JPH08325321A - 重合体ラテックスから未反応モノマーを回収する方法 - Google Patents

重合体ラテックスから未反応モノマーを回収する方法

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JPH08325321A
JPH08325321A JP9818195A JP9818195A JPH08325321A JP H08325321 A JPH08325321 A JP H08325321A JP 9818195 A JP9818195 A JP 9818195A JP 9818195 A JP9818195 A JP 9818195A JP H08325321 A JPH08325321 A JP H08325321A
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洋一 武山
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 塩化ビニル系重合体ラテックスなどの発泡性
に富んだ重合体ラテックスから、実質的に消泡剤を使用
することなく、または機械的消泡器を実質的に用いるこ
となく、発泡を抑止しつつ、塩化ビニルモノマーなどの
未反応モノマーを高効率で回収することができる重合体
ラテックスから未反応モノマーを回収する方法および装
置の提供。 【構成】 蒸発缶36に取り付けられたノズル46か
ら、蒸発缶36内に貯留された重合体ラテックス35の
液面の全面に向けて噴霧に付す際の重合体ラテックスの
温度を、飽和水蒸気温度より10〜30°C高い温度と
して吹き出し、蒸発してくる未反応モノマーを回収す
る。蒸発缶36内の圧力は、好ましくは50〜160to
rr、重合体ラテックスの導入速度は、好ましくは0.5
m/秒以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば塩化ビニル系
重合体ラテックスなどの発泡性に富んだ重合体ラテック
スから塩化ビニルモノマーなどの未反応モノマーを高効
率で回収することができる重合体ラテックスから未反応
モノマーを回収する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体ラテックスは、コー
ティング剤、塗料、他のポリマーとのブレンド用材料、
ペースト加工用などの用途に用いられる。ペースト加工
用の場合には、この重合体ラテックスは、乾燥にかけら
れ粉体として供され、有用な素材として使用されてい
る。
【0003】この塩化ビニル系重合体ラテックスは、粒
径0.1〜10μm の微細な重合体が、水媒体中に均一
に浮遊している。この微細粒子を得るための重合方法と
しては、乳化重合法、播種乳化重合および微細懸濁重合
法が代表的であるが、これらの方法では、通常、いずれ
もアニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤な
どの界面活性剤を必須として用いられる。
【0004】このようにして得られた重合体ラテックス
中には、未反応の塩化ビニルモノマーが残留している。
なお、塩化ビニル系重合体とは、重合体中に塩化ビニル
モノマー単位を60重量%以上含有しているものであ
り、塩化ビニルモノマーの単独重合体または塩化ビニル
モノマーとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体を
含む。
【0005】このような塩化ビニル系重合体ラテックス
中に含まれる未反応塩化ビニルモノマーを分離回収する
ことは、原料の無駄をなくす観点、および環境衛生上の
観点などから、高効率で回収されることが好ましい。塩
化ビニル系重合体ラテックス中から未反応モノマーを回
収する方法として、回分方式または連続方式で、蒸発缶
内に重合体ラテックスを一時貯留し、ラテックスを加熱
することにより、未反応モノマーを蒸発させて回収する
方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、重合体の平
均粒子径が約150μm の、パイプ用やビニルシート用
等一般用の重合体スラリーと異なり、重合体の平均粒子
径が約0.1μm 〜10μm の重合体ラテックスでは、
界面活性剤を含んでいることから、蒸発缶内のラテック
ス液面から発泡し易く、未反応モノマーの回収ライン
(吸引ライン)を通して、樹脂が流出し易いという課題
を有する。そのため、従来では、蒸発缶内でのラテック
スの液面からの発泡の度合を抑制するために、ラテック
スの処理量および処理流量を小さくしていた。または、
未反応モノマーの回収ラインの吸引の度合を小さくして
いた。このため、未反応モノマーを回収するために要す
る処理時間が長い、および、重合体ラテックスの供給ラ
インで重合体が析出して閉塞するなどの課題を有してい
た。
【0007】また、処理温度を低くして発泡を抑制する
ことはできるが、未反応モノマーの回収率が低下する。
これらの課題を解決するために、蒸発缶または蒸発缶の
外に、回転ディスク式消泡器を設置することがあった。
しかしながら、この消泡器によっても発泡を抑止するこ
とができず、発泡による製品流失がしばしば発生してい
た。また、消泡器では、泡に含有される塩化ビニル系重
合体が析出し、長期間運転すると、その析出した重合体
が消泡機内に付着・堆積し、消泡器の運転が不能になる
という課題を有していた。
【0008】そこで、消泡器の代わりに、消泡剤の添加
も考えられるが、熱安定性の悪化、発泡成形に不適合な
どの問題から、品質上、微量にしか添加できず、発泡を
抑制することができなかった。また、製品の品質上、全
く消泡剤の添加を行うことができない製品がほとんどで
あった。
【0009】未反応モノマーの回収方法として、蒸発缶
以外の方法として、たとえば特公昭61−11241号
公報に示すようなストリピングカラムによる方法があ
る。この方法は、界面活性剤を使用しない懸濁重合法に
よる塩化ビニルスラリーに対して適用される。このスト
リピングカラムは、蒸発缶に比べて泡保持空間が小さい
ので、発泡性に富んだラテックスを処理するには適さな
い。
【0010】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、たとえば塩化ビニル系重合体ラテックスなどの発泡
性に富んだ重合体ラテックスから、実質的に消泡剤を使
用することなく、または実質的に機械的消泡器を用いる
ことなく、発泡を抑止しつつ、塩化ビニルモノマーなど
の未反応モノマーを高効率で回収することができる重合
体ラテックスから未反応モノマーを回収する方法および
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る重合体ラテックスから未反応モノマー
を回収する方法は、蒸発缶に取り付けられたノズルか
ら、前記重合体ラテックスを蒸発缶内に貯留された重合
体ラテックスの液面の全面に噴霧し、かつ噴霧に付す前
の前記重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸気温度より
10〜30°C高い温度にすることを特徴とする。
【0012】前記蒸発缶内の圧力は、好ましくは50〜
160torr、さらに好ましくは80〜130torrに設定
する。前記重合体ラテックスを、飽和水蒸気温度より1
0〜30°C高い温度に設定する方法は、前記蒸発缶の
ノズルへ向かうラテックス供給ラインへ、水蒸気をエジ
ェクタで導入することにより行われることが好ましい。
【0013】前記蒸発缶のノズルへ向かう重合体ラテッ
クスの導入速度は、好ましくは0.5m/秒以上、さら
に好ましくは1.0m/秒以上である。前記蒸発缶の底
部に貯留する重合体ラテックスの一部を、前記ノズルへ
向かう重合体ラテックスに含ませ、還流させることが好
ましい。
【0014】本発明に係る未反応モノマーの回収装置
は、蒸発缶に取り付けられ、前記蒸発缶内に貯留された
重合体ラテックスの液面の全面に向けて、噴霧状態の重
合体ラテックスを吹き出させるノズルと、前記ノズルか
ら吹き出さんとする重合体ラテックスの温度を、飽和水
蒸気温度より10〜30°C高い温度に設定する加熱手
段と、蒸発缶内で蒸発してくる未反応モノマーを回収す
る回収手段とを有する。
【0015】前記ノズルとしては、蒸発缶の上部略中央
に配置されたものであることが好ましいが、蒸発缶内の
液面全面に噴射できるものであれば、その形状および配
置位置は特に限定されない。ノズルとしては、たとえば
蒸発缶の上部略中央部に配置される単なるパイプであっ
ても良い。スプレーノズルは、構造上、開口孔の絞りに
より重合体ラテックスをスプレーさせるが、孔径を小さ
くして、最適なスプレー液滴にすることはできるが、孔
径が小さい故に閉塞し易い。
【0016】本発明では、重合体ラテックス中の溶媒の
水を過加熱させ飽和水蒸気温度以上として、減圧させた
蒸発缶内に、急激に導入させ、水の突沸を利用して重合
体ラテックスをスプレーさせることにある。したがっ
て、本発明では、スプレーノズルでなく、単なるパイプ
を切断した単純なノズルであっても良い。
【0017】前記回収手段としては、たとえば、蒸発管
内上部に接続され、コンプレッサにより吸引される回収
ラインなどが用いられる。本発明に係る回収装置では、
前記蒸発缶内の圧力を50〜160torrに設定する圧力
設定手段をさらに有することが好ましい。
【0018】本発明に係る回収装置では、前記加熱手段
が、前記蒸発缶のノズルへ向かうラテックス供給ライン
へ、水蒸気をエジェクタで導入する手段であることが好
ましい。本発明に係る回収装置では、前記蒸発缶のノズ
ルへ向かう重合体ラテックスの導入速度を、0.5m/
秒以上に設定する流速制御手段をさらに有することが好
ましい。
【0019】本発明に係る回収装置では、前記蒸発缶の
底部に貯留する重合体ラテックスの一部を、前記ノズル
へ向かう重合体ラテックスに含ませ、還流させるように
構成してある配管を有することが好ましい。本発明に係
る回収方法および回収装置が用いられる重合体ラテック
スとしては、特に限定されないが、塩化ビニル系重合体
ラテックスの場合に特に有益である。
【0020】塩化ビニル系重合体とは、重合体中に塩化
ビニルモノマー単位を60重量%以上含有しているもの
であり、塩化ビニルモノマーの単独重合体または塩化ビ
ニルモノマーとこれと共重合可能なモノマーとの共重合
体を含む。塩化ビニル系重合体ラテックスは、塩化ビニ
ル系重合体を30〜55重量%と、アニオン性界面活性
剤および/またはノニオン系界面活性剤を0.1〜4.
0重量%と、水68〜46重量%と、未反応モノマー
(塩化ビニルモノマーまたはその他の未反応モノマー)
1.0〜2.5重量%と、その他の成分とを含み、重合
体の平均粒子径が、0.1〜10μm である。
【0021】このような重合体ラテックスを得るための
方法としては、特に限定されないが、たとえば乳化重合
法、播種乳化重合および微細懸濁重合法が代表的であ
る。塩化ビニルモノマーと共重合可能なモノマーとして
は、塩化ビニルと共重合し得るものであれば特に制限は
なく、たとえば、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニ
ル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸
ビニルエステル;メチルビニルエーテル、ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル;アリルクロリド、アリルアルコール、アリ
ルエチルエーテル、アリル−2−ヒドロキシエチルエー
テルなどのアリル化合物;塩化ビニリデン、フッ化ビニ
リデンなどのビニリデン化合物;マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチル、マレ
イン酸ブチルベンジル、マレイン酸−ジ−2−ヒドロキ
シエチル、イタコン酸ジメチル、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸−2−N,N−ジメチルアミノ
エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;無水マレイン
酸、無水イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)
アクリル酸などの不飽和カルボン酸及びその酸無水物;
N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;エ
チレン、プロピレンなどのオレフィン;(メタ)アクリ
ロニトリルなどの不飽和ニトリル;スチレン、α−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化
合物;アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸
グリシジルなどのエポキン基含有化合物などを挙げるこ
とができる。
【0022】微細懸濁重合法では、触媒として油溶性の
ラジカル開始剤が用いられ、重合開始前に水性媒体中
に、モノマー、開始剤、界面活性剤および所望に応じて
高級脂肪酸などの重合助剤、その他の添加剤を加えてプ
レミックスし、ホモジナイザにより均質化処理して油滴
の粒径調整を行う。ホモジナイザとしては、たとえばコ
ロイドミル、振動攪拌機などが用いられる。均質処理さ
れた液は重合装置に送られ、通常、30〜80°Cの範
囲の温度において重合反応が行われる。
【0023】油溶性重合開始剤としては、塩化ビニルモ
ノマー又は塩化ビニルモノマーと共重合するモノマーの
混合物に溶解し、重合温度において適当な半減期を有す
るものであれば特に制限はなく、例えば、ジベンゾイル
ペルオキシド、ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシドなどのジア
シルペルオキシド類、ジイソプロピルペルオキシジカー
ボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート
などのペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオ
キシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエー
トなどのペルオキシエステル類、あるいはアセチルシク
ロヘキシルスルホニルペルオキシド、ジサクシニックア
ッシドペルオキシドなどの有機過酸化物、さらには2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスジ
メチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などを使用する
ことができる。これらの重合開始剤は、1種または2種
以上を組み合わせて使用することができ、その使用量
は、モノマーの種類と量および重合温度などによって適
宜選ばれるが、通常使用モノマー100重量部当り、
0.001〜5重量部の範囲で選択できる。
【0024】微細懸濁重合法において使用される界面活
性剤としては、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミ
リスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩
類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸カリウムなどのアルキルアリールス
ルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、
ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハ
ク酸エステル塩類、ラウリン酸アンモニウム、ステアリ
ン酸カリウムなどの脂肪酸塩類、ポリオキシエチレンア
ルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル
アリール硫酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤
類、ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノスチアレートなどのソルビタンエステル
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレンアルキルエステル類などのノニオン性界面活性剤
類が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0025】微細懸濁重合法では、以上のような成分を
含む液を均質化処理した後、これを重合装置に送り重合
反応を行わせる。重合装置では、重合反応熱を除去する
必要上攪拌が行われるが、攪拌が強すぎると、上記の均
質化処理において形成された液滴が衝突により合一する
ため粗大粒子が増加し、その結果ペーストゾル粘度の上
昇など流動性の悪化を招いたり、液滴が重合装置の壁や
攪拌翼に付着してスケールの増大を招く。したがって、
一般に微細懸濁重合法では、穏やかな攪拌が用いられ
る。これにより平均粒子径が通常0.2〜5μmに広が
った分布をもつ単一粒子を含有するラッテクスが得られ
る。
【0026】一方、乳化重合法は、アニオン性界面活性
剤などを乳化剤とし、水性媒体中に乳化分散させた塩化
ビニルモノマーのミセルを反応の場として、水溶性重合
開始剤を用いて重合反応を開始させる。重合の進行に伴
って粒子が肥大するので、その安定化に必要かつ最小限
の乳化剤を追加供給する。こうすることにより微細粒子
の発生を抑止して、初期に発生した重合体粒子の個数を
維持しつつ重合反応を進行させる。一般に乳化重合法で
得られるポリマー粒子の粒径は非常に小さく、約0.1
μmであるが、ペースト用塩化ビニル樹脂の場合には平
均粒子径が0.4〜0.6μm に達するまで粒子を肥大
化させた粒子を含むラッテクスが製造される。
【0027】また、播種乳化重合法は、予め通常の乳化
重合や微細懸濁重合により調整された塩化ビニル樹脂粒
子を核として、上記の乳化重合法と同様の乳化剤および
重合開始剤を用いて、水性媒体中で粒子の肥大化重合反
応を行わせる重合方法である。この方法によれば、平均
粒子径が1〜2μm で、これに0.2μm 前後の副生小
粒子が加わったシャープな2ピークの粒径分布を有する
ペースト用塩化ビニル樹脂を含むラテックスが得られ
る。
【0028】乳化重合または播種乳化重合法で用いられ
る重合開始剤としては、特に限定されないが、たとえ
ば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素
などの水溶性重合開始剤、又は水溶性還元剤と有機過酸
化物との組み合わせが用いられる。水溶性重合開始剤の
使用量は、使用するモノマー100重量部当たり、通常
0.005〜1重量部の範囲で選ばれる。水溶性還元剤
としては、例えば、水に可溶な通常のラジカル酸化還元
重合開始剤成分として用いられる還元剤、例えば、エチ
レンジアミン四酢酸又はそのナトリウム塩やカリウム
塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロムなどの重金属との
錯化合物、スルフィン酸又はそのナトリウム塩やカリウ
ム塩、1−アスコルビン酸又はそのナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一
鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性
亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナ
トリウム、還元糖類などを使用することができ、これら
は1種または2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。これらの還元剤の使用量は、使用するモノマー1
00重要部当たり、通常0.00001〜5重量部の範
囲で選択することができる。有機過酸化物としては、例
えば、クメンヒドロペルオキシド、p−サイメンヒドロ
ペルオキシド、t−ブチルイソプロピルベンゼンヒドロ
ペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキ
シド、p−メンタンヒドロペルオキシド、デカリンヒド
ロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、t−
ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオ
キシドなどのヒドロペルオキシド類が挙げられる。これ
らの有機過酸化物は、1種または2種以上を組み合わせ
て使用することができ、その使用量は、通常使用するモ
ノマー100重量部当たり、0.001〜5重量部の範
囲で選択することができる。
【0029】
【作用】本発明では、たとえば塩化ビニルモノマーなど
のように、沸点が低く(一気圧下で、−14.0°
C)、揮発し易い未反応モノマーの性質を利用し、蒸発
面積を増大させるために蒸発缶内で噴霧化し、気化した
未反応モノマーを、コンプレッサなどで吸引する回収ラ
インを通して回収する。しかも本発明では、重合体ラテ
ックスの媒体である水をも水蒸気として揮散させるに足
る温度(飽和水蒸気温度より10〜30°C高い温度)
に、重合体ラテックスを加熱して、ノズルから、蒸発缶
内に貯留された重合体ラテックスの液面の全面に向け
て、噴霧状態の重合体ラテックスを吹き付ける。
【0030】このような温度範囲で加熱することによ
り、ノズルから噴射された重合体ラテックスは、その中
に含まれる水分と未反応モノマーとが気化蒸発し、ノズ
ルを頂点とする円錐状の噴霧状液滴となり、貯留された
重合体ラテックスの液面全面に吹き出される。この噴霧
状態の重合体ラテックスが、その液面からの発泡を抑止
し、しかも、未反応モノマーは、都合良く揮発して、回
収ラインから高効率で回収される。温度範囲の上限を定
めたのは、余りに加熱し過ぎると、噴霧状態の重合体ラ
テックスの液滴が細かくなりすぎて、液面への噴射によ
る消泡力の低下を防ぐためである。
【0031】本発明において、ノズルから噴射される噴
霧状態の重合体ラテックスを、液面の全面としたのは、
消泡効果が液面の全面に均一に及ぶようにするためであ
る。本発明において、蒸発缶内の圧力を50〜160to
rrに設定することが好ましいのは、次の理由による。す
なわち、蒸発缶内の圧力を、50torrより小さい高真空
にするためには、大型の真空ポンプを必要とし、電力コ
スト高となるし、蒸発缶内の液温度が下がり、未反応モ
ノマーの回収効率が低下する傾向にある。また、蒸発缶
内の圧力を160torrより大きくすると、蒸発缶内の液
温度が上がり、未反応モノマーの回収効率は上がるが、
蒸発缶に供給される重合体ラテックスの温度を、その圧
力での飽和水蒸気温度より10〜30°C高い温度とす
るために、重合体ラテックスの供給ラインにおいて、ラ
テックスが一部破壊されてクリーム状となり、重合体が
析出しラインの閉塞や缶壁スケールを生じ易くする傾向
にあり、好ましくない。
【0032】本発明において、蒸発缶のノズルへ向かう
重合体ラテックスの導入速度が、0.5m/秒以上であ
ることが好ましいのは、これより小さい速度であると、
配管中で重合体が析出し、配管を閉塞し易くなるからで
ある。特に、飽和水蒸気温度より10〜30°C高い温
度に設定された重合体ラテックスは、過加熱状態にある
ので、溶媒の水と未反応モノマーとが気化蒸発し易いの
で、流速を遅くすると、配管中でラテックスの破壊によ
り重合体が析出し易くなる。このノズルへ向かう重合体
ラテックスの導入速度の上限は、ノズルから噴射される
噴霧状の重合体ラテックスが、蒸発缶内の重合体ラテッ
クスの液面の全面に噴射される限りは、特に限定されな
い。
【0033】本発明において、蒸発缶の底部に貯留する
重合体ラテックスの一部を、前記ノズルへ向かう重合体
ラテックスに含ませ、還流させることが好ましいのは、
次の理由による。未反応モノマーが塩化ビニルモノマー
である場合には、その沸点は、1気圧で−14°Cと低
いので、重合体ラテックス中の残留塩化ビニルモノマー
濃度が高いと、ノズルへ向かうラテックス供給ライン中
で加熱された重合体ラテックス中で、モノマーが突沸
し、ラテックスが破壊され、ノズルやラインの閉塞を生
じるおそれがある。そのため、加熱後のラテックス供給
ライン中の未反応モノマーの濃度は、樹脂当り1.0重
量%以下であることが好ましい。そこで、ラテックス供
給ラインに供給される重合体ラテックス中の未反応モノ
マーの濃度が高い場合には、蒸発缶の底部に貯留する重
合体ラテックスの一部を、ノズルへ向かう重合体ラテッ
クスに含ませて還流させ、未反応モノマーの濃度を実質
的に低下させることが好ましい。
【0034】また、スタートアップ時には、重合体ラテ
ックスの還流を用いることができないので、ノズルへ向
かう重合体ラテックスの温度を飽和水蒸気温度以上に加
温することが困難になり、重合体ラテックスが、蒸発缶
内で発泡するおそれがある。そのような場合には、スタ
ートアップ時には、蒸発缶内には水を貯留しておき、還
流ポンプなどで暖気運転を行い、その後に、処理すべき
重合体ラテックスを重合体ラテックス供給ラインに供給
することによって、安定した重合体ラテックスの消泡お
よび未反応モノマーの回収が可能となる。また、同一製
品でラテックス切れの後の再スタート時にも、スタート
アップ時と同様な暖気運転を行うことが好ましい。
【0035】本発明に係る未反応モノマーの回収装置を
用いた回収方法では、たとえば塩化ビニル系重合体ラテ
ックスなどの発泡性に富んだ重合体ラテックスから、実
質的に消泡剤を使用することなく、または実質的に機械
的消泡器を用いることなく、発泡を抑止しつつ、塩化ビ
ニルモノマーなどの未反応モノマーを高効率で回収する
ことができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明に係る重合体ラテックスから未
反応モノマーを回収する方法および装置を、図面に示す
実施態様および実施例に基づき、詳細に説明する。図1
は本発明の一実施態様に係る重合体ラテックスから未反
応モノマーを回収する装置の全体構成図、図2は図1に
示す蒸発缶の概略図、図3は本発明の比較例で用いる重
合体ラテックスから未反応モノマーを回収する装置の概
略図である。
【0037】図1に示す本実施態様の装置では、微細懸
濁重合などの方法を行うことにより重合体ラテックスを
生成するための重合缶から、ラテックス供給ライン4を
通じて、重合体ラテックスが送られてくるブローダウン
タンク2を有する。ブローダウンタンク2の内部は、た
とえば絶対圧で836〜1064torrに設定される。こ
のブローダウンタンク2には、重合体ラテックスが一時
的に貯留され、コーン状の複数の回転ディスクを用いた
消泡器8を有するセパレータ6により、ラテックスから
未反応モノマーを分離して、予め回収が容易な未反応モ
ノマー部分を第1回収ライン14で回収する。第1回収
ライン14には、制御弁12が装着してあり、タンク2
内の圧力を圧力計10が検知して、タンク2内の圧力が
一定となるように、回収ライン14の流量を制御する。
タンク2では、実質的に発泡問題を起こさないように未
反応モノマーの自己圧力で揮散する分を回収することが
好ましい。
【0038】タンク2の底部には、第1ラテックス供給
ライン16が接続してある。その供給ライン16には、
ポンプ18、制御弁22および流量計20が装着してあ
り、予備的に未反応モノマーが一部除去された重合体ラ
テックスを、供給ライン16を通して、一定流量で、合
流配管部24まで搬送する。合流配管部24では、第1
ラテックス供給ライン16と、還流ライン32とから送
られてくる重合体ラテックスを合流させて、第2ラテッ
クス供給ライン26へ送る。
【0039】第2ラテックス供給ライン26には、流量
計28および制御弁30が装着してあり、ライン26に
流れる流量を一定に制御することができる。制御弁30
の後流側に位置する第2ラテックス供給ライン26に
は、エジェクタ38が装着してある。エジェクタ38で
は、蒸気供給ライン39から水蒸気が吸引されて重合体
ラテックス中に混入し、その重合体ラテックスを直接加
熱するようになっている。この水蒸気により重合体ラテ
ックスを加熱する温度は、飽和水蒸気温度よりも10〜
30°C高い温度である。そのような温度範囲に重合体
ラテックスを温度制御するために、エジェクタ38から
ノズル46に向かう第2ラテックス供給ライン26内の
重合体ラテックスの温度は、温度計測計42により計測
され、その検知温度に基づき、蒸気ライン39の制御弁
40の開度を調節するようになっている。
【0040】本実施態様に係る蒸発缶36は、その上部
略中央に、ノズル46が設置してある。ノズル46は、
特に限定されないが、たとえばラテックス流量22m3
/hで1.2m/秒の流速が出るように内径80mm、長
さ300mmの短管などで構成することができる。蒸発缶
36の底部には、ノズル46から噴射された重合体ラテ
ックス35が貯留可能になっている。噴射された重合体
ラテックスは直ちに温度降下し、噴霧前より15〜25
°C低い温度で貯留されるので、高温に曝される時間が
短く、重合体は熱変色しにくい特徴がある。
【0041】蒸発缶36の底部には、ドレインライン6
2が接続してあり、ドレインライン62には、還流ライ
ン32と第3ラテックス供給ライン70とが接続してあ
る。これらライン32,70には、それぞれポンプ3
4,64が装着してある。還流ライン32は、蒸発缶3
6内に貯留してある重合体ラテックス35の一部を、第
2ラテックス供給ライン26へ送るためのものである。
第3ラテックス供給ライン70は、蒸発缶36により未
反応モノマーが回収された重合体ラテックス35を、次
の工程(たとえば乾燥工程)に送るためのラインであ
る。このライン70には、制御弁68が装着してあり、
蒸発缶36内の重合体ラテックス35の液面を液面計6
6で検知し、その液面が一定に保持されるように、制御
弁68の開度が制御される。
【0042】蒸発缶36の上部には、第2回収ライン5
0を通して、セパレータ48が接続してある。セパレー
タでは、蒸発缶36内で蒸発した未反応モノマーおよび
水蒸気と、重合体ラテックスミストを含んだガスとを分
離し、重合体ラテックスミストを蒸発缶36へ戻す。
【0043】このセパレータ48には、第3回収ライン
54が接続してある。第2回収ライン54には、コンデ
ンサ52および水封式コンプレッサ60が接続してあ
る。また、コンプレッサ60には、並列に、戻りライン
61が配置してあり、戻りライン61に制御弁58を設
け、第2回収ライン50の圧力を圧力計56で計測し、
その圧力が一定になるように、制御弁58の開度を制御
する。
【0044】コンデンサ52は、ライン54内の水蒸気
を冷却して凝縮させ、未反応モノマーと分離し、未反応
モノマーのみを、後工程の精製液化工程に送る。本実施
態様では、エジェクタ38からノズル46へ至るラテッ
クス供給ライン26内の重合体ラテックスを、飽和水蒸
気温度より10〜30°C高い温度に設定し、蒸発缶内
の圧力を、好ましくは50〜160torr、さらに好まし
くは80〜130torrに設定し、ノズル46へ向かう重
合体ラテックスの導入速度を、好ましくは0.5m/秒
以上、さらに好ましくは1.0m/秒以上に設定するこ
とで、図2に示すように、ノズル46から、蒸発缶36
内に貯留された重合体ラテックス35の液面の全面に向
けて、噴霧状態の重合体ラテックスを吹き付けることを
実現できた。すなわち、いわゆる自己スプレーを実現す
ることができた。
【0045】その結果、この噴霧状態の重合体ラテック
スが、蒸発缶36内の重合体ラテックス35の液面から
の発泡を抑止し、しかも、未反応モノマーは、都合良く
揮発して、回収ライン50,54から高効率で回収され
る。しかも本実施態様では、蒸発缶36の底部に貯留す
る重合体ラテックス35の一部を、還流ライン32を通
して、ノズル46へ向かう重合体ラテックスに含ませる
ので、次に示す作用を有する。
【0046】未反応モノマーが塩化ビニルモノマーであ
る場合には、その沸点は、1気圧で−14°Cと低いの
で、重合体ラテックス中の残留塩化ビニルモノマー濃度
が高いと、ノズル46へ向かうラテックス供給ライン中
で加熱された重合体ラテックス中で、モノマーが突沸
し、ラテックスが破壊され、ノズル46やライン26の
閉塞を生じるおそれがある。そのため、加熱後のラテッ
クス供給ライン26中の未反応モノマーの濃度は、樹脂
当り1.0重量%以下であることが好ましい。そこで、
ラテックス供給ライン26に供給される重合体ラテック
ス中の未反応モノマーの濃度が高い場合には、蒸発缶3
6の底部に貯留する重合体ラテックス35の一部を、ノ
ズル46へ向かう重合体ラテックスに含ませて還流さ
せ、未反応モノマーの濃度を実質的に低下させる。
【0047】また、スタートアップ時には、重合体ラテ
ックスの還流を用いることができないので、ノズル46
へ向かう重合体ラテックスの温度を飽和水蒸気温度以上
に加温することが困難になり、重合体ラテックスが、蒸
発缶内で発泡するおそれがある。そのような場合には、
スタートアップ時には、蒸発缶36内には水を貯留して
おき、還流ポンプ34などで暖気運転を行い、その後
に、処理すべき重合体ラテックスを重合体ラテックス供
給ライン26に供給することによって、安定した重合体
ラテックスの消泡および未反応モノマーの回収が可能と
なる。また、同一製品でラテックス切れの後の再スター
ト時にも、スタートアップ時と同様な暖気運転を行うこ
とが好ましい。
【0048】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、上記実施態様では、重合体ラテ
ックスを、飽和水蒸気温度より10〜30°C高い温度
に設定する手段として、蒸発缶36のノズル46へ向か
うラテックス供給ライン26へ、水蒸気をエジェクタ3
8で導入する直接加熱手段を用いたが、その他の手段と
して、ヒータなどを用いた間接加熱手段などを採用する
ことができる。
【0049】また、上記実施態様では、還流ライン32
を用いたが、本発明では、必ずしもこれを用いる必要は
ない。たとえば、ラテックス供給ライン26に供給され
る未反応モノマーの濃度が、十分に低く、ノズル46手
前のライン26中のラテックス速度として、0.5m/
秒以上を確保することができれば、前記実施態様と同等
の作用を期待できる。
【0050】また、上記実施態様では、蒸発缶36の手
前に、ブローダウンタンク2を配置したが、本発明は、
これに限定されず、ブローダウンタンク2に代わるその
他の予備的な未反応モノマー回収タンクを一段または複
数段配置することもできる。さらにまた、重合缶から蒸
発缶36を直接接続するように構成することもできる。
【0051】さらに、蒸発缶36に付属的に装着される
セパレータ48およびコンデンサ52などを含む未反応
モノマーの回収ライン50,54は、その他の構成の回
収ラインに置き換えることも可能である。さらにまた、
本発明では、ノズル46の具体的形状は特に限定されな
い。
【0052】次に、本発明を、さらに具体的な実施例に
基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定され
ない。実施例1 重合缶で微細懸濁重合させた重合体ラテックスを、図1
に示すブローダウンタンク2へ移送し、タンク2内の圧
力を0.3kg/cm2 (ゲージ圧)に設定し、ここ
で、塩化ビニルモノマーを予備的に回収した。この時の
重合体ラテックスの組成は、平均粒径1.0μm の塩化
ビニル樹脂が48重量%、アニオン性界面活性剤が0.
34重量%、水分が50重量%、未反応塩化ビニルモノ
マー(VCM)が1.2重量%であった。すなわち、塩
化ビニル樹脂に対するVCMの濃度は、2.5重量%で
あった。
【0053】蒸発缶36に水1.0m3 をはりこみ、供
給ライン26でのラテックス流量は、22m3 /時間に
制御した。エジェクタ38では、水蒸気を重合体ラテッ
クスに混入し、重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸気
温度(52°C)+18°Cである70°Cに設定し、
暖気運転した。その後、この重合体ラテックスを、図1
に示す供給ライン16を通して、6.0m3 /時間の流
速で、還流ライン32からの重合体ラテックスと合流さ
せ、供給ライン26へ移送した。エジェクタ38からノ
ズル46へ至るラインの配管の内径は80mm、長さは6
000mmであり、ラテックスの導入速度(線速度)は、
1.22m/秒であった。蒸発缶36の内部の圧力は、
110±7torrに設定した。
【0054】この時、蒸発缶36の覗き孔から、ノズル
46から噴射される重合体ラテックスを観察したとこ
ろ、コーン状のスプレー液滴となって、図2に示すよう
に、蒸発缶36内に貯留された重合体ラテックスの液面
の全面に噴射されることが確認された。本実施例で用い
たノズル46は、内径80mm、長さ300mmの短管であ
った。蒸発缶36の内径は、2400mm、高さが340
0mmであった。
【0055】下記の表1に示すように、重合体ラテック
ス35の液面からは、発泡が観察されなかった。蒸発缶
36内で蒸発したVCM、水蒸気および重合体ラテック
ス・ミスト(霧)を含んだガスを、セパレータ48で分
離し、重合体ラテックス・ミストを、蒸発缶36内に戻
した。VCMと水蒸気とは、コンデンサ52へ送られ、
コンデンサにて、水蒸気を凝縮分離し、回収されたVC
Mは、水封式コンプレッサ60により吸引され、後工程
の回収VCM精製液化工程に移送した。
【0056】この操作において、蒸発缶36内の重合体
ラテックス35の液面の水位を、全体高さの25%に制
御し、定常運転となったところで、供給ライン70中の
流量5.9m3 /時間の重合体ラテックスのサンプルを
採取し、塩化ビニル樹脂に対する塩化ビニルモノマーの
濃度を調べたところ、下記の表1に示すように、塩化ビ
ニル樹脂に対し0.15重量%まで低減できたことが確
認された。また、エジェクタ38からノズルまでの供給
ライン26の詰まり頻度を調べたところ、500日以上
詰まらなかった。
【0057】
【表1】
【0058】実施例2 重合缶で微細懸濁重合させた塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体ラテックスを、図1に示すブローダウンタンク2
へ移送し、タンク2内の圧力を0.3kg/cm2 (ゲ
ージ圧)に設定し、ここで、塩化ビニルモノマーを予備
的に回収した。この時の共重合体ラテックスの組成は、
平均粒径1.0μm の塩化ビニル系共重合体樹脂が45
重量%、アニオン性界面活性剤が0.5重量%、水分が
53重量%、未反応塩化ビニルモノマー(VCM)が
0.8重量%であった。すなわち、塩化ビニル系共重合
体樹脂に対するVCMの濃度は、1.78重量%であっ
た。
【0059】この重合体ラテックスを、前記実施例1と
同様な条件で同様にして、蒸発缶36を用いて、脱塩化
ビニルモノマー回収操作を行ったところ、前記表1に示
すように、共重合体樹脂に対する残留VCMの濃度が、
0.07重量%にまで低下することが確認された。
【0060】また、前記表1に示すように、エジェクタ
38からノズルまでの供給ライン26の詰まり頻度を調
べたところ、500日以上詰まらなかった。比較例1 前記実施例で用いたものと同様な重合体ラテックスを用
いて、下記に示す方法によりVCMの回収を行った。
【0061】この比較例では、図3に示す装置を用い
た。図3に示す装置において、図1に示す装置と共通す
る部材には同様な符号を付し、その説明は一部省略す
る。図3に示す装置では、ブローダウンタンク2の後
に、第1および第2の蒸発缶36a,36bを設置し
た。すなわち、蒸発缶を二段にした。
【0062】第1蒸発缶36aには、ブローダウンタン
ク2からの第1ラテックス供給ライン16を通して、ノ
ズル46aから重合体ラテックスが供給される。この供
給ライン16には、エジェクタ38aが装着してある。
エジェクタ38aでは、蒸気供給ライン39aから水蒸
気が吸引されて重合体ラテックス中に混入し、その重合
体ラテックスを直接加熱するようになっている。所定温
度に重合体ラテックスを温度制御するために、エジェク
タ38aからノズル46aに向かう第1ラテックス供給
ライン16内の重合体ラテックスの温度は、温度計測計
42aにより計測され、その検知温度に基づき、蒸気ラ
イン39aの制御弁40aの開度を調節するようになっ
ている。
【0063】第1蒸発缶36aの底部には、第2ラテッ
クス供給ライン80が接続してある。第2ラテックス供
給ライン80は、第1蒸発缶36aにより未反応モノマ
ーが回収された重合体ラテックス35aを、次の第2蒸
発缶36bに送るためのラインである。このライン80
には、ポンプ64aおよび制御弁68aが装着してあ
り、第1蒸発缶36a内の重合体ラテックス35aの液
面を液面計66aで検知し、その液面が一定に保持され
るように、制御弁68aの開度が制御される。
【0064】この第2ラテックス供給ライン80には、
エジェクタ38bが装着してある。エジェクタ38bで
は、蒸気供給ライン39bから水蒸気が吸引されて重合
体ラテックス中に混入し、その重合体ラテックスを直接
加熱するようになっている。所定温度に重合体ラテック
スを温度制御するために、エジェクタ38bからノズル
46bに向かう第2ラテックス供給ライン80内の重合
体ラテックスの温度は、温度計測計42bにより計測さ
れ、その検知温度に基づき、蒸気ライン39bの制御弁
40bの開度を調節するようになっている。
【0065】第2蒸発缶36bの底部には、第3ラテッ
クス供給ライン82が接続してある。第3ラテックス供
給ライン82は、第2蒸発缶36bにより未反応モノマ
ーが回収された重合体ラテックス35bを、次の工程
(たとえば乾燥工程)に送るためのラインである。この
ライン82には、制御弁68bが装着してあり、第2蒸
発缶36b内の重合体ラテックス35bの液面を液面計
66bで検知し、その液面が一定に保持されるように、
制御弁68bの開度が制御される。第1蒸発缶36aお
よび第2蒸発缶36bの上部には、第1,第2回収ライ
ン50a,50bを通して、コーン状の複数の回転ディ
スクを用いた消泡器8aを有するセパレータ6aが接続
してある。セパレータ6aでは、第1,第2蒸発缶36
a,36b内で蒸発した未反応モノマーおよび水蒸気
と、重合体ラテックスミストを含んだガスとを分離し、
重合体ラテックスミストを第1蒸発缶36aへ戻す。
このセパレータ6aには、第2回収ライン54aが接続
してある。第2回収ライン54aには、水封式コンプレ
ッサ60aが接続してある。また、コンプレッサ60a
には、並列に、戻りライン61aが配置してあり、戻り
ライン61aに制御弁58aを設け、セパレータ6a内
部の圧力を圧力計84で計測し、その圧力が一定になる
ように、制御弁58aの開度を制御する。
【0066】この装置では供給ラテックス温度を飽和水
蒸気温度以下に設定しているので、回収ライン54aに
含まれる水蒸気の量が小さい。従ってコンデンサは不要
である。この比較例では、前記実施例1で用いた処理前
の重合体ラテックスを、図3に示すブローダウンタンク
2へ移送し、タンク2内の圧力を0.3kg/cm2
(ゲージ圧)に設定し、ここで、塩化ビニルモノマーを
予備的に回収した。この時の重合体ラテックスの組成
は、平均粒径1.0μm の塩化ビニル樹脂が48重量
%、アニオン性界面活性剤が0.34重量%、水分が5
0重量%、未反応塩化ビニルモノマー(VCM)が1.
2重量%であった。すなわち、塩化ビニル樹脂に対する
VCMの濃度は、2.5重量%であった。
【0067】この重合体ラテックスを、図3に示す供給
ライン16を通して、エジェクタ38aへ向かわせた。
供給ライン16でのラテックス流量は、6m3 /時間に
制御した。エジェクタ38aでは、水蒸気を重合体ラテ
ックスに混入し、重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸
気温度(73°C)−13°Cである60°Cに設定し
た。エジェクタ38aからノズル46aへ至るラインの
配管の内径は、50mmであった。第1蒸発缶36aの内
部の圧力は、260±7torrに設定した。 第1蒸発缶
36aに貯留された重合体ラテックスの一部は、第2ラ
テックス供給ライン80を通して、二段目の第2蒸発缶
36bへ、第1蒸発缶36aの供給と同様な条件で導入
した。
【0068】この比較例では、ノズル46a,46bと
しては、管口を平に潰して偏平にした特殊スプレーノズ
ルを用いた。この時、蒸発缶36a,36bの覗き孔か
ら、ノズル46aから噴射される重合体ラテックスを観
察したところ、扇子状のスプレー液滴となっているが、
液面からの発泡を防止できず、消泡器8aまで泡が到達
したことが確認された。
【0069】発泡した重合体ラテックスと蒸発したVC
Mとを含むガスを、消泡器8aで消泡し、分離された重
合体ラテックスを第1蒸発缶36aへ戻した。回収ライ
ン54aで回収されたVCMは、水封式コンプレッサ6
0aにより吸引され、後工程の回収VCM精製液化工程
に移送した。
【0070】この操作において、蒸発缶36a,36b
内の重合体ラテックス35の液面の水位を、全体高さの
25%に制御した場合には、発泡が激しく、消泡器8a
での消泡能力を超えているので、液面の水位を5%で運
転せざるを得なかった。定常運転となったところで、供
給ライン82中の流量5.9m3 /時間の重合体ラテッ
クスのサンプルを採取し、塩化ビニル樹脂に対する塩化
ビニルモノマーの濃度を調べたところ、上記の表1に示
すように、塩化ビニル樹脂当り0.29重量%と高かっ
た。また、エジェクタ38a,38bからノズル46
a,46bまでの供給ラインの詰まり頻度を調べたとこ
ろ、約90日で詰まった。
【0071】比較例2 前記実施例2の処理前の塩化ビニル系共重合体ラテック
スを用いた以外は、前記比較例1と同様にして、塩化ビ
ニル系共重合体樹脂に対するVCMの濃度を調べたとこ
ろ、上記の表1に示すように、共重合体樹脂当り0.2
0重量%と高かった。また、エジェクタ38a,38b
からノズル46a,46bまでの供給ラインの詰まり頻
度を調べたところ、約30日で詰まった。もちろん、蒸
発缶36a,36b内での共重合体ラテックスの液面か
らの発泡も観察された。
【0072】評価1 前記実施例1,2と比較例1,2とを比較すると、比較
例の方法では、二段の蒸発缶36a,36bを必要とし
たが、本実施例では、蒸発缶を一段にし、しかも消泡剤
を使用することなく、残留VCMの濃度を半減にするこ
とができる。
【0073】次に、実施例1に比較しての操作条件によ
り脱VCM効率と、運転メンテナンスのし易さが異なる
例を示す。参考例1 この参考例1では、図1に示す還流ライン32を利用し
ないで、エジェクタ38の出口の重合体ラテックスの線
速度を、1.22から0.33m/秒とした以外は、実
施例1と同様にして、VCMの回収を行った。
【0074】実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂に
対するVCMの濃度を調べたところ、下記の表2に示す
ように、塩化ビニル樹脂当り0.18重量%であった。
また、エジェクタ38からノズル46までの供給ライン
の詰まり頻度を調べたところ、約7日で詰まった。な
お、蒸発缶36内での共重合体ラテックスの液面からの
発泡は観察されなかった。
【0075】
【表2】
【0076】参考例2 この参考例2では、図1に示す蒸発缶36内の圧力を6
0torrとし、供給ラテックス温度を飽和水蒸気温度(4
2°C)+18°Cである60°Cとした以外は、実施
例1と同様にして、VCMの回収を行った。
【0077】実施例1と同様にして、塩化ビニル樹脂に
対するVCMの濃度を調べたところ、上記の表2に示す
ように、塩化ビニル樹脂当り0.32重量%であった。
なお、蒸発缶36内での共重合体ラテックスの液面から
の発泡は観察されなかった。比較例3 この比較例3では、図1に示す蒸発缶36内の圧力を6
0torrとし、重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸気温
度(42°C)+33°Cである75°Cに設定した以
外は、実施例1と同様にして、VCMの回収を行った。
【0078】この比較例3では、重合体ラテックスの過
加熱が増大し、ノズル46からのラテックス自己スプレ
ーの液滴が細粒となり、蒸発缶35内部の液面からの泡
を破壊することができず、発泡により運転が困難に陥っ
た。比較例4 この比較例4では、噴霧に付す際のラテックスの温度
を、飽和水蒸気温度+9°Cの61°Cとした以外は実
施例1と同様に行った。しかし発泡が著しく起きて溢
れ、運転不能に陥った。
【0079】参考例3 この参考例3では、図1に示す蒸発缶36内の圧力を1
50torrとし、重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸気
温度(60°C)+20°Cである80°Cに設定した
以外は、実施例1と同様にして、VCMの回収を行っ
た。
【0080】この参考例3では、実施例1と同様にし
て、塩化ビニル樹脂に対するVCMの濃度を調べたとこ
ろ、上記の表2に示すように、0.10重量%と少なく
することができた。ところが、エジェクタ38からノズ
ル46までの供給ラインの詰まり頻度を調べたところ、
重合体の析出により約2日で詰まった。なお、蒸発缶3
6内での共重合体ラテックスの液面からの発泡は観察さ
れなかった。
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
未反応モノマーの回収装置を用いた回収方法によれば、
たとえば塩化ビニル系重合体ラテックスなどの発泡性に
富んだ重合体ラテックスから、実質的に消泡剤を使用す
ることなく、または機械的消泡器を実質的に用いること
なく、発泡を抑止しつつ、塩化ビニルモノマーなどの未
反応モノマーを高効率で回収することができる。また、
本発明では、重合体が高温に曝される時間が短いので熱
変色が起きにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様に係る重合体ラテッ
クスから未反応モノマーを回収する装置の全体構成図で
ある。
【図2】図2は図1に示す蒸発缶の概略図である。
【図3】図3は本発明の比較例で用いる重合体ラテック
スから未反応モノマーを回収する装置の概略図である。
【符号の説明】
26… 第2ラテックス供給ライン 32… 還流ライン 35… 重合体ラテックス 36… 蒸発缶 38… エジェクタ 46… ノズル 50… 第2回収ライン 54… 第3回収ライン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未反応モノマーを含む重合体ラテックス
    を蒸発缶内に噴霧し未反応モノマーを蒸発させて回収す
    る方法において、蒸発缶に取り付けられたノズルから前
    記重合体ラッテクスを蒸発缶内に貯留された重合体ラテ
    ックスの液面の全面に噴霧し、かつ噴霧に付す前の前記
    重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸気温度より10〜
    30°C高い温度にすることを特徴とする未反応モノマ
    ーを回収する方法。
  2. 【請求項2】 前記蒸発缶内の圧力を50〜160torr
    に設定することを特徴とする請求項1に記載の未反応モ
    ノマーを回収する方法。
  3. 【請求項3】 前記蒸発缶のノズルへ向かう重合体ラテ
    ックスの導入速度が、0.5m/秒以上であることを特
    徴とする請求項1または2のいずれかに記載の未反応モ
    ノマーを回収する方法。
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