JP3724012B2 - 残留モノマー除去装置およびそれを用いる残留モノマー除去方法 - Google Patents

残留モノマー除去装置およびそれを用いる残留モノマー除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと略称する。)を製造する際に、PVCと水性媒体の混合物(以下、PVCスラリーと略称する。)に含まれる塩化ビニルモノマー(以下、VCと略称する。)を主体とする未反応の残留モノマーを除去する残留モノマー除去処理装置、およびそれを用いる残留モノマー除去処理方法に関する。
【0002】
詳しくは、本発明は、本発明の残留モノマー除去処理装置1基で、PVCの性質や性状やモノマ−の抜け易さが大きくことなる様々なPVCスラリーに対して、一様に高い処理効率と高いレジン品質とを同時に実現可能ならしめる幅広い対応能力をもつ残留モノマー除去処理装置であって、しかも高度な運転性能を有する残留モノマー除去処理装置およびそれを用いる残留モノマー除去処理方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
PVCは、化学的にも物理的にも優れた特性を備えた樹脂であることにより幅広い分野に使用されている。一般に、PVCは、懸濁重合法、乳化重合法および塊状重合法等によって製造されるが、反応熱を除去しやすく、不純物の少ない製品を得ることができ、さらに重合後のPVCが粒子状であるため造粒工程が不要であるという利点から、特に懸濁重合法や乳化重合法が広く用いられている。
懸濁重合法や乳化重合法は、通常、攪拌機付き重合器内に、VC、水性媒体、分散剤、重合開始剤等を仕込み、所定温度に保ちながらVCを重合することによって行われる。重合反応は、普通、VCの100%が転化してPVCとなるまで実施されることはなく、製造効率の良い段階、すなわち重合転化率80〜95%の段階で重合を停止させる。従って、重合反応終了後のPVCスラリーには、多量の未反応の残留モノマーを含有している。
【0004】
このような残留モノマーは人体にも有害なので、PVC粒子に混入したり、排水や大気に混入したりすることは避けなければならず、従って残留モノマーは、PVCスラリーからできる限り除去回収されなくてはならない。
従来の残留モノマーの除去方法は、重合反応によって得られたPVCスラリーから水性媒体を機械的に分離したのち、PVC中に若干残っている水性媒体と残留モノマーを熱風乾燥等により除去し、最終製品として粉末PVCを得るものであった。
【0005】
しかし、このような方法では、排水中の残留モノマーは有効に除去されないばかりか、乾燥機から排出される排気中には残留モノマーが混入し、最終製品である粉末PVCについて十分に残留モノマーが除去できていない場合があり、安全衛生と環境保全の見地から十分に満足できるものではなかった。
【0006】
そこで、重合終了後のスラリーから効率よく未反応の残留モノマーを除去および回収する方法として、筒状の塔内部に複数の多孔を有する棚板を多段に配設し、底部に水蒸気の噴入口、および塔頂部にスラリー導入口およびガス排出口を設けた装置を用いて、残留モノマーを除去回収する方法が提案された(特開昭54ー8693号公報および特開昭56ー22305号公報)。この装置においては、実質的に円筒状装置の頭部に1つだけ存在するPVCスラリー導入口から導入されたPVCスラリーが、底面が多数の細孔を有する実質的に同心円状の棚板で構成され、該棚板上に九十九折り状の処理通路をなすように区画壁が設置された棚段上の処理通路に沿って流れる間に、棚板の細孔を通じて下から噴入してくる水蒸気に曝され、順次このような棚段を流下する間にPVCスラリーに含有している残留モノマーが蒸発分離されて、実質的に装置の底部に1つだけ設置されたPVCスラリー排出部からPVCスラリーが排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
現在、PVCはその用途の多様化に合わせ様々な品質改良が施されているため、PVC内部の粒子構造に依存する残留モノマーの脱離性や、熱に曝されることによる劣化性、残留モノマー除去処理装置内でのスラリーの発泡性など、残留モノマーの除去処理時の挙動も多様化してきている。とりわけ、可塑剤吸収性を向上させるために内部に空隙を多く有するように改良されたPVCでは、重合反応後のPVC粒子中に含有される残留モノマー量が多く、該PVCを含むPVCスラリーを従来の残留モノマー除去装置で処理しようとすると、水蒸気との接触により発生した揮発残留モノマーによる泡立ちが過剰に発生し、以下のような支障をきたす場合があった。
(1)PVCスラリーが区画壁を越えて溢流し、所定の処理通路を通らずに排出されるので、十分に残留モノマーが除去されないPVCスラリーが、通常に通路を通過したPVCスラリーに混入し、残留モノマー濃度の高いPVC粒子が製品PVC中に混入してしまう。
(2)泡によって持ち上げられたPVC粒子が装置の内壁に付着しやすく、付着したPVC粒子が高温の水蒸気に長時間曝されて劣化し着色粒子を生じ、これが、PVC製品中に混在し、製品価値を低下させてしまう。
【0008】
このような支障を避けるためには、従来の方法では、発泡によってもスラリーが区画壁を超えないように、あらかじめ導入するPVCスラリーの量を減量すればよいのであるが、この方法では、残留モノマー処理工程における単位時間当たりのPVC処理量が低下し、結果的に単位時間あたりの製品PVCの生産量を低下させてしまう。
【0009】
また、残留モノマーが除去され易いPVCは、除去され難いPVCに比べて、水蒸気と接触させる時間は短くてよいわけであるが、残留モノマー除去装置が、残留モノマーが除去され難いPVCを含むスラリーの処理条件に合わせて設計された装置である場合、これを用いて残留モノマーが除去され易いPVCを含むスラリーを処理すると、PVCスラリーは残留モノマーが十分に除去された後も必要以上の時間に亙って水蒸気と接触することになるため、過剰の熱劣化を受け、製品PVCの品質を損なう結果となってしまう。一方、残留モノマー除去装置が、残留モノマーが除去され易いPVCを含むスラリーの処理条件にあわせて設計された装置であり、これを用いて残留モノマーが除去され難いPVCを含むスラリーを処理した場合には、残留モノマーを除去しきれず、PVCスラリーは依然高い残留モノマー濃度を有したまま除去処理工程を通過してしまう結果となる。従来の残留モノマー除去装置では、上述のように、残留モノマーが非常に除去され易いPVCの処理と除去され難いPVCの処理とのどちらをも十分に満足させることはできなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題について鋭意研究した結果、性質が多様なPVCのスラリーについても幅広く柔軟に対応しうる残留モノマー除去装置およびそれを用いることを特徴とする残留モノマー除去方法を発明するに至った。
【0011】
本発明者らは、PVCスラリーの残留モノマー除去時の発泡について鋭意研究した結果、棚板上でPVCスラリーを水蒸気処理することによって発生する泡は、PVC粒子内部から離脱した残留モノマーと水性媒体により発生する気泡であり、この気泡により、棚段上を流動するPVCスラリーがその処理通路を区分する区画壁を越えて溢流してしまうこと、および水蒸気と5分間接触させるとPVC粒子内の残留モノマーの70%以上が除去されることから、発泡現象はまさにPVCスラリーが最初に導入される室の底面を形成する棚板上で最も激しく起こっていることを見出した。従って少なくとも1つのPVCスラリー導入口を有する室の底面を形成する棚板の直径を他の棚板の直径より大きくすれば、該棚板上のPVCスラリーの液高さを実質的に減じることとなり、発泡したスラリーの泡が区画壁の高さを超えて溢流することがなく、しかもこの方法であればPVCスラリーの処理量を低下させる必要がないことを見いだした。さらに、残留モノマーが除去されやすいPVCを含むスラリーほど、著しい発泡現象を生じやすいことに鑑 み、本発明者らは、PVCスラリー導入口を少なくとも2つ設け、VCの蒸発分離に長い時間を要するPVCスラリーを処理する場合には、スラリー排出部を有する室からより遠い室に設置したスラリー導入口からPVCスラリーを導入して滞留時間を確保し、一方、VCの蒸発分離が短時間で済むPVCスラリーを処理する場合には、スラリー排出部を有する室から比較的近い室に設置したスラリー導入口よりPVCスラリーを導入することで、VCの蒸発分離に必要十分な滞留時間を与えることができ、VCの蒸発分離後、必要以上の時間にわたってPVCスラリーが水蒸気と接触し過剰に熱劣化をうけることのないようにした。
【0012】
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)重合終了後の残留モノマーを含むポリ塩化ビニル含有スラリーから残留モノマーを除去する装置であって、該装置は、筒状の塔本体と、該塔本体内の垂直方向に設けられた、それぞれ多数の細孔を有する複数の棚板と、該棚板をそれぞれ底面としてその上に形成された複数の室と、前記室の少なくとも2室にそれぞれ設けられたスラリー導入口と、上方の室の棚板から下方の室の棚板へスラリーを順次流下させるように該棚板間に設けられた流下部と、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口と、前記スラリー導入口を有する室よりも下方の室に設けられたスラリー排出口とを有し、前記スラリー導入口が設けられた室の一つの棚板は、該室の上下にそれぞれ位置する室の棚板の直径の1.05〜5倍の直径を有することを特徴とする、残留モノマー除去装置。
(2)前記棚板の直下に、少なくとも前記棚板の下面に向けて設置された、温水の噴射手段を有することを特徴とする(1)記載の残留モノマー除去装置。
(3)棚板の有する細孔の直径が0.5〜5.0mmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の残留モノマー除去装置。
(4)1つの棚板において、該棚板の面積に対する細孔の占める面積の割合が0.001〜10%であることを特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載の残留モノマー除去装置。
(5)(1)記載の残留モノマー除去装置において、前記スラリー導入口からポリ塩化ビニル含有スラリーを導入し、一方、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口から水蒸気を吹き込み、前記スラリーが前記複数の棚板を通して下方に流下する間に前記水蒸気と接触させ、該スラリー中の残留モノマーを分離すると共に、該残留モノマーを含むガスを塔頂から、および残留モノマーが除去されたスラリーをスラリー排出口から排出する方法において、前記残留モノマーを含むスラリーを、
(1)残留モノマーが除去され難いスラリーの場合には、前記直径を大きくした棚板の室の上方の室の導入口から供給し、
(2)残留モノマーが除去され易いスラリーの場合は、前記棚板の直径を大きくした室か、またはそれよりも下方の室の導入口から供給し、
(3)発泡性の大きいスラリーの場合は、前記直径を大きくした棚板の室の導入口から供給することを特徴とする残留モノマー除去方法。
(6)前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.300ml/g以上の場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室か、またはそれより下方の室へ導入する、(5)記載の残留モノマー除去方法。
(7)前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.350ml/g以上の場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室に導入することを特徴とする、(5)記載の残留モノマー除去方法。
(8)前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.300ml/gに達しない場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室よりも上方の室に導入する(5)記載の残留モノマー除去方法。
【0013】
本発明の残留モノマー除去装置は、残留モノマーが除去されにくいPVCスラリーを処理する場合には装置内での滞留時間を増し、残留モノマーが除去されやすいPVCスラリーを処理する場合には滞留時間を減じるように、それぞれのPVCに応じた最適な条件を選択することができるので、残留モノマーの除去し易さによって処理量を実質的に変動させることなく、極めて効率よく残留モノマーを除去することができる。
また本発明によれば、従来の残留モノマー除去装置では1基で対応できなかった、性質や性能が多様化する様々なPVCに対して、残留モノマーの除去処理条件を柔軟にコントロールすることができ、例えばスラリーの泡立ち性、モノマーの除去され易さ、PVCの被熱劣化度等に応じ、一基の装置で効率よく残留モノマーを除去することができる。
【0014】
本発明においてPVCとは、VCの単独重合体、VCと重合反応し得る重合性モノマーとVCとの共重合体、オレフィン系重合体等へVCをグラフト重合させた重合体、またはこれら2種類以上からなる重合組成物であるが、本発明によって、効率的に残留モノマーを除去するには、VCが重合体の構成単位として50重量%以上含有する重合体が好ましい。該重合体を得るための重合方法は、懸濁重合法および乳化重合法のどちらでも良い。
【0015】
VCと重合反応し得る重合性モノマーとしては、具体的には、酢酸ビニルのようなビニルアルコールのカルボン酸エステル類、アルキルビニルエーテルのようなビニルエーテル類、アクリレート、メタクリレートのような不飽和カルボン酸のエステル類、塩化ビニリデン、弗化ビニリデンのようなハロゲン化ビニリデン類、アクリロニトリルのような不飽和ニトリル類、エチレン、プロピレンのようなオレフィン類などが挙げられる。
【0016】
本発明で言うPVCスラリーとは、PVCと水性媒体を含むスラリーである。重合終了後のPVCスラリーは、PVCと水性媒体の他に、未反応の残留モノマーも含む。また、PVC製造の過程でポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の分散剤や必要に応じて緩衝剤、PVCの粒径調整剤、スケール付着抑制剤、消泡剤等が使用されており、PVCスラリー中にはこれらが必要量混在していてもよい。
【0017】
本発明で処理されるPVCスラリー中のPVCの濃度(以降、スラリー濃度と称する。)は5〜45重量%であることが好ましく、10〜40重量%がさらに好ましい。スラリー濃度が大きすぎると残留モノマー除去処理装置内でのPVCスラリーの流動性が悪化する。一方、濃度が小さすぎると実質的なPVC処理量が著しく低下する。
【0018】
本発明で処理されるPVCスラリーは、通常、重合反応が終了した後、重合器内部の圧力が常圧まで降圧するのを待って、PVCスラリータンクに移されたもの、重合器内部の圧力が常圧まで降圧する以前、または任意の重合転化率で停止した重合反応途中のPVCスラリーをPVCスラリータンクに移したものが用いられる。PVCスラリーは、PVCスラリータンクからポンプのような移送手段を用い、所定の流量で、本発明の残留モノマー除去装置に供給される。
【0019】
本発明の残留モノマー除去装置において、PVCスラリーから残留モノマーを除去する方法を、図1〜3に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例を示す残留モノマー除去装置の説明図である。この装置は、筒状の塔本体4と、該塔本体4の垂直方向に設けられた、それぞれ多数の細孔を有する複数の棚板31〜37と、該棚板31〜37をそれぞれ底面としてその上に形成される複数の室8、25〜30と、前記室の少なくとも2室にそれぞれ設けられたスラリー導入口19〜24と、上方の室の棚板から下方の室の棚板に順次スラリーを流下させるように該棚板間に設けられた流下部13〜18と、塔本体4の底部に設けられた水蒸気導入口10と、前記スラリー導入口を有する室29よりも下方の室に設けられたスラリー排出口12と、前記棚板31〜36の直下にそれぞれ設けられた温水の噴射手段46〜51とを有し、前記スラリー導入口の設けられた室の1つ(26)の棚板は、該室の上下にそれぞれ位置している室25、27の棚板の直径の1.05〜5倍の直径を有している。塔本体4の塔頂室8には脱気口11が設けられ、凝縮器7に連結されている。各棚板31〜37は、図2に示すように、多数の細孔38を有し、各棚板上には区画壁38〜42が設けられ、流下したスラリーが区画壁と塔内壁との間に九十九折り(またはジグザグ状)の流路を形成するように各棚段を形成している。なお、45は仕切り板である。スラリー導入孔19〜24には、それぞれバルブ19A〜24Aを有するスラリー供給管が連結され、このスラリー供給管は、さらにバルブ52、53、熱交換機3、ポンプ2を介してスラリータンク1に連結されている。
【0020】
本発明の装置は、例えば各棚板31〜37を有する各棚段をユニットとして組み立てることにより容易に製造することができる。また、従来の装置の改造による場合は、予め径大の棚板33を有する棚板を別に作成しておき、これを従来の装置の棚段と置き換えることによっても同様に製造することができる。
【0021】
図1の装置において、PVCスラリータンク1に一時蓄えられた懸濁重合または乳化重合により得られたPVCスラリーは、ポンプ2によって、熱交換器3に導かれ、熱交換器3内で所定温度に加温された後、残留モノマー除去装置の塔本体4の19〜24の任意のPVCスラリー導入口19〜24から装置内へ導入される。
【0022】
残留モノマー除去装置の塔本体4の内部に導入するPVCスラリーの流量は、図2に示す棚板31の面積1m2当たり0.1〜300m3/h、好ましくは1〜100m3/hである。この流量は、ポンプ2の送液量によって調整することが望ましい。
【0023】
また塔本体4内に導入されるPVCスラリーは、熱交換器3によって、50〜100℃に予熱されていることが望ましい。予熱されていると、残留モノマー除去効率が向上する。
【0024】
塔本体4内の棚板の内径は、直径が最も小さい棚板の直径が200〜10000mmであり、直径が最も大きい棚段の直径は、前記直径の最も小さい棚板の直径の1.05〜5倍、好ましくは1.2〜5倍である。
【0025】
棚板を底面とする室は、棚板と平行の任意の切断面において、その切断面の内周の形状と寸法が棚板と同一でも、異なっていても良い。
塔本体4の高さは、最も直径の小さい棚段の直径の2〜20倍、好ましくは5〜15倍である。
【0026】
本発明の残留モノマー除去装置は、スラリー導入口を少なくとも2室に有する。さらに、1つのスラリー導入口を有する室の底面をなしている棚板の直径は、その室の上下にそれぞれ位置している室の棚板の直径の1.05〜5倍、好ましくは1.2〜5倍の大きさである。
【0027】
PVCスラリーからのモノマーの除去され易さは、PVCスラリー中のPVC粒子の構造に起因する。PVC粒子内の細孔容積が大きい場合には、PVC粒子と水蒸気の接触が良好であり、残留モノマーが除去されやすく、また、このようなPVC粒子を含む重合後のスラリーは一般に泡立ちやすい。一方、細孔容積が小さいPVCは、残留モノマーが除去されにくい。このため、本発明では、前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.300ml/g以上の場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室か、またはそれより下方の室へ導入することが好ましく、また前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.350ml/g以上の場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室に導入することが好ましい。さらに前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.300ml/gに達しない場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室よりも上方の室に導入することが好ましい。
【0028】
残留モノマー除去装置における棚板の数は、装置内におけるPVCスラリーの滞留時間、すなわちPVCスラリーと水蒸気との接触時間を決定する基本的な因子である。本装置では、処理する複数のPVCスラリーのうち残留モノマーを除去するのに最も時間を要するPVCスラリーについて、少なくともその残留モノマーを除去処理するのに必要な滞留時間を確保できるよう棚板数を設定する。そして、PVCスラリーを実際にどの室の導入部から導入するかは、残留モノマーの除去され易さおよび必要な滞留時間に応じて選択すればよい。装置内の滞留時間は、PVCスラリーの残留モノマーの除去され易さの他に、導入されるPVCスラリー中の残留モノマー濃度や、排出されるPVCスラリー中の残留モノマー濃度の設定値等を考慮して決定することができる。
【0029】
滞留時間をPVCスラリー中の残留モノマーの除去され易さに合わせて調整する方法を図1で説明すると、除去されにくいPVCスラリーの場合には、例えばPVCスラリーを導入口19から導入し、導入されたPVCスラリーは棚板31上の区画壁38〜42と塔内壁が形成する処理通路を通過し、流下部13を通りその下の室の棚板32上に導入される。棚板32上に導入されたスラリーは、続いて、棚板32上の処理通路上を通過し、さらに下段の室の棚板上へ流入する。こうして棚板31〜37までの処理通路を通過した後に、PVCスラリー排出口12から装置外へ排出される。一方、比較的残留モノマーが除去されやすいPVCスラリーの場合には、例えばスラリー導入口23から棚板35上に導入し順次棚段36〜37上の処理通路を通過させて処理する。泡立ちが激しいPVCスラリーの場合には、例えば上下の室の棚板32、34よりも径大の棚板を有する室26のスラリー導入口21から棚板33上に導入し、同様に処理する。このように導入する棚板の位置を、処理するPVCスラリーの特徴に応じて選択することにより、PVCスラリーと水蒸気との接触時間を残留モノマーの除去に必要十分な接触時間に調整するとともに、必要以上の水蒸気との接触による熱劣化を避けることができる。
【0030】
泡立ち易いPVCスラリーを処理する場合は、最も小さな棚板の直径に対して1.05〜5倍、好ましくは1.2〜5倍の大きさである棚板33を底面に有する室26に設置されたスラリー導入口21から該スラリーを導入するのが好ましい。棚板の直径が大きいと、該棚板上の通路を流動するPVCスラリーの液深そのものが浅くなり、該棚板におけるPVCスラリー中を通過する水蒸気の滞留時間が減少されるため、当該棚段での発泡を抑制することができる。これにより、PVCスラリーが区画壁を越えて溢流することがなく、十分に残留モノマーが除去されていないPVCスラリーが製品PVC中に混在することがなくなるとともに、安定した残留モノマー除去処理と装置の運転が可能となる。上記棚板の直径が最も小さな棚板の直径の1.05倍より小さいと、泡立ちを制御する効果に乏しく、5倍より大きいと、単位面積当たりの細孔を通じて棚段に吹き込まれる水蒸気量が少なすぎてPVCスラリーの攪拌が不十分となり、PVC粒子が沈降し、装置の運転が困難になることがあり、また、設備の建設コストが高くなる。
前記PVCスラリー中の残留モノマーの除去され易さは、前記スラリー中のPVCの細孔容積に依存するので、前記スラリーの導入口をPVCの細孔容積の測定値を基準として決定することができる。すなわち、前記細孔容積が0.300ml/g以上の場合は、前記径大の棚板の室26、またはそれより下方の室28、29または30から導入し、細孔容積が0.350ml/g以上または泡立ち易いスラリーの場合は、前記径大の棚板の室26に導入し、さらに前記細孔容積が0.300ml/gに達しない場合は、前記径大の棚板の室よりも上方の室25に導入する。
【0031】
スラリー排出口12は、図1の装置では1箇所であるが、本発明ではスラリーを導入する導入口より下方の任意の室に複数存在しても構わない。複数設けた場合には、どの排出口からスラリーを排出するかを選択することができるので、前記の大きい直径を有する棚板が残留モノマー除去装置の何れの室に存在するかについても特に限定されない。PVCスラリーの滞留時間を、排出口の選択によっても調整することが可能だからである。
【0032】
脱モノマー処理中において、PVCスラリーの温度が高いと残留モノマーの除去効率は向上するが、該温度が高過ぎるとPVC粒子の着色や熱劣化を招き品質を低下させてしまう。従って、PVCスラリーの温度を適正に調整しなければならない。棚板上を流動するスラリーの温度は50〜150℃、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜110℃である。棚板上のPVCスラリーの温度は、下方から噴入される水蒸気の温度と導入量によって調整するこどができる。
【0033】
また、塔本体4内部の圧力は、0.2〜3Kg/cm2(abs)に保たれていることが望ましい。
【0034】
残留モノマー除去装置内の温度と圧力のバランスが外乱等により崩れると、棚板上のPVCスラリーの流れは脈動を起こしやすくなる。その原因としては、主にPVCスラリー排出部から排出されるPVCスラリーの流量の変動により、熱交換器による熱の交換量が変動し、PVCスラリー導入口から導入されるPVCスラリーの温度が低下することが挙げられる。このとき、棚板の大きさが全て同一であると、発生した脈動は下段の棚段まで伝播するため運転は不安定となる。これに対し、本発明の残留モノマー除去装置においては、PVCスラリーは直径の大きい棚板の棚段へ導入された時点で、他の棚段に比べて弱い水蒸気噴入量で緩やかな条件のもとに除去処理が進行することになる。このため、発生していた脈動は、該棚段上で沈静化され、下段への更なる伝播を断ち切ることができるのである。また、本発明の残留モノマー除去装置では、PVCスラリーの流動状態が極めて安定であるため、排出されるPVCスラリーの流量自体も安定化し、脈動の発生要因そのものを解消、または著しく削減させるという優れた効果を有する。
【0035】
更に、その残留モノマーを除去するに当たって、スラリーを流動させる棚板を多く必要とするような残留モノマーの除去され難いPVCにおいても、残留モノマー除去処理中のスラリーの発泡が全く生じていないわけではなく、特に、残留モノマー除去装置内の温度と圧力のバランスが崩れたりしたときには発泡によって運転が不安定になる場合がある。棚板の大きさが全て同一であると泡立ちは少なからず下段まで持続し、泡に持ち上げられたPVC粒子が室壁などに付着しやすい。このため、たとえ、温水噴射により装置内壁に付着したPVCを除去する操作を行っていたとしても、残留モノマー除去装置から排出されるPVCには少なからずこれらが着色粒子となって混在することがある。本発明の残留モノマー除去装置では、如何なる発泡もその程度によらず、直径の大きい棚板を有する棚段で効果的に緩和されるため、特に、泡立ちがさほど激しくない、残留モノマーが一般的に除去されにくいPVCスラリーについても、該棚段を通過する過程で実質的に泡立ちが解消され、従って、装置から排出されるPVC内に着色PVCが殆ど検出されないのである。
【0036】
本発明の残留モノマー除去装置は、本発明で示される特定の構造と形状を有することによって、PVCスラリーの脈動を沈静化し、非常に高いレベルで安定運転を可能ならしめるとともに、処理後のPVCに含まれる着色PVCの個数を非常に高度、かつ安定したレベルで制御できるという従来技術では得られない効果を有する。
【0037】
発泡がないか、または小さいスラリーについては、導入する棚板の直径は小さい方が望ましい。これによって、棚板の単位面積あたりの水蒸気の噴入量を高めることができ、また棚板上の液深が深くなることにより、該棚段でのPVCスラリーと水蒸気との接触時間を十分に確保でき、残留モノマーの除去処理効率を高めることができる。PVCスラリー中の残留モノマー濃度は、装置内の流下部を通じて下段へ流下するに従い低下していくので、下段ではPVCスラリーの液深が深くなっても上段に比べ泡立ちは少なくなる。
【0038】
図1で説明すると、発泡性の大きいPVCスラリーは、スラリー導入口21から導入される。導入されたPVCスラリーは、区画壁で形成されて細孔を多数有する棚板33上の処理通路を流動し、流下部15を通じて下段の棚板上へ流下する。この場合、他の棚段とスラリー導入量は同じでありながら、棚板33の直径が大きいため、該棚板の単位面積当たりのスラリー導入量を少なくすることができ、このため、発泡の激しいPVCスラリーでもその発泡を抑制し、脱モノマー処理を効率よく行うことができる。
【0039】
残留モノマー除去装置の内部に設置され、片面に数個の区画壁を垂直に設置した、多数の細孔を有する棚板を本発明では棚段と呼ぶ。棚板の細孔は、PVCスラリーが棚板上を流動する際に細孔より噴入してくる水蒸気によって残留モノマー除去処理が施されるように開けられたものである。細孔の大きさ、水蒸気圧、および水蒸気導入量は、PVCスラリーが細孔を通じて流下せず、また細孔が閉塞することがなく、下方から噴入してくる水蒸気が絶えず均一に通過するように、設定する必要がある。
【0040】
棚板に開けられている細孔は、直径5mm以下、好ましくは0.5〜2mm、より好ましくは0.7〜1.5mmである。また、棚段の開口率(総細孔面積/棚段面積)は、0.001〜10%、好ましくは0.04〜4%、より好ましくは0.2〜2%である。開口率が小さすぎると棚段上を流動するPVCスラリー中に存在するPVC粒子が細孔から噴入される水蒸気で十分に攪拌されず、PVC粒子が沈降して残留モノマーの除去効率が低下する。また、PVCスラリーの流動性も低下する。一方、大きすぎると、PVCスラリーが細孔から流下する現象(以下、液漏れと言う。)が生じたり、細孔からの液漏れを防止するために、多量の水蒸気を浪費することになる。
【0041】
区画壁は、棚段上に、PVCスラリーが流動できる処理通路を確保するためのものである。これによって、PVCスラリーは、棚段上で一定時間流動し、その間、水蒸気による残留モノマー除去処理を受けるのである。図2と図3に示した棚段は、棚板31の上面に、区画壁38〜42が互い違いに設置されたものである。
【0042】
PVCスラリーが残留モノマー除去処理装置内部で滞留する時間は、PVCスラリーが、あらかじめ設定された段数の棚段上の処理通路を通過する時間である。棚板の直径が既に定まっているときにPVCスラリーの導入量を増加したい場合などには、装置内部の処理通路と流下部入り口の間を仕切る仕切板45の高さを高めてやればよい。仕切板の高さを調整することによって、該棚段上のPVCスラリーの液深を調整できる。また、区画壁の設置の仕方によって処理通路は決定されるが、図2で示される九十九折り型(羊腸型)が望ましく、その他に渦巻き型、矢車型または、星形(放射状)等が選択できる。
【0043】
本発明に係る棚段は、区画壁の数や処理通路の幅に特に制限はないが、区画壁を増やしすぎたり、仕切板を高くし過ぎると、PVCスラリーの液深が深くなりすぎて区画壁を溢流してしまうので好ましくない。
【0044】
本発明の装置は、塔底室9に水蒸気導入口10を有している。水蒸気導入口10から導入される水蒸気は、棚板37〜31の細孔を通してそれぞれの棚段上を流動するPVCに吹き込まれる。この時の水蒸気導入量は、PVCスラリー1m3当たり、1〜100Kg/h、望ましくは5〜50Kg/hである。水蒸気導入量が少なすぎると、PVCスラリー中のPVC粒子が沈降するので、PVCスラリー中の残留モノマーを効率良く除去することができない。一方、水蒸気導入量が多すぎると、PVCスラリーの飛沫発生が激しくなり、安定した残留モノマー除去処理が困難になる。また、水蒸気導入量が多い割にはPVCスラリー中の残留モノマーの除去効果が向上しないため、処理効率が非常に悪いものとなる。
【0045】
本発明の装置の直下には、少なくとも1つの温水噴射装置が設置されていることが望ましい。温水噴射装置46〜51は、多数のノズル孔を有するパイプを所定の形に成形し、噴射ノズルとしたものであるが、この噴射ノズルは、鉛直線との交差角度が10〜60度の範囲に噴射されるように設置することが望ましい。図1の装置では、温水噴射装置46〜51は、棚板31〜36の直下にそれぞれ設けられているが、所定時間毎に噴射ノズルから温水を噴射し、棚板の下面や塔内壁を洗浄する。
【0046】
温水噴射装置46〜51を構成するパイプの形状としては、通常、ギリシャ文字のΩ型もしくはΦ型または渦巻型、星形もしくは羊腸型(九十九折り)、交互に中心を同じくする多重リング型があげられる。温水噴射装置46〜51は、棚板の直下に、これと平行に設置される。ただし、温水噴射装置46〜51の最外部が塔本体内壁に接近し過ぎると、洗い流されたPVC粒子等が間隙を閉塞する恐れがあるので、少なくとも、塔内壁から内側へ20mm以上離れるように設置されるのが望ましい。
【0047】
温水噴射装置46〜51に設けられている噴射ノズル孔の形状は、円孔、長円孔、スリット等の適当なものを使用目的に応じて選択できる。ここで、円孔もしくは長円孔の最大直径は通常1〜8mm、他方、スリットの最大長も1〜8mmの範囲で選ぶことができる。
【0048】
残留モノマー除去装置によって十分に残留モノマーが除去されたPVCスラリーは、ポンプ5によって、熱交換器3に導かれ、熱交換器3により冷却された後、PVCスラリータンク6に一時蓄えられた後、脱水工程を経て、乾燥装置(図示省略)に送り込まれる。なお、本発明の残留モノマー除去後のPVCスラリーの移送方法、その後の処理工程については特に限定されない。
【0049】
残留モノマー除去装置内で除去されたモノマーガスは、脱気部11を通り、凝縮器7で凝縮させることができる。なお、凝縮水に塩化ビニルモノマーが多く含まれる場合は、凝縮水を残留モノマー除去装置に再び導入して処理してもよい。
【0050】
【実施例】
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた評価方法は下記の通りである。
【0051】
(1)残留モノマー濃度
PVCスラリー排出口から排出された直後のPVCスラリーをサンプリングし、脱水して、島津製作所(株)製のガスクロマトグラフ9A(商品名)を用い、ヘッドスペース法にて、PVC粒子中の残留塩化ビニルモノマー濃度を測定した。条件としてはASTM法のD4443に準じ、検出部にはFIDを用いた。
一般に製品PVC中の残留塩化ビニルモノマ−濃度は、1ppmを超えないよう管理されている。除去装置排出後も乾燥工程などを経て若干量の残留モノマーは除去されうる。残留モノマー除去装置を通過した段階では、PVC中の残留塩化ビニルモノマー濃度は、少なくとも10ppm以下に管理されることが望ましい。
【0052】
(2)黄変度(被熱劣化度)の測定方法
残留モノマー除去前後のPVCスラリーをそれぞれ脱水し、40℃にて24時間乾燥後、下記の組成およびロール条件でPVC板を作成し、該PVC板について、黄変度をJIS法のK7105の測定法に準じて測定した。測定値の値が大きいほど、熱劣化の程度が大きいことを示す。
組成
PVC 100部
三塩基性硫酸鉛 3
二塩基性硫酸鉛 1
ステアリン酸カルシウム1
ステアリン酸 0.5
ロール条件
ロール種類 8インチロール
ロール温度 170℃
ロール時間 15分
ロール膜厚 0.32mm
重合度の低いPVCは、重合度の高いPVCに比べて重合温度が高いために、重合工程において重合度の高いPVCより大きい熱劣化を被り、また熱劣化の起点となる不安定構造を多く含んでいることは一般に知られている通りである。更に、重合度の低いPVCほど細孔容積は小さく、残留モノマーが除去されにくいため、本質的に重合度の高いPVCより残留モノマー除去時の水蒸気との接触時間は長くならざるを得ない。このような理由から、一般に、重合度の低いPVCは、重合度の高いPVCより前記黄変度は大きい値を示す。残留モノマ−除去工程において、重合度1300のPVCでは黄変度が5以下、重合度700のPVCでは黄変度が10以下に抑えられれば、最終製品の品質はその商品価値を損なわれない。
【0053】
(3)着色PVC数
PVCスラリー排出口12から排出されたPVCスラリーの一部をサンプリングし、乾燥して得られたPVCレジン100gを白色ケント紙上に広げ、薬サジにて全体をよくかき混ぜながら、目視にてPVCレジン中の着色したPVCレジンを拾い上げて、その数を計数した。
【0054】
(4)棚段上での泡の発生状態
下記のAとBの棚段上での泡の発生状態を観察し、下記の様に判定した。
A :PVCスラリーを外部から除去装置内部へ導入した導入口を有する室の底面をなす棚段
B :Aの棚段より3段下の棚段
<判定>
◎:泡立ちが非常に僅かか殆どなく、PVCスラリーの流動は極めて良好 である。
○:泡高さは低く、PVCスラリーの流動が良好である。
△:泡高さが高いが、区画壁を超えて溢流してはいない。
×:泡が区画壁を越えて溢流することがある。
(5)PVCの細孔容積
測定法:水銀圧入法
装置 :カルロエルバ社 ポロシメータ Model−70
圧力 :最大2000kg/cm2
合計6点測定した値の平均値をとった。
【0055】
実施例1
(1)使用した残留モノマー除去装置
実施例1で使用した残留モノマー除去処理装置は、図1〜3で示した残留モノマー除去装置と同様の構造を有しているもので、更に下記の仕様を有するものである。
Figure 0003724012
Figure 0003724012
(4)残留モノマー除去操作
重合反応終了後のPVCスラリーを、速やかにスラリータンク1に移送し、更にポンプにより20m3/hの速度で熱交換器3に移送し、スラリーを加温した後に、前記の残留モノマー除去装置の下から5番目の室27に設置されたPVCスラリー導入口22からスラリーを導入した。該PVCスラリーは下から4、3、2、1番目の棚段34、35、36、37上の区画壁で仕切られた処置通路上を流動し、棚段の細孔から噴入してくる前記水蒸気によって、残留モノマー除去処理を行った。棚段上を流動するPVCスラリーは、該水蒸気により100℃に加熱され、流下部を通じて下段へ流下し、PVCスラリー排出口12から残留モノマー除去装置外へ排出された。その後、PVCスラリーはポンプ5で移送し、熱交換器で50℃まで冷却されたのち、PVCスラリータンク6中へ貯蓄した。また、棚段上で水蒸気と接触してPVC樹脂スラリー中から除去された塩化ビニルモノマーは、凝縮器7により塩化ビニルモノマーと凝縮水に分離し、塩化ビニルモノマーの液化回収工程へ送った。
結果を表1に示す。残留モノマー除去装置から排出されたPVC中の残留塩化ビニルモノマー濃度は250ppb、PVC成型品の黄変度は2.21、着色PVCは0個であった。処理装置の運転状況は良好であった。AおよびBの棚段上での泡高さは低く、特にBの棚段では泡立ちは殆どなく、スラリーの流動状態は極めて良好であった。
【0056】
実施例2
実施例1において、下記の符号に対応する下記の条件を変更した以外は、実施例1と同じ方法で実施した。
(2)使用したPVCスラリー
PVC :平均重合度700のホモポリマー
スラリー濃度 :30 重量%
残留塩化ビニルモノマー濃度 :25000ppm
PVCの細孔容積 :0.231ml/g
(4)残留モノマー除去操作
残留モノマー除去装置内へのPVCスラリーの導入を、下から8番目の室に設置されたPVCスラリー導入口19から行った。
結果を表1に示す。残留モノマー除去処理装置から排出されたPVC中の残留塩化ビニルモノマー濃度は350ppb、PVC成型品の黄変度は8.62、着色PVCは0個であった。処理装置の運転状況は良好であった。AおよびBの棚段上での泡高さは低く、特にBの棚段上では泡立ちは殆どなく、スラリーの流動状態は極めて良好であった。
【0057】
実施例3
実施例1において、下記の符号に対応する下記の条件を変更した以外は、実施例1と同じ方法で実施した。
(2)使用したPVCスラリー
PVC :平均重合度1300のホモポリマー
スラリー濃度 :30 重量%
残留塩化ビニルモノマー濃度 :30000ppm
PVCの細孔容積 :0.409ml/g
(4)残留モノマー除去操作
残留モノマー除去処理装置内へのPVCスラリーの導入を、残留モノマー除去装置の下から6番目の室に設置されたPVCスラリー導入口21から行った。
結果を表1に示す。残留モノマー除去処理装置から排出されたPVC中の残留塩化ビニルモノマー濃度は200ppb、PVC成型品の黄変度は2.72、着色PVCは0個であった。処理装置の運転状況は良好であった。AおよびBの棚段上での泡高さは低く、特にBの棚段上では泡立ちは殆どなく、スラリーの流動状態は極めて良好であった。
【0058】
比較例1
比較例1では、図1〜3で例示した残留モノマー除去装置に比べて、全ての棚段の大きさが同一で、スラリー導入口を1つのみ有する下記の仕様の装置を使用した。
Figure 0003724012
Figure 0003724012
(4)残留モノマー除去操作
残留モノマー除去装置内へのPVCスラリーの導入を、下から8番目の室に設置されたPVCスラリー導入口からおこなった以外は、実施例1記載の残留モノマー除去操作と同様の方法で行った。
結果を表1に示す。残留モノマー除去処理装置から排出されたPVC中の塩化ビニルモノマー濃度が100ppb、PVC成型品の黄変度は7.52であった。同一のPVCスラリーを処理した実施例1に比べて、水蒸気との接触時間が過剰であるため、PVC成型品の熱劣化が大きく、製品価値が低下した。また、Aの棚段で泡高さが高く、Bの棚段でも泡立ちが観察された。着色PVCは5個であった。温水噴射装置を運転していたにもかかわらず、泡に持ち上げられて装置内壁に付着したPVCを温水噴射で十分に除去することができなかったことを示している。着色PVCの発生は、この泡立ちに起因するものと考えられる。
【0059】
比較例2
比較例1において、使用したPVCスラリーを実施例2で使用したものに置き換えた以外は、比較例1と同じ方法で実施した。
結果を表1に示す。Aの棚段で若干泡高さが高く、Bの棚段でも泡立ちが観察された。着色PVCが4個混在していた。着色PVCの発生は、比較例1と同様に、この泡立ちに起因するものと考えられる。
【0060】
比較例3
比較例1において、PVCスラリーを実施例3で使用したものに置き換えた以外は、比較例1と同じ方法で実施した。
結果を表1に示す。Aの棚段において発泡が激しく、PVCスラリーが区画壁を越えて溢流した。装置の運転が不安定となり、正常に水蒸気と接触しなかったPVCスラリーが混入したため、装置から排出されたPVC中の塩化ビニルモノマー残留濃度は80000ppbという高い値を示した。また、着色PVCは25個混在しており、泡に持ち上げられて装置内壁に付着したPVCが温水噴射装置を使用しても十分に除去されていなかったものと思われる。Bの棚段においても、泡高さは多少低くはなっているもののスラリーの流動状態は不安定なままであった。
【0061】
比較例4
比較例4では、図1〜3で例示した残留モノマー除去装置の構造に比べて、棚段の段数が少なく、最上段の棚段の直径だけが他の棚段より大きく、この棚段にスラリー導入口を1つのみ有する装置であって、下記の仕様を有する装置を使用した。
Figure 0003724012
Figure 0003724012
結果を表1に示す。残留モノマー除去処理装置から排出されたPVC中の残留塩化ビニルモノマー濃度が80000ppm、PVC成型品の黄変度は2.98であった。同一のPVCスラリーを処理した実施例2に比べて、水蒸気との接触時間、すなわち処理能力が不足するため、排出されたPVC中の残留モノマー濃度は高い値を示した。重合度700のPVCは残留モノマーが非常に除去されにくいため、本来、泡立ちの緩和に寄与する直径の大きな棚段では処理条件が緩やかで、除去できる残留モノマー量が少ない。従って、PVCスラリーは依然高い濃度を保ったまま下段へ送られていく。このため、下段では泡立ちが観察され、これに起因するとおもわれるが、着色PVCも6個混在していた。
【0062】
【発明の効果】
本発明の残留モノマー除去処理装置によれば、以下のような効果が得られる。(1)性質、性能が多様化する様々なPVCに対して、それぞれの特徴に即して残留モノマーの除去処理条件を柔軟にかつ適正に選択できるようにしたため、スラリーの泡立ち性、モノマーの除去され易さ、PVCの被熱劣化度、除去処理装置の運転効率とを常に総合的に最善な状態にコントロールすることができるようになった。
(2)重合後のPVCのそれぞれの特徴に応じた処理条件を選択できるため、従来の除去方法で処理した場合に比べ、そのPVCが本来有する特徴を損ねることがない。
(3)着色PVCを著しく低減するころができる。
(4)スラリーの脈動と発泡現象を直径が大なる棚段で緩和沈静化するため、不安定なスラリーの流動を下段にまで伝播することがなくなり、残留モノマー除去装置全体としての非常に高度な安定運転制御を可能になる。
(5)スラリーの発泡による区画壁の溢流や凝縮器の閉塞および着色粒子の混在、除去処理装置内の圧力と温度のアンバランスによる脈動の伝播など、PVCの品質や装置の保守管理に悪影響を及ぼすこれらの要因が払拭されるか、または低減される。従って、より安定した品質を有するPVCをより安定に供給することが可能になるとともに、装置のメンテナンスに要する工数とそれに伴う機会損失が改善され、生産性が向上する。
【0063】
【表1】
Figure 0003724012

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の残留モノマー除去装置を中心とした残留モノマー除去方法の工程図
【図2】棚段の模式的平面図
【図3】棚段の模式的縦断面図
【符号の説明】
1PVCスラリータンク
2ポンプ
3熱交換器
4塔本体
5ポンプ
6PVCスラリータンク
7凝縮器
8塔頂室
9塔底室
10水蒸気導入口
11脱気口
12PVCスラリー排出口
13〜18 流下部
19〜24 PVCスラリー導入口
25〜30 温水噴射装置
31〜37 棚板
38〜42 区画壁
43 細孔
45 仕切板

Claims (8)

  1. 重合終了後の残留モノマーを含むポリ塩化ビニル含有スラリーから残留モノマーを除去する装置であって、該装置は、筒状の塔本体と、該塔本体内の垂直方向に設けられた、それぞれ多数の細孔を有する複数の棚板と、該棚板をそれぞれ底面としてその上に形成された複数の室と、前記室の少なくとも2室にそれぞれ設けられたスラリー導入口と、上方の室の棚板から下方の室の棚板へスラリーを順次流下させるように該棚板間に設けられた流下部と、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口と、前記スラリー導入口を有する室よりも下方の室に設けられたスラリー排出口とを有し、前記スラリー導入口が設けられた室の一つの棚板は、該室の上下にそれぞれ位置する室の棚板の直径の1.05〜5倍の直径を有することを特徴とする、残留モノマー除去装置。
  2. 前記棚板の直下に、少なくとも前記棚板の下面に向けて設置された、温水の噴射手段を有することを特徴とする請求項1記載の残留モノマー除去装置。
  3. 棚板の有する細孔の直径が0.5〜5.0mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の残留モノマー除去装置。
  4. 1つの棚板において、該棚板の面積に対する細孔の占める面積の割合が0.001〜10%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の残留モノマー除去装置。
  5. 請求項1記載の残留モノマー除去装置において、前記スラリー導入口からポリ塩化ビニル含有スラリーを導入し、一方、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口から水蒸気を吹き込み、前記スラリーが前記複数の棚板を通して下方に流下する間に前記水蒸気と接触させ、該スラリー中の残留モノマーを分離すると共に、該残留モノマーを含むガスを塔頂から、および残留モノマーが除去されたスラリーをスラリー排出口から排出する方法において、前記残留モノマーを含むスラリーを、
    (1)残留モノマーが除去され難いスラリーの場合には、前記直径を大きくした棚板の室の上方の室の導入口から供給し、
    (2)残留モノマーが除去され易いスラリーの場合は、前記棚板の直径を大き くした室またはその下方の室の導入口から供給し、
    (3)発泡性の大きいスラリーの場合は、前記直径を大きくした棚板の室の導入口から供給することを特徴とする残留モノマー除去方法。
  6. 前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.300ml/g以上の場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室か、またはそれより下方の室へ導入する、請求項5記載の残留モノマー除去方法。
  7. 前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.350ml/g以上の場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室に導入することを特徴とする、請求項5記載の残留モノマー除去方法。
  8. 前記スラリー中のポリ塩化ビニルの細孔容積が0.300ml/gに達しない場合、該スラリーを前記棚板の直径を大きくした室よりも上方の室に導入する請求項5記載の残留モノマー除去方法。
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