JP2012167171A - 金属光沢調感温多色変色性積層体 - Google Patents

金属光沢調感温多色変色性積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】 色の異なる金属光沢色を明瞭に視認できると共に、手触や擦過といった簡易な手段による温度変化により多彩な色変化を視認する金属光沢調感温多色変色性積層体を提供する。
【解決手段】 曲面部分を有する支持体2上に、発色時の色調が異なる可逆熱変色性材料Aと可逆熱変色性材料Bを含む感温多色変色層3を設け、前記感温多色変色層上にカラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料を含む金属光沢層4を設けた金属光沢調感温多色変色性積層体1。
【選択図】 図6

Description

本発明は金属光沢調感温多色変色性積層体に関する。更に詳細には、色の異なる金属光沢色を明瞭に視認できると共に、温度変化により異なる色変化を呈して、多彩な様相を視認できる金属光沢調感温多色変色性積層体に関する。
従来、温度変化により多色を顕現させる感温多色変色性積層体が開示されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
前記積層体は複数種の可逆熱変色性材料を適用するため、これらの可逆熱変色性材料が総て発色した状態にあっては、色調が黒色、茶色等の暗色又は濁色となる場合が多く、色調の制約を余儀なくされていた。
そこで、色調の制約を金属光沢顔料の適用により解消する試みがなされている(例えば、特許文献4参照)。
特開平11−315277号公報 特開2000−80359号公報 特開2000−80360号公報 特開2003−34005号公報
本発明は、金属光沢顔料を適用した感温多色変色性積層体において、特異な金属光沢顔料の適用により、色の異なる金属光沢色を明瞭に視認できると共に、手触や擦過といった簡易な手段により多色顕現変色効果を効果的に発現させる金属光沢調感温多色変色性積層体を提供しようとするものである。
本発明は、曲面部分を有する支持体上に、発色時の色調が異なる可逆熱変色性材料Aと可逆熱変色性材料Bを含む感温多色変色層を設け、前記可逆熱変色性材料A及びBは、温度−色濃度曲線において消色状態からの降温過程で発色開始温度(t)に達すると発色し始め、完全発色温度(t)に達すると完全に発色状態になり、発色状態からの昇温過程で消色開始温度(t)に達すると消色し始め、完全消色温度(t)に達すると完全に消色状態になるヒステリシス曲線を示す可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包した顔料であり、可逆熱変色性材料Aの完全発色温度(t1A)と完全消色温度(t4A)、可逆熱変色性材料Bの完全発色温度(t1B)と完全消色温度(t4B)が下記式(1)乃至(4)を全て満たし、前記感温多色変色層上にカラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料を含む金属光沢層を設けたことを特徴とする金属光沢調感温多色変色性積層体を要件とする。
28(℃)≦t4A≦36(℃) (1)
4A+2(℃)≦t4B≦t4A+25(℃) (2)
10(℃)≦t1A≦33(℃) (3)
10(℃)≦t1B≦40(℃) (4)
更には、前記可逆熱変色性材料Aの完全発色温度(t1A)と完全消色温度(t4A)、可逆熱変色性材料Bの完全発色温度(t1B)と完全消色温度(t4B)が下記式(1)、(5)乃至(7)を全て満たすこと、
28(℃)≦t4A≦36(℃) (1)
4A+2(℃)≦t4B≦t4A+20(℃) (5)
15(℃)≦t1A≦33(℃) (6)
15(℃)≦t1B≦40(℃) (7)
前記可逆熱変色性材料Aの完全発色温度(t1A)と可逆熱変色性材料Bの完全発色温度(t1B)が下記式(8)を満たすこと、
1B+2≦t1A (8)
前記感温多色変色層中に非熱変色性着色剤を含有してなること、前記感温多色変色層の下層に非熱変色性着色剤を含む非熱変色像を設けてなること、前記曲面部分の曲率半径が2〜15mmの範囲にあること等を要件とする。
本発明は色の異なる金属光沢色を明瞭に視認できると共に、手触や擦過といった簡易な手段による温度変化により多彩な色変化を視認でき、多様な分野に適用可能な金属光沢調感温多色変色性積層体を提供できる。
可逆熱変色性材料の温度−色濃度曲線を示す。 色彩記憶性を有する可逆熱変色性材料の温度−色濃度曲線を示す。 本発明に用いられる可逆熱変色性材料A及び可逆熱変色性材料Bの温度−色濃度曲線(材料A:実線、材料B:破線)を示す。 本発明に用いられる他の可逆熱変色性材料A及び可逆熱変色性材料Bの温度−色濃度曲線(材料A:実線、材料B:破線)を示す。 本発明に用いられる他の可逆熱変色性材料A及び可逆熱変色性材料Bの温度−色濃度曲線(材料A:実線、材料B:破線)を示す。 本発明の金属光沢調感温多色変色性積層体の一実施例の縦断面説明図である。 本発明の金属光沢調感温多色変色性積層体の他の実施例の縦断面説明図である。
前記可逆熱変色性材料A、Bは、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記(イ)、(ロ)の電子授受反応による呈色反応を可逆的に生起させ有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物を熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に分散したり、或いは、マイクロカプセルに内包した顔料である。
なお、前記マイクロカプセル形態の顔料は、公知のマイクロカプセル化技術、例えば、界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の適用により得られる。
前記可逆熱変色性組成物を樹脂中に分散して用いたり、或いは、マイクロカプセルに内包して用いることにより、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができ、化学的及び物理的に安定な顔料が得られる。
尚、前記顔料の平均粒子径は、0.1〜30μm、好ましくは、0.5〜20μm、より好ましくは1.0〜10μmのものが、良好な色濃度、変色の鋭敏性、印刷適性に優れるため効果的である。
前記可逆熱変色性組成物として具体的には、特公昭51−35414号公報、特公昭51−44706号公報等に記載されているヒステリシス幅の比較的小さい可逆熱変色性組成物、特公平1−29398号公報に記載されている3℃以下のヒステリシス幅を発現させる高感度の可逆熱変色性組成物を挙げることができる。
この種の熱変色性組成物は、変色温度を境として、その前後で変色し、変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態はその状態が発現するのに要した熱または冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する元の状態に戻るタイプの可逆熱変色性組成物である(図1参照)。
また、特公平4−17154号公報に記載されている、大きなヒステリシス特性を示して変色する感温変色性色彩記憶性組成物、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、変色させた状態を互変的に記憶保持できる可逆熱変色性組成物を用いることもできる(図2参照)。
前記可逆熱変色性材料の色濃度−温度曲線におけるヒステリシス特性について詳しく説明する。
図2において、縦軸に色濃度、横軸に温度が表されている。温度変化による色濃度の変化は矢印に沿って進行する。ここで、dは完全消色状態に達する温度t(完全消色温度)における濃度を示す点であり、cは消色を開始する温度t(消色開始温度)における濃度を示す点であり、bは発色を開始する温度t(発色開始温度)における濃度を示す点であり、aは完全発色状態に達する温度t(完全発色温度)における濃度を示す点である。
温度tにおいては発色状態と消色状態のいずれかの状態を保持でき、この温度tを含む発色状態と消色状態のいずれかを保持できる温度域が変色の保持可能な温度域であり、(t+t)/2−(t+t)/2がヒステリシスの程度を示す温度幅(以下、ヒステリシス幅ΔHと記す)であり、このΔH値が小さいと変色前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。また、前記ΔH値が大きいと変色前後の各状態の保持が容易になる。
前記可逆熱変色性材料は、インキ組成物中に少なくとも2種類以上の色調及び変色温度の異なる材料を併用する。
そこで、一方の可逆熱変色性材料Aの完全消色温度(t4A)は、式(1)の28℃乃至36℃の範囲、即ち、体温域で消色する温度に設定し、他方の可逆熱変色性材料Bの完全消色温度(t4B)を式(2)で示されるt4A+2(℃)≦t4B≦t4A+25(℃)の範囲に設定することにより、手触で可逆熱変色性材料Aを消色させ、次いで、擦過等による簡易手段で他方の可逆熱変色性材料Bを消色させて有色(1)から有色(2)、更に無色への色変化が視認される。
なお、式(2)として好ましくはt4A+2(℃)≦t4B≦t4A+20(℃)、より好ましくはt4A+2(℃)≦t4B≦t4A+15(℃)である。
これを図3の色濃度−温度曲線によって具体的に説明すると、一方の可逆熱変色性材料Aの完全消色温度(t4A)よりも2乃至25℃高い温度域に他方の可逆熱変色性材料Bの完全消色温度(t4B)を満たす系においては、可逆熱変色性材料A、Bはt1A以下の温度域では発色しており、加温によりt3A(図示せず)の温度に達すると可逆熱変色性材料Aが消色を開始し、t4Aの温度に達すると完全に消色する。この時点で有色(1)から有色(2)への色変化が視認される。
更に加温していくと、t3B(図示せず)の温度に達すると可逆熱変色性材料Bが消色を開始し、t4Bの温度に達すると完全に消色するため、有色(2)から無色の色変化が視認される。
この状態から降温していくと、t2Aとt2B(図示せず)、及び、t1Aとt1Bは重複しているため、t2A(=t2B)の温度に達すると可逆熱変色性材料A、Bが共に発色を開始し、t1A(=t1B)の温度に達すると完全に発色するため、無色から有色(1)への色変化が視認される。
なお、非変色性着色剤を添加することにより、有色(1)、有色(2)、有色(3)の色変化が視認される。
ここで、t1Aは10乃至33℃、好ましくは15乃至33℃、t1Bは10乃至40℃、好ましくは15乃至40℃に存在することから、擦過後に放置したり、或いは、簡易な冷却手段、例えば冷蔵庫で冷却する等の方法により、容易に有色(1)に復することができる。
また、他の例として図4の色濃度−温度曲線によって具体的に説明すると、手触或いは擦過により有色(1)から有色(2)、更に有色(2)から無色〔有色(3)〕への色変化は同様である。
無色〔有色(3)〕から降温していくと、t2Bの温度に達すると可逆熱変色性材料Bが発色を開始し、t1Bの温度に達すると完全に発色するため、有色(2)になる。
更に降温していくと、t2Aの温度に達すると可逆熱変色性材料Aが発色を開始し、t1Aの温度に達すると完全に発色するため、有色(1)になる。
ここで、t1Aは10乃至33℃、好ましくは15乃至33℃、t1Bは10乃至40℃、好ましくは15乃至40℃に存在することから、擦過後に放置したり、或いは、簡易な冷却手段、例えば冷蔵庫で冷却する等の方法により、容易に有色(1)に復することができる。
また、他の例として図5の色濃度−温度曲線によって具体的に説明すると、手触或いは擦過により有色(1)から有色(2)、更に有色(2)から無色〔有色(3)〕への色変化は同様である。
無色〔有色(3)〕から降温していくと、図3、図4のような変色挙動とは異なり、可逆熱変色性材料Aが可逆熱変色性材料Bよりも先に発色することから、t2Aの温度に達すると可逆熱変色性材料Aが発色を開始し、t1Aの温度に達すると完全に発色するため、新たな色調の有色(4)になる。
更に降温していくと、t2Bの温度に達すると可逆熱変色性材料Bが発色を開始し、t1Bの温度に達すると完全に発色するため、有色(1)になる。
ここで、t1Aは10乃至33℃、好ましくは15乃至33℃、t1Bは10乃至40℃、好ましくは15乃至40℃に存在することから、擦過後に放置したり、或いは、簡易な冷却手段、例えば冷蔵庫で冷却する等の方法より、容易に有色(1)に復することができる。
なお、前述した有色(1)、有色(2)、無色〔有色(3)〕、有色(4)を発現する積層体を得るには、可逆熱変色性材料Aと可逆熱変色性材料Bが一般式(1)乃至(4)、(8)、若しくは、式(1)、(5)乃至(7)、(8)を全て満たす必要がある。
前記可逆熱変色性材料をバインダー樹脂を含むビヒクル中に適宜量を分散させて可逆熱変色性インキや塗料を調製し、公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により曲面を有する支持体表面に感温多色変色層を形成することができる。
尚、前記感温多色変色層の厚みは5乃至400μm、好ましくは10乃至50μmの厚みであることにより、前記した熱変色効果を十分に機能させる。厚みが400μmを越えると伝熱性の面で変色温度設定の自由度に欠け、5μm以下の層では繰り返しの使用による持久性を満足させ難い。
更に、前記可逆熱変色性インキにより、適宜の文字、数字、図形等の像を配して感温多色変色像を形成する他、一般染料や一般顔料等の非熱変色性着色剤を混在させて感温多色変色層の色変化を多様に構成することもできる。又、感温多色変色層の下層に前記非熱変色性着色剤を含む非変色層(非変色像)を配し、この層を隠顕させる構成にしてもよい。
例えば、感温多色変色層の下層に前記非熱変色性着色剤を含む非熱変色性インキにより非変色像を配し、この像を隠顕させる構成の場合、前記非熱変色性インキにより像を印刷した後、前記像上に可逆熱変色性インキにより像を重ね刷りしたもの、或いは、非熱変色性インキにより像を印刷した後、前記像に可逆熱変色性インキによる隠蔽層(感温多色変色層)を設け、ついで、前記隠蔽層よりも濃い発色濃度の可逆熱変色インキにより像を重ね刷りしたもの等が挙げられる。
尚、前記感温多色変色層は、二層以上を積層する場合、各層が同一温度で変色する層、或いは互いに異なる温度で変色する層でもよい。
次に、前記感温多色変色層上に設けられる金属光沢層について説明する。
前記金属光沢層は、感温多色変色層に金属光沢調の多彩な色を付与させるのみでなく、光遮蔽層としても作用し、光吸収(或いは光反射)機能と光遮蔽機能により、感温多色変色層の機能低下に悪影響を及ぼす紫外線や可視光線の少なくとも一部を吸収或いは反射することにより、感温多色変色層の耐光性を向上させる効果を有する。
前記カラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料としては、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料、酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料が挙げられる。
前記コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料について説明する。
コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料として用いられる液晶ポリマーは光の干渉効果によって広いスペクトル領域で入射する光の一部の領域のみが反射し、これ以外の領域は全て光が透過する性質を有する。反射スペクトルの領域は、らせん状のポリマーのピッチ幅、及び可逆熱変色性材料の屈折率によって決まり、また、反射スペクトル領域は左、及び右らせんに偏光した光線成分に分割され、その際、らせんの回転方向に応じて一方は反射され、他方は透過させることが可能となる。これによりコレステリック液晶型透明性金属光沢顔料は全体的なスペクトル領域にわたり、透過、及び反射する性質、即ち、優れた金属光沢と視認する角度により色調が変化するカラーフロップ性を有する。
また、前記コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料は、光輝性と共に透明性も有する。
前記コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料として具体的には、メソジェンを側鎖に持つシロキサン骨格をベースとした顔料を例示できる。
前記コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料として、具体的にはワッカーケミー社製の商品名「ヘリコーンHC」、品番:Sapphire(30μm:青色→暗色)、Scarabeus(30μm:緑色→青色)、Jade(30μm:金色→緑青色)、Maple(30μm:赤銅色→緑色)等を挙げることができる。
なお、品番中の括弧内は平均粒子径及び色調を示し、平均の厚みは5μmである。
前記酸化珪素を1種又は2種以上の金属酸化物で被覆した透明性金属光沢顔料は、光透過性を有すると共に、光の干渉効果によって視認する角度や光の当たる角度で様々な色を表現できるカラーフロップ性と優れた金属光沢性を有する。
また、2種以上の金属酸化物で酸化珪素を多層に被覆する場合、光反射率の異なる金属酸化物を用いることで、より効果的にカラーフロップ性と金属光沢性を付与できる。
前記金属酸化物としては、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄等が挙げられる。
前記金属光沢顔料としては、メルク社製の商品名:Colorstream T10−01 Viola Fantasy(20μm:紫色→銀色→緑色→青色)、Colorstream T10−02 Artic Fire(20μm:緑青色→銀色→赤色→金色)、Colorstream T10−03 Tropic Sunrise(20μm:緑色→銀色→赤色→オレンジ色)等を例示できる。
なお、品番中の括弧内は平均粒子径及び色調を示し、平均の厚みは0.01〜1.0μmである。
本発明においては、曲面部を有する支持体上に前記透明性金属光沢顔料を含む金属光沢層が位置しているため、支持体の曲面に依存して視覚する角度を変えることなく色の異なる複数の金属光沢色が視認することができる。
前記カラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料をバインダー樹脂を含むビヒクル中に適宜量を分散させて金属光沢性インキや塗料を調製し、公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により、感温多色変色層上に金属光沢層を形成する。
前記金属光沢層は、ベタ印刷されたものに限らず、文字、数字、記号、図柄等の像であってもよい。
前記支持体としては、プラスチック、ガラス、金属、陶磁器、布帛、紙、合成紙、合成皮革、木材、石材等の曲面部を有する支持体が有効である。
前記支持体の曲面形状に依存してカラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料の色変化が複雑に視認され、商品性を高めることができる。
なお、前記曲面部分の曲率半径が1〜15mm、好ましくは3〜10mm、より好ましくは5〜8mmの範囲であることにより、支持体の曲面に依存して視覚する角度を変えることなく色の異なる複数の金属光沢色が視認する効果に優れる。
曲面部分の曲率半径が2mm未満では、それぞれの金属光沢色を識別し難く、曲率半径が15mmを超えると、色の異なる複数の金属光沢色を同時に視認することはできるものの、明瞭な複数の金属光沢色を視認でき難くなる。
なお、本発明の曲率半径は、支持体が多面構造であっても、総じて曲面を形成する構造であればこれに含まれる。
前記積層体を用いた製品として具体的には、人形又は動物形象玩具、人形の家や家具、人形用付属品、アクセサリー玩具、積木玩具、ブロック玩具、楽器玩具、料理玩具、鉄砲玩具、捕獲玩具、背景玩具、乗物、動物、植物、建築物等を模した玩具、指輪、腕輪、ティアラ、イヤリング、髪止め、付け爪等のアクセサリー、文房具類、口紅、アイシャドー、マニキュア、染毛剤、付け爪、付け爪用塗料等の化粧品、コップ、皿、箸、スプーン、フォーク、鍋、フライパン等の台所用品、歯ブラシ、コースター、時計、眼鏡、照明器具、冷暖房器具、楽器、写真立て、傘、家具を例示できる。
前記文房具類としては、鉛筆、シャープペンシル、サインペン、フェルトペン、マーキングペン、ボールペン、毛筆、万年筆等の筆記具、はさみ、カッター、ペーパーナイフ、ホッチキス、鉛筆削り、鉛筆キャップ、筆立て、筆箱、文鎮、インキつぼ、すずり、スタンプ台、黒板ふき、そろばん、修正液或いはのりを内蔵した容器、印章、印章入れ等を挙げることができる。
尚、前記筆記具に設ける箇所として具体的には、軸筒、キャップ、尾栓、クリップ、口金等の表面部に設けることができる。
実施例1(図6参照)
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:32℃、t4B:35℃、青色から無色)5部を、バインダー樹脂を含む油性インキビヒクル90部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体2として曲率半径が4mmのボールペン用白色プラスチック製軸筒表面に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層3を設けた。
前記感温多色変色層上に、酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料〔メルク社製、Colorstream T10−01(Viola Fantasy)、粒子径5〜50μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層4を設けて感温多色変色性積層体1を得た。
前記積層体は室温下(25℃)では軸表面が紫色を呈すると共に、曲面に依存して金色と銀色と緑色と紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触により31℃以上の温度に加温すると青色を呈すると共に、曲面に依存して金色と銀色と緑色と紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触し続けると35℃以上の温度で白色になった。
手触を止めて室温下で放置すると、32℃以下の温度で再び青色と複数の金属光沢色が視認される状態になり、更に27℃以下の温度になると紫色と複数の金属光沢色が視認される状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例2(図7参照)
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:20℃、t4B:34℃、緑青色から無色)5部、及び、非熱変色性着色剤〔黄色蛍光顔料、商品名:エポカラーFP−117、旭成化学(株)製〕0.5部をバインダー樹脂を含む油性インキビヒクル89.5部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体2として曲率半径が6mmの万年筆用金属製軸筒表面に、非熱変色性白色油性インキをスプレー塗装して非変色層5を形成した後、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層3を設けた。
前記感温多色変色層上に、酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料〔メルク社製、Colorstream T10−02(Arctic Fire)〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層4を設けて感温多色変色性積層体1を得た。
前記積層体は20℃以下の温度に冷却すると黒色を呈すると共に、曲面に依存して金色と銀色と緑色と赤色の金属光沢色がそれぞれ視認され、加温により31℃以上の温度になると緑色を呈すると共に、曲面に依存して金色と銀色と緑色と赤色の金属光沢色がそれぞれ視認され、さらに34℃以上の温度になると黄色を呈すると共に、曲面に依存して金色と銀色と緑色と赤色の金属光沢色がそれぞれ視認された。
この状態から冷却すると27℃以下の温度で赤色を呈すると共に、曲面に依存して銀色と緑色と赤色とオレンジ色の金属光沢色が視認された。
室温下(25℃)で黒色と複数の金属光沢色を呈する積層体を手触により31℃以上の温度に加温すると、緑色と複数の金属光沢色が視認され、手触し続けると34℃以上の温度で黄色と複数の金属光沢色が視認された。
手触を止めて室温下で放置すると27℃以下の温度で黄色と複数の金属光沢色を呈する部分が赤色と複数の金属光沢色を呈する状態になり、更に冷却すると20℃以下の温度で再び黒色と複数の金属光沢色を呈する状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例3
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:25℃、t4B:39℃、緑青色から無色)5部、及び、非熱変色性着色剤〔黄色蛍光顔料、商品名:エポカラーFP−117、旭成化学(株)製〕0.5部をバインダー樹脂を含む油性インキビヒクル89.5部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が7mmの複合式ボールペン用白色プラスチック製軸筒表面に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料〔メルク社製、Colorstream T10−03(Tropic Sunrise)〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は25℃以下の温度に冷却すると黒色を呈すると共に、曲面に依存して銀色と緑色と赤色とオレンジ色の金属光沢色が視認され、この状態から加温すると31℃以上の温度で緑色を呈すると共に、曲面に依存して銀色と緑色と赤色とオレンジ色の金属光沢色が視認され、さらに39℃以上の温度で黄色を呈すると共に、曲面に依存して銀色と緑色と赤色とオレンジ色の金属光沢色が視認される。
この状態から冷却すると27℃以下の温度で赤色を呈すると共に、曲面に依存して銀色と緑色と赤色とオレンジ色の金属光沢色が視認された。
室温下(25℃)で黒色と複数の金属光沢色を呈する積層体を手触により31℃以上の温度に加温すると緑色と複数の金属光沢色が視認され、更に指で擦過して39℃以上の温度になると黄色と複数の金属光沢色が視認された。
擦過を止めて室温下で放置すると27℃以下の温度で黄色と複数の金属光沢色を呈する部分が赤色と複数の金属光沢色を呈し、25℃以下の温度で再び黒色と複数の金属光沢色を呈する状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例4
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料1(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料2(t1B:32℃、t4B:35℃、青色から無色)5部を、バインダー樹脂を含む油性インキビヒクル90部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が3mmの白色アクセサリー玩具表面に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、フレーク状酸化珪素を酸化鉄で被覆した透明性金属光沢顔料〔メルク社製、Colorstream F10−00(Autumn Mystery)粒子径5〜50μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は室温下(25℃)では軸表面が紫色を呈すると共に、曲面に依存して金色と赤紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触により31℃以上の温度に加温すると青色を呈すると共に、曲面に依存して金色と赤紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触し続けると35℃以上の温度で白色になった。
手触を止めて室温下で放置すると、32℃以下の温度で再び青色と複数の金属光沢色が視認される状態になり、更に27℃以下の温度になると紫色と複数の金属光沢色が視認される状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例5
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:32℃、t4B:35℃、青色から無色)5部を、バインダー樹脂を含む油性インキビヒクル90部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が5mmのボールペン用白色プラスチック製軸筒表面に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料〔ワッカーケミー社製、ヘリコーンHC(Maple、SLM90320)、平均の厚み5μm、平均粒径30μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は室温下(25℃)では軸表面が紫色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い赤銅色と黄緑色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触により31℃以上の温度に加温すると青色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い赤銅色と黄緑色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触し続けると35℃以上の温度で白色になった。
手触を止めて室温下で放置すると、32℃以下の温度で再び青色と複数の金属光沢色が視認される状態になり、更に27℃以下の温度になると紫色と複数の金属光沢色が視認される状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例6
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:20℃、t4B:34℃、緑青色から無色)5部、及び、非熱変色性着色剤〔黄色蛍光顔料、商品名:エポカラーFP−117、旭成化学(株)製〕0.5部をバインダー樹脂を含む油性インキビヒクル89.5部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が8mmの万年筆用金属製軸筒表面に、非熱変色性白色油性インキをスプレー塗装して非変色層を形成した後、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料〔ワッカーケミー社製、ヘリコーンHC(Scarabeus、SLM90120)、平均の厚み5μm、平均粒径30μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は20℃以下の温度に冷却すると黒色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色がそれぞれ視認され、加温により31℃以上の温度になると緑色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色がそれぞれ視認され、さらに34℃以上の温度になると黄色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色がそれぞれ視認された。
この状態から冷却すると27℃以下の温度で赤色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色が視認された。
室温下(25℃)で黒色と複数の金属光沢色を呈する積層体を手触により31℃以上の温度に加温すると、緑色と複数の金属光沢色が視認され、手触し続けると34℃以上の温度で黄色と複数の金属光沢色が視認された。
手触を止めて室温下で放置すると27℃以下の温度で黄色と複数の金属光沢色を呈する部分が赤色と複数の金属光沢色を呈する状態になり、更に冷却すると20℃以下の温度で再び黒色と複数の金属光沢色を呈する状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例7
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:25℃、t4B:39℃、緑青色から無色)5部、及び、非熱変色性着色剤〔黄色蛍光顔料、商品名:エポカラーFP−117、旭成化学(株)製〕0.5部をバインダー樹脂を含む油性インキビヒクル89.5部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が3mmのボールペン用白色プラスチック製クリップ表面に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料〔ワッカーケミー社製、ヘリコーンHC(Jade、SLM90220)、平均の厚み5μm、平均粒径30μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は25℃以下の温度に冷却すると黒色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い金色と緑色の金属光沢色が視認され、この状態から加温すると31℃以上の温度で緑色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い金色と緑色の金属光沢色が視認され、さらに39℃以上の温度で黄色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い金色と緑色の金属光沢色が視認される。
この状態から冷却すると27℃以下の温度で赤色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い金色と緑色の金属光沢色が視認された。
室温下(25℃)で黒色と複数の金属光沢色を呈する積層体を手触により31℃以上の温度に加温すると緑色と複数の金属光沢色が視認され、更に指で擦過して39℃以上の温度になると黄色と複数の金属光沢色が視認された。
擦過を止めて室温下で放置すると27℃以下の温度で黄色と複数の金属光沢色を呈する部分が赤色と複数の金属光沢色を呈し、25℃以下の温度で再び黒色と複数の金属光沢色を呈する状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例8
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:32℃、t4B:35℃、青色から無色)5部を、バインダー樹脂を含む油性インキビヒクル90部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が7mmの複合式ボールペン用白色プラスチック製軸筒表面に、ピンク色の非熱変色性インキを用いて「○×商会 山田太郎」の非変色像を設け、前記非変色像上に前記可逆熱変色性インキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料〔ワッカーケミー社製、ヘリコーンHC(Sapphire、SLM90020)、平均の厚み5μm、平均粒径30μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は室温下(25℃)では軸表面が紫色を呈すると共に、曲面に依存して青色と暗紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触により31℃以上の温度に加温すると青色を呈すると共に、曲面に依存して青色と暗紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触し続けると35℃以上の温度で白色になると共に「○×商会 山田太郎」の文字が視認された。
手触を止めて室温下で放置すると、32℃以下の温度で再び青色と複数の金属光沢色が視認される状態になり、更に27℃以下の温度になると紫色と複数の金属光沢色が視認される状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例9
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、及び、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:32℃、t4B:35℃、青色から無色)5部を、バインダー樹脂を含む油性インキビヒクル90部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が12mmの白色プラスチック製ボール表面に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設けた。
前記感温多色変色層上に、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料〔ワッカーケミー社製、ヘリコーンHC(Sapphire、SLM90020)、平均の厚み5μm、平均粒径30μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は室温下(25℃)では軸表面が紫色を呈すると共に、曲面に依存して青色と暗紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触により31℃以上の温度に加温すると青色を呈すると共に、曲面に依存して青色と暗紫色の金属光沢色がそれぞれ視覚され、手触し続けると35℃以上の温度で白色になった。
手触を止めて室温下で放置すると、32℃以下の温度で再び青色と複数の金属光沢色が視認される状態になり、更に27℃以下の温度になると紫色と複数の金属光沢色が視認される状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
実施例10
可逆熱変色性材料Aとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1A:27℃、t4A:31℃、ピンク色から無色)5部、可逆熱変色性材料Bとして可逆熱変色性マイクロカプセル顔料(t1B:20℃、t4B:34℃、緑青色から無色)5部、及び、非熱変色性着色剤〔黄色蛍光顔料、商品名:エポカラーFP−117、旭成化学(株)製〕0.5部をバインダー樹脂を含む油性インキビヒクル89.5部に分散させて可逆熱変色性油性スプレーインキを調製した。
支持体として曲率半径が6mmのボールペン用金属製軸筒表面に、非熱変色性白色油性インキをスプレー塗装して軸方向の長さが20mmであり、周状の非変色層を形成した。
前記非変色層上に、前記可逆熱変色性油性スプレーインキをスプレー塗装して感温多色変色層を設け、更に、前記感温多色変色層上に、コレステリック液晶型透明性金属光沢顔料〔ワッカーケミー社製、ヘリコーンHC(Scarabeus、SLM90120)、平均の厚み5μm、平均粒径30μm〕10部とバインダー樹脂を含むインキビヒクル90部からなる油性スプレーインキをスプレー塗装し、金属光沢層を設けて感温多色変色性積層体を得た。
前記積層体は20℃以下の温度に冷却すると一部が黒色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色がそれぞれ視認され、加温により31℃以上の温度になると緑色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色がそれぞれ視認され、さらに34℃以上の温度になると黄色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色がそれぞれ視認された。
この状態から冷却すると27℃以下の温度で赤色を呈すると共に、曲面に依存して輝度の高い緑色と青色の金属光沢色が視認された。
室温下(25℃)で黒色と複数の金属光沢色を呈する積層体を手触により31℃以上の温度に加温すると、緑色と複数の金属光沢色が視認され、手触し続けると34℃以上の温度で黄色と複数の金属光沢色が視認された。
手触を止めて室温下で放置すると27℃以下の温度で黄色と複数の金属光沢色を呈する部分が赤色と複数の金属光沢色を呈する状態になり、更に冷却すると20℃以下の温度で再び黒色と複数の金属光沢色を呈する状態になった。
前記様相変化は手触により繰り返し行なうことができた。
完全発色温度
発色開始温度
消色開始温度
完全消色温度
1 金属光沢調感温多色変色性積層体
2 支持体
3 感温多色変色層
4 金属光沢層

Claims (6)

  1. 曲面部分を有する支持体上に、発色時の色調が異なる可逆熱変色性材料Aと可逆熱変色性材料Bを含む感温多色変色層を設け、前記可逆熱変色性材料A及びBは、温度−色濃度曲線において消色状態からの降温過程で発色開始温度(t)に達すると発色し始め、完全発色温度(t)に達すると完全に発色状態になり、発色状態からの昇温過程で消色開始温度(t)に達すると消色し始め、完全消色温度(t)に達すると完全に消色状態になるヒステリシス曲線を示す可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包した顔料であり、可逆熱変色性材料Aの完全発色温度(t1A)と完全消色温度(t4A)、可逆熱変色性材料Bの完全発色温度(t1B)と完全消色温度(t4B)が下記式(1)乃至(4)を全て満たし、前記感温多色変色層上にカラーフロップ性を有する透明性金属光沢顔料を含む金属光沢層を設けたことを特徴とする金属光沢調感温多色変色性積層体。
    28(℃)≦t4A≦36(℃) (1)
    4A+2(℃)≦t4B≦t4A+25(℃) (2)
    10(℃)≦t1A≦33(℃) (3)
    10(℃)≦t1B≦40(℃) (4)
  2. 前記可逆熱変色性材料Aの完全発色温度(t1A)と完全消色温度(t4A)、可逆熱変色性材料Bの完全発色温度(t1B)と完全消色温度(t4B)が下記式(1)、(5)乃至(7)を全て満たす請求項1記載の金属光沢調感温多色変色性積層体。
    28(℃)≦t4A≦36(℃) (1)
    4A+2(℃)≦t4B≦t4A+20(℃) (5)
    15(℃)≦t1A≦33(℃) (6)
    15(℃)≦t1B≦40(℃) (7)
  3. 前記可逆熱変色性材料Aの完全発色温度(t1A)と可逆熱変色性材料Bの完全発色温度(t1B)が下記式(8)を満たす請求項1又は2記載の金属光沢調感温多色変色性積層体。
    1B+2≦t1A (8)
  4. 前記感温多色変色層中に非熱変色性着色剤を含有してなる請求項1乃至3の何れか一項に記載の金属光沢調感温多色変色性積層体。
  5. 前記感温多色変色層の下層に非熱変色性着色剤を含む非熱変色像を設けてなる請求項1乃至3の何れか一項に記載の金属光沢調感温多色変色性積層体。
  6. 前記曲面部分の曲率半径が2〜15mmの範囲にある請求項1乃至5の何れか一項に記載の金属光沢調感温多色変色性積層体。
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