JPH09216304A - 金属光沢調熱変色性積層体、平糸及びそれを用いた布帛 - Google Patents

金属光沢調熱変色性積層体、平糸及びそれを用いた布帛

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JPH09216304A
JPH09216304A JP8052280A JP5228096A JPH09216304A JP H09216304 A JPH09216304 A JP H09216304A JP 8052280 A JP8052280 A JP 8052280A JP 5228096 A JP5228096 A JP 5228096A JP H09216304 A JPH09216304 A JP H09216304A
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JP
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metallic luster
color
thermochromic
metallic
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JP8052280A
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English (en)
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Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
Michiyuki Yasuda
満行 安田
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Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両面から金属光沢色と色変化を視覚できると
共に、表裏の区別を必要としない平糸や、前記平糸を用
いて形成した布帛等に適用する場合においても、両面か
ら金属光沢感を色変化と共に視覚することのできる金属
光沢調熱変色性積層体、平糸及びそれを用いた布帛を提
供する。 【解決手段】 熱変色層4を中間層として、前記熱変色
層4の上層及び下層に、それぞれ金属光沢層3、透明樹
脂層2が順次積層されてなる金属光沢調熱変色性積層体
1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属光沢調熱変色性
積層体、平糸及びそれを用いた布帛に関する。更に詳細
には、温度変化により金色、銀色、メタリック色等の光
輝性又は虹彩性を有すると共に色変化を視覚させるよう
構成した金属光沢調熱変色性積層体、平糸及びそれを用
いた布帛に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属光沢調を呈する熱変色性積層
体に関して、本出願人らによる幾つかの提案が既に開示
されている(特開平6−1067号公報、特開平6−1
068号公報、特開平6−8628号公報等)。前記提
案は、温度変化により金色、銀色或いはメタリック色等
の金属光沢色からの色変化を視覚させるものであり、従
来の熱変色性材料の色変化に較べ、特異な色変化を呈す
るため、示温分野は勿論、装飾、玩具等、多様な分野に
適用性を有している。しかしながら、前記積層体は表面
から視覚した場合、前記したような多彩な色変化を視覚
することができるとしても、裏面、即ち熱変色層の下層
に金属光沢層が配置された状態を視覚すると、単なる色
変化しか視覚されない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、両面か
ら金属光沢色と色変化を視覚できると共に、表裏の区別
を必要としない平糸や、前記平糸を用いて形成した布帛
等に適用する場合も同様に、両面から金属光沢感を色変
化と共に視覚することのできる金属光沢調熱変色性積層
体、平糸及びそれを用いた布帛を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱変色層を中
間層として、前記熱変色層の上層及び下層に、それぞれ
金属光沢層、透明樹脂層が順次積層されてなる金属光沢
調熱変色性積層体を要件とする。更には、前記透明樹脂
層が透明樹脂フィルムであり、前記透明樹脂層は、二種
又はそれ以上の種類の樹脂の薄膜が交互に積層された透
明虹彩性多層フィルム層であることを要件とする。更に
は、前記積層体を細幅に裁断して得られる平糸、及び前
記平糸を芯糸に巻き付けた撚糸、前記平糸又は撚糸を用
いた布帛、及び前記布帛が、編物又は織物又は組物であ
り、メッシュ状であること等を要件とする。
【0005】前記熱変色層は電子供与性呈色性有機化合
物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる
有機化合物媒体の三成分を含む熱変色性材料が用いられ
る。具体的には、例えば前述の特公昭51−35414
号公報、特公昭51−44706号公報、特公平1−1
7154号公報等に記載されている熱変色性材料、即
ち、 (1)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない鎖式脂肪族1価アルコールの三成分を必須成分
とした熱変色性材料。または、 (2)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換基を有さな
い脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換基を有さな
いエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分とした
熱変色性材料。または、 (3)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールから得た極性の置換基を有
さないエステルのいずれかより選んだ化合物の三成分を
必須成分とし、これを微小カプセルに内包した熱変色性
材料。又は、 (4)(イ)電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フェ
ノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を
有さない高級脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を
有さない脂肪族モノカルボン酸と極性の置換基を有さな
い鎖式脂肪族1価アルコールとから得た極性の置換基を
有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必須成分
とし、これをビヒクル中に溶解又は分散してなる熱変色
性材料。或いは、特開平7−186546号公報に記載
されている、発色時には蛍光性有する黄色、黄橙色、橙
色、赤橙色、赤色等の高発色濃度且つ明るさに富む色を
呈し、消色時には、色残りがなく無色を呈する、(イ)
ピリジン系、キナゾリン系、及びビスキナゾリン系から
選ばれる電子供与性呈色性有機化合物、(ロ前記電子供
与性呈色性有機化合物に対して電子受容性である化合
物、(ハ)前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応
を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体であ
る化合物の3成分を必須成分とする相溶体からなる熱変
色性材料等が挙げられる。
【0006】又、本出願人が提案した特公平4−171
54号公報に記載されている、大きなヒステリシス特性
を示して変色する感温変色性色彩記憶性熱変色性材料、
即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲
線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上
昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下降さ
せていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタ
イプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点の間
の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温側変
色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持出来る特徴
を有する熱変色性材料も有効である。
【0007】又、本出願人が提案した特公平1−293
98号公報に記載した如き、温度変化による色濃度−温
度曲線に関し、3℃以下のヒステリシス幅をもつ、高感
度の熱変色性材料、及び、電子供与性呈色性有機化合
物、フェノール性水酸基を有する化合物及び前記両者の
呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三者の均質相溶
体を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等に微粒子状に
分散させて得られる、特開平6−135144号公報等
に記載の熱変色性材料も有効である。
【0008】前記した熱変色性材料は微小カプセルに内
包させず、そのままの適用でも有効であるが、マイクロ
カプセルに内包して使用するのが最も好ましい。それ
は、種々の使用条件において熱変色材料は同一の組成に
保たれ、同一の作用効果を奏することができるからであ
る。
【0009】前記熱変色性材料は、膜形成材料であるバ
インダーを含む媒体中に分散されて、インキ、塗料など
の色材として適用され、コーティング層、塗膜形態とし
て熱変色層を形成できる。前記における熱変色性材料
は、バインダー中に0.5〜40重量%、好ましくは1
〜30重量%含有させることができる。0.5重量%未
満の配合量では鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、4
0重量%を越えると、過剰であり、消色状態にあって残
色がみられる。
【0010】本発明に適用のバインダーは、透明状の膜
形成樹脂が好適であり、従来より汎用の各種バインダー
が適用でき、以下に例示する。アイオノマー樹脂、イソ
ブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、アクリロニ
トリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化
ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビ
ニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合樹脂、
塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニ
ル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素
化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリ
アミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチ
レン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイイ
ンパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
メチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポ
リメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹
脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アル
キド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変
性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノア
ルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−
ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹
脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリ
ル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹
脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェ
ノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエ
ン樹脂、酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、エチルセル
ローズ等を挙げることができる。
【0011】前記したバインダーのうち、コーティング
層を形成させる、バインダーは、前記したアルキルフェ
ノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性ア
ルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性
アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン樹
脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アクリ
ル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹
脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェ
ノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエ
ン樹脂、セルローズ誘導体等の樹脂であり、水や有機溶
剤等に溶解または分散させて適用できる。
【0012】尚、前記熱変色層は透明樹脂層上に形成さ
れたものに限らず、熱変色材料がブレンドされて成形さ
れたプラスチック材であってもよく、布帛等の浸透性材
料にあっては、熱変色性材料を含浸乾燥させたものであ
ってもよい。
【0013】前記金属光沢層は、従来より公知の二酸化
チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化
鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒
酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料が適用で
き、バインダーを含む媒体中に分散されて塗料、インキ
等の形態となして適用される。或いは、熱可塑性樹脂又
は熱硬化性樹脂中に前記顔料を分散状態に内在させたも
のであってもよい。尚、前記金属光沢層の厚みは、1μ
m〜400μm、好ましくは3μm〜200μmであ
り、該層中における金属光沢顔料は0.1〜40重量%
(好ましくは、0.2〜30重量%)の含有割合が有効
である。
【0014】前記金属光沢顔料は、例えば、天然雲母の
表面を14〜58重量%の酸化チタンで被覆した、被覆
層の光学的厚さが110〜415nmであって粒度が5
〜300μmの金属光沢顔料がバインダー中に分散状態
に固着された金属光沢顔料が好適に用いられる。
【0015】前記金属光沢顔料における被覆層の光学的
厚さとは、屈折率×幾何学的厚さのことであって、この
厚さは、或る一定の波長の光を反射させることに関連し
ており、換言すれば、特定の光学厚みが特定の波長の光
を反射させる。
【0016】例えば、金色金属光沢顔料の場合、酸化チ
タンの光学厚みが180〜240μmの範囲にあること
により、選択的に紫色の波長の光を透過し、その補色関
係にある550〜600nmの黄色の波長の光を反射す
る特性を与え金色となる。前記範囲外になると波長選択
性がなくなるか或いは波長選択性があっても金色になら
ない。又、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを被覆し、
その上層に酸化鉄を被覆させた金色金属光沢顔料におい
ては、前記波長選択的な反射、透過作用に加え、酸化鉄
自身のもつ紫色光を吸収し、黄色光を反射する特性が加
味されることにより、より鮮やかな金色から淡黄色の可
逆的色変化を視覚させる。酸化鉄自身の色により淡黄色
に着色するため、下地が白色でも被覆層は淡黄色に見え
るのである。酸化チタン被覆率が30重量%未満では充
分な金色が出難いため、金色にするためには、酸化鉄は
10重量%を超えて被覆する必要があり、その結果、金
色にはなるが熱変色性材料が変色しても金属光沢層は常
に金色を呈することになり明瞭な色変化が得られない。
又、酸化チタンの被覆率が48重量%を超えると選択的
に反射する光の色が黄色ではなくなるため、その後で酸
化鉄で被覆しても綺麗な金色にはならない。酸化鉄の被
覆率が4重量%未満の場合、前記酸化鉄の効果が充分に
現れず、10重量%を超える場合には、金色にはなるが
熱変色材が変色しても金属光沢層は常に金色になり明瞭
な色変化が得られない。
【0017】酸化鉄を併用する場合、酸化チタン被覆の
上に酸化鉄膜を形成するのが金色の金属光沢色の発現に
最も効果的である。酸化鉄の上に酸化チタンを被覆する
と酸化チタンの反射効果が大きいので酸化鉄の効果が小
さい。酸化チタンと酸化鉄が混在すると酸化鉄が上層に
あるのに較べ、酸化チタンが酸化鉄の反射光を遮る場合
もあるので酸化鉄の反射効率が悪くなる。酸化チタン膜
の上に酸化鉄膜を設けると、酸化鉄層が紫色の光を吸収
し、他の光を反射する性質があり、この光が黄色にみえ
るので酸化チタン層による金属光沢を有する金色に深み
を与える効果がある。上層に酸化鉄膜層があることによ
りこの酸化鉄層からの反射光は他の層により遮られて反
射させることがないからである。
【0018】又、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを被
覆し、その上層に非熱変色性有色染顔料を被覆(好適に
は0.5〜10重量%)させた金色の金属光沢顔料の場
合、被覆させる非熱変色性染顔料の色により、更に多種
多様な色変化を発現させることができる。例えば、黒色
から白色の熱変色層と組み合わせて、金色からピンク色
等の金色から有色の可逆的色変化を視覚させることがで
きる。
【0019】又、非熱変色性有色染顔料の被覆率が0.
5重量%未満の場合、有色の充分な濃度が得られない。
10重量%を超える場合には、有色の色濃度が高すぎ
て、金色を発現できない。各染顔料は前記範囲内にある
ことにより、選択的に金色の波長を透過し、その補色関
係にある波長の光を反射する特性を与えることができ
る。
【0020】次に、銀色の金属光沢顔料の場合、銀色金
属光沢色顔料は天然雲母粒子の表面を16〜39重量%
の酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さ110〜
170nm、粒度5〜100μmのものが好適に用いら
れ、前記の数限定範囲にあることにより、反射光の波長
の選択性を防止することが出来る。前記の範囲外になる
と、反射光の波長の選択性が生じ着色して銀色にならな
い。前記光学的特性の酸化チタン層が380〜700n
mの全波長の光を雲母の層状配列により乱反射せずに反
射するので銀色に見えるのである。
【0021】又、熱変色層として非熱変色性染顔料着色
剤を配合した層を用いると、銀色の金属光沢色から着色
料の有色への可逆的変化を視覚することもできる。
【0022】次に、メタリック色の金属光沢顔料の場
合、天然雲母粒子の表面を酸化チタンで被覆した、メタ
リック色を呈する顔料である。又、酸化チタン層の上を
酸化鉄で被覆した顔料も使用される。更に、酸化チタン
被覆の上を非熱変色性有色染顔料で被覆した二色性金属
光沢顔料も使用される。
【0023】前記メタリック色の金属光沢顔料を更に具
体的に説明すれば、メタリック色金属光沢顔料は天然雲
母の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆した、
被覆層の光学的厚さ245〜415nm、粒度5〜60
μmのもの、天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆し、その上を4〜10重量%の酸化鉄で被
覆した被覆層の光学的厚さが245〜415nmで粒度
5〜60μmのものも使用される。天然雲母粒子の表面
を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上層を
0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料で被覆した
被覆層の光学的厚さ245〜415nm、粒度5〜60
μmの二色性メタリック色金属光沢顔料等が使用でき
る。
【0024】酸化チタンを被覆した雲母は酸化チタンの
被覆重量と被覆の光学的厚さによって赤色〜紫色の可視
光線を夫々の色の波長の光線に分光して特定の波長の光
のみを反射し、他の光を透過させる作用を有する。一
方、雲母は光を乱反射せず平行線で反射するので光は金
属光沢を帯びる。第一層を透過した光は第二層の熱変色
層で吸収されてしまう。こうして特定の波長の金属光沢
の光が反射されるので特定の色のメタリック色となるの
である。
【0025】更に、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを
被覆し、その上層に酸化鉄を被覆させたメタリック色金
属光沢顔料においては、上記波長選択的な反射、透過作
用に加え、酸化鉄自身のもつ紫色光を吸収し、黄色光を
反射する特性が加味されることにより、メタリック色か
ら淡黄色の可逆的色変化を視覚させる。
【0026】酸化チタンの被覆率が58重量%を超えて
も波長選択性が悪くなるのでメタリック色にならない。
酸化鉄の被覆率が4重量%未満の場合、前記酸化鉄の効
果が充分に現れず、10重量%を超える場合には、メタ
リック色にはなるが酸化鉄の着色が強すぎて綺麗なメタ
リック色からの色変化が得られない。
【0027】酸化鉄を併用する場合は、酸化チタン被覆
の上に酸化鉄膜を形成するのがメタリック色の金属光沢
色から淡黄色への色変化の発現に最も効果的である。酸
化鉄の上に酸化チタンを被覆すると酸化チタンの反射効
率が大きいので酸化鉄の効果が小さい。酸化チタンと酸
化鉄が混在すると、酸化鉄が上層にあるのに較べ、酸化
鉄が反射光を遮る場合もあるので酸化鉄の反射効率が悪
くなる。酸化チタン膜の上に酸化鉄膜を設けると、酸化
鉄層が紫色の光を吸収し、他の光を反射する性質があ
り、この光が黄色に見えるので酸化チタン層による金属
光沢を有するメタリック色を与える効果がある。上層に
酸化鉄膜があることにより、酸化鉄層からの反射光は他
の層により遮られたり反射されることがないからであ
る。
【0028】又、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを被
覆し、その上層に非熱変色性有色染顔料を被覆させたメ
タリック色の金属光沢顔料においては、被覆させる非熱
変色性染顔料の色により、更に多種多様な色変化を表現
することができ、例えば、黒色から白色の熱変色層と組
み合わせて、メタリック色からピンク色、メタリック色
から青色等のメタリック色から有色の可逆的色変化を視
覚させることができる。酸化チタンの被覆率が45重量
%未満の場合には、充分なメタリック色が出難いため、
非熱変色性有色染顔料を被覆するとメタリック色には見
えない。又、酸化鉄の被覆率が58重量%を超えると波
長選択性が悪くなるので充分なメタリック色に見えな
い。
【0029】非熱変色性染顔料の被覆率が0.5重量%
未満の場合、有色の充分な色濃度が得られない。10重
量%を超える場合には有色の色濃度が高すぎてメタリッ
ク色と有色のコントラストが小さくなる。各顔料は前記
範囲内にあることにより、選択的にメタリック色の波長
の光を透過し、その補色関係にある波長の光を反射する
特性を与えることができる。前記の範囲外になると波長
選択性がなくなるか或いは波長選択性はあってもメタリ
ック色にはならない。
【0030】前記金色、銀色、メタリック色の金属光沢
顔料は、例えば天然雲母の表面を41〜44重量%の酸
化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが180〜24
0nmであり、粒度が5〜60μmの金色金属光沢顔
料、天然雲母の表面を30〜48重量%の酸化チタンで
被覆し、その上に4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被
覆層の光学的厚みが140〜240nmであり粒度が5
〜60μmの金色の金属光沢顔料、天然雲母の表面を3
0〜48重量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5
〜10重量%の非熱変色性有色顔料を被覆した被覆層の
光学的厚みが140〜240nmであり、粒度が5〜6
0μmの金色金属光沢顔料、天然雲母の表面を16〜3
9重量%の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが
110〜170nmであり、粒度が5〜100μmの銀
色金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58重量%の
酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜4
15nmであり、粒度が5〜60μmのメタリック色金
属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆し、その上に0.5〜10重量%の非熱変
色性有色染顔料を被覆した被覆層の光学的厚みが245
〜415nmであり、粒度が5〜60μmのメタリック
色金属光沢顔料等を光輝性と共に色変化を視覚するため
に好適に用いることができる。又、前記熱変色層の発色
状態の色濃度における明度値が6以下、且つ消色状態の
無色の明度値が8以上の熱変色性材料により構成されて
なる金属光沢調熱変色性積層体の場合、前記金属光沢顔
料は、例えば天然雲母の表面を40〜44重量%の酸化
チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さが180〜24
0nmであり、粒度が30〜300μm(好ましくは6
1〜300μm)の金色の金属光沢顔料、天然雲母の表
面を14〜30重量%の酸化チタンで被覆した、被覆層
の光学的厚みが110〜170nmであり、粒度が30
〜300μm(好ましくは101〜300μm)の銀色
の金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58重量%の
酸化チタンで被覆した、被覆層の光学的厚さが245〜
415nmであり、粒度が30〜300μm(好ましく
は61〜300μm)のメタリック色の金属光沢顔料か
ら選ばれる顔料が、より光輝性を向上させるために好適
に用いることができる。
【0031】前記金属光沢層は、金属光沢顔料をバイン
ダーを含む媒体中に分散させて、塗料形態となして、コ
ーティング層として形成することができる。又、熱可塑
性バインダーにあっては、該バインダーが溶融状態にあ
って、金属光沢顔料を分散状態にブレンドして一体成形
された薄膜及びフイルム形態の金属光沢層であってもよ
い。
【0032】前記熱変色層及び金属光沢顔料層は、従来
より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット
印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の
印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗
装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装、等の手段によ
り形成することができる。
【0033】前記透明性樹脂層は、従来より汎用の各種
樹脂フィルムが有効であり、以下に例示する。高圧ポリ
エチレンフィルム、中低圧ポリエチレンフィルム、架橋
ポリエチレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合フ
ィルム、エチレン−アクリル酸エステル共重合フィル
ム、アイオノマーフィルム、エチレン−プロピレン共重
合フィルム、プロピレンフィルム、塩化ビニル−プロピ
レンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリ塩化ビニル
フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルア
ルコールフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリカーボネ
ートフィルム、アセテートフィルム、ポリエステルフィ
ルム、ポリアミドフィルム、塩酸ゴムフィルム、ポリイ
ミドフィルム、ポリウレタンフィルム、オブラート、再
製腸フィルム、ポリペプチットフィルム等を挙げること
ができる。前記した各種樹脂フィルムを用いることによ
り、いっそう金属光沢性を向上させることができる。
【0034】前記透明性多層フィルム層は具体的には、
表裏両表面層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢
酸ビニル共重合体の薄層とポリスチレンの薄層と交互に
113層形成された厚みが15μmの反射光の色が青及
び緑色の干渉光をもつ透明性多層フィルム、表裏両表面
層はポリプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共
重合体の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に113層
形成された厚みが17μmの反射光の色が緑色及び赤色
の干渉光をもつ透明性多層フィルム、表裏両表面層はポ
リプロピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共重合体
の薄層とポリスチレンの薄層とが交互に226層形成さ
れた厚みが28μmの反射光の色が青色及び緑色の干渉
光をもつ透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリプロ
ピレン層で内部にエチレン−酢酸ビニル共重合体の薄層
とポリスチレンの薄層とが交互に226層形成された厚
みが31μmの反射光の色が赤色及び緑色の干渉光をも
つ透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリエステル層
で内部にポリエステルの薄層とポリオレフィンの薄層と
が交互に113層形成された厚みが15μmの反射光の
色が青色及び緑色の干渉光をもつ透明性多層フィルム、
表裏両表面層はポリエステル層で内部にポリエステルの
薄層とポリオレフィンの薄層とが交互に113層形成さ
れた厚みが17μmの反射光の色が赤色及び緑色の干渉
光をもつ透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリプロ
ピレン層で内部にポリオレフィンの薄層とポリエステル
の薄層とが交互に113層形成された厚みが15μmの
反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ透明性多層フ
ィルム、表裏両表面層はポリプロピレン層で内部にポリ
オレフィンの薄層とポリエステルの薄層とが交互に11
3層形成された厚みが17μmの反射光の色が赤色及び
緑色の干渉光をもつ透明性多層フィルム、表裏両表面層
はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアクリ
ル樹脂の薄層とが交互に113層形成された厚みが15
μmの反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ透明性
多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内部に
ポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に1
13層形成された厚みが17μmの反射光の色が赤色及
び緑色の干渉光をもつ透明性多層フィルム、表裏両表面
層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とアク
リル樹脂の薄層とが交互に113層形成された厚みが3
0μmの反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ透明
性多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内部
にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互に
113層形成された厚みが34μmの反射光の色が赤色
及び緑色の干渉光を持つ透明性多層フィルム、表裏両表
面層はアクリル樹脂層で内部にポリエステルの薄層とア
クリル樹脂の薄層とが交互に226層形成された厚みが
28μmの反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ透
明性多層フィルム、表裏両表面層はアクリル樹脂層で内
部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交互
に226層形成された厚みが31μmの反射光の色が赤
色及び緑色の干渉光をもつ透明性多層フィルム、表裏両
表面層はポリエステル層で内部にポリエステルの薄層と
アクリル樹脂の薄層とが交互に113層形成された厚み
が15μmの反射光の色が青色及び緑色の干渉光をもつ
透明性多層フィルム、表裏両表面層はポリエステル層で
内部にポリエステルの薄層とアクリル樹脂の薄層とが交
互に113層形成された厚みが17μmの反射光の色が
赤色及び緑色の干渉光をもつ透明性多層フィルム等が挙
げられる。前記した透明性多層フィルムを用いることに
より、更に複雑且つ多彩な金属光沢色と色変化を視覚す
ることができる。
【0035】前記した積層体の構成において、各層或い
は外層に光安定剤層を適宜設けることができる。具体的
には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老
化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオ
ン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収
剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層であ
る。尚、金属粉、老化防止剤、帯電防止剤、極性付与
剤、揺変性付与剤、消泡剤等を必要に応じて、透明樹脂
層、金属光沢層、熱変色層に添加して機能を向上させる
ことができる。
【0036】前記金属光沢調熱変色性積層体は、細幅に
裁断して平糸とすることができ、又、前記平糸を綿糸、
ナイロン、絹糸等の芯糸に、丸撚り、羽衣撚り、蛇腹撚
り等の方法で巻付けて撚糸とすることもできる。又、前
記平糸又は撚糸は、人形の髪、動物玩具の毛、手芸用
糸、子供用編み機の糸等に使用することができる。
【0037】前記平糸又は撚糸を用いて布帛を形成する
場合、これを縦糸若しくは横糸として、又はその両者を
互いに交錯するようにして織物とするか、糸のループを
作り、これを既成のループに通すようにして編物とする
か、若しくは糸を交錯して組物とすることが好ましい。
尚、前記の如くして得られる布帛は、平糸の両面に金属
光沢を有するため、前記平糸がねじれて布帛を形成する
としても、金属光沢を損なうことはない。又、この際、
非熱変色性糸を混在させて布帛を構成することもでき
る。前記非熱変色性糸としては、綿、麻、羊毛、絹、ナ
イロン、レーヨン、ポリエステル、ポリアクリロニトリ
ル等からなる糸を使用することができる。
【0038】尚、前記布帛は、織目、編目或いは組目の
比較的粗い、メッシュ状の布帛とすることもできる。前
記メッシュ状の布帛とすることによって、緻密に織った
布帛等と比較すると、柔軟性に富み、適度な金属光沢色
を呈することができる。
【0039】本発明の布帛は、玩具或いは人形の構成要
素の一部、即ち、ぬいぐるみ、人形衣裳、カーテン、リ
ボン、スカーフ、帽子、ハンカチ、タオル等の付属的装
飾要素として有効であり、顕著性、意匠的効果を与え
る。
【0040】前記積層体に透明樹脂バインダーを介在さ
せると、複雑な製造工程を経ることなく積層体が構成さ
れる。例えば、透明樹脂層に、金属光沢層、熱変色層を
順次積層した後、前記熱変色層上に透明樹脂バインダー
を積層した積層体と、これとは別に、透明樹脂層上に金
属光沢層を形成した積層体を貼合したもの、或いは、透
明樹脂層に、金属光沢層、熱変色層を順次積層した後、
前記熱変色層上に透明或いは着色樹脂バインダーを積層
した積層体と、これとは別に、透明樹脂層上に金属光沢
層、熱変色層を順次形成した積層体を貼合したもの等が
挙げられる。更に、前記透明樹脂層として前記したフィ
ルムを用いることにより、同様に複雑な製造工程を経る
ことなく積層体が構成される。尚、前記透明樹脂層は、
必要に応じて透明樹脂によるコーティング層であっても
よい。
【0041】
【発明の実施の形態】
実施例1(図1参照) 透明樹脂層2として、厚み16μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、金属光沢顔料(商品名:イリ
オジン205、メルク社製)5部、ウレタン樹脂酢酸エ
チル溶液(固形分10%)50部、酢酸エチル10部を
混合したインキをドクターコートにて塗布して金属光沢
層3を形成した。次に、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノールA5
部、ステアリン酸ネオペンチル50部からなる熱変色性
材料をエポキシ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカ
プセル顔料(消色温度30℃、着色温度15℃)5部、
蛍光ピンク顔料0.5部、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合樹脂15部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消
泡剤1部を分散、混合した感温変色性色彩記憶性インキ
をドクターコートにより金属光沢層上に塗布して熱変色
層4を形成した。更に、前記熱変色層4上面に、前記と
同様の金属光沢層3及び透明樹脂層2を形成して金属光
沢調熱変色性積層体1を得た。
【0042】前記積層体1は、表裏両面とも、15℃以
下では、金属光沢を有した金色を呈しており、30℃以
上になると、金属光沢を有した金色は消え、ピンク色に
変化し、室温でこの状態を維持した。次に、再び、15
℃以下にすると、ピンク色から金属光沢を有した金色へ
変化し、室温でこの状態を維持した。
【0043】実施例2(図2参照) 透明樹脂層2として、厚み16μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、金属光沢顔料(商品名:イリ
オジン100、メルク社製)5部、ウレタン樹脂酢酸エ
チル溶液(固形分10%)50部、酢酸エチル10部を
混合したインキをドクターコートにて塗布して金属光沢
層3を形成した。次に、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノールA5
部、ステアリン酸ネオペンチル50部からなる熱変色性
材料をエポキシ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカ
プセル顔料(消色温度30℃、着色温度15℃)5部、
蛍光ピンク顔料0.5部、塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合樹脂15部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消
泡剤1部を分散、混合した感温変色性色彩記憶性インキ
をドクターコートにより金属光沢層上に塗布して熱変色
層4を形成した。次に、前記熱変色層4上面に、透明樹
脂バインダーとして、アクリル系樹脂トルエン・酢酸エ
チル溶液(固形分40%)を塗布した後、溶剤を蒸発さ
せた。
【0044】これとは別に、前記の透明樹脂層2上に金
属光沢顔料層3を形成し、前記透明樹脂バインダー層5
と金属光沢顔料層3が面するようにロールで圧着してラ
ミネートし、金属光沢調熱変色性積層体1を得た。
【0045】前記積層体1は、表裏両面とも、15℃以
下では、金属光沢を有した銀色を呈しており、30℃以
上になると、金属光沢を有した銀色は消え、ピンク色に
変化し、室温でこの状態を維持した。次に、再び、15
℃以下にすると、ピンク色から金属光沢を有した銀色へ
変化し、室温でこの状態を維持した。
【0046】実施例3(図3参照) 透明樹脂層2として、厚み16μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、金属光沢顔料(商品名:イリ
オジン225、メルク社製)5部、ウレタン樹脂酢酸エ
チル溶液(固形分10%)50部、酢酸エチル10部を
混合したインキをドクターコートにて塗布して金属光沢
顔料層3を形成した。次に、3−(2−エトキシ−4−
ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メ
チルインドール−3−イル)−4−アザフタリド2部、
ビスフェノールA5部、ミリスチルアルコール25部、
ミリスチン酸デシル25部からなる可逆熱変色性材料を
エポキシ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカプセル
顔料(変色温度15℃)5部、蛍光黄色顔料2.0部、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂15部、キシレン3
5部、酢酸エチル39部、消泡剤1部を分散、混合した
感温変色性色彩記憶性インキをドクターコートにより金
属光沢層3上に塗布して熱変色層4を形成した。更に、
前記熱変色層4上面に、透明樹脂バインダーとして、ア
クリル系樹脂トルエン・酢酸エチル溶液(固形分40
%)を塗布した後、溶剤を蒸発させた。
【0047】これとは別に、前記の透明樹脂層2上に金
属光沢顔料層3及び熱変色層4を順次形成し、前記透明
樹脂バインダー層5と熱変色層4が面するようにロール
で圧着してラミネートし、金属光沢調熱変色性積層体1
を得た。
【0048】前記積層体1は、表裏両面とも、15℃以
下では、金属光沢を有したメタリックブルー色を呈して
おり、15℃以上になると、金属光沢を有したメタリッ
クブルー色は消え、黄色に変化した。次に、再び、15
℃以下にすると、黄色から金属光沢を有したメタリック
ブルー色へ変化した。
【0049】実施例4(図4参照) 透明虹彩性多層フィルム層21として虹彩性フィルム
(商品名:IRIDESCENT FILM IF−4
781R/G、Mearl社製)上に、イリオジン30
0(メルク社製)5部、ウレタン樹脂酢酸エチル溶液
(固形分10%)50部、酢酸エチル10部を混合した
インキをドクターコートにて塗布して金属光沢層3を形
成した。次に、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチ
ルアミノフルオラン3部、ビスフェノールA5部、ステ
アリン酸ネオペンチル50部からなる熱変色性材料をエ
ポキシ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカプセル顔
料(消色温度30℃、着色温度15℃)5部、蛍光ピン
ク顔料0.5部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂1
5部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消泡剤1部
を分散、混合した感温変色性色彩記憶性インキをドクタ
ーコートにより金属光沢層3上に塗布して熱変色層4を
形成した。更に、前記熱変色層4上面に、透明樹脂バイ
ンダーとして、アクリル系樹脂トルエン・酢酸エチル溶
液(固形分40%)を塗布して溶剤を蒸発させた。
【0050】これとは別に、前記の透明虹彩性多層フィ
ルム層21上に金属光沢層3を形成し、前記透明樹脂バ
インダー層5と金属光沢顔料層3が面するようにロール
で圧着してラミネートし、金属光沢調熱変色性積層体1
を得た。
【0051】前記積層体1は、表裏両面とも、15℃以
下では、金属光沢を有した金色を呈しており、30℃以
上になると、金属光沢を有した金色は消え、ピンク色に
変化し、室温でこの状態を維持した。次に、再び、15
℃以下にすると、ピンク色から金属光沢を有した金色へ
変化し、室温でこの状態を維持した。
【0052】実施例5(図5参照) 透明虹彩性多層フィルム層21として虹彩性フィルム
(商品名:IRIDESCENT FILM IF−4
781R/G、Mearl社製)上に、イリオジン21
9(メルク社製)5部、ウレタン樹脂酢酸エチル溶液
(固形分10%)50部、酢酸エチル10部を混合した
インキをドクターコートにて塗布して金属光沢層3を形
成した。次に、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチ
ルアミノフルオラン3部、ビスフェノールA5部、ステ
アリン酸ネオペンチル50部からなる熱変色性材料をエ
ポキシ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカプセル顔
料(消色温度30℃、着色温度15℃)5部、蛍光オレ
ンジ顔料0.5部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂
15部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消泡剤1
部を分散、混合した感温変色性色彩記憶性インキをドク
ターコートにより金属光沢層3上に塗布して熱変色層4
を形成した。更に、前記熱変色層4上に同様の金属光沢
層3を形成した後、透明樹脂バインダーとして、アクリ
ル系樹脂トルエン・酢酸エチル溶液(固形分40%)を
塗布して溶剤を蒸発させた。前記透明樹脂バインダー層
5に前記と同様の虹彩性フィルムを貼合してロールで圧
着してラミネートし、金属光沢調熱変色性積層体1を得
た。
【0053】前記積層体1は、表裏両面とも、15℃以
下では、金属光沢を有したメタリックパープル色を呈し
ており、30℃以上になると、金属光沢を有したメタリ
ックパープル色は消え、オレンジ色に変化し、室温でこ
の状態を維持した。次に、再び、15℃以下にすると、
オレンジ色から金属光沢を有したメタリックパープル色
へ変化し、室温でこの状態を維持した。
【0054】実施例6 透明樹脂層2として、厚み16μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に、金属光沢顔料(商品名:イリ
オジン205、メルク社製)5部、ウレタン樹脂酢酸エ
チル溶液(固形分10%)50部、酢酸エチル10部を
混合したインキをドクターコートにて塗布して金属光沢
層3を形成した。次に、2−アニリノ−3−メチル−6
−ジブチルアミノフルオラン3部、ビスフェノールA5
部、ステアリン酸ネオペンチル50部からなる熱変色性
材料をエポキシ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカ
プセル顔料(消色温度30℃、着色温度15℃)5部、
塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂15部、キシレン3
5部、酢酸エチル39部、消泡剤1部を分散、混合した
感温変色性色彩記憶性インキをドクターコートにより金
属光沢層上に塗布して熱変色層4を形成した。更に、前
記熱変色層4上面に、前記と同様の金属光沢層3及び透
明樹脂層2を形成して金属光沢調熱変色性積層体1を得
た。
【0055】前記積層体1は、表裏両面とも、15℃以
下では、金属光沢を有した金色を呈しており、30℃以
上になると、金属光沢を有した金色は消え、白色に変化
し、室温でこの状態を維持した。次に、再び、15℃以
下にすると、白色から金属光沢を有した金色へ変化し、
室温でこの状態を維持した。
【0056】実施例7 透明樹脂層として、厚み16μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、金属光沢顔料(商品名:イリオ
ジン215、メルク社製、粒度10〜60μm)5部、
ウレタン樹脂酢酸エチル溶液(固形分10%)50部、
酢酸エチル10部を混合したインキをドクターコートに
て塗布して金属光沢顔料層を形成した。次に、6−ジエ
チルアミノ−ベンゾ〔α〕−フルオラン1.5部、ビス
フェノールA6部、セチルアルコール25部、ステアリ
ン酸ラウリル25部からなる可逆熱変色性材料をエポキ
シ樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカプセル顔料
(変色温度35℃)5部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合樹脂15部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消
泡剤1部を分散、混合した感温変色性色彩記憶性インキ
をドクターコートにより金属光沢層上に塗布して熱変色
層を形成した。更に、前記熱変色層上面に、透明樹脂バ
インダーとして、アクリル系樹脂トルエン・酢酸エチル
溶液(固形分40%)を塗布した後、溶剤を蒸発させ
た。
【0057】これとは別に、前記の透明樹脂層上に金属
光沢顔料層及び熱変色層を順次形成し、前記透明樹脂バ
インダー層と熱変色層が面するようにロールで圧着して
ラミネートし、金属光沢調熱変色性積層体を得た。
【0058】前記積層体は、表裏両面とも、35℃以下
では、金属光沢を有したメタリックマジェンタ色を呈し
ており、35℃以上になると、金属光沢を有したメタリ
ックマジェンタ色は消え、無色に変色した。次に、再
び、35℃以下にすると、無色から金属光沢を有したメ
タリックマジェンタ色へ変化した。
【0059】実施例8 透明樹脂層として、厚み16μmのポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、金属光沢顔料(商品名:イリオ
ジン225、メルク社製、粒度10〜60μm)5部、
ウレタン樹脂酢酸エチル溶液(固形分10%)50部、
酢酸エチル10部を混合したインキをドクターコートに
て塗布して金属光沢顔料層を形成した。次に、3−(4
−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1
−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ア
ザフタリド1.0部、ビスフェノールA6部、ステアリ
ン酸ブチル50部からなる可逆熱変色性材料をエポキシ
樹脂皮膜で内包した熱変色性マイクロカプセル顔料(変
色温度10℃)5部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹
脂15部、キシレン35部、酢酸エチル39部、消泡剤
1部を分散、混合した感温変色性色彩記憶性インキをド
クターコートにより金属光沢層上に塗布して熱変色層を
形成した。更に、前記熱変色層上面に、透明樹脂バイン
ダーとして、アクリル系樹脂トルエン・酢酸エチル溶液
(固形分40%)を塗布した後、溶剤を蒸発させた。
【0060】これとは別に、前記の透明樹脂層上に金属
光沢顔料層及び熱変色層を順次形成し、前記透明樹脂バ
インダー層と熱変色層が面するようにロールで圧着して
ラミネートし、金属光沢調熱変色性積層体を得た。
【0061】前記積層体は、表裏両面とも、10℃以下
では、金属光沢を有したメタリックブルー色を呈してお
り、10℃以上になると、金属光沢を有したメタリック
ブルー色は消え、無色に変色した。次に、再び、10℃
以下にすると、無色から金属光沢を有したメタリックブ
ルー色へ変化した。
【0062】実施例9 実施例1で得られた金属光沢調熱変色積層体1を0.5
mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く
切り、0.5mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得た。
【0063】前記平糸は、15℃以下では金属光沢を有
した金色を呈する平糸となり、30℃以上になると、金
属光沢を有した金色は消え、ピンク色に変色して室温で
この状態を維持した。次に、再び15℃以下にすると、
ピンク色から金属光沢を有した金色へ変色し、室温でこ
の状態を維持した。尚、この平糸は、表裏両面が金属光
沢を有した金色になっている為、平糸がねじれた状態
等、種々の方向を向いても、金属光沢を有する金色を視
覚することができる。
【0064】実施例10 実施例2で得られた金属光沢調熱変色積層体1を0.4
mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く
切り、0.4mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得た。
【0065】前記平糸は、15℃以下では金属光沢を有
した銀色を呈する平糸となり、30℃以上になると、金
属光沢を有した銀色は消え、ピンク色に変色し、室温で
この状態を維持した。次に、再び15℃以下にすると、
ピンク色から金属光沢を有した銀色へ変色し、室温でこ
の状態を維持した。尚、この平糸は、表裏両面が金属光
沢を有した銀色になっている為、平糸がねじれた状態
等、種々の方向を向いても、金属光沢を有する銀色を視
覚することができる。
【0066】実施例11 実施例3で得られた金属光沢調熱変色積層体1を0.4
mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く
切り、0.4mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得た。
【0067】前記平糸は、15℃以下では金属光沢を有
したメタリックブルー色を呈する平糸となり、15℃以
上になると、金属光沢を有したメタリックブルー色は消
え、イエロー色に変色した。次に、再び15℃以下にす
ると、イエロー色から金属光沢を有したメタリックブル
ー色へ変色した。尚、この平糸は、表裏両面が金属光沢
を有したメタリックブルー色になっている為、平糸がね
じれた状態等、種々の方向を向いても、金属光沢を有す
るメタリックブルー色を視覚することができる。
【0068】実施例12 実施例4で得られた金属光沢調熱変色積層体1を0.3
mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く
切り、0.3mm幅の金属光沢熱変色性平糸を得た。
【0069】前記平糸は、15℃以下では金属光沢を有
した金色を呈する平糸となり、30℃以上になると、金
属光沢を有した金色は消えてピンク色に変色し、室温で
この状態を維持した。次に、再び15℃以下にすると、
ピンク色から金属光沢を有した金色へ変化し、室温でこ
の状態を維持した。尚、この平糸は、表裏両面が金属光
沢を有した金色になっている為、平糸がねじれた状態
等、種々の方向を向いても、金属光沢を有する金色を視
覚することができる。
【0070】実施例13 実施例5で得られた金属光沢調熱変色性積層体1を0.
2mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細
く切り、0.2mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得
た。
【0071】前記平糸は、15℃以下では金属光沢を有
したメタリックパープル色を呈する平糸となり、30℃
以上になると、金属光沢を有したメタリックパープル色
は消えてオレンジ色に変化し、室温でこの状態を維持し
た。次に、再び15℃以下にすると、オレンジ色から金
属光沢を有したメタリックパープル色へ変化し、室温で
この状態を維持した。尚、この平糸は、表裏両面が金属
光沢を有したメタリックパープル色になっている為、平
糸がねじれた状態等、種々の方向を向いても、金属光沢
を有するメタリックパープル色を視覚するこができる。
【0072】実施例14 実施例6で得られた金属光沢調熱変色積層体1を0.5
mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く
切り、0.5mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得た。
【0073】前記平糸は、15℃以下では金属光沢を有
した金色を呈する平糸となり、30℃以上になると、金
属光沢を有した金色は消え、白色に変色して室温でこの
状態を維持した。次に、再び15℃以下にすると、白色
から金属光沢を有した金色へ変色し、室温でこの状態を
維持した。尚、この平糸は、表裏両面が金属光沢を有し
た金色になっている為、平糸がねじれた状態等、種々の
方向を向いても、金属光沢を有する金色を視覚すること
ができる。
【0074】実施例15 実施例7で得られた金属光沢調熱変色積層体を0.4m
m幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く切
り、0.4mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得た。
【0075】前記平糸は、35℃以下では金属光沢を有
したメタリックマジェンタ色を呈する平糸となり、35
℃以上になると、金属光沢を有したメタリックマジェン
タ色は消え、無色に変色した。次に、再び35℃以下に
すると、無色から金属光沢を有したメタリックマジェン
タ色へ変色した。尚、この平糸は、表裏両面が金属光沢
を有したメタリックマジェンタ色になっている為、平糸
がねじれた状態等、種々の方向を向いても、金属光沢を
有するメタリックマジェンタ色を視覚することができ
る。
【0076】実施例16 実施例8で得られた金属光沢調熱変色積層体1を0.4
mm幅の糸状物になるようにスリッターで連続状に細く
切り、0.4mm幅の金属光沢調熱変色性平糸を得た。
【0077】前記平糸は、10℃以下では金属光沢を有
したメタリックブルー色を呈する平糸となり、10℃以
上になると、金属光沢を有したメタリックブルー色は消
え、無色に変色した。次に、再び10℃以下にすると、
無色から金属光沢を有したメタリックブルー色へ変色し
た。尚、この平糸は、表裏両面が金属光沢を有したメタ
リックブルー色になっている為、平糸がねじれた状態
等、種々の方向を向いても、金属光沢を有するメタリッ
クブルー色を視覚することができる。
【0078】実施例17 実施例13で得た金属光沢調熱変色性平糸を、ナイロン
糸を芯糸として、撚糸機を用いて丸撚りした。前記の如
くして得た金属光沢調熱変色性撚糸は、実施例13で得
た平糸と同様の金属光沢及び色変化を呈する。
【0079】実施例18(図6参照) 実施例14で得た金属光沢調熱変色性平糸61を縦糸と
し、銀糸62を横糸として用いて、互いに交錯して織目
のあらいメッシュ状の織物とし、金属光沢調熱変色性布
帛6を得た。
【0080】前記金属光沢調熱変色性布帛6は、表裏両
面とも、15℃以下では金属光沢調熱変色性平糸61に
よる金色の色彩と銀糸62の色彩の混色によって、いっ
そう光沢性を有する金色が視覚される。又、30℃以上
になると、金属光沢を有した金色は消えて白色に変化す
るため、銀糸62の色彩が強調されて視覚され、あたか
も銀色の布帛のように視覚される。尚、この様相は室温
で維持され、再び15℃以下にすると、銀色から金色の
金属光沢を有する布帛に変化し、室温でこの状態を維持
する。
【0081】実施例19 実施例9で得た平糸を縦糸及び横糸として用いて、互い
に交錯して織物とし、金属光沢調熱変色性布帛を得た。
前記の如くして得た金属光沢調熱変色性布帛は、布帛の
両面から実施例9で得た平糸と同様の金属光沢及び色変
化を呈する。
【0082】実施例20 実施例10で得た平糸を用いて、編針でループを作り、
別に作ったループに通し、この行程を繰り返してメッシ
ュ状の編物とし、金属光沢調熱変色性布帛を得た。前記
の如くして得た金属光沢調熱変色性布帛は、布帛の両面
から実施例10で得た平糸と同様の金属光沢及び色変化
を呈する。
【0083】実施例21 実施例11で得た平糸を糸巻に巻付け、前記複数の糸巻
きを波状の軌道に乗せて移動し、別の波状軌道を反対の
進む糸巻きと次々の交錯させて組物とし、金属光沢調熱
変色性布帛を得た。前記の如くして得た金属光沢調熱変
色性布帛は、布帛の両面から実施例11で得た平糸と同
様の金属光沢及び色変化を呈する。
【0084】実施例22(図7参照) 実施例12で得た金属光沢調熱変色性平糸61を縦糸と
し、絹糸62を横糸として用いて、互いに交錯して織物
とし、金属光沢調熱変色性布帛6を得た。前記の如くし
て得た金属光沢調熱変色性布帛6は、布帛の両面から実
施例12で得た平糸と同様の金属光沢及び色変化を呈す
る。
【0085】実施例23 実施例15で得た金属光沢調熱変色性撚糸を縦糸とし、
綿糸に赤色から無色に可逆的に色変化する熱変色性材料
(変色温度15℃)を浸漬した熱変色性糸を横糸として
用いて、互いに交錯して織物とし、金属光沢調熱変色性
布帛6を得た。前記の如くして得た金属光沢調熱変色性
布帛6は、15℃以下では金属光沢を有したメタリック
メジェンタ色と熱変色性糸による赤色の混在した布帛と
なり、15℃以上になると、メタリックマジェンタ色と
白色の混在した布帛となり、35℃以上になると、白色
の布帛となる。又、再び35℃以下にすると、メタリッ
クまジェンタ色と白色の混在した布帛となり、15℃以
下すると、メタリックマジェンタ色と赤色の混在した布
帛となる。尚、この布帛は、表裏両面から前記した金属
光沢及び色変化を視覚することができる。
【0086】実施例24 実施例15で得た金属光沢調熱変色性平糸を縦糸とし、
実施例16で得た金属光沢調熱変色性平糸を横糸として
用いて、互いに交錯して織物とし、金属光沢調熱変色性
布帛を得た。前記金属光沢調熱変色性布帛は、表裏両面
とも、10℃以下では金属光沢調熱変色性平糸によるメ
タリックマジェンタ色とメタリックブルー色の混色によ
るメタリックパープル色が視覚される。又、10℃以上
になるとメタリックブルー色は消えて無色に変化するた
め、メタリックマジェンタ色の布帛となる。更に、35
℃以上になると、メタリックマジェンタ色は消えて無色
に変化するため、無色の布帛となる。尚、再び35℃以
下にすると、無色からメタリックマジェンタ色の金属光
沢を有する布帛に変化し、更に10℃以下にするとメタ
リックマジェンタ色からメタリックパープル色の金属光
沢を有する布帛に変化する。
【0087】実施例25 実施例20で得た金属光沢調熱変色性布帛を縫製して、
人形用ドレスを得た。前記人形用ドレスを人形に着せる
と、15℃以下では金属光沢を有した銀色を呈するドレ
スとなり、30℃以上になると、金属光沢を有した銀色
は消え、ピンク色のドレスとなり、室温でこの状態を維
持した。次に、再び15℃以下にすると、ピンク色から
金属光沢を有した銀色のドレスに変色し、室温でこの状
態を維持した。尚、このドレスは、表裏両面が金属光沢
を有した平糸により形成されているため、平糸がねじれ
た状態等、種々の方向を向いても、銀色を呈するドレス
を視覚することができる。
【0088】
【発明の効果】本発明の金属光沢調熱変色性積層体は、
金色、銀色、その他多彩なメタリック色等からの鮮明な
色変化を視覚させることができ、しかも光輝性に富む色
彩であり、可逆熱変色層の色変化が上層の金属光沢層に
よって何ら損なわれることもない。又、表裏の区別を必
要としない平糸や、前記平糸を用いて形成した布帛等に
適用する場合において、両面から金属光沢感を色変化と
共に視覚することができるため、多様に応用展開が可能
である。
【0089】更に、前記積層体により平糸、撚糸、及び
それを用いて布帛を形成する系にあっては、人形用衣裳
は勿論、各種の装飾要素として可撓性を有しており、各
種装飾要素等に適用して、顕著性、特異性、装飾性、新
奇性等を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の一実施例
の縦断面説明図である。
【図2】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図3】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図4】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図5】本発明の金属光沢調熱変色性積層体の他の実施
例の縦断面説明図である。
【図6】本発明の金属光沢調熱変色性布帛の一実施例の
説明図である。
【図7】本発明の金属光沢調熱変色性布帛の他の実施例
の説明図である。
【符号の説明】
1 金属光沢調熱変色性積層体 2 透明樹脂層 21 透明虹彩性多層フィルム層 3 金属光沢層 4 熱変色層 5 樹脂バインダー層 6 金属光沢調熱変色性布帛 61 金属光沢調熱変色性平糸 62 熱変色性糸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱変色層を中間層として、前記熱変色層
    の上層及び下層に、それぞれ金属光沢層、透明樹脂層が
    順次積層されてなる金属光沢調熱変色性積層体。
  2. 【請求項2】 前記透明樹脂層が透明樹脂フィルムであ
    る請求項1の金属光沢調熱変色性積層体。
  3. 【請求項3】 前記透明樹脂層は、二種又はそれ以上の
    種類の樹脂の薄膜が交互に積層された透明虹彩性多層フ
    ィルム層である請求項1の金属光沢調熱変色性積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の金属光沢調熱変色性積
    層体を細幅に裁断して得られる平糸。
  5. 【請求項5】 請求項4の平糸を芯糸に巻き付けた撚
    糸。
  6. 【請求項6】 請求項4乃至5の平糸又は撚糸を用いた
    布帛。
  7. 【請求項7】 前記布帛が、織物又は編物又は組物であ
    る請求項6の布帛。
  8. 【請求項8】 前記布帛が、メッシュ状である請求項6
    乃至7の布帛。
JP8052280A 1996-02-14 1996-02-14 金属光沢調熱変色性積層体、平糸及びそれを用いた布帛 Pending JPH09216304A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019094606A (ja) * 2017-11-27 2019-06-20 パイロットインキ株式会社 変色性撚糸及びそれを用いた布製品
JP2019094605A (ja) * 2017-11-27 2019-06-20 パイロットインキ株式会社 変色性平糸及びそれを用いた布製品

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019094606A (ja) * 2017-11-27 2019-06-20 パイロットインキ株式会社 変色性撚糸及びそれを用いた布製品
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