JPH09193279A - 金属光沢調熱変色性積層体 - Google Patents

金属光沢調熱変色性積層体

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JPH09193279A
JPH09193279A JP8026053A JP2605396A JPH09193279A JP H09193279 A JPH09193279 A JP H09193279A JP 8026053 A JP8026053 A JP 8026053A JP 2605396 A JP2605396 A JP 2605396A JP H09193279 A JPH09193279 A JP H09193279A
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JP
Japan
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color
metallic luster
layer
metallic
thermochromic
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Application number
JP8026053A
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English (en)
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Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
Michiyuki Yasuda
満行 安田
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Pilot Ink Co Ltd
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Pilot Ink Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化により金色、銀色、メタリック色等
のキラキラ光る光輝性に富む色変化を視覚させる金属光
沢調の熱変色性積層体を提供する。 【解決手段】 天然雲母の表面を特定割合の酸化チタン
で被覆した特定粒度の金属光沢顔料をバインダー中に分
散状態で固着した金属光沢層2を可逆熱変色層3に積層
した金属光沢調熱変色性積層体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属光沢調熱変色性
積層体に関する。更に詳細には、温度変化により金色、
銀色、メタリック色等の光輝性に富み、キラキラ光る様
相を呈すると共に色変化を視覚させるよう構成した金属
光沢調熱変色性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属光沢調を呈する熱変色性積層
体に関して、本出願人らによる幾つかの提案が既に開示
されている(特開平6−1067号公報、特開平6−1
068号公報、特開平6−8628号公報等)。前記提
案は温度変化により、金色、銀色或いはメタリック色の
金属光沢色からの色変化を視覚させるものであり、従来
の熱変色性材料の色変化に較べ、特異な色変化を呈する
ため、示温分野は勿論、装飾、玩具等、多様な分野に適
用性を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、この種
の金属光沢調熱変色性積層体の視覚効果について更に追
求し、光輝性に富み、キラキラ光る様相を呈する金属光
沢色を視覚させる構成を見出し、装飾性、新奇性、顕著
性を付与した金属光沢調熱変色性積層体を提供しようと
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然雲母の表
面を酸化チタンで被覆した金属光沢顔料がバインダー中
に分散状態で固着された、反射光の波長を調整する金属
光沢層が、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化
合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物
媒体とからなる熱変色性材料がバインダー中に分散状態
に固着された可逆熱変色層に積層されてなる、温度変化
により金属調の色変化を視覚させる積層体において、前
記金属光沢顔料は天然雲母の表面を14〜58重量%の
酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚みが110〜
415nmであり、粒度が30〜300μmの範囲にあ
ることを特徴とする金属光沢調熱変色性積層体を要件と
する。更には、金属光沢顔料が、天然雲母の表面を40
〜44重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的
厚さが180〜240nmであり、粒度が30〜300
μmの金色の金属光沢顔料、天然雲母の表面を14〜3
0重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚み
が110〜170nmであり、粒度が30〜300μm
の銀色の金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58重
量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さが2
45〜415nmであり、粒度が30〜300μmのメ
タリック色の金属光沢顔料から選ばれる顔料であり、可
逆熱変色層が発色状態の色濃度の明度値が6以下、且つ
消色状態の無色の明度値が8以上の熱変色性材料により
構成されてなること等を要件とする。更には、キラキラ
と光る様相を呈する光輝効果を、より一層強調して視覚
させるためには、前記範囲内の大粒度のもの、例えば、
金色の金属光沢顔料では、61〜300μm、銀色の金
属光沢顔料では、101〜300μm、メタリック色の
金属光沢顔料では、61〜300μmの粒度範囲にある
ものが特に効果的である。
【0005】前記において、金属光沢顔料による被覆層
の光学的厚さとは、屈折率×幾何学的厚さのことであっ
て、前記厚さは、ある一定の波長の光を反射させること
に関連しており、換言すれば、特定の光学厚みが特定の
波長の光を反射させる。例えば、天然雲母の表面に形成
した被覆層の光学的厚さが180〜240μmの酸化チ
タン層では550〜600nmの黄色の光を反射するの
である。前記金色を呈する金属光沢顔料の系について説
明する。当該顔料が前記の数限定範囲内にあることによ
り、選択的に紫色の波長の光を透過し、その補色関係に
ある黄色の波長の光を反射する特性を与えて金色とな
る。前記数限定範囲外の場合、波長選択性がなくなるか
或いは波長選択性があっても金色にならない。
【0006】ここで、天然雲母粒子の表面に酸化チタン
を被覆し、その上層に酸化鉄を被覆させた金属光沢顔料
も有効であり、前記波長選択的な反射、透過作用に加
え、酸化鉄自体のもつ紫色光を吸収し、黄色光を反射す
る特性が加味されることによって、より鮮やかな金色か
ら淡黄色の可逆的色変化を視覚させる。ここで、淡黄色
を呈する所以は、酸化鉄自身の色により淡黄色に着色す
るため、下地が白色でも被覆層は淡黄色に見えるからで
ある。
【0007】酸化鉄を併用する場合、酸化チタンを被覆
し、その上層に酸化鉄を被覆すると、金色の金属光沢色
の発現に最も効果的である。酸化鉄層の上層に酸化チタ
ンを被覆すると酸化チタンの反射効果が大きいので酸化
鉄の反射効果が小さい。又、酸化チタンと酸化鉄を同一
層に混在させた系では、酸化チタンが酸化鉄の反射光を
遮る場合もあるので酸化鉄の反射効率が悪くなる。前記
酸化チタン層の上層に酸化鉄層を設ける系では、酸化鉄
層が紫色の光を吸収し、他の光を反射する性質があり、
この光が黄色にみえるので酸化チタン層による金属光沢
を有する金色に深みを与える効果がある。即ち、上層に
酸化鉄層を有することにより、酸化鉄層からの反射光は
他の層により遮られて反射することがないからである。
【0008】又、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを被
覆し、その上層に非熱変色性染顔料を被覆(好適には、
0.5〜10重量%を被覆)させた金色の金属光沢顔料
も有効であり、被覆させる非熱変色性染顔料の色によ
り、更に多種多様な色変化を発現させることができる。
例えば、黒色から白色の可逆熱変色層と組み合わせて、
金色からピンク色等の、金色から有色の可逆的色変化を
視覚させることができる。前記において、非熱変色性有
色染顔料の被覆率が0.5重量%未満の場合、充分な濃
度が得られず、一方、10重量%を超える場合には、色
濃度が高過ぎて金色を発現できない。各染顔料は前記範
囲内にあることにより、選択的に金色の波長を透過し、
その補色関係にある波長の光を反射する特性を与えるこ
とができる。
【0009】次に、銀色の金属光沢顔料の系について説
明する。前記した数限定範囲にあることにより、反射光
の波長の選択性を適正に抑制して銀色を視覚させ、前記
の範囲外になると、反射光の波長の選択性が生じて着色
するため銀色にならない。前記光学的特性の酸化チタン
層が、380〜700nmの全波長の光を雲母の層状配
列により乱反射することなく反射するので銀色に見える
のである。
【0010】又、可逆熱変色層として非熱変色性染顔料
を配合した系では、銀色の金属光沢層の透明性に依存し
て、銀色の金属光沢色から非熱変色性染顔料が呈する有
色への可逆的変化が視覚される。又、最下層に非変色性
着色層を配置した系では、該着色層の色を、可逆熱変色
層の変色と同時に視覚させることができる。可逆熱変色
層が着色状態では下層の非変色性着色層による文字、図
柄等を不可視状態に隠蔽するが、この際、銀色の金属光
沢層の光反射効果により熱変色のみの隠蔽効果に比べて
隠蔽効果を高めると共に可逆熱変色層の光劣化を抑制す
ることができる。
【0011】次に、メタリック色の金属光沢顔料の系に
ついて説明する。前記金属光沢顔料は、天然雲母粒子の
表面を酸化チタンで被覆した、メタリック色を呈する顔
料であり、酸化チタン層の上を酸化鉄で被覆した顔料
や、酸化チタン被覆の上を非熱変色性有色染顔料で被覆
した二色性金属光沢顔料も有効である。具体的には、天
然雲母の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆
し、その上を4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被覆層
の光学的厚さが245〜415nmのもの、天然雲母粒
子の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、そ
の上層を0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料で
被覆した、被覆層の光学的厚さが245〜415nmの
二色性メタリック色金属光沢顔料を挙げることができ
る。前記において、例えば、酸化チタンの被覆重量%が
55〜58%で光学的厚みが375〜415nmの顔料
は630〜700nmの赤色の光を透過し、500〜5
40nmの緑色の光を反射するため、緑色系のメタリッ
ク色となる。同様に酸化チタンの被覆重量%が51〜5
4%で光学的厚みが315〜350nmの金属光沢顔料
は、580〜630nmの橙色の光を透過し、430〜
500nmの光を反射するため、青色系のメタリック色
となる。
【0012】前記二色性メタリック色金属光沢顔料の系
について、被覆させる非熱変色性染顔料の色により、更
に多種多様な色変化を表現することができる。例えば、
黒色から白色の可逆熱変色層と組み合わせて、メタリッ
ク色からピンク色、メタリック色から青色等のメタリッ
ク色から有色の可逆的色変化を視覚させることができ
る。
【0013】前記可逆熱変色層は、発色状態の色濃度に
おける明度値が6以下、消色状態の無色の明度値が8以
上の層が効果的である。発色状態の色濃度の明度値が6
以下の場合、上層にある金属光沢層を透過した光を十分
吸収する能力があり、金属光沢顔料に相応する色彩を明
瞭に視覚させる。しかし、発色状態の明度値が6を越え
る場合、金属光沢層を透過した光を十分吸収できなくな
り、一部は反射してしまうため、明瞭な金属光沢色に見
えなくなる。一方、消色状態の無色の明度値が8以上の
場合、金属光沢顔料を透過した光を十分反射する能力が
あるため、金属光沢層で反射した光と可逆熱変色層で反
射した光が混合し、白色光に戻るため無色に見える。し
かし、消色状態の明度値が8未満の場合、金属光沢層を
透過した光を十分反射できなくなり、一部吸収するため
無色にはならず、着色状態にあって金属色が残る。
【0014】次に、可逆熱変色層が熱変色性材料と非変
色性染顔料が混合された系では、発色状態の色濃度の明
度値(V1)が6以下、消色状態の明度値(V2)が4
以上であり、且つ、(V2)−(V1)>1の関係を満
たすことが必要である。この系では、前記非変色性染顔
料が混合されて有色となるため、明度値が小さくなり、
前記染顔料の色によって変動する。例えば、黄色、橙色
等では比較的明度値が大きく、逆に赤色、紫色等では明
度値は小さくなる。しかし、満足する色変化を得るため
には消色状態の明度値は発色状態の明度値より少なくと
も1より大であることが必要であり、1以下の場合には
コントラストが小さすぎて鮮明な色変化を示さない。こ
のような条件下で4以上の明度値であれば、例えば、金
色から有色、有色から金色の可逆的変化を呈することが
できる。しかし、4未満では下地の混合色層の色濃度が
濃くなりすぎ、透過光を吸収するので金色が消色状態で
も見えてしまう。
【0015】前記した可逆熱変色層の発消色時の明度値
とは、無彩色の配列において、完全な黒を0、完全な白
を10として、その間の明るさの感覚の差が等感覚にな
るように分割したマンセル色票計の明度値を示し、有彩
色の明度値は有彩色の明るさの感覚がこれと等しい無彩
色の明度値を示す。即ち、明度値が小さい程、黒色に近
く、明度値が大きい程、白色に近いため、可視光線をど
の程度吸収し、どの程度反射するかの指標に使うことが
でき、この指標は金属光沢層を透過した光線がその下層
にある可逆熱変色層でどのように反射、吸収するかを示
すことになる。
【0016】従って、可逆熱変色層が6以下の明度値で
あれば、金属光沢顔料を透過した可視光線を充分吸収で
きる能力をもち、その結果として金属光沢顔料を透過し
た可視光線を充分吸収して所望の金属光沢色を視覚させ
る。逆に8以上の明度値では、金属光沢層を透過した可
視光線を反射することになるので、金属光沢層で反射し
た光と可逆熱変色層で反射した光の両方を一緒に視覚す
ることになるため、金属光沢色を視覚させない。即ち、
熱変色性材料の変色温度以下で金属光沢色に見え、変色
温度以上で金属光沢色が消える特性を有するか否かの指
標である。尚、本発明に示す明度値は、東京電色株式会
社製TC−3600色差計を用いて求めた値であり、白
色の塩化ビニールシート表面に試料をスプレー塗装し、
乾燥後の厚み40μmの可逆熱変色層を形成して、発色
状態及び消色状態の明度値を測定して得られる。
【0017】次に、可逆熱変色層について説明する。前
記可逆熱変色層は電子供与性呈色性有機化合物と電子受
容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物
媒体の三成分を含む可逆熱変色性材料が用いられる。具
体的には例えば前述の特公昭51−35414号公報、
特公昭51−44706号公報、特公平1−17154
号公報等に記載されている熱変色性材料、即ち、(1)
(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェノール
性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成分とした
熱変色性材料。または、 (2)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さな
い脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さな
いエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とした
熱変色性材料。または、 (3)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を有
さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分を
必須成分とし、これを微小カプセルに内包した熱変色性
材料。あるいは、 (4)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置換基を
有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分
とし、これをビヒクル中に溶解又は分散してなる熱変色
性材料等である。
【0018】この他、本出願人が提案した特公平4−1
7154号公報に記載されている、大きなヒステリシス
特性を示して変色する色彩記憶性感温変色性色素を含む
可逆熱変色性材料、即ち、温度変化による着色濃度の変
化プロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低
温側から温度を上昇させていく場合と逆に変色温度より
高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を
辿って変色するタイプの変色材であり、低温側変色点と
高温側変色点の間の常温域において、前記低温側変色点
以下又は高温側変色点以上の温度で変化させた状態を記
憶保持出来る特徴を有する熱変色性材料も使用される。
【0019】又、本出願人が提案した特公平1−293
98号公報に記載された如き、温度変化による色濃度−
温度曲線に関し、3℃以下のヒステリシス幅をもつ、高
感度の可逆熱変色性材料も有効である。
【0020】前記した熱変色性材料は、通常、微小カプ
セルに内包させて適用できるが、微小カプセルに内包さ
せず、そのままの適用でも有効である。
【0021】前記熱変色性材料は、膜形成材料であるバ
インダーを含む媒体中に分散されて、インキ、塗料など
の色材として適用され、コーティング層、塗膜形態とし
て可逆熱変色層を形成できる。又、熱可塑性バインダー
にあっては、該バインダーが熱溶融状態にあって、前記
微小カプセル形態の可逆熱変色性顔料を分散状態にブレ
ンドして一体成形した薄膜及びフイルム形態の可逆熱変
色層であってもよい。
【0022】前記における熱変色性材料は、バインダー
中に0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%含
有させることができる。0.5重量%未満の配合量では
鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、40重量%を越え
ると、過剰であり、消色状態にあって残色がみられる。
【0023】前記金属光沢層は、金属光沢顔料をバイン
ダーを含む媒体中に分散させて、塗料形態となして、コ
ーティング層として形成することができる。又、熱可塑
性バインダーにあっては、該バインダーが溶融状態にあ
って、金属光沢顔料を分散状態にブレンドして一体成形
された薄膜及びフイルム形態の金属光沢層であってもよ
い。
【0024】本発明に適用されるバインダーは、透明状
の膜形成樹脂であればよく、従来より汎用の各種バイン
ダーが適用でき、以下に例示する。アイオノマー樹脂、
イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩
素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩
化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合
樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩
化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹
脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹
脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度
ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹脂、ポ
リエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタ
レート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹
脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステ
ル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアク
リレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フ
ェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹
脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、
スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹
脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エ
マルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン
樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性
アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、
水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポ
リブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、
エチルセルローズ等を挙げることができる。
【0025】前記したバインダーのうち、コーティング
層を形成させるバインダーは、前記したアルキルフェノ
ール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アル
キド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性ア
ルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチ
レン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリル酸エス
テル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性
メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェノール樹
脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエン樹脂、
セルローズ誘導体等の樹脂であり、水や有機溶剤等に溶
解または分散させて適用できる。
【0026】可逆熱変色層及び金属光沢層は、通常、従
来より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセッ
ト印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等
の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着
塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段によ
り行うことができる。
【0027】前記した金属光沢層の上層或いは金属光沢
層と可逆熱変色層の間には光安定剤層を適宜設けること
ができる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収
剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スー
パーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線
吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態
に固着した層であり、前記した可逆熱変色層或いは金属
光沢層の調製に準じて形成できる。
【0028】尚、可逆熱変色層は支持体上に形成された
ものに限らず、支持体自体に熱変色材料がブレンドされ
て成形されたプラスチック材であってもよく、布帛等の
浸透性材料にあっては、前記熱変色性材料を含浸乾燥さ
せたものであってもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、具体的に実施例を示す。実
施例中の部は重量部である。
【0030】実施例1(図1参照) 天然雲母の表面を42重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが220nmで、粒度が30〜100μmの金
色金属光沢顔料とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚
み約40μmの金属光沢層2の下層に、2−アニリノ−
3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビス
フェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の
相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン
硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られた平
均粒子径8μmの微小カプセル形態で、発色時の明度値
が2.2、消色時の明度値が9.0である熱変色性材料
とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚み約40μmの
可逆熱変色層3を積層して金属光沢調熱変色性積層体1
を得た。
【0031】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である550〜600
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、キラキラ光る金色の金属光沢色とな
る。又、30℃で可逆熱変色層2が消色して、透過光7
を反射するため、入射光の全てを反射することになり、
キラキラ光る金色金属光沢色は消えて無色となる。
【0032】実施例2(図1参照) 実施例1の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン1部、1,3−ジメチル−
6−ジエチルアミノフルオラン2部を使用し、同様に調
製した発色時の明度値が2.7、消色時の明度値が8.
8である熱変色性材料を用いた以外は実施例1と同様と
した。
【0033】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下では、キラキラ光る金色の金属光沢色と
なる。又、30℃以上では、キラキラ光る金色の金属光
沢色は消えて無色となった。
【0034】実施例3(図2参照) 金属光沢層2は、実施例1と同様の金色金属光沢層であ
り、可逆熱変色層31は、2−アニリノ−3−メチル−
ジブチルアミノフルオラン1部、1,3−ジメチル−6
−ジエチルアミノフルオラン2部、ビスフェノールA6
部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体からなる
熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の界面重
合法による微小カプセル化で得られた平均粒子径8μm
の微小カプセル形態の熱変色性材料と、蛍光ピンク顔料
とアクリル酸エステル樹脂とからなる、混合系の発色時
の明度値が2.3、消色時の明度値が5.5である厚み
約40μmの層である。
【0035】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下では、キラキラ光る金色の金属光沢色と
なる。又、30℃以上では、キラキラ光る金色の金属光
沢色は消えて蛍光ピンク色となった。ここで、消色時の
可逆熱変色層31で反射された反射光61は、ピンク色
を呈する。
【0036】実施例4(図3参照) 金属光沢層2の下層に可逆熱変色層3、更に前記可逆熱
変色層3の下層に非変色性着色層4を積層した三層から
なる積層体1であり、前記金属光沢層2及び可逆熱変色
層3は実施例1と同様であり、前記着色層4は明度値が
6.3である蛍光オレンジ色の層である。
【0037】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下では可逆熱変色層3が発色して、入射光
5の一部である550〜600nmの波長の反射光6を
反射し、それ以外の波長の透過光7を吸収すると、キラ
キラ光る金色の金属光沢色となる。又、30℃以上では
可逆熱変色層3が消色するため、キラキラ光る金色の金
属光沢色は消え、下層の非変色性着色層4による蛍光オ
レンジ色となる。ここで、非変色性着色層4で反射され
た反射光62は蛍光オレンジ色を呈する。
【0038】実施例5(図1参照) 金属光沢層2は、天然雲母の表面を14重量%の酸化チ
タンで被覆した光学的厚みが120nmで、粒度が40
〜200μmの銀色金属光沢顔料とアクリル酸エスエル
樹脂とからなる厚み約40μmの層であり、可逆熱変色
層3は、実施例1と同様の層である。
【0039】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下で可逆熱変色層3が発色して、入射光5
の可視光線の一部である反射光6を反射し、それ以外の
波長の透過光7を吸収すると、黒地にキラキラ光る銀色
の金属光沢色となる。又、30℃以上では可逆熱変色層
3が消色して透過光7を反射するため、入射光の全てを
反射することになり、キラキラ光る銀色の金属光沢色は
消えて無色となる。
【0040】実施例6(図1参照) 天然雲母の表面を16重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが130nmで、粒度が30〜100μmの銀
色金属光沢顔料とアクリル酸エスエル樹脂とからなる厚
み約40μmの金属光沢層2の下層に、6−ジエチルア
ミノ−ベンゾ〔α〕−フルオラン1.5部、3−(4−
ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−
エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザ
フタリド0.5部、ビスフェノールA6部、ステアリン
酸ネオペンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物
をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微
小カプセル化で得られた平均粒子径8μmの微小カプセ
ル形態で、発色時の明度値が3.8、消色時の明度値
8.7である熱変色性組成物とアクリル酸エステル樹脂
とからなる厚み約40μmの可逆熱変色層3を積層して
金属光沢調熱変色性積層体1を得た。
【0041】前記積層体1は、15℃以下では、紫地に
キラキラ光る銀色の金属光沢色となる。又、30℃以上
では、キラキラ光る銀色の金属光沢色は消えて無色とな
った。
【0042】実施例7(図2参照) 実施例5と同様の金属光沢層2の下層に、2−アニリノ
−3−メチル−ジブチルアミノフルオラン1部、1,3
−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2部、ビス
フェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の
相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン
硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られた平
均粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料と、
蛍光ピンク顔料とアクリル酸エステル樹脂とからなる、
混合系の発色時の明度値が2.3、消色時の明度値が
5.5である厚み約40μmの可逆熱変色層31を積層
して金属光沢調熱変色性積層体1を得た。
【0043】前記積層体1は、15℃以下では、茶色地
にキラキラ光る銀色の金属光沢色となる。又、30℃以
上では、キラキラ光る銀色の金属光沢色は消えて蛍光ピ
ンク顔料の色となった。ここで、可逆熱変色層31で反
射された反射光61はピンク色を呈する。
【0044】実施例8(図1参照) 天然雲母の表面を45重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが250nmで、粒度が30〜100μmのメ
タリックレッド色金属光沢顔料とアクリル酸エスエル樹
脂とからなる厚み約40μmの金属光沢層2の下層に実
施例1と同様の可逆熱変色層3を積層して金属光沢調熱
変色性積層体1を得た。
【0045】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である650〜700
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、キラキラ光るメタリックレッド色の
金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変色層3が消色
して、透過光7を反射すると、入射光の全てを反射する
ことになり、キラキラ光るメタリックレッド色金属光沢
色は消えて無色となった。
【0046】実施例9(図1参照) 実施例8のメタリックレッド色金属光沢顔料に代えて、
天然雲母の表面を48重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが290nmであって、粒度が30〜100μ
mのメタリックパープル色金属光沢顔料を使用した以外
は、実施例8と同一の金属光沢調熱変色性積層体1を得
た。
【0047】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である380〜430
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、キラキラ光るメタリックパープル色
の金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変色層3が消
色して、透過光7を反射すると、入射光の全てを反射す
ることになり、キラキラ光るメタリックパープル色金属
光沢色は消えて無色となった。
【0048】実施例10(図1参照) 実施例8のメタリックレッド色金属光沢顔料に代えて、
天然雲母の表面を51重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが320nmであって、粒度が30〜100μ
mのメタリックブルー色金属光沢顔料を使用した以外は
実施例8と同一の金属光沢調熱変色性積層体1を得た。
【0049】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である430〜500
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、キラキラ光るメタリックブルー色の
金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変色層3が消色
して、透過光7を反射すると、入射光の全てを反射する
ことになり、キラキラ光るメタリックブルー色金属光沢
色は消えて無色となった。
【0050】実施例11(図1参照) 実施例8のメタリックレッド色金属光沢顔料に代えて、
天然雲母の表面を56重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが380nmであって、粒度が30〜100μ
mのメタリックグリーン色金属光沢顔料を使用した以外
は実施例8と同一の金属光沢調熱変色性積層体1を得
た。
【0051】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である500〜540
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、キラキラ光るメタリックグリーン色
の金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変色層が消色
して、透過光7を反射すると、入射光の全てを反射する
ことになり、キラキラ光るメタリックグリーン色金属光
沢色は消えて無色となった。
【0052】実施例12(図1参照) 天然雲母の表面を48重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが295nmで、粒度が10〜60μmのメタ
リックパープル色金属光沢顔料8部、天然雲母の表面を
14重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120
nmであって、粒度が40〜100μmの銀色金属光沢
顔料12部とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚み約
40μmの金属光沢層2の下層に、6−ジエチルアミノ
−ベンゾ〔α〕−フルオラン1.5部、3−(4−ジエ
チルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチ
ル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタ
リド0.5部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネ
オペンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエ
ポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カ
プセル化で得られた平均粒子径8μmの微小カプセル形
態で、発色時の明度値が3.8、消色時の明度値8.7
である熱変色性組成物合法とアクリル酸エステル樹脂と
からなる厚み約40μmの可逆熱変色層3(熱により発
色と消色を可逆的に行う)を積層して、金属光沢調熱変
色性積層体1を得た。
【0053】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である380〜430
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、メタリックパープル色の金属光沢色
の中にキラキラ光る銀色の金属光沢が混じったメタリッ
クパープル色金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変
色層3が消色して、透過光7を反射すると、入射光の全
てを反射することになり、キラキラ光るメタリックパー
プル色金属光沢色は消えて無色となった。
【0054】実施例13(図1参照) 天然雲母の表面を52重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが330nmで、粒度が10〜60μmのメタ
リックブルー色金属光沢顔料8部、天然雲母の表面を1
4重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120n
mであって、粒度が40〜100μmの銀色金属光沢顔
料12部とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚み約4
0μmの金属光沢層2の下層に、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
1.5部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネオペ
ンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキ
シ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセ
ル化で得られた平均粒子径8μmの微小カプセル形態
で、発色時の明度値が3.2、消色時の明度値8.7で
ある熱変色性組成物とアクリル酸エステル樹脂とからな
る厚み約40μmの可逆熱変色層3を積層して、金属光
沢調熱変色性積層体1を得た。
【0055】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層3が発色して、入射光5の一部である430〜500
nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透過
光7を吸収すると、メタリックブルー色の金属光沢色の
中にキラキラ光る銀色金属光沢が混じったメタリックブ
ルー色金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変色層3
が消色して、透過光7を反射すると、入射光の全てを反
射することになり、キラキラ光るメタリックブルー色金
属光沢色は消えて無色となった。
【0056】実施例14(図2参照) 天然雲母の表面を57重量%の酸化チタンで被覆した光
学的厚みが395nmで、粒度が10〜60μmのメタ
リックグリーン色金属光沢顔料6部、天然雲母の表面を
14重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120
nmであって、粒度が40〜100μmの銀色金属光沢
顔料12部とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚み約
40μmの金属光沢層2の下層に、2−アニリノ−3−
メチル−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノー
ルA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体か
らなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン硬化剤の
界面重合法による微小カプセル化で得られた平均粒子径
8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料と、蛍光ピン
ク顔料とアクリル酸エステル樹脂とからなる、混合系の
発色時の明度値が2.3、消色時の明度値が5.5であ
る厚み約40μmの可逆熱変色層31を積層して金属光
沢調熱変色性積層体1を得た。
【0057】前記積層体1は、15℃以下で可逆熱変色
層31が発色して、入射光5の一部である500〜54
0nmの波長の反射光6を反射し、それ以外の波長の透
過光7を吸収すると、メタリックグリーン色の金属光沢
色の中にキラキラ光る銀色金属光沢が混じったメタリッ
クグリーン色金属光沢色となる。又、30℃で可逆熱変
色層31が消色するとキラキラ光るメタリックグリーン
色金属光沢色は消えて蛍光ピンク顔料の色となった。
尚、消色時の可逆熱変色層31で反射された反射光61
はピンク色を呈する。
【0058】実施例15(図3参照) 金属光沢層2及び可逆熱変色層3は実施例12と同じ層
であるが、この実施例は可逆熱変色層3の下層に非変色
性着色層4を配置した三層からなる積層体1であり、前
記非変色性着色層4は明度値が6.3である蛍光オレン
ジ色の層である。
【0059】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下では可逆熱変色層3が発色して、入射光
5の一部である380〜430nmの波長の反射光6を
反射し、それ以外の波長の透過光7を吸収すると、メタ
リックパープル色の金属光沢色の中にキラキラ光る銀色
光沢が混じったメタリックパープル色金属光沢色とな
る。又、30℃以上で可逆熱変色層3が消色すると、キ
ラキラ光るメタリックパープル色の金属光沢色は消え、
下層の蛍光オレンジ色となる。ここで、非変色性着色層
4で反射された反射光62はオレンジ光を呈する。
【0060】実施例16(図4参照) 金属光沢層2、21の二層の下層に可逆熱変色層3を積
層した積層体1であって、可逆熱変色層3上に配置され
る金属光沢層21は、天然雲母の表面を52重量%の酸
化チタンで被覆した光学的厚み330nmであって粒度
10〜40μmのメタリックブルー色金属光沢顔料とア
クリル酸エステル樹脂とからなる厚み約30μmの層で
ある。最上層の金属光沢層2は、天然雲母の表面を14
重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120nm
で、粒度が40〜200μmの銀色金属光沢顔料とアク
リル酸エステル樹脂とからなる厚み約20μmの層であ
る。
【0061】可逆熱変色層3は、3−(4−ジエチルア
ミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
1.5部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネオペ
ンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキ
シ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセ
ル化で得られた平均粒子径8μmの微小カプセル形態
で、発色時の明度値が3.2、消色時の明度値8.7で
ある熱変色性組成物とアクリル酸エステル樹脂とからな
る厚み約40μmの層である。
【0062】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下で可逆熱変色層3が発色して、入射光5
の一部である430〜500nmの波長の反射光6を反
射し、それ以外の波長の透過光7を吸収すると、メタリ
ックブルー色の金属光沢色の中にキラキラ光る銀色金属
光沢が混じったメタリックブルー色金属光沢色となる。
又、30℃で可逆熱変色層3が消色して、透過光7を反
射すると、入射光の全てを反射することになり、キラキ
ラ光るメタリックブルー色金属光沢色は消えて無色とな
った。
【0063】実施例17(図5参照) 金属光沢層2、21の二層の下層に可逆熱変色層31を
積層した積層体1である。可逆熱変色層31上に配置さ
れる金属光沢層21は、天然雲母の表面を47重量%の
酸化チタンで被覆した光学的厚み265nmであって粒
度10〜60μmのメタリックレッド色金属光沢顔料と
アクリル酸エステル樹脂とからなる厚み約30μmの層
である。最上層の金属光沢層2は、天然雲母の表面を1
4重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが120n
mで、粒度が40〜200μmの銀色金属光沢顔料とア
クリル酸エステル樹脂とからなる厚み約20μmの層で
ある。
【0064】可逆熱変色層31は、6−ジエチルアミノ
−ベンゾ〔α〕−フルオラン1.5部、ビスフェノール
A6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体から
なる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の
界面重合法による微小カプセル化で得られた平均粒子径
8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料と、蛍光オレ
ンジ顔料とアクリル酸エステル樹脂とからなる、混合系
の発色時の明度値が4.5、消色時の明度値6.1であ
る厚み約40μmの層である。
【0065】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、15℃以下で可逆熱変色層31が発色して、入射光
5の一部である650〜700nmの波長の反射光6を
反射し、それ以外の波長の透過光7を吸収すると、メタ
リックレッド色の金属光沢色の中にキラキラ光る銀色金
属光沢が混じったメタリックレッド色金属光沢色とな
る。又、30℃で可逆熱変色層31が消色すると、キラ
キラ光るメタリックレッド色金属光沢色は消え、蛍光オ
レンジ色となった。ここで、消色時の可逆熱変色層31
で反射された反射光62はオレンジ色光を呈する。
【0066】実施例18(図4参照) 金属光沢層2、21は実施例16と同じとし、可逆熱変
色層3は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオラン3部、ビスフェノールA6部、ミリスチ
ルアルコール25部、カプリン酸セチル25部の相溶体
からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化
剤の界面重合法による微小カプセル化で得られた平均粒
子径8μmの微小カプセル形態で、発色時の明度値2.
3、消色時の明度値8.9である熱変色性組成物とアク
リル酸エステル樹脂とからなる厚み約40μmの層であ
る。
【0067】前記の如き金属光沢調熱変色性積層体1
は、20℃以下で可逆熱変色層3が発色して、入射光5
の一部である430〜500nmの波長の反射光6を反
射し、それ以外の波長の透過光7を吸収すると、メタリ
ックブルー色の金属光沢色の中にキラキラ光る銀色金属
光沢が混じったメタリックブルー色金属光沢色となる。
又、20℃で可逆熱変色層3が消色して、透過光7を反
射すると、入射光の全てを反射することになり、キラキ
ラ光るメタリックブルー色金属光沢色は消えて無色とな
った。
【0068】
【発明の効果】本発明の金属光沢調熱変色性積層体は、
金色、銀色、その他多彩なメタリック色等からの鮮明な
色変化を視覚させることができ、しかもキラキラと光る
光輝性に富む色彩であり、可逆熱変色層の色変化が、上
層の金属光沢層によって何ら損なわれることもないの
で、熱変色性材料の特性がそのまま発現されることにな
り、温度変化による色濃度−温度曲線に関し、ヒステリ
シス幅の狭い高感度の熱変色性材料にあっては、温度変
化に鋭敏に感応して発消色を繰り返し、一方、ヒステリ
シス幅の大きい色彩記憶性感温色素を適用した系では、
変色に要した熱又は冷熱を取り去った後も、変色前後の
様相を常温域で互変的に記憶保持でき、熱又は冷熱具を
用いてユーザー自身が好みの像を形成して楽しむことが
できる。又、支持体として布帛、プラスチック材、紙、
繊維等が有効であり、人形に塗装して前記積層体を形成
したり、人形用衣裳、玩具、各種装飾要素等に適用し
て、顕著性、特異性、装飾性、新奇性等を付与するとが
できるため、多様に応用展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の一実施例
の縦断面説明図である。
【図2】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図3】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図4】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図5】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 金属光沢調熱変色性積層体 2 金属光沢層 21 第2の金属光沢層 3 可逆熱変色層 31 非変色性着色剤を含んだ可逆熱変色層 4 非変色性着色層 5 入射光 6 反射光 61 消色時の可逆熱変色層で反射された反射光 62 消色時における非変色性着色層で反射された反射
光 7 透過光

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然雲母の表面を酸化チタンで被覆した
    金属光沢顔料がバインダー中に分散状態で固着された、
    光の波長を調整する金属光沢層が、電子供与性呈色性有
    機化合物と電子受容性化合物と両者の呈色反応を可逆的
    に生起させる有機化合物媒体とからなる熱変色性材料が
    バインダー中に分散状態に固着された可逆熱変色層に積
    層されてなる、温度変化により金属調の色変化を視覚さ
    せる積層体において、前記金属光沢顔料は天然雲母の表
    面を14〜58重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層
    の光学的厚みが110〜415nmであり、粒度が30
    〜300μmの範囲にあることを特徴とする金属光沢調
    熱変色性積層体。
  2. 【請求項2】 前記金属光沢顔料が、天然雲母の表面を
    40〜44重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光
    学的厚さが180〜240nmであり、粒度が30〜3
    00μmの金色の金属光沢顔料、天然雲母の表面を14
    〜30重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的
    厚みが110〜170nmであり、粒度が30〜300
    μmの銀色の金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜5
    8重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さ
    が245〜415nmであり、粒度が30〜300μm
    のメタリック色の金属光沢顔料から選ばれる顔料であ
    り、前記可逆熱変色層の発色状態の色濃度における明度
    値が6以下、且つ消色状態の無色の明度値が8以上の熱
    変色性材料により構成されてなる請求項1の金属光沢調
    熱変色性積層体。
  3. 【請求項3】 金色の金属光沢顔料が61〜300μ
    m、銀色の金属光沢顔料が101〜300μm、メタリ
    ック色の金属光沢顔料が61〜300μmの各粒度範囲
    にある請求項1又は2の金属光沢調熱変色性積層体。
  4. 【請求項4】 前記可逆熱変色層が温度変化による色濃
    度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性を示して
    変色する色彩記憶性熱変色性材料を含む色材により構成
    されてなる請求項1乃至3のいずれかの金属光沢調熱変
    色性積層体。
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JP (1) JPH09193279A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011260A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Pilot Ink Co Ltd 金属光沢調熱変色性積層体
JP2003025507A (ja) * 2001-07-12 2003-01-29 Pilot Ink Co Ltd 金属光沢調熱変色性積層体
JP2004050461A (ja) * 2002-07-17 2004-02-19 Nisshin Steel Co Ltd 鮮明な色調を呈するクリア塗装金属板

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