JP3200690B2 - メタリック色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物と、この組成物を用いた成形体 - Google Patents

メタリック色の金属光沢色から可逆的に熱変色する成形用組成物と、この組成物を用いた成形体

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JP3200690B2 JP30579492A JP30579492A JP3200690B2 JP 3200690 B2 JP3200690 B2 JP 3200690B2 JP 30579492 A JP30579492 A JP 30579492A JP 30579492 A JP30579492 A JP 30579492A JP 3200690 B2 JP3200690 B2 JP 3200690B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタリック色の金属光沢
熱変色性成形用組成物およびこの組成物を用いた成形体
に関する。さらに詳細には、温度変化により赤、緑、
青、紫色系等のメタリック色からの色変化を呈する金属
光沢調の熱変色性成形用組成物およびこの組成物を用い
た成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温度変化により有色←→無
色、有色〔1〕←→有色〔2〕の可逆的色変化を呈する
熱変色性材は特公昭51−44706号公報、特公昭5
1−44707号公報、特公昭51−44708号公
報、特公昭52−7764号公報、特公昭51−465
48号公報、特開昭62−140881号公報等に記載
されており、これを利用して彩色した熱変色材は示温要
素、玩具要素、マジック要素等として実用に供されてい
る。
【0003】しかしながら、温度変化によりメタリック
色の金属光沢色から無色への可逆的変化や、他の異なる
有色への可逆的色変化を呈する熱変色性成形用組成物及
び前記色変化を鮮明に発現させる熱変色性成形体は、未
だ知られていない。この他、色変化を多様化させる試み
は実公平3−14400号公報に開示されている。この
公報に記載されている熱変色材は感熱液晶を真珠光沢層
で覆い、真珠光沢感のある色変化を発現させようとする
ものである。ところが液晶は本来無色であり、可視光線
の選択的散乱である特定の波長を反射する為、裏面に黒
っぽい不透明層が必要であり、従って、その色変化は、
黒−赤−黄−緑−青−紫−黒に見えるため、その上に真
珠光沢層を設けたとしても、色変化は鮮明にならない。
例えば、メタリック色真珠光沢顔料を使用した場合、そ
の色変化は、メタリック色−メタリック色かかった赤−
メタリック色かかった黄−メタリック色かかった緑−メ
タリック色かかった青−メタリック色かかった紫−メタ
リック色となり、メタリック色を帯びない色への明瞭な
変化を示さない。又、真珠光沢色から無色の色変化を発
現させることが出来ない。金属光沢のメタリック色は豪
華な色でありメタリック色から他の色への変化は最も看
者の注目を集めるのでこのような変色性成形体に対する
要求が大きかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、熱変色
性材料による変色効果を有効に奏させメタリック色の金
属光沢色から鮮明で多彩に熱変色させるため研究を行な
い、本発明を完成させたのである。本発明に用いる熱変
色性材料は、液晶と異なり、熱変色性材料自体に明瞭な
色変化がある為、下に黒っぽい不透明層を設ける必要が
なく、しかも黒色−白色の変化が出来る特徴がある。従
って、前記黒色−白色の熱変色材料とメタリック色金属
光沢顔料を混合することにより、メタリック色の金属光
沢色から白色の色変化を視覚させることが出来る。また
非変色性着色剤を混合させることによるメタリック色の
金属光沢色から有色への明瞭な色変化を看者に視覚させ
ることも出来る。更には、熱変色性材料としてヒステリ
シス幅が極めて大きい熱変色性材料いわゆる色彩記憶性
感温色素を含む色材を使用することにより、熱変色に要
した熱又は冷熱を取り去った後も変化した状態を保持さ
せることが出来、常温域でその状態を視覚させることが
出来る効果をも奏する。こうしてメタリック色の金属光
沢色の熱による色変化が明瞭に発現されるので、本発明
は、各種成形体を提供することが出来、装飾分野、イン
テリヤ分野、玩具、文具、情報分野に広く利用される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415
nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属光
沢顔料と、B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と
両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体と
からなる熱変色材料であって発色状態の色濃度の明度値
が6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変
色材料と、C.成形用合成樹脂とからなる、メタリック
色の金属光沢色から無色に可逆的に熱変色する成形用組
成物。 2. メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の表面を4
5〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上に4〜10
重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚みが245
〜415nmであり粒度5〜60μmのメタリック色の
金属光沢顔料である、1項に記載された可逆的にメタリ
ック色の金属光沢色から淡黄色に熱変色する成形用組成
物。 3. B成分の熱変色性材料が非熱変色性の有色の染料
または顔料を配合した熱変色材料であり発色時の混合系
の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の
有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−(V
1)>1である1項または2項に記載された、可逆的に
メタリック色の金属光沢色から染顔料の色に熱変色する
成形用組成物。 4. メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の表面を4
5〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5
〜10重量%の非熱変色性有色染顔料を被覆した被覆層
の光学的厚みが245〜415nmであり粒度5〜60
μmのメタリック色金属光沢顔料である1項ないし3項
のいずれか1項に記載された可逆的にメタリック色の金
属光沢色から非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用
組成物。 5. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
45〜47重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
245〜275nmのメタリックレッド色の金属光沢顔
料である、1項ないし3項のいずれか1項に記載された
可逆的にメタリックレッド色の金属光沢色から無色また
は非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用組成物。 6. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
48〜50重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
280〜310nmのメタリックパープル色の金属光沢
顔料である、1項ないし3項のいずれか1項に記載され
た可逆的にメタリックパープル色の金属光沢色から無色
または非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用組成
物。 7. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
51〜54重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
315〜350nmのメタリックブルー色の金属光沢顔
料である、1項ないし3項のいずれか1項に記載された
可逆的にメタリックブルー色の金属光沢色から無色また
は非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用組成物。 8. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
55〜58重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
375〜415nmのメタリックグリーン色の金属光沢
顔料である、1項ないし3項のいずれか1項に記載され
た可逆的にメタリックグリーン色の金属光沢色から無色
または非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用組成
物。 9. 熱変色材料が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機媒体をマ
イクロカプセルに包んだ熱変色材料である1項ないし8
項のいずれか1項に記載された、可逆的にメタリック色
から無色または染顔料の色に熱変色する成形用組成物。 10. 1項ないし9項のいずれか1項に記載された可
逆的にメタリック色の金属光沢色から無色または染顔料
の色に熱変色する成形用組成物を使用して射出成形、押
出成形、ブロー成形、注型成形等により成形された成形
体。」に関する。
【0006】本発明で使用するメタリック色の金属光沢
顔料は、具体的には、天然雲母粒子の表面を酸化チタン
で被覆した、メタリック色を呈する顔料である。また酸
化チタン層の上を酸化鉄で被覆した顔料も使用される。
さらに酸化チタン被覆の上を非熱変色性有色染顔料で被
覆した二色性金属光沢顔料も使用される。本発明で言う
メタリック色とは赤系、緑系、青系、紫系等の金属光沢
色を指す。
【0007】メタリック色の金属光沢顔料を更に具体的
に説明すれば、メタリック色金属光沢顔料は天然雲母粒
子の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆した、
被覆層の光学的厚さ245〜415nm、粒度5〜60
μmのもの、天然雲母粒子の表面を45〜58重量%の
酸化チタンで被覆し、その上を4〜10重量%の酸化鉄
で被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415nmで
粒度5〜60μmのものも使用される。天然雲母粒子の
表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上
層を0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料で被覆
した、被覆層の光学的厚さ245〜415nm、粒度5
〜60μmの二色性メタリック色金属光沢顔料も使用出
来る。
【0008】本発明のメタリック色金属光沢顔料の被覆
層の光学的厚さとは屈折率×幾何学的厚さのことであっ
て、この厚さは或る一定の波長を反射させることに関連
している。言いかえれば特定の光学的厚みが特定の波長
の光を反射させるのであり、天然雲母の表面に形成した
245〜415nmの酸化チタン層が380〜700n
mの紫色〜赤色の光を分光選択して反射するのである。
熱変色材料は電子供与性呈色化合物と電子受容性化合物
と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成
分を含む熱変色材料が用いられる。熱変色性材料の発、
消色時の明度値とは無彩色の配列において、完全な黒を
0、完全な白を10として、その間を明るさの感覚の差
が等間隔になるように分割したマンセル色票系の明度値
を示し、有彩色の明度は有彩色の明るさの感覚がこれと
等しい無彩色の明度値を示す。即ち、明度値が小さい
程、黒色に近く、明度値が大きい程、白色に近い。
【0009】
【作用】本発明の熱変性成形用組成物は、熱変色材料に
メタリック色の金属光沢顔料と成形用合成樹脂を混合し
た組成物であって、熱変色材料の色変化をメタリック色
の金属光沢顔料を透して看者に視覚させるものである。
前述のように、酸化チタンを被覆した雲母は酸化チタン
の被覆重量と被覆の光学的厚さによって赤色〜紫色の可
視光線を夫々の色の波長の光線に分光して特定の波長の
光のみを反射し、他の光を透過させる作用を有する。一
方雲母は光を乱反射せず平行光線で反射するので光は金
属光沢を帯びる。金属光沢顔料を透過した光は熱変色し
た熱変色材料で吸収されてしまう。こうして特定の波長
の金属光沢の光が反射されるので特定の色のメタリック
色になるのである。具体的には、雲母は被覆した酸化チ
タンの被覆量、即ち被覆層の厚みを調整することによ
り、干渉時の反射光の波長が変化する作用を奏する。例
えば、選択的に特定の色の光を反射し、他の色の光を透
過するように光学的厚みを調製した酸化チタン被覆雲母
は、透過する光は熱変色材料に吸収され、特定の色光の
みが反射するため、特定色のメタリック色を呈する。一
方、熱変色材料が白色の場合には、透過した光も反射
し、メタリック色光のみならず他の色光まで反射し、可
視光線の全波長を反射することになるため、白色に視覚
される。従って、熱変色材料を黒色←→白色に可逆的に
変化させることにより、看者に特定色のメタリック色←
→白色の可逆的色変化を視覚させる。
【0010】ここで重要なことは酸化チタンは光学的厚
み245〜415nmの要件を満たさなければならない
ことである。
【0011】天然雲母に被覆する酸化チタンの光学的厚
みが上記の範囲内であると厚みに対応して赤色〜紫色の
各色に夫々分光に反射し反射光は平行光線となるのでメ
タリック色の光となる。例えば酸化チタンの被覆重量%
が45〜47%で、光学的厚みが245〜275nmの
顔料は500〜550nmの緑色の光を透過し、650
〜700nmの赤色の光を反射する。メタリック色顔料
を透過した光はその下の熱変色材料に吸収されると看者
の目には赤色系のメタリック色のみが見えることにな
る。
【0012】熱変色材料がメタリック顔料を透過した光
を反射すると看者の目には全可視光線がそのまま見える
ので白色に見えるので、熱変色材料の変色による明度値
の変化によりメタリック色の消失と表出が可逆的に行わ
れる。そして雲母は粒子が平行の層状に並ぶので反射光
は乱反射せず平行光線となる。このような平行反射光は
金属光沢色を帯びるのでこの顔料の反射光は金属光沢を
帯びた赤色の光つまり赤色系のメタリック色となるので
ある。
【0013】同様に、酸化チタンの被覆重量%が55〜
58%で光学的厚みが375〜415nmの顔料は63
0〜700nmの赤色の光を透過し、500〜540n
mの緑色の光を反射し、緑色系のメタリック色となる。
【0014】また、酸化チタンの被覆重量%が51〜5
4%で光学的厚みが315〜350nmの顔料は580
〜630nmの橙色の光を透過し、430〜500nm
の青色の光を反射し、青色系のメタリック色となる。
【0015】酸化チタンの被覆重量%が48〜50%で
光学的厚みが280〜310nmの顔料は530〜58
0nmの黄色の光を透過し、380〜430nmの紫色
の光を反射し紫色系のメタリック色となる。
【0016】このように、本発明の組成物は特定の酸化
チタンの被覆量と、光学的厚みにより、特定の波長の光
を反射し、雲母の干渉作用と熱変色材の有色無色の変色
作用によりメタリック色を表出することが出来るのであ
る。
【0017】さらに、天然雲母粒子の表面に酸化チタン
を被覆し、その上層に酸化鉄を被覆させたメタリック色
金属光沢顔料においては、上記波長選択的な反射、透過
作用に加え、酸化鉄自身の持つ紫色光を吸収し、黄色光
を反射する特性が加味される事により、メタリック色か
ら淡黄色の可逆的色変化を視覚させる。酸化チタンの被
覆率が45重量%未満では十分なメタリック色が出にく
い。また、酸化チタンの被覆率が58重量%を超えて
も、波長選択性が悪くなるので充分なメタリック色には
ならない。酸化鉄の被覆率が4重量%未満の場合上に示
した酸化鉄の効果が十分現れず10重量%を超える場合
には、メタリック色にはなるが、酸化鉄の着色が強すぎ
て、綺麗なメタリック色からの色変化が得られない。酸
化鉄を併用する場合は、酸化チタン被膜の上に酸化鉄膜
を形成するのが、メタリック金属光沢色から淡黄色への
色変化の発現に最も効果的である。酸化鉄の上に酸化チ
タンを被覆すると酸化チタンの反射効果が大きいので酸
化鉄の効果が小さい。酸化チタンと酸化鉄が混在する
と、酸化鉄が上層にあるのにくらべ、酸化チタンが酸化
鉄の反射光を遮る場合もあるので、酸化鉄の反射効率が
悪くなる。酸化チタン膜の上に酸化鉄膜を設けると、酸
化鉄層が紫色の光を吸収し、他の光を反射する性質があ
り、この光が黄色に見えるので酸化チタン層による金属
光沢を有するメタリック色から淡黄色への変化を与える
効果がある。上層に酸化鉄膜があることによりこの酸化
鉄層からの反射光は他の層によりさえぎられたり反射さ
れることがないからである。
【0018】また、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを
被覆し、その上層に非熱変色性有色染顔料を被覆させた
メタリック色の金属光沢顔料においては、被覆させる非
熱変色性有色染顔料の色により、さらに多種多様な色変
化を表現する事が出来、例えば、黒色←→白色の熱変色
性層と組合わせて、メタリック色←→ピンク色、メタリ
ック色←→青色、等のメタリック色←→有色の可逆的色
変化を視覚させることが出来る。酸化チタンの被覆率が
45重量%未満の場合には、十分なメタリック色が出に
くい為、非熱変色性有色染顔料を被覆すると、メタリッ
ク色には見えない。また酸化チタンの被覆率が58重量
%を超えると、波長選択性が悪くなるので、十分なメタ
リック色に見えない。非熱変色性有色染顔料の被覆率が
0.5重量%未満の場合有色の十分な色濃度が得られな
い。10重量%を超える場合には有色の色濃度が高過ぎ
てメタリック色と有色のコントラストが小さくなる。各
顔料は前記の範囲内にあることにより、選択的にメタリ
ック色の波長の光を透過し、その補色関係にある波長の
光を反射する特性を与えることが出来る。前記の範囲外
になると波長選択性がなくなるか或いは波長選択性はあ
ってもメタリック色にはならない。
【0019】また熱変色材料として非変色性染顔料着色
剤を配合した熱変色材料を用いると、メタリック色の金
属光沢色から着色料の有色への可逆的色変化が視覚され
る。メタリック色の金属光沢顔料は透明性であるから、
非変色性着色材が存在するとこの着色材の色を熱変色層
の熱変色と同時に視覚させることが出来る。
【0020】前述の通り熱変色材料は電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物と有機化合物媒体の三成分か
らなる。具体的には例えば前述の特公昭51−3541
4号公報等に記載される、 (1) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成
分とした可逆性熱変色材料。または、 (2) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さ
ない脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さ
ないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とし
た可逆性熱変色材料。または、 (3) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基
を有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さ
ない鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を
有さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分
を必須成分とし、これを微小カプセルに内包した可逆性
熱変色材料。あるいは、 (4) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フ
エノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基
を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基
を有さない高級脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を
有さない鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置
換基を有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必
須成分とし、これをビヒクル中に溶解又は分散してなる
熱変色性材料。 等である。
【0021】熱変色材料はマイクロカプセルに内包して
使用するのが最も好ましい。それは種々の使用条件にお
いて熱変色材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果
を奏することが出来るからである。
【0022】この他、特開昭60−264285号公報
に記載されている、大きなヒステリシス特性を示して変
色する色彩記憶性感温変色性色素を含む熱変色性材料即
ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線
の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇
させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降さ
せていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタ
イプの変色材で低温側変色点の間の常温域において、前
記低温側変色点以下又は高温側変色点以上の温度で変化
させた状態を記憶保持出来る特徴を有する熱変色材料も
使用される。
【0023】本発明の熱変色性成形用組成物を具体的に
説明する。本発明の熱変色成形用組成物は、(A)熱変
色材料にメタリック色の金属光沢顔料と成形用合成樹脂
を混合した組成物と、(B)熱変色性材料に非変色性染
顔料を混合してなる熱変色材料にメタリック色の金属光
沢顔料と成形用合成樹脂を混合した組成物である。
【0024】次に、本発明のメタリック色の金属光沢調
熱変色成形用組成物を前記した(A)と(B)に基づき
説明する。前記した(A)の組成物において、メタリッ
ク色の金属光沢顔料は、粒度約5〜60μmのメタリッ
ク色の金属光沢顔料であり、熱変色材料が、電子供与性
呈色性有機化合物、電子受容性化合物、前記両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分の均
質相溶体からなる熱変色性材料(以下、熱変色性材料と
いう)であって、発色状態の色濃度の明度値が6以下、
消色状態の無色の明度値が8以上であって、成形用合成
樹脂と混合されてメタリック色の金属光沢色から無色、
無色からメタリック色の金属光沢色の可逆的色変化を呈
するメタリック色の金属光沢調熱変色組成物が構成され
る。発色状態の色濃度の明度値が6以下にあると、メタ
リック色の金属光沢顔料を透過した光を十分吸収する能
力があり、例えば、メタリック色の金属光沢顔料の場
合、明瞭にメタリック色の金属光沢色に見える。しか
し、発色状態の明度値が6を越える場合、メタリック色
の金属光沢顔料を透過した光を十分吸収できなくなり、
一部は又、反射してしまうため、明瞭なメタリック色に
見えなくなる。一方、消色状態の無色の明度値が8以上
にあるとメタリック色の金属光沢顔料を透過した光を十
分反射する能力があるため、メタリック色の金属光沢顔
料で反射した光と熱変色性材料で反射した光が混合し、
白色光に戻るため、無色に見える。しかし、消色状態の
明度値が8未満の場合、メタリック色の金属光沢顔料を
透過した光を十分反射できなくなり、一部吸収するため
無色にはならず着色状態の時のメタリック色が残る。
【0025】(B)の組成物において、前記メタリック
色の金属光沢顔料が約5〜60μmであり、熱変色材料
が、前記熱変色性材料と非変色性の着色剤(染料、顔
料)が混合された、発色状態の色濃度の明度値(V
が6以下、消色状態の有色の明度値(V)が4以上で
あり、且つ前記明度値(V)−明度値(V)>1の
関係を満す組成物であって、メタリック色から有色、有
色からメタリック色の可逆的色変化を呈するメタリック
色の金属光沢熱変色成形体が形成される。発色状態の混
色系の色濃度の明度値(V)が6以下である理由は前
記と同様である。一方、消色状態の混色系の有色の明度
値(V)が4以上で、且つ前記V−V>1を満足
する必要がある理由は、この系では非変色着色剤、非熱
変色性の染料、顔料が混合され有色となるため明度値は
小さくなり、染顔料の色によって変動する。例えば、黄
色、橙色等では比較的明度値は大きく、逆に赤色、紫色
等では明度値は小さくなる。しかし、満足する色変化を
得るためには消色状態の明度値は発色状態の明度値より
少なくとも1より大であることが必要であり、1以下の
場合にはコントラストが小さすぎて色変化が鮮明になら
ない。このような条件下で4以上の明度値があれば、例
えばメタリック色から有色、有色からメタリック色の可
逆的色変化を呈することが出来る。しかし、4未満にな
ると下地の混色層の色濃度が濃くなりすぎ、メタリック
色が消色状態でも見えてしまう。
【0026】尚、前記した熱変色性材料の発、消色時の
明度値が小さい程、黒色に近く、明度値が大きい程、白
色に近い為、明度値を可視光線をどの程度吸収し、どの
程度反射するかの指標に使うことができ、この指標は、
メタリック色金属光沢顔料を透過した可視光線がその下
にある熱変色性材料でどのように反射・吸収するかを示
すことになる。
【0027】従って、熱変色性材料が6以下の明度値で
あれば、メタリック色金属光沢顔料を透過した可視光線
を十分吸収できる能力を持ち、その結果として、メタリ
ック色金属光沢顔料で反射したメタリック色光のみが視
覚できる為、メタリック色に見える。また、逆に、8以
上の明度値になると、メタリック色金属光沢顔料を透過
した可視光線を反射することになるので、メタリック色
金属光沢顔料で反射したメタリック色光と熱変色性材料
で反射した光の両方を一緒に視覚することになる為、メ
タリック色には見えなくなる。
【0028】即ち、熱変色性材料の変色温度以下でメタ
リック色に見え、変色温度以上でメタリック色が消える
特性を有するかどうかの指標である。本発明の明度値
は、下記の如く調整した試料について、東京電色株式会
社製 TC−3600色差計を用いて測定して求めた値
である。 1. 熱変色材料(非変色性染顔料を混合させた系も含
む)の明度値の測定 (1)熱変色材料(有色←→無色)の明度値の測定 熱変色性材料10部、50%アクリル酸エステル樹脂/
キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチルイソブ
チルケトン20部を撹拌、混合し、明度値9.1の白色
の塩化ビニールシートにスプレーガンにてスプレー塗装
し、乾燥後の厚み40μmの熱変色材料層を調製する。
得られた熱変色材料層の発色状態及び消色状態の明度値
を測定する。 (2)熱変色材料(有色I←→有色II)の明度値の測
定 熱変色性材料10部、非熱変色性染顔料を所望量、50
%アクリル酸エステル樹脂/キシレン溶液45部、キシ
レン20部及びメチルイソブチルケトン20部を撹拌、
混合し、明度値9,1の白色の塩化ビニールシートにス
プレーガンにてスプレー塗装し、乾燥後の厚み40μm
の熱変色材料層を調製する。得られた熱変色材料層の発
色状態及び消色状態の明度値を測定する。本発明の熱変
色性成形用組成物は前述のメタリック色の金属光沢顔料
と熱変色性材料が透明な成形用合成樹脂と混合した粉末
状、ペレット状、あるいは注型用の液状組成物である。
【0029】つぎに粉末状、またはペレット状の成形用
組成物に用いられる成形用合成樹脂を例示する。アイオ
ノマー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合
樹脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合
樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹
脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル
グラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリ
プロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、中低密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエ
チレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアク
リル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、
エポキシアクリレート樹脂等を挙げることが出来る。
【0030】つぎに、注型用の液状成形用組成物に使用
される成形用合成樹脂を例示す。アルキルフェノール樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹
脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変
性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル
変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ
樹脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹
脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリ
ル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹
脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェ
ノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエ
ン樹脂、セルローズ誘導体等の合成樹脂を挙げることが
出来る。
【0031】尚、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防
止剤、一重項酸素消光剤、老化防止剤、帯電防止剤、極
性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤、安定剤、可塑剤、難
燃剤、体質顔料、滑剤、発泡剤等の添加剤を必要に応じ
て、クリヤーコート層、金属光沢顔料層、熱変色層等の
各層に添加することができる。本発明の組成物は、射出
成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形、圧延成形、流
動浸漬法、注型法等により各種の立体状成形体や、フイ
ルムシートに成形することが出来る。
【0032】
【実施例】
実施例1 天然雲母の表面を47重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが265nmで、粒度が10〜60μmのメ
タリックレッド色金属光沢顔料20部、発色時の明度値
が2.3、消色時の明度値が8.8である平均粒子径1
5μmの微小カプセル形態の熱変色性材料20部、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点1
19℃の高密度ポリエチレン1000部を均一に混合し
た後、押出成形機を用いてシリンダー温度165℃、ゲ
ート温度160℃の条件で成形し、常法により2〜3m
mのペレットを得た。前記熱変色性ペレットをブロー成
形機にて、シリンダー温度175℃の条件で、厚さ約2
mm、直径5cmのボールをブロー成形した。このボー
ルにおいて、15℃以下で熱変色性材料が発色して、入
射光の一部である650〜700nmの波長の光を反射
し、それ以外の波長の光を吸収すると、メタリックレッ
ド色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色性材料が
消色して、透過光を反射すると、入射光全てを反射する
事になり、メタリックレッド色金属光沢色は消え無色と
なる。尚、上記熱変色性材料は、2−アニリノ−3−メ
チル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノ
ールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶体
からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化
剤の界面重合法による微小カプセル化で得られたもので
ある。
【0033】実施例2 天然雲母の表面を48重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが295nmで、粒度が10〜60μmのメ
タリックパープル色金属光沢顔料20部、発色時の明度
値が2.3、消色時の明度値が5.3である平均粒子径
15μmの微小カプセル形態の熱変色性材料20部と蛍
光ピンク顔料1.5部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピレン1
000部を均一に混合した後、押出成形機を用いてシリ
ンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件で成形
し、常法により2〜3mmのペレットを得た。前記熱変
色性ペレットを射出成形機にて、シリンダー温度170
℃の条件で、厚さ約3mm、長さ10cm、幅3.7c
mのミニチュアカーのボディーを成形した。このボディ
ーにおいて、15℃以下で熱変色性材料が発色して、入
射光の−部である380〜430nmの波長の光を反射
し、それ以外の波長の光を吸収すると、メタリックパー
プル色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色性材料
が消色するとメタリックパープル色金属光沢色は消え、
蛍光ピンク顔料の色となる。尚、上記熱変色性材料は、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオ
ラン3部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネオペ
ンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキ
シ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセ
ル化で得られたものである。
【0034】実施例3 天然雲母の表面を57重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが395nmで、粒度が10〜60μmのメ
タリックグリーン色金属光沢顔料20部、混合系の発色
時の明度値が2.2、消色時の明度値が5.5である平
均粒子径15μmの微小カプセル形態の熱変色性性材料
20部と青色顔料0.2部と白色顔料0.6部、ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤2部、ビカット軟化点10
5℃のリニア低密度ポリエチレン1000部を均一に混
合した後、押出成形機を用いてシリンダー温度170
℃、ゲート温度170℃の条件で成形し、常法により2
〜3mmのペレットを得た。前記熱変色性ペレットを押
出成形機にて、シリンダー温度180℃の条件で、シー
ト成形を行ない、厚さ約1mmの熱変色性シートを得
た。このシートにおいて、15℃以下で熱変色性材料が
発色して、入射光の一部である500〜540nmの波
長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、メ
タリックグリーン色の金属光沢色となり、30℃以上で
熱変色性材料が消色するとメタリックグリーン色金属光
沢色は消え、青色顔料と白色顔料の混合色であるパステ
ルブルーの色となる。尚、上記熱変色性材料は、2−ア
ニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3
部、ビスフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル
50部の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂
/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で
得られたものである。
【0035】実施例4 天然雲母の表面を52重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが330nmで、粒度が10〜60μmのメ
タリックブルー色金属光沢顔料100部、混合系の発色
時の明度値が2.2、消色時の明度値が8.9である平
均粒子径15μmの微小カプセル形態の熱変色性材料1
00部と蛍光イエロー顔料10.0部、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤5部、エポキシ樹脂700部、アミ
ン系硬化剤250部を均一に混合した後、星型の注形用
型に注ぎ、70℃で1時間硬化させて、星型の成形物を
得た。前記星において、15℃以下で熱変色性材料が発
色して、入射光の一部である430〜500nmの波長
の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、メタ
リックブルー色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変
色性材料が消色するとメタリックブルー色金属光沢色は
消え、蛍光イエロー顔料の色となる。尚、上記熱変色性
材料は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミ
ノフルオラン3部、ビスフェノールA6部、ステアリン
酸ネオペンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成物
をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微
小カプセル化で得られたものである。
【0036】実施例5 実施例1の天然雲母の表面を47重量%の酸化チタンで
被覆した、光学的厚みが265nmで、粒度が10〜6
0μmのメタリックレッド色金属光沢顔料に代え、天然
雲母の表面を45重量%の酸化チタンで被覆し、さらに
4重量%の酸化鉄で被覆した、光学的厚みが270nm
で、粒度が10〜50μmのメタリックレディッシュパ
ープル色から黄色になる二色性メタリックレディッシュ
パープル金属光沢顔料を使用した以外は実施例1と同様
とした。このボールにおいて、15℃以下で熱変色性材
料が発色して、入射光の一部である650〜70Onm
の波長の光を反射し、それ以外の波長の光を吸収する
と、メタリックレディッシュパープル色の金属光沢色と
なり、30℃以上で熱変色性材料が消色するとメタリッ
クレディッシュパープル色金属光沢色は消え、黄色とな
る。
【0037】比較例1 実施例1の熱変色材料に代え、発色時の明度値が4.
5、消色時の明度値が6.0である2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン6部、ビスフェ
ノールA10部、ステアリン酸ネオペンチル25部の相
溶体からなる無色とならない熱変色性組成物をエポキシ
樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による微小カブセル
化で得られた平均粒子径15μmの微小カプセル形態の
熱変色性材料を使用した以外は、実施例1と同一とす
る。15℃以下では熱変色性材料が発色して、入射光の
一部である650〜700nmの波長の光を反射し、そ
れ以外の波長の光を吸収すると、メタリックレッド色の
金属光沢色となる。この比較例では、30℃以上で熱変
色性材料が消色しても、透過光をまだ充分吸収する事が
出来るため、ややメタリックレド色が薄くなっただけ
で、依然としてメタリックレッド色の金属光沢色に見え
る。
【0038】比較例2 天然雲母の表面を48重量%の酸化チタンで被覆した、
光学的厚みが295nmで、粒度が10〜60μmのメ
タリックパープル色金属光沢顔料20部、発色時の明度
値が2.4、消色時の明度値が3.2である無色となら
ない平均粒子径15μmの微小カプセル形態の熱変色性
材料20部と緑色顔料15部、ベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤2部、ビカット軟化点100℃のポリプロピ
レン1000部を均一に混合した後、押出成形機を用い
てシリンダー温度165℃、ゲート温度160℃の条件
で成形し、常法により2〜3mmのペレットを得た。前
記熱変色性ペレットを射出成形機にて、シリンダー温度
170℃の条件で、厚さ約3mm、長さ10cm、幅
3.7cmのミニチュアカーのボディーを成形した。こ
のボディーにおいて、15℃以下で熱変色性材料が発色
して、入射光の一部である380〜430nmの波長の
光を反射し、それ以外の波長の光を吸収すると、メタリ
ックパープル色の金属光沢色となる。この比較例では、
30℃以上で熱変色性材料が消色しても、透過光をまだ
充分吸収する事が出来るため、緑がかっただけで、依然
としてメタリックパープル色の金属光沢色に見える。
尚、上記熱変色性材料は、2−アニリノ−3−メチル−
6−ジブチルアミノフルオラン6部、ビスフェノールA
10部、ステアリン酸ネオペンチル25部の相溶体から
なる無色とならない熱変色性組成物をエポキシ樹脂/ア
ミン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得ら
れたものである。
【0039】
【発明の効果】本発明の熱変色性成形用組成物は温度変
化によりメタリック色の金属光沢色から無色または併用
した非熱変色性着色料の色に可逆的に変色するのでこの
組成物により得た成形体も同じ変色を行なう。ヒステリ
シス幅の小さい熱変色性材料を使用すると温度変化に高
感度に応答して変色し、ヒステリシス幅の大きい熱変色
材料を用いると色変化を生じた熱を取去っても常温では
変化した状態を保つことが出来る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.天然雲母の表面を45〜58重量%
    の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜
    415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色
    金属光沢顔料と、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
    変色材料であって発色状態の色濃度の明度値が6以下で
    消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と、 C.成形用合成樹脂 とからなる、メタリック色の金属光沢色から無色に可逆
    的に熱変色する成形用組成物。
  2. 【請求項2】 メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の
    表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上に
    4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚み
    が245〜415nmであり粒度5〜60μmのメタリ
    ック色の金属光沢顔料である、請求項1に記載された可
    逆的にメタリック色の金属光沢色から淡黄色に熱変色す
    る成形用組成物。
  3. 【請求項3】 B成分の熱変色性材料が非熱変色性の有
    色の染料または顔料を配合した熱変色材料であり発色時
    の混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の
    混合系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V
    2)−(V1)>1である請求項1または2に記載され
    た、可逆的にメタリック色の金属光沢色から染顔料の色
    に熱変色する成形用組成物。
  4. 【請求項4】 メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の
    表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上
    に0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料を被覆し
    た被覆層の光学的厚みが245〜415nmであり粒度
    5〜60μmのメタリック色金属光沢顔料である請求項
    1ないし3項のいずれか1項に記載された可逆的にメタ
    リック色の金属光沢色から非熱変色性染顔料の色に熱変
    色する成形用組成物。
  5. 【請求項5】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を45〜47重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが245〜275nmのメタリックレッド色の金
    属光沢顔料である、請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載された可逆的にメタリックレッド色の金属光沢色か
    ら無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用
    組成物。
  6. 【請求項6】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を48〜50重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが280〜310nmのメタリックパープル色の
    金属光沢顔料である、請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載された可逆的にメタリックパープル色の金属光沢
    色から無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する成
    形用組成物。
  7. 【請求項7】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を51〜54重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが315〜350nmのメタリックブルー色の金
    属光沢顔料である、請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載された可逆的にメタリックブルー色の金属光沢色か
    ら無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する成形用
    組成物。
  8. 【請求項8】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を55〜58重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが375〜415nmのメタリックグリーン色の
    金属光沢顔料である、請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載された可逆的にメタリックグリーン色の金属光沢
    色から無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する成
    形用組成物。
  9. 【請求項9】 熱変色材料が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材料である請求
    項1ないし8項のいずれか1項に記載された、可逆的に
    メタリック色から無色または染顔料の色に熱変色する成
    形用組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載された可逆的にメタリック色の金属光沢色から無色ま
    たは染顔料の色に熱変色する成形用組成物を使用して射
    出成形、押出成形、ブロー成形、注型成形等により成形
    された成形体。
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