JP3172808B2 - 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート - Google Patents

熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート

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JP3172808B2
JP3172808B2 JP19889492A JP19889492A JP3172808B2 JP 3172808 B2 JP3172808 B2 JP 3172808B2 JP 19889492 A JP19889492 A JP 19889492A JP 19889492 A JP19889492 A JP 19889492A JP 3172808 B2 JP3172808 B2 JP 3172808B2
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裕 柴橋
満行 安田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金色の金属光沢熱変色性
積層体およびこの積層体を形成するのに用いられる塗装
組成物とシートに関する。さらに詳細には、温度変化に
より金色からの色変色を呈する金属光沢調の熱変色性積
層体およびこの積層体を形成するのに用いられる塗装組
成物とシートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温度変化により有色←→無
色、有色〔1〕←→有色〔2〕の可逆的色変化を呈する
熱変色性材は特公昭51−44706号公報、特公昭5
1−44707号公報、特公昭51−44708号公
報、特公昭52−7764号公報、特公昭51−465
48号公報、特開昭62−140881号公報等に記載
されており、これを利用して彩色した熱変色材は示温要
素、玩具要素、マジック要素等として実用に供されてい
る。
【0003】しかしながら、温度変化により金色の金属
光沢色から無色への可逆的変化や、他の異なる有色への
可逆的色変化を呈する熱変色性材及び前記色変化を鮮明
に発現させる熱変色材料は未だ知られていない。この他
色変化を多様化させる試みは実公平3−14400号公
報に開示されている。この公報に記載されている熱変色
材は感熱液晶を真珠光沢層で覆い、真珠光沢感のある色
変化を発現させようとするものである。ところが液晶は
本来無色であり、可視光線の選択的散乱である特定の波
長を反射する為、裏面に黒っぽい不透明層が必要であ
り、従って、その色変化は、黒−赤−黄−緑−青−紫−
黒に見えるため、その上に真珠光沢層を設けたとして
も、色変化は鮮明にならない。例えば、金色真珠光沢顔
料を使用した場合、その色変化は、金色−金色かかった
赤−金色かかった黄−金色かかった緑−金色かかった青
−金色かかった紫−金色となり、明瞭な金色を帯びない
色への変化を示さない。又、真珠光沢色から無色の色変
化を発現させることが出来ず、下地を隠蔽したり、顕現
させることが出来ない。金色は最も豪華な色であり金色
からの変化は最も看者の注目を集めるので金色←→他色
の色変化の要求が大きかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、熱変色
性材料による変色効果を有効に奏させ金色の金属光沢色
から鮮明で多彩に熱変色させるため研究を行ない、本発
明を完成させたのである。本発明に用いる熱変色性材料
は、液晶と異なり、熱変色性材料自体に明瞭な色変化が
ある為、下層に黒っぽい不透明層を設ける必要がなく、
しかも有色−無色の変化が出来る特徴がある。従って、
前記熱変色性材料による有色−無色の熱変色層上に金色
の金属光沢顔料層を積層することにより金色の金属光沢
色から無色の色変化を視覚させることが出来る。従っ
て、例えば白色支持体上に有色−無色の熱変色層を設
け、前記熱変色層上に金色の金属光沢顔料層を積層する
ことにより金色の金属光沢色から白色の色変化を視覚さ
せることが出来る。また非変色性着色剤を混合させるこ
とによる金色の金属光沢色から有色への明瞭な色変化を
看者に視覚させることも出来る。さらに金属光沢色で下
層の着色層を隠顕させる構成となすことが出来る。この
種の色変化や隠蔽は前記液晶の系では発現出来ない。更
には、熱変色性材料としてヒステリシス幅が極めて大き
い熱変色性材料いわゆる色彩記憶性感温色素を含む色材
を使用することにより、熱変色に要した熱又は冷熱を取
り去った後も変化した状態を保持させることが出来、常
温域でその状態を視覚させることが出来る効果をも奏す
る。こうして金色の金属光沢色の熱による色変化が明瞭
に発現されるので、本発明は、装飾分野、インテリヤ分
野、玩具、文具、情報分野に広く利用される。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明は、 「1. 天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化チタ
ンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240nm
であって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と膜形
成材とからなる反射光の波長を調整する層を第一層と
し、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状
態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と膜形成材
により形成された層を第二層とした、可逆的に金色の金
属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体。 2. A.第一層が(a)天然雲母の表面を41〜44
重量%の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが1
80〜240nmであって粒度が5〜60μmの金色金
属光沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物
を被覆して形成した金色の金属光沢呈色塗膜層と、 (b)天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化チタン
で被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240nmで
あって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と合成樹
脂により成形した金色の金属光沢呈色シート、とから選
んだ反射光の波長を調整する層であり、 B.第二層が(a)電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒
体とからなる熱変色材料で発色状態の色濃度の明度値が
6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色
材料と塗膜形成材と展色料からなる塗装組成物を被覆し
て形成した層と、 (b)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈
色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる
熱変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色
状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と合成樹
脂により成形した熱変色シート、とから選んだ熱変色す
る層である1項に記載された、可逆的に金色の金属光沢
色から無色に変色する熱変色性積層体。 3. 第2層の熱変色性層が非熱変色性の有色の染料ま
たは顔料を配合した熱変色材料であり発色時の混合系の
色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有
色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−(V
1)>1である1項または2項に記載された、可逆的に
金色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱変色性積
層体。 4. 1項ないし3項のいずれか1項に記載された可逆
的に金色の金属光沢色から無色または染顔料の色に変色
する熱変色性積層体の熱変色性層の次に非熱変色性の有
色の染料または顔料と膜形成材により形成された色濃度
の明度値(V3)が4以上であって熱変色材料の発色時
の明度値(V4)との間に(V3)−(V4)>1の関
係が成り立つ、非熱変色性の染顔料着色層を配置した可
逆的に金色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱変
色性積層体。 5. 金色金属光沢顔料が天然雲母の表面を30〜48
重量%の酸化チタンで被覆しその上に4〜10重量%の
酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚みが140〜240
nmであり粒度5〜60μmの金色の金属光沢顔料であ
る、1項ないし4項のいずれか1項に記載された可逆的
に金色の金属光沢色から淡黄色または染顔料の色に変色
する熱変色性積層体。 6. 金色金属光沢顔料が天然雲母の表面を30〜48
重量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5〜10重
量%の非熱変色性有色染顔料を被覆した被覆層の光学的
厚みが140〜240nmであり粒度5〜60μmの金
色金属光沢顔料である1項ないし4項のいずれか1項に
記載された可逆的に金色の金属光沢色から非熱変色性染
顔料の色に変色する熱変色性積層体。 7. 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容性化合物
と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体
をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である1項ないし
6項のいずれか1項に記載された、可逆的に金色から無
色ないし淡黄色または染顔料の色に変色する熱変色性積
層体。 8. 1項ないし7項のいずれか1項に記載された可逆
的に金色の金属光沢色から無色または染顔料の色に変色
する熱変色性積層体を裁断して粉末化した熱変色性粒状
体。 9. 1項ないし7項のいずれか1項に記載された可逆
的に金色の金属光沢色から無色または染顔料の色に変色
する熱変色性積層体を裁断して糸状とした熱変色性糸。 10. A.天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240
nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と
塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物と、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展色料、
とからなる二種類の塗装組成物を組合わせた、可逆的に
金色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体形
成用二液型組合わせ塗装材。 11. 熱変色材料と塗膜形成材と展色料とからなる塗
装組成物が非熱変色性の有色の染料または顔料を配合し
た発色時の混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で
消色時の混合系の有色の明度値(V2)が4以上であっ
て(V2)−(V1)>1の熱変色性組成物である請求
項10に記載された可逆的に金色の金属光沢色から染顔
料の色に変色する熱変色性積層体形成用二液型組合わせ
塗装材。 12. A.天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240
nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と
塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物と、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
なる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
色の明度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展
色料とからなる塗装組成物と、 (b)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈
色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる
発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の
明度値が8以上である熱変色材料に非熱変色性の有色の
染料または顔料を配合した発色時の混合系の色濃度の明
度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有色の明度値
(V2)が4以上であって(V2)−(V1)>1の塗
装組成物と、から選んだ熱変色性塗装組成物、 C.非熱変色性の染料または顔料と塗膜形成材と展色料
により形成された色濃度の明度値(V3)が4以上であ
って熱変色材料の発色時の明度値(V4)との間に(V
3)−(V4)>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染
顔料の着色塗装組成物の三種類の重ね塗り塗装組成物を
組合わせた可逆的に金色の金属光沢色から染顔料の色に
変色する熱変色性積層体形成用三液型組合わせ塗装材。 13. 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物
体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である10項な
いし12項のいずれか1項に記載された、可逆的に金色
から無色ないし淡黄色または染顔料の色に変色する熱変
色性積層体形成用組合わせ塗装材。 14. A.天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240
nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と
合成樹脂により成形した金色の金属光沢呈色シートと、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
度値が8以上である熱変色材料と合成樹脂により成形し
た熱変色シート、の二種類のシートを組み合わせた、可
逆的に金色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積
層体形成用シート。 15. 熱変色シートが熱変色材料の他に非熱変色性の
有色の染料または顔料を配合した発色時の混合系の色濃
度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有色の
明度値(V2)が4以上であって(V2)−(V1)>
1の熱変色性シートである14項に記載された可逆的に
金色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱変色性積
層体形成用シート。 16. A.天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240
nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と
合成樹脂により成形した金色の金属光沢呈色シートと、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
なる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
色の明度値が8以上である熱変色材料とにより成形した
シートと、 (b) 電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の
呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体と合成樹
脂とからなる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色
状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料の他に非
熱変色性の有色の染料または顔料を配合した発色時の混
合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合
系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−
(V1)>1のシートと、から選んだ熱変色性シート
と、 C.非熱変色性の有色の染料または顔料を合成樹脂に配
合した色濃度の明度値(V3)が4以上であって熱変色
材料の発色時の明度値(V4)との間に(V3)−(V
4)>1の関係が成り立つ、着色性シート、の三種類の
シートを組み合わせた、可逆的に金色の金属光沢色から
染顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用三種組み合
わせシート。 17. 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物
体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である14項な
いし16項のいずれか1項に記載された、可逆的に金色
から無色ないし淡黄色または染顔料の色に変色する熱変
色性積層体形成用組合せシート。」に関する。
【0006】本発明で使用する金色の金属光沢顔料は、
具体的には、天然雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆し
た、金色を呈する顔料である。また、天然雲母粒子の表
面を酸化チタンで被覆し、その上層を酸化鉄で被覆した
金色金属光沢顔料も使用される.その他酸化チタン被覆
の上を非熱変色性有色染顔料で被覆した二色性金属光沢
顔料も使用される。金色の金属光沢顔料を更に具体的に
説明すれば、金色金属光沢顔料は天然雲母粒子の表面を
41〜44重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層の光
学的厚さ180〜240nm、粒度5〜60μmのも
の、或いは天然雲母粒子の表面を30〜48重量%の酸
化チタンで被覆し、その上層を4〜10重量%の酸化鉄
で被覆した、被覆層の光学的厚さ140〜240nm、
粒度5〜60μmの金色金属光沢顔料や天然雲母粒子の
表面を30〜48重量%の酸化チタンで被覆し、その上
層を0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料で被覆
した、被覆層の光学的厚さ140〜240nm、粒度5
〜60μmの二色性金色金属光沢顔料も使用出来る。
【0007】本発明の被覆層の光学的厚さとは屈折率×
幾何学的厚さのことであって、この厚さは或る一定の波
長を反射させることに関連している。言いかえれば特定
の光学的厚みが特定の波長の光を反射させるのであり、
天然雲母の表面に形成した被覆層の光学的厚さ180〜
240nmの酸化チタン層が550〜600nmの金色
の光を反射するのである。熱変色層は電子供与性呈色化
合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させ
る有機化合物媒体の三成分を含む熱変色材料が用いられ
る。
【0008】また熱変色層として非変色性染顔料着色剤
を配合した層を用いると、金色の金属光沢色から着色料
の有色への可逆的色変化が視覚される。金色の金属光沢
顔料層は透明性であるから、下層に非変色性着色層を配
置するとこの着色層の色を熱変色層の熱変色と同時に視
覚させることが出来る。また最下層に非熱変色性着色層
を配置すると熱変色層の着色状態で下層の非変色性着色
層例えば文字、図柄等も隠蔽されるが、この際、金色の
金属光沢顔料層の光反射効果により熱変色のみの隠蔽効
果に比べて隠蔽効果を高める。熱変色材料はマイクロカ
プセルに内包して使用するのが最も好ましい。それは種
々の使用条件において熱変色材料は同一の組成に保た
れ、同一の作用効果を奏することが出来るからである。
本発明の熱変色性積層体は前述の金色の金属光沢顔料と
熱変色性材料が透明な膜形成材より結合された夫々の層
からなる。
【0009】熱変色性材料の発、消色時の明度値とは無
彩色の配列において、完全な黒を0、完全な白を10と
して、その間を明るさの感覚の差が等間隔になるように
分割したマンセル色票系の明度値を示し、有彩色の明度
は有彩色の明るさの感覚がこれと等しい無彩色の明度値
を示す。即ち、明度値が小さい程、黒色に近く、明度値
が大きい程、白色に近い為、可視光線をどの程度吸収
し、どの程度反射するかの指標に使うことができ、この
指標は、金色金属光沢顔料層を透過した可視光線がその
下層にある熱変色性層でどのように反射・吸収するかを
示すことになる。
【0010】
【作用】本発明の熱変性積層体は、熱変色層に金色の金
属光沢顔料層を積層した積層体であって、熱変色層の色
変化を金色の金属光沢顔料層を透して看者に視覚させる
ものである。ここで、金色の金属光沢顔料の性状、即ち
天然雲母粒子の表面の酸化チタンの被覆が41〜44重
量%であって光学的厚みが180〜240nmであるこ
とによる可視光線の波長の選択的干渉作用により生じる
虹彩効果、透過効果と熱変色層の明度値の可視光線の反
射吸収効果の相乗作用により、金色の金属光沢調の多彩
色変化を視覚させるのである。具体的には、雲母は被覆
した酸化チタンの被覆量と、被覆層の厚みを上記の範囲
に調整することにより、干渉時の反射光の波長が変化す
る作用を奏する。例えば、選択的に黄色の光を反射し、
紫色の光を透過するように被覆層の光学的厚さ180〜
240nmに調製した酸化チタン被覆雲母は、下層が黒
色の場合には、透過する紫色光は下層の黒色に吸収さ
れ、550〜600nmの黄色光のみが反射するため、
金色を呈する。一方、下層が白色の場合には、透過した
紫色光も下層の白色で反射し、黄色光のみならず紫色光
まで反射し、可視光線の全波長を反射することになるた
め、白色に視覚される。従って、下層の熱変色層を黒色
←→白色に可逆的に変化させることにより、看者に金色
←→白色の可逆的色変化を視覚させることが出来る。
【0011】ここで重要なことは酸化チタンは光学的厚
み180〜240nmの要件を満たさなければならない
ことである。光学的厚みが上記の範囲外であれば反射光
が550〜600nmの波長の光でなくなり金色になら
ないのである。
【0012】さらに、天然雲母粒子の表面に酸化チタン
を被覆し、その上層に酸化鉄を被覆させた金色金属光沢
顔料においては、上記波長選択的な反射、透過作用に加
え、酸化鉄自身の持つ紫色光を吸収し、黄色光を反射す
る特性が加味される事により、より鮮やかな金色から淡
黄色の可逆的色変化を視覚させる。但し、酸化鉄自身の
色により淡黄色に着色するため、下地が白色でも被覆層
は淡黄色に見える。酸化チタンの被覆率が30重量%未
満では十分な金色が出にくい為、金色にするためには酸
化鉄で10重量%を超えて被覆する必要がありその結果
金色にはなるが熱変色材が変色しても金属光沢層は常に
金色を呈する事になり、明瞭な色変化が得られない。ま
た、酸化チタンの被覆率が48重量%を超えると選択的
に反射する光の色が黄色ではなくなる為、その後で酸化
鉄で被覆しても綺麗な金色にはならない。酸化鉄の被覆
率が4重量%未満の場合、上に示した酸化鉄の効果が十
分現れず10重量%を超える場合には、金色にはなる
が、熱変色材が変色しても金属光沢層は常に金色になり
明瞭な色変化が得られない。
【0013】酸化鉄を併用する場合は、酸化チタン被膜
の上に酸化鉄膜を形成するのが金色の金属光沢色の発現
に最も効果的である。酸化鉄の上に酸化チタンを被覆す
ると酸化チタンの反射効果が大きいので酸化鉄の効果が
小さい。酸化チタンと酸化鉄が混在すると酸化鉄が上層
にあるのにくらべ、酸化チタンが酸化鉄の反射光を遮る
場合もあるので酸化鉄の反射効率が悪くなる。酸化チタ
ン膜の上に酸化鉄膜を設けると、酸化鉄層が紫色の光を
吸収し、他の光を反射する性質があり、この光が黄色に
見えるので酸化チタン層による金属光沢を有する金色に
深みを与える効果がある。上層に酸化鉄膜があることに
よりこの酸化鉄層からの反射光は他の層によりさえぎら
れたり反射されることがないからである。
【0014】また、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを
被覆し、その上層に非熱変色性有色染顔料を被覆させた
金色の金属光沢顔料においては、被覆させる非熱変色性
有色染顔料の色により、さらに多種多様な色変化を表現
する事が出来、例えば、黒色←→白色の熱変色性層と組
合わせて、金色←→ピンク色、金色←→青色、等の金色
←→有色の可逆的色変化を視覚させることが出来る。酸
化チタンの被覆率が30重量%未満の場合には、十分な
金色が出にくい為、非熱変色性有色染顔料を被覆する
と、金色には見えない。また、酸化チタンの被覆率が4
8重量%を超えると、選択的に反射する光の色が黄色で
はなくなる為、金色に見えない。また非熱変色性有色染
顔料の被覆率が0.5重量%未満の場合、有色の十分な
色濃度が得られない。10重量%を超える場合には、有
色の色濃度が高過ぎて、金色を表出できない。各顔料は
前記の範囲内にあることにより、選択的に金色の波長の
光を透過し、その補色関係にある波長の光を反射する特
性を与えることが出来る。前記の範囲外になると波長選
択性がなくなるか或いは波長選択性はあっても金色には
ならない。
【0015】前述のように熱変色層は電子供与性呈色化
合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させ
る有機化合物媒体の三成分が用いられる。具体的には例
えば前述の特公昭51−35414号公報等に記載され
る。 (1) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成
分とした可逆性熱変色材料。または、 (2) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さ
ない脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さ
ないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とし
た可逆性熱変色材料。または、 (3) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基
を有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さ
ない鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を
有さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分
を必須成分とし、これを微小カプセルに内包した可逆性
熱変色材料。あるいは、 (4) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基
を有さない高級脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を
有さない鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置
換基を有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必
須成分とし、これをビヒクル中に溶解又は分散してなる
熱変色性材料。等である。
【0016】この他特開昭60−264285号公報に
記載されている大きなヒステリシス特性を示して変色す
る色彩記憶性感温変色性色素を含む熱変色性材料、即ち
温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形
状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇させ
ていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させて
いく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタイプ
の変色材で低温側変色点の間の常温域において、前記低
温側変色点以下又は高温側変色点以上の温度で変化させ
た状態を記憶保持出来る特徴を有する熱変色材料も使用
される。
【0017】つぎに本発明の熱変色積層体を具体的に説
明する。本発明の熱変色積層体は次の(A)〜(C)の
積層体を包含する。 (A)熱変色層に金色の金属光沢顔料層を積層した積層
体。 (B)熱変色性材料に非変色性染顔料を混合してなる熱
変色層に金色の金属光沢顔料層を積層した積層体。 (C)非変色性着色層に熱変色層を積層し、前記熱変色
層上に金色の金属光沢顔料層を積層した積層体。 前記の熱変色積層体は支持体上に直接積層されてもよ
く、また熱変色層と金色の金属光沢顔料層との間にクリ
ヤーコート層や透明ラミネート層を介在させてもよく、
金色の金属光沢顔料層の上側に透明保護膜が積層されて
もよい。次に、本発明の金色の金属光沢調熱変色積層体
を前記した(A)〜(C)に基づき説明する。
【0018】前記した(A)の積層体において、金色の
金属光沢顔料層は、粒度約5〜60μmの金色の金属光
沢顔料が透明樹脂に分散状態で固着された層であり、熱
変色層が、電子供与性呈色性有機化合物、電子受容性化
合物、前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化
合物媒体の三成分の均質相溶体からなる熱変色性材料
(以下、熱変色性材料という)とからなる変色材料が分
散状態で透明な膜形成材で固着された、発色状態の色濃
度の明度値が6以下、消色状態の無色の明度値が8以上
である層であって、金色の金属光沢色から無色、無色か
ら金色の金属光沢色の可逆的色変化を呈する金色の金属
光沢調熱変色積層体が構成される。発色状態の色濃度の
明度値が6以下にあると、上層にある金色の金属光沢顔
料を透過した光を十分吸収する能力があり、例えば、金
色の金属光沢顔料の場合、明瞭に金色の金属光沢色に見
える。しかし、発色状態の明度値が6を越える場合、金
色の金属光沢顔料を透過した光を十分吸収できなくな
り、一部は又、反射してしまうため、明瞭な金色の金属
光沢色に見えなくなる。一方、消色状態の無色の明度値
が8以上にあると金色の金属光沢顔料を透過した光を十
分反射する能力があるため、金色の金属光沢顔料で反射
した光と熱変色性材料で反射した光が混合し、白色光に
戻るため、無色に見える。しかし、消色状態の明度値が
8未満の場合、金色の金属光沢顔料を透過した光を十分
反射できなくなり、一部吸収するため無色にはならず着
色状態の時の金色の金属色が残る。
【0019】(B)の積層体において、前記金色の金属
光沢顔料層が約5〜60μmの金色の金属光沢顔料が透
明樹脂に分散状態で固着された層であり、熱変色層が、
前記熱変色性材料と非変色性の着色剤である染料や顔料
が混合された、発色状態の色濃度の明度値(V)が6
以下、消色状態の有色の明度値(V)が4以上であ
り、且つ(V2)−(V1)>1の関係を満す層であっ
て、金色の金属光沢色から有色、有色から金色の金属光
沢色の可逆的色変化を呈する金色の金属光沢調熱変色積
層体が形成される。発色状態の混色系の色濃度の明度値
(V)が6以下である理由は前記と同様である。一
方、消色状態の混色系の有色の明度値(V)が4以上
で、且つ前記V−V>1を満足する必要がある理由
は、この系では非変色着色剤、すなわち非熱変色性の染
料、顔料が混合され有色となるため明度値は小さくな
り、染顔料の色によって変動する。例えば、黄色、橙色
等では比較的明度値は大きく、逆に赤色、紫色等では明
度値は小さくなる。しかし、満足する色変化を得るため
には消色状態の明度値は発色状態の明度値より少なくと
も1より大であることが必要であり、1以下の場合には
コントラストが小さすぎて色変化が鮮明にならない。こ
のような条件下で4以上の明度値があれば、例えば金色
から有色、有色から金色の可逆的色変化を呈することが
出来る。しかし、4未満になると下地の混色層の色濃度
が濃くなりすぎ、透過光を吸収するので金色が消色状態
でも見えてしまう。
【0020】(C)の積層体において、熱変色層の下層
に色濃度の明度値(V)が4以上であり、且つ熱変色
層の発色状態の明度値(V)との間に、V−V
1の関係を満す非変色性着色層が形成されており、金色
の金属光沢色と非変色性着色層の色との可逆的色変化を
呈する金色の金属光沢調熱変色積層体が構成される。
尚、前記した通り熱変色性材料の発、消色時の明度値が
小さい程、黒色に近く、明度値が大きい程、白色に近い
為、明度値は可視光線をどの程度吸収し、どの程度反射
するかを示し、金色金属光沢顔料層を透過した可視光線
がその下層にある熱変色性層でどのように反射・吸収す
るかを示すことになる。従って、熱変色性層が6以下の
明度値であれば、金色金属光沢顔料を透過した可視光線
を十分吸収できる能力を持ち、その結果として、金色金
属光沢顔料層で反射した黄色光のみが視覚できる為、金
色に見える。また、逆に、8以上の明度値になると、金
色金属光沢顔料層を透過した可視光線を反射することに
なるので、金色金属光沢顔料層で反射した黄色光と熱変
色性層で反射した光の両方を一緒に視覚することになる
為、金色には見えなくなる。即ち、明度値は熱変色性材
料の変色温度以下で金色に見え、変色温度以上で金色が
消える特性を有するかどうかの指標である。
【0021】本発明の明度値は、下記の如く調整した試
料について、東京電色株式会社製TC−3600色差計
を用いて測定して求めた値である。 1. 熱変色層(非変色性染顔料を混合させた系も含
む)の明度値の測定 (1)熱変色層(有色←→無色)の明度値の測定 熱変色性材料10部、50%アクリル酸エステル樹脂/
キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチルイソブ
チルケトン20部を撹拌、混合し、明度値9.1の白色
の塩化ビニールシートにスプレーガンにてスプレー塗装
し、乾燥後の厚み40μmの熱変色層を調製する。得ら
れた熱変色層の発色状態及び消色状態の明度値を測定す
る。 (2)熱変色層(有色I←→有色II)の明度値の測定 熱変色性材料10部、非熱変色性染顔料を所望量、50
%アクリル酸エステル樹脂/キシレン溶液45部、キシ
レン20部及びメチルイソブチルケトン20部を撹拌、
混合し、明度値9.1の白色の塩化ビニールシートにス
プレーガンにてスプレー塗装し、乾燥後の厚み40μm
の熱変色層を調製する。得られた熱変色層の発色状態及
び消色状態の明度値を測定する。 2. 非変色性着色層(非熱変色性染顔料による彩色)
の明度値の測定 非熱変色性染顔料を所望量、50%アクリル酸エステル
樹脂/キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチル
イソブチルケトン20部を撹拌、混合し、明度値9.1
の白色の塩化ビニールシートにスプレーガンにてスプレ
ー塗装し、乾燥後の厚み10μmの非変色性着色層を調
製する。得られた非変色性着色層の明度値を測定する。
【0022】つぎにこの層の膜形成材を例示する。アイ
オノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重
合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重
合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アク
リロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹
脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル
グラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリ
プロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、中低密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエ
チレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアク
リル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、
エポキシアクリレート樹脂。アルキルフェノール樹脂、
ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、
フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性ア
ルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性
アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸
ビニル系エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エ
マルジョン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹
脂、水溶性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性
尿素樹脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹
脂、水溶性ポリブタジエン樹脂。酢酸セルローズ、硝酸
セルローズ、エチルセルローズ、等のセルローズ誘導体
が挙げられる。本発明では前記した樹脂を合成樹脂とい
い、前記した樹脂より目的に応じて適宜選択され適用さ
れる。本発明の熱変色性積層体の各層は塗装組成物を塗
布して形成した塗膜も含まれる。
【0023】つぎに、塗装組成物について説明する。塗
装組成物としては、前述の膜形成材のアルキルフェノー
ル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹
脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アク
リル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン
樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アク
リル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹
脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェ
ノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエ
ン樹脂、セルローズ誘導体等の樹脂を水や有機溶剤等の
展色料に溶解または分散した組成物が使用される。
【0024】この他本発明の熱変色性積層体の各層は、
合成樹脂に各顔料又は熱変色性材料を配合した成形シー
トも包含する。これ等のシートとしては上記の膜形成材
のアイオノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹
脂共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレ
ン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン
共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩
化ビニルグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩
化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩
素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリ
エチレン樹脂、中低密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密
度ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹
脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリ
レート樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹
脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、等の樹脂が使
用される。シートと塗装膜を併用して積層体としてもよ
い。金属光沢顔料層は透明な樹脂を使用することが好ま
しい。積層体は基材表面に形成することも出来また、基
材を用いない積層物として形成することも出来る。
【0025】基材としては各種のフイルムやシートの
他、成形体自体の表面も利用される。つまり成形体の表
面に熱変色性積層体を形成して熱変色性成形物とするこ
とも出来るのである。基材は紙、合成紙、布、不織布、
合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁器、金
属、木材、石材等が用いられる。又、平面状に限らず、
凹凸状、繊維状等加工面を有するものも使用出来る。積
層体の形成は、従来より公知の方法、例えば、スクリー
ン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タ
ンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗
装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸
漬塗装、等の手段により行うことが出来る。又、押出成
形等によりフイルム−シート化し、貼り合わせたり、熱
変色層と金属光沢顔料層を多層成形によって得ることも
出来る。尚、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止
剤、一重項酸素消光剤、老化防止剤、帯電防止剤、極性
付与剤、揺変性付与剤、消泡剤、安定剤、可塑剤、難燃
剤、体質顔料、滑剤、発泡剤等の添加剤を必要に応じ
て、金属光沢顔料層、熱変色層等の各層に添加すること
ができる。
【0026】
【実施例】次に本発明の具体化例を図面について説明す
る。 実施例1 図1は本発明の実施例1で、1は二層からなる熱変色性
積層体である。3は天然雲母の表面を43重量%の酸化
チタンで被覆した光学的厚みが210nmで、粒度が1
0〜60μmの金色金属光沢顔料とアクリル酸エステル
樹脂とからなる厚み約40μmの第1の層であって、こ
の層は反射光の波長を調節する作用を奏する。4は入射
光であり、5は反射光である。入射光4のうち、反射し
なかった光6は、熱変色層2に吸収される。熱変色層2
は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン3部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネ
オペンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエ
ポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カ
プセル化で得られた平均粒子系8μmの微小カプセル形
態で、発色時の明度値が2.2、消色時の明度値が9.
0である熱変色性材料とアクリル酸エステル樹脂とから
なる厚み約40μmの第2層であって、熱により発色と
消色を可逆的に行なう。15℃以下で熱変色層が発色し
て、入射光の一部である550〜600nmの波長の光
5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、金色
の金属光沢色となり、30℃で熱変色層が消色して、透
過光6を反射すると、入射光全てを反射することにな
り、金色金属光沢色は消え無色となる。前記実施例中の
部とあるのは、重量部である。以下の実施例中の部も同
様である。
【0027】実施例2 実施例1の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン1部、1,3−ジメチル−
6−ジエチルアミノフルオラン2部を使用し、同様に調
製した発色時の明度値が2.7、消色時の明度値が8.
8である熱変色性材料を用いた以外は実施例1と同一と
した。同様に15℃以下では、金色の金属光沢色とな
り、30℃以上では、金色金属光沢色は消え無色となっ
た。
【0028】実施例3 実施例1の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、6−ジエチルアミノ−ベンゾ
(a)−フルオラン1.5部を使用し、同様に調製した
発色時の明度値が4.0、消色時の明度値が8.9であ
る熱変色性材料を用いた以外は実施例1と同一とした。
同様に15℃以下では、金色の金属光沢色となり、30
℃以上では、金色金属光沢色は消え無色となった。
【0029】実施例4 実施例1の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、3−(4−ジエチルアミノ−2
−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)−4−アザフタリド1.5部を
使用し、同様に調製した発色時の明度値が3.2、消色
時の明度値が8.7である熱変色性材料を用いた以外は
実施例1と同一とした。同様に15℃以下では、金色の
金属光沢色となり、30℃以上では、金色金属光沢色は
消え無色となった。
【0030】実施例5 実施例1の金色金属光沢顔料に代え、天然雲母の表面を
42重量%の酸化チタンで被覆し、さらに2.5重量%
の紺青で被覆した光学的厚みが210nmで、粒度が1
0〜50μmの金色金属光沢顔料を使用した以外は実施
例1と同一とした。同様に15℃以下では、金色の金属
光沢色となり、30℃以上では、金色金属光沢色は消え
青色となった。
【0031】実施例6 図2は本発明の実施例であって、3は天然雲母の表面を
36重量%の酸化チタンで被覆し、さらに8重量%の酸
化鉄で被覆した光学的厚み200nmで粒度が10〜6
0μmの金色の金属光沢顔料とアクリル酸エステル樹脂
とからなる厚み約40μmの第1の層である。7は混合
系の発色時の明度値が2.5、消色時の明度値が8.9
である実施例1に使用した熱変色性材料と非熱変色性の
蛍光黄色顔料とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚み
約40μmの熱による発色と蛍光黄色顔料の色へと消色
を可逆的に行なう第2の層である。15℃以下で熱変色
層が発色して、入射光の一部である550〜600nm
の波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収す
ると、金色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色層
が消色すると、金色金属光沢色は消え、蛍光黄色顔料の
色となる。9は熱変色層7で反射された黄色光である。
【0032】実施例7 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン1部、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2
部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル
50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂
/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で
得られた平均粒子系8μmの微小カプセル形態の熱変色
性材料と、蛍光ピンク顔料とアクリル酸エステル樹脂と
からなる、混合系の発色時の明度値が2.3、消色時の
明度値が5.5である厚み約40μmの熱による発色と
蛍光ピンク顔料の色へと消色を可逆的に行なう熱変色層
であり、金色金属光沢層3は実施例1と同一とした。同
様に15℃以下では、金色の金属光沢色となり、30℃
以上では、金色金属光沢色は消え蛍光ピンク顔料の色と
なる。9は熱変色層7で反射されたピンク色光を示す。
【0033】実施例8 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子系8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、蛍光ピンク顔料と青色顔料とアクリル酸エステル樹
脂とからなる、混合系の発色時の明度値が2.4、消色
時の明度値が5.5である厚み約40μmの熱による発
色と蛍光ピンク顔料と青色顔料の混合色であるラヴェン
ダーへと消色を可逆的に行なう熱変色層であり、金色金
属光沢層3は実施例1と同一とした。同様に15℃以下
では、金色の金属光沢色となり、30℃以上では、金色
金属光沢色は消え蛍光ピンク顔料と青色顔料の混合色で
あるラヴェンダーの色となる。9は熱変色層7で反射さ
れたラヴェンダー色光を示す。
【0034】実施例9 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA5部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子系8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、青色顔料と白色顔料とアクリル酸エステル樹脂とか
らなる、混合系の発色時の明度値が2.2、消色時の明
度値が5.4である厚み約40μmの熱による発色と青
色顔料と白色顔料の混合色であるパステルブルーへと消
色を可逆的に行なう熱変色層であり、金色金属光沢層3
は実施例1と同一とした。同様に15℃以下では、金色
の金属光沢色となり、30℃以上では、金色金属光沢色
は消え青色顔料と白色顔料の混合色であるパステルブル
ーの色となる。9は熱変色層7で反射されたパステルブ
ルー色光を示す。
【0035】実施例10 図3は本発明の実施例であって、2および3は実施例1
と同じ層であるが、この実施例は熱変色層2の次に非熱
変色性着色剤を配合した第3の層である着色層8を配置
した三層からなる熱変色性積層体である。この実施例で
は、着色層8は明度値が6.3である蛍光オレンジ顔料
とアクリル酸エステル樹脂とからなる厚み約10μmの
蛍光オレンジ層である。15℃以下で熱変色層が発色し
て、入射光の一部である550〜600nmの波長の光
5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、金色
の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色層が消色する
と、金色金属光沢色は消え、下層の蛍光オレンジ顔料の
色となる。10は着色層8で反射されたオレンジ光を示
す。
【0036】実施例11 実施例10の着色層8において、蛍光オレンジ顔料に代
え、明度値が4.7である蛍光レッド顔料を使用し、熱
変色層を発色時の明度値が2.2、消色時の明度値が
9.0である2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチル
アミノフルオラン3部、ビスフェノールA6部、ミリス
チルアルコール25部、カプリン酸セチル25部の相溶
体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬
化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られた平均
粒子系8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料とアク
リル酸エステル樹脂とからなる厚み約40μmの層に代
えた以外は実施例10と同一とした。20℃以下で熱変
色層が発色して、入射光の一部である550〜600n
mの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収
すると、金色の金属光沢色となり、20℃以上で熱変色
層が消色すると、金色金属光沢色は消え、下層の蛍光レ
ッド顔料の色となる。10は着色層8で反射されたレッ
ド光を示した。
【0037】実施例12 実施例11の着色層8において、蛍光レッド顔料に代
え、明度値が5.6である蛍光ピンク顔料を使用した以
外は実施例11と同一とした。同様に20℃以下で熱変
色層が発色して、入射光の一部である550〜600n
mの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収
すると、金色の金属光沢色となり、20℃以上で熱変色
層が消色すると、金色金属光沢色は消え、下層の蛍光ピ
ンク顔料の色となった。10は着色層8で反射されたピ
ンク光を示した。
【0038】実施例13 実施例11の着色層8において、蛍光オレンジ顔料に代
え、明度値が8.2の蛍光グリーン顔料を使用した以外
は実施例10と同一とした。同様に20℃以下で熱変色
層が発色して、入射光の一部である550〜600nm
の波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収す
ると、金色の金属光沢色となり、20℃以上で熱変色層
が消色すると、金色金属光沢色は消え、下層の蛍光グリ
ーン顔料の色となった。10は着色層8で反射されたグ
リーン光を示した。
【0039】比較例1 実施例1の熱変色性材料に代え、発色時の明度値が4.
5、消色時の明度値が6.0である2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン6部、ビスフェ
ノールA10部、ステアリン酸ネオペンチル25部の相
溶体からなる消色時に無色とならない熱変色性組成物を
エポキシ/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプ
セル化で得られた平均粒子系8μmの微小カプセル形態
の熱変色性材料を使用した以外は、実施例1と同一とし
た。15℃以下では熱変色層が発色して、入射光の一部
である550〜600nmの波長の光5を反射し、それ
以外の波長の光6を吸収すると、金色の金属光沢色とな
る。この比較例では、30℃以上で熱変色層が消色して
も、透過光6をまだ十分吸収することができる為、やや
金色が薄くなっただけで、依然として金色の金属光沢色
に見える。
【0040】比較例2 実施例6の蛍光黄色顔料に代え、混合系の発色時の明度
値が2.5、消色時の明度値が3.3である青色顔料と
し、実施例1の熱変色性材料と青色顔料とアクリル酸エ
ステル樹脂とからなる厚み約40μmの熱変色層とした
以外は、実施例6と同一とした。同様に15℃以下では
熱変色層が発色して、入射光の一部である550〜60
0nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を
吸収すると、金色の金属光沢色となる。この比較例で
は、30℃以上で熱変色層が消色しても、透過光6をま
だ十分吸収することができる為、やや青みがかった金色
になっただけで、依然として金色の金属光沢色に見え
る。
【0041】比較例3 実施例10の蛍光オレンジ顔料に代え、赤色顔料とし、
明度値が3.7である着色層8の赤色顔料層を使用した
以外は、実施例10と同一とした。同様に15℃以下で
は、熱変色層が発色して、入射光の一部である550〜
600nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光
6を吸収すると、金色の金属光沢色となる。この比較例
では、30℃以上で熱変色層が消色しても、透過光6を
まだ十分吸収することができる為、やや赤みがかった金
色になっただけで、依然として金色の金属光沢色に見え
る。
【0042】
【発明の効果】本発明の熱変色性積層体は、温度変化に
より金色の金属光沢色から無色又は併用した非熱変色性
着色料の色に可逆的に変色する。本発明にあっては、用
いた熱変色性材料の機能はそのまま維持され、その機能
を有効に発現出来る。即ち、前記変色において、ヒステ
リシス幅の極めて小さい熱変色性材料により熱変色層が
形成された系では、温度変化により高感度に応答して変
色し、中間的なヒステリシス幅の熱変色性材料を適用し
た系では、温度変化に相応の応答を示して変色する。ヒ
ステリシス幅が極めて大きい熱変色性材料により熱変色
層が形成された系では、色変化に要した熱または冷熱を
取り去った後も常温域では変化した様相を保持してお
り、その様相を視覚させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である金色の熱変色性積層体の
説明図である。
【図2】他の実施例の説明図である。
【図3】他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 金色の金属光沢熱変色性積層体 2 熱変色層 3 金色の金属光沢層 4 入射光 5 反射光 6 透過光 7 非熱変色着色料を含んだ熱変色層 8 非熱変色着色層 9 消色時の熱変色層7で反射された光 10 消色時において非熱変色層8で反射された光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09C 1/40 D02G 3/06 D02G 3/06 D21H 27/02 D21H 27/02 B41M 5/18 101A

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.天然雲母の表面を41〜44重量%
    の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜
    240nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光沢
    顔料と膜形成材とからなる反射光の波長を調整する層を
    第一層とし、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
    変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状
    態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と膜形成材
    により形成された層を第二層とした、可逆的に金色の金
    属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体。
  2. 【請求項2】 A.第一層が(a)天然雲母の表面を4
    1〜44重量%の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的
    厚さが180〜240nmであって粒度が5〜60μm
    の金色金属光沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗
    装組成物を被覆して形成した金色の金属光沢呈色塗膜層
    と、 (b)天然雲母の表面を41〜44重量%の酸化チタン
    で被覆した被覆層の光学的厚さが180〜240nmで
    あって粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔料と合成樹
    脂により成形した金色の金属光沢呈色シート、とから選
    んだ反射光の波長を調整する層であり、 B.第二層が(a)電子供与性化合物と電子受容性化合
    物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒
    体とからなる熱変色材料で発色状態の色濃度の明度値が
    6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色
    材料と塗膜形成材と展色料からなる塗装組成物を被覆し
    て形成した層と、 (b)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈
    色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる
    熱変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色
    状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と合成樹
    脂により成形した熱変色シート、 とから選んだ熱変色する層である請求項1に記載され
    た、可逆的に金色の金属光沢色から無色に変色する熱変
    色性積層体。
  3. 【請求項3】 第2層の熱変色性層が非熱変色性の有色
    の染料または顔料を配合した熱変色材料であり発色時の
    混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混
    合系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)
    −(V1)>1である請求項1または2に記載された、
    可逆的に金色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱
    変色性積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    された可逆的に金色の金属光沢色から無色または染顔料
    の色に変色する熱変色性積層体の熱変色性層の次に非熱
    変色性の有色の染料または顔料と膜形成材により形成さ
    れた色濃度の明度値(V3)が4以上であって熱変色材
    料の発色時の明度値(V4)との間に(V3)−(V
    4)>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染顔料着色層
    を配置した可逆的に金色の金属光沢色から染顔料の色に
    変色する熱変色性積層体。
  5. 【請求項5】 金色金属光沢顔料が天然雲母の表面を3
    0〜48重量%の酸化チタンで被覆しその上に4〜10
    重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚みが140
    〜240nmであり粒度5〜60μmの金色の金属光沢
    顔料である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載さ
    れた可逆的に金色の金属光沢色から淡黄色または染顔料
    の色に変色する熱変色性積層体。
  6. 【請求項6】 金色金属光沢顔料が天然雲母の表面を3
    0〜48重量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5
    〜10重量%の非熱変色性有色染顔料を被覆した被覆層
    の光学的厚みが140〜240nmであり粒度5〜60
    μmの金色金属光沢顔料である請求項1ないし4項のい
    ずれか1項に記載された可逆的に金色の金属光沢色から
    非熱変色性染顔料の色に変色する熱変色性積層体。
  7. 【請求項7】 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容
    性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    合物媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である請
    求項1ないし6項のいずれか1項に記載された、可逆的
    に金色から無色ないし淡黄色または染顔料の色に変色す
    る熱変色性積層体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    された可逆的に金色の金属光沢色から無色または染顔料
    の色に変色する熱変色性積層体を裁断して粉末化した熱
    変色性粒状体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    された可逆的に金色の金属光沢色から無色または染顔料
    の色に変色する熱変色性積層体を裁断して糸状とした熱
    変色性糸。
  10. 【請求項10】 A.天然雲母の表面を41〜44重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180
    〜240nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光
    沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物と、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
    色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
    度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展色料、 とからなる二種類の塗装組成物を組合わせた、可逆的に
    金色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体形
    成用二液型組合わせ塗装材
  11. 【請求項11】 熱変色材料と塗膜形成材と展色料とか
    らなる塗装組成物が非熱変色性の有色の染料または顔料
    を配合した発色時の混合系の色濃度の明度値(V1)が
    6以下で消色時の混合系の有色の明度値(V2)が4以
    上であって(V2)−(V1)>1の熱変色性組成物で
    ある請求項10に記載された可逆的に金色の金属光沢色
    から染顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用二液型
    組合わせ塗装材
  12. 【請求項12】 A.天然雲母の表面を41〜44重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180
    〜240nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光
    沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物と、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
    の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
    なる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
    色の明度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展
    色料とからなる塗装組成物と、 (b)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈
    色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる
    発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の
    明度値が8以上である熱変色材料に非熱変色性の有色の
    染料または顔料を配合した発色時の混合系の色濃度の明
    度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有色の明度値
    (V2)が4以上であって(V2)−(V1)>1の塗
    装組成物と、から選んだ熱変色性塗装組成物、 C.非熱変色性の染料または顔料と塗膜形成材と展色料
    により形成された色濃度の明度値(V3)が4以上であ
    って熱変色材料の発色時の明度値(V4)との間に(V
    3)−(V4)>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染
    顔料の着色塗装組成物、 の三種類の重ね塗り塗装組成物を組合わせた可逆的に金
    色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱変色性積層
    体形成用三液型組合わせ塗装材
  13. 【請求項13】 熱変色材が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    化合物媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である
    請求項10ないし12項のいずれか1項に記載された、
    可逆的に金色から無色ないし淡黄色または染顔料の色に
    変色する熱変色性積層体形成用組合わせ塗装材
  14. 【請求項14】 A.天然雲母の表面を41〜44重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180
    〜240nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光
    沢顔料と合成樹脂により成形した金色の金属光沢呈色シ
    ートと、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
    色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
    度値が8以上である熱変色材料と合成樹脂により成形し
    た熱変色シート、の二種類のシートを組み合わせた、可
    逆的に金色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積
    層体形成用シート。
  15. 【請求項15】 熱変色シートが熱変色材料の他に非熱
    変色性の有色の染料または顔料を配合した発色時の混合
    系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系
    の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−
    (V1)>1の熱変色性シートである請求項14に記載
    された可逆的に金色の金属光沢色から染顔料の色に変色
    する熱変色性積層体形成用シート。
  16. 【請求項16】 A.天然雲母の表面を41〜44重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180
    〜240nmであって粒度が5〜60μmの金色金属光
    沢顔料と合成樹脂により成形した金色の金属光沢呈色シ
    ートと、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
    の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
    なる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
    色の明度値が8以上である熱変色材料とにより成形した
    シートと、 (b) 電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の
    呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体と合成樹
    脂とからなる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色
    状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料の他に非
    熱変色性の有色の染料または顔料を配合した発色時の混
    合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合
    系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−
    (V1)>1のシートと、 から選んだ熱変色性シートと、 C.非熱変色性の有色の染料または顔料を合成樹脂に配
    合した色濃度の明度値(V3)が4以上であって熱変色
    材料の発色時の明度値(V4)との間に(V3)−(V
    4)>1の関係が成り立つ、着色性シート、 の三種類のシートを組み合わせた、可逆的に金色の金属
    光沢色から染顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用
    三種組み合わせシート。
  17. 【請求項17】 熱変色材が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    化合物媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である
    請求項14ないし16項のいずれか1項に記載された、
    可逆的に金色から無色ないし淡黄色または染顔料の色に
    変色する熱変色性積層体形成用組合せシート。
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