JP2002127288A - 光輝性熱変色性積層体 - Google Patents

光輝性熱変色性積層体

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JP2002127288A
JP2002127288A JP2000327976A JP2000327976A JP2002127288A JP 2002127288 A JP2002127288 A JP 2002127288A JP 2000327976 A JP2000327976 A JP 2000327976A JP 2000327976 A JP2000327976 A JP 2000327976A JP 2002127288 A JP2002127288 A JP 2002127288A
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reversible thermochromic
transparent
thermochromic
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Akio Nakajima
明雄 中島
Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
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Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可逆熱変色層の色変化によって択一的に透明
状金属光沢層の鮮やかな金属光沢色が視覚される、装飾
性の高い光輝性熱変色性積層体を提供する。 【解決手段】 可逆熱変色層2上に、ポリマーからなる
10層以上の薄膜層を接合した、接触して隣接する薄膜
層は異なる屈折率を有して光干渉現象を示し、且つ、前
記薄膜層が透光性染料を含む透明状真珠光沢層3を積層
した光輝性熱変色性積層体1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光輝性熱変色性積
層体に関する。更に詳細には、優れた光輝効果と熱変色
効果を複合させた特異な視覚効果を発現できる光輝性熱
変色性積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光輝効果と熱変色効果を複合
させた積層体としては、可逆熱変色層上に透明状虹彩層
を積層した虹彩性熱変色積層体が開示されている(実開
平5−5442号公報)。前記した積層体は、虹彩色に
加えて温度変化により可逆熱変色層の色調が変化するた
め装飾性に富み、特異な色変化を視覚できるものの、光
輝効果が十分ではなく、よって、可逆熱変色層の色変化
による変色の妙味や意外性が十分に発揮されなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記したよ
うな従来の光輝効果と熱変色効果を複合させた積層体の
不具合を解消するものであって、即ち、光輝効果と熱変
色効果の複合性が向上した、色彩変化のコントラストに
富む積層体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、可逆熱変色層
上に透明状真珠光沢層を積層してなり、前記透明状真珠
光沢層はポリマーからなる10層以上の薄膜層を接合し
た、接触して隣接する薄膜層は異なる屈折率を有して光
干渉現象を示し、且つ、前記薄膜層が透光性染料を含む
層である光輝性熱変色性積層体を要件とする。更には、
前記可逆熱変色層上に部分的に透明状真珠光沢層を配設
してなること、前記透明状真珠光沢層が、ポリマーから
なる10層以上の薄膜層を接合した、接触して隣接する
薄膜層は異なる屈折率を有して光干渉現象を示し、且
つ、前記薄膜層が透光性染料を含む透明状真珠光沢フィ
ルムの微小片により形成されてなること等を要件とす
る。
【0005】前記可逆熱変色層中に含まれる可逆熱変色
性組成物としては(イ)電子供与性化合物、(ロ)電子
受容性化合物、(ハ)両者の呈色反応の生起温度を決め
る反応媒体の三成分を含む組成物が用いられ、例えば、
本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、
特公昭51−44707号公報、特公平1−29398
号公報等に記載のものが利用できる。前記組成物は所定
の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点
以上の温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状
態を呈し、前記両状態のうち、常温域では特定の一方の
状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その
状態が発現するのに要する熱又は冷熱が適用されている
間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば
常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小
さい熱変色挙動を示す加熱消色型の可逆熱変色性組成物
である。また、本出願人が提案した特公平4−1715
4号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−
33997号公報、特開平8−39936号公報等に記
載された大きなヒステリシス特性を示す、即ち、温度変
化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、
温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と
逆に変色温度より高温側から下降させていく場合とで大
きく異なる経路を辿って変色し、低温側変色点以下の温
度域での発色状態、或いは高温側変色点以上の温度域で
の消色状態が、前記変色に要した冷熱又は熱の適用を取
り去った後にあっても互変的に記憶保持できる加熱消色
型の感温変色性色彩記憶性組成物を利用することもでき
る。
【0006】また、本出願人が提案した特開平11−1
29623号公報、特開平11−5973号公報等に記
載の、組成物中に含まれる(ロ)電子受容性化合物とし
て炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する
特定のアルコキシフェノール化合物を適用した加熱発色
型の可逆熱変色性組成物を適用することもできる。
【0007】前記可逆熱変色性組成物及び耐光性付与剤
はマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセル形態
の顔料として使用される。これは、鮮明且つ高濃度の発
色性、均質性、分散安定性、耐薬品性、耐熱性等の実用
性を満たすからである。尚、マイクロカプセル化は、従
来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中
硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相
分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレード
ライング法等の方法により調製できる。更にマイクロカ
プセル顔料の表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂
皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質さ
せて実用に供することもできる。
【0008】前記した可逆熱変色性組成物は、そのまま
の適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包して
使用するのが好ましい。即ち、種々の使用条件において
可逆熱変色性材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効
果を奏することができるからである。前記マイクロカプ
セルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な
顔料を構成でき、粒子径0.1〜100μm、好ましく
は0.1〜50μm、より好ましくは0.1〜30μm
の範囲が実用性を満たす。尚、マイクロカプセル化は、
従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液
中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの
相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレー
ドライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。
更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二
次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特
性を改質させて実用に供することもできる。
【0009】前記可逆熱変色性組成物又はそれを内包し
たマイクロカプセル顔料は、膜形成材料であるバインダ
ーを含む媒体中に分散されて、インキ、塗料などの色材
として適用され、支持体上に可逆熱変色層を形成でき
る。
【0010】又、前記可逆熱変色性組成物を塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合樹脂や、ピペリジン誘導体から選ば
れるヒンダードアミン系化合物、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体等がブレンドされた塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合樹脂母体中に分散状態に固着して可逆熱変色
層を形成したり、前記可逆熱変色性材料を飽和共重合ポ
リエステル樹脂母体中に、微粒子化して分散して可逆熱
変色層を形成することもできる。
【0011】前記熱変色層は、従来より公知の方法、例
えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印
刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗
り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ロ
ーラー塗り、浸漬塗装、等の手段により形成することが
できる。
【0012】前記支持体としては、紙、合成紙、合成皮
革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁器、木材、石
材等が用いられ、好適にはプラスチックフィルムや織
物、編物、組物、不織布、レース生地等の布帛が用いら
れる。又、形態としては平面状であってもよいし、凹凸
状の形態であってもよい。なお、前記支持体と可逆熱変
色層の間には、単一色又は複数色の一般インキにより非
変色層を設けることもできる。
【0013】更に、前記可逆熱変色層は塗膜として形成
されたものに限らず、熱変色性組成物又はそれを内包し
たマイクロカプセル顔料が熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂
中にブレンドされて成形されたプラスチック材等により
形成してもよい。
【0014】前記可逆熱変色層上に設けられる透明状真
珠光沢層は互いに異なる屈折率のポリマーからなる10
層以上の層を中間層に設けた光干渉現象を呈する透明性
多層フイルムの、該多層フィルムに透光性染料を含んで
なる真珠光沢フィルム(米国:ENGELHARD C
ORPORATION製)を用いることができる。前記
透明状真珠光沢層を更に詳しく説明すれば、約30〜5
00nmの均一な厚さをもつ極めて薄い透光性の熱可塑
性樹脂からなるフィルム(薄膜層)が少なくとも10層
以上積層してなり、接触して隣接する層は異なる材料の
透光性の樹脂で、少なくとも0.03の数値で屈折率を
異にしており、且つ、層中に透光性染料を含んでなる。
よって、前記した透明状真珠光沢層は透光性染料によっ
て層の反射色、透過色の少なくとも1つの色調を増強し
たり、変化させたりする。前記樹脂としてはポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、エチ
レンビニルアセテートが用いられ前記染料としてはアゾ
染料、アントラキノン染料、ピリドン染料、ピラゾロン
誘導体等を挙げられる。なお、前記染料は一層或いは二
層以上の層に含まれており、全ての層に含まれていても
よい。染料の添加量については、未添加の系と比較して
薄膜層の透過色の少なくとも一つ、又は、薄膜層の反射
光の少なくとも一つ、又は、それら両者の強めたり、変
化させるのに十分な量が添加される。なお、従来の虹彩
層は、赤色の反射色を呈する場合は青色の透過色を有
し、緑色の反射色を呈する場合はピンク色の透過色を有
し、青色の反射色を呈する場合は黄色の透過色を有する
ものであるが、本発明に適用される透明状真珠光沢層
は、赤色の反射色を呈する虹彩層中の薄膜層中に赤色染
料を含有することにより、赤色の反射色を強調すると共
に青色の透過色を紫色に変える。従って、例えば、下層
が黒色から無色に変色する場合、前記下層が黒色の場合
は透過光を吸収するため鮮やかなメタリックレッド色の
みが視認され、下層が白色の場合は透過光を反射して淡
紫色になる。
【0015】前記透明状真珠光沢層を固着する接着剤と
しては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ジアクリルフタレート樹脂、オレフ
ィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂等が挙げられる。尚、前記接着方法として
は、接着剤による接合の他、熱融着、超音波融着等の方
法が挙げられる。
【0016】なお、前記透明状真珠光沢層は可逆熱変色
層上の全面に積層された構成に限らず、部分的に積層し
てよい。これを具体的に説明すると、部分的に積層する
構成としては、適宜形状の透明状真珠光沢層を積層した
り、或いは、前記透明状真珠光沢層を形成するフィルム
の微少片を積層する構成が挙げられる。前記適宜形状の
透明状真珠光沢層は、該層がフィルム形態のものにあっ
ては、従来より公知の手法、例えば高周波溶断、裁断、
トムソン抜き、形抜き、エッチング等の手法により選ば
れる適宜手段により真珠光沢図柄像を形成することがで
きる。前記真珠光沢図柄像を形成することによって、よ
り装飾性の高い積層体を提供できる。なお、前記微小片
の透明状真珠光沢層を積層する構成の場合、可逆熱変色
層上に均一又は不均一に配設したり、或いは、微小片を
規則的に固着して、微小片の集合体として視覚される文
字、記号、図形等の適宜図柄を形成することもできる。
尚、前記微小片の大きさ及び形状は特に限定されるもの
ではないが、微小片の形状としては三角形や四角形等の
多角形、星型、円形、線形等が挙げられる。前記三角形
や四角形等の多角形、星型、円形等の形状の微少片を用
いる場合、該微少片の大きさは大凡10μm〜3mmの
ものが好適に用いられる。前記透明状真珠光沢層を微小
片により形成した系では、支持体又は可逆熱変色層が布
帛等の柔軟性を有する材質であっても、布帛自体の風合
いと、柔軟性を保持した状態で熱変色効果と光輝効果を
視覚することができ、特に衣類や人形用衣装等に好適に
用いることができる。また、支持体が凹凸を有していた
り、立体物であっても容易に透明状真珠光沢層を形成で
き、商品性を高めることができる。なお、前記微小片と
して、透明状真珠光沢層の少なくとも片面に透明性フィ
ルムを貼着した後、裁断して形成した微小片を用いるこ
とにより、微小片の強度に優れると共に生産性に優れた
積層体が得られる。
【0017】前記透明状真珠光沢層上面には、フィル
ム、透明性樹脂等による保護層を設けることができる。
前記保護層を設けることによって、熱変色機能や光輝性
を保護することができるため、生産時における品質低下
を防止できると共に、使用時における光輝性と熱変色性
の機能低下を防止できる。
【0018】更に、前記した光輝性熱変色性積層体の構
成において、可逆熱変色層に光安定剤を含有したり、光
安定剤を含む層を適宜設けることができる。具体的に
は、前記光安定剤は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防
止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消
光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤か
ら選ばれる光安定剤である。尚、老化防止剤、帯電防止
剤、極性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤等を必要に応じ
て各層に添加して機能を向上させることもできる。ま
た、必要により保護層や光安定剤層を適宜設けることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、支持体上に温度変化に
より可逆的に変色する可逆熱変色性組成物又は前記可逆
熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含む
可逆熱変色層を設けた後、前記可逆熱変色層上の全面或
いは部分的に透明状真珠光沢層を形成して得られる。ま
た、支持体が透明性を有する場合は、前記支持体表面に
透明状真珠光沢層を設け、前記透明状真珠光沢層の対向
する位置に可逆熱変色層を設ける構成であってもよい。
なお、前記可逆熱変色層は支持体上に形成されたものに
限らず、該層自体が支持体を兼ねるものであってもよ
い。
【0020】
【実施例】以下に実施例について説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。尚、配合中の部とある
は重量部を示す。 実施例1(図1参照) 30℃で黒色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を
内包したマイクロカプセル顔料50部、及び、白色顔料
10部を、アクリル酸エステル樹脂500部に分散して
平面状に成形した可逆熱変色層2を形成した。ついで、
前記可逆熱変色層2上に、ポリエチレンテレフタレート
(PET)と、約0.7%濃度のピリドン染料(赤色)
を含むポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる
115層の薄膜層を接合し、両外面にポリブチレンテレ
フタレートの表面層を貼合してなる厚さ19μmの真珠
光沢フィルム(ENGELHARD社製、IRIDES
CENT FILM)を、アクリル樹脂エマルジョンを
接着剤として貼着し、透明状真珠光沢層3を形成して光
輝性熱変色性積層体1を得た。尚、前記真珠光沢フィル
ムは、薄膜層中に赤色染料を含有しているため、赤色の
反射色を強調し、透過光は淡紫色のフィルムである。前
記熱変色性積層体1は、30℃以上の温度では可逆熱変
色層が白色を呈し、透明状真珠光沢層を透過した光を反
射するため、淡紫色の積層体が視認される。また、30
℃未満の温度では可逆熱変色層が黒色を呈し、透過した
光が吸収されるため、反射光である光輝性に富むメタリ
ックレッド色が視認される。前記様相変化は温度変化に
より繰り返し行うことができた。
【0021】実施例2(図2参照) 18℃で黒色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を
内包したマイクロカプセル顔料30部をアクリルエマル
ジョン70部に分散し、支持体4として白色合成紙にス
クリーン印刷して可逆熱変色層2を形成した。ついで、
前記可逆熱変色層2上に、ポリエチレンテレフタレート
(PET)と約0.7%濃度の黄色ピラロゾン染料を含
むポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる11
5層の薄膜層を接合し、両外面にポリブチレンテレフタ
レートの表面層を貼合してなる厚さ19μmの真珠光沢
フィルム(ENGELHARD社製、IRIDESCE
NT FILM)を、アクリル樹脂エマルジョンを接着
剤として貼着し、透明状真珠光沢層3を形成して光輝性
熱変色性積層体1を得た。なお、前記真珠光沢フィルム
は、薄膜層中に黄色染料を含有してなり、赤色と黄色が
複合した反射色である金色を強調し、透過光は淡青緑色
のフィルムである。前記熱変色性積層体1は、18℃以
上の温度では可逆熱変色層が無色になり、支持体4の白
色を呈するが、透明状真珠光沢層を透過した光が反射す
るため、淡青緑色の積層体が視認される。また、18℃
未満の温度では可逆熱変色層が黒色を呈し、透過した光
が吸収されるため、反射光である光輝性に富む金色が視
認される。前記様相変化は温度変化により繰り返し行う
ことができた。
【0022】実施例3(図3参照) 感温変色性色彩記憶性組成物〔消色温度30℃、着色温
度15℃:着色時に黒色を呈する〕を内包したマイクロ
カプセル顔料10部、50%アクリル樹脂/キシレン溶
液45部、キシレン20部及びメチルイソブチルケトン
20部を攪拌、混合し、支持体4として長方形の塩化ビ
ニルシート(白色)にスプレーガンにてスプレー塗装し
て可逆熱変色層2を設けた。更に、可逆熱変色層2上
に、実施例1の真珠光沢フィルムを一辺が10μmの正
方形に裁断した真珠光沢微小片20部をアクリル樹脂溶
液100部に混合したインキをドクターナイフで全面に
塗布した後、乾燥硬化させて透明状真珠光沢層3を形成
し、光輝性熱変色性積層体1を得た。前記積層体は、3
0℃以上に加温すると可逆熱変色層が無色になって支持
体の白色を呈し、透明状真珠光沢層を透過した光が反射
するため、白地に淡紫色の微小片がちりばめられた積層
体が視認される。この状態は15〜30℃の温度域で記
憶保持される。前記積層体を15℃以下に冷却すると可
逆熱変色層が黒色を呈し、透過した光が吸収されるた
め、反射光である光輝性に富むメタリックレッド色が視
認され、黒地にメタリックレッド色の微小片がちりばめ
られた積層体が視認される。この状態は15〜30℃の
温度域で記憶保持され、再び30℃以上に加温すると再
び白地に淡紫色の微小片がちりばめられた積層体にな
る。前記様相変化は温度変化により繰り返し行うことが
できた。
【0023】実施例4(図4参照) 感温変色性色彩記憶性組成物〔消色温度30℃、着色温
度15℃:着色時に黒色を呈する〕を内包したマイクロ
カプセル顔料10部、アクリルエマルジョン50部、増
粘剤5部、レベリング剤1部、消泡剤0.5部を攪拌、
混合し、支持体4として長方形の白色ポリエステルタフ
タ生地の全面にスクリーン印刷して可逆熱変色層2を設
けた。更に、実施例1の真珠光沢フィルムを一辺が10
μmの正方形に裁断した真珠光沢微小片20部を、アク
リルエマルジョン50部、増粘剤5部、レベリング剤1
部、消泡剤0.5部中に混合して水性スクリーンインキ
を調製し、前記可逆熱変色層2上に、水玉模様を印刷し
た後、乾燥硬化させて透明状真珠光沢層3を形成して光
輝性熱変色性積層体1を得た。前記積層体は、30℃以
上に加温すると可逆熱変色層が無色になって支持体の白
色を呈し、透明状真珠光沢層を透過した光が反射するた
め、白地に淡紫色の水玉模様を有する積層体が視認され
る。この状態は15〜30℃の温度域で記憶保持され
る。前記積層体を15℃以下に冷却すると可逆熱変色層
が黒色を呈し、透過した光が吸収されるため、反射光で
ある光輝性に富むメタリックレッド色が視認され、黒地
にメタリックレッド色の水玉模様を有する積層体が視認
される。この状態は15〜30℃の温度域で記憶保持さ
れ、再び30℃以上に加温すると再び白地に淡紫色の水
玉模様を有する積層体になる。前記様相変化は温度変化
により繰り返し行うことができた。
【0024】実施例5 25℃で黒色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を
内包したマイクロカプセル顔料10部、50%アクリル
樹脂/キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチル
イソブチルケトン20部を攪拌、混合し、支持体として
ABS製の白色ミニチュアカーにスプレーガンにてスプ
レー塗装して可逆熱変色層を設けた。更に、前記可逆熱
変色層が未乾燥状態のうちに、実施例2の真珠光沢フィ
ルムを一辺が500μmの六角形に裁断してなる真珠光
沢微小片をボンネット部分のみに付着させて透明状真珠
光沢層3を形成し、光輝性熱変色性積層体1を得た。前
記積層体は、25℃以上の室温下では可逆熱変色層が無
色になって支持体の白色を呈し、ボンネット部分のみ透
明状真珠光沢層を透過した光が反射するため、淡青緑色
となり、白色のボディに淡青緑のボンネットからなるミ
ニチュアカーが視認される。前記積層体は、18℃以上
の温度では可逆熱変色層が無色になり、支持体4の白色
を呈するが、透明状真珠光沢層を透過した光が反射する
ため、白色のボディに淡青緑色のボンネットを有するミ
ニチュアカーが視認される。また、18℃未満の温度で
は可逆熱変色層が黒色を呈し、透過した光が吸収される
ため、黒色のボディに反射光である光輝性に富む金色の
ボンネットを有するミニチュアカーが視認される。前記
様相変化は温度変化により繰り返し行うことができた。
【0025】実施例6(図5参照) 支持体4として綿生地上に、黄色、緑色、青色、ピンク
色の非変色性インキを用いてスクリーン印刷にて波柄を
印刷して非変色層5を形成した。ついで、前記非変色層
5上に、18℃で黒色から無色に変色する可逆熱変色性
組成物を内包したマイクロカプセル顔料30部をアクリ
ルエマルジョン70部に分散した可逆熱変色性インキを
用いて印刷して可逆熱変色層2を形成した。ついで、前
記可逆熱変色層上に、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)と、約0.7%濃度の黄色ピラロゾン染料を添加
したポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる2
29層の薄膜層を接合し、両外面にポリブチレンテレフ
タレートの表面層を貼着してなる厚さ19μmの真珠光
沢フィルム(ENGELHARD社製、IRIDESC
ENT FILM)を、アクリルエマルジョンを接着剤
として貼合し、透明状真珠光沢層3を形成して光輝性熱
変色性積層体1を得た。なお、前記真珠光沢フィルム
は、薄膜層中に黄色染料を含有してなり、金色の反射色
を強調するフィルムである。前記積層体は、18℃以上
の温度では可逆熱変色層が無色になって非変色層による
黄色、緑色、青色、ピンク色の波柄模様が視覚される
が、透過光は淡青緑色の透明状真珠光沢層を通して視認
されるため、やや青みを有する黄色、緑色、青色、ピン
ク色の波柄模様として視覚される。また、18℃未満の
温度では可逆熱変色層が黒色を呈して黄色、緑色、青
色、ピンク色の波柄模様を隠蔽し、透過した光が黒色に
て吸収されるため、反射光である光輝性に富む金色を呈
する積層体が視認される。前記様相変化は温度変化によ
り繰り返し行うことができた。
【0026】実施例7 支持体として綿生地上に、黄色、緑色、青色、ピンク色
の非変色性インキを用いてスクリーン印刷にて波柄を印
刷して非変色層を形成した。前記非変色層上に、18℃
で黒色から無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包し
たマイクロカプセル顔料30部をアクリルエマルジョン
70部に分散した可逆熱変色性インキを用いて印刷して
可逆熱変色層を形成した。ついで、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)と、約0.7%濃度の黄色ピラロゾ
ン染料を添加したポリメチルメタクリレート(PMM
A)からなる229層の薄膜層を接合し、両外面にポリ
ブチレンテレフタレートの表面層を貼着してなる厚さ1
9μmの真珠光沢フィルム(ENGELHARD社製、
IRIDESCENT FILM)と透明性ポリエステ
ルフィルムを貼着した後、一辺が10μmの円形に裁断
して真珠光沢微小片としてアクリルエマルジョンと混合
し、前記可逆熱変色層上に、ドクターナイフにて全面塗
工して透明状真珠光沢層を形成して光輝性熱変色性積層
体を得た。なお、前記真珠光沢微小片は、薄膜層中に黄
色染料を含有してなり、金色の反射色を強調するフィル
ムである。前記積層体は、18℃以上の温度では可逆熱
変色層が無色になって非変色層による黄色、緑色、青
色、ピンク色の波柄模様が視覚されるが、透過光は淡青
緑色の透明状真珠光沢層を通して視認されるため、やや
青みを有する黄色、緑色、青色、ピンク色の波柄模様と
して視覚される。また、18℃未満の温度では可逆熱変
色層が黒色を呈して黄色、緑色、青色、ピンク色の波柄
模様を隠蔽し、透過した光が黒色にて吸収されるため、
反射光である光輝性に富む金色を呈する積層体が視認さ
れる。前記様相変化は温度変化により繰り返し行うこと
ができた。
【0027】
【発明の効果】本発明は、可逆熱変色層上に前記した透
明状真珠光沢層を積層することにより、可逆熱変色層の
色変化によって択一的に透明状金属光沢層の鮮やかな金
属光沢色が視覚されるコントラストに優れた積層体であ
り、玩具分野、衣料分野、繊維材料分野等、多方面への
応用展開が可能な装飾性の高い光輝性熱変色性積層体を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光輝性熱変色性積層体の一実施例の縦
断面説明図である。
【図2】本発明の光輝性熱変色性積層体の他の実施例の
縦断面説明図である。
【図3】本発明の光輝性熱変色性積層体の他の実施例の
縦断面説明図である。
【図4】本発明の光輝性熱変色性積層体の他の実施例の
縦断面説明図である。
【図5】本発明の光輝性熱変色性積層体の他の実施例の
縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 光輝性熱変色性積層体 2 可逆熱変色層 3 透明状金属光沢層 4 支持体 5 非変色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK25 AK25G AK42 AR00A AR00B AR00C BA02 BA05 BA07 BA10A BA10C BA13 BA26 CA13B CA13C CB00 DC21B DC21C DE04 DG10 GB72 GB84 HB00 JJ10A JM01G JN01B JN01C JN18B JN18C JN22 JN22B JN22C JN24 JN28 JN28A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可逆熱変色層上に透明状真珠光沢層を積
    層してなり、前記透明状真珠光沢層はポリマーからなる
    10層以上の薄膜層を接合した、接触して隣接する薄膜
    層は異なる屈折率を有して光干渉現象を示し、且つ、前
    記薄膜層が透光性染料を含む層である光輝性熱変色性積
    層体。
  2. 【請求項2】 前記可逆熱変色層上に部分的に透明状真
    珠光沢層を配設してなる請求項1記載の光輝性熱変色性
    積層体。
  3. 【請求項3】 前記透明状真珠光沢層が、ポリマーから
    なる10層以上の薄膜層を接合した、接触して隣接する
    薄膜層は異なる屈折率を有して光干渉現象を示し、且
    つ、前記薄膜層が透光性染料を含む透明状真珠光沢フィ
    ルムの微小片により形成されてなる請求項1記載の光輝
    性熱変色性積層体。
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