JPH09295489A - 可逆熱変色層を設けた文房具 - Google Patents

可逆熱変色層を設けた文房具

Info

Publication number
JPH09295489A
JPH09295489A JP13440596A JP13440596A JPH09295489A JP H09295489 A JPH09295489 A JP H09295489A JP 13440596 A JP13440596 A JP 13440596A JP 13440596 A JP13440596 A JP 13440596A JP H09295489 A JPH09295489 A JP H09295489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
reversible thermochromic
stationery
thermochromic layer
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13440596A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kani
孝夫 蟹
Michiyuki Yasuda
満行 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP13440596A priority Critical patent/JPH09295489A/ja
Publication of JPH09295489A publication Critical patent/JPH09295489A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な文房具類の表面に可逆熱変色層を設け
ることにより、外気温の変化や手先の接触或いは摩擦等
による簡易手段によって、表面の色彩、模様等を変化さ
せたり、多様な像を隠顕させることができ、示温的な効
果は勿論、デザインの多様化、差別化に寄与する文房具
類を提供する。 【解決手段】 文房具1表面の適宜位置に、手先の接触
乃至摩擦により変色し、状態とは異なる様相を視覚させ
る可逆熱変色層2を設けてなる文房具1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆熱変色層を設け
た文房具に関する。更に詳細には、筆記具、下敷き、定
規等の文房具表面に、温度変化により変色する可逆熱変
色層を設けた文房具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筆記具の周面を非変色像を設けた
熱収縮フィルムで被覆し、更にその上層に熱変色性収縮
フィルムで被覆する試みが開示されている(実開平1−
80489号公報)。前記した熱収縮フィルムにより被
覆加工するものは違和感があり、外観が損なわれるう
え、加工性が繁雑である。又、機能的に前記したフィル
ムによる被覆が不具合を生じる文房具として、例えば鉛
筆の場合、鉛筆削り器が適用し難いうえ、切削部の外観
性が著しく損なわれ、実用性を満足させない。又、熱収
縮フィルムの被覆によるものは、基体の寸法、形状、或
いは材質等に左右されるので、汎用の文房具類への適用
性に欠けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した不
具合を解消し、簡易な熱的手段により熱変色させて、多
様な像の隠顕、加飾、差別化等を満足させる文房具を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、文房具表面の
適宜位置に、手先の接触乃至摩擦により変色し、状態と
は異なる様相を視覚させる可逆熱変色層を設けてなる文
房具を要件とする。更には、前記可逆熱変色層は、温度
変化によりヒステリシス特性を示して着色状態と無色状
態間の互変性又は有色〔1〕と有色〔2〕間の互変性を
呈し、着色状態と無色状態の両相が共存できる二相保持
領域が常温域にある感温変色性色彩記憶性熱変色材料が
熱変色層中に分散状態に固着されてなる層であること、
前記可逆熱変色層は、融点が−40℃〜+90℃の範囲
にある、エステル類、エーテル類、ケトン類から選ばれ
る結晶性の化合物の一種又は二種以上を内包させた粒子
径が0.1〜50μmのマイクロカプセル顔料が可逆熱
変色層中に分散状態に固着されてなる層であること、前
記可逆熱変色層上に金属光沢顔料、透明二酸化チタン、
透明酸化鉄、透明酸化セリウム、透明酸化亜鉛から選ば
れる光遮蔽性顔料を膜形成材料中に分散状態に固着させ
た光遮蔽性顔料層が積層されてなること、前記可逆熱変
色層は、下層に設けた像を隠蔽する層であり、常温域で
可逆的に像を可視状態又は不可視状態に構成したこと等
を要件とする。更には、断面形状が正多角形の筆記具の
軸筒表面に、各面で異なる図柄の像を配し、前記像上に
可逆熱変色層を設け、常温域で可逆的に像を可視状態又
は不可視状態に構成した可逆熱変色層を設けた文房具を
要件とする。
【0005】前記文房具としては、鉛筆、サインペン、
シャープペンシル、フェルトペン、マーキングペン、ボ
ールペン、毛筆、万年筆等の筆記具、更には、インキつ
ぼ、鉛筆削り、黒板ふき、下敷き、筆立て、筆箱、文
鎮、ホッチキス、修正液或いはのりを内蔵した容器等を
挙げることができる。尚、前記可逆熱変色層は、前記し
た文房具表面の適宜位置に設けることができるが、例え
ば筆記具の場合、軸筒、キャップ、クリップ等の表面部
分に設けることができる。
【0006】前記文房具表面に可逆熱変色層を形成する
ために用いられる可逆熱変色性材料は、電子供与性呈色
性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に
生起させる有機化合物媒体の三成分を含む熱変色性材料
が好適に用いられる。具体的には、特公昭51−354
14号公報、特公昭51−44706号公報、特公平1
−17154号公報等に記載されている熱変色性材料、
即ち、 (1)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)鎖式脂肪族1価
アルコールの三成分を必須成分とした熱変色性材料。ま
たは、 (2)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)脂肪族1価アル
コールと脂肪族モノカルボン酸から得たエステルより選
んだ化合物の三成分を必須成分とした熱変色性材料。ま
たは、 (3)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)高級脂肪族1価
アルコールと、脂肪族モノカルボン酸と鎖式脂肪族1価
アルコールから得たエステルのいずれかより選んだ化合
物の三成分を必須成分とし、これを微小カプセルに内包
した熱変色性材料。又は、 (4)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)高級脂肪族1価
アルコールと、脂肪族モノカルボン酸と鎖式脂肪族1価
アルコールとから得たエステルより選んだ化合物の三成
分を必須成分とし、これをビヒクル中に溶解又は分散し
てなる熱変色性材料。或いは、特開平7−186546
号公報に記載されている、発色時には蛍光性を有する黄
色、黄橙色、橙色、赤橙色、赤色等の高発色濃度且つ明
るさに富む色を呈し、消色時には、色残りがなく無色を
呈する、(イ)ピリジン系、キナゾリン系、及びビスキ
ナゾリン系から選ばれる電子供与性呈色性有機化合物、
(ロ前記電子供与性呈色性有機化合物に対して電子受容
性である化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による
電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる
反応媒体である化合物の3成分を必須成分とする相溶体
からなる熱変色性材料。又、本出願人が提案した特公平
1−29398号公報に記載した如き、温度変化による
色濃度−温度曲線に関し、3℃以下のヒステリシス幅を
もつ、高感度の熱変色性材料が挙げられる。前記は所定
の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変化前
後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在
しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現す
るのに要する熱又は冷熱が適用されている間は維持され
るが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈す
る状態に戻る、所謂、温度変化による温度−色濃度につ
いて小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色するタ
イプである。
【0007】又、特公平4−17154号公報に記載さ
れている、大きなヒステリシス特性を示して変色する感
温変色性色彩記憶性熱変色材料、即ち、温度変化による
着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変
色温度域より低温側から温度を上昇させていく場合と、
逆に変色温度より高温側から下降させていく場合とで大
きく異なる経路を辿って変色するタイプの変色性材料で
あり、低温側変色点と高温側変色点の間の温度域におい
て、着色状態と無色状態間の互変性或いは有色〔1〕と
有色〔2〕間の互変性を呈し、着色状態と無色状態或い
は有色〔1〕と有色〔2〕の両相が共存できる二相保持
領域が常温域にあり、低温側変色点以下又は高温側変色
点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる熱変色
性材料も有効である。
【0008】前記した可逆熱変色性材料は、そのままの
適用でも有効であるが、微小カプセルに内包して使用す
るのが好ましい。それは、種々の使用条件において可逆
熱変色性材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を
奏することができるからである。前記微小カプセルに内
包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構
成でき、粒子径0.1〜100μm、好ましくは3〜3
0μmの範囲が実用性を満たす。尚、微小カプセル化
は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合
法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒
からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、ス
プレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択さ
れる。更に微小カプセルの表面には、目的に応じて更に
二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面
特性を改質させて実用に供することもできる。
【0009】又、特開平8─34168号公報に記載の
温度変化によりヒステリシス特性を示して変色し、白色
不透明状態と無色透明状態の両状態の互変性を有する熱
変色性遮光−透光性マイクロカプセル顔料を挙げること
もできる。前記熱変色性遮光−透光性マイクロカプセル
顔料は、融点が−40℃〜+90℃の範囲にある結晶性
の、エステル類、エーテル類、ケトン類から選ばれる化
合物の一種又は二種以上を内包させた粒子径が0.1〜
50μmのマイクロカプセル顔料である熱変色性遮光−
透光性マイクロカプセル顔料である。
【0010】更に、電子供与性呈色性有機化合物、フェ
ノール性水酸基を有する化合物及び前記両者の呈色反応
の生起温度を決める反応媒体の三者の均質相溶体を塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等に微粒子状に分散させ
て得られる、特開平6−135144号公報に記載の可
逆熱変色性材料。及び、熱変色性材料中の塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂に、透明性向上剤として塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体及び/又は
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体が配合された、着
色時と消色時の両状態において透明性を有する可逆熱変
色性材料が挙げられる。
【0011】前記可逆熱変色性材料及び熱変色性遮光−
透光性マイクロカプセル顔料は固着剤を含む媒体中に分
散した熱変色性インキにより、文房具表面に可逆熱変色
層を形成する。前記における可逆熱変色性材料及び熱変
色性遮光−透光性マイクロカプセル顔料は、媒体中に
0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含有さ
せることができる。0.5重量%未満の配合量では鮮明
な熱変色効果を視覚させ難いし、40重量%を越える
と、過剰であり、消色状態にあって残色を生じることも
ある。
【0012】更に、電子供与性呈色性有機化合物、フェ
ノール性水酸基を有する化合物及び前記両者の呈色反応
の生起温度を決める反応媒体の三者の均質相溶体を塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等に微粒子状に分散させ
て得られる、特開平6−135144号公報に記載の可
逆熱変色性材料。及び、可逆熱変色性材料中の塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合樹脂に、透明性向上剤として塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体及び/
又は塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体が配合され
た、着色時と消色時の両状態において透明性を有する可
逆熱変色性材料により可逆熱変色層を形成することもで
きる。
【0013】前記可逆熱変色層は、従来より公知の方
法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビ
ヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷
毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗
り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により文房具表面
に形成することができる。
【0014】尚、前記可逆熱変色層の厚みは5乃至40
0μm、好ましくは10乃至50μmの厚みであること
により、前記した熱変色効果を十分に機能させる。厚み
が400μmを越えると伝熱性の面で変色温度設定の自
由度に欠け、5μm以下の層では繰り返しの使用による
持久性を満足させ難い。
【0015】更に、前記した可逆熱変色性インキによ
り、適宜の文字、数字、図形等の像を配して可逆熱変色
層を形成する他、非熱変色性有色染顔料の適宜量を混在
させて可逆熱変色層の色変化を多様に構成することもで
きる。又、可逆熱変色層の下層に前記非熱変色性有色染
顔料による非変色層を配し、この層を隠顕させる構成と
なしてもよい。例えば、可逆熱変色層の下層に前記非熱
変色性有色染顔料による非変色層を配し、この層を隠顕
させる構成の場合、前記非熱変色性有色染顔料により像
を印刷した後、前記像上に可逆熱変色性インキにより抜
き像を重ね刷りしたもの、或いは、非熱変色性有色染顔
料により像を印刷した後、前記像に可逆熱変色性インキ
による隠蔽層を設け、ついで、前記隠蔽層よりも濃い発
色濃度の熱変色インキにより像を重ね刷りしたもの、或
いは、非熱変色性有色染顔料により像を印刷した後、前
記像よりも濃い発色濃度の可逆熱変色性インキにより像
を重ね刷りしたもの等が挙げられる。この他、非変色層
と可逆熱変色層を併設したもの、可逆熱変色層を重ね刷
りしたもの等を挙げることができる。尚、前記可逆熱変
色層は、二層以上を積層する場合、各層が同一温度で変
色する層、或いは互いに異なる温度で変色する層でもよ
い。
【0016】又、特開平7−81275号公報に記載さ
れている、濃淡の階調を発色状態で呈する、支持体面上
に、発色時の濃度が階調的に濃い部分と階調的に淡い部
分が連続又は不連続に配されており、最淡部は最濃部の
少なくとも半分以下の視覚濃度であり、温度変化により
濃淡の階調模様を可逆的に現出させる可逆熱変色層を設
け、立体感、色の拡がり、動感等を具現化させる文房具
として、視覚的に多彩なデザインの創出を可能となすこ
ともできる。
【0017】又、前記可逆熱変色層上に金属光沢層を形
成することもできる。前記金属光沢層は、本出願人が先
に提案した、特開平6−1067号公報、特開平6−1
068号公報、特開平6−8628号公報等に開示され
た技術を応用できる。前記金属光沢層は、従来より公知
の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲
母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸
鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料
が適用でき、バインダーを含む媒体中に分散されて塗
料、インキ等の形態となして適用される。或いは、熱可
塑性樹脂又は熱硬化性樹脂中に前記顔料を分散状態に内
在させたものであってもよい。尚、前記金属光沢層の厚
みは、1μm〜400μm、好ましくは3μm〜200
μmであり、該層中における金属光沢顔料は0.1〜4
0重量%(好ましくは、0.2〜30重量%)の含有割
合が有効である。
【0018】前記金属光沢層は、金属光沢顔料をバイン
ダーを含む媒体中に分散させて、塗料形態となして、コ
ーティング層として形成することができる。
【0019】又、前記可逆熱変色層の下層には、光輝
性、光輝度反射性、光干渉性、虹彩性、ホログラム性、
金属光沢性、真珠光沢性、蛍光性等の光学的性状を呈す
る下地層を設けて加飾性を向上することもできる。前記
下地層は、例えば、結合剤としての有機樹脂媒体中にレ
ンズとしての一群の連続した高屈折率ガラスビーズの単
層とその背後の光反射層を含む多層複合体からなるもの
等の再帰性反射特性を有するもの、微細な凹凸模様の少
なくとも片面に光反射層を有するホログラム、金属性鏡
面の表面に有色又は無色の塗料によって、光の干渉を引
き起こす程度に薄い膜厚となった透明皮膜を被覆形成し
たもの、或いは前記透明皮膜の一部を所望点を中心とし
た放射線に沿って肉厚として肉厚部を形成した虹彩模様
及び放射線模様を生ずるもの等、金属膜表面で反射され
た光線と透明皮膜表面で反射されて光線との重なりあっ
て、いわゆる「薄膜干渉」を発生させるもの、透明樹脂
溶液に微細なアルミニウム、銅、真鍮、金、銀、ニッケ
ル等の金属粉末、又はプラスチック蒸着粉末、例えば、
ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂に
常法により金属蒸着し、粉砕した粉末を塗工したもの、
リーフィングタイプのアルミニウム、銅、亜鉛、銅合金
をバインダーと共に塗布したもの、金箔、銀箔等の金属
箔によるもの、金属光沢顔料(例えば、天然雲母の表面
を酸化チタンで被覆した金色、銀色、メタリックレッ
ド、メタリックブルー、メタリックグリーンその他のメ
タリック色)や真珠光沢顔料、蛍光染顔料、燐光性顔
料、蓄光性顔料による着色したもの等を挙げることがで
きる。
【0020】更に、前記可逆熱変色層に光安定剤を添加
したり、或いはその上層に光安定剤層を設けることもで
きる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸
化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオ
キシドアニオン消光剤、オゾン消光剤、可視光線吸収
剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固
着した層である。更には老化防止剤、帯電防止剤、極性
付与剤、揺変性付与剤、消泡剤、蛍光増白剤等を必要に
応じて添加して耐久性等の機能を向上させることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下の実施例中の部は重量部を示
す。尚、実施例中の文房具は鉛筆及び定規について記し
たが、他の文房具についてもこれに準じて適用できる。 実施例1(図1、2、3参照) 鉛筆の軸2表面に、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン6部、1,1ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサン10部、ベヘン酸2エチルヘ
キシル100部からなる均質相溶体をエポキシ樹脂硬化
皮膜に内包させた、30℃未満で黒色、30℃以上で無
色に変色する可逆熱変色性材料をバインダーを含む媒体
中に分散させた熱変色性インキを、スプレー塗装して可
逆熱変色層3を設け、可逆熱変色層3を設けた文房具1
を得た。
【0022】前記文房具1は、30℃未満の温度では軸
表面が黒色を呈しているが(図1、2)、指を接触させ
ることにより30℃以上の温度に加温すると、前記可逆
熱変色層2が消色して、木目の鉛筆が視覚される(図
3)。
【0023】前記鉛筆は、放置して再び30℃未満の温
度になると、黒色を呈し、繰り返し色変化を呈すること
ができる。
【0024】実施例2 鉛筆の軸表面を白色非変色性インキによりスプレー塗装
して非変色層を形成した後、その上面に、感温変色性色
彩記憶性熱変色材料がバインダーを含む媒体中に分散さ
せた熱変色性インキ〔赤色(着色温度20℃)←→無色
(消色温度40℃)〕をスプレー塗装して可逆熱変色層
を形成した。
【0025】前記の如く形成した鉛筆は、指で擦過して
40℃以上に加温すると、可逆熱変色層が消色して、非
変色層による白色の鉛筆が視覚される。尚、前記鉛筆の
色彩は20℃を越える温度で記憶保持される。
【0026】次に、前記白色を呈する鉛筆を20℃以下
に冷却すると、可逆熱変色層が発色して赤色の鉛筆が視
覚される。尚、前記鉛筆の色彩は40℃未満の温度で記
憶保持される。
【0027】前記鉛筆は、再び40℃以上の温度になる
と、白色を呈し、繰り返し色変化を呈することができ
る。
【0028】実施例3 鉛筆の軸表面を赤色、白色非変色性インキによりスプレ
ー塗装して、螺旋模様の非変色層を形成した後、その上
面に、実施例1で得た熱変色性インキをスプレー塗装し
た。前記可逆熱変色層を設けた鉛筆上面に光遮蔽性顔料
としてIriodin100(メルクジャパン社製)3
部、50%アクリルポリオール/キシレン溶液40部、
ポリイソシアネート系硬化剤6部、キシレン40部を均
一に混合したペイントをスプレー塗装し、光遮蔽性顔料
層を設け、更に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を
4%(固形比)添加した光沢性クリヤーコートをスプレ
ー塗装して鉛筆を得た。
【0029】前記鉛筆は、30℃未満では、全体が銀色
を呈しているが、手のひらをあてて30℃以上に加温す
ると、銀色が消え、赤色と白色の螺旋模様の鉛筆にな
る。再び、30℃未満にすると銀色になり、可逆性を有
していた。
【0030】実施例4 パルミチン酸n−ヘプチル50部をイソシアネート樹脂
(住友バイエルウレタン(株)製:スミジュールL)に
内包した粒子径分布が4〜10μm(平均粒子径約6μ
m)の均質な微小カプセルをアクリルエマルジョンを主
成分とする乾燥皮膜が透明な水性スクリーンインキ用ビ
ヒクル50部中に分散させ、熱変色性インキを得た。
【0031】鉛筆の軸全表面を黄色非変色性インキによ
りスプレー塗装した後、青色非変色性インキにより水玉
模様を塗装した。前記非変色層を形成した鉛筆上面に、
前記熱変色性インキをスプレー塗装した。前記鉛筆は、
約25℃の室温では、白色の鉛筆が視覚されるが、この
鉛筆を手で擦過して40℃まで加温すると、可逆熱変色
層が消色して黄色地に青色の水玉模様の鉛筆となり、こ
の状態は約25℃の室温下で保持される。次に、15℃
以下に冷却したところ、再び白色鉛筆となり、この状態
は、約25℃の室温下で保持された。又、この挙動は、
何度も繰り返し行うことができた。
【0032】実施例5 熱変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料A(青色←→
無色、消色温度30℃、着色温度17℃、粒子径5〜6
μm)の分散体からなる熱変色性インキを用いて、網点
総数40線/インチの網点ドットより成る階調パターン
を有する150メッシュのスクリーン版で白色の定規表
面に印刷し、濃淡下地に濃淡の円模様を印刷した。前記
定規は、25℃の室温中で、17℃以下に冷却したとこ
ろ、青色の遠近感のある空間に立体感のある青色球体が
浮かんでいる宇宙空間を視覚させた。前記様相は室温で
保持された。次いで前記様相の定規に手の甲をあてて3
0℃以上に加熱したところ、青色は消え、白色の定規に
戻り、この状態を室温で保持できた。 前記様相の互変
性は熱又は冷熱の適用による温度変化により再現でき
た。
【0033】実施例6 鉛筆の軸表面に、ホログラム転写箔を用いて、金属光沢
を有するホログラム像を形成した後、前記ホログラム像
の上面に熱変色性インキ(25℃未満でピンク色、25
℃以下無色を呈する)にてスプレー塗装した。得られた
鉛筆は、25℃未満の温度では軸表面がピンク色を呈し
ているが、手触により25℃以上の温度に加温すると、
前記可逆熱変色層が消色して、ホログラム像を有する鉛
筆が視覚される。
【0034】前記鉛筆は、放置して再び25℃未満の温
度になると、ピンク色を呈し、繰り返し色変化を呈する
ことができる。
【0035】実施例7 鉛筆の軸表面に、6−ジエチルアミノ−ベンゾ〔α〕フ
ルオラン4部、1,1ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)オクタン12部、ベヘン酸2エチルブチル50部、
ベヘン酸2エチルヘキシル50部、青色顔料5部をエポ
キシ樹脂硬化皮膜に内包させた、30度℃未満で紫色、
30℃以上で青色に変色する可逆熱変色性材料をバイン
ダーを含む媒体中に分散させた熱変色性インキを、スプ
レー塗装して可逆熱変色層を設けた。
【0036】前記鉛筆は、30℃未満の温度では軸表面
が紫色を呈しているが、手のひらで摩擦することにより
30℃以上の温度に加温すると、前記可逆熱変色層が変
色して、青色の鉛筆が視覚される。
【0037】前記鉛筆は、放置して再び30℃未満の温
度になると、紫色を呈し、繰り返し色変化を呈すること
ができる。
【0038】実施例8(図4参照) 断面が正六角形の鉛筆の軸2表面に、橙色非変色性イン
キによりスクリーン印刷を施して、各辺に1から6の数
字を1つずつ印刷して非変色層4を形成した後、その上
面に、6−ジエチルアミノ−ベンゾ〔α〕フルオラン4
部、1,1ビス(4’−ヒドロキシフェニル)オクタン
12部、ベヘン酸2エチルブチル50部、ベヘン酸2エ
チルヘキシル50部からなる均質相溶体をエポキシ樹脂
硬化皮膜に内包させた、30度℃未満で桃色、30℃以
上で無色に変色する可逆熱変色性材料をバインダーを含
む媒体中に分散させた熱変色性インキを、スプレー塗装
して可逆熱変色層3を設けて文房具1を得た。
【0039】前記文房具1は、30℃未満の温度では軸
2表面が桃色を呈している。前記鉛筆を転がして、上面
部の可逆熱変色層3を指先で30℃以上の温度に加温す
ると、前記可逆熱変色層3が消色して、非変色層4によ
る橙色の1から6のいずれかの数字が視覚される(図
4)。
【0040】前記文房具1は、放置して再び30℃未満
の温度になると、桃色を呈し、繰り返し色変化を呈する
ことができる。
【0041】従って、前記鉛筆は双六のさいころとして
も使用することができ、加温することによって、数字を
視覚することができるため、遊戯性が高まる。
【0042】実施例9 断面が正5角形の鉛筆の軸表面に、橙色非変色性インキ
によりスクリーン印刷を施して、各辺に「大吉」、「中
吉」、「小吉」、「吉」、「凶」の文字を1つずつ印刷
して非変色層を形成した後、その上面に実施例7と同様
の熱変色性インキを、スプレー塗装して可逆熱変色層を
設けた。
【0043】前記鉛筆は、30℃未満の温度では軸表面
が桃色を呈している。前記鉛筆を転がして、上面部の可
逆熱変色層を指先で30℃以上の温度に加温すると、前
記可逆熱変色層が変色して、橙色の「大吉」、「中
吉」、「小吉」、「吉」、「凶」のいずれかの文字が視
覚される。
【0044】前記鉛筆は、放置して再び30℃未満の温
度になると、桃色を呈し、繰り返し色変化を呈すること
ができる。
【0045】従って、前記鉛筆は占いの道具としても使
用することができ、加温することによって、文字を視覚
することができるため、遊戯性が高まる。
【0046】
【発明の効果】本発明は、日常的に使用頻度の高い文房
具類にあって、外気温の変化や手先の接触或いは摩擦等
による簡易手段により、表面の色彩、模様等を変化させ
たり、多様な像を隠顕させることができ、示温的な効果
は勿論、デザインの多様化、差別化に寄与する。特に、
加温変色性色彩記憶性熱変色材料を適用した系では、温
度変化により表面の様相を互変的に変化させて視覚させ
ると共に、前記様相のうち、いずれか一方の様相を常温
域で選択的に記憶、保持させることができ、別の様相に
変化させることができる。又、金属光沢層や、光輝性、
虹彩性、ホログラム性、蓄光性等の光学的性状を呈する
層との積層による系では、加飾効果が顕著であり、商品
性向上と差別化に有効である。又、多角形の鉛筆等にあ
っては、数字やメッセージ等を隠顕させて、サイコロ或
いは占い用具の代用として用いることができ、遊びを楽
しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明可逆熱変色層を設けた文房具の一実施例
の、可逆熱変色層が発色した状態における斜視図であ
る。
【図2】本発明可逆熱変色層を設けた文房具の一実施例
の、断面図である。
【図3】本発明可逆熱変色層を設けた文房具の一実施例
の、可逆熱変色層が消色した状態における斜視図であ
る。
【図4】本発明可逆熱変色層を設けた文房具の他の実施
例の、可逆熱変色層が消色した状態における斜視図であ
る。
【符号の説明】 1 可逆熱変色層を設けた文房具 2 軸 3 可逆熱変色層 4 非変色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B43L 25/00 B43L 25/00 27/00 27/00 B43M 9/00 B43M 9/00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文房具表面の適宜位置に、手先の接触乃
    至摩擦により変色し、状態とは異なる様相を視覚させる
    可逆熱変色層を設けてなる文房具。
  2. 【請求項2】 前記可逆熱変色層は、温度変化によりヒ
    ステリシス特性を示して着色状態と無色状態間の互変性
    又は有色〔1〕と有色〔2〕間の互変性を呈し、着色状
    態と無色状態の両相が共存できる二相保持領域が常温域
    にある感温変色性色彩記憶性熱変色材料が可逆熱変色層
    中に分散状態に固着されてなる層である請求項1の可逆
    熱変色層を設けた文房具。
  3. 【請求項3】 前記可逆熱変色層は、融点が−40℃〜
    +90℃の範囲にある、エステル類、エーテル類、ケト
    ン類から選ばれる結晶性の化合物の一種又は二種以上を
    内包させた粒子径が0.1〜50μmのマイクロカプセ
    ル顔料が可逆熱変色層中に分散状態に固着されてなる層
    である請求項1の可逆熱変色層を設けた文房具。
  4. 【請求項4】 前記可逆熱変色層上に金属光沢顔料、透
    明二酸化チタン、透明酸化鉄、透明酸化セリウム、透明
    酸化亜鉛から選ばれる光遮蔽性顔料を膜形成材料中に分
    散状態に固着させた光遮蔽性顔料層が積層されてなる請
    求項1乃至3のいずれかの可逆熱変色層を設けた文房
    具。
  5. 【請求項5】 前記可逆熱変色層は、下層に設けた像を
    隠蔽する層であり、常温域で可逆的に像を可視状態又は
    不可視状態に構成した請求項1乃至4のいずれかの可逆
    熱変色層を設けた文房具。
  6. 【請求項6】 断面形状が正多角形の筆記具の軸筒表面
    に、各面で異なる図柄の像を配し、前記像上に可逆熱変
    色層を設け、常温域で可逆的に像を可視状態又は不可視
    状態に構成した可逆熱変色層を設けた文房具。
  7. 【請求項7】 前記筆記具が鉛筆である請求項6の可逆
    熱変色層を設けた文房具。
JP13440596A 1996-04-30 1996-04-30 可逆熱変色層を設けた文房具 Pending JPH09295489A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13440596A JPH09295489A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 可逆熱変色層を設けた文房具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13440596A JPH09295489A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 可逆熱変色層を設けた文房具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09295489A true JPH09295489A (ja) 1997-11-18

Family

ID=15127623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13440596A Pending JPH09295489A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 可逆熱変色層を設けた文房具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09295489A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299013A (ja) * 2008-05-13 2009-12-24 Toyobo Co Ltd 温度時間経歴表示体およびそれを用いた表示方法
US8142072B2 (en) 2008-05-13 2012-03-27 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha External stimulus indicator and indication method using the same
JP2012166440A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Pilot Ink Co Ltd 金属光沢調可逆熱変色性積層体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009299013A (ja) * 2008-05-13 2009-12-24 Toyobo Co Ltd 温度時間経歴表示体およびそれを用いた表示方法
US8142072B2 (en) 2008-05-13 2012-03-27 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha External stimulus indicator and indication method using the same
JP2012166440A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Pilot Ink Co Ltd 金属光沢調可逆熱変色性積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0523888B1 (en) Thermochromic laminate member, and composition and sheet for producing the same
US5490956A (en) Thermochromic opaque composition, laminate member employing the same, and three-dimensional member employing said laminate member and capable of concealing and revealing the interior
US5721059A (en) Temperature-dependent color/transparency storing resin composition and laminate member employing the same
JPH11249594A (ja) 磁気表示装置
JP3737411B2 (ja) 金属光沢調熱変色性液状組成物
JPH09295489A (ja) 可逆熱変色層を設けた文房具
JP3116860U (ja) 金属光沢調熱変色性ラベル
JP3172810B2 (ja) 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート
JP2001030404A (ja) 金属光沢調熱変色性積層体
JPH10217689A (ja) 可逆熱変色性感圧転写テープ及びそれを内蔵した転写具
JP2004255041A (ja) 光変色性玩具
JPH0781229A (ja) 熱変色性遮光−透光性積層体
JP3172809B2 (ja) 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート
JP2004147834A (ja) アクセサリー要素の色彩記憶性光変色機能の互変的発現方法、及び互変的色彩記憶性光変色性アクセサリー
JP2006076207A (ja) 金属光沢調熱変色性積層体
JPH11128532A (ja) 可逆熱変色性パズル及びそれを用いた可逆熱変色性パズルセット
JP3172808B2 (ja) 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート
JP2011194862A (ja) 熱変色性印刷物
JP4125882B2 (ja) 金属光沢調熱変色性積層体
JP2012167171A (ja) 金属光沢調感温多色変色性積層体
JPH08230325A (ja) 金属光沢調熱変色性積層体
JP2013044919A (ja) ラベルセット
JPH09309174A (ja) 熱変色性積層体
JPH09193279A (ja) 金属光沢調熱変色性積層体
JP2008062409A (ja) 可逆熱変色性文房具

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040716

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20041006

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20051115

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02