JPH068628A - 熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート - Google Patents

熱変色性積層体およびこの積層体を製造する為に使用する組成物とシート

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JPH068628A
JPH068628A JP4204192A JP20419292A JPH068628A JP H068628 A JPH068628 A JP H068628A JP 4204192 A JP4204192 A JP 4204192A JP 20419292 A JP20419292 A JP 20419292A JP H068628 A JPH068628 A JP H068628A
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裕 柴橋
Michiyuki Yasuda
満行 安田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 赤ないし紫のメタリック色から無色または他
の色に熱変色する積層体とこの積層体を形成する塗装組
成物とシートを提供する。 【構成】 A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸
化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜41
5nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属
光沢顔料と膜形成材とからなる反射光の波長を調整する
層を第一層とし、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状
態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と膜形成材
により形成された層を第二層とした、可逆的にメタリッ
ク色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体で
あって第2層は非熱変色性染顔料を含むことも出来る。
この積層体を形成する夫々のその塗装組成物とシートも
包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタリック色の金属光沢
熱変色性積層体およびこの積層体を形成するのに用いら
れる塗装組成物とシートに関する。さらに詳細には、温
度変化により赤、緑、青、紫色系のメタリック色からの
色変化を呈する金属光沢調の熱変色性積層体およびこの
積層体を形成するのに用いられる塗装組成物とシートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、温度変化により有色←→無
色、有色〔1〕←→有色〔2〕の可逆的色変化を呈する
熱変色性材は特公昭51−44706号公報、特公昭5
1−44707号公報、特公昭51−44708号公
報、特公昭52−7764号公報、特公昭51−465
48号公報、特開昭62−140881号公報等に記載
されており、これを利用して彩色した熱変色材は示温要
素、玩具要素、マジック要素等として実用に供されてい
る。
【0003】しかしながら、温度変化によりメタリック
色の金属光沢色から無色への可逆的変化や、他の異なる
有色への可逆的色変化を呈する熱変色性材及び前記色変
化を鮮明に発現させる熱変色材料は、未だ知られていな
い。この他、色変化を多様化させる試みは実公平3−1
4400号公報に開示されている。この公報に記載され
ている熱変色材は感熱液晶を真珠光沢層で覆い、真珠光
沢感のある色変化を発現させようとするものである。と
ころが液晶は本来無色であり、可視光線の選択的散乱で
ある特定の波長を反射する為、裏面に黒っぽい不透明層
が必要であり、従って、その色変化は、黒−赤−黄−緑
−青−紫−黒に見えるため、その上に真珠光沢層を設け
たとしても、色変化は鮮明にならない。例えば、メタリ
ック色真珠光沢顔料を使用した場合、その色変化は、メ
タリック色−メタリック色かかった赤−メタリック色か
かった黄−メタリック色かかった緑−メタリック色かか
った青−メタリック色かかった紫−メタリック色とな
り、メタリック色を帯びない色への明瞭な変化を示さな
い。又、真珠光沢色から無色の色変化を発現させること
が出来ず、下地を隠蔽したり、顕現させることが出来な
い。金属光沢のメタリック色は豪華な色でありメタリッ
ク色から他の色への変化は最も看者の注目を集めるので
このような変色材料に対する要求が大きかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、熱変色
性材料による変色効果を有効に奏させメタリック色の金
属光沢色から鮮明で多彩に熱変色させるため研究を行な
い、本発明を完成させたのである。本発明に用いる熱変
色性材料は、液晶と異なり、熱変色性材料自体に明瞭な
色変化がある為、下層に黒っぽい不透明層を設ける必要
がなく、しかも有色−無色の変化が出来る特徴がある。
従って、前記熱変色性材料による有色−無色の熱変色層
上にメタリック色金属光沢顔料層を積層することによ
り、メタリック色の金属光沢色から無色の色変化を視覚
させることが出来る。従って、例えば白色支持体上に有
色−無色の熱変色層を設け、前記熱変色層にメタリック
色の金属光沢層を積層することによりメタリック色の金
属光沢色から白色の色変化を視覚させることが出来る。
また非変色性着色剤を混合させることによるメタリック
色の金属光沢色から有色への明瞭な色変化を看者に視覚
させることも出来る。さらに金属光沢色で下層の着色層
を隠顕させる構成となすことが出来る。この種の色変化
や隠蔽は前記液晶の系では発現出来ない。更には、熱変
色性材料としてヒステリシス幅が極めて大きい熱変色性
材料いわゆる色彩記憶性感温色素を含む色材を使用する
ことにより、熱変色に要した熱又は冷熱を取り去った後
も変化した状態を保持させることが出来、常温域でその
状態を視覚させることが出来る効果をも奏する。こうし
てメタリック色の金属光沢色の熱による色変化が明瞭に
発現されるので、本発明は、装飾分野、インテリヤ分
野、玩具、文具、情報分野に広く利用される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415
nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属光
沢顔料と膜形成材とからなる反射光の波長を調整する層
を第一層とし、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状
態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と膜形成材
により形成された層を第二層とした、可逆的にメタリッ
ク色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体。 2. A.第一層が(a)天然雲母の表面を45〜58
重量%の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが2
45〜415nmであって粒度が5〜60μmのメタリ
ック色金属光沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗
装組成物を被覆して形成したメタリック色の金属光沢呈
色塗膜層と、(b)天然雲母の表面を45〜58重量%
の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜
415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色
金属光沢顔料と合成樹脂により成形したメタリック色の
金属光沢色シート、とから選んだ反射光の波長を調整す
る層であり、 B.第二層が(a)電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒
体とからなる熱変色材料で発色状態の色濃度の明度値が
6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色
材料と塗膜形成材と展色料からなる塗装組成物を被覆し
て形成した層と、(b)電子供与性化合物と電子受容性
化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合
物媒体とからなる熱変色材料で発色状態の色濃度の明度
値が6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱
変色材料と合成樹脂により成形した熱変色シート、とか
ら選んだ熱変色する層である1項に記載された、可逆的
にメタリック色の金属光沢色から無色に変色する熱変色
性積層体。 3. 第2層の熱変色性層が非熱変色性の有色の染料ま
たは顔料を配合した熱変色材料であり発色時の混合系の
色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有
色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−(V
1)>1である1項または2項に記載された、可逆的に
メタリック色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱
変色性積層体。 4. 1項ないし3項のいずれか1項に記載された可逆
的にメタリック色の金属光沢色から無色または染顔料の
色に変色する熱変色性積層体の熱変色性層の次に非熱変
色性の有色の染料または顔料と膜形成材により形成され
た色濃度の明度値(V3)が4以上であって熱変色材料
の発色時の明度値(V4)との間に(V3)−(V4)
>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染顔料着色層を配
置した可逆的にメタリック色の金属光沢色から染顔料の
色に変色する熱変色性積層体。 5. メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の表面を4
5〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上に0.5
〜10重量%の非熱変色性有色染顔料を被覆した被覆層
の光学的厚みが245〜415nmであり粒度5〜60
μmのメタリック色金属光沢顔料である1項ないし4項
のいずれか1項に記載された可逆的にメタリック色の金
属光沢色から非熱変色性染顔料の色に変色する熱変色性
積層体。 6. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
45〜47重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
245〜275nmのメタリックレッド色の金属光沢顔
料である、1項ないし5項のいずれか1項に記載された
可逆的にメタリックレッド色の金属光沢色から無色また
は非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱変色性積層体。 7. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
48〜50重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
280〜310nmのメタリックパープル色の金属光沢
顔料である、1項ないし5項のいずれか1項に記載され
た可逆的にメタリックパープル色の金属光沢色から無色
または非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱変色性積層
体。 8. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
51〜54重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
315〜350nmのメタリックブルー色の金属光沢顔
料である、1項ないし5項のいずれか1項に記載された
可逆的にメタリックブルー色の金属光沢色から無色また
は非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱変色性積層体。 9. メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母の表面を
55〜58重量%の酸化チタンで被覆した光学的厚みが
375〜415nmのメタリックグリーン色の金属光沢
顔料である、1項ないし5項のいずれか1項に記載され
た可逆的にメタリックグリーン色の金属光沢色から無色
または非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱変色性積層
体。 10. 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機媒体をマ
イクロカプセルに包んだ熱変色材である1項ないし9項
のいずれか1項に記載された、可逆的にメタリック色か
ら無色または染顔料の色に変色する熱変色性積層体。 11. メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の表面を
45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上に4〜1
0重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚みが24
5〜415nmであり粒度5〜60μmのメタリック色
の金属光沢顔料である、1項ないし10項のいずれか1
項に記載された可逆的にメタリック色の金属光沢色から
淡黄色に変色する熱変色性積層体。 12. 1項ないし11項のいずれか1項に記載された
可逆的にメタリック色の金属光沢色から無色または染顔
料の色に変色する熱変色性積層体を裁断して粉末化した
熱変色性粒状体。 13. 1項ないし10項のいずれか1項に記載された
可逆的にメタリック色の金属光沢色から無色または染顔
料の色に変色する熱変色性積層体を裁断して糸状とした
熱変色性糸。 14. A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415
nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属光
沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物と、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展色料、
とからなる二種類の塗装組成物を組合わせた、可逆的に
メタリック色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性
積層体形成用二液型塗装組成物。 15. 熱変色材料と塗膜形成材と展色料とからなる塗
装組成物が非熱変色性の有色の染料または顔料を配合し
た発色時の混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で
消色時の混合系の有色の明度値(V2)が4以上であっ
て(V2)−(V1)>1の熱変色性組成物である14
項に記載された可逆的にメタリック色の金属光沢色から
染顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用二液型塗装
組成物。 16. A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415
nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属光
沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組成物と、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
の呈色反応を可逆的に生起させ有機化合物媒体とからな
る発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色
の明度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展色
料とからなる塗装組成物と、(b)電子供与性化合物と
電子受容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させ
る有機化合物媒体とからなる発色状態の色濃度の明度値
が6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変
色材料に非熱変色性の有色の染料または顔料を配合した
発色時の混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消
色時の混合系の有色の明度値(V2)が4以上であって
(V2)−(V1)>1の塗装組成物と、から選んだ熱
変色性組成物、 C.非熱変色性の染料または顔料と塗膜形成材と展色料
により形成された色濃度の明度値(V3)が4以上であ
って熱変色材料の発色時の明度値(V4)との間に(V
3)−(V4)>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染
顔料の着色塗装組成物、の三種類の重ね塗り塗装組成物
を組合わせた可逆的にメタリック色の金属光沢色から染
顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用三液型塗装組
成物。 17. 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機媒体をマ
イクロカプセルに包んだ熱変色材である14項ないし1
6項のいずれか1項に記載された、可逆的にメタリック
色から無色ないし淡黄色または染顔料の色に変色する熱
変色性積層体形成用液状塗装組成物。 18. メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の表面を
45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上に4〜1
0重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚みが24
5〜415nmであり粒度5〜60μmのメタリック色
の金属光沢顔料または、天然雲母の表面を45〜58重
量%の酸化チタンで被覆し、その上に、0.5〜10重
量%の非熱変色性有色性染顔料を被覆した、被覆層の光
学的厚みが245〜415nmであり、粒度5〜60μ
mのメタリック色の金属光沢顔料である、14項ないし
17項のいずれか1項に記載された可逆的にメタリック
色の金属光沢色から淡黄色または染顔料の色に変色する
熱変色性積層体形成用液状塗装組成物。 19. A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415
nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属光
沢顔料と合成樹脂により成形したメタリック色の金属光
沢呈色シートと、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
度値が8以上である熱変色材料と合成樹脂により成形し
た熱変色シート、の二種類のシートを組み合わせた、可
逆的にメタリック色の金属光沢色から無色に変色する熱
変色性積層体形成用シート。 20. 熱変色シートが熱変色材料の他に非熱変色性の
有色の染料または顔料を配合した発色時の混合系の色濃
度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系の有色の
明度値(V2)が4以上であって(V2)−(V1)>
1の熱変色性シートである19項に記載された可逆的に
メタリック色の金属光沢色から染顔料の色に変色する熱
変色性積層体形成用シート。 21. A.天然雲母の表面を45〜58重量%の酸化
チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415
nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色金属光
沢顔料と合成樹脂により成形したメタリック色の金属光
沢呈色シートと、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
なる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
色の明度値が8以上である熱変色材料とにより成形した
シートと、(b) 電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒
体とからなる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色
状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料の他に非
熱変色性の有色の染料または顔料を配合した発色時の混
合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合
系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−
(V1)>1のシートと、から選んだ熱変色性シート
と、 C.非熱変色性の有色の染料または顔料を配合した色濃
度の明度値(V3)が4以上であって熱変色材料の発色
時の明度値(V4)との間に(V3)−(V4)>1の
関係が成り立つ、着色性シート、の三種類のシートを組
み合わせた、可逆的にメタリック色の金属光沢色から染
顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用三種組み合わ
せシート。 22. 熱変色材が電子供与性化合物と電子受容性化合
物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機媒体をマ
イクロカプセルに包んだ熱変色材である14項ないし1
6項のいずれか1項に記載された、可逆的にメタリック
色から無色ないし淡黄色または染顔料の色に変色する熱
変色性積層体形成用組合せシート。 23. メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の表面を
45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上に4〜1
0重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚みが24
5〜415nmであり粒度5〜60μmのメタリック色
の金属光沢顔料または、天然雲母の表面を45〜58重
量%の酸化チタンで被覆し、その上に、0.5〜10重
量%の非熱変色性有色性染顔料を被覆した、被覆層の光
学的厚みが245〜415nmであり、粒度5〜60μ
mのメタリック色の金属光沢顔料である、19項ないし
22項のいずれか1項に記載された可逆的にメタリック
色の金属光沢色から淡黄色または染顔料の色に変色する
熱変色性積層体形成用シート。」に関する。
【0006】本発明で使用するメタリック色の金属光沢
顔料は、具体的には、天然雲母粒子の表面を酸化チタン
で被覆した、メタリック色を呈する顔料である。また酸
化チタン層の上を酸化鉄で被覆した顔料も使用される。
さらに酸化チタン被覆の上を非熱変色性有色染顔料で被
覆した二色性金属光沢顔料も使用される。本発明で言う
メタリック色とは赤系、緑系、青系、紫系の金属光沢色
を指す。
【0007】メタリック色の金属光沢顔料を更に具体的
に説明すれば、メタリック色金属光沢顔料は天然雲母粒
子の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆した、
被覆層の光学的厚さ245〜415nm、粒度5〜60
μmのもの、天然雲母粒子の表面を45〜58重量%の
酸化チタンで被覆し、その上を4〜10重量%の酸化鉄
で被覆した被覆層の光学的厚さが245〜415nmで
粒度5〜60μmのものも使用される。天然雲母粒子の
表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上
層を0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料で被覆
した、被覆層の光学的厚さ245〜415nm、粒度5
〜60μmの二色性メタリック色金属光沢顔料も使用出
来る。
【0008】本発明の被覆層の光学的厚さとは屈折率×
幾何学的厚さのことであって、この厚さは或る一定の波
長を反射させることに関連している。言いかえれば特定
の光学的厚みが特定の波長の光を反射させるのであり、
天然雲母の表面に形成した245〜415nmの酸化チ
タン層が380〜700nmの紫色〜赤色の光を分光選
択して反射するのである。熱変色層は電子供与性呈色化
合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させ
る有機化合物媒体の三成分を含む熱変色材料が用いられ
る。熱変色性材料の発、消色時の明度値とは無彩色の配
列において、完全な黒を0、完全な白を10として、そ
の間を明るさの感覚の差が等間隔になるように分割した
マンセル色票系の明度値を示し、有彩色の明度は有彩色
の明るさの感覚がこれと等しい無彩色の明度値を示す。
即ち、明度値が小さい程、黒色に近く、明度値が大きい
程、白色に近い。
【0009】
【作用】本発明の熱変性積層体は、熱変色層にメタリッ
ク色の金属光沢顔料層を積層した積層体であって、熱変
色層の色変化をメタリック色の金属光沢顔料層を透して
看者に視覚させるものである。前述のように、酸化チタ
ンを被覆した雲母は酸化チタンの被覆重量と被覆の光学
的厚さによって赤色〜紫色の可視光線を夫々の色の波長
の光線に分光して特定の波長の光のみを反射し、他の光
を透過させる作用を有する。一方雲母は光を乱反射せず
平行光線で反射するので光は金属光沢を帯びる。第一層
を透過した光は第2層の熱変色した層で吸収されてしま
う。こうして特定の波長の金属光沢の光が反射されるの
で特定の色のメタリック色になるのである。具体的に
は、雲母は被覆した酸化チタンの被覆量、即ち被覆層の
厚みを調整することにより、干渉時の反射光の波長が変
化する作用を奏する。例えば、選択的に特定の色の光を
反射し、他の色の光を透過するように光学的厚みを調製
した酸化チタン被覆雲母は、透過する光は下地の黒色に
吸収され、特定の色光のみが反射するため、特定色のメ
タリック色を呈する。一方、下地が白色の場合には、透
過した光も下地の白色で反射し、メタリック色光のみな
らず他の色光まで反射し、可視光線の全波長を反射する
ことになるため、白色に視覚される。従って、下層の熱
変色層を黒色←→白色に可逆的に変化させることによ
り、看者に特定色のメタリック色←→白色の可逆的色変
化を視覚させる。
【0010】ここで重要なことは酸化チタンは光学的厚
み245〜415nmの要件を満たさなければならない
ことである。
【0011】天然雲母に被覆する酸化チタンの光学的厚
みが上記の範囲内であると厚みに対応して赤色〜紫色の
各色に夫々分光に反射し反射光は平行光線となるのでメ
タリック色の光となる。例えば酸化チタンの被覆重量%
が45〜47%で、光学的厚みが245〜275nmの
顔料は500〜550nmの緑色の光を透過し、650
〜700nmの赤色の光を反射する。メタリック色顔料
層を透過した光はその下の層の熱変色材層に吸収される
と看者の目には赤色系のメタリック色のみが見えること
になる。
【0012】熱変色剤層がメタリック顔料層を透過した
光を反射すると看者の目には全可視光線がそのまま見え
るので白色に見えるので、熱変色層の変色による明度値
の変化によりメタリック色の消失と表出が可逆的に行わ
れる。そして雲母は粒子が平行の層状に並ぶので反射光
は乱反射せず平行光線となる。このような平行反射光は
金属光沢色を帯びるのでこの顔料の反射光は金属光沢を
帯びた赤色の光つまり赤色系のメタリック色となるので
ある。
【0013】同様に、酸化チタンの被覆重量%が55〜
58%で光学的厚みが375〜415nmの顔料は63
0〜700nmの赤色の光を透過し、500〜540n
mの緑色の光を反射し、緑色系のメタリック色となる。
【0014】また、酸化チタンの被覆重量%が51〜5
4%で光学的厚みが315〜350nmの顔料は580
〜630nmの橙色の光を透過し、430〜500nm
の青色の光を反射し、青色系のメタリック色となる。
【0015】酸化チタンの被覆重量%が48〜50%で
光学的厚みが280〜310nmの顔料は530〜58
0nmの黄色の光を透過し、380〜430nmの紫色
の光を反射し紫色系のメタリック色となる。
【0016】このように、本発明は特定の酸化チタンの
被覆量と、光学的厚みにより、特定の波長の光を反射
し、雲母の干渉作用と熱変色材の有色無色の変色作用に
よりメタリック色を表出することが出来るのである。
【0017】さらに、天然雲母粒子の表面に酸化チタン
を被覆し、その上層に酸化鉄を被覆させたメタリック色
金属光沢顔料においては、上記波長選択的な反射、透過
作用に加え、酸化鉄自身の持つ紫色光を吸収し、黄色光
を反射する特性が加味される事により、メタリック色か
ら淡黄色の可逆的色変化を視覚させる。酸化チタンの被
覆率が45重量%未満では十分なメタリック色が出にく
い。また、酸化チタンの被覆率が58重量%を超えて
も、波長選択性が悪くなるので充分なメタリック色には
ならない。酸化鉄の被覆率が4重量%未満の場合上に示
した酸化鉄の効果が十分現れず10重量%を超える場合
には、メタリック色にはなるが、酸化鉄の着色が強すぎ
て、綺麗なメタリック色からの色変化が得られない。酸
化鉄を併用する場合は、酸化チタン被膜の上に酸化鉄膜
を形成するのが、メタリック金属光沢色から淡黄色への
色変化の発現に最も効果的である。酸化鉄の上に酸化チ
タンを被覆すると酸化チタンの反射効果が大きいので酸
化鉄の効果が小さい。酸化チタンと酸化鉄が混在する
と、酸化鉄が上層にあるのにくらべ、酸化チタンが酸化
鉄の反射光を遮る場合もあるので、酸化鉄の反射効率が
悪くなる。酸化チタン膜の上に酸化鉄膜を設けると、酸
化鉄層が紫色の光を吸収し、他の光を反射する性質があ
り、この光が黄色に見えるので酸化チタン層による金属
光沢を有するメタリック色から淡黄色への変化を与える
効果がある。上層に酸化鉄膜があることによりこの酸化
鉄層からの反射光は他の層によりさえぎられたり反射さ
れることがないからである。
【0018】また、天然雲母粒子の表面に酸化チタンを
被覆し、その上層に非熱変色性有色染顔料を被覆させた
メタリック色の金属光沢顔料においては、被覆させる非
熱変色性有色染顔料の色により、さらに多種多様な色変
化を表現する事が出来、例えば、黒色←→白色の熱変色
性層と組合わせて、メタリック色←→ピンク色、メタリ
ック色←→青色、等のメタリック色←→有色の可逆的色
変化を視覚させることが出来る。酸化チタンの被覆率が
45重量%未満の場合には、十分なメタリック色が出に
くい為、非熱変色性有色染顔料を被覆すると、メタリッ
ク色には見えない。また酸化チタンの被覆率が58重量
%を超えると、波長選択性が悪くなるので、十分なメタ
リック色に見えない。非熱変色性有色染顔料の被覆率が
0.5重量%未満の場合有色の十分な色濃度が得られな
い。10重量%を超える場合には有色の色濃度が高過ぎ
てメタリック色と有色のコントラストが小さくなる。各
顔料は前記の範囲内にあることにより、選択的にメタリ
ック色の波長の光を透過し、その補色関係にある波長の
光を反射する特性を与えることが出来る。前記の範囲外
になると波長選択性がなくなるか或いは波長選択性はあ
ってもメタリック色にはならない。
【0019】また熱変色層として非変色性染顔料着色剤
を配合した層を用いると、メタリック色の金属光沢色か
ら着色料の有色への可逆的色変化が視覚される。メタリ
ック色の金属光沢顔料層は透明性であるから、下層に非
変色性着色層を配置するとこの着色層の色を熱変色層の
熱変色と同時に視覚させることが出来る。また最下層に
非熱変色性着色層を配置すると熱変色層の着色状態で下
層の非変色性着色層例えば文字、図柄等も隠蔽される
が、この際、メタリック色の金属光沢顔料層の光反射効
果により熱変色のみの隠蔽効果に比べて隠蔽効果を高め
る。
【0020】前述の通り熱変色層は電子供与性呈色性化
合物と電子受容性化合物と有機化合物媒体の三成分から
なる。具体的には例えば前述の特公昭51−35414
号公報等に記載される、(1) (イ)電子供与性呈色
性有機化合物と(ロ)フエノール性水酸基を有する化合
物と(ハ)極性の置換基を有さない鎖式脂肪族1価アル
コールの三成分を必須成分とした可逆性熱変色材料。ま
たは、(2) (イ)電子供与性呈色性有機化合物と
(ロ)フエノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極性
の置換基を有さない脂肪族1価アルコールと極性の置換
基を有さない脂肪族モノカルボン酸から得た極性の置換
基を有さないエステルより選んだ化合物の三成分を必須
成分とした可逆性熱変色材料。または、(3) (イ)
電子供与性呈色性有機化合物と(ロ)フエノール性水酸
基を有する化合物と(ハ)極性の置換基を有さない高級
脂肪族1価アルコールと、極性の置換基を有さない脂肋
族モノカルボン酸と極性の置換基を有さない鎖式脂肪族
1価アルコールから得た極性の置換基を有さないエステ
ルのいずれかより選んだ化合物の三成分を必須成分と
し、これを微小カプセルに内包した可逆性熱変色材料。
あるいは、(4) (イ)電子供与性呈色性有機化合物
と(ロ)フエノール性水酸基を有する化合物と(ハ)極
性の置換基を有さない高級脂肪族1価アルコールと、極
性の置換基を有さない高級脂肪族モノカルボン酸と極性
の置換基を有さない鎖式脂肪族1価アルコールとから得
た極性の置換基を有さないエステルより選んだ化合物の
三成分を必須成分とし、これをビヒクル中に溶解又は分
散してなる熱変色性材料。等である。
【0021】熱変色材料はマイクロカプセルに内包して
使用するのが最も好ましい。それは種々の使用条件にお
いて熱変色材料は同一の組成に保たれ、同一の作用効果
を奏することが出来るからである。
【0022】この他、特開昭60−264285号公報
に記載されている、大きなヒステリシス特性を示して変
色する色彩記憶性感温変色性色素を含む熱変色性材料即
ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線
の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇
させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降さ
せていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタ
イプの変色材で低温側変色点の間の常温域において、前
記低温側変色点以下又は高温側変色点以上の温度で変化
させた状態を記憶保持出来る特徴を有する熱変色材料も
使用される。
【0023】本発明の熱変色積層体を具体的に説明す
る。本発明の熱変色積層体は、(A)熱変色層にメタリ
ック色の金属光沢顔料層を積層した積層体と、(B)熱
変色性材料に非変色性染顔料を混合してなる熱変色層に
メタリック色の金属光沢顔料層を積層した積層体と、
(C)非変色性着色層に熱変色層を積層し、前記熱変色
層上にメタリック色の金属光沢顔料層を積層した積層体
である。
【0024】前記の熱変色積層体は支持体上に積層され
てもよく、メタリック色の金属光沢顔料層の上側に透明
保護膜が積層されてもよく、また熱変色層とメタリック
色の金属光沢顔料層との間にクリヤーコート層や透明ラ
ミネート層を介在させてもよい。次に、本発明のメタリ
ック色の金属光沢調熱変色積層体を前記した(A)〜
(C)に基づき説明する。前記した(A)の積層体にお
いて、メタリック色の金属光沢顔料層は、粒度約5〜6
0μmのメタリック色の金属光沢顔料が透明樹脂に分散
状態で固着された層であり、熱変色層が、電子供与性呈
色性有機化合物、電子受容性化合物、前記両者の呈色反
応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分の均質
相溶体からなる熱変色性材料(以下、熱変色性材料とい
う)とからなる変色材料が分散状態で透明な膜形成材で
固着された、発色状態の色濃度の明度値が6以下、消色
状態の無色の明度値が8以上である層であって、メタリ
ック色の金属光沢色から無色、無色からメタリック色の
金属光沢色の可逆的色変化を呈するメタリック色の金属
光沢調熱変色積層体が構成される。発色状態の色濃度の
明度値が6以下にあると、上層にあるメタリック色の金
属光沢顔料を透過した光を十分吸収する能力があり、例
えば、メタリック色の金属光沢顔料の場合、明瞭にメタ
リック色の金属光沢色に見える。しかし、発色状態の明
度値が6を越える場合、メタリック色の金属光沢顔料を
透過した光を十分吸収できなくなり、一部は又、反射し
てしまうため、明瞭なメタリック色に見えなくなる。一
方、消色状態の無色の明度値が8以上にあるとメタリッ
ク色の金属光沢顔料を透過した光を十分反射する能力が
あるため、メタリック色の金属光沢顔料で反射した光と
熱変色性材料で反射した光が混合し、白色光に戻るた
め、無色に見える。しかし、消色状態の明度値が8未満
の場合、メタリック色の金属光沢顔料を透過した光を十
分反射できなくなり、一部吸収するため無色にはならず
着色状態の時のメタリック色が残る。
【0025】(B)の積層体において、前記メタリック
色の金属光沢顔料層が約5〜60μmのメタリック色の
金属光沢顔料が透明樹脂に分散状態で固着された層であ
り、熱変色層が、前記熱変色性材料と非変色性の着色剤
(染料、顔料)が混合された、発色状態の色濃度の明度
値(V)が6以下、消色状態の有色の明度値(V
が4以上であり、且つ前記明度値(V)…明度値(V
)>1の関係を満す層であって、メタリック色から有
色、有色からメタリック色の可逆的色変化を呈するメタ
リック色の金属光沢熱変色積層体が形成される。発色状
態の混色系の色濃度の明度値(V)が6以下である理
由は前記と同様である。一方、消色状態の混色系の有色
の明度値(V)が4以上で、且つ前記V−V1>1
を満足する必要がある理由は、この系では非変色着色
剤、非熱変色性の染料、顔料が混合され有色となるため
明度値は小さくなり、染顔料の色によって変動する。例
えば、黄色、橙色等では比較的明度値は大きく、逆に赤
色、紫色等では明度値は小さくなる。しかし、満足する
色変化を得るためには消色状態の明度値は発色状態の明
度値より少なくとも1より大であることが必要であり、
1以下の場合にはコントラストが小さすぎて色変化が鮮
明にならない。このような条件下で4以上の明度値があ
れば、例えばメタリック色から有色、有色からメタリッ
ク色の可逆的色変化を呈することが出来る。しかし、4
未満になると下地の混色層の色濃度が濃くなりすぎ、メ
タリック色が消色状態でも見えてしまう。
【0026】(C)の積層体において、熱変色層の下層
に色濃度の明度値(V)が4以上であり、且つ熱変色
層の発色状態の明度値(V)との間に、V−V
1の関係を満す非変色性着色層が形成されており、メタ
リック色の金属光沢色と非変色性着色層の色との可逆的
色変化を呈するメタリック色の金属光沢調熱変色積層体
が構成される。尚、前記した熱変色性材料の発、消色時
の明度値が小さい程、黒色に近く、明度値が大きい程、
白色に近い為、可視光線をどの程度吸収し、どの程度反
射するかの指標に使うことができ、この指標は、メタリ
ック色金属光沢顔料層を透過した可視光線がその下層に
ある熱変色性層でどのように反射・吸収するかを示すこ
とになる。
【0027】従って、熱変色性層が6以下の明度値であ
れば、メタリック色金属光沢顔料を透過した可視光線を
十分吸収できる能力を持ち、その結果として、メタリッ
ク色金属光沢顔料層で反射したメタリック色光のみが視
覚できる為、メタリック色に見える。また、逆に、8以
上の明度値になると、メタリック色金属光沢顔料層を透
過した可視光線を反射することになるので、メタリック
色金属光沢顔料層で反射したメタリック色光と熱変色性
層で反射した光の両方を一緒に視覚することになる為、
メタリック色には見えなくなる。
【0028】即ち、熱変色性材料の変色温度以下でメタ
リック色に見え、変色温度以上でメタリック色が消える
特性を有するかどうかの指標である。本発明の明度値
は、下記の如く調整した試料について、東京電色株式会
社製 IC−3600色差計を用いて測定して求めた値
である。 1. 熱変色層(非変色性染顔料を混合させた系も含
む)の明度値の測定 (1)熱変色層(有色←→無色)の明度値の測定 熱変色性材料10部、50%アクリル酸エステル樹脂/
キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチルイソブ
チルケトン20部を攪拌、混合し、明度値9.1の白色
の塩化ビニールシートにスプレーガンにてスプレー塗装
し、乾燥後の厚み40μmの熱変色層を調製する。得ら
れた熱変色層の発色状態及び消色状態の明度値を測定す
る。 (2)熱変色層(有色I←→有色II)の明度値の測定 熱変色性材料10部、非熱変色性染顔料を所望量、50
%アクリル酸エステル樹脂/キシレン溶液45部、キシ
レン20部及びメチルイソブチルケトン20部を撹拌、
混合し、明度値9.1の白色の塩化ビニールシートにス
プレーガンにてスプレー塗装し、乾燥後の厚み40μm
の熱変色層を調製する。得られた熱変色層の発色状態及
び消色状態の明度値を測定する。 2. 非変色性着色層(非熱変色性染顔料による彩色)
の明度値の測定 非熱変色性染顔料を所望量、50%アクリル酸エステル
樹脂/キシレン溶液45部、キシレン20部及びメチル
イソブチルケトン20部を撹拌、混合し、明度値9.1
の白色の塩化ビニールシートにスプレーガンにてスプレ
ー塗装し、乾燥後の厚み10μmの非変色性着色層を調
製する。得られた非変色性着色層の明度値を測定する。
本発明の熱変色性積層体は前述のメタリック色の金属光
沢顔料と熱変色性材料が透明な膜形成材より結合された
層からなる。
【0029】つぎに膜形成材を例示する。アイオノマー
樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹脂、
アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹脂、
アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニト
リル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチ
レン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト
共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩
素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重
合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中
低密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ
アクリレート樹脂。アルキルフェノール樹脂、ロジン変
性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フェノー
ル樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹
脂、スチレン変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド
樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エ
マルジョン樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン
樹脂、アクリル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性
アルキド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、
水溶性フェノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポ
リブタジエン樹脂。酢酸セルローズ、硝酸セルローズ、
エチルセルローズ、等のセルローズ誘導体が挙げられ
る。本発明では前記した樹脂を合成樹脂といい、前記し
た樹脂より目的に応じて適宜選択され適用される。本発
明の熱変色性積層体の各層は塗装組成物を塗布して形成
した塗膜も含まれる。
【0030】つぎに、塗装組成物について説明する。塗
装組成物としては、前述の膜形成材のアルキルフェノー
ル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキ
ド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹脂、エポキシ樹
脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、アク
リル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、エポ
キシ樹脂、アクリル酸エステル樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル系エマルジョン
樹脂、スチレン−ブタジエン系エマルジョン樹脂、アク
リル酸エステル系エマルジョン樹脂、水溶性アルキド樹
脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性フェ
ノール樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリブタジエ
ン樹脂、セルローズ誘導体等の合成樹脂を水や有機溶剤
等の展色料に溶解または分散した組成物が使用される。
この他本発明の熱変色性積層体の各層は、合成樹脂に各
顔料又は熱変色性材料を配合した成形シートも包含す
る。これ等のシートとしては上記の膜形成材のアイオノ
マー樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸樹脂共重合樹
脂、アクリロニトリル−アクリリックスチレン共重合樹
脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロ
ニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、
エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニルグラ
フト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプ
ロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、高密度ポリエチレン樹
脂、中低密度ポリエチレン樹脂、リニヤ低密度ポリエチ
レン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、ポリアクリ
ル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エ
ポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキッド樹
脂、ポリウレタン樹脂、等の樹脂が使用される。シート
と塗装膜を併用して積層体としてもよい。
【0031】金属光沢顔料層は透明な樹脂を使用するこ
とが好ましい。積層体は基材表面に形成することも出来
また、基材を用いない積層体として形成することも出来
る。
【0032】基材としては各種のフイルムやシートの
他、成形体自体の表面も利用される。つまり成形体の表
面に熱変色性積層体を形成して熱変色性成形物とするこ
とも出来るのである。基材は紙、合成紙、布、不織布、
合成皮革、レザー、プラスチック、ガラス、陶磁器、金
属、木材、石材等が用いられる。又、平面状に限らず、
凹凸状、繊維状等加工面を有するものも使用出来る。
【0033】積層体の形成は、従来より公知の方法、例
えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印
刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗
り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ロ
ーラー塗り、浸漬塗装、等の手段により行うことが出来
る。又、押出成形等によりフイルムーシート化し、貼り
合わせたり、熱変色層と金属光沢顔料層を多層成形によ
って得ることも出来る。
【0034】尚、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防
止剤、一重項酸素消光剤、老化防止剤、帯電防止剤、極
性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤、安定剤、可塑剤、難
燃剤、体質顔料、滑剤、発泡剤等の添加刑を必要に応じ
て、クリヤーコート層、金属光沢顔料層、熱変色層等の
各層に添加することができる。
【0035】
【実施例】次に本発明の具体化例を図面について説明す
る。 実施例1 図1は本発明の実施例1で、1は二層からなる熱変色性
積層体である。3は天然雲母の表面を47重量%の酸化
チタンで被覆した光学的厚みが265nmであって粒度
10〜60μmのメタリックレッド色金属光沢顔料とア
クリル酸エステル樹脂とからなる厚み約40μmの第1
の層であって、この層は反射光の波長を調節する作用を
奏する。4は入射光であり、5は反射光である。入射光
4のうち、反射しなかった6は、熱変色層2に吸収され
る。2は、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオラン3部、ビスフェノールA6部、ステアリ
ン酸ネオペンチル50部の相溶体からなる熱変色性組成
物をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法による
微小カプセル化で得られた平均粒子径8μmの微小カプ
セル形態で、発色時の明度値2.2、消色時の明度値
9.0の熱変色性材料Aとアクリル酸エステル樹脂とか
らなる厚み約40μmの第2層であって、熱により発色
と消色を可逆的に行なう。15℃以下で熱変色層が発色
して、入射光の一部である650〜700nmの波長の
光55を反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、
メタリックレッド色の金属光沢色となり、30℃以上で
熱変色層が消色して、透過光6を反射すると、入射光全
てを反射することになり、メタリックレッド色金属光沢
色は消え無色となった。
【0036】実施例2 実施例1のメタリックレッド色金属光沢顔料に代え、天
然雲母の表面を48重量%の酸化チタンで被覆した光学
的厚みが295nmであって粒度10〜60μmのメタ
リックパープル色金属光沢顔料を使用した事以外は実施
例1と同一とした。15℃以下で熱変色層が発色して、
入射光の一部である380〜430nmの波長の光5を
反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリッ
クパープル色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色
層が消色して、透過光6を反射すると、入射光全てを反
射することになり、メタリックパープル色金属光沢色は
消え無色となった。
【0037】実施例3 実施例1のメタリックレッド色金属光沢顔料に代え、天
然雲母の表面を52重量%の酸化チタンで被覆した光学
的厚みが330nmであって粒度10〜60μmのメタ
リックブルー色金属光沢顔料を使用した以外は実施例1
と同一とした。15℃以下で熱変色層が発色して、入射
光の一部である430〜500nmの波長の光5を反射
し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリックブ
ルー色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色層が消
色して、透過光6を反射すると、入射光全てを反射する
ことになり、メタリックブルー色金属光沢色は消え無色
となった。
【0038】実施例4 実施例1のメタリックレッド色金属光沢顔料に代え、天
然雲母の表面を57垂量%の酸化チタンで被覆した光学
的厚みが395nmであって粒度10〜60μmのメタ
リックグリーン色金属光沢顔料を使用した以外は実施例
1と同一とした。15℃以下で熱変色層が発色して、入
射光の一部である500〜540nmの波長の光5を反
射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリック
グリーン色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色層
が消色して、透過光6を反射すると、入射光全てを反射
することになり、メタリックグリーン色金属光沢色は消
え無色となった。
【0039】実施例5 実施例1の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、6−ジエチルアミノーベンゾ
(a)−フルオラン1.5部とし、同様に調製した発色
時の明度値4.2、消色時の明度値8.8である熱変色
材料を使用した以外は実施例1と同一とした。同様に1
5℃以下では、メタリックマジェンタ色となり、30℃
以上では、メタリックマジェンタ色は消えて無色となっ
た。
【0040】実施例6 実施例2の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、6−ジエチルアミノ−ベンゾ
(a)−フルオラン1.5部と、3−(4−ジエチルア
ミノー2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2
−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
0.5部とし、同様に調製した発色時の明度値3.8、
消色時の明度値8.7である熱変色材料Cを使用した以
外は実施例2と同一とした。同様に15℃以下では、メ
タリックパープル色となり、30℃以上では、メタリッ
クパープル色は消えて無色となった。
【0041】実施例7 実施例3の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、3−(4−ジエチルアミノ−2
−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル
インドール−3−イル)−4−アザフタリド0.5部と
し、同様に調製した発色時の明度値3.4、消色時の明
度値8.8である熱変色材料を使用した以外は実施例3
と同一とした。同様に15℃以下では、メタリックブル
ー色となり、30℃以上では、メタリックブルー色は消
えて無色となった。
【0042】実施例8 実施例4の2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルア
ミノフルオランに代え、3,3−ジ(4−ジエチルアミ
ノー2−エトキシフェニル)4−アザフタリド0.5部
とし、同様に調製した発色時の明度値5.1、消色時の
明度値8.9である熱変色材量を使用した以外は実施例
4と同一とした。同様に15℃以下では、メタリックグ
リーン色となり、30℃以上では、メタリックグリーン
色は消えて無色となった。
【0043】実施例9 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、青色顔料と白色顔料とアクリル酸エステル樹脂とか
らなる、混合系の発色時の明度値が2.5、消色時の明
度値が8.9である厚み約40μmの熱による発色と青
色顔料と白色顔料の混合色であるパステルブルーヘと消
色を可逆的に行なう熱変色層であり、メタリックカラー
金属光沢層3は実施例1と同一とした。前記積層体1
は、15℃以下では、熱変色層が発色して、入射光の一
部である650〜700nmの光5を反射し、それ以外
の波長の光6を吸収すると、メタリックレッド色の金属
光沢色となり、30℃以上で熱変色層が消色すると、メ
タリックレッド色金属光沢色は消え、青色顔料と白色顔
料の混合色であるパステルブルーの色となった。9は熱
変色層7で反射されたパステルブルー色光を示す。
【0044】実施例10 図2の積層体1において、熱変色層7は、6−ジエチル
アミノ−ベンゾ(a)−フルオラン1.5部、ビスフェ
ノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部の相溶
体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬
化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られた平均
粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料と、蛍
光オレンジ顔料とアクリル酸エステル樹脂とからなる、
混合系の発色時の明度値が4.5、消色時の明度値が
6.1である厚み約40μmの熱による発色と蛍光オレ
ンジ顔料の色へと消色を可逆的に行なう熱変色層であ
り、メタリックカラー金属光沢層3は実施例1と同一と
した。前記積層体1は、15℃以下では、熱変色層が発
色して、入射光の一部である650〜700nmの光5
を反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリ
ックレッド色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色
層が消色すると、メタリックレッド色金属光沢色は消
え、蛍光オレンジ顔料の色となった。9は熱変色層7で
反射されたオレンジ色光を示す。
【0045】実施例11 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、蛍光黄色顔料とアクリル酸エステル樹脂とからな
る、混合系の発色時の明度値が2.2、消色時の明度値
が8.9である厚み約40μmの熱による発色と蛍光黄
色顔料の色ヘと消色を可逆的に行なう熱変色層である。
メタリックカラー金属光沢層3は天然雲母の表面を45
重量%の酸化チタンで被覆し、更に、4重量%の酸化鉄
で被覆した、光学的厚みが270nmで、粒度が10〜
50μmのメタリックレッド色金属光沢顔料とアクリル
酸エステル樹脂とからなる厚み約40μmの層である。
前記積層体1は、15℃以下では、熱変色層が発色し
て、入射光の一部である650〜700nmの光5を反
射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリック
レディッシュパープル色の金属光沢色となり、30℃以
上で熱変色層が消色すると、メタリックレディッシュパ
ープル色金属光沢色は消え、蛍光黄色顔料の色となっ
た。9は熱変色層7で反射された黄色光を示す。
【0046】実施例12 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、蛍光グリーン色顔料とアクリル酸エステル樹脂とか
らなる、混合系の発色時の明度値が2.3、消色時の明
度値が8.0である厚み約40μmの熱による発色と蛍
光グリーン色顔料の色へと消色を可逆的に行なう熱変色
層であり、メタリックカラー金属光沢層3は実施例2と
同一とした。前記積層体1は、15℃以下では、熱変色
層が発色して、入射光の一部である380〜430nm
の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、
メタリックパープル色の金属光沢色となり、30℃以上
で熱変色層が消色すると、メタリックパープル色金属光
沢色は消え、蛍光グリーン顔料の色となった。9は熱変
色層7で反射されたパステルブルー色光を示す。
【0047】実施例13 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、蛍光レッド顔料とアクリル酸エステル樹脂とからな
る、混合系の発色時の明度値が2.4、消色時の明度値
が4.8である厚み約40μmの熱による発色と蛍光レ
ッド顔料の色へと消色を可逆的に行なう熱変色層であ
る。メタリックカラー金属光沢層3は実施例3と同一と
した。前記積層体1は、15℃以下では、熱変色層が発
色して、入射光の一部である430〜500nmの光5
を反射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリ
ックブルー色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色
層が消色すると、メタリックブルー色金属光沢色は消
え、蛍光レッド顔料の色となった。9は熱変色層7で反
射されたレッド色光を示す。
【0048】実施例14 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン3部、ビ
スフェノールA6部、ステアリン酸ネオペンチル50部
の相溶体からなる熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミ
ン系硬化剤の界面重合法による微小カプセル化で得られ
た平均粒子径8μmの微小カプセル形態の熱変色性材料
と、蛍光ピンク色顔料と青色顔料とアクリル酸エステル
樹脂とからなる、混合系の発色時の明度値が2.3、消
色時の明度値が5.5である厚み約40μmの熱による
発色と蛍光ピンク顔料と青色顔料の混合色であるラヴェ
ンダー色へと消色を可逆的に行なう熱変色層であり、メ
タリックカラー金属光沢層3は実施例4と同一とした。
前記積層体1は、15℃以下では、熱変色層が発色し
て、入射光の一部である500〜540nmの光5を反
射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリック
グリーン色の金属光沢色となり、30℃以上で熱変色層
が消色すると、メタリックグリーン色金属光沢色は消
え、蛍光ピンク顔料と青色顔料の混合色であるラヴェン
ダー色となった。9は熱変色層7で反射されたラヴェン
ダー色光を示す。
【0049】実施例15 図3は本発明の実施例であって、2及び3は実施例5と
同じ層であるが、この実施例は熱変色層2の次に非熱変
色性着色剤を配合した第3の層である着色層8を配置し
た三層からなる熱変色性積層体である。着色層8は明度
値が8.9である蛍光黄色顔料とアクリル酸エステル樹
脂とからなる厚み約10μmの蛍光黄色層である。15
℃以下で熱変色層が発色して、入射光の一部である65
0〜700nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長
の光6を吸収すると、メタリックレッド色の金属光沢色
となり、30℃以上で熱変色層が消色すると、メタリッ
クレッド色金属光沢色は消え、下層の蛍光黄色顔料の色
となった。10は非熱変色着色層8で反射された黄色光
を示す。
【0050】実施例16 金属光沢顔料層3は実施例2と同じとし、熱変色層2は
発色時の明度値が2.2、消色時の明度値が9.0であ
る2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフル
オラン3部、ビスフェノールA6部、ミリスチルアルコ
ール25部、カプリン酸セチル25部の相溶体からなる
熱変色性組成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面
重合法による微小カプセル化で得られた平均粒子径8μ
mの微小カプセル形態の熱変色性材料とアクリル酸エス
テル樹脂とからなる厚み約40μmの第2層とし、着色
層8は明度値が6.3である蛍光オレンジ顔料とアクリ
ル酸エステル樹脂とからなる厚み約10μmの蛍光オレ
ンジ色層である。20℃以下で熱変色層が発色して、入
射光の一部である380〜430nmの波長の光5を反
射し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリック
パープル色の金属光沢色となり、20℃以上で熱変色層
が消色すると、メタリックパープル色金属光沢色は消
え、下層の蛍光オレンジ顔料の色となった。10は非熱
変色着色層8で反射されたオレンジ色光を示す。
【0051】実施例17 実施例16の熱変色性材料に代え、実施例5の熱変色性
材料を微小カプセルに内包した熱変色材料を使用した以
外は実施例16と同一とした。同様に15℃以下で熱変
色層が発色して、入射光の一部である380〜430n
mの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収
すると、メタリックマジェンタ色の金属光沢色となり、
30℃以上で熱変色層が消色すると、メタリックマジェ
ンタ色金属光沢色は消え、下層の蛍光オレンジ顔料の色
となった。10は非熱変色着色層8で反射されたオレン
ジ色光を示す。
【0052】実施例18 実施例16の金属光沢顔料3に代え、実施例3で使われ
た金属光沢顔料を使用し、着色層8において、蛍光オレ
ンジ顔料に代え、明度値5.5である蛍光ピンク顔料を
使用した以外は実施例16と同一とした。同様に20℃
以下で熱変色層が発色して、入射光の一部である430
〜500nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長の
光6を吸収すると、メタリックブルー色の金属光沢色と
なり、20℃以上で熱変色層が消色すると、メタリック
ブルー色金属光沢色は消え、下層の蛍光ピンク顔料の色
となった。10は非熱変色着色層8で反射されたピンク
光を示す。
【0053】実施例19 実施例18の着色層8において、蛍光ピンク顔料に代
え、明度値8.4である蛍光黄色顔料を使用した以外は
実施例18と同一とした。同様に20℃以下で熱変色層
が発色して、入射光の一部である430〜500nmの
波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸収する
と、メタリックブルー色の金属光沢色となり、20℃以
上で熱変色層が消色すると、メタリックブルー色金属光
沢色は消え、下層の蛍光黄色顔料の色となった。10は
非熱変色着色層8で反射された黄色光を示す。
【0054】実施例20 実施例16の金属光沢顔料3に代え、実施例4で使われ
た金属光沢顔料3を使用し、着色層8において、蛍光オ
レンジ顔料に代え、明度値4.7である蛍光レッド顔料
を使用した以外は実施例16と同一とした。同様に20
℃以下で熱変色層が発色して、入射光の一部である50
0〜540nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長
の光6を吸収すると、メタリックグリーン色の金属光沢
色となり、20℃以上で熱変色層が消色すると、メタリ
ックグリーン色金属光沢色は消え、下層の蛍光レッド顔
料の色となった。10は非熱変色着色層8で反射された
レッド光を示す。
【0055】実施例21 実施例20の着色層8において、蛍光レッド顔料に代
え、明度値5.0である青色顔料と白色顔料を使用した
以外は実施例20と同一とした。同様に20℃以下で熱
変色層が発色して、入射光の一部である500〜540
nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸
収すると、メタリックグリーン色の金属光沢色となり、
20℃以上で熱変色層が消色すると、メタリックグリー
ン色金属光沢色は消え、下層の青色顔料と白色顔料の混
合色であるパステルブルー色となった。10は非熱変色
着色層8で反射されたパステルブルー色光を示す。
【0056】比較例1 実施例3の熱変色性材料に代え、発色時の明度値4.
5、消色時の明度値6.0である2−アニリノ−3−メ
チル−6−ジブチルアミノフルオラン6部、ビスフェノ
ールA10部、ステアリン酸ネオペンチル25部の相溶
体からなる熱変色した消色時に無色とならない熱変色性
組成物をエポキシ/アミン系硬化剤の界面重合法による
微小カプセル化で得られた平均粒子径8μmの微小カプ
セル形態の熱変色性材料を使用した以外は、実施例1と
同一とした。15℃以下では熱変色層が発色して、入射
光の一部である490〜500nmの波長の光5を反射
し、それ以外の波長の光6を吸収すると、メタリックブ
ルー色の金属光沢色となる。この比較例では、30℃以
上で熱変色層が消色しても、透過光6をまだ十分吸収す
ることができる為、メタリックブルー色が薄くなっただ
けで、依然としてメタリックブルー色の金属光沢色に見
え、可逆的にメタリックブルー色←→無色の変化を行な
わない。
【0057】比較例2 図2の積層体1において、熱変色層7は、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン6部、ビ
スフェノールA10部、ステアリン酸ネオペンチル25
部の相溶体からなる消色時に無色とならない熱変色性組
成物をエポキシ樹脂/アミン系硬化剤の界面重合法によ
る微小カプセル化で得られた平均粒子径8μmの微小カ
プセル形態の熱変色性材料と、青色顔料とアクリル酸エ
ステル樹脂とからなる、混合系の発色時の明度値が2.
5、消色時の明度値が3.3である厚み約40μmの熱
変色層である。メタリックカラー金属光沢層3は実施例
9と同一とした。この比較例では、30℃以上で熱変色
層が消色しても、透過光6をまだ十分吸収することがで
きる為、やや青みがかったメタリックレッド色になった
だけで、依然としてメタリックレッド色の金属光沢色に
見え、可逆的にメタリックレッド色←→青色の変化を行
なわない。
【0058】比較例3 実施例16の蛍光オレンジ顔料に代え、赤色顔料とし、
明度値3.7である着色層8の赤色顔料層を使用した以
外は、実施例16と同一とした。同様に20℃以下で熱
変色層が発色して、入射光の一部である380〜430
nmの波長の光5を反射し、それ以外の波長の光6を吸
収すると、メタリックパープル色の金属光沢色となる。
この比較例では、20℃以上で熱変色層が消色しても、
透過光6をまだ十分吸収することができる為、やや赤み
がかったメタリックパープル色になっただけで、以前と
してメタリックパープル色の金属光沢色に見え、可逆的
にメタリックパープル色←→赤色の変化を行なわない。
【0059】
【発明の効果】本発明の熱変色性積層体は、温度変化に
よりメタリック色の金属光沢色から無色又は併用した非
熱変色性着色料の色に可逆的に尚、本発明にあっては、
用いた熱変色性材料の機能はそのまま維持され、その機
能を有効に発現出来る。即ち、前記変色において、ヒス
テリシス幅の極めて小さい熱変色性材料により熱変色層
が形成された系では、温度変化により高感度に応答して
変色し、中間的なヒステリシス幅の熱変色性材料を適用
した系では、温度変化に相応の応答を示して変色する。
ヒステリシス幅が極めて大きい熱変色性材料により熱変
色層が形成された系では、色変化に要した熱または冷熱
を取り去った後も常温域では変化した様相を保持してお
り、その様相を視覚させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であるメタリック色の熱変色性
積層体の説明図である。
【図2】他の実施例の説明図である。
【図3】他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 メタリック色の金属光沢熱変色性積層体 2 熱変色層 3 メタリック色の金属光沢層 4 入射光 5 反射光 6 透過光 7 非熱変色着色料を含んだ熱変色層 8 非熱変色着色層 9 消色時の熱変色層で反射された光 10 消色時において非熱変色層8で反射された光
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B44F 1/08 9134−3K C09D 5/38 PRF 7211−4J D02G 3/06 // C09C 1/40 PBB 6904−4J C09D 5/00 PSD 6904−4J

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.天然雲母の表面を45〜58重量%
    の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245〜
    415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック色
    金属光沢顔料と膜形成材とからなる反射光の波長を調整
    する層を第一層とし、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる熱
    変色材料で発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状
    態の無色の明度値が8以上である熱変色材料と膜形成材
    により形成された層を第二層とした、可逆的にメタリッ
    ク色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性積層体。
  2. 【請求項2】 A.第一層が(a)天然雲母の表面を4
    5〜58重量%の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的
    厚さが245〜415nmであって粒度が5〜60μm
    のメタリック色金属光沢顔料と塗膜形成材と展色料とか
    らなる塗装組成物を被覆して形成したメタリック色の金
    属光沢呈色塗膜層と、(b)天然雲母の表面を45〜5
    8重量%の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが
    245〜415nmであって粒度が5〜60μmのメタ
    リック色金属光沢顔料と合成樹脂により成形したメタリ
    ック色の金属光沢色シート、とから選んだ反射光の波長
    を調整する層であり、 B.第二層が(a)電子供与性化合物と電子受容性化合
    物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒
    体とからなる熱変色材料で発色状態の色濃度の明度値が
    6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変色
    材料と塗膜形成材と展色料からなる塗装組成物を被覆し
    て形成した層と、(b)電子供与性化合物と電子受容性
    化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合
    物媒体とからなる熱変色材料で発色状態の色濃度の明度
    値が6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱
    変色材料と合成樹脂により成形した熱変色シート、とか
    ら選んだ熱変色する層である請求項1に記載された、可
    逆的にメタリック色の金属光沢色から無色に変色する熱
    変色性積層体。
  3. 【請求項3】 第2層の熱変色性層が非熱変色性の有色
    の染料または顔料を配合した熱変色材料であり発色時の
    混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混
    合系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)
    −(V1)>1である請求項1または2に記載された、
    可逆的にメタリック色の金属光沢色から染顔料の色に変
    色する熱変色性積層体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    された可逆的にメタリック色の金属光沢色から無色また
    は染顔料の色に変色する熱変色性積層体の熱変色性層の
    次に非熱変色性の有色の染料または顔料と膜形成材によ
    り形成された色濃度の明度値(V3)が4以上であって
    熱変色材料の発色時の明度値(V4)との間に(V3)
    −(V4)>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染顔料
    着色層を配置した可逆的にメタリック色の金属光沢色か
    ら染顔料の色に変色する熱変色性積層体。
  5. 【請求項5】 メタリック色金属光沢顔料が天然雲母の
    表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上
    に0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料を被覆し
    た被覆層の光学的厚みが245〜415nmであり粒度
    5〜60μmのメタリック色金属光沢顔料である請求項
    1ないし4項のいずれか1項に記載された可逆的にメタ
    リック色の金属光沢色から非熱変色性染顔料の色に変色
    する熱変色性積層体。
  6. 【請求項6】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を45〜47重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが245〜275nmのメタリックレッド色の金
    属光沢顔料である、請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載された可逆的にメタリックレッド色の金属光沢色か
    ら無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱変色
    性積層体。
  7. 【請求項7】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を48〜50重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが280〜310nmのメタリックパープル色の
    金属光沢顔料である、請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載された可逆的にメタリックパープル色の金属光沢
    色から無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱
    変色性積層体。
  8. 【請求項8】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を51〜54重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが315〜350nmのメタリックブルー色の金
    属光沢顔料である、請求項1ないし5のいずれか1項に
    記載された可逆的にメタリックブルー色の金属光沢色か
    ら無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱変色
    性積層体。
  9. 【請求項9】 メタリック色の金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を55〜58重量%の酸化チタンで被覆した光学
    的厚みが375〜415nmのメタリックグリーン色の
    金属光沢顔料である、請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載された可逆的にメタリックグリーン色の金属光沢
    色から無色または非熱変色性染顔料の色に熱変色する熱
    変色性積層体。
  10. 【請求項10】 熱変色材が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である請求項
    1ないし9項のいずれか1項に記載された、可逆的にメ
    タリック色から無色または染顔料の色に変色する熱変色
    性積層体。
  11. 【請求項11】 メタリック色金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上
    に4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚
    みが245〜415nmであり粒度5〜60μmのメタ
    リック色の金属光沢顔料である、請求項1ないし10の
    いずれか1項に記載された可逆的にメタリック色の金属
    光沢色から淡黄色に変色する熱変色性積層体。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれか1項に
    記載された可逆的にメタリック色の金属光沢色から無色
    または染顔料の色に変色する熱変色性積層体を裁断して
    粉末化した熱変色性粒状体。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    記載された可逆的にメタリック色の金属光沢色から無色
    または染顔料の色に変色する熱変色性積層体を裁断して
    糸状とした熱変色性糸。
  14. 【請求項14】 A.天然雲母の表面を45〜58重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245
    〜415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック
    色金属光沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組
    成物と、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
    色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
    度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展色料、
    とからなる二種類の塗装組成物を組合わせた、可逆的に
    メタリック色の金属光沢色から無色に変色する熱変色性
    積層体形成用二液型塗装組成物。
  15. 【請求項15】 熱変色材料と塗膜形成材と展色料とか
    らなる塗装組成物が非熱変色性の有色の染料または顔料
    を配合した発色時の混合系の色濃度の明度値(V1)が
    6以下で消色時の混合系の有色の明度値(V2)が4以
    上であって(V2)−(V1)>1の熱変色性組成物で
    ある請求項14に記載された可逆的にメタリック色の金
    属光沢色から染顔料の色に変色する熱変色性積層体形成
    用二液型塗装組成物。
  16. 【請求項16】 A.天然雲母の表面を45〜58重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245
    〜415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック
    色金属光沢顔料と塗膜形成材と展色料とからなる塗装組
    成物と、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
    の呈色反応を可逆的に生起させ有機化合物媒体とからな
    る発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色
    の明度値が8以上である熱変色材料と塗膜形成材と展色
    料とからなる塗装組成物と、(b)電子供与性化合物と
    電子受容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させ
    る有機化合物媒体とからなる発色状態の色濃度の明度値
    が6以下で消色状態の無色の明度値が8以上である熱変
    色材料に非熱変色性の有色の染料または顔料を配合した
    発色時の混合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消
    色時の混合系の有色の明度値(V2)が4以上であって
    (V2)−(V1)>1の塗装組成物と、から選んだ熱
    変色性組成物、 C.非熱変色性の染料または顔料と塗膜形成材と展色料
    により形成された色濃度の明度値(V3)が4以上であ
    って熱変色材料の発色時の明度値(V4)との間に(V
    3)−(V4)>1の関係が成り立つ、非熱変色性の染
    顔料の着色塗装組成物、の三種類の重ね塗り塗装組成物
    を組合わせた可逆的にメタリック色の金属光沢色から染
    顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用三液型塗装組
    成物。
  17. 【請求項17】 熱変色材が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である請求項
    14ないし16項のいずれか1項に記載された、可逆的
    にメタリック色から無色ないし淡黄色または染顔料の色
    に変色する熱変色性積層体形成用液状塗装組成物。
  18. 【請求項18】 メタリック色金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上
    に4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚
    みが245〜415nmであり粒度5〜60μmのメタ
    リック色の金属光沢顔料または、天然雲母の表面を45
    〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上に、0.5
    〜10重量%の非熱変色性有色性染顔料を被覆した、被
    覆層の光学的厚みが245〜415nmであり、粒度5
    〜60μmのメタリック色の金属光沢顔料である、請求
    項14ないし17のいずれか1項に記載された可逆的に
    メタリック色の金属光沢色から淡黄色または染顔料の色
    に変色する熱変色性積層体形成用液状塗装組成物。
  19. 【請求項19】 A.天然雲母の表面を45〜58重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245
    〜415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック
    色金属光沢顔料と合成樹脂により成形したメタリック色
    の金属光沢呈色シートと、 B.電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者の呈色
    反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とからなる発
    色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無色の明
    度値が8以上である熱変色材料と合成樹脂により成形し
    た熱変色シート、の二種類のシートを組み合わせた、可
    逆的にメタリック色の金属光沢色から無色に変色する熱
    変色性積層体形成用シート。
  20. 【請求項20】 熱変色シートが熱変色材料の他に非熱
    変色性の有色の染料または顔料を配合した発色時の混合
    系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合系
    の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−
    (V1)>1の熱変色性シートてある請求項19に記載
    された可逆的にメタリック色の金属光沢色から染顔料の
    色に変色する熱変色性積層体形成用シート。
  21. 【請求項21】 A.天然雲母の表面を45〜58重量
    %の酸化チタンで被覆した被覆層の光学的厚さが245
    〜415nmであって粒度が5〜60μmのメタリック
    色金属光沢顔料と合成樹脂により成形したメタリック色
    の金属光沢呈色シートと、 B.(a)電子供与性化合物と電子受容性化合物と両者
    の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体とから
    なる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色状態の無
    色の明度値が8以上である熱変色材料とにより成形した
    シートと、(b) 電子供与性化合物と電子受容性化合
    物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒
    体とからなる発色状態の色濃度の明度値が6以下で消色
    状態の無色の明度値が8以上である熱変色材料の他に非
    熱変色性の有色の染料または顔料を配合した発色時の混
    合系の色濃度の明度値(V1)が6以下で消色時の混合
    系の有色の明度値(V2)が4以上であって(V2)−
    (V1)>1のシートと、から選んだ熱変色性シート
    と、 C.非熱変色性の有色の染料または顔料を配合した色濃
    度の明度値(V3)が4以上であって熱変色材料の発色
    時の明度値(V4)との間に(V3)−(V4)>1の
    関係が成り立つ、着色性シート、の三種類のシートを組
    み合わせた、可逆的にメタリック色の金属光沢色から染
    顔料の色に変色する熱変色性積層体形成用三種組み合わ
    せシート。
  22. 【請求項22】 熱変色材が電子供与性化合物と電子受
    容性化合物と両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機
    媒体をマイクロカプセルに包んだ熱変色材である請求項
    14ないし16項のいずれか1項に記載された、可逆的
    にメタリック色から無色ないし淡黄色または染顔料の色
    に変色する熱変色性積層体形成用組合せシート。
  23. 【請求項23】 メタリック色金属光沢顔料が天然雲母
    の表面を45〜58重量%の酸化チタンで被覆しその上
    に4〜10重量%の酸化鉄で被覆した被覆層の光学的厚
    みが245〜415nmであり粒度5〜60μmのメタ
    リック色の金属光沢顔料または、天然雲母の表面を45
    〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上に、0.5
    〜10重量%の非熱変色性有色性染顔料を被覆した、被
    覆層の光学的厚みが245〜415nmであり、粒度5
    〜60μmのメタリック色の金属光沢顔料である、請求
    項19ないし22のいずれか1項に記載された可逆的に
    メタリック色の金属光沢色から淡黄色または染顔料の色
    に変色する熱変色性積層体形成用シート。
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