JPH11100410A - 塩化ビニル重合体ラテックスからの未反応モノマー回収操作方法 - Google Patents

塩化ビニル重合体ラテックスからの未反応モノマー回収操作方法

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JPH11100410A
JPH11100410A JP28125997A JP28125997A JPH11100410A JP H11100410 A JPH11100410 A JP H11100410A JP 28125997 A JP28125997 A JP 28125997A JP 28125997 A JP28125997 A JP 28125997A JP H11100410 A JPH11100410 A JP H11100410A
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JP
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vinyl chloride
polymer latex
chloride polymer
evaporator
latex
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JP28125997A
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Yoichi Takeyama
洋一 武山
Masahiro Yoshida
昌弘 吉田
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 塩化ビニル重合体ラテックスから、発泡を防
止しつつ、未反応の塩化ビニルモノマーを高効率で回収
すると同時に塩化ビニル重合体ラテックスの加熱設備で
ある熱交換器の汚れ及び詰まりを防止しつつ、塩化ビニ
ル重合体ラテックスを濃縮する方法を提供する。 【解決手段】 (イ)圧力50〜130torrの第1
の蒸発缶内に、飽和水蒸気温度より10〜30℃高い温
度に加熱した未反応モノマー含有塩化ビニル重合体ラテ
ックスを、蒸発缶上部より噴霧して未反応モノマーを回
収し、(ロ)次いで、圧力100〜240torrでか
つ第1の蒸発缶より高い圧力の第2の蒸発缶内に、飽和
水蒸気温度より10〜30℃高い温度に熱交換器で加熱
した第1の蒸発缶処理後の塩化ビニル重合体ラテックス
を、蒸発缶上部より粉霧して更に未反応モノマーを回収
し、(ハ)未反応モノマーの回収を停止する時は、熱交
換器の温水側及び塩化ビニル重合体ラテックス側の双方
に水を流す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性に富んだ塩
化ビニル重合体ラテックスから未反応モノマーを、多段
連続装置を用いて、より高効率で回収すると同時にラテ
ックスを濃縮することによって、スプレー乾燥機の能力
およびスチーム原単位を向上する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル重合体ラテックスは、主にペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂の製造用として重合反応に
よって調製され、通常、次いでスプレー乾燥機で乾燥さ
れて粉体とされる。こうして得られたペースト加工用塩
化ビニル樹脂は、可塑剤等と混練されてペースト(プラ
スチゾル)とされ、壁紙、カーペットバッキング等のコ
ーティング加工、人形、玩具等のスラッシュモールディ
ング加工、手袋、金網等のディッピング加工等の種々の
ペースト加工に供される。塩化ビニル重合体ラテックス
は、粒径0.1〜10μmの微細な重合体粒子が、水媒
体中に均一に浮遊している。この微細粒子を得るための
重合方法としては、乳化重合法、播種乳化重合法および
微細懸濁重合法が代表的であるが、これらの方法では、
通常、いずれもアニオン性界面活性剤またはノニオン性
界面活性剤などの界面活性剤が用いられる。重合反応終
了直後の塩化ビニル重合体ラテックスには、一般に未反
応モノマーが数重量%残留している。
【0003】塩化ビニル重合体ラテックス中に含まれる
未反応モノマーは、原料の無駄をなくす観点、重合体の
品質上の観点、衛生上の観点等から、より徹底して高効
率で回収されることが好ましい。また、塩化ビニル重合
体ラテックスの固形分濃度は、次工程のスプレー乾燥機
の生産性およびコストの観点から、より高濃度の方が好
ましい。重合体ラテックスから未反応モノマーを回収す
る方法としては、特開平8−325321号公報記載発
明や特願平8−103611号発明で見られるような、
未反応モノマー含有重合体ラテックスを蒸発缶内に噴霧
して未反応モノマーを蒸発させて回収する方法がある。
これらの方法の主たる特徴は、蒸発缶内上部に取り付け
られたノズルから重合体ラテックスを蒸発缶内に貯留さ
れた重合体ラテックスの液面の全面に噴霧し、かつ噴霧
に付す前の前記重合体ラテックスの温度を、飽和水蒸気
温度より10〜30℃高い温度にすることにある。
【0004】また、濃厚な重合体ラテツクスを得る方法
としては、先ず重合反応において仕込みモノマー濃度を
上げる方法があるが、重合反応での除熱のための伝熱や
重合体ラテツクスの機械的安定性の面から、塩化ビニル
重合体ラテックスの固形分濃度は約50重量%が限界で
あった。一方、重合体ラテツクスの重合反応後の濃縮方
法として、限外濾過膜による濃縮が知られている。しか
し、この濃縮方法では、濾水に界面活性剤が流失するの
でスプレー乾燥後の重合体に品質変化が起こりやすく、
また、固形分濃度約50重量%以上になると、高粘度化
による濾水流量の低下や膜の詰まりが生じやすい。更
に、重合反応を50℃以上の温度で行った場合は、反応
終了後の塩化ビニル重合体ラテックスの温度が50℃以
上となり限外濾過膜の設計温度以上となって膜が破裂す
る虞があるので、重合後の重合体ラテックスを冷却する
という不経済があった。
【0005】さて、溶液や懸濁液の濃縮方法として、し
ばしば蒸発缶が使用されている。蒸発缶の加熱方法とし
ては、ジャケットによる加熱が一般的であるが、効率が
悪く生産性に問題があった。そのため伝熱量をかせぐた
めに、蒸発缶の外部に設置した熱交換器(多管式、プレ
ート式およびスパイラル式等)を用いる、特公昭61−
34794号公報記載の「アルコール性諸味処理装置」
や特公平7−51201号公報記載の「発砲性溶液の蒸
発方法−サポニン溶液の濃縮」等の発明が提案された。
しかし、重合体ラッテックス、特に低沸点物質である未
反応モノマーを含有する塩化ビニル重合体ラテックス
は、これらの発明における処理対象品である溶液とは異
なり、単に熱交換器を導入するのみでは円滑に操作する
ことは困難で、塩化ビニル重合体ラテックスが熱や揮散
モノマーによる衝撃により破壊されたり、重合体が熱交
換器に付着して熱伝導度の悪化や詰まりを起こす問題を
有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような実
状に鑑みてなされ、発泡性に富んだ塩化ビニル重合体ラ
テックスから、発泡を防止しつつ、未反応の塩化ビニル
モノマーを高効率で回収すると同時に、塩化ビニル重合
体ラテックスの加熱設備である熱交換器の汚れおよび詰
まりを防止しつつ、塩化ビニル重合体ラテックスを濃縮
する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決すめための手段】上記目的を達成するため
に、(1)(イ)圧力50〜130torrの第1の蒸
発缶内に、飽和水蒸気温度より10〜30℃高い温度に
加熱した未反応モノマー含有塩化ビニル重合体ラテック
スを、蒸発缶上部より噴霧して未反応モノマーを回収
し、(ロ)次いで、圧力100〜240torrでかつ
第1の蒸発缶より高い圧力の第2の蒸発缶内に、飽和水
蒸気温度より10〜30℃高い温度に熱交換器で加熱し
た第1の蒸発缶処理後の塩化ビニル重合体ラテックス
を、蒸発缶上部より粉霧して更に未反応モノマーを回収
し、(ハ)前記熱交換器の運転条件として、塩化ビニル
重合体ラテックスの線速度を0.3〜1.0m/秒、加
熱用温水温度を50〜80℃、熱交換器の塩化ビニル重
合体ラテックス出口圧力を0.1〜2.0kg/cm2
(ゲージ圧)とし、(ニ)未反応モノマーの回収を停止
する時は、前記熱交換器の加熱用温水側及び塩化ビニル
重合体ラテックス側の双方に水を流して、操作すること
を特徴とする塩化ビニル重合体ラテックスからの未反応
モノマー回収操作方法を採用する。また、好ましい態様
として、(2)第1の蒸発缶での噴霧前に熱交換器に供
する塩化ビニル重合体ラテックスの未反応モノマー濃度
が、重合体に対し1.0重量%以下であることを特徴と
する上記(1)記載の塩化ビニル重合体ラテックスから
の未反応モノマー回収操作方法、が推奨される。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係る回収操作方法が用い
られる塩化ビニル重合体ラテックスとしては、特に限定
されないが、塩化ビニル重合体を含有するラテックスが
用いられる。本発明における塩化ビニル重合体とは、重
合体中に塩化ビニルモノマー単位を60重量%以上含有
しているものであり、塩化ビニルモノマーの単独重合体
または塩化ビニルモノマーとこれと共重合可能なモノマ
ーとの共重合体を含む。塩化ビニル共重合体の場合の共
単量体としては、例えば、エチレン、プロピレンなどの
オレフィン類;塩化アリル、塩化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、三フッ化塩化エチレンなどのハロゲン化オレフィ
ン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン
酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セチ
ルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アリル−3
−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテルなどのアリルエーテル類;アクリル酸、マ
レイン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、メチルメタクリレート、マレイン酸モノメチル、
マレイン酸ジエチル、無水マレイン酸などの不飽和カル
ボン酸、そのエステルまたはその酸無水物類;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル
類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メ
タ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライドなどのアクリルアミド類;アリルアミン安息香
酸塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどの
アリルアミンおよびその誘導体類などを挙げることがで
きる。塩化ビニル重合体ラテックスは、塩化ビニル重合
体を30〜55重量%と、アニオン性界面活性剤および
/またはノニオン系界面活性剤を0.1〜4.0重量%
と、水68〜46重量%と、未反応モノマー(未反応の
塩化ビニルモノマーおよび共重合の場合の未反応共単量
体)1.0〜2.5重量%等の成分を含み、重合体の平
均粒子径が、0.1〜10μmである。塩化ビニル重合
体ラテックスを得る重合方法としては、微細懸濁重合
法、乳化重合法または播種乳化重合法などが用いられ
る。
【0009】微細懸濁重合法では、ラジカル開始剤とし
て有機過酸化物等の油溶性のラジカル開始剤が用いられ
る。重合開始前に水性媒体中に、モノマー、ラジカル開
始剤、界面活性剤および所望に応じて連鎖移動剤、その
他の添加剤を加えてプレミックスし、ホモジナイザによ
り均質化処理して油滴の粒径調整を行う。均質処理され
た液は重合缶に送られ、通常、30〜80℃の範囲の温
度において重合反応が行われる。界面活性剤としては、
ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムな
どのアルキル硫酸エステル塩類;ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウ
ムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ジオクチル
スルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸
ナトリウムなどのスルホコハク酸エステル塩類;ラウリ
ン酸アンモニウム、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸
塩類;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類;
ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類
などのアニオン性界面活性剤類;ソルビタンモノオレエ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
などのソルビタンエステル類;ポリオキシエチレンアル
キルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル類;ポリオキシエチレンアルキルエステル類な
どのノニオン性界面活性剤類等が挙げられ、これらは1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。重合缶では、重合反応熱を除去する必要上攪拌が行
われる。通常、重合転化率85〜99重量%にて反応が
終了する。得られた重合体の平均粒子径は、通常、0.
2〜5μmに広がった分布をもつ単一粒子を含有するラ
テックスが得られる。
【0010】一方、乳化重合法は、アニオン性界面活性
剤などを乳化剤とし、水性媒体中に乳化分散された塩化
ビニルモノマーのミセルを反応の場として、過硫酸塩等
の水溶性ラジカル開始剤を用いて重合反応を開始させ
る。重合の進行に伴って粒子が肥大するので、その安定
化に必要かつ最小限の界面活性剤を追加供給する。こう
することにより微細粒子の発生を抑止して、初期に発生
した重合体粒子の個数を概ね維持しつつ肥大化して重合
反応を進行させる。一般に乳化重合法で転化率85〜9
9重量%にて得られる塩かビニル重合体粒子の粒径は非
常に小さく、約0.1μmであるが、プラスチゾル用塩
化ビニル樹脂の場合には、ミセルを大きくする工夫を加
える等により平均粒子径が0.4〜0.6μmに達する
まで粒子を肥大化させた粒子を含むラテックスが製造さ
れる。また、播種乳化重合法は、予め乳化重合や微細懸
濁重合により調製された重合体粒子を核として、上記の
乳化重合法の説明において列挙したと同様の界面活性剤
およびラジカル開始剤を用いて、水性媒体中で粒子の肥
大化重合反応を行わせる重合方法である。この方法によ
れば、平均粒子径が1〜2μmで、これに0.2μm前
後の副生小粒子が加わったシャープな2ピークの粒径分
布を有する塩化ビニル重合体ラテックスが得られる。
【0011】
【作用】以下、塩化ビニル重合体ラテックスから未反応
モノマーを回収すると同時に、媒体である水を蒸発せし
めて塩化ビニル重合体ラテックスを濃縮する本発明の操
作方法を説明する。塩化ビニルモノマーは沸点が低いの
で(一気圧下で、−14.0℃)、未反応塩化ビニルモ
ノマーがラテックス中に1.0重量%以上残留すると揮
発し易いが、ラテックス中に1.0重量%未満しか存在
しない場合は重合体に吸着して揮発しにくい。そこで、
蒸発缶内でラテックスを噴霧して、気化した未反応モノ
マーをコンプレッサなどで吸引する回収ラインを通して
回収する。塩化ビニル重合体ラテックスは、媒体である
水をも水蒸気として揮発させるに足りる温度(飽和水蒸
気温度より10〜30℃高い温度)に加熱して粉霧する
ため、蒸発するガス量が多くなり、減圧下において発泡
しようとする界面活性剤を含む貯留ラテックスの液面
が、この豊富なガスの粉霧衝撃を受けるので発泡が抑止
されるのである。ノズルからのラテックスの粉霧は、ノ
ズルを頂点とする円錐状の噴霧状態で、貯留された塩化
ビニル重合体ラテックスの液面全面に吹きかけることが
好ましい。
【0012】本発明において、第1の蒸発缶の圧力を5
0〜130torrに、好ましくは80〜130tor
rに設定する。その理由は次による。すなわち、蒸発缶
内の圧力を、50torrより小さい高真空にするため
には、大型の真空ポンプを必要とし、電力コスト高とな
るし、蒸発缶内の液温度が下がるので未反応モノマーの
回収効率が低下する。一方、蒸発缶内の圧力を130t
orrより大きくすると、蒸発缶内の液温度が上がる
が、蒸発缶に供給される重合体ラテックスの温度をその
圧力での飽和水蒸気温度より10〜30℃上の一層高い
温度にすることになるので、重合体ラテックスの供給ラ
インでラテックスが一部破壊されてクリーム状となり、
重合体が析出してラインを閉塞したり、蒸発缶内壁にス
ケールが付着し易くなるので好ましくない。
【0013】本発明において、第1の蒸発缶で処理され
た重合体ラテックスは続いて第2の蒸発缶に送られる。
第2の蒸発缶の圧力は、第1の蒸発缶の圧力より高い、
100〜240torrに、好ましくは130〜180
torrに設定する。仮に、第2の蒸発缶の圧力を、第
1の蒸発缶と同様の80〜130torrに設定すれ
ば、運転上の問題はなく、段数増加による効果によって
樹脂中の残留モノマー濃度はそれなりの低い残留モノマ
ー濃度、樹脂当たり0.05〜0.07重量%まで低減
することが期待できる。しかし、第2の蒸発缶に供給さ
れるラテックス中の残留モノマー濃度は、第1の蒸発缶
に供給されるラテックスより低いため、第2の蒸発缶の
圧力を100torr以上に採って運転ができるのであ
る。すなわち、その圧力での飽和水蒸気温度より10〜
30℃高い温度としても、重合体ラテックスの供給ライ
ンにおいて、ラテックスが一部破壊されてクリーム状と
なることなく、したがって重合体が析出し易いこともな
いので、ラインの閉塞や缶壁のスケール発生が起きにく
いのである。噴霧ラテックスの温度を高くすることによ
りモノマーが揮散し易くなるので、樹脂中の残留モノマ
ー濃度は0.04重量%以下まで低減することが可能で
ある。
【0014】塩化ビニル重合体ラテックスの加熱方法と
しては、スチームエジェクターによる方法と熱交換器に
よる方法があり得る。前者は、未反応モノマーの回収に
は有効であるが、塩化ビニル重合体ラテックスの濃縮に
は効果がない。そして、後者は、重合体ラテックスの濃
縮には有効であるが、重合体が熱交換器に付着して伝熱
係数が悪化しやすく、極端な場合は詰まりを生ずる等の
メインテナンス上に問題が出やすい。
【0015】本発明において、第1の蒸発缶に向かう塩
化ビニル重合体ラテックスの加熱方法としては、機械的
安定性の高い重合体ラテックスの場合は熱交換器、機械
的安定性の低い重合体ラテックスの場合はスチームエジ
ェクターとすることが好ましい。その理由は次による。
すなわち、重合反応終了後にブローダウンタンクへ移送
される塩化ビニル重合体ラテックス中の未反応モノマー
(VCM)濃度は、通常、2.0〜5.0重量%(重合
体あたり。以下同様。)あり、第1の蒸発缶に向かうラ
テックスを加熱する熱交換器へ供給する塩化ビニル重合
体ラテックス中のVCM濃度を熱交換器内でクリーム化
を起こさない程度に十分に低く、好ましくは1.0重量
%以下とするためには、第1の蒸発缶に向かう塩化ビニ
ル重合体ラテックスの加熱方法として熱交換器を用いる
場合は、第1の蒸発缶に供給するラテックス流量を例え
ば22m3 /時間とすると、その内の新規なラテックス
導入量はラテックスの機械的安定性が高い場合は6m3
/時間近辺で良いが、機械的安定性が低い場合は2.5
〜3.0m3 /時間で、他は第1の蒸発缶の下部から流
出するラテックスの内、第2の蒸発缶に供す流れから分
岐してリサイクルさせたラテックスとする必要がある。
この場合、新規ラテックス導入量を3.0m3 /時間を
越えて運転すれば、未反応モノマーの気化に伴い、熱交
換器の中で塩化ビニル重合体ラテックスの機械的安定性
が損なわれてクリーム化し、熱交換器に重合体が付着し
て伝熱係数を悪化する問題が発生しやすい。一方、第1
の蒸発缶に向かう塩化ビニル重合体ラテックスの加熱方
法としてスチームエジェクターを使用すれば、ラテック
ス線速度が1.2m/秒程度と高いのでライン中での重
合体の付着が起こり難く、機械的安定性の低いラテック
スでも新規ラテックス導入量を6m3 /時間程度に上げ
ることが可能となるのである。
【0016】次に、本発明方法においては、第2の蒸発
缶に向かう塩化ビニル重合体ラテックスの加熱方法とし
て必ず熱交換器を使用する方法を採る。その理由は、第
2の蒸発缶に供給される塩化ビニル重合体ラテックス中
のVCM濃度は、第1の蒸発缶で処理されて十分に低く
なっているので、熱交換器内でクリーム化を起こさずに
加熱でき、ラテックスを濃縮できる熱交換器の利点を発
揮できるからである。本発明において、第2の蒸発缶で
処理後の塩化ビニル重合体ラテックスは、全量を次工程
のスプレー乾燥に送る代わりに、一部をリサイクルし
て、第1の蒸発缶の下部から出て第2の蒸発缶での粉霧
に向かうラテックスに合流させることが、重合体に残留
する未反応モノマーをより徹底して低減する上で好まし
い。
【0017】本発明においては、熱交換器への塩化ビニ
ル重合体ラテックスの導入速度は、0.3〜1.0m/
秒、好ましくは0.4〜0.6m/秒である。ラテック
ス導入速度が0.3m/秒より小さいと、塩化ビニル重
合体が熱交換器に付着しやすく、引いては閉塞する虞が
あり、逆に1.0m/秒より大きいと、熱交換器の出入
口の差圧が2kg/cm2 以上に大きくなり、過大なポ
ンプを要する不経済を抱えることになる。本発明におい
ては、熱交換器での塩化ビニル重合体ラテックスの加熱
を温水で行う。この加熱用温水の温度は50〜80℃で
ある。それは、熱交換の面における境膜の温度が80℃
以下になし得るので熱交換面に塩化ビニル重合体が融着
して汚れることが起こりにくいからである。また、この
範囲の温度であれば塩化ビニル重合体ラテックスをその
機械的または熱的安定性に応じて、飽和水蒸気温度+1
0〜30℃の範囲内で任意の温度に設定することが容易
なためである。加熱用温水の温度が50℃より低いと、
重合体ラテックスを所定温度に加熱しきれない可能性が
あり、逆に80℃より高いと、熱交換器に重合体が融着
しやすくなって伝熱が悪化し、ひいては閉塞を起こす虞
がある。本発明において、熱交換器を定常運転する上
で、塩化ビニル重合体ラテックスの出口圧力を0.1〜
2.0kg/cm2 (ゲージ圧)にすることが肝要であ
る。ラテックス出口圧力が0.1kg/cm2 (ゲージ
圧)より小さいと、塩化ビニル重合体が熱交換器に付着
しやすく、引いては閉塞する虞があり、逆に2.0kg
/cm2 (ゲージ圧)より大きいと、移送ポンプが過大
で不経済となる虞がある。熱交換器に導入される塩化ビ
ニル重合体ラテックスの未反応モノマー濃度は、重合体
に対して1.0重量%以下であることが好ましい。1.
0重量%より大きいと熱交換器内に塩化ビニル重合体が
付着しやすい傾向が見られるからである。
【0018】熱交換器を塩化ビニル重合体ラテックスの
加熱手段に用いる場合に特に重要なことは、重合体を熱
交換器の内側に付着、焼付けさせないことである。重合
体を付着、焼付けさせてしまうと熱交換の伝熱係数が低
下するばかりでなく、極端な場合はラテックスの流路が
閉塞しクリーニングをする必要がある。塩化ビニル重合
体が熱交換器に最も付着しやすいのは、ラテックスの流
れが止まる場合であり、本発明においては塩化ビニル重
合体を付着させないために加熱用温水側、塩化ビニル重
合体ラテックス側の双方の流路に2〜30℃の水を流す
方法を採る。即ち、未反応モノマーの回収を停止すると
きは、加熱用温水の供給を止めて水を流し、または加熱
用水の加熱手段としてスチームを使用している場合はス
チームを止め、一方、塩化ビニル重合体ラテックスの供
給を止めて水を流す。
【0019】本発明により、界面活性剤を含んで発泡性
に富み、しかも、熱や未反応モノマーの揮発による衝撃
でクリーム化しやすい塩化ビニル重合体ラテックスであ
っても、未反応モノマーを十分回収できると同時に、ラ
テックスを濃縮することができる。すなわち、塩化ビニ
ル重合体ラテックス中の未反応モノマー濃度を2.0〜
5.0重量%から0.03〜0.06重量%に低減する
ことができる。また、塩化ビニル重合体ラテックスの加
熱に少なくとも第2の蒸発缶において熱交換器を用いる
ことにより、ラテックスの固形分濃度を例えば45重量
%から51〜58重量%に濃縮することが可能となる。
未反応モノマー回収の工程を経た塩化ビニル重合体ラテ
ックスは、乾燥工程に送られて乾燥され、重合体の粉末
にされる。乾燥方式はスプレー乾燥であれば、重合体ラ
テックスをスプレーする方式は回転円盤型、一流体ノズ
ル型、二流体ノズル型または加圧ノズル型のいずれでも
使用できる。スプレー乾燥機に導入される乾燥用の熱風
の温度条件は、限定されない。一般的には入口温度は1
00〜200℃、出口温度50〜60℃が好ましい。本
発明の未反応モノマー回収操作方法を経た塩化ビニル重
合体ラテックスを上記のスプレー乾燥にかけることによ
り得られる塩化ビニル重合体粉末は、未反応モノマーの
濃度が一層低減して、重合体あたり0.0003〜0.
0007重量%になり得る。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る塩化ビニル重合体ラテッ
クスの未反応モノマー回収並びに重合体ラテックスの濃
縮の方法を、図1に示す実施態様および実施例に基づき
説明する。重合体ラテックス中の未反応塩化ビニルモノ
マー濃度の測定は次によった。熱伝導度型検出器ガスク
ロマトグラフィーを用い、イソプロピルアルコールを内
部標準物質とする。カラム条件は、充填剤10%PEG
−20MクロモソルブP(A・W)30〜60メッシ
ュ、径4mm、長さ2m、温度120℃、注入温度13
0℃。キャリアーはヘリウム60ml/分。50ml三
角フラスコに重合体濃度c%の塩化ビニルラテックス約
40ml採り、その重量Wgrを知る。次に、この三角
フラスコを氷水で冷却した後、イソプロピルアルコール
1.0mlを三角フラスコに追加し、静かに振り混ぜて
から注射筒で0.025mlを採取し、速やかにガスク
ロマトグラフィーにかける。ラテックス中の塩化ビニル
モノマー濃度x%を次式で求める。
【0021】
【数1】
【0022】 注 F :イソプロピルアルコールを1.00と
した時の塩化ビニルモノマーのファクター、1.010 A :ガスクロマトグラムの塩化ビニルモノマー
のピークの面積 AS :ガスクロマトグラムのイソプロピルアルコ
ールのピークの面積 0.786:イソプロピルアルコール1.0mlの重量
(gr)
【0023】図1は本発明の一実施態様に係る塩化ビニ
ル重合体ラテックスの未反応モノマー回収並びに重合体
ラテックスの濃縮の装置の全体構成図である。図1に示
す装置は、微細懸濁重合などの方法により塩化ビニル重
合体ラテックスを生成する重合缶から、ラテックス供給
ライン4を通じて、塩化ビニル重合体ラテックスが送ら
れるブローダウンタンク2を有し、その後に、第1およ
び第2の蒸発缶36、136を設置した二段蒸発缶プロ
セスである。ブローダウンタンク2の内圧は、たとえば
絶対圧で836〜1,064torrに設定される。こ
のブローダウンタンク2には、塩化ビニル重合体ラテッ
クスが一時的に貯留され、第1回収ライン14により吸
引された気体からは、コーン状の複数の回転ディスクを
用いた消泡器8を有するセパレータ6により、ミストが
凝縮して生成するラテックスと未反応モノマーとが分離
されて、回収が容易な未反応モノマー部分が予備的に回
収される。第1回収ライン14には、制御弁12が装着
してあり、タンク2内の圧力を圧力計10が検知して、
タンク2内の圧力が一定となるように、回収ライン14
の流量を制御する。タンク2では、実質的に発泡問題を
起こさないように未反応モノマーの自己圧力で揮発する
分を回収することが好ましい。
【0024】ブローダウンタンク2の底部には、第1ラ
テックス供給ライン16が接続してある。その供給ライ
ン16には、ポンプ18、流量制御弁22および流量計
20が装着してあり、予備的に未反応モノマーが一部除
去された塩化ビニル重合体ラテックスは、供給ライン1
6を通して、一定流量で、合流配管部24まで搬送され
る。合流配管部24では、第1ラテックス供給ライン1
6と、還流ライン32とから送られてくる塩化ビニル重
合体ラテックスが合流されて、第2ラテックス供給ライ
ン26につながる。第2ラテックス供給ライン26に
は、プレート式の熱交換器78が設置してある。熱交換
器78の加熱手段として温水が用いられる。この熱交換
器により塩化ビニル重合体ラテックスを加熱する場合
は、熱交換器を加熱する温水の温度は、塩化ビニル重合
体ラテックスの安定度により、第1の蒸発缶の圧力にお
ける飽和水蒸気温度よりも10〜30℃高い温度まで任
意に設定される。そのような温度範囲に塩化ビニル重合
体ラテックスの温度を制御するために、熱交換器78か
ら流量計28に向かう第2ラテックス供給ライン26の
温度は、温度計測計76により計測され、それに基づ
き、蒸気ライン77の制御弁75の開度を調節するよう
になっている。
【0025】熱交換器78の加熱手段としては、温水タ
ンク3よりポンプ82より温水流量計80、エジェクタ
79を経て、図示しない温度測定器で温度50〜80℃
であることが確認された温水が、プレート式の熱交換器
78へ供給された後、温水タンク3へリサイクルされ
る。プレート式の熱交換器78を経た塩化ビニル重合体
ラテックスは、流量計28および流量制御弁30により
ライン26での流量を一定に制御される。制御弁30の
後流側に位置する第2ラテックス供給ライン26には、
スチームエジェクター38が装着してある。エジェクタ
ー38では、必要に応じて蒸気(スチーム)供給ライン
39からスチームが塩化ビニル重合体ラテックス中に吸
引されて、塩化ビニル重合体ラテックスを直接加熱でき
るようになっている。塩化ビニル重合体ラテックスをス
チームエジェクターで加熱する場合は、第1の蒸発缶の
圧力における飽和水蒸気温度よりも10〜30℃高い温
度範囲に制御するために、温度計測計42により温度が
計測されて蒸気ライン39の制御弁40の開度を調節す
るようになっている。塩化ビニル重合体ラテックスの機
械的安定性が著しく高い場合は、制御弁40を「しめ」
て蒸気39を利用せずに、塩化ビニル重合体ラテックス
の温度を熱交換器78のみで飽和水蒸気温度よりも10
〜30℃高い温度にする方法を採ってもよい。
【0026】蒸発缶36および136には、その上部略
中央に、各々ノズル46、146が設置してある。ノズ
ル46、146は、特に限定されないが、たとえばラテ
ックス流量22m3 /時間で1.22m/秒の流速が出
るように内径80mm、長さ300mmの短管などで構
成することができる。蒸発缶36および136の底部に
は、ノズル46、146から噴射された塩化ビニル重合
体ラテックス35、135が貯留可能になっている。噴
射された塩化ビニル重合体ラテックスは未反応モノマー
および媒体である水の気化により直ちに温度降下し、噴
霧前より15〜25℃低い温度で貯留されるので、高温
に曝される時間が短かく、塩化ビニル重合体は熱変色を
起こしにくい。第1の蒸発缶36の底部には、ドレイン
ライン62が接続してある。ドレインライン62は、還
流ライン32と第3ラテックス供給ライン70とが接続
してある。これらライン32、70には、それぞれポン
プ34、64が装着してある。還流ライン32は、第1
の蒸発缶36内に貯留してある塩化ビニル重合体ラテッ
クス35の一部を、第2ラテックス供給ライン26へ送
るためのものである。第3ラテックス供給ライン70
は、第1の蒸発缶36により未反応モノマーが回収され
た塩化ビニル重合体ラテックス35を、第2の蒸発缶に
送るためのラインである。このライン70には、流量制
御弁68が装着してあり、液面計66で検知される第1
の蒸発缶36内の塩化ビニル重合体ラテックス35の液
面を一定に保持されるように開度が制御される。
【0027】第3ラテックス供給ライン126には、第
2ラテックス供給ライン26と同様にプレート式の熱交
換器178およびエジェクタ138が装着してある。プ
レート式の熱交換器178では、蒸気供給ライン177
からスチームが吸引されて温水中に混入し、温水で塩化
ビニル重合体ラテックスを間接加熱するようになってい
る。次いで、エジェクター138では、必要に応じて蒸
気供給ライン139からスチームが吸引されて塩化ビニ
ル重合体ラテックス中に混入し、塩化ビニル重合体ラテ
ックスを直接加熱できるようになっている。塩化ビニル
重合体ラテックスを所定温度、すなわち第2の蒸発缶の
圧力における飽和水蒸気温度+10〜30℃に温度制御
するためには、まずプレート式の熱交換器を用いる場合
は、プレート式の熱交換器178から流量計128に向
かう塩化ビニル重合体ラテックスの温度を、温度計測計
176により計測し、その検知温度に基づき、蒸気ライ
ン177の制御弁175の開度を調節するようになって
いる。スチームエジェクターを用いて塩化ビニル重合体
ラテックスを加熱する場合は、エジェクター138から
ノズル146に向かう塩化ビニル重合体ラテックスの温
度を、温度計測計142により計測し、その検知温度に
基づき、蒸気ライン139の制御弁140の開度を調節
するようになっている。
【0028】第2の蒸発缶136の底部には、ドレイン
ライン162が接続してある。ドレインライン162
は、還流ライン132と第4ラテックス供給ライン17
0とが接続してある。これらライン132、170に
は、それぞれポンプ134、164が装着してある。還
流ライン132は、第2の蒸発缶136内に貯留してあ
る塩化ビニル重合体ラテックス135の一部を第3ラテ
ックス供給ライン126へ送るためのものである。第4
ラテックス供給ライン170は、第2の蒸発缶136に
より未反応モノマーが回収された塩化ビニル重合体ラテ
ックス135を、次の工程(たとえば乾燥工程)に送る
ためのラインである。このライン170には、制御弁1
68が装着してあり、第2の蒸発缶136内の塩化ビニ
ル重合体ラテックス135の液面を液面計166で検知
し、その液面が一定に保持されるように、制御弁168
の開度が制御される。
【0029】第1の蒸発缶36および第2の蒸発缶13
6の上部には、第2、第3回収ライン50、150を通
して、セパレータ48が接続してある。セパレータ48
では第1、第2の蒸発缶36、136内で蒸発した未反
応モノマーおよび水蒸気と、塩化ビニル重合体ラテック
スミストとを分離し、塩化ビニル重合体ラテックスミス
トを液状にして第1の蒸発缶36へ戻す。このセパレー
タ48には、第4回収ライン54が接続してある。第4
回収ライン54には、水封式コンプレッサ60が接続し
てある。また、コンプレッサ60には、並列に、戻りラ
イン61が配置してあり、戻りライン61に制御弁58
が設けられ、圧力計56で計測される第1の蒸発缶36
の圧力が一定になるように制御される。また、第2の蒸
発缶の圧力は、制御弁158で制御される。
【0030】次に、塩化ビニル重合体ラテックスからの
未反応モノマーの回収を停止する時は、例えば第1の蒸
発缶および第2の蒸発缶の双方で塩化ビニル重合体ラテ
ックスの加熱に熱交換器を使用していた場合は、蒸気制
御弁75または/および175を「しめ」、温水ライン
の遮断弁74または/および174を「しめ」、冷却水
の遮断弁73または/および173を「あけ」ることに
より、プレート式の熱交換器78または/および178
を冷却する。同時に、遮断弁71または/および171
を「しめ」、ラテックス側洗浄水の遮断弁72または/
および172を「あけ」ることにより、プレート式の熱
交換器78または/および178内の塩化ビニル重合体
ラテックスを排出する。停止に際しての以上の操作は停
止釦を押すことによって自動的に工程進行するようにプ
ログラム化され、プレート式の熱交換器78または/お
よび178の詰まり防止ができるようになっている。
【0031】次に、本発明を実施例に基づき説明する
が、本発明は、これら実施例に限定されない。詳細な条
件および状況を表1および表2に示す。 実施例1 重合缶で微細懸濁重合させた塩化ビニル重合体ラテック
スを、図1に示すブローダウンタンク2へ移送し、タン
ク2内の圧力を0.3kg/cm2 (ゲージ圧)に設定
し、ここで、塩化ビニルモノマーを未反応モノマー回収
ライン14より予備的に回収した。この時の塩化ビニル
重合体ラテックスの組成は、平均粒径1.0μmの塩化
ビニル樹脂が46.5重量%、アニオン性界面活性剤が
0.34重量%、水分が51.5重量%、未反応塩化ビ
ニルモノマーが1.2重量%であった。すなわち、塩化
ビニル樹脂に対するVCMの濃度は、2.5重量%であ
った。未反応モノマー回収操作に先立ち、先ず第1の蒸
発缶36および第2の蒸発缶136(共に内径2,40
0mm、高さ3,400mm)に各々水1.0m3 をは
りこみ、供給ライン26および126での水の流量を2
2m3 /時間に制御した。蒸気の弁40および140は
「しめ」とした。プレート式の熱交換器78では、供給
ライン26を通る水の温度を温水により、第1の蒸発缶
の設定圧110torrにおける飽和水蒸気温度(5
3.5℃)+16.5℃である70℃に設定し、プレー
ト式の熱交換器178では、供給ライン126を通る水
の温度を温水により、第2の蒸発缶の設定圧150to
rrにおける飽和水蒸気温度(60.1℃)+14.9
℃である75℃に設定して暖気運転した。その後、塩化
ビニル重合体ラテックスを、供給ライン16を通して、
6.0m3 /時間の流速で、還流ライン32からの水と
合流させ、供給ライン26へ移送した。エジェクター3
8からノズル46へ至る配管およびエジェクター138
からノズル146へ至る配管は共に内径80mm、長さ
6,000mmであり、水の導入速度(線速度)は、
1.22m/秒であった。
【0032】この時、蒸発缶36および136の覗き孔
から、共に内径80mm、長さ300mmのノズル46
および146から噴射される塩化ビニル重合体ラテック
スを観察したところ、円錐状の噴霧液滴となって、蒸発
缶36および136内に貯留された塩化ビニル重合体ラ
テックスの液面の全面に噴射されているのが確認され
た。また、プレート式の熱交換器78および178を通
過する塩化ビニ重合体ラテックスの線速度を0.47m
/秒とし、加熱用温水温度は各々72.9℃および7
7.8℃となった。更に、熱交換器出口圧力をオリフィ
ス90および190で0.3kg/cm2 (ゲージ圧)
に調節した。プレート式の熱交換器78および178を
通る重合体ラテックスにける残留VCM濃度は塩化ビニ
ル樹脂あたりそれぞれ0.71および0.07重量%で
あった。塩化ビニル重合体ラテックス35および135
の液面からは、発泡の立上がりは観察されなかった。ま
た、プレート式の熱交換器78および178の温水温度
は、それぞれ、72.9℃および77.8℃が保持さ
れ、重合体が付着していないことを示していた。総括伝
熱係数は1,248Kcal/時間・m2 ・℃が維持さ
れた。蒸発缶36および136内で蒸発したVCM、水
蒸気および塩化ビニル重合体ラテックスのミスト(霧)
を含んだガスを、セパレータ48で分離し、塩化ビニル
重合体ラテックスを蒸発缶36内に戻した。VCMと水
蒸気は、コンデンサー52へ送られ、水蒸気は凝縮分離
し、VCMはコンプレッサー60により後工程の回収V
CM精製工程に移送した。
【0033】この操作において、蒸発缶36および13
6内の塩化ビニル重合体ラテックス35および135の
液面の水位を、全体高さの25%に制御し、定常運転と
なったところで、抜き出しライン70および170中の
塩化ビニル重合体ラテックスのサンプルを採取して塩化
ビニル樹脂濃度を測定したところ、表1に示すように、
処理前の46.5重量%に対して、抜き出しライン70
で51.5重量%、抜き出しライン170で56.1重
量%まで濃縮できたことが確認された。また、塩化ビニ
ル樹脂に対する塩化ビニルモノマーの濃度を分析したと
ころ、抜き出しライン70で0.18重量%、抜き出し
ライン170で0.04重量%まで低減できたことが確
認された。
【0034】さて、塩化ビニル樹脂の重合は回分重合の
ため、ブローダウンタンク2の塩化ビニル重合体ラテッ
クスがなくなって未反応モノマー回収の運転を停止する
ことが、1〜2回/日の頻度で発生する。本実施例1で
は、運転停止時に、蒸気制御弁75および175を「し
め」、温水遮断弁74および174を「しめ」、冷却水
遮断弁73および173を「あけ」てプレート式の熱交
換器78および178を冷却し、同時に、遮断弁71お
よび171を「しめ」てプレート式の熱交換器78およ
び178へのラテックスの供給を止め、次いで洗浄水遮
断弁弁72および172を「あけ」て洗浄水を流して熱
交換器内に残留する塩化ビニル重合体ラテックスを排出
した。上記の操作を、1回あたりのラテックス処理量6
0m3 、1日あたり2回の頻度で230日行った。プレ
ート式の熱交換器78に関しては、総括伝熱係数が10
0日間経過しても、1,248から1,065Kcal
/時間・m2 ・℃とほとんど低下せず、重合体の付着に
よる詰まりは180日以上起きなかった。また、プレー
ト式の熱交換器178に関しては、200日間経過して
も、総括伝熱係数が1,249から1,165Kcal
/時間・m2 ・℃とほとんど低下せず、重合体の付着に
よる詰まりは200日以上起こらなかった。一方、スプ
レー乾燥機の処理レートは、2.6m3 /時間、すなわ
ち、乾燥樹脂レートは1,730Kg/時間、乾燥のス
チーム原単位は1.52(t−スチーム/t−樹脂)で
あった。
【0035】
【表1】
【0036】注 *1:一回の運転および停止で詰まる。 *2:数時間の運転で熱交換器内が重合体の付着で汚れ
る。 比較例1 前記実施例1で用いたものと同様な塩化ビニル重合体ラ
テックスおよび同様な装置(図1)を用いて、下記に示
す操作方法により未反応モノマーの回収を行なった。重
合缶で微細懸濁重合させた塩化ビニル重合体ラテックス
を、ブローダウンタンク2へ移送し、タンク2内の圧力
を0.3kg/cm2 (ゲージ圧)に設定し、塩化ビニ
ルモノマーを予備的に回収した。この時の塩化ビニル重
合体ラテックスの組成は、平均粒径1.0μmの塩化ビ
ニル樹脂が46.5重量%、アニオン性界面活性剤が
0.34重量%、水分が51.5重量%、未反応塩化ビ
ニルモノマーが1.2重量%であった。すなわち、塩化
ビニル樹脂に対するVCMの濃度は、2.5重量%であ
った。
【0037】実施例1と同様にして未反応モノマーを回
収した。ただし、未反応モノマー回収操作の停止時に、
プレート式の熱交換器78および178に残留する塩化
ビニル重合体ラテックスを排出させる洗浄水を流さず、
かつ、温水側も冷却水を流さなかった。定常運転に入っ
た時塩化ビニル樹脂に対するVCMの濃度を調べたとこ
ろ、抜き出しライン70では0.18重量%、抜き出し
ライン170では0.04重量%と、実施例1と同等で
あった。プレート式の熱交換器78の状況を調べたとこ
ろ、1回の停止で次の再スタート時には、蒸発缶供給ラ
イン26のラテックス流量が22から15m3 /時間に
低下するほど詰まりが生じており、また、総括伝熱係数
が1,248から435Kcal/時間・m2 ・℃まで
低下した。また、プレート式の熱交換器178の状況を
調べたところ、3日間で同様に、総括伝熱係数が1,2
49から575Kcal/時間・m2 ・℃まで低下し
た。実施例1との対比で、運転停止時に熱交換器を通水
して重合体ラテックスを除去することが、熱交換器を正
常に維持する上で極めて重要であることが判る。
【0038】比較例2 プレート式の熱交換器78および178の塩化ビニル重
合体ラテックス線速度を、プレート編成を変更すること
によって0.47より0.23m/秒と下げた。その他
は、実施例1と同様にして、み反応モノマーの回収操作
を行なった。定常運転に入ったとき塩化ビニル樹脂に対
するVCMの濃度を調べたところ、塩化ビニル樹脂に対
し、抜き出しライン70では0.18重量%、抜き出し
ライン170では0.04重量%と、実施例1と同等で
あった。プレート式の熱交換器78の状況に関しては、
数時間の運転で蒸発缶供給ラテックス流量が22から1
5m3 /時間まで低下し、総括伝熱係数が1,248か
ら620Kcal/時間・m2 ・℃まで低下した。ま
た、プレート式の熱交換器178に関しては、1日で同
様に、総括伝熱係数が1,249から550Kcal/
時間・m2 ・℃まで低下した。熱交換器へ重合体ラテッ
クスを導入する線速度が0.3m/秒より小さいと、熱
交換器が極めて短時間に汚れてくることを示している。
【0039】比較例3 プレート式の熱交換器78および178の加熱用温水の
流量を下げることによって、温水温度は83.0および
83.9℃となった。その他は、実施例1と同様にし
て、未反応モノマーの回収操作を行なった。定常運転に
入ったとき塩化ビニル樹脂に対するVCMの濃度を調べ
たところ、抜き出しライン70では0.18重量%、抜
き出しライン170では0.04重量%と、実施例1と
同等であった。プレート式の熱交換器78の状況は、1
0日間の運転で、蒸発缶供給ラテックス流量が22から
15m3 /時間まで低下し、総括伝熱係数が650から
360Kcal/時間・m2 ・℃まで低下した。また、
プレート式の熱交換器178に関しては、10日間の運
転で、総括伝熱係数が769から380Kcal/時間
・m2 ・℃まで低下した。熱交換器加熱用温水温度が8
0℃を越えると、熱交換器内に重合体が付着しやすいこ
とが判る。
【0040】比較例4 プレート式の熱交換器78および178の塩化ビニル重
合体ラテックスの出口に挿入してあるオリフィス90お
よび190を撤去することによって、出口圧力が0.3
より−0.12kg/cm2 (ゲージ圧)とした他は、
実施例1と同様にして、未反応モノマーの回収操作を行
なった。定常運転に入ったとき塩化ビニル樹脂に対する
VCMの濃度を調べたところ、抜き出しライン70では
0.18重量%、抜き出しライン170では0.04重
量%と、実施例1と同等であった。プレート式の熱交換
器78の状況は、10日間の運転で、蒸発缶供給ラテッ
クス流量が22から15m3 /時間まで低下し、総括伝
熱係数が1,248から760Kcal/時間・m2
℃まで低下した。また、プレート式の熱交換器178の
状況は、10日間の運転で、総括伝熱係数が1,249
から735Kcal/時間・m2 ・℃まで低下した。重
合体ラテックスの熱交換器出口での圧力が規定より小さ
いと、熱交換器に重合体が付着しやすいことを示してい
る。
【0041】
【表2】
【0042】参考例1 重合缶で微細懸濁重合して得た塩化ビニル重合体ラテッ
クスを、ブローダウンタンク2へ移送し、タンク2内の
圧力を1.0kg/cm2 (ゲージ圧)とし、予備的に
回収する塩化ビニルモノマーを量を実施例1より少なく
した。ブローダウンタンク2の出口での塩化ビニル重合
体ラテックスの残留VCM濃度は、塩化ビニル樹脂に対
し4.9重量%と高くなり、プレート式の熱交換器78
および178に供給される塩化ビニル重合体ラテックス
の残留VCM濃度は塩化ビニル樹脂あたりそれぞれ1.
31重量%および0.07重量%であった。その他は、
実施例1と同様にして未反欧モノマーの回収操作を行な
った。定常運転に入ったとき塩化ビニル樹脂に対するV
CMの濃度を調べたところ、抜き出しライン70では
0.18重量%、抜き出しライン170では0.04重
量%であった。プレート式の熱交換器78の状況は、1
00日間の運転で、蒸発缶供給ラテックス流量が22か
ら15m3 /時間まで低下し、総括伝熱係数が1,24
8から635Kcal/時間・m2 ・℃まで低下した。
また、プレート式の熱交換器178の状況は、総括伝熱
係数は200日間経過しても、1,254から1,12
5Kcal/時間・m2 ・℃とほとんど低下しなかっ
た。熱交換器78に供する塩化ビニル重合体ラテックス
の未反応モノマー濃度が1.0重量%より大きいと、実
施例1に対比して未反応モノマーの回収の効率は殆ど差
がないが、熱交換器78の重合体付着がやや多くなり、
そのためクリーニングの頻度を実施例1の180日毎に
対し、やや多く100日にする必要がある。
【0043】比較例5 プレート式の熱交換器78および178を使用せずに、
エジェクター38および138を使用した他は、実施例
1と同様にして、未反応モノマーの回収操作を行なっ
た。定常運転に入ったとき塩化ビニル樹脂に対するVC
Mの濃度を測定したところ、抜き出しライン70では
0.18重量%、抜き出しライン170では0.04重
量%で実施例1と同等であった。また、塩化ビニル重合
体ラテックスの樹脂濃度を測定したところ、処理前の4
6.5重量%に対して、抜き出しライン70で47.0
重量%、抜き出しライン170で47.3重量%で、濃
縮されていないことが確認された。一方、スプレー乾燥
機のラテックス処理レートは、2.2m3 /時間、すな
わち、乾燥樹脂レートは、1,180Kg/時間、乾燥
のスチーム原単位は2.16(t−スチーム/t−樹
脂)であった。
【0044】
【発明の効果】本発明の操作方法によれば、塩化ビニル
重合体ラテックス中の未反応モノマーを回収して塩化ビ
ニル樹脂に残留する未反応モノマーを十分低減できるば
かりでなく、塩化ビニル重合体ラテックスを濃縮するこ
ともできる。これにより、スプレー乾燥機の乾燥能力向
上およびスチーム原単位向上を図ることができる。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様に係る塩化ビニル重
合体ラテックスから未反応モノマーを回収すると同時に
塩化ビニル重合体ラテックスを濃縮する装置の全体構成
図である。
【符号の説明】
14 第1回収ライン 16 第1ラテックス供給ライン 26 第2ラテックス供給ライン 32 第1還流ライン 35 塩化ビニル重合体ラテックス 36 第1の蒸発缶 38 第1エジェクター 46 ノズル 50 第2回収ライン 72 第1の蒸発缶の熱交換器内のラテックス洗浄水
の遮断弁 73 第1の蒸発缶の熱交換器の冷却水の遮断弁 78 第1の蒸発缶の熱交換器 126 第2ラテックス供給ライン 132 第2還流ライン 135 塩化ビニル重合体ラテックス 136 第2の蒸発缶 138 第2エジェクター 146 ノズル 150 第3回収ライン 172 第2の蒸発缶の熱交換器内のラテックス洗浄
水の遮断弁 173 第2の蒸発缶の熱交換器の冷却水の遮断弁 178 第2の蒸発缶の熱交換器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)圧力50〜130torrの第1
    の蒸発缶内に、飽和水蒸気温度より10〜30℃高い温
    度に加熱した未反応モノマー含有塩化ビニル重合体ラテ
    ックスを、蒸発缶上部より噴霧して未反応モノマーを回
    収し、(ロ)次いで、圧力100〜240torrでか
    つ第1の蒸発缶より高い圧力の第2の蒸発缶内に、飽和
    水蒸気温度より10〜30℃高い温度に熱交換器で加熱
    した第1の蒸発缶処理後の塩化ビニル重合体ラテックス
    を、蒸発缶上部より粉霧して更に未反応モノマーを回収
    し、(ハ)前記熱交換器の運転条件として、塩化ビニル
    重合体ラテックスの線速度を0.3〜1.0m/秒、加
    熱用温水温度を50〜80℃、熱交換器の塩化ビニル重
    合体ラテックス出口圧力を0.1〜2.0kg/cm2
    (ゲージ圧)とし、(ニ)未反応モノマーの回収を停止
    する時は、前記熱交換器の加熱用温水側及び塩化ビニル
    重合体ラテックス側の双方に水を流して、操作すること
    を特徴とする塩化ビニル重合体ラテックスからの未反応
    モノマー回収操作方法。
  2. 【請求項2】 第1の蒸発缶での噴霧前に熱交換器に供
    する塩化ビニル重合体ラテックスの未反応モノマー濃度
    が、重合体に対し1.0重量%以下であることを特徴と
    する請求項1記載の塩化ビニル重合体ラテックスからの
    未反応モノマー回収操作方法。
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