JPH0976394A - 虹彩熱変色性積層体及びそれを用いた織布 - Google Patents

虹彩熱変色性積層体及びそれを用いた織布

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JPH0976394A
JPH0976394A JP7256799A JP25679995A JPH0976394A JP H0976394 A JPH0976394 A JP H0976394A JP 7256799 A JP7256799 A JP 7256799A JP 25679995 A JP25679995 A JP 25679995A JP H0976394 A JPH0976394 A JP H0976394A
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thermochromic
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transparent
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Michiyuki Yasuda
満行 安田
Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化により色変化するのみでなく、色変
化の更なる多彩化と光沢感を付与し、顕著性、装飾性を
満たす満たす積層体、更には、前記糸状積層体を用いた
織布を提供する。 【解決手段】 透明虹彩性多層フイルム層2、熱変色性
材料が透明樹脂バインダー中に分散状態に固着されて形
成した熱変色層3及び透明樹脂層4の三層を必須とする
虹彩熱変色性積層体1及び前記構成の平糸を用いた織
布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、虹彩熱変色性積層
体及びそれを用いた織布に関する。更に詳細には、温度
変化により多彩な虹彩性及び色変化を呈する積層体及び
前記積層構造の平糸又は細片等の積層体及び前記平糸を
用いた織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶のコーティング層、或いは電
子の授受反応により発消色する熱変色層を設けた熱変色
性糸に関する提案が開示されている(特公昭51−25
32号公報、実開昭59−83985号公報等)。前記
液晶の系は、液晶自体の性質に依存して黒又は濃紺等の
シート状濃色基材を必須とし、色及び変色温度等の制約
を余儀なくされる。一方、後者の非液晶の熱変色層によ
る系では、前記の制約がなく、有色から無色、或いは無
色から有色、或いは有色から他の異なる有色への多彩な
可逆的色変化を視覚させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、温度変
化により色変化を示すのみでなく、色変化の更なる多彩
化と光沢感を付与して特異な様相を呈し、しかも顕著
性、装飾性を満たす積層体を提供しようとするものであ
る。具体的態様としてシート状のものは勿論、平糸、細
片や、前記平糸を用いた織布を提供し、玩具、人形、装
飾等多様な分野に適用しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】以下に本発明を図面につ
いて説明する(図1〜3参照)。本発明は、二種又はそ
れ以上の種類の樹脂の薄膜が交互に積層された透明虹彩
性多層フィルム層2、熱変色性材料が透明性樹脂バイン
ダー中に分散状態に固着された熱変色層3及び透明樹脂
層4の三層を必須とする虹彩熱変色性積層体1を要件と
する。更には、前記積層体1は細幅の平糸11であり、
前記平糸11を用いた織布7を要件とする。
【0005】前記において、透明樹脂層4は透明樹脂フ
ィルム41或いは透明性虹彩性多層フィルム2であって
もよく、更に熱変色層3の下層に透明樹脂バインダー5
を介して接合してもよい。前記積層体に透明樹脂バイン
ダーを介在させると、複雑な製造工程を経ることなく積
層体が構成される。更に前記透明性樹脂層として前記し
たフィルムを用いることにより、同様に複雑な製造工程
を経ることなく積層体が構成される。尚、前記透明樹脂
層4は、必要に応じて透明樹脂によるコーティング層で
あってもよい。
【0006】前記平糸11は、二種又はそれ以上の種類
の樹脂の薄膜が交互に積層された透明虹彩性多層フィル
ム層2、熱変色性材料が透明性樹脂バインダー中に分散
状態に固着された熱変色層3及び透明樹脂フィルム層4
の三層が接合されたシート状の虹彩熱変色性積層体1を
細幅に裁断して得られるものであり、前記平糸11を用
いて虹彩熱変色性織布7が得られる。この際、非虹彩熱
変色性平糸6(通常、織布用に適用される非変色性糸或
いは可逆熱変色性糸)を混在させて織布7を構成するこ
ともできる。又、前記平糸11においても、透明樹脂層
4は透明樹脂フィルム41或いは透明性虹彩性多層フィ
ルム2であってもよく、更に熱変色層3の下層に透明樹
脂バインダー5を介して接合してもよい。尚、前記透明
樹脂層4は、必要に応じて透明樹脂によるコーティング
層であってもよい。
【0007】本発明の虹彩熱変色性積層体1において、
平糸11或いは前記平糸を用いた織布7は、玩具或いは
人形の構成要素の一部、即ち人形衣裳、髪、リボンその
他の飾り等の付属的装飾要素として有効であり、顕著
性、意匠的効果を与える。
【0008】前記虹彩透明性多層フィルム層2は、具体
的には、表裏両表面層はポリプロピレン層で内部にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層
と交互に113層形成された、反射光の色が青及び緑色
の干渉光をもつ厚みが15μmの透明性多層フィルム、
表裏両表面層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢
酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互
に113層形成された、反射光の色が緑色及び赤色の干
渉光をもつ厚みが17μmの透明性多層フィルム、表裏
両表面層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に2
26層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干渉光
をもつ厚みが28μmの透明性多層フィルム、表裏両表
面層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル
共重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に226
層形成された、反射光の色が赤色及び緑色の干渉光をも
つ厚みが31μmの透明性多層フィルム、表裏両表面層
はポリエステル層で内部にポリエステルの薄層とポリオ
レフィンの薄層とが交互に113層形成された、反射光
の色が青色及び緑色の干渉光をもつ厚みが15μmの透
明性多層フィルム、表裏両表面層はポリエステル層で内
部にポリエステルの薄層とポリオレフィンの薄層とが交
互に113層形成された、反射光の色が赤色及び緑色の
干渉光をもつ厚みが17μmの透明性多層フィルム、表
裏両表面層はポリプロピレン層で内部にポリオレフィン
の薄層とポリエステルの薄層とが交互に113層形成さ
れた、反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ厚みが
15μmの透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリプ
ロピレン層で内部にポリオレフィンの薄層とポリエステ
ルの薄層とが交互に113層形成された、反射光の色が
赤色及び緑色の干渉光をもつ厚みが17μmの透明性多
層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内部にポ
リエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に11
3層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干渉光を
もつ厚みが15μmの透明性多層フィルム、表裏両表面
層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアク
リル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、反射光
の色が赤色及び緑色の干渉光をもつ厚みが17μmの透
明性多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内
部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互
に113層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干
渉光をもつ厚みが30μmの透明性多層フィルム、表裏
両表面層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層
とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された、
反射光の色が赤色及び緑色の干渉光を持つ34μmの透
明性多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内
部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互
に226層形成された、反射光の色が青色及び緑色の干
渉光をもつ厚みが28μmの透明性多層フィルム、表裏
両表面層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層
とアクリル樹脂の薄層とが交互に226層形成された、
反射光の色が赤色及び緑色の干渉光をもつ厚みが31μ
mの透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリエステル
層で内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層と
が交互に113層形成された、反射光の色が青色及び緑
色の干渉光をもつ厚みが15μmの透明性多層フィル
ム、表裏両表面層はポリエステル層で内部にポリエステ
ルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成
された、厚みが17μmの反射光の色が赤色及び緑色の
干渉光をもつ透明性多層フィルム等が挙げられる。
【0009】前記透明性樹脂フィルムは、従来より汎用
の各種樹脂フィルムが有効であり、以下に例示する。高
圧ポリエチレンフィルム、中低圧ポリエチレンフィル
ム、架橋ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル
共重合フィルム、エチレン−アクリル酸エステル共重合
フィルム、アイオノマーフィルム、エチレン−プロピレ
ン共重合フィルム、プロピレンフィルム、塩化ビニル−
プロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化
ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビ
ニルアルコールフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、アセテートフィルム、ポリエステ
ルフィルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルム、
ポリイミドフィルム、ポリウレタンフィルム、オブラー
ト、再製腸フィルム、ポリペプチットフィルム等を挙げ
ることができる。前記フィルムは、無色透明に限らず、
青色透明、赤色透明、黄色透明等の有色透明のものも有
効である。
【0010】前記可逆熱変色性材料は、電子供与性呈色
性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に
生起させる有機化合物媒体の三成分を含む熱変色材料が
用いられる。具体的には、例えば前述の特公昭51−3
5414号公報、特公昭51−44706号公報、特公
平1−17154号公報等に記載されている可逆熱変色
性材料、即ち、 (1)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成分
とした可逆熱変色性材料。または、 (2)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さな
い脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さな
いエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とした
可逆熱変色性材料。または、 (3)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を有
さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分を
必須成分とし、これを微小カプセルに内包した可逆熱変
色性材料。あるいは、 (4)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置換基を
有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分
とし、これをビヒクル中に溶解又は分散してなる可逆熱
変色性材料等である。
【0011】この他、本出願人が提案した特公平4−1
7154号公報に記載されている、大きなヒステリシス
特性を示して変色する色彩記憶性熱変色性材料、即ち、
温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形
状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇させ
ていく場合と逆に変色温度より高温側から下降させてい
く場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタイプの
変色材であり、低温側変色点(着色温度)と高温側変色
点(消色温度)の間の常温域において、前記低温側変色
点以下又は高温側変色点以上の温度で変化させた状態を
記憶保持出来る特徴を有する可逆熱変色性材料も使用さ
れる。
【0012】又、本出願人が提案した特公平1−293
98号公報に記載した如き、温度変化による色濃度−温
度曲線に関し、3℃以下のヒステリシス幅をもつ、高感
度の可逆熱変色性材料も有効である。
【0013】前記した可逆熱変色性材料は、通常、微小
カプセルに内包させて適用できるが、微小カプセルに内
包させず、そのままの適用でも有効である。又、電子供
与性呈色性有機化合物、フェノール性水酸基を有する化
合物及び前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒
体の三者の均質相溶体を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂等に微粒子状に分散させて得られる、特開平6−1
35144号公報等に記載の可逆熱変色性材料も有効で
ある。
【0014】前記熱変色性材料は、透明性樹脂バインダ
ーを含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの色材
として適用され、コーティング層、塗膜形態として熱変
色層3を形成できる。
【0015】前記における熱変色性材料は、透明樹脂バ
インダー中に0.5〜70重量%、好ましくは1〜50
重量%含有させることができる。0.5重量%未満の配
合量では鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、70重量
%を越えるとフィルムとの接着性が損なわれる。
【0016】熱変色層3は従来より公知の方法、例え
ば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、
コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、
スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラ
ー塗り、浸漬塗装等の手段により設けることができる。
【0017】前記した熱変色層3には、非熱変色性有色
染顔料の適宜量を混在させて熱変色層の色変化を多彩に
構成することができる。又、熱変色層3の下層には、文
字、図柄等の像を配し、これらの像を隠顕させる構成と
なしてもよい。
【0018】本発明に適用の透明樹脂バインダー5は、
透明状の膜形成樹脂であればよく、従来より汎用の各種
バインダーが適用でき、以下に例示する。アイオノマー
樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、
アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、
アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニト
リル塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレ
ン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共
重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素
化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹
脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリ
レート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェ
ノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ア
ルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキ
シ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、
アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、天然ゴ
ム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリビニルアルキ
ルエーテル、ロジン、ロジンエステル、ロジン誘導体、
ポリテルペン樹脂、油溶性フェノール樹脂、石油系炭化
水素樹脂、シェラック、環化ゴム、酢酸ビニル系エマル
ジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹
脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性ア
ルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水
溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリ
ブタジエン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、エ
チルセルローズ等を挙げることができ、水や有機溶剤等
の適宜の溶剤に溶解または分散させて適用できる。
【0019】前記した積層体の構成において、各層間、
或いは外層には、光安定剤層を適宜設けることができ
る。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化
防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキ
シドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、
赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着し
た層である。
【0020】
【作用】熱変色層が中間層に位置し、少なくとも一方の
面には透明虹彩性多層フィルム層が積層されており、前
記熱変色層の変色及び虹彩性は積層体の表裏両面から視
覚される。前記透明虹彩性多層フィルムは、可視光線の
波長の干渉作用により生じる虹彩効果を有し、その効果
は背面が黒等の明度値が低い時は干渉光を発し、一方、
明度値が高い組み合わせの系では干渉光の視認性が弱め
られるといった、色変化の視覚に干渉光の強弱が付加さ
れ、熱変色層を含む着色層により多彩に様相が変化す
る。更に、両面から色変化が視覚されるため、見る角度
によって多様な干渉光の変化と色変化を加えて見ること
ができる。又、透明樹脂層のかわりに透明虹彩性多層フ
ィルム層を用いると、表裏両面から視覚される熱変色層
の変色及び虹彩効果がより向上する。前記虹彩熱変色性
積層体が平糸等の糸状物及びそれを用いた織布、或いは
細片の場合、それ自体の方向性に自由度が増すため、看
者が観る角度を変えなくても、一方向から見て多様な干
渉光が視覚される。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、具体的に実施例を示す。実
施例中の部は総て重量部である。 実施例1(図1参照) 1,2─ベンツ─6─ジエチルアミノフルオラン3部、
ビスフェノールA5部、ミリスチルアルコール25部、
ミリスチン酸デシル25部からなる可逆熱変色性材料を
エポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイクロカプ
セル顔料(10℃以下でピンク色、15℃以上で無色)
5部、塩化ビニル─酢酸ビニル共重合樹脂15部、キシ
レン35部、酢酸エチル39部、消泡剤1部を分散、混
合したインキをドクターコートにより、透明虹彩性多層
フィルム層2としてIRIDESCENT FILM
IF−8181R/G(Mearl社製)上に塗布して
熱変色層3を形成した。
【0022】更に前記熱変色層3の上面に、透明樹脂バ
インダー5として、アクリル系樹脂トルエン・酢酸エチ
ル溶液(固形分40%)を塗布し、溶剤を蒸発させた
後、透明樹脂層4として厚みが16μmのポリエチレン
テレフタレートフィルムをロールで圧着してラミネート
し、虹彩熱変色性積層体1を得た。
【0023】前記積層体1は、IRIDESCENT
FILM側からみると、10℃以下では虹彩光沢を有し
たピンク色を呈しており、15℃以上では無色半透明の
状態を呈する。又、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム側からみると10℃以下では若干虹彩光沢を有したピ
ンク色を呈しており、15℃以上では無色半透明の状態
を呈する。
【0024】実施例2(図2参照) 3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド1部、ビスフェノールA4部、ミリ
スチルアルコール25部、ミリスチン酸デシル25部か
らなる可逆熱変色性材料をエポキシ樹脂皮膜で内包した
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(10℃以下で青
色、15℃以上で無色)5部、1,2−ベンツ−6−ジ
エチルアミノフルオラン3部、ビスフェノールA5部、
セチルアルコール25部、カプリン酸ステアリル25部
からなる可逆熱変色性材料をエポキシ樹脂皮膜で内包し
た可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(約30℃以下で
ピンク色、約30℃以上で無色)5部、ポリオール系樹
脂酢酸エチル・メチルエチルケトン溶液(固形分67
%)30部、イソシアネート系硬化剤3部、酢酸エチル
10部を分散・混合したインキをグラビアコートによ
り、透明虹彩性多層フィルム層2としてIRIDESC
ENT FILM IF−4781 R/G(Mear
l社製)上に塗布して熱変色層3を形成し、溶剤を蒸発
させた後、さらにIRIDESCENT FILM I
F−8181 B/V〔透明虹彩性多層フィルム層2
(Mearl社製)〕をロールで圧着して、ラミネート
し、虹彩熱変色性積層体1を得た。
【0025】前記積層体1は、どちらの面からみても、
10℃以下では虹彩光沢を有した紫色を呈しており、1
5℃以上30℃以下では虹彩光沢を有したピンク色を呈
しており、30℃以上では無色半透明の状態を呈する。
【0026】実施例3(図3参照) 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオ
ラン3部、ビスフェノールA5部、ステアリン酸ネオペ
ンチル50部からなる均質相溶体をエポキシ樹脂皮膜で
内包した色彩記憶性熱変色性マイクロカプセル顔料(消
色温度30℃、着色温度15℃)5部、蛍光ピンク顔料
0.5部、アクリル樹脂キシレン溶液(固形分50%)
30部、酢酸ブチル10部、消泡剤1部を分散・混合し
たインキをグラビアコートにより、透明虹彩性多層フィ
ルム層2としてIRIDESCENT FILM IF
−8181 R/G(Mearl社製)上に塗布して熱
変色層3を形成した。
【0027】更に前記熱変色層3の上面に、透明樹脂バ
インダー5としてウレタン樹脂酢酸エチル溶液(固形分
80%)を塗布し、溶剤を蒸発させた後、さらにIRI
DESCENT FILM IF−8181 R/G
(透明虹彩性多層フィルム層2)をロールで圧着してラ
ミネートし、虹彩熱変色性積層体1を得た。
【0028】前記積層体1は、どちらの面からみても1
5℃以下では虹彩色を有した黒色を呈しており、30℃
以上になると虹彩色を有した黒色は消え、半透明ピンク
色に変化し、室温でこの状態を維持した。次に、再び1
5℃以下にすると半透明ピンク色から虹彩色を有した黒
色へ変化し、室温でこの状態を維持した。
【0029】実施例4 3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド1部、ビスフェノールA4部、ステ
アリン酸ネオペンチル50部からなる均質相溶体をエポ
キシ樹脂皮膜で内包した色彩記憶性熱変色性マイクロカ
プセル顔料(消色温度30℃、着色温度15℃)5部、
塩化ビニル─酢酸ビニル共重合樹脂15部、トルエン3
5部、酢酸エチル39部、消泡剤1部を分散・混合した
インキをグラビアコートによりIRIDESCENT
FILM IF−8181R/G(Mearl社製)上
に塗布し、更にその上面よりポリエステル系樹脂トルエ
ン溶液(固形分50%)90部、硬化剤10部を混合し
た接着剤を塗布し、溶剤を蒸発させた後、厚みが16μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルムをロールで圧
着してラミネートし、虹彩熱変色性積層フィルムを得
た。
【0030】前記フィルムは、IRIDESCENT
FILM側からみると、15℃以下では虹彩光沢を有し
た青色を呈しており、30℃以上になると虹彩色を有し
た青色は消え、半透明無色に変化し、室温でこの状態を
維持した。次に、再び15℃以下にすると半透明無色か
ら虹彩色を有した青色へ変化し、室温でこの状態を維持
した。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム側か
らみると、15℃以下では青色を呈しており、30℃以
上になると青色は消え、無色半透明に変化し、室温でこ
の状態を維持した。次に、再び15℃以下にすると無色
半透明から青色へ変化し、室温でこの状態を維持した。
【0031】実施例5 2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオ
ラン3部、ビスフェノールA5部、セチルアルコール2
5部、カプリン酸ステアリル25部からなる可逆熱変色
性材料をエポキシ樹脂皮膜で内包した可逆熱変色性マイ
クロカプセル顔料(30℃以下で黒色、約30℃以上で
無色)5部、ポリオール系樹脂酢酸エチル・メチルエチ
ルケトン溶液(固形分67%)30部、イソシアネート
系硬化剤3部、酢酸エチル10部を分散・混合したイン
キをグラビア印刷によりIRIDESCENT FIL
M IF−8181R/G(Mearl社製)上に縞柄
に印刷し、更にその上面よりポリエステル樹脂トルエン
溶液(固形分50%)90部、硬化剤10部を混合した
接着剤を塗布し、溶剤を蒸発させた後、さらにIRID
ESCENT FILM IF−8181R/G(Me
arl社製)をロールで圧着してラミネートし、虹彩熱
変色性積層フィルムを得た。
【0032】前記フィルムは、どちらの面からみても3
0℃以下では虹彩色を有した黒色の縞模様が現れ、30
℃以上になると虹彩色を有した黒色の縞模様は消え無色
半透明を呈する。
【0033】実施例6 1,2─ベンツ─6─ジエチルアミノフルオラン3部、
ビスフェノールA5部、ステアリン酸ネオペンチル50
部からなる均質相溶体をエポキシ樹脂皮膜で内包した色
彩記憶性熱変色性マイクロカプセル顔料(消色温度30
℃、着色温度15℃)5部、ポリエステル樹脂トルエン
溶液(固形分50%)30部、硬化剤3部を分散・混合
したインキをドクターコートによりIRIDESCEN
T FILM IF−8181R/G(Mearl社
製)上に塗布し、溶剤を蒸発させた後、黄色に着色され
た透明ポリ塩化ビニルフィルムをロールで圧着して、ラ
ミネートし、虹彩熱変色性積層フィルムを得た。
【0034】前記フィルムは、IRIDESCENT
FILM側からみると、15℃以下では虹彩光沢を有し
た赤色を呈しており、30℃以上になると虹彩色を有し
た赤色は消え、半透明黄色に変化し、室温でこの状態を
維持した。次に、再び15℃以下にすると半透明黄色か
ら虹彩色を有した赤色へ変化し、室温でこの状態を維持
した。また、黄色透明ポリ塩化ビニルフィルム側からみ
ると、15℃以下では橙色を呈しており、30℃以上に
なると橙色は消え、半透明黄色に変化し、室温でこの状
態を維持した。次に、再び15℃以下にすると半透明黄
色から橙色へ変化し、室温でこの状態を維持した。
【0035】実施例7 青色インキをグラビア印刷によりIRIDESCENT
FILM IF−8181R/G(Mearl社製)
上に水玉模様で印刷し、その上に、3−(2−エトキシ
−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
1部、ビスフェノールA4部、ステアリン酸ネオペンチ
ル50部からなる均質相溶体をエポキシ樹脂皮膜で内包
した色彩記憶性熱変色性マイクロカプセル顔料(消色温
度30℃、着色温度15℃)5部、ポリエステル樹脂ト
ルエン溶液(固形分50%)30部、硬化剤3部を分散
・混合したインキをドクターコートにより塗布し、溶剤
を蒸発させた後、更にIRIDESCENT FILM
IF−8181R/G(Mearl社製)とロールで
圧着してラミネートし、虹彩熱変色性積層フィルムを得
た。
【0036】前記フィルムは、どちらの面からみても1
5℃以下では虹彩色を有した青色を呈しており、30℃
以上になると虹彩色を有した青色は消え、虹彩色を有し
た青色の水玉模様が現れ、室温でこの状態を維持した。
次に、再び15℃以下にすると虹彩色を有した青色の水
玉模様は消え、全面が虹彩色を有した青色へ変化し、室
温でこの状態を維持した。
【0037】実施例8 実施例1で得られた虹彩熱変色性積層体1を0.5mm
幅の糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、
0.5mm幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0038】前記平糸は、10℃以下では虹彩光沢を有
したピンク色を呈する平糸となり、15℃以上では半透
明無色を呈する平糸となった。また、この平糸は、それ
自体が種々の方向を向くため、多様な虹彩色を色変化と
共に見ることができる。
【0039】実施例9 実施例2で得られた虹彩熱変色性積層体1を5mm幅の
糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、5m
m幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0040】前記平糸は、10℃以下では虹彩光沢を有
した紫色を呈する平糸となり、15℃以上30℃以下で
は虹彩光沢を有したピンク色を呈する平糸となり、30
℃以上では無色半透明を呈する平糸となった。また、こ
の平糸は、それ自体が種々の方向を向くため、多様な虹
彩色を色変化と共に見ることができる。
【0041】実施例10 実施例3で得られた虹彩熱変色性積層体1を2mm幅の
糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、2m
m幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0042】前記平糸は、15℃以下では虹彩光沢を有
した黒色を呈する平糸となり、30℃以上になると虹彩
色を呈する黒色は消え、半透明ピンク色を呈する平糸と
なり、室温でこの状態を維持した。次に、再び15℃以
下にすると半透明ピンク色から虹彩色を有した黒色へ変
化し、室温でこの状態を維持した。また、この平糸は、
それ自体が種々の方向を向くため、多様な虹彩色を色変
化と共に見ることができる。
【0043】実施例11 実施例4で得られた虹彩熱変色性積層フィルムを1cm
幅の糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、
1cm幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0044】前記平糸は、15℃以下では虹彩光沢を有
した青色を呈する平糸となり、30℃以上になると虹彩
色を呈する青色は消え、無色半透明を呈する平糸とな
り、室温でこの状態を維持した。次に、再び15℃以下
にすると無色半透明から虹彩色を有した青色へ変化し、
室温でこの状態を維持した。また、この平糸は、そのも
の自体で種々の方向を向くため、多様な虹彩色を色変化
とともに見ることができる。
【0045】実施例12 実施例5で得られた虹彩熱変色性積層フィルムを1mm
幅の糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、
1mm幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0046】前記平糸は、30℃以下では部分的に虹彩
光沢を有した黒色を呈する平糸となり、30℃以上では
無色半透明を呈する平糸となった。又、この平糸は、そ
れ自体が種々の方向を向くため、多様な虹彩色を色変化
とともに見ることができる。
【0047】実施例13 実施例6で得られた虹彩熱変色性積層フィルムを1cm
幅の糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、
1cm幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0048】前記平糸は、15℃以下では虹彩光沢を有
した赤色と反対面は橙色を呈する平糸となり、30℃以
上になると虹彩光沢を有した黄色と反対面は黄色を呈す
る平糸となり、室温でこの状態を維持した。次に、再び
15℃以下にすると虹彩光沢を有した赤色と反対面は橙
色を呈する平糸となり、室温でこの状態を維持した。
又、この平糸は、それ自体が種々の方向を向くため、多
様な虹彩色を色変化と共に見ることができる。
【0049】実施例14 実施例7で得られた虹彩熱変色性積層フィルムを3cm
幅の糸状物になるようスリッターで連続状に細く切り、
3cm幅の虹彩熱変色性平糸を得た。
【0050】前記平糸は、15℃以下では虹彩光沢を有
した青色を呈する平糸となり、30℃以上になると虹彩
色を呈する青色は消え、部分的に虹彩色を呈する青色を
呈する平糸となり、室温でこの状態を維持した。次に、
再び15℃以下にすると全体が、虹彩光沢を有した青色
を呈した平糸となり、室温でこの状態を維持した。又、
この平糸は、そのもの自体で種々の方向を向くため、多
様な虹彩色を色変化と共に見ることができる。
【0051】実施例15(図4、5参照) 縦糸に白色綿糸6、実施例8で得られた虹彩熱変色性平
糸11を横糸とし織り込み虹彩熱変色性織物7を得た。
【0052】前記織物7は、10℃以下では虹彩光沢を
有したピンク色を呈する織物(図5に示す)となり、1
5℃以上では無色半透明を呈する織物(図4に示す)と
なった。
【0053】実施例16 実施例3で得られた虹彩熱変色性積層フィルムを1mm
幅の糸状物になるようスリッターで裁断し、更に、その
糸状物を細かく切り刻み虹彩熱変色性細片を得た。
【0054】前記細片は、15℃以下では虹彩色を有し
た黒色を呈しており、30℃以上になると虹彩色を有し
た黒色は消え、半透明ピンク色に変化し、室温でこの状
態を維持した。次に、再び15℃以下にすると半透明ピ
ンク色から虹彩色を有した黒色へ変化し、室温でこの状
態を維持した。
【0055】実施例17 実施例5で得られた虹彩熱変色性積層フィルムを0.5
mm幅の糸状物になるよう細く切り、0.5mm幅の熱
変色性虹彩糸としたものを縦糸に、実施例8で得られた
熱変色性虹彩糸を横糸にして織り込み熱変色性織物を得
た。
【0056】前記織物は、10℃以下では縦糸に黒色斑
点が現れ、横糸はピンク色を呈する織物となり、15℃
以上30℃以下では横糸のピンク色は無色半透明とな
り、縦糸の黒色斑点のみ見える織物となり、30℃以上
では縦糸の黒色斑点が消え無色半透明の織物となった。
【0057】実施例18 白色布帛上に水系アクリルエマルジョンを塗布し、乾燥
前に実施例16で得られた虹彩熱変色性細片をふりかけ
た後、乾燥し、虹彩熱変色性細片の付着した布帛を得
た。
【0058】前記布帛は、15℃以下では虹彩色を有し
た黒色が布上に点在して現れ、30℃以上になると虹彩
色を有した黒色は消え、半透明ピンク色が布帛上に点在
して現れ、室温下でこの状態を維持した。次に、再び1
5℃以下にすると半透明ピンク色から虹彩色を有した黒
色が布帛上に点在して現れ、室温でこの状態を維持し
た。
【0059】実施例19 白色綿糸を芯糸として、実施例8で得られた虹彩熱変色
性平糸をらせん状に撚りつけ、虹彩熱変色性糸を得た。
【0060】前記糸は、10℃以下では虹彩光沢を有し
たピンク色を呈する糸となり、15℃以上では無色半透
明を呈する糸となった。
【0061】
【発明の効果】本発明虹彩熱変色性積層体は、温度変化
による変色と虹彩効果が共に効果的に視覚され、両者の
織りなす融合された、光沢感のある多彩な色変化を視覚
させることができる。この際、表裏両面から前記変化の
様相を視覚でき、見る角度により虹彩色が微妙に変化す
る。更に、前記積層体が平糸等の糸状物及びそれを用い
た織布、或いは細片の場合、それ自体の方向性に自由度
が増すため、看者が観る角度を変えなくても、一方向か
ら見て多様な干渉光と色変化を視覚することができる。
【0062】又、本発明にあっては、可逆熱変色性材料
の機能はそのまま維持され、その機能を有効に発現でき
る。即ち、前記熱変色性材料の変色において、ヒステリ
シス幅の極めて小さい熱変色性材料により熱変色層が形
成された系では、温度変化により高感度に応答して変色
し、中間的なヒステリシス幅の熱変色性材料を適用した
系では、温度変化に相応の応答を示して変色する。又、
ヒステリシス幅が極めて大きい熱変色性材料により熱変
色層が形成された系では、色変化に要した熱又は冷熱を
取り去った後も常温域では変化した様相を保持してお
り、その様相を視覚させることができる。
【0063】斯くして、色変化の妙味、特異性、装飾
性、意匠効果等の要求される玩具、例えば人形の頭髪、
ドレス、フリル、その他人形用カバン等の付属品、ぬい
ぐるみ、動物玩具の毛、尾、たてがみ、或いは衣料分
野、繊維分野、リボンや応援用のボンボン等が例示され
る装飾分野、ファッション分野、造花、すだれ、七夕か
ざり等のインテリア等、多様な分野に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明虹彩熱変色性積層体の一実施例の拡大縦
断面説明図である。
【図2】本発明虹彩熱変色性積層体の他の実施例の拡大
縦断面説明図である。
【図3】本発明虹彩熱変色性積層体の他の実施例の拡大
縦断面説明図である。
【図4】本発明虹彩熱変色性平糸を用いた織布の一実施
例の説明図である。
【図5】図4の織布の変色状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 虹彩熱変色性積層体 11 平糸 2 透明虹彩性多層フィルム層 3 熱変色層 4 透明樹脂層 5 透明樹脂バインダー 6 綿布 7 織物

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二種又はそれ以上の種類の樹脂の薄膜が
    交互に積層された透明虹彩性多層フィルム層、可逆熱変
    色性材料を透明樹脂バインダー中に分散状態に固着して
    形成した熱変色層及び透明樹脂層の三層を必須とする虹
    彩熱変色性積層体。
  2. 【請求項2】 透明樹脂層は、二種又はそれ以上の種類
    の樹脂の薄膜が交互に積層された透明虹彩性多層フィル
    ム層からなる請求項1記載の虹彩熱変色性積層体。
  3. 【請求項3】 透明虹彩性多層フィルム層と熱変色層の
    間に透明樹脂バインダーを介在させてなる請求項2記載
    の虹彩熱変色性積層体。
  4. 【請求項4】 透明樹脂層は、透明樹脂フィルムからな
    る請求項1記載の虹彩熱変色性積層体。
  5. 【請求項5】 透明虹彩性多層フィルム層に熱変色層を
    設け、前記熱変色層と透明樹脂フィルム面に透明樹脂バ
    インダーを介在させてなる請求項4記載の虹彩熱変色性
    積層体。
  6. 【請求項6】 透明樹脂フィルムに熱変色層を設け、前
    記熱変色層と透明虹彩性多層フィルム層に透明樹脂バイ
    ンダーを介在させてなる請求項4記載の虹彩熱変色性積
    層体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の虹彩熱変色性積層体は、
    細幅の平糸である。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の虹彩熱変色性積層体は、
    細片である。
  9. 【請求項9】 請求項3又は5又は6記載の虹彩熱変色
    性積層体を細幅に裁断して得られる平糸からなる虹彩熱
    変色性織布。
  10. 【請求項10】 非虹彩熱変色性糸を混在させてなる請
    求項9記載の虹彩熱変色性織布。
  11. 【請求項11】 可逆熱変色性材料が温度変化による色
    濃度−温度曲線に関し、大きなヒステリシス特性を示し
    て変色する色彩記憶性熱変色性材料である請求項1記載
    の虹彩熱変色性積層体。
  12. 【請求項12】 玩具或いは人形の構成要素の一部とし
    て適用される、二種又はそれ以上の種類の樹脂の薄膜が
    交互に積層された透明虹彩性多層フィルム層、可逆熱変
    色性材料がバインダー中に分散状態に固着して形成した
    熱変色層及び透明樹脂層の三層を必須とし、前記三者を
    相互に接合した虹彩熱変色性積層体を細幅に裁断して得
    られる平糸又は前記平糸からなる虹彩熱変色性織布。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2413803A (en) * 2004-05-05 2005-11-09 Ching Feng Blinds Ind Co Ltd Temperature sensitive colour variable fabric
JP2010065336A (ja) * 2008-09-09 2010-03-25 Tokushu Paper Mfg Co Ltd 細片および偽造防止用紙
JP2019094606A (ja) * 2017-11-27 2019-06-20 パイロットインキ株式会社 変色性撚糸及びそれを用いた布製品
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CN114633572A (zh) * 2022-03-02 2022-06-17 武汉华工图像技术开发有限公司 一种光变防伪刮刮墨、刮刮墨产品及其制备方法

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