が限定され、又、添加初期から不可逆発色を生
起させる大きな欠点をもつ。 又、脂肪酸金属塩は実質
上、ロイコ染料と樹脂の熱分解により発生する塩化水素
とロイコ染料との反応を抑制するには至らなかった。
【0029】本発明者らは、ロイコ染料と塩化ビニルを
含む共重合体より発生した塩化水素により起こる不可逆
発色を防止する検討を加えた結果、前記ヒンダードアミ
ン系化合物が最も効果的なことを実証した。該化合物は
熱変色特性に悪影響を及ぼさない、即ち変色鋭敏性を損
なわないこと、発色濃度を低下させないこと、良好な消
色性を保つこと等の全ての要件を満たすことを見出し、
本発明を完成させた。
【0030】前記ヒンダードアミン系化合物としては、
例えば、ポリ〔〔6−(N−モルホリノ)−1,3,5
−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレ
ン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ〕〔商品名スミソルブ500、住友化学工業
(株)製〕、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸
テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)(アデカアーガス社製)、ポリ〔〔6−1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2、4-ジイル〕(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕
(商品名:チヌビン944−LD、チバガイギー社
製)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン重縮合物(チヌビン622LD、チバガイギ
ー社製)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,
2,2,6,6−ペンタチル−4−ピペリジル)(チヌ
ビン144、チバガイギー社製)、N、N, −ビス(3
−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス
〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,
5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート〔商品名:サノー
ルLS770、三共(株)製〕、ビス(N −メチル−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート〔商品名:サノールLS292、三共(株)
製〕、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジン〔商品名:サノールLS−74
4、三共(株)製〕、8−アセチル−3−ドデシル−
7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザ
スピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン〔サノールL
S−440、三共(株)製〕、1−〔2−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
シ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン〔三共
(株)製〕、2,2,4,4−テトラメチル−20−
(βーラウリル−オキシカルボニル)−エチル−7−オ
キサ−3,20−ディアザデイスピオ(5,1,11,
2)ヘンエイコサン−21−オン(商品名:Sandu
vor305、サンド社製)、〔N−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−β−アラニン〕ド
デシルエステル、ミリスチルエステル混合物(商品名:
Sanduvor3052、サンド社製)、5−ノルボ
ルネン−2,3−ジカルボキシリックアシドビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステ
ル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシリックア
シドビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)エステル等が挙げられる。
【0031】次に、本発明の温度依存性色彩記憶性樹脂
組成物を調製する方法を説明する。前記した通り、本発
明における最大の特徴である色の変化と透明性の変化を
温度の変化に応じて安定的に機能させるために、 (イ)
、 (ロ) 、 (ハ) の必須三成分を均質相溶状態で母体
樹脂中に、少なくとも2μm以下の微粒子状に分散状
態、又は、微粒子構造をとらない固溶体状態に固定させ
る。通常、母体樹脂と前記三成分は、下記の一種、又は
二種以上の溶剤を用いて均一に溶解され、この過程でヒ
ンダードアミン系化合物が添加される。
【0032】塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含む母
体樹脂の溶解性の点から、ケトン系の溶剤を富溶剤とし
て使用する必要がある。当該溶剤は前記三成分に対して
も富溶剤として働く。ケトン系溶剤としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルイソプロピルケトン、メチルn
−プロピルケトン等がある。
【0033】芳香族系の溶剤は基体樹脂に対して貧溶剤
として働くが、前記ケトン系溶剤と併用して用いるのが
好ましい。芳香族系の溶剤としては、トルエン、キシレ
ン、等の溶剤が使用される。その他の溶剤としは、イソ
プロピルアルコール、及びn−ブタノール等のアルコー
ル系溶剤、酢酸n−エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n
−ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、ヘキサ
ン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ミネラル
スピリット等の炭化水素溶剤、その他グリコールモノア
ルキルエーテル類の溶剤が希釈剤として或いは蒸発性の
調整用として使用できる。さらに、前記三成分相溶体を
母体樹脂中により均一に微小な形状で分散、又は固溶体
状態に固定する方法として、いわゆる分散助剤の使用が
著しい効果を有する。かかる分散助剤は前記三成分に対
して、化学的悪影響の程度が小さい物質が好ましい。か
かる分散効果を有する化合物は概して表面張力、界面張
力を著しく低下する効果を有し、母体樹脂中に均質相溶
体の合一や凝集を起こさせることなく安定に固定する作
用を示す。
【0034】以下に、かかる化合物を例示する。シロキ
サン誘導体としてポリエーテル変性ジメチルポリシロキ
サン、ポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサ
ン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエ
ステル変性メチルアルキルポリシロキサン等が、フッ素
系化合物として、フロラードFC−430、フロラード
FC−431〔住友スリーエム(株)製、フッ素化合
物〕等のフッ素化アルキルエステル類が、特殊ポリマー
系として、アクリロニトリル−(2−メタクリロイルオ
キシエチル)トリメチルアンモニウム−メチルサルフェ
イト─ジメチルアミノエチルメタクリレート等がそれぞ
れ挙げられる。
【0035】前記添加剤は全量の0.002〜0.05
重量%の範囲で使用される(但し、分散剤の量は固形分
べース)
【0036】本発明組成物は、前述の溶剤類を適宜組み
合わせて、実質上均一に溶解されてスプレー塗装、スク
リーン印刷、グラビア印刷、ロールコート、リバースコ
ート等によって支持体に塗工される。室温乾燥、又は加
熱乾燥によって前記溶剤を完全に蒸発乾燥させる。前記
三成分は蒸発の過程を通して、微粒子状に単核状に分散
状態、又は、固溶体状態に固着させるためには、組成物
を溶解する溶剤の選定が重要である。更に詳しく説明す
れば、乾燥の過渡期において、溶剤の蒸発が速すぎると
三成分からなる均質相溶体のうち、主に(ハ)成分が先
行して析出し、母体樹脂中に安定に固定されず、ブリー
ド等の現象を引き起こす。又、同様に溶剤の蒸発性が速
い場合や、貧溶剤を多量に配合した場合には、母体樹脂
が先行して析出するため、熱変色成分の均一な微粒子状
での分散状態、または固溶体状態での固定を妨げがちで
ある。
【0037】一般に、本発明組成物に対して使用される
溶剤の量は、塗工方法によって各々異なるが、組成物1
重量部に対して1〜50重量部の溶剤が適用される。よ
り好ましくは3〜15重量部である。本発明組成物の厚
さは一般に4〜100μmである。これ以下の厚みの場
合は良好なコントラストが得られ難いという欠点があ
る。通常10〜35μm程度の厚みの系が高温側トリガ
ー以上における透明性が得られ易く、50μm程度の厚
みを越えると消色時の透明性を徐々に低下させる傾向に
ある。本発明組成物溶液を物理的に均一に塗工するため
に、公知の各種添加剤、例えば、タレ防止剤、レベリン
グ剤、消泡剤、増粘剤、耐摩擦向上剤などが適用でき
る。但し、前記三成分に対する化学的影響を持たない、
又は極力その影響が少ない添加剤を必要最低限の量で使
用することが好ましい。
【0038】特に、組成物の形成に関し、形成層が物理
的に平滑でないと当該層の表面において乱反射を伴うた
め、外観は言うまでもなく高温側トリガー以上の温度に
おいて透明性を著しく損なう。このため、前記組成物の
層形成においてはかかる表面の平滑性は透明性に対し重
要な要因となる。化学的影響が少なく、且つ平滑性を付
与する各種公知の添加剤を使用することができる。更
に、耐光性、安定性を向上する目的で、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、一重項酸素消光剤、その他の光安定剤が使
用できる。
【0039】又、本発明組成物の色彩は基本的には低温
側トリガー以下の温度においては有色、高温側トリガー
以上では無色透明であるが、さらに一般の染料または透
明性を有する一般の顔料を併用することによって、有色
(1)と有色(2)の互変的変色を与えることができ
る。
【0040】次に、本発明の積層体について説明する。
本発明積層体は (イ) 電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ) フェノール性水酸基を有する化合物、 (ハ) アル
コール類、エステル類、ケトン類、またはカルボン酸類
のいずれかより選んだ化合物を含む均質相溶体が、樹脂
母体中に微粒子状に分散状態、又は、固溶体状態にて固
定されており、前記樹脂母体は塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体に、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体及び/又は塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合体が配合されて構成されており、温度変化に依存して
色彩及び透明度が大きなヒステリシス特性を示して変化
し、低温側トリガーと高温側トリガーとの温度差が10
℃乃至50℃であり、前記低温側トリガー以下及び高温
側トリガー以上の温度で変化させた様相を択一的に前記
低温側トリガーと高温側トリガーとの間の温度域で記憶
保持される、可逆性を有する温度依存性色彩記憶性樹脂
組成物からなる層を支持体上に積層してなる積層体を要
件とする。
【0041】本発明に使用する支持体としては、基本的
には透明材料が用いられるが、用途に応じては半透明又
は不透明の支持体が用いられる。透明な支持体として
は、ポリエステルフィルム(アモルファスポリエステ
ル)、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合樹脂、アクリロニトリル−スチ
レン共重合樹脂、アクリル樹脂、メチルメタクリレート
樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、硬質または
軟質塩化ビニル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン─
スチレン共重合樹脂(透明グレード)、ポリプロピレン
樹脂等がある。不透明又は半透明の樹脂及び材料として
は、中低圧ポリエチレン、アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合樹脂、ナイロン樹脂、及び上記の透
明性樹脂を顔料で着色又は遮蔽した樹脂、紙類、合成
紙、繊維類、フィラメント類、ガラス、木材等があげら
れる。
【0042】本発明組成物は、消色時の透明性が顕著に
向上しており、下層に配置の多様な像や色彩を視覚させ
ることができ、光学的特性、例えば、光輝性、光輝度反
射性、光干渉性、虹彩性、ホログラム性、金属光沢性、
真珠光沢性、蛍光性、燐光性等の性状を有する従来より
公知の材料による層が下層に形成されている系にあって
は、それらの特性を損なうことなく視覚させる。
【0043】本発明組成物を支持体に積層する場合、前
述した通り溶剤類に溶解して塗工するが、この溶剤類が
支持体樹脂を溶解、膨潤させて、当該組成物に対して熱
変色性に関わる化学的悪影響と透明性に関わる物理的悪
影響を与えることが少なくない。例えば、ポリスチレン
樹脂の支持体にメチルイソブチルケトンに溶解された該
組成物をスプレーで塗工すると、前記溶剤が支持体樹脂
を溶解し、該組成物中にポリスチレン樹脂が移行する。
この結果、当該組成物における熱変色性が化学的に影響
を受け、発色濃度が大幅に低下する。このため、かかる
化学的影響を遮断するために、前もって支持体の表面に
アンダーコートを施した後、組成物を積層することが好
ましい。前記アンダーコート用樹脂としては、メタクリ
レート樹脂が好ましい効果を発揮し、塗工方法に応じて
支持体を侵さない溶剤組成で支持体上に塗工される。よ
り好ましい樹脂としては、ガラス転移点(Tg)が80
℃以上のメタクリル樹脂が良く、かかる樹脂としてはポ
リメチルメタクリレート(Tg:125℃)、およびポ
リイソプロピルメタクリレート(Tg:95℃)、及び
共重合によって得られるガラス転移点が80℃以上の樹
脂があげられる。
【0044】さらに、当該組成物の上層にトップコート
層を積層することができる。トップコート層を塗工する
場合にも、トップコート用の溶剤が組成物層を再溶解す
ると、該組成物の組成比率が変動するばかりでなく、熱
変色及び透明性機能にも重大な影響を与える。このため
トップコートに適用される溶剤は組成物層を実質上溶
解、又は膨潤しない組成のものを適用する必要がある。
好適な溶剤としては水、アルコール類、グリコールエー
テル類、脂肪族炭化水素系溶剤である。かかる溶剤類に
易溶解性、又は分散系の樹脂で、母体樹脂との接着性の
良い樹脂として前記溶剤に可溶性のメタクリル樹脂、ビ
ニル変性アルキッド樹脂、油溶性ポリウレタン樹脂、ア
クリル樹脂、アクリル共重合樹脂、エポキシ樹脂等があ
げられる。中でも、アルコール可溶性又は脂肪族炭化水
素可溶性の透明性を有するメタクリル樹脂及びアクリル
樹脂、又はそれらの共重合樹脂をアルコール溶剤及び/
又は脂肪族炭化水素溶剤が全溶剤分の40重量%以上を
占める溶剤組成で溶解して積層すると組成物に悪影響を
及ぼすことなく、適正な塗布性を満たし、密着性のある
透明のトップコート層を与える。
【0045】前記アンダーコート及びトップコート樹脂
層中には、組成物の耐光性向上の目的で紫外線吸収剤、
酸化防止剤、一重項酸素消光剤、着色剤、その他の光安
定剤が配合することができる。
【0046】
【作用】本発明の樹脂母体中に(イ)、(ロ)、(ハ)
の必須三成分からなる熱変色性要素の均質相溶体を微粒
子状に分散状態、又は固溶体状態にて固定させることに
より、前記いずれの成分の樹脂表面へのブリードもなく
安定的に保持されると共に、温度変化により大きなヒス
テリシス特性を発現させて、色変化と共に透明度を変化
させ、着色透明状態と消色透明状態の互変性、着色不透
明状態と消色透明状態の互変性を呈し、高温側トリガー
と低温側トリガーとの間の温度域で前記した各様相を択
一的に互変的に記憶保持する機能を奏する。
【0047】樹脂母体を構成する塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体と、透明性向上剤として塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール共重合体及び/又は塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体は共働して透明性の顕著な向
上に寄与する。尚、前記樹脂母体中にブレンドされたヒ
ンダードアミン系化合物は、熱変色機能を正常に機能さ
せ、殊に、着色状態で経時させた際に発生しがちな色残
りもなく、繰り返しの実用性を満足させるために機能す
る。
【0048】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳しく説明す
る。なお実施例中の部はすべて重量部である。尚、ヒス
テリシス幅に関して、透明乃至不透明から無色透明に変
化させた後に低温側に冷却する時には、昇温時の温度が
高温側トリガー以下の近傍にあると、ヒステリシス幅は
小さくなる。本発明のヒステリシス幅はある一つの組成
物についての最大ヒステリシス幅をいう。
【0049】以下実施例における組成物の変色曲線、吸
光度曲線、及び曇価は次の方法により求めた。 (1)変色曲線 実施例1乃至4について、PET(ポリエチレンテレフ
タレート)フィルムに組成物を塗工し、塗工面の反対側
に厚さ60μmの白色合成紙を貼りつけ、測定用サンプ
ルとし、該測定用サンプルをさらに両面テープを用い
て、加熱・冷却用容器の底面に貼りつけ、組成物側を色
差計〔TC−3600型色差計、(株)東京電色製〕の
光源側に向けてセットする。加熱・冷却用容器中に水を
入れ、毎分10℃の条件で降温(50℃から0℃へ)と
昇温(0℃から50℃へ)を1サイクルとして変化さ
せ、各温度における試料の明度をグラフにプロットし
た。 (2)吸光度曲線 20℃の室温下、対象側に実施例に使用したフィルムと
同一のPETフィルムを用いて、各実施例に従い得られ
た組成物の印刷物を試料側にセットし、分光光度計〔U
−3210:(株)日立製作所製、自記分光光度計〕に
て400〜700nmの波長光の吸光度(反射方式によ
る)を測定した。図中の実線は20℃における着色状
態、消色状態についての吸光度を示す。実線は着色時の
吸光度を、破線は消色時の吸光度を示す。 (3)曇価 20℃の室温下、各実施例の印刷物を色差.濁度測定器
〔COH−300A:日本電色工業(株)製〕にセット
し着色状態、消色状態についての曇価を測定した。
【0050】実施例1 1,2−ベンツ−6−ジブチルアミノフルオラン4部、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン5
部、セチルアルコール4部、ステアリルアルコール4
部、マロン酸ジミリスチル7部、VYHH(塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリマー組成:塩ビ/酢ビ=8
6/14、ユニオンカーバイド社製)45部、1000
GKT〔ポリマー組成:塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニ
ルアルコール=91/3/6、電気化学工業(株)製〕
15部をMIBK(メチルエチルケトン)240部に溶
解した。更に、Byk−310(ポリエステル変性ジメ
チルポリシロキサン、Byk chemie社製)0.
2部、ピペリジン誘導体〔商品名サノールLS770:
三共(株)製〕1部を添加し、インキ(A)を調製し
た。
【0051】前記インキ(A)をアプリケーターを用い
てPETフィルム「100μm厚、リンテック(株)
製、商品名:NF PET トウメイ100〔A〕」に
乾燥時の膜厚が約25μmになるようコーティング後、
80℃×30分間乾燥して、本発明組成物の印刷物を得
た。
【0052】得られた印刷物は低温側トリガー(約13
℃)、高温側トリガー(約37℃)を有しており、ヒス
テリシス幅は約24℃であった。前記高温側トリガー以
上では消色すると共に曇価9.1%の値を示し、一方、
低温側トリガー以下ではピンク色に発色すると共に曇価
18.2%の値を示した。前記低温側トリガーと高温側
トリガーの間の温度域では前記二状態を選択的にとりう
る。即ち、前記高温側トリガー以上の温度で得られた状
態、或いは低温側トリガー以下の温度で得られた状態
は、それぞれの変化に要した熱又は冷熱を取り去った後
にあっても、前記両トリガー間の温度域で記憶保持され
る。
【0053】前記状態変化は500回の繰り返しにおい
ても同様の変化をブリード等なく、安定的に再現させる
ことができた。さらに60℃の恒温室に1週間放置して
も同様の状態変化と安定性を備えていることが確認され
た。上記印刷物の変色曲線を図1に、吸光度曲線を図2
にそれぞれ示す。
【0054】実施例2 2−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン2
部、1、1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタ
ン5部、グルタル酸ジミリスチル15部、VYHH(ポ
リマー組成:塩化ビニル/酢酸ビニル=86/14、ユ
ニオンカーバイド社製)40部、デンカビニル1000
W〔ポリマー組成:塩化ビニル/塩化ビニリデン=80
/20、電気化学工業(株)製〕20部をMIBK24
0部に溶解した。更に、Byk−325(ポリエーテル
変性ジメチルポリシロキサン、Byk chemie社
製) 0.2部、ピペリジン誘導体〔商品名サノールLS
770:三共(株)製〕1部を添加し、インキ(B)を
調製した。
【0055】上記インキ(B)をアプリケーターを用い
てPETフィルム「100μm厚、リンテック(株)
製、商品名:NF PET トウメイ100〔A〕」に
乾燥時の膜厚が約25μmになるようコーティング後、
80℃×30分間乾燥して、本発明組成物を得た。
【0056】得られた印刷物は低温側トリガー(約0
℃)、高温側トリガー(約45℃)を有しており、ヒス
テリシス幅が約45℃のものであった。前記高温側トリ
ガー以上では消色すると共に曇価26.9%の値を示
し、一方、低温側トリガー以下では橙色に発色すると共
に曇価43.5%の値を示した。前記低温側トリガーと
高温側トリガーの間の温度域では前記二状態を選択的に
とりうる。
【0057】前記状態変化は500回の繰り返しにおい
ても同様の状態変化をブリード等なく、安定に繰り返す
ことができた。さらに60℃の恒温室に1週間放置して
も同様の状態変化と安定性を備えていることが確認され
た。上記印刷物の変色曲線を図3に、吸光度曲線を図4
にそれぞれ示す。
【0058】実施例3 2−フェニル−6−(N−エチル−N−ヘキシルアミ
ノ)フルオラン1.5部、2,2−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)デカン8部、1,18−オクタメチルジ
カルボン酸ジ−n−ヘキシル20部、VYHH(ポリマ
ー組成:塩化ビニル/酢酸ビニル=86/14、ユニオ
ンカーバイド日本製)30部、VAGH(ポリマー組
成:塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=90
/4/6、ユニオンカーバイド製)の30部をMIBK
240部に溶解した。更に、Byk−300(ポリエー
テル変性ジメチルポリシロキサン、Byk chemi
e 社製) 0.2部、ピペリジン誘導体〔商品名サノー
ルLS770:三共(株)製〕1部を添加し、インキ
(C)を調製した。
【0059】上記インキ(C)をアプリケーターを用い
てPETフィルム「100μm厚、リンテック(株)
製、商品名:NF PET トウメイ100〔A〕」に
乾燥時の膜厚が約25μmになるようコーティング後、
80℃×30分間乾燥して、本発明組成物の印刷物を得
た。
【0060】得られた印刷物は低温側トリガー(約13
℃)、高温側トリガー(約36℃)を有しており、ヒス
テリシス幅が約23℃であった。前記高温側トリガー以
上では消色すると共に曇価15.7%の値を示し、一
方、低温側トリガー以下では緑色に発色すると共に曇価
25.3%の値を呈した。前記低温側トリガーと高温側
トリガーの間の温度域では前記二状態を選択的にとりう
る。
【0061】前記状態変化は500回の繰り返しにおい
ても同様の状態変化をブリード等なく、安定に繰り返す
ことができた。さらに60℃の恒温室に1週間放置して
も同様の状態変化と安定性を備えていることが確認され
た。上記印刷物の変色曲線を図5に、吸光度曲線を図6
にそれぞれ示す。
【0062】実施例4 2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン2部、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン5部、セチルアルコール15部、VYHH(塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリマー組成:塩ビ/酢
ビ=86/14、ユニオンカーバイド社製)30部、デ
ンカビニル1000GKT(ポリマー組成:塩化ビニル
/酢酸ビニル/ビニルアルコール=91/3/6、電気
化学工業製)30部をMIBK溶液240部に溶解し
た。更に、Byk−300(ポリエステル変性ジメチル
ポリシロキサン、Byk chemie社製)0.2
部、ピペリジン誘導体〔商品名サノールLS770:三
共(株)製〕1部を添加し、インキ(D)を調製した。
【0063】上記インキ(D)をアプリケーターを用い
てPETフィルム「100μm厚、リンテック(株)
製、商品名:NF PET トウメイ100〔A〕」に
乾燥時の膜厚が約25μmになるようコーティング後、
80℃×30分間乾燥して、本発明組成物の印刷物を得
た。
【0064】得られた印刷物は低温側トリガー(約20
℃)、高温側トリガー(約43℃)を有しており、ヒス
テリシス幅が約23℃であった。前記高温側トリガー以
上では消色すると共に曇価34.7%の値を示し、一
方、低温側トリガー以下では朱色に発色すると共に曇価
69.6%の値を示した。前記低温側トリガーと高温側
トリガーの間の温度域では前記二状態を選択的にとりう
る。
【0065】前記状態変化は500回の繰り返しにおい
ても同様の状態変化をブリード等なく、安定に繰り返す
ことができた。さらに60℃の恒温室に1週間放置して
も同様の状態変化と安定性を備えていることが確認され
た。上記印刷物の変色曲線を図7に、吸光度曲線を図8
にそれぞれ示す。
【0066】応用例1 熱変色性模造宝石 〔1〕各インキの調製 (1)アンダーコートインキ アクリペットVK〔メチルメタクリレート樹脂、三菱レ
ーヨン(株)製〕10部をMIBK60部とプロピレン
グリコールモノメチルエーテル30部に溶解し、アンダ
ーコートインキ(a)を調製した。 (2)本発明組成を含むインキ 実施例1のインキ300部をMIBK250部、シクロ
ヘキサノン50部と混合して得た。 (3)トップコートインキ プラスサイズCB−2〔アルコール可溶性アクリル系樹
脂:50%エタノール溶液、互応化学(株)製〕20
部、チヌビン328(紫外線吸収剤、チバガイギー社
製)0.5部をイソプロパノール50部、n−ブタノー
ル30部に溶解し、トップコートインキを調製した。
【0067】〔2〕積層体の形成 アルミニウムがホットスンピングにより裏打ちされたメ
チルメタクリレート樹脂製模造宝石の表面に前記アンダ
ーコートインキをスプレー塗装後、80℃で30分間乾
燥させ、約5μmの膜厚のアンダーコート層を設けた。
次いで、その上層に前記方法に準じて本発明組成を含む
インキにより、約15μmの膜厚の層を得た。更に、保
護層として前記トップコートインキをスプレー塗装し、
膜厚約10μmのトップコート層を形成した。得られた
模造宝石は低温側トリガー(約13℃)、高温側トリガ
ー(約37℃)を有して状態変化し、5℃の氷水中に入
れると、瞬時に透明感を有するピンク色に発色し、下地
のアルミニウム光沢層を透視できた。次いでこれを50
℃の温水中にいれると、無色透明な模造宝石の様相に変
化した。前記状態変化は500回の繰り返しにおいても
再現されることを確認した。
【0068】応用例2 熱変色性鏡 〔1〕各インキの調製 (1)本発明組成物を含むインキ 実施例2のインキ300部をMIBK250部及びシク
ナヘキサノン50部と混合して得た。 (2)トップコートインキ ダイヤナールBR102〔アルコール可溶性アクリル系
樹脂:三菱レーヨン(株)製〕10部、チヌビンPS
(紫外線吸収剤、チバガイギー社製)1部をイソプロパ
ノール60部、n−ブタノール30部に溶解して得た。 (3)積層体の形成 アルミニウムが蒸着されたメチルメタクリレート製の鏡
の表面に前記本発明組成物を含むインキを適用し、応用
例1と同様な方法で処理して膜厚約15μmの層を形成
した後、前記トップコートインキによる膜厚約10μm
のトップコート層を形成した。得られた熱変色性鏡を−
5℃のフリーザー中に入れると、瞬時に橙色に発色し、
アルミニウムの光沢層が僅かに視覚された。次いで、5
0℃の温水中に入れると、無色透明な鏡に変化した。前
記状態変化は500回の繰り返しにおいても同様の変化
が確認された。
【0069】応用例3 熱変色性ホログラム表示体 〔1〕各インキの調製 (1)本発明組成物を含むインキ 実施例3のインキを用いた。 (2)アンダーコートインキ ダイヤナールBR−85〔三菱レーヨン(株)製メチル
メタクリレート樹脂〕20部をMIBK80部に溶解
し、アンダーコートンイキを得た。 (3)トップコートインキ アクリディックA−188〔ターペン可溶型アクリル樹
脂:大日本インキ化学工業(株)製〕70部をミネラル
ターペン30部に溶解して得た。 (4)積層体の作成 ホログラムフイルム〔商品名:ホログラスター101S
urf whisper、リンテック(株)製〕の表面
に前記アンダーコートインキをアプリケーターを用いて
乾燥時の膜厚が約5μmになるようコーティング加工を
行った後、同様にして実施例3のインキを塗布し、膜厚
約15μmの層を得た。得られた積層体は低温側トリガ
ー(約13℃)、高温側トリガー(約36℃)を有し、
前記低温側トリガー以下で緑色に発色し、高温側トリガ
ー以上で消色し、前記いずれの状態において、下地のホ
ログラム像及び光輝性を視覚させた。前記状態変化は5
00回の繰り返しにおいても同様の変化が確認された。
【0070】比較例1 実施例1のVYHH45部及び1000GKT15部に
替えて、VYHH60部とする以外は同様の組成にて、
実施例1と同様な方法で試験片を作成した。得られた試
験片は、実施例1と同様な色変化を示すが、低温側トリ
ガー以下の温度での曇価78.9%の値を示し、高温側
トリガー以上の温度では曇価49.4%の値を示した。
【0071】比較例2 実施例2のVYHH40部及び1000W20部に替え
て、VYHHを60部とする以外は同様の組成にて、実
施例2と同様な方法で試験片を作成した。得られた試験
片は、実施例2と同様な色変化を示すが、低温側トリガ
ー以下の温度での曇価86.2%の値を示し、高温側ト
リガー以上の温度では曇価54.2%の値を示した。
【0072】比較例3 実施例3のVYHH30部及びVAGH30部に替え
て、VYHHを60部とする以外は同様の組成にて、実
施例3と同様な方法で試験片を作成した。得られた試験
片は、実施例3と同様な色変化を示すが、低温側トリガ
ー以下の温度での曇価72.4%の値を示し、高温側ト
リガー以上の温度では曇価46.5%の値を示した。
【0073】比較例4 実施例4のVYHH30部及び1000GKT30部に
替えて、VYHHを60部とする以外は同様の組成に
て、実施例4と同様な方法で試験片を作成した。得られ
た試験片は、実施例4と同様な色変化を示すが、低温側
トリガー以下の温度での曇価81.6%の値を示し、高
温側トリガー以上の温度では曇価49.0%の値を示し
た。
【0074】次に、本発明の樹脂母体における構成要素
と混合比率との関係による透明性の変化状態を下記の試
験方法により試験した結果を記載する。 試験方法 2−(3, −トリフルオロメチルフェニル)アミノ−6
−ジエチルアミノフルオラン2部、2、2, −(4,
ヒドロキシフェニル)プロパン5部、セチルアルコール
4部、ステアリルアルコール4部、マロン酸ジミリスチ
ル7部、LS−770〔三共(株)製、ピペリジン誘導
体〕1部、Byk−300(Byk chemie社:
レベリング剤)0.2部を前記樹脂母体の20%MIB
K溶液300部に均一に溶解した後、アプリケーターを
用いて100μm厚の透明PETフイルム上に塗布、乾
燥して約25μmの層を形成して得たテストピースの曇
価を実施例と同様な方法で測定した。その結果を表1及
び表2に示す。
【表1】
【表2】
【0075】
【発明の効果】本発明の温度依存性色彩記憶性樹脂組成
物は、母体樹脂中に必須三成分からなる熱変色性要素の
均質相溶体を微粒子状に分散状態、又は、固溶体状態に
て固定されてなるものであり、温度変化により色及び透
明性に関して大きなヒステリシス特性を示して変化し、
低温側トリガーと高温側トリガーとの間の温度域で変化
前後の両様相を互変的に記憶保持できる。この際、熱変
色要素と母体樹脂が適正に組み合わせられているので温
度変化による応答が永続的に適正に機能することは勿
論、消色時の透明性が顕著に向上しており、消色時の透
視効果を満足させる。
【0076】従って、前記樹脂組成物による印刷乃至塗
布層を積層した系にあっては、下層の状態が鮮明に透視
でき、熱変色効果と相まって種々の実用性を満たす。特
に、本発明の組成物は色の変化及び透明度変化による組
合わせが多様に選択でき、有色透明状態─無色透明状態
の互変性、或いは、有色不透明状態−無色透明状態の互
変性に加えて、染料や透明性顔料の配合により有色
(1)と有色(2)の互変性を備えることもできる。
【0077】かくして、本発明の組成物は多様な産業上
の分野、例えば玩具類、筆記具類、雑貨・日用品、教習
材、インテリア類、装飾品類、及びOA機器向け記録紙
など極めて幅広い分野での応用が可能である。本発明の
応用例は下記の例に限定されないが、本発明の効果をよ
り明瞭にするため、具体的な応用例を下記に列記する。
【0078】玩具類においては、有色不透明−無色透明
状態を有する組成物を透明な材料で成形された立体の表
面に積層し、その内部又は内容物を隠蔽−透視できる。
かかる応用例としては、 透明樹脂で成形されたミニュチュアカーの前部ボンネ
ット部品に彩色・積層することにより、ボンネット内部
のエンジン等の構造が隠蔽−透視できる。 透明樹脂で成形された飛行機の胴体部分に彩色・積層
することにより、胴体内部の構造や内部の乗客・乗員の
様子が隠蔽−透視(加温により透視でき、冷却すること
により元の隠蔽状態に繰り返し変化することを表す)で
きる。 玩具用ロボットの前面胸部の透明部材に彩色・積層す
ることにより、ロボッの胸部付近の機械構造・電子構造
が隠蔽−透視できる。 人形の透明樹脂で成形された胴体部分の前面に彩色・
積層することにより、腹蔵された宝石類、又は腹部の中
の胎児などを隠蔽−透視できる。 透明な球状成形物の全面に渡って、卵の模様を多色に
て塗装・積層することにより、卵の内部の鳥や恐竜など
を隠蔽−透視できる。 透明樹脂で成形された魔法のランプの全体を多色にて
塗装し、ランプをこすると中から金貨、或いは魔法使い
などが透視−隠蔽できる。
【0079】一方、玩具分野における有色透明−無色透
明状態を有する組成物を応用した例としては、変色の前
後で終始透明状態を保つ特性に基づいて、光輝性または
金属光沢、パール光沢などの光学効果を有する材料と組
み合わせると一層効果的な応用が可能である。なお、下
記の例示の応用は玩具分野の他、実用品としての応用も
可能である。 鏡の反射面側に多色にて彩色することにより、虹色の
鏡から通常の無色の鏡に変化させることが可能である。
虹色の場合には多色によるパターンの迷彩効果により、
鏡の反射像を視認することは難しいが、加温により消色
した状態では通常の鏡の通り、反射像が明瞭に映る。 背面に、所望に応じて、アルミホイルスタンピング、
又はアルミ蒸着加工された透明な宝石類に応用すること
により、ルビーからやダイヤモンドに、あるいはエメラ
ルドからトパーズに、あるいはアメシストからアクアマ
リンへの色変化が可能となると同時に、変色の前後を通
して透明感を保つことが可能である。 金色・銀色に蒸着加工された王冠、イヤリング、ブロ
ーチなどの光輝性装飾品にスプレー等により彩色するこ
とに、金属光沢を生かしたままで変色前後の2種類の色
を所望に応じて選択することができる。例えば、銀色調
に蒸着された王冠に対し、オレンジ色の本件組成物を積
層することにより、加温により銀色、冷却により金色の
状態を選択できる。 同様に、ホログラフィック効果を有する素材に対し本
件組成物を積層することにより、ホログラフィック効果
を維持したままでの色変化が可能である。筆記具類にお
ける応用としては、例えば、ボールペンや万年筆の軸胴
部分やキャップを透明な樹脂を用いて成形し、これに有
色不透明−無色透明状態を有する組成物を積層すること
により、所望に応じてインキの残量を確認した又、内部
機構を視認することもできる。
【0080】次に、雑貨、日用品の分野における応用と
しては、例えば、有色透明−無色透明状態を有する組成
物をサングラスや帽子サンバイザーに積層することによ
り、透視性機能を損なうことなく色変化又は色の選択を
することが可能となり、ファッション性を増加させるこ
とができる。
【0081】教習材類としては、有色不透明−無色透明
状態を有する組成物を用いて、人体模型、動物模型、昆
虫模型などの内部骨格、内部器官を隠蔽−透視すること
が出来きるので、教育用の教材として有効に使用するこ
とができる。また、教習材の典型的な応用として、解答
を隠蔽−透視することが可能であり、この場合には解答
部分のみが本発明の有色不透明−無色透明状態を有する
組成物によって積層されることによって、所望に応じて
解答を対照させることができる。
【0082】インテリア類としては、有色透明−無色透
明状態を有する組成物を透明なアクリル板に多色にて彩
色することにより、通常の無色のガラスとステンドグラ
ス模様の2種類を所望に応じて選択することができる。
【0083】装飾品類の応用例としては、有色透明−無
色透明状態を有する組成物が、より効果的であり、金
色、銀色、パール色とうの光輝性表面に対し彩色するこ
とにより、イヤリング、宝石、指輪、ネックレス、ブロ
ーチ等の装飾品の色をそれらの光輝性を損なうことなく
選択できる。
【0084】一方、本発明の組成物はコンピュターサプ
ライ関連のOA機器の出力用記録紙としての応用が可能
である。即ち、サーマルヘッド、熱ペン、冷ペンによ
り、印字又は描写により像を発現させることができ、さ
らにその記録像は所望に応じて冷却または加熱すること
により元の記録のない状態に復元させることができる為
リライタブル記録材料として有効に利用できる。又、有
色不透明−無色透明状態を有する組成物をオーバーヘッ
ドプロジェクター用透明フィルムに積層することによ
り、筆記された有色不透明の部分が光透過性に乏しいた
め、スクリーン上ではシャドーとして文字や図形の像を
生ずる。非筆記部分は透明となっているため、ハイライ
ト部としてスクリーン上に投射される。その結果、通常
のオーバーヘッドプロジェクター用フィルムの機能にさ
らにリライタブル機能が付加された有用な記録材料とし
て使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明温度依存性色彩記憶性樹脂組成物を適用
した実施例1の塗布層の温度−色濃度の関係を示すグラ
フである。
【図2】実施例1の塗布層の着色時及び消色時の吸光度
曲線を示す。実線は着色時、点線は消色時の状態をそれ
ぞれ示す。
【図3】実施例2の塗布層の温度−色濃度の関係を示す
グラフである。
【図4】実施例2の塗布層の着色時及び消色時の吸光度
曲線を示す。実線は着色時、点線は消色時の状態をそれ
ぞれ示す。
【図5】実施例3の塗布層の温度−色濃度の関係を示す
グラフである。
【図6】実施例3の塗布層の着色時及び消色時の吸光度
曲線を示す。実線は着色時、点線は消色時の状態をそれ
ぞれ示す。
【図7】実施例4の塗布層の温度−色濃度の関係を示す
グラフである。
【図8】実施例4の塗布層の着色時及び消色時の吸光度
曲線を示す。実線は着色時、点線は消色時の状態をそれ
ぞれ示す。
【図9】本発明積層体の一実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 積層体 2 支持体 3 アンダーコート層 4 温度依存性色彩記憶性樹脂層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/36 C08K 5/07 KGV C08K 5/05 KGT 5/09 KGW 5/07 KGV 5/10 KGY 5/09 KGW 5/16 KHD 5/10 KGY 5/3435 KHL 5/16 KHD C08L 27/06 LES 5/3435 KHL B41M 5/18 101A C08L 27/06 LES 111 7416−2H 5/26 102

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ) 電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ) フェノール性水酸基を有する化合物、 (ハ) アル
    コール類、エステル類、ケトン類、またはカルボン酸類
    のいずれかより選んだ化合物を含む均質相溶体が、樹脂
    母体中に微粒子状に分散状態、又は固溶体状態にて固定
    されており、前記樹脂母体は塩化ビニル−酢酸ビニル共
    重合体に、透明性向上剤として塩化ビニル−酢酸ビニル
    −ビニルアルコール共重合体及び/又は塩化ビニル−塩
    化ビニリデン共重合体が配合されて構成されており、温
    度変化に依存して色彩及び透明度が大きなヒステリシス
    特性を示して変化し、低温側トリガーと高温側トリガー
    との温度差が10℃乃至50℃であり、前記低温側トリ
    ガー以下及び高温側トリガー以上の温度で変化させた各
    様相を択一的に前記低温側トリガーと高温側トリガーと
    の間の温度域で記憶保持される、可逆性を有する温度依
    存性色彩記憶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記樹脂母体100重量部に対し、ピペ
    リジン誘導体から選ばれるヒンダードアミン系化合物
    0.1〜10重量部、 (イ) 電子供与性呈色性有機化合
    物0.8〜33重量部、 (ロ) フェノール性水酸基を有
    する化合物1.6〜50重量部、 (ハ) アルコール類、
    エステル類、ケトン類、又はカルボン酸類のいずれかよ
    り選んだ化合物が8〜83重量部の比率で構成される請
    求項1記載の温度依存性色彩記憶性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂母体を構成する、塩化ビニル−酢酸
    ビニル共重合体が平均分子量7,000 〜50,000、構成モノ
    マー重量比が塩化ビニル60% 〜92% 、酢酸ビニル8%〜40
    % であり、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール
    共重合体が平均分子量7,000 〜50,000、構成モノマー重
    量比が塩化ビニル70% 〜92% 、酢酸ビニル1%〜10% 、ビ
    ニルアルコール4%〜20% であり、塩化ビニル−塩化ビニ
    リデン共重合体が平均分子量7,000 〜50,000、構成モノ
    マー重量比が塩化ビニル70〜90% 、塩化ビニリデン10〜
    30% である請求項1又は2記載の温度依存性色彩記憶性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体に対し
    て、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
    体及び/又は塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体が1
    0〜70重量%ブレンドされてなる請求項1、2又は3
    記載の温度依存性色彩記憶性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】全量に対して0.002〜0.5重量%の
    分散助剤が添加されてなる請求項1、2、3、又は4記
    載の温度依存性色彩記憶性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 フェノール性水酸基を有する化合物は下
    記一般式から選択される化合物が少なくとも全フェノー
    ル性水酸基を有する化合物の50重量%である請求項1
    記載の温度依存性色彩記憶性樹脂組成物。 【化1】 [ 但し、R1 はH又はCH3 を、R2 はCn 2n+1(4
    <n<11)又はR1 =R2 =CF3 をそれぞれ表す。
    又、Cn 2n+1は直鎖及び側鎖のアルキル基を表す。X
    は芳香環の置換基を表す。又、X=H、又はCH3 、又
    はハロゲンを表す。〕
  7. 【請求項7】 前記 (ハ) 成分が、(a)一価の脂肪酸
    と、脂肪族一価アルコール又は脂環を有する一価アルコ
    ールからなる総炭素数が10以上のエステル類、(b)
    脂肪族二価又は多価カルボン酸と、脂肪族一価アルコー
    ルまたは脂環を有する一価アルコールからなる総炭素数
    28以上の多塩基酸エステル類、(c)脂肪族二価また
    は多価アルコールと一価の脂肪酸からなる総炭素数26
    以上のエステル類、(d)芳香環を有する二価アルコー
    ルと一価の脂肪酸からなる総炭素数28以上のエステル
    類、(e)炭素数が10以上の脂肪族一価の飽和アルコ
    ール類、から選ばれる請求項1、2、3、4、5又は6
    記載の温度依存性色彩記憶性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 前記 (ハ) 成分が、脂肪族二価又は多価
    カルボン酸と、脂肪族一価アルコールまたは脂環を有す
    る一価アルコールからなる総炭素数28以上の多塩基酸
    エステル類、又は脂肪族二価又は多価カルボン酸と、脂
    肪族一価アルコールまたは脂環を有する一価アルコール
    からなる総炭素数28以上の多塩基酸エステルを20%
    以上含み、且つ炭素数が10以上の脂肪族一価の飽和ア
    ルコール類との混合系を(ハ)成分として用いた請求項
    1、2、3、4、5、6又は7記載の温度依存性色彩記
    憶性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 低温側トリガー以下及び高温側トリガー
    以上で変化させた様相は、いずれも曇価が35%以下の
    値を示し、着色透明状態と消色透明状態の互変性を呈す
    る請求項1乃至8記載の温度依存性色彩記憶性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】(イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ) フェノール性水酸基を有する化合物、 (ハ) アル
    コール類、エステル類、ケトン類、またはカルボン酸類
    のいずれかより選んだ化合物を含む均質相溶体が、樹脂
    母体中に微粒子状に分散状態、又は固溶体状態にて固定
    されており、前記樹脂母体は塩化ビニル−酢酸ビニル共
    重合体に、透明性向上剤として塩化ビニル−酢酸ビニル
    −ビニルアルコール共重合体及び/又は塩化ビニル−塩
    化ビニリデン共重合体が混合されて構成されており、温
    度変化に依存して色彩及び透明度が大きなヒステリシス
    特性を示して変化し、低温側トリガーと高温側トリガー
    との温度差が10℃乃至50℃であり、前記低温側トリ
    ガー以下及び高温側トリガー以上の温度で変化させた様
    相を択一的に前記低温側トリガーと高温側トリガーとの
    間の温度域で記憶保持される、可逆性を有する温度依存
    性色彩記憶性樹脂組成物からなる層を支持体上に積層し
    てなる積層体。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の積層体は、低温側ト
    リガー以下及び高温側トリガー以上で変化させた様相
    は、いずれも曇価が35%以下の値を示し、着色透明状
    態と消色透明状態の互変性を呈する層である。
  12. 【請求項12】 支持体は透明性支持体である請求項1
    0記載の積層体。
  13. 【請求項13】 支持体表面にガラス転移点が80℃以
    上のメタクリル樹脂層をアンダーコート層として設けて
    なる請求項10、11又は12記載の積層体。
  14. 【請求項14】 温度依存性色彩記憶性樹脂組成物から
    なる層上にアルコール可溶性又は脂肪族炭化水素可溶性
    の透明性を有するメタクリル樹脂およびアクリル樹脂、
    又はそれらの共重合体からなる層を積層した請求項1
    0、11、12又は13記載の積層体。
  15. 【請求項15】 支持体面に光輝性、光輝度反射性、光
    干渉性、虹彩性、ホログラム性、金属光沢性、真珠光沢
    性、蛍光性のいずれかの光学的性状を呈する層が設けら
    れてなる請求項10又は11記載の積層体。
  16. 【請求項16】 請求項10乃至15記載の積層体のい
    ずれかは、立体物の少なくとも一部を構成してなる。
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