JP2019094605A - 変色性平糸及びそれを用いた布製品 - Google Patents
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Abstract
Description
前記変色性糸は、水の付着によって色変化を視認することができるものの、糸の表面に形成された多孔質層は糸表面の凹凸によって均一に設けることができ難く、明瞭な色変化を発現させ難かったり、糸の屈曲によって多孔質層が剥離して色変化を永続して発現させ難かった。
更には、前記平糸の横方向の幅が100〜5000μmであること、前記平糸の厚みが5〜100μmであること、前記平糸の広幅の表裏両面に多孔質層を設けてなること、変色性平糸のプラスチックフィルム側同士を貼着してなること、前記平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)が下記式(1)を満たすこと、
0.001<W/D<0.5 (1)
前記プラスチックフィルムが着色プラスチックフィルム又は光輝性プラスチックフィルムであること等を要件とする。
更には、前記変色性平糸を含む布製品を要件とする。
なお、前記プラスチックフィルムは、着色プラスチックフィルム、光輝性プラスチックフィルムを用いることもできる。
前記着色プラスチックフィルムとしては、フィルム自体が着色されたものの他、フィルム表面に着色層を設けたものであってもよい。
前記フィルムを着色する着色剤としては、一般染料や蛍光染料、着色顔料が挙げられ、そのうち、着色顔料としては、一般顔料、蛍光顔料を例示できる。
前記光輝性プラスチックフィルムとしては、金属光沢性、真珠光沢性、虹彩性、ホログラム性等の光学性状を有するフィルムが用いられる。
具体的には、金属光沢性のフィルムとしてアルミニウム、クロム、銀、銅等の金属薄膜層を設けたもの、透明樹脂溶液に微細なアルミニウム、銅、真鍮、金、銀、ニッケル等の金属粉末や、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル樹脂に常法により金属蒸着したプラスチック蒸着粉末をバインダーと共にフィルム上に塗布したものが挙げられる。
真珠光沢性のフィルムとして真珠光沢顔料(例えば、天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナの表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した金色、銀色、メタリックレッド、メタリックブルー、メタリックグリーン、メタリックバイオレット、その他のメタリック色)をバインダーと共にフィルムに塗布したものが挙げられる。
虹彩性のフィルムとして、フィルム表面に該フィルムと屈折率が0.05以上の差がある透明な金属化合物(例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、硫化カドミウム、弗化マグネシウム、弗化セリウム等)の薄膜層を形成し、該薄膜と屈折率が0.05以上の差がある凹凸の透明樹脂層の順に積層したもの、屈折率が異なる透明なプラスチック薄膜を多層に積層したものが挙げられる
ホログラム性のフィルムとして、透明性フィルムに凹凸模様を設けた透明ホログラム形成層に金属化合物等から形成される透明反射層を設けたレリーフ型(エンボス型)ホログラムフィルムが挙げられる。
前記低屈折率顔料の屈折率は1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示す。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナ、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、珪酸及びその塩が好適に用いられる。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記多孔質層においては、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
なお、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
なお、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、本発明においては水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層としては、ベタ柄の他、円形、楕円形、正方形、長方形、各種文字、記号、図形、模様の他、人、動物、植物、果実、食料品、乗物、建物、天体等の像であってもよい。
なお、前記多孔質層は、プラスチックフィルムからなる平糸の広幅の表裏両面に設けることもできる。
また、プラスチックフィルムに多孔質層を設けた変色性平糸のそれぞれのプラスチックフィルム側同士を貼着して表裏両面に多孔質層を存在させることもでき、強度を向上させることもできる。
その際、貼着するプラスチックフィルムが着色プラスチックフィルムであって、それぞれの色が異なる場合、或いは、着色プラスチックフィルと光輝性プラスチックフィルムを併用する場合は、表裏の色変化が多様になり、商品性をいっそう高めることができる。
前記平糸の横方向の幅は、100〜5000μm、好ましくは150〜2000μm、より好ましくは200〜1000μmである。
前記横方向の幅を満たすことにより、明瞭な色変化を視認できると共に、平糸の強度を満足させることができる。
前記平糸の厚みは、5〜100μm、好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜25μmである。
前記厚みを満たすことにより、布製品等への適用性を満足させると共に、平糸の強度を満たすことができる。
なお、プラスチックフィルムに多孔質層を設けた変色性平糸のそれぞれのプラスチックフィルム側同士を貼着して表裏両面に多孔質層を存在させた変色性平糸の場合、厚みは、10〜100μm、好ましくは10〜75μm、より好ましくは10〜50μmである。
前記厚みを満たすことにより、布製品等への適用性を満足させると共に、平糸の強度を満たすことができる。
また、前記平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)が下記式(1)を満たすことにより、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると明瞭な色変化を視認することができる。
0.001<W/D<0.5 (1)
前記式(1)のW/Dとして好ましくは、0.001<W/D<0.2である。
前記布帛を用いて、玩具、衣料、屋内装飾品、家具、インテリア、造花、すだれ、七夕かざり、インジケーター等の多様な分野の布製品に適用することもできる。
前記玩具としては、人形又は動物形象玩具、人形又は動物形象玩具用毛髪、人形の家や家具、衣類、帽子、鞄、および靴等の人形用付属品、アクセサリー玩具、ぬいぐるみ、描画玩具、凧、楽器玩具、料理玩具、捕獲玩具、背景玩具および乗物、動物、植物、建築物、食品等を模した玩具を挙げることができる。
前記衣類としては、Tシャツ、トレーナー、ブラウス、ドレス、水着、レインコート、スキーウェア等の被服、靴や靴紐等の履物、ハンカチ、タオル、およびふろしき等の布製身の回り品、リボン、スカーフ、手袋、ネクタイ、帽子等を挙げることができる。
屋内装飾品としては、絨毯、カーテン、カーテン紐、テーブル掛け、敷物、クッション等が挙げられる。
前記家具としては、布団、枕、マットレス、椅子、ソファー、ベッド等の寝具等が挙げられる。
その他、鞄、刺繍糸、運動用具、釣り具、財布等の袋物、傘等に用いることもできる。
なお、前記変色性平糸を撚って用いることもできる。
実施例1(図1参照)
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム2表面に、青色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合した青色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmの青色の着色層3を設け、次いで、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ13μmの多孔質層4を形成し、厚さ27μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて300μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸1を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.043であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると乾燥状態では全面が明瞭な白色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層の青色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では青色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
前記変色性平糸を経糸と緯糸に用いて、経糸と緯糸ともに多孔質層を形成した側が表面となるように織り機にセットして平織の変色性布帛を作製した。
織り機で布帛を作成する際、前記変色性平糸は多孔質層の破損がなく、変色性布帛の表面は乾燥状態では全面が白色の多孔質層が明瞭に視認された。
前記変色性布帛の表面から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層の青色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では青色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び全面が白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製シートのエンボス面にアルミニウム蒸着層を形成したホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルム(反射型ホログラムシート)表面に、着色剤として平均粒子径が0.03μmの青色顔料5.0部、ウレタン樹脂エマルジョン50部、シリコーン系消泡剤0.5部、レべリング剤1.0部、水性系増粘剤2.0部、水10.0部、メタノール31.5部を混合した青色グラビア印刷用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して透明性を有する厚さ2.0μmの青色の着色層を設け、ホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルムを得た。
更に、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色グラビア印刷用インキを用いて、200メッシュのグラビア版にて全面に2回ベタ印刷して厚さ12μmの多孔質層を形成し、厚み26μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて400μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.03であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると乾燥状態では全面が明瞭な淡青色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層とホログラム性を有するプラスチックフィルムによる青色の光輝性に富むホログラム像が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の淡青色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
前記変色性平糸を経糸と緯糸に用いて、経糸と緯糸ともに多孔質層を形成した側が表面となるように織り機にセットして平織の変色性布帛を作製した。
織り機で布帛を作成する際、前記変色性平糸は多孔質層の破損がなく、変色性布帛の表面は乾燥状態では全面が淡青色の多孔質層が明瞭に視認された。
前記変色性布帛の表面から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層とホログラム性を有するプラスチックフィルムによる青色の光輝性に富むホログラム像が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の淡青色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
変色性平糸の作製
厚さ18μmの虹彩性を有する光輝性プラスチックフィルム2(IRIDESCENT FILM IF−8181 R/G(Mearl社製))表面に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色グラビア印刷用インキを用いて、200メッシュのグラビア版にて全面に2回ベタ印刷して厚さ12μmの多孔質層4を形成した。
次いで、前記光輝性プラスチックフィルム裏面に、湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色グラビア印刷用インキを用いて、200メッシュのグラビア版にて全面に2回ベタ印刷して厚さ12μmの多孔質層4を形成し、厚みが42μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸1を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.048であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると乾燥状態では全面が明瞭な白色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の虹彩性を有するプラスチックフィルムによる光輝性に富む虹彩色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
前記変色性平糸を緯糸に用い、経糸にポリエステル繊維を用いて織り機にセットして綾織の変色性布帛を作製した。
織り機で布帛を作成する際、前記変色性平糸は多孔質層の破損がなく、変色性布帛の表面は乾燥状態では全面が白色として視覚されるが、前記変色性布帛の表面から水を付着させると緯糸の多孔質層は吸液により透明化して下層の虹彩性を有するプラスチックフィルムの光輝性に富む虹彩色が経糸の隙間から明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の白色の態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム2表面に、青色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合した青色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmの青色の着色層3を設け、次いで、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ13μmの多孔質層4を形成した。
次いで、前記プラスチックフィルム裏面に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ13μmの多孔質層4を形成し、プラスチックフィルムの表面と裏面に多孔質層をそれぞれ形成した厚みが40μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸1を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、表面、裏面ともに0.052であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると乾燥状態では全面が明瞭な白色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層による明瞭な青色が視認され、水が付着(吸液)した状態では青色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び全面が白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用により変形や破損もなく耐久性に優れていた。
前記変色性平糸を経糸と緯糸に用いて、織り機にセットして平織の変色性布帛を作製した。
織り機で布帛を作製する際、前記変色性平糸は多孔質層の破損がなく、変色性布帛の表面は乾燥状態では全面が白色の多孔質層が明瞭に視認された。
前記変色性布帛の表面から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層の青色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では青色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び全面が白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
変色性平糸の作製
厚さ50μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム表面に、ピンク色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合したピンク色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmのピンク色の着色層を設け、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ20μmの多孔質層を形成した。
次いで、前記プラスチックフィルム裏面に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ20μmの多孔質層を形成し、プラスチックフィルムの表面と裏面に多孔質層をそれぞれ形成した厚み92μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて150μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、表面、裏面ともに0.133であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると乾燥状態では全面が明瞭な白色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層によるピンク色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態ではピンク色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び全面が白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
前記変色性平糸の周囲に2本の15dナイロンフィラメントをたすき状に巻きつけて、たすき撚りした変色性平糸を得た。
前記たすき撚りした変色性平糸は、耐擦過性と加工性がより向上し、針による生地への縫い合わせも満足させることができた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム表面に、ピンク色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合したピンク色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmのピンク色の着色層を設け、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、水分散黄色顔料(固形分30%)3部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水25.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる黄色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ18μmの多孔質層を形成した。
次いで、前記プラスチックフィルム裏面に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、水分散黄色顔料(固形分30%)3部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水25.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる黄色スクリーン印刷用インキを用いて、120メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ18μmの多孔質層を形成し、プラスチックフィルムの表面と裏面に多孔質層をそれぞれ形成した厚み50μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて250μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、表面、裏面ともに0.072であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層側から目視すると乾燥状態では全面が明瞭な黄色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層によるピンク色と多孔質層の黄色との混色となった橙色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では橙色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び全面が黄色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
前記変色性平糸を緯糸に用い、経糸に黄色のポリエステル繊維を用いて織り機にセットして綾織の変色性布帛を作製した。
織り機で布帛を作成する際、前記変色性平糸は多孔質層の破損がなく、変色性布帛の表面は乾燥状態では全面が黄色として視覚されるが、前記変色性布帛の表面から水を付着させると緯糸の多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層によるピンク色と多孔質層の黄色との混色となった橙色が経糸の黄色の隙間から明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の黄色の態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができ、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
変色性平糸の作製
厚さ25μmの透明ポリエチレンテレフタレート製シートのエンボス面にアルミニウム蒸着層を形成したホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルム2(反射型ホログラムシート)の表面と裏面に、着色剤として平均粒子径が0.03μmの青色顔料5.0部、ウレタン樹脂エマルジョン50部、シリコーン系消泡剤0.5部、レべリング剤1.0部、水性系増粘剤2.0部、水10.0部、メタノール31.5部を混合した青色グラビア印刷用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して透明性を有する厚さ2.0μmの青色の着色層3を設け、ホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルムを得た。
更に、前記表面と裏面の着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色グラビア印刷用インキを用いて、200メッシュのグラビア版にて全面に2回ベタ印刷して厚さ12μmの多孔質層4を表面と裏面にそれぞれ形成し、厚み53μmの変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをスリッターにて2000μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸1を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.006であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、乾燥状態では全面が明瞭な淡青色の状態が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層とホログラム性を有するプラスチックフィルムによる青色の光輝性に富むホログラム像が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の淡青色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム2表面に、青色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合した青色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmの青色の着色層3を設け、次いで、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ13μmの多孔質層4を形成し、表面が白色、裏面が青色の厚さ27μmの変色性フィルムを得た。
次いで、前記変色性フィルムのプラスチックフィルム側にウレタン樹脂からなる接着剤を乾燥状態で厚さが1μmになるように塗工して接着層5を設け、別の変色性フィルムのプラスチックフィルムと貼り合わせて、表裏両面に多孔質層を形成した厚さ55μmの白色の変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて300μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸1を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.043であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、表面、裏面ともに乾燥状態では明瞭な白色の多孔質層が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層の青色が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では青色を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
また、変色性フィルム同士を貼り合わせたことにより、得られた変色性平糸の引っ張り強度も向上した。更に、表裏両面に多孔質層を設けているため、表と裏の区別が無くなり、変色性平糸が捻じれても明瞭な色変化を視認できた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム表面に、青色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合した青色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmの青色の着色層を設け、次いで、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ13μmの多孔質層を形成し、表面が白色、裏面が青色の厚さ27μmの変色性フィルムaを得た。
次いで、厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム表面に、ピンク色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合したピンク色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2μmのピンク色の着色層を設け、次いで、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ13μmの多孔質層を形成し、表面が白色、裏面がピンク色の厚さ27μmの変色性フィルムbを得た。
次いで、前記変色性フィルムaのプラスチックフィルム側に白色ウレタン樹脂からなる接着剤を乾燥状態の厚さが6μmになるように塗工して接着層を設け、変色性フィルムbのプラスチックフィルムと貼り合わせて、表裏両面に多孔質層を形成した厚さ60μmの両面が白色の変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて300μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.043であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、多孔質層が塗布された表面、裏面ともに乾燥状態では明瞭な白色の多孔質層が視認された。
前記変色性平糸の両面に水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して一方の面は青色が視認され、他方の面はピンク色が明瞭に視認されるため、変色の妙味に優れており、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより両面が再び白色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
また、変色性フィルム同士を貼り合わせたことにより、得られた変色性平糸の引っ張り強度も向上した。更に、表裏両面に多孔質層を設けているため、表と裏の区別が無くなり、変色性平糸が捻じれても明瞭な色変化を視認できた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製シートのエンボス面にアルミニウム蒸着層を形成したホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルム(反射型ホログラムシート)表面に、着色剤として平均粒子径が0.03μmの青色顔料5.0部、ウレタン樹脂エマルジョン50部、シリコーン系消泡剤0.5部、レべリング剤1.0部、水性系増粘剤2.0部、水10.0部、メタノール31.5部を混合した青色グラビア印刷用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して透明性を有する厚さ2μmの青色の着色層を設け、ホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルムを得た。
更に、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色グラビア印刷用インキを用いて、200メッシュのグラビア版にて全面に2回ベタ印刷して厚さ12μmの多孔質層を形成し、表面が淡青色の厚み26μmの変色性フィルムを得た。
次いで、前記変色性フィルムのプラスチックフィルム表面にウレタン樹脂からなる接着剤を乾燥状態の厚さが1μmになるように塗工して接着層を設け、別の変色性フィルムのプラスチックフィルムと貼り合わせて、表裏両面に多孔質層を形成した厚さ53μmの淡青色の変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて400μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.03であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、表面と裏面ともに乾燥状態では明瞭な淡青色の多孔質層が視認された。
前記多孔質層上から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して下層の着色層とホログラム性を有するプラスチックフィルムによる青色の光輝性に富むホログラム像が明瞭に視認され、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の淡青色の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
また、変色性フィルム同士を貼り合わせたことにより、得られた変色性平糸の引っ張り強度も向上した。更に、表裏両面に多孔質層を設けているため、表と裏の区別が無くなり、変色性平糸が捻じれても明瞭な色変化を視認できた。
変色性平糸の作製
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のプラスチックフィルム表面に、ピンク色顔料2.0部、ウレタン樹脂10部、メチルエチルケトン44部、酢酸エチル44部を混合した青色グラビア用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して厚さ2.0μmのピンク色の着色層を設け、次いで、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−20、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕50部、水28.5部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)3部、プロピレングリコール1部、オキサゾリン系架橋剤(固形分40%)2部を混合してなる白色スクリーン印刷用インキを用いて、180メッシュのスクリーン版にて全面にベタ印刷し、乾燥硬化して厚さ12μmの多孔質層を形成し、表面が白色、裏面がピンク色の厚さ26μmの変色性フィルムaを得た。
厚さ12μmの透明ポリエチレンテレフタレート製シートのエンボス面にアルミニウム蒸着層を形成したホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルム(反射型ホログラムシート)表面に、着色剤として平均粒子径が0.03μmの青色顔料5.0部、ウレタン樹脂エマルジョン50部、シリコーン系消泡剤0.5部、レべリング剤1.0部、水性系増粘剤2.0部、水10.0部、メタノール31.5部を混合した青色グラビア印刷用インキを用いて、250メッシュのグラビア版にて全面にベタ印刷して透明性を有する厚さ2μmの青色の着色層を設け、ホログラム性を有する光輝性プラスチックフィルムを得た。
更に、前記着色層上に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色グラビア印刷用インキを用いて、200メッシュのグラビア版にて全面に2回ベタ印刷して厚さ12μmの多孔質層を形成し、表面が淡青色の厚み26μmの変色性フィルムbを得た。
次いで、前記変色性フィルムaのプラスチックフィルム側に白色ウレタン樹脂からなる接着剤を乾燥状態の厚さが5μmになるように塗工して接着層を設け、変色性フィルムbのプラスチックフィルムと貼り合わせて、表裏両面に多孔質層を形成した厚さ57μmの一方の面が白色、他方の面が淡青色の変色性フィルムを得た。
前記変色性フィルムをマイクロスリッターにて300μm幅の糸状になるように裁断して変色性平糸を得た。
前記変色性平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)の比率D/Wは、0.04であり、マイクロスリッターで裁断する際に刃が接触しても多孔質層が破損し難く、且つ、多孔質層は十分な表面積を備えているため、乾燥状態では一方の面は明瞭な白色、他方の面は明瞭な淡青色の多孔質層が視認された。
前記変色性平糸の両面から水を付着させると多孔質層は吸液により透明化して一方の面はピンク色が視認され、他方の面は青色の光輝性に富むホログラム像が視認され、変色の妙味に優れており、水が付着(吸液)した状態では前記状態を維持しているが、水が蒸発乾燥することにより再び元の状態に戻り、前記様相変化は何度も繰り返し行うことができると共に、繰り返しの使用によって変形や破損もなく耐久性に優れていた。
また、変色性フィルム同士を貼り合わせたことにより、変色性平糸の引っ張り強度も向上した。更に、表裏両面に多孔質層を設けているため、表と裏の区別が無くなり、変色性平糸が捻じれても明瞭な色変化を視認できた。
青色に着色された綿製撚糸に湿式法珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:パーマリンUA150、三洋化成工業(株)製、固形分30%〕50部、水9.5部、メタノール20.0部、シリコーン系消泡剤(固形分100%)0.5部、水系インキ増粘剤(固形分40%)2.0部、カルボジイミド系架橋剤(固形分40%)3部を混合してなる白色インキ中に浸漬して撚糸内部と表面に白色インキを含浸させた後、前記白色インキから取り出して乾燥硬化させて多孔質層を形成して変色性糸を得た。
前記変色性糸に水を付着させると水の付着により多孔質層は透明化して青色が視認されるものの、多孔質層の厚みが不均一なためは不明瞭な青色が視認された。
また、前記変色性平糸を経糸と緯糸に用いて、織り機にセットして平織の変色性布帛を作製したものの、織り工程で変色性糸表面の多孔質層の一部が欠落してしまい、明瞭な色変化に乏しく、且つ、耐久性にも乏しい変色性布帛が得られた。
2 プラスチックフィルム
3 着色層
4 多孔質層
5 接着層
Claims (8)
- プラスチックフィルムからなる平糸の少なくとも一方の広幅の面に、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けた変色性平糸。
- 前記平糸の横方向の幅が100〜5000μmである請求項1記載の変色性平糸。
- 前記平糸の厚みが5〜100μmである請求項1又は2記載の変色性平糸。
- 前記平糸の広幅の表裏両面に多孔質層を設けてなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変色性平糸。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変色性平糸のプラスチックフィルム側同士を貼着してなる変色性平糸。
- 前記平糸の幅(W)と多孔質層の厚み(D)が下記式(1)を満たす請求項1乃至5のいずれか一項に記載の変色性平糸。
0.001<W/D<0.5 (1) - 前記プラスチックフィルムが着色プラスチックフィルム又は光輝性プラスチックフィルムである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の変色性平糸。
- 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の変色性平糸を含む布製品。
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