JP3200691B2 - 銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体 - Google Patents

銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体

Info

Publication number
JP3200691B2
JP3200691B2 JP30579592A JP30579592A JP3200691B2 JP 3200691 B2 JP3200691 B2 JP 3200691B2 JP 30579592 A JP30579592 A JP 30579592A JP 30579592 A JP30579592 A JP 30579592A JP 3200691 B2 JP3200691 B2 JP 3200691B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color
thermochromic material
molding
metallic luster
thermochromic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30579592A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06107852A (ja
Inventor
裕 柴橋
満行 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP30579592A priority Critical patent/JP3200691B2/ja
Publication of JPH06107852A publication Critical patent/JPH06107852A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3200691B2 publication Critical patent/JP3200691B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銀色の金属光沢熱変色性
成形用組成物およびこの組成物を用いた熱変色性成形体
に関する。さらに詳細には、温度変化により銀色からの
色変色を呈する金属光沢調の熱変色性成形用組成物およ
びこの組成物を用いた熱変色性成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温度変化により有色←→無
色、有色〔1〕←→有色〔2〕の可逆的色変化を呈する
熱変色性材は特公昭51−44706号公報、特公昭5
1−44707号公報、特公昭51−44708号公
報、特公昭52−7764号公報、特公昭51−465
48号公報、特開昭62−140881号公報等に記載
されており、これを利用して彩色した熱変色材は示温要
素、玩具要素、マジック要素等として実用に供されてい
る。
【0003】しかしながら、温度変化により銀色の金属
光沢色から無色への可逆的変化や、他の異なる有色への
可逆的色変化を呈する熱変色性材及び前記色変化を鮮明
に発現させる熱変色性成形用組成物は、未だ知られてい
ない。この他、色変化を多様化させる試みは実公平3−
14400号公報に開示されている。この公報に記載さ
れている熱変色材は感熱液晶を真珠光沢層で覆い、真珠
光沢感のある色変化を発現させようとするものである。
【0004】ところが液晶は本来無色であり、可視光線
の選択的散乱である特定の波長を反射する為、裏面に黒
っぽい不透明層が必要であり、従って、その色変化は、
黒−赤−黄−緑−青−紫−黒に見えるため、その上に真
珠光沢層を設けたとしても、色変化は鮮明にならない。
例えば、銀色真珠光沢顔料を使用した場合、その色変化
は、銀色−銀色かかった赤,銀色かかった黄−銀色かか
った緑−銀色かかった青−銀色かかった紫−銀色とな
り、金属光沢色から金属光沢を帯びない色への明瞭な変
化を示さない。又、真珠光沢色から無色の色変化を発現
させることが出来ず、下地を隠蔽したり、顕現させるこ
とが出来ない。銀色は豪華な目立つ色であり銀色からの
変化は看者の注目を集めるのでこのような色変化を行な
う成形用組成物と成形体に対する要求が大きかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、熱変色
性材料による変色効果を有効に奏させ銀色の金属光沢色
から鮮明で多彩に熱変色させる成形用組成物の研究を行
ない、本発明を完成させたのである。本発明に用いる熱
変色性材料は、液晶と異なり、熱変色性材料自体に明瞭
な色変化がある為、成形用合成樹脂を混合した組成物は
下層に黒っぽい不透明層を設ける必要がなく、しかも有
色−無色の変化が出来る特徴がある。全可視光線が反射
されると白色に見える。この場合入射光の全波長の光の
一部が吸収され残りが反射されると暗くなりグレーにな
る。雲母は層状に並ぶので反射光は乱反射せずに同一方
向に反射される。このような反射光は金属光沢を呈す
る。したがって金属光沢を帯びたグレーは銀色となる。
こうして金属光沢の銀色面が表出されるのである。また
非変色性着色剤を混合させることによる銀色の金属光沢
色から有色への明瞭な色変化を看者に視覚させることも
出来る。この種の色変化は前記液晶の系では発現出来な
い。更には、熱変色性材料としてヒステリシス幅が極め
て大きい熱変色性材料いわゆる色彩記憶性感温色素を含
む色材を使用することにより、熱変色に要した熱又は冷
熱を取り去った後も変化した状態を保持させることが出
来、常温域でその状態を視覚させることが出来る効果を
も奏する。こうして銀色の金属光沢色の熱による色変化
が明瞭に発現されるので、本発明の成形用組成物および
この組成物を用いた成形体は、装飾分野、インテリヤ分
野、玩具、文具、情報分野に広く利用される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. A.天然雲母の表面を16〜39重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが110〜170
nmであって粒度が5〜100μmの銀色金属光沢顔料
とB.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈
色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる
熱変色材料であって発色状態の色濃度の明度値が6以下
で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と
C.成形用合成樹脂とからなる、可逆的に銀色の金属光
沢色から無色に熱変色する成形用組成物。 2. 熱変色性材料が非熱変色性の有色の染料または顔
料を配合した熱変色材料であり発色時の混合系の色濃度
の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有色の明
度値(V2)が4以上であって(V2)−(V1)>1
である1項に記載された、可逆的に銀色の金属光沢色か
ら染顔料の色に熱変色する成形用組成物。 3. 熱変色材料が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機媒体をマ
イクロカプセルに包んだ熱変色材料である1項または2
項に記載された、可逆的に銀色の金属光沢色から無色ま
たは染顔料の色に熱変色する成形用組成物。 4. 1項ないし3項のいずれか1項に記載された可逆
的に銀色の金属光沢色から無色または染顔料の色に熱変
色する成形用組成物を使用して射出成形、押出成形、ブ
ロー成形、注型成形等により成形された成形体。」に関
する。
【0007】本発明で使用する銀色の金属光沢顔料は、
具体的には、天然雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆し
た、銀色を呈する顔料である。銀色の金属光沢顔料を更
に具体的に説明すれば、銀色金属光沢顔料は天然雲母粒
子の表面を16〜39重量%の酸化チタンで被覆した、
被覆層の光学的厚さ110〜170nm、粒度5〜10
0μmのものである。
【0008】本発明で用いる金属光沢顔料のチタン被覆
層の光学的厚さとは屈折率×幾何学的厚さのことであっ
て、この厚さは或る一定の波長を反射させることに関連
している。言いかえれば特定の光学的厚みが特定の波長
の光を反射させるのであり、天然雲母の表面に形成した
110〜170nmの酸化チタン層が380〜700n
mの銀色の光を反射するのである。熱変色材料は電子供
与性呈色化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的
に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む熱変色材料
が用いられる。
【0009】熱変色材料はマイクロカプセルに内包して
使用するのが最も好ましい。それは種々の使用条件にお
いて熱変色材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果
を奏することが出来るからである。
【0010】本発明の熱変色性成形用組成物およびこれ
を用いた成形体は前述の銀色の金属光沢顔料と熱変色性
材料が透明な成形用合成樹脂に混合して存在する。本発
明における明度値とは無彩色の配列において、完全な黒
を0、完全な白を10として、その間を明るさの感覚の
差が等間隔になるように分割したマンセル色票系の明度
値を示し、有彩色の明度は有彩色の明るさの感覚がこれ
と等しい無彩色の明度値を示す。即ち、明度値が小さい
程、黒色に近く、明度値が大きい程、白色に近い為、可
視光線をどの程度吸収し、どの程度反射するかの指標に
使うことができ、この指標は、銀色金属光沢顔料を透過
した可視光線がその下にある熱変色性材料でどのように
反射・吸収するかを示すことになる。
【0011】
【作用】本発明の熱変色性成形用組成物およびこれを用
いた成形体は、熱変色材料と成形用合成樹脂に銀色の金
属光沢顔料を分散した組成物および成形体であって、熱
変色材料の色変化を銀色の金属光沢顔料を透して看者に
視覚させるものである。前述の通り全可視光線が反射さ
れると白色に見える。この場合入射光の全波長の光の一
部が吸収され残りが反射されると暗くなりグレーにな
る。雲母は層状に並ぶので反射光は乱反射せずに同一方
向に反射される。このような反射光は金属光沢を呈す
る。したがって金属光沢を帯びたグレーは銀色となる。
こうして金属光沢の銀色面が表出されるのである。
【0012】ここで重要なことは酸化チタンは光学的厚
み110〜170nmの要件を満たさなければならない
ことである。光学的厚みが上記の範囲外であれば反射光
の波長選択性が生じて着色し銀色にならないのである。
【0013】また熱変色成形用組成物として非変色性染
顔料着色剤を配合した組成物を用いると、銀色の金属光
沢色から着色料の有色への可逆的色変化が視覚される。
銀色の金属光沢顔料の層は透明性であるから、その下方
に非変色性着色材が存在するとこの着色材の色を熱変色
材料の熱変色と同時に視覚させることが出来る。
【0014】前述のように熱変色材料は電子供与性呈色
化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起さ
せる有機化合物媒体の三成分が用いられる。具体的には
例えば前述の特公昭51−35414号公報等に記載さ
れるものである。 (1) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成
分とした可逆性熱変色材料。または、 (2) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さ
ない脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さ
ないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とし
た可逆性熱変色材料。または、 (3) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基
を有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さ
ない鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を
有さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分
からなる可逆性熱変色材料。あるいは、 (4) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基
を有さない高級脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を
有さない鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置
換基を有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必
須成分としてなる熱変色性材料。 等である。
【0015】この他、特開昭60−264285号公報
に記載されている、大きなヒステリシス特性を示して変
色する色彩記憶性感温変色性色素を含む熱変色性材料即
ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線
の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇
させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降さ
せていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタ
イプの変色材で低温側変色点の間の常温域において、前
記低温側変色点以下又は高温側変色点以上の温度で変化
させた状態を記憶保持出来る特徴を有する熱変色材料も
使用される。
【0016】本発明の熱変色性成形用組成物を具体的に
説明する。本発明の熱変色性成形用組成物は、次の
(A),(B)の組成物を包含する。 (A)熱変色材料と成形用合成樹脂と銀色の金属光沢顔
料を混合した成形用組成物。 (B)熱変色性材料に非変色性染顔料を混合してなる熱
変色材料に銀色の金属光沢顔料と成形用合成樹脂を混合
した成形用組成物。 前記の熱変色性組成物はペレット、粉末、分散液等の形
状で成形に用いることが出来る。
【0017】前記した(A)の成形用組成物において、
銀色の金属光沢顔料は、粒度約5〜100μmの銀色の
金属光沢顔料であり、熱変色材料が、電子供与性呈色性
有機化合物、電子受容性化合物、前記両者の呈色反応を
可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分の均質相溶
体からなる熱変色性材料(以下、熱変色性材料とある
は、前記構成の熱変色性材料である)と透明な成形用合
成樹脂とからなる、発色状態の色濃度の明度値が6以
下、消色状態の無色の明度値が8以上である組成物であ
り、銀色の金属光沢色から無色、無色から銀色の金属光
沢色の可逆的色変化を呈する銀色の金属光沢調熱変色成
形体が構成される。発色状態の色濃度の明度値が6以下
にあると、銀色の金属光沢顔料を透過した光を十分吸収
する能力があり、例えば、銀色の金属光沢顔料の場合、
明瞭に銀色の金属光沢色に見える。しかし、発色状態の
明度値が6を越える場合、銀色の金属光沢顔料を透過し
た光を十分吸収できなくなり、一部は又、反射してしま
うため、着色し明瞭な銀色の金属光沢色に見えなくな
る。一方、消色状態の無色の明度値が8以上にあると銀
色の金属光沢顔料を透過した光を十分反射する能力があ
るため、銀色の金属光沢顔料で反射した光と熱変色性材
料で反射した光が混合し、白色光に戻るため、銀色に見
えない。
【0018】(B)の組成物において、前記銀色の金属
光沢顔料が約5〜100μmの銀色の金属光沢顔料であ
り、熱変色材料が、前記熱変色性材料と非変色性の着色
剤(染料、顔料)が混合された、発色状態の色濃度の明
度値(V)が6以下、消色状態の有色の明度値
(V)が4以上であり、且つ前記明度値(V)−明
度値(V)>1の関係を満すものであって、透明な成
形用合成樹脂に分散した組成物であり、銀色の金属光沢
色から有色、有色から銀色の金属光沢色の可逆的色変化
を呈する銀色の金属光沢調熱変色成形体が形成される。
発色状態の混色系の色濃度の明度値(V)が6以下で
ある理由は前記と同様である。
【0019】一方、消色状態の混色系の有色の明度値
(V)が4以上で、且つ前記V−V>1を満足す
る必要がある理由は、この系では非変色着色剤、非熱変
色性の染料、顔料が混合され有色となるため明度値は小
さくなり、染顔料の色によって変動する。例えば、黄
色、橙色等では比較的明度値は大きく、逆に赤色、紫色
等では明度値は小さくなる。しかし、満足する色変化を
得るためには消色状態の明度値は発色状態の明度値より
少なくとも1より大であることが必要であり、1以下の
場合にはコントラストが小さすぎて色変化が鮮明になら
ない。このような条件下で4以上の明度値があれば、例
えば銀色から有色、有色から銀色の可逆的色変化を呈す
ることが出来る。しかし、4未満になると混色系の色濃
度が濃くなりすぎ、銀色が消色状態でも見えてしまう。
【0020】明度値は材料の変色温度以下で銀色に見
え、変色温度以上で銀色が消える特性を有するかどうか
の指標である。本発明の明度値は、下記の如く調整した
試料について、東京電色株式会社製TC−3600色差
計を用いて測定して求めた値である。 1. 熱変色材料(非変色性染顔料を混合させた系も含
む)の明度値の測定 (1)熱変色材料(有色←→無色)の明度値の測定 熱変色性材料10部、50%アクリル酸エステル樹脂/
キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチルイソブ
チルケトン20部を撹拌、混合し、明度値9.1の白色
の塩化ビニールシートにスプレーガンにてスプレー塗装
し、乾燥後の厚み40μmの熱変色層を調製する。得ら
れた熱変色層の発色状態及び消色状態の明度値を測定す
る。 (2)熱変色材料(有色I←→有色II)の明度値の測
定 熱変色性材料10部、非熱変色性染顔料を所望量、50
%アクリル酸エステル樹脂/キシレン溶液45部、キシ
レン20部及びメチルイソブチルケトン20部を撹拌、
混合し、明度値9.1の白色の塩化ビニールシートにス
プレーガンにてスプレー塗装し、乾燥後の厚み40μm
の熱変色層を調製する。得られた熱変色層の発色状態及
び消色状態の明度値を測定する。
【0021】つぎにペレット、粉末状の成形用組成物に
用いられる成形用合成樹脂を例示する。アイオノマー樹
脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、ア
クリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、ア
クリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリ
ル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレ
ン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共
重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素
化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン
樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中低
密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ
アクリレート樹脂等が挙げられる。
【0022】つぎに、注型等に用いられる液状の成形用
組成物に用いられる成形用合成樹脂を例示する。アルキ
ルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン
変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、
エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド
樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系
エマルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョ
ン樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶
性アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹
脂、水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶
性ポリブタジエン樹脂、セルローズ誘導体等の合成樹脂
が挙げられる。
【0023】本発明の成形用組成物は射出成形、押出成
形、ブロー成形、圧縮成形等にはペレット状で使用し、
流動浸漬法には粉末状で使用する。注型法には液状で用
いる。本発明の成形体は立体状の三次元成形体のほか、
シートやフイルムも含まれる。尚、紫外線吸収剤、赤外
線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素消光剤、老化防止
剤、帯電防止剤、極性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤、
安定剤、可塑剤、難燃剤、体質顔料、滑剤、発泡剤等の
添加剤を必要に応じて、組成物に添加することができ
る。
【0024】
【実施例】
実施例1 天然雲母の表面を29重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが140nmで、粒度が10〜60μmの銀
色金属光沢顔料20部、発色時の明度値が2・3、消色
時の明度値が8.8である平均粒子径15μmの微小カ
プセル形態の熱変色性材料20部、ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点119℃の高密度
ポリエチレン1000部を均一に混合した後、押出成形
機を用いてシリンダー温度165℃、ゲート温度160
℃の条件で成形し、常法により2〜3mmのペレットを
得た。前記熱変色性ペレットをブロー成形機にて、シリ
ンダー温度175℃の条件で、厚さ約2mm、直径5c
mのボールをブロー成形した。このボールにおいて、1
5℃以下で熱変色性材料が発色して、入射光の可視光線
の一部である光3を反射し、それ以外の波長の光4を吸
収すると、銀色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変
色性材料が消色して、透過光4を反射すると、入射光全
てを反射する事になり、銀色金属光沢色は消え無色とな
る。尚、上記熱変色性材料は、2−アニリノ−3−メチ
ル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノー
ルA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体か
らなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤
の界面重合法による微小カプセル化で得られたものであ
る。尚、配合例中、部とあるは重量部であり、以下の実
施例も同様である。
【0025】実施例2 天然雲母の表面を29重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが140nmで、粒度が10〜60μmの銀
色金属光沢顔料20部、発色時の明度値が2.3、消色
時の明度値が5.3である平均粒子径15μmの微小カ
プセル形態の熱変色性材料20部と蛍光ピンク顔料1.
5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカッ
ト軟化点100℃のポリブロピレン1000部を均一に
混合した後、押出成形機を用いてシリンダー温度165
℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法により2
〜3mmのペレットを得た。前記熱変色性ペレットを射
出成形機にて、シリンダー温度170℃の条件で、厚さ
約3mm、長さ10cm、幅3.7cmのミニチュアカ
ーのボディーを成形した。このボディーにおいて、15
℃以下で熱変色性材料が発色して、入射光の可視光線の
一部である光3を反射し、それ以外の波長の光4を吸収
すると、銀色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色
性材料が消色すると銀色金属光沢色は消え、蛍光ピンク
顔料の色となる。尚、上記熱変色性材料は、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、
ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50
部の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/ア
ミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得ら
れたものである。
【0026】実施例3 天然雲母の表面を38重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが165nmで、粒度が5〜20μmの銀色
金属光沢顔料20部、混合系の発色時の明度値が2.
2、消色時の明度値が5.5である平均粒子径15μm
の微小カプセル形態の熱変色性性材料20部と青色顔料
0.2部と白色顔料0.6部、ベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤2部、ビカット軟化点105℃のリニア低密
度ポリエチレン1000部を均一に混合した後、押出成
形機を用いてシリンダー温度170℃、ゲート温度17
0℃の条件で成形し、常法により2〜3mmのペレット
を得た。前記熱変色性ペレットを押出成形機にて、シリ
ンダー温度180℃の条件で、シート成形を行ない、厚
さ約1mmの熱変色性シートを得た。このシートにおい
て、15℃以下で熱変色性材料が発色して、入射光の可
視光線の一部である光3を反射し、それ以外の波長の光
4を吸収すると、銀色の金属光沢色となり、30℃以上
で熱変色性材料が消色すると銀色金属光沢色は消え、青
色顔料と白色顔料の混合色であるパステルブルーの色と
なる。尚、上記熱変色性材料は、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノ
ールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体
からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化
剤の界面重合法による微小カプセル化で得られたもので
ある。
【0027】実施例4 天然雲母の表面を30重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが150nmで、粒度が10〜50μmの銀
色金属光沢顔料100部、混合系の発色時の明度値が
2.2、消色時の明度値が8.9である平均粒子径15
μmの微小カプセル形態の熱変色性材料100部と蛍光
イエロー顔料10.0部、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤5部、エポキシ樹脂700部、アミン系硬化剤2
50部を均一に混合した後、星型の注形用型に注ぎ、7
0℃で1時間硬化させて、星型の成形物を得た。前記星
において、15℃以下で熱変色性材料が発色して、入射
光の可視光線の一部である光3を反射し、それ以外の波
長の光4を吸収すると、銀色の金属光沢色となり、30
℃以上で熱変色性材料が消色すると銀色金属光沢色は消
え、蛍光イエロー顔料の色となる。尚、上記熱変色性材
料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノ
フルオラン3部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸
ネオペンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物を
エポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小
カプセル化で得られたものである。
【0028】比較例1 実施例1の熱変色材料に代え、発色時の明度値が4.
5、消色時の明度値が6.0である2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン6部、ビスフェ
ノールA10部、ステアリン酸ネオペンチル25部の相
溶体からなる無色とならない熱変色性組成物をエポキシ
樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル
化で得られた平均粒子径15μmの微小カプセル形態の
熱変色性材料を使用した以外は、実施例1と同一とす
る。15℃以下では熱変色性材料が発色して、入射光の
可視光線の一部である光3を反射し、それ以外の波長の
光4を吸収すると、銀色の金属光沢色となる。この比較
例では、30℃以上で熱変色性材料が消色しても、透過
光4をまだ充分吸収する事が出来るため、やや銀色が薄
くなっただけで、依然として銀色の金属光沢色に見え
る。
【0029】比較例2 天然雲母の表面を29重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが140nmで、粒度が10〜60μmの銀
色金属光沢顔料20部、発色時の明度値が2.4、消色
時の明度値が3.2である無色とならない平均粒子径1
5μmの微小カプセル形態の熱変色性材料20部と緑色
顔料15部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、
ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1000部を
均一に混合した後、押出成形機を用いてシリンダー温度
165℃、ゲート温度160℃の条件で成形し、常法に
より2〜3mmのペレットを得た。前記熱変色性ペレッ
トを射出成形機にて、シリンダー温度170℃の条件
で、厚さ約3mm、長さ10cm、幅3.7cmのミニ
チュアカーのボディーを成形した。このボディーにおい
て、15℃以下で熱変色性材料が発色して、入射光の可
視光線の一部である光3を反射し、それ以外の波長の光
4を吸収すると、銀色の金属光沢色となる。この比較例
では、30℃以上で熱変色性材料が消色しても、透過光
4をまだ充分吸収する事が出来るため、緑がかっただけ
で、依然として銀色の金属光沢色に見える。尚、上記熱
変色性材料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチ
ルアミノフルオラン6部、ビスフェノールA10部、ス
テアリン酸ネオペンチル25部の相溶体からなる無色と
ならない熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化
剤の界面重合法による微小カプセル化で得られたもので
ある。
【0030】
【発明の効果】本発明の熱変色性成形用組成物は温度変
化により銀色の金属光沢色から無色または併用した非熱
変色性着色料の色に可逆的に変色するのでこの組成物に
より得た成形体も同じ変色を行なう。ヒステリシス幅の
小さい熱変色性材料を使用すると温度変化に高感度に応
答して変色し、ヒステリシス幅の大きい熱変色材料を用
いると色変化を生じた熱を取去っても常温では変化した
状態を保つことが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.天然雲母の表面を16〜39重量%
    の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが110〜
    170nmであって粒度が5〜100μmの銀色金属光
    沢顔料と B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
    変色材料であって発色状態の色濃度の明度値が6以下で
    消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と C.成形用合成樹脂 とからなる、可逆的に銀色の金属光沢色から無色に熱変
    色する成形用組成物。
  2. 【請求項2】 熱変色性材料が非熱変色性の有色の染料
    または顔料を配合した熱変色材料であり発色時の混合系
    の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の
    有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−(V
    1)>1である請求項1に記載された、可逆的に銀色の
    金属光沢色から染顔料の色に熱変色する成形用組成物。
  3. 【請求項3】 熱変色材料が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材料である請求
    項1または2に記載された、可逆的に銀色の金属光沢色
    から無色または染顔料の色に熱変色する成形用組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    された可逆的に銀色の金属光沢色から無色または染顔料
    の色に熱変色する成形用組成物を使用して射出成形、押
    出成形、ブロー成形、注型成形等により成形された成形
    体。
JP30579592A 1992-09-25 1992-09-25 銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体 Expired - Fee Related JP3200691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30579592A JP3200691B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30579592A JP3200691B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06107852A JPH06107852A (ja) 1994-04-19
JP3200691B2 true JP3200691B2 (ja) 2001-08-20

Family

ID=17949452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30579592A Expired - Fee Related JP3200691B2 (ja) 1992-09-25 1992-09-25 銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3200691B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5249170B2 (ja) * 2009-10-26 2013-07-31 パナソニック株式会社 半導体装置封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06107852A (ja) 1994-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5490956A (en) Thermochromic opaque composition, laminate member employing the same, and three-dimensional member employing said laminate member and capable of concealing and revealing the interior
US5352649A (en) Thermochromic laminate member, and composition and sheet for producing the same
US5688592A (en) Thermochromic laminate comprising light intercepting pigment and light stabilizer
US5585425A (en) Thermochromic opaque/transparent composition, laminate member employing the same, and three-dimensional member employing said laminate member and capable of concealing and revealing the interior
US5721059A (en) Temperature-dependent color/transparency storing resin composition and laminate member employing the same
JP2002234119A (ja) 可逆熱変色遮光性−透光性積層体
JP2002234260A (ja) 可逆熱変色透光性積層体
JP3200691B2 (ja) 銀色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体
JP3172810B2 (ja) 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート
JP3200692B2 (ja) 金色から可逆的に熱変色する成形用組成物とこの組成物を用いた成形体
JP3200690B2 (ja) メタリック色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物と、この組成物を用いた成形体
JPH0781229A (ja) 熱変色性遮光−透光性積層体
JP3245799B2 (ja) 金色の金属光沢色から熱変色する熱変色性塗装膜およびこの塗装膜を製造する為に使用する塗装組成物
JP3245798B2 (ja) 銀色の金属光沢色から熱変色する熱変色性塗装膜およびこの塗装膜を製造する為に使用する塗装組成物
JP3172809B2 (ja) 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート
JP3172808B2 (ja) 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート
JP2001247828A (ja) 可逆感温変色性粘着テープ
JP3306608B2 (ja) 熱変色性真珠光沢加工体
JP3245797B2 (ja) メタリック色の金属光沢色から熱変色する熱変色性塗装膜およびこの塗装膜を製造する為に使用する塗装組成物
JPH08156420A (ja) 熱変色性遮光−透光性組成物及びこれを用いた積層体及び前記積層体を用いた内部隠顕立体物
JP2004203906A (ja) 金属光沢調熱変色性成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体
JP2881249B2 (ja) 熱変色性樹脂組成物
JPH06271787A (ja) 金属光沢調熱変色性スポーツ用品
JPH10146204A (ja) 感温変色性履物
JPH09193279A (ja) 金属光沢調熱変色性積層体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees