JPH10338708A - ポリ塩化ビニル含有スラリーからの未反応モノマーの除去装置および除去方法 - Google Patents

ポリ塩化ビニル含有スラリーからの未反応モノマーの除去装置および除去方法

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JPH10338708A
JPH10338708A JP14964697A JP14964697A JPH10338708A JP H10338708 A JPH10338708 A JP H10338708A JP 14964697 A JP14964697 A JP 14964697A JP 14964697 A JP14964697 A JP 14964697A JP H10338708 A JPH10338708 A JP H10338708A
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water
gas
slurry
condensed
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JP14964697A
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Etsuro Matsuda
悦郎 松田
Yuichi Ito
雄一 伊藤
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 未反応モノマーを工程外に排出することを防
止しながら、且つPVCスラリーから残留モノマーを効
率よく除去することができる残留モノマー除去装置。 【解決手段】 筒状の塔本体40と、該塔本体内の垂直
方向に設けられた複数の多孔板30〜34と、該多孔板
をそれぞれ底面としてその上に形成された複数の室20
〜23と、最上部の多孔板34の上側に設けられたスラ
リー導入部48と、上方の室の多孔板から下方へスラリ
ーを順次流下させ、塔本体の底部に設けられた水蒸気導
入口11と、塔本体の頂部にガス移送管39を介して設
けられた凝縮装置と、最下部の多孔板30の上側に設け
られたスラリー排出口49と、多孔板の直下に、温水噴
射手段25〜29とを有し、かつ、前記凝縮装置におけ
る水蒸気凝縮水を塔本体内に返送する凝縮水移送管、お
よび前記凝縮装置で凝縮されなかった未反応モノマーを
含むガスと該凝縮装置から排出する排出管14を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビニル含
有スラリーからの未反応モノマーの除去装置および除去
方法に関し、特に塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと略
称する)を製造する際に、PVC粒子内部および水性媒
体中に残存する塩化ビニルモノマー(以下、VCMと略
称する)等を主とする未反応モノマーを効率よく除去す
ることができる、ポリ塩化ビニル含有スラリーからの未
反応モノマーの除去装置および除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PVCは、化学的にも物理的にも優れた
特性を備えた樹脂であることから、幅広い分野に使用さ
れている。一般に、PVCは、懸濁重合法、乳化重合
法、塊状重合法等によって製造されるが、反応熱を除去
しやすく、不純物の少ない製品を得ることができるとい
う利点があることから、特に懸濁重合法や乳化重合法が
広く用いられている。
【0003】懸濁重合法や乳化重合法は、通常、VCM
を、水性媒体、分散剤または乳化剤、および重合開始剤
等と共に攪拌機付き重合器内に仕込み、所定温度に保ち
ながら攪拌下に重合させることによって行われる。重合
反応は、通常、VCMが100%転化してPVCとなる
まで実施されることはなく、製造効率の良い段階、すな
わち重合転化率80〜95%の段階で停止される。重合
反応終了後、重合器内の未反応モノマーはPVCスラリ
ー(主としてPVC粒子と水性媒体の混合分散液)と分
離して回収されるが、PVCスラリーには数%の未反応
モノマーが含まれているのが普通である。
【0004】このように、未反応モノマーを含むPVC
スラリーは、水性媒体が機械的に分離され、熱風乾燥そ
の他種々の方法で乾燥されてPVC粉末となる。このと
き、分離された水性媒体、熱風乾燥による排気、および
得られたPVC粉末には、環境衛生上の理由で問題とな
るか、または明らかに有害と認められる程度のVCMが
含まれる。
【0005】このような製造上生じる排出物およびPV
C粉末中のVCMを完全に除去するか、または環境衛生
上無害な程度までその含有量を低下させるために、種々
の方法が提案されている。例えば、内部に複数の多孔板
製棚段と底部に水蒸気噴入口を装着した処理塔を用い
て、PVCスラリーから未反応モノマーを除去回収する
方法としては、例えば特開昭54−8693号公報およ
び特開昭56−22305号公報があげられる。
【0006】これらの方法は、底面が多孔板で構成さ
れ、該多孔板上に千鳥状の処理通路をなすように区画壁
が設置された多孔板製棚段を用い、PVCスラリーを、
これらの多孔板製棚段上の処理通路に沿って順次流下さ
せ、その間に、PVCスラリーを、多孔板の細孔を通じ
て、下から噴入してくる水蒸気に曝し、PVCスラリー
が含有している未反応モノマーを蒸発分離するものであ
る。
【0007】一般に、このように未反応モノマーを除去
回収する方法を脱モノマー法といい、現在では、この脱
モノマー法が主流を占めている。また、最近では、未反
応モノマー除去処理塔である充填塔内部で未反応VCM
をストリッピングして充填塔の塔頂部から系外へ排出す
るに際し、未反応VCMと共に排出される水蒸気を凝縮
し、該凝縮水を充填塔の塔頂部にリサイクルする方法が
提案されている(特公平3−45726号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記脱モノマー法によ
れば、PVCスラリー中に混在する全量または大部分の
未反応モノマーは、水蒸気によりPVCスラリーと分離
され、水蒸気と共に塔外へ排出された後、凝縮器等の水
蒸気分離装置で水蒸気と分離されて回収されるのが一般
的である。しかし、この際、水蒸気と未反応モノマーを
完全に分離することは困難であり、水蒸気凝縮水には若
干の未反応モノマーが混在するのが普通である。これを
工程外へ排出する場合は上述のように環境衛生上の問題
を生じることになる。
【0009】また、未反応モノマー除去処理塔である充
填塔内部で未反応VCMをストリッピングして充填塔の
塔頂から系外へ排出するに際し、未反応VCMと共に排
出される水蒸気を凝縮し、該凝縮水を充填塔の塔頂にリ
サイクルする方法では、凝縮器より直接充填塔の頂部に
冷却された凝縮水が滴下するため、充填塔頂が冷やされ
充填塔の圧バランスが変動して運転が不安定になる。こ
れを解決するために充填塔より未反応モノマーが除去さ
れた懸濁液もしくは乳化液を再び充填塔底にリサイクル
して運転の安定化をはかる手段が開発されているが、こ
の方法では充填塔底にリサイクルされる懸濁液もしくは
乳化液中のPVC粒子が、過度に水蒸気に曝されて熱劣
化を生ずるという問題がある。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
解決し、重合反応終了時のPVCスラリー(主としてP
VC粒子と水性媒体の混合分散液)に含有されている未
反応モノマーを水蒸気処理によって除去する際に、未反
応モノマーを含む水蒸気を凝縮することにより水蒸気と
未反応モノマーとを分離して、凝縮水を未反応モノマー
除去処理塔に還流する、未反応モノマーの除去装置およ
び除去方法を提供することにあり、詳しくは、未反応モ
ノマーを含有した水蒸気を工程外に排出することを防止
しながら、且つPVCスラリーから未反応モノマーを効
率よく除去することができる未反応モノマーの除去装置
および除去方法を提供することにある。
【0011】更に、詳しくは、本発明の目的は、分離し
た凝縮水を未反応モノマー除去処理塔の塔頂の温度を変
化させることなく該塔頂に還流し、凝縮器内で冷却のた
めに使用されて帯熱した水を未反応モノマー除去処理塔
内の洗浄に用いることで、従来の凝縮器を敷設した未反
応モノマー除去装置では得ることができなかった、熱エ
ネルギーを極めて有効に活用できる点、高レベルでモノ
マー回収効率を保持・運転できる点とからなる高い経済
性と装置の運転安全性とをもたらす、未反応モノマーの
除去装置および除去方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願で特許請求する発明は以下のとおりである。 (1)重合終了後の未反応モノマーを含むポリ塩化ビニ
ル含有スラリーから未反応モノマーを除去する装置であ
って、該装置は、筒状の塔本体と、該塔本体内の垂直方
向に設けられた複数の多孔板と、該多孔板をそれぞれ底
面としてその上に形成された複数の室と、前記複数の多
孔板のうち最上部の多孔板の上側に設けられたスラリー
導入部と、上方の室の多孔板から下方の室の多孔板へス
ラリーを順次流下させるように前記多孔板間に設けられ
た流下部と、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口
と、塔本体の塔頂室にガス移送管を介して該塔本体の外
部に設けられた凝縮装置と、前記複数の多孔板のうち最
下部の多孔板の上側に設けられたスラリー排出口と、多
孔板の直下に、少なくとも該多孔板の下面に向けて設け
られた温水噴射装置とを有し、かつ、前記凝縮装置で凝
縮された水蒸気を含む水蒸気凝縮水を前記塔本体内に返
送する凝縮水移送管、および前記凝縮装置で凝縮されな
かった未反応モノマーを含むガスを該凝縮装置から排出
する排出管を設けたことを特徴とする未反応モノマーの
除去装置。
【0013】(2)前記筒状の塔本体と凝縮装置とをつ
なぐ、ガス移送管と凝縮水移送管が同一の移送管である
ことを特徴とする上記(1)記載の未反応モノマーの除
去装置。 (3)前記凝縮装置が複数の凝縮器からなり、塔本体の
塔頂室にガス移送管を介して該塔本体の外部に設けられ
た少なくとも一つの凝縮器が、該凝縮器で凝縮されなか
った未反応モノマーを含むガスを該凝縮器から排出する
ために該凝縮器に設けられたガス排出管を介して、他の
少なくとも一つの凝縮器に連結されていることを特徴と
する上記(1)または(2)記載の未反応モノマーの除
去装置。
【0014】(4)前記凝縮装置が、該凝縮装置で冷却
に用いるための水を導入する冷却水導入管と、該冷却に
使用された水を排出する冷却水排出管とを有しており、
該冷却水排出管が、前記温水噴射装置に連結されている
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載
の未反応モノマーの除去装置。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の装置を用
いて重合終了後の未反応モノマーを含むポリ塩化ビニル
含有スラリーから未反応モノマーを除去する際に、前記
凝縮装置で、未反応モノマーと水蒸気を含む混合ガス
を、凝縮されなかった未反応モノマーを含むガスと、凝
縮された水蒸気を含む水蒸気凝縮水とに分離することを
特徴とする未反応モノマーの除去方法。
【0015】(6)前記凝縮装置にて分離した、凝縮さ
れなかった未反応モノマーを含むガスを、該凝縮装置に
設けられたガス排出管を介して、液化回収工程へ移送す
ることを特徴とする上記(5)記載の未反応モノマーの
除去方法。 (7)前記凝縮装置にて分離した、凝縮された水蒸気を
含む水蒸気凝縮水を、該凝縮装置に設けられた凝縮水移
送管を介して、塔本体の塔頂室に返送することを特徴と
する上記(5)または(6)記載の未反応モノマーの除
去方法。
【0016】(8)前記凝縮装置が少なくとも1基の凝
縮器からなり、塔本体に連結されている該凝縮器へ冷却
のために導入する水の温度と量を、該凝縮器に設けられ
たガス排出管から排出されるガスの温度と塔頂室内のス
ラリーとの温度差が1〜20℃の範囲であるように調整
することを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかに
記載の未反応モノマーの除去方法。 (9)前記凝縮装置が2基以上の凝縮器からなり、塔本
体に連結されている凝縮器に、ガス排出管を介して連結
されている他の凝縮器へ冷却のため導入する水の温度と
量を、該凝縮器に設けられたガス排出管から排出される
ガスの温度と塔頂室内のスラリーとの温度差が20〜8
0℃の範囲であるように調整することを特徴とする請求
項5〜7のいずれかに記載の未反応モノマーの除去方
法。
【0017】(10)前記凝縮されなかった未反応モノ
マーを含むガスが、未反応モノマーと水蒸気を含んでお
り、該水蒸気の量が、塔本体の底部に設けられた水蒸気
導入口より導入される水蒸気量の20重量%以下である
ことを特徴とする上記(5)〜(9)のいずれかに記載
の未反応モノマーの除去方法。 (11)前記凝縮されなかった未反応モノマーを含むガ
スが、未反応モノマーと水蒸気を含んでおり、該水蒸気
の量が、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口より導
入される水蒸気量の10重量%以下であることを特徴と
する上記(5)〜(9)のいずれかに記載の未反応モノ
マーの除去方法。
【0018】(12)前記凝縮装置に10〜40℃の水
を導入して凝縮器内の冷却に用いた後、該冷却に使用し
たのちの水の温度が40〜99℃の範囲となるように調
整することを特徴とする上記(5)〜(11)のいずれ
かに記載の未反応モノマーの除去方法。 (13)前記冷却に使用したのちの水を前記温水洗浄装
置に移送し、該洗浄の為の水として使用することを特徴
とする上記(5)〜(12)のいずれかに記載の未反応
モノマーの除去方法。
【0019】本発明によれば、例えば、筒状の塔本体と
凝縮系とをつなぐ、ガス移送管と凝縮水移送管が同一の
移送管である場合、未反応モノマー除去処理塔の上部に
凝縮器を設置し、凝縮器と残留モノマー除去処理塔の塔
頂室をつなぐ凝縮水移送管内で塔頂より凝縮水移送管内
を上昇してくる水蒸気とモノマーの混合気体と、凝縮水
移送管内を降下する凝縮水が向流接触し、凝縮水が加温
され、凝縮器にて冷却された凝縮水が直接塔頂室に滴下
されて生ずるエネルギーロスと、塔頂室の温度が下がる
ことによるモノマー除去効率の低下を防ぎ、さらに塔頂
室の温度が下がることによる塔頂室での圧バランスの変
動を防止して安定した運転が可能となる。
【0020】凝縮水を塔頂室に還流できることにより、
モノマーを含有する凝縮水が工程外に排出されて環境を
汚染することがなくなる。さらに、ガス移送管と凝縮水
移送管が同一とした場合は、ガスの移送にともなって移
送管内を上昇してくるPVC粒子を、移送管を流下する
凝縮水で洗浄することができるので、凝縮器へのPVC
粒子の侵入が防止でき、凝縮器の閉塞、除熱能力の低下
を防止でき、安定なモノマーの除去処理操作が可能にな
る。
【0021】本発明において、PVCとは、VCMの単
独重合体、VCMと重合反応し得る重合性モノマーとV
CMとの共重合体、オレフィン系重合体等へVCMをグ
ラフト重合させた重合体、およびこれらを2種類以上含
む重合体組成物である。本発明によって、効率的に未反
応モノマーを除去するには、VCMが重合体の構成単位
として50重量%以上含有する重合体が好ましい。
【0022】該重合体を得るための重合方法は、懸濁重
合でも、乳化重合法でもよい。VCMと重合反応し得る
重合性モノマーとしては、具体的には、酢酸ビニルのよ
うなビニルアルコールのカルボン酸エステル類、アルキ
ルビニルエーテルのようなビニルエーテル類、アクリレ
ート、メタクリレートのような不飽和カルボン酸のエス
テル類、塩化ビニリデン、弗化ビニリデンのようなハロ
ゲン化ビニリデン類、アクリロニトリルのような不飽和
ニトリル類、エチレン、プロピレンのようなオレフィン
類などが挙げられる。
【0023】重合反応には、ポリビニルアルコール、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース等の分散剤、アルキ
ル硫酸ナトリウム、アルキルスルフォン酸ナトリウム等
の乳化剤、および必要に応じて緩衝剤、粒径調整剤、ス
ケール付着抑制剤、消泡剤等が使用されているので、P
VCスラリー中には、これらが微量混入する場合があ
る。
【0024】本発明で処理されるPVCスラリーは、P
VCスラリー中に分散しているPVCの濃度、すなわち
スラリー濃度が5〜45重量%のものが好ましく、10
〜40重量%のものがさらに好ましい。スラリー濃度が
高過ぎると、塔内でのPVCスラリーの流動性が悪化す
る。一方、低過ぎると、除去処理効率が低下する。本発
明で処理されるPVCスラリーは、重合反応が終了した
後、未反応VCMを重合器内部の圧力により放出して回
収し、内部の圧力が常圧まで降圧した後、PVCスラリ
ータンクに移されるが、PVCスラリーは重合器内部の
圧力が常圧まで降圧する以前、または任意の重合転化率
で重合を停止した時点で重合反応途中のPVCスラリー
をPVCスラリータンクに移しても良い。
【0025】PVCスラリータンクに移されたPVCス
ラリーは、ポンプを使って所定の流量速度で本発明の未
反応モノマー除去装置に導入される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明において、好適に使用され
得る未反応モノマー除去装置、およびこの装置を用いて
PVCスラリーから未反応モノマーを除去するプロセス
を、図1〜2に基づいて具体的に説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。図1は、未反応モノマ
ー除去処理装置の概略図、図2は、多孔板の模式的平面
図である。図1において、未反応モノマー除去処理塔4
は、筒状の塔本体40と、該塔本体内の垂直方向に設け
られた複数の多孔板30〜34と、該多孔板をそれぞれ
底面としてその上に形成された複数の室19〜24と、
前記複数の多孔板のうち最上部の多孔板34の上側設け
られたスラリー導入部としてのスラリ導入口48と、上
方の室の多孔板から下方の室の多孔板へスラリーを順次
流下させるように該多孔板間に設けられた流下部として
の流下管35〜38と、塔本体の底部に設けられた水蒸
気導入口11と、塔本体の頂部にガス移送管39を介し
て設けられた凝縮器6と、さらに凝縮器6の排出管13
により連結された凝縮器7と、前記複数の多孔板のうち
最下部の多孔板30の上側に設けられたPVCスラリー
排出口49と、多孔板の直下に、少なくとも該多孔板の
下面に向けて設置された温水噴射手段としての温水噴射
リング25〜29とを有し、かつ前記ガス移送管39は
凝縮器6で凝縮した凝縮水を未反応モノマー除去処理塔
4の塔頂室24へ移送する凝縮水移送管を兼ねるように
構成されている。同じように凝縮器6と凝縮器7を結ぶ
排出管13は、凝縮器6にて分離された未反応モノマー
と僅かに残る水蒸気の混合ガスが上昇する排ガス移送
と、凝縮器7で凝縮された凝縮水が凝縮器6へ流下する
凝縮水移送管を兼ねるように構成されている。
【0027】PVCスラリータンク1に一時蓄えられた
懸濁重合または乳化重合により得られたPVCスラリー
は、ポンプ2によって熱交換器3に導かれ、熱交換器3
内で所定温度に加温された後、未反応モノマー除去処理
塔4の最上部の多孔板34の上側に設けられたPVCス
ラリー導入部としてのスラリー導入口48から塔内へ導
入される。
【0028】塔内に導入するPVCスラリーの流量は、
図2に示す多孔板34の面積1m2当たり0.1〜30
0m3/h(より好ましくは1〜100m3/h)になる
よに調整することが好ましい。また、塔内に導入するP
VCスラリーは、熱交換器3によって、50〜100℃
に予熱されていることが望ましい。この予熱によって未
反応モノマー除去効率が向上する。
【0029】塔本体40の内径は、200〜10000
mmで、塔高さは内径に対して2〜20倍、より好まし
くは5〜15倍である。また、必要により塔内の各室の
内径が異なっていてもよい。未反応モノマー除去処理塔
4において、塔底と多孔板、多孔板とその直上部に位置
する多孔板、または多孔板と塔頂に区切られた空間を室
という。未反応モノマーの処理に必要な室数は、PVC
スラリーから未反応モノマーを除去する時に必要とされ
る滞留時間により決定される。
【0030】PVCスラリーからモノマーを除去する難
易度は、PVCスラリー中のPVC粒子の構造に起因す
る。PVC粒子内の細孔容積率が大きい場合には、PV
C粒子と水蒸気の接触が良好で脱モノマーし易く、細孔
容積率が小さい場合は、脱モノマーし難くなる。PVC
スラリーの塔内の滞留時間は、上述のようなPVCスラ
リーの脱モノマーの難易度と、塔内に導入されるPVC
スラリー中に含まれる未反応モノマー濃度と、PVCス
ラリー排出口49での処理後の未反応モノマー濃度の設
定値によって決定される。
【0031】塔内のPVCスラリーの滞留時間が長い
と、PVCスラリー中に存在するPVC粒子から未反応
モノマーを高度に除去することができるが、長すぎると
PVCの粒子が熱劣化による着色を引き起こしてしま
う。従って、PVCスラリーの必要以上の水蒸気との接
触は好ましくない。そこで、滞留時間をPVCスラリー
の脱モノマー性の難易度に合わせて調整する必要があ
る。
【0032】スラリー導入部としてのスラリ導入口48
から塔本体内に導入されたPVCスラリーは、多孔板3
4上の区画壁41〜46と塔本体40で形成される処理
通路を通過し、仕切板47(図2)を越えてオーバーフ
ローし、流下管38を通り多孔板33上に導入される。
多孔板33上に導入されたスラリーは、続いて、多孔板
33上の処理通路上を通過し、さらに流下管37を通っ
てその下の多孔板32上へ流入する。こうして多孔板3
4〜30までの処理通路を通過した後、最下部の多孔板
30の上側に設けられたPVCスラリー排出口49から
塔外へ排出される。
【0033】多数の細孔を有する多孔板34〜30は、
それぞれその表面に、数個の区画壁が垂直に設けられ、
上部の棚板の下面との間に室(空間)を形成している。
多孔板の細孔は、PVCスラリーが、多孔板上を流動す
る際、細孔より噴入してくる水蒸気によって、脱モノマ
ー処理が行われるように、開けられたものである。細孔
の大きさは、PVCスラリーが細孔を通して流下せず、
しかも細孔が閉塞することがなく、下方から噴入してく
る水蒸気が絶えず均一に通過するように、水蒸気圧およ
び水蒸気導入量を考慮して設定される。
【0034】多孔板に開けられる細孔は、直径5mm以
下、好ましくは、0.5〜2mm、より好ましくは0.
7〜1.5mmである。また、多孔板の開口率(総細孔
面積/多孔板面積)は、0.001〜10%、好ましく
は0.04〜4%、より好ましくは0.2〜2%であ
る。開口率が小さ過ぎると、多孔板製棚段上を流動する
PVCスラリー中に存在するPVC粒子が十分に攪拌さ
れず、PVC粒子が沈降して、PVC粒子からの未反応
モノマーの除去効率が低下する。また、PVCスラリー
の流動性も低下する。一方、開口率が大き過ぎると、P
VCスラリーが細孔から流下する現象(以下、液漏れと
いう。)が生じたり、細孔からの液漏れを防止するため
に、多量の水蒸気量を浪費することになる。
【0035】区画壁は、多孔板上に、PVCスラリーが
流動できる処理通路を確保するためのものである。区画
壁により形成された処理通路により、PVCスラリー
は、多孔棚板上で一定時間流動し、その間、下方から供
給される水蒸気による脱モノマー処理を受ける。図2に
は、多孔板34の上面に、区画壁41〜46が互い違い
に設置されたものが示されている。
【0036】PVCスラリーの未反応モノマー除去装置
内部での滞留時間は、PVCスラリーが多孔板上の処理
通路を通過する時間に対応する。従って、通過時間を長
くするには、区画壁の枚数を増やして処理通路を長くす
るかまたは仕切板の高さを高くすればよい。処理通路
は、区画壁の設置の仕方によって決定されるが、図2で
示される九十九折り型(羊腸型)が好ましく、その他に
渦巻き型、矢車型または、星形(放射状)等が状況に応
じて選択できる。
【0037】本発明における多孔板は、区画壁の数や処
理通路の幅に特に制限はないが、区画壁の数を増やし過
ぎたり、処理通路の幅をあまりにも小さくすると、流動
するPVCの液高さが増し、区画壁を越えしてしまうの
で、滞留時間の異なるPVCスラリーが混在することに
なり、製品の品質を低下させるので、望ましくない。本
発明の装置は、塔底室19に水蒸気導入口11を有して
おり、水蒸気導入口11から噴射される水蒸気が、多孔
板の細孔を通して、多孔棚板上を流動するPVCスラリ
ー中に吹き込まれる。この時の水蒸気導入量は、PVC
スラリー1m 3当たり、1〜100Kg/h、好ましく
は5〜50Kg/hである。水蒸気導入量が少な過ぎる
と、PVCスラリー中のPVC粒子が沈降するので、P
VCスラリー中の未反応モノマーを効率良く除去するこ
とができなくなる。一方、水蒸気導入量が多過ぎると、
PVCスラリーの飛沫発生が激しくなり、フラッディン
グが生ずることがある。また、水蒸気導入量が多い割に
は、PVCスラリー中の未反応モノマーの除去効果は向
上しない。
【0038】また、PVCスラリーの温度が高いと、未
反応モノマーの除去効率は向上するが、温度が高過ぎる
と、PVC粒子の熱劣化による着色を招き、品質を低下
させてしまう。従って、PVCスラリーの温度を調整す
ることが、高品質のPVCを得ることにつながる。一般
に、多孔板上を流動するスラリーの温度は、50〜15
0℃、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80
〜110℃になるように、水蒸気温度と水蒸気導入量を
調整することが望ましいまた、未反応モノマー除去処理
塔4内部の圧力は、0.2〜3Kg/cm2(abs)
に保持されていることが望ましい。
【0039】また、本発明の未反応モノマー除去装置の
塔本体40内には、少なくとも1つの温水噴射装置が設
置されている。図1の装置では、温水噴射装置としての
温水噴射リング25〜29が、パイプを所定の形に成形
し、多孔板30〜34の直下にそれぞれ設けられている
が、所定時間毎に噴射ノズルから温水を噴射し、棚板の
下面や塔内壁を洗浄する。噴射ノズルの数やノズル孔の
位置に、特に制限はないが、温水は噴射ノズルから、鉛
直線との交差角度10〜60度の範囲に噴射されるよう
に設定することが好ましい。
【0040】温水噴射装置としての温水噴射リング25
〜29のパイプの平面形状は、通常、ギリシャ文字のΩ
型もしくはΦ型または渦巻型、星形または羊腸型(九十
九折り)の様なもので、交互に中心を同じくする多重リ
ング型でも良い。温水噴射リング25〜29は、多孔棚
板と平行に設置され、塔内部に納まればよいが、塔本体
内壁に接近し過ぎると、洗い流されたPVC粒子等が間
隙を閉塞する恐れがあるので、塔内壁から内側へ20m
m以上離れる距離に、その外径がくるように設置すると
良い。温水噴射リング25〜29の外径は150〜80
00mmが好ましい。
【0041】また、温水噴射リング25〜29に設けら
れている噴射ノズル孔の形状は、円孔、長円孔、スリッ
ト等の適当なものを使用目的に応じて選択できる。ここ
で、円孔または長円孔の最大直径は通常1〜8mm、他
方、スリットの最大長も1〜8mmから選ぶことができ
る。また、温水噴射リングより噴射される温水の温度
は、未反応モノマー除去処理塔内部の温度との差が小さ
い方が好ましい。未反応モノマー除去処理塔内の温度よ
り25℃以上低い温度の温水を噴射すると、塔内の温度
が低下して未反応モノマー除去効率が低下するばかりで
なく、塔内の圧力変動を招き運転が不安定となる。ま
た、塔内温度よりも高温度の温水を噴射する場合は、塔
内で温水が気化し、塔内の圧力変動を招く。
【0042】未反応モノマー除去装置内で除去されたモ
ノマーガスと水蒸気の混合ガスは、塔頂室に連結された
ガス移送管39を経て凝縮器6に流入し、ここで水蒸気
の大部分は凝縮され、凝縮水移送管を兼ねるガス移送管
により未反応モノマー除去処理塔内に還流される。凝縮
水移送管を兼ねるガス移送管内では、塔頂室より上昇し
てくるモノマーガスと水蒸気の混合ガスと流下する凝縮
水が向流接触し、凝縮水は加温される。
【0043】凝縮器6内を過度に冷却すると凝縮水の温
度が低下して低温の凝縮水を塔頂室に還流することにな
る。これにより、塔頂室の温度が低下するとモノマーガ
スの蒸発を阻害することになり、未反応モノマーの除去
の効率が低下する。このため、凝縮器6に導入される冷
却水の流量と温度は、還流される凝縮水の温度が塔頂室
よりも著しく低くならないように調整する必要がある。
凝縮系が1基の凝縮器からなる場合は、凝縮系からガス
排出管を介して排出されるガスの温度と塔頂室内のポリ
塩化ビニル含有スラリーの温度差が20℃以下となるよ
うに調整することが好ましい。より好ましくは3〜15
℃である。また、2基以上の凝縮器からなる場合は、2
0〜80℃低い温度となるように調整するのが好まし
く、より好ましくは20〜40℃である。また、凝縮器
に導入される冷却水の温度は、10℃〜40℃が好まし
く、凝縮器から排出される際の温度が40〜99℃の範
囲となるように行うのが好ましい。
【0044】このような方法によって調整される凝縮水
と塔頂室の温度差は20℃以内が良く、好ましくは5℃
以内である。また、凝縮器6にて分離されなかったモノ
マーガス中に残る水蒸気は、凝縮器6よりも冷却温度が
低い凝縮器7にて凝縮水となる。本発明の装置を用いる
ことにより、ガス排出管より排出されるガス中の水蒸気
量は塔本体底の水蒸気導入口より導入される水蒸気の2
0重量%以下、さらに10重量%以下まで減量すること
が可能である。この凝縮器7で冷却分離された凝縮水
は、凝縮器6と7をつなぐ排ガス移送管13を経て凝縮
器6に入り、凝縮器6と塔頂室をつなぐ凝縮水移送管を
兼ねるガス移送管39を経て塔頂室へ還流される。この
間に凝縮器7にて冷却された凝縮水は加温されて塔頂室
に還流されるため塔頂室の温度を下げることがなく、未
反応モノマー除去効率を低下させる事態を招かない。
【0045】本発明の装置、方法を採用することによっ
て、凝縮系からガス排出管を介して排出される水蒸気量
は塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口より導入され
る水蒸気の20重量%以下、さらに2基以上の凝縮器を
用いる場合は、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口
より導入される水蒸気の10重量%以下、さらに好まし
くは5重量%以下とすることができる。
【0046】さらに、凝縮器6に導入された冷却水を凝
縮器6から温水タンク8に導き、温水洗浄用の温水とし
て用いることによりエネルギーのロスを防止できる。未
反応モノマー除去処理塔4によって未反応モノマーが除
去されたPVCスラリーはPVCスラリー排出口49か
ら排出され、ポンプ10に送り込まれる。本実施例によ
れば、凝縮器6と凝縮器7で凝縮水をモノマーガスと分
離し、凝縮水移送管としても機能するガス移送管39に
よって塔頂室24に還流するようにしたことにより、モ
ノマーガスを効率よく回収することができるうえ、モノ
マーを含有する凝縮水が工程外に排出されて環境を汚染
することがなく、また凝縮水を還流する場合に必要以上
に冷却された凝縮水を、未反応モノマー除去処理塔内に
戻してエネルギーロスを生じることもない。
【0047】また、未反応モノマー除去処理塔4と凝縮
器6とをつなぐガス移送管39を凝縮水移送管としても
機能するようにしたことにより、ガスの移送に伴って移
送管内を上昇してくるPVC粒子を、移送管を流下する
凝縮水で洗浄することができるので、凝縮器6へのPV
C粒子の侵入が阻止でき、凝縮器の閉塞、除熱能力の低
下を防止して安定なモノマーの除去処理が可能になる。
【0048】さらに、凝縮器6の冷却に使用した冷却水
を温水タンク8に導き、未反応モノマー除去処理塔内の
洗浄に用いることにより熱エネルギーを有効に回収利用
することも可能になる。
【0049】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。実施例および比較例で用いた評価方法は
下記の通りである。 (1)未反応モノマー濃度の測定方法 PVCスラリー排出口49より排出された未反応モノマ
ーが除去処理されたPVCスラリーをサンプリングし、
脱水して島津製作所(株)製のガスクロマトグラフ9A
(商品名)を用いたヘッドスペース法にて、塩化ビニル
ポリマー中のppb範囲の未反応塩化ビニルモノマー濃
度を測定した。条件はASTM法のD4443に準じ、
検出部にはFIDを用いた。 (2)VCM回収率の測定方法 凝縮器6に連結された未反応モノマー排出管13を経て
回収されたVCM量と供試PVCスラリー中の未反応モ
ノマー濃度等に基いて下記式によりVCMの回収率を求
めた。 VCM回収量(*)=(供給スラリー中のVCM濃度×PVC導入量) −(系外に排出される凝縮水量×凝縮水中のVCM濃度)
【0050】
【数1】
【0051】(3)凝縮水中のVCM濃度の測定方法 凝縮水を1ml採取し、テトラヒドロフランにて25m
lに希釈し、下記の条件で測定を行った。 ガスクロマトグラフ機種:島津製作所(株)製 8A 検出部 :FIDタイプ(水素炎イオン検出器) カラム :ステンレス製 3mmφ×3mm カラム充填材 :Ucon oil LB-550X 20% クロモソルブ W/AW 80−100Me カラム温度 :70℃ 気化室温度 :70℃ キャリアガス :窒素 デイスクターガス :空気 (4)ガス移送管および凝縮器内PVC粒子の侵入状況
の観察結果の評価方法 未反応モノマー除去処理塔を、延べ48時間運転後に停
止し、凝縮器7とガス移送管を分割し、PVC粒子の侵
入状況を3段階に分けて評価した。
【0052】 ○…移送管内および凝縮器内に金属光沢があり、PVC
粒子の付着がない。 △…PVC粒子の付着はあるが、水洗で容易に除去でき
る。 ×…水洗で除去できないPVC粒子の付着があり、茶色
に変色している。 実施例1 本実施例で使用した未反応モノマー除去装置は、図1〜
2に示した装置と同様の構造を有し、下記の仕様を有す
る。
【0053】 a)未反応モノマー除去処理塔 処理塔室数 : 6室 b)多孔板 塔径 :1500 mm 細孔径 : 1.3mm 開口率 : 0.3%(多孔板の全細孔面積/多孔板の面積) 区画壁 : 500 mm 処理通路幅 : 200 mm c)温水噴射装置 直径 : 900 mm 形状 :パイプ直径50A(外径60.5mm)のリング d)凝縮器 :凝縮器6:伝熱面積5m2 のスパイラル熱交換器 凝縮器7:伝熱面積12m2 のスパイラル熱交換器 重合反応終了後のPVCスラリー(平均重合度1000
の塩化ビニルホモポリマー30重量%、塩化ビニルモノ
マー27000ppmを含有)を、速やかにスラリータ
ンク1に移送し、20m3/hでポンプ2により熱交換
器3に送り、加温した後、図2のような多孔板を底面に
して構成される棚段を5段有する図1の未反応モノマー
除去処理塔4のPVCスラリー導入口48から導入し
た。該PVCスラリーは多孔板34〜30上の区画壁で
仕切られた処置通路上を流動し、多孔板の細孔から噴入
してくる水蒸気(106℃、600Kg/h)によっ
て、脱モノマー処理が行われた。多孔板上を流動するP
VCスラリーは、該水蒸気により100℃に加熱され、
流下管を通じて下段へ流れ下り、PVCスラリー排出口
49を経て未反応モノマー除去処理塔4から排出され
た。その後、ポンプ10により、PVCスラリーは熱交
換器3で50℃まで冷却され、PVCスラリータンク5
中へ導入された。
【0054】多孔板上で水蒸気と接触して、PVC樹脂
スラリー中から除去されたVCMは、水蒸気に同伴され
て塔頂まで達し、ガス移送管39から凝縮器6に導かれ
て大部分の水蒸気は、ここで凝縮され、ガス移送管39
中を水蒸気とモノマーガスの混合気体と向流接触しつつ
加温されながら塔頂室に還流される。凝縮器6で分離さ
れた僅かに水蒸気を含むモノマーガスは、排出管13を
経て凝縮器7に導かれる。ここで、凝縮器6で分離でき
なかった水蒸気が凝縮し、モノマーガスと分離される。
分離された凝縮水は、排出管13を流下し、凝縮器6に
流入する。モノマーガスは、排出管14を経て液化回収
工程へ送られた。排出管14より排出されたガス中の水
蒸気量は、導入された水蒸気量の5重量%であった。
【0055】なお、凝縮器6には30℃の水を920l
/hr通水し、排出水の温度は88℃であった。また、
処理中の塔頂室内のポリ塩化ビニルスラリーの温度は9
5℃であり、凝縮器6から排出されるガスの温度は排出
管13から求めた結果、92℃であった。凝縮器7には
28℃の水を5800l/hr通水し、排出水の温度は
55℃であった。また、処理中の塔頂室内のポリ塩化ビ
ニルスラリーの温度は95℃であり、凝縮器7から排出
されるガスの温度は排出管14から求めた結果、75℃
であった。
【0056】結果を表1に示したが、本実施例によれ
ば、未反応塩化ビニルモノマーを230ppbまで除去
できた。VCM回収率は、VCMを含む凝縮水を系外に
排出せず未反応モノマー除去処理塔に還流したため、1
00%である。また、延べ48時間運転後に、ガス移送
管および凝縮器内へのPVC粒子の侵入状況を観察した
ところ、移送管内および凝縮器内に金属光沢があり、P
VC粒子の付着がなかった。
【0057】実施例2 PVCスラリーとして、平均重合度700のホモポリマ
ー30重量%、塩化ビニルモノマー25000ppm含
有するスラリーを用い、未反応モノマー除去処理塔の室
数を8室とした以外は、上記実施例1と同様にしてPV
Cスラリーを処理した。
【0058】結果を表1に示したが、本実施例によれ
ば、未反応塩化ビニルモノマーを320ppbまで除去
することができた。VCMの回収率は、VCMを含む凝
縮水を系外に排出せず未反応モノマー除去処理塔に還流
したため、100%である。また、延べ48時間運転後
に、ガス移送管および凝縮器内へのPVC粒子の侵入状
況を観察したところ、移送管内および凝縮器内に金属光
沢があり、PVC粒子の付着がなかった。
【0059】比較例1 凝縮器7においてモノマーガスと分離された凝縮水を塔
本体に還流しなかった以外は上記実施例1と同じ仕様を
有する未反応モノマー除去装置を用い、実施例1で用い
たと同じPVCスラリーを処理した。結果を表1に示し
た。本比較例では、未反応塩化ビニルモノマーは、20
0ppbまで除去できたが、系外に凝縮水を292〔K
g/Hr〕排出し、凝縮水中の未反応モノマー濃度は、
2640ppmと非常に高かった。このため、VCMの
回収率は99.5%となった。
【0060】また、延べ48時間運転後に、ガス移送管
および凝縮器内へのPVC粒子の侵入状況を観察したと
ころ、水洗で除去できないPVC粒子の付着があり、焦
げ茶色に変色していた。 比較例2 凝縮器7においてモノマーガスと分離された凝縮水を塔
本体に還流しなかった以外は上記実施例2と同じ仕様を
有する未反応モノマー除去処理装置を用い、実施例2で
用いたと同じPVCスラリーを処理した。
【0061】結果を表1に示した。本比較例では、未反
応塩化ビニルモノマーを330ppbまで除去できた
が、系外に凝縮水を289〔Kg/Hr〕排出し、凝縮
水中の未反応モノマー濃度は、2350ppmと非常に
高かった。このため、VCMの回収率は99.4%とな
った。また、延べ48時間運転後に、ガス移送管および
凝縮器内へのPVC粒子の侵入状況を観察したところ、
水洗で容易に除去できる程のPVC粒子の付着があっ
た。
【0062】
【表1】 *〔a〕…平均重合度1000の塩化ビニルホモポリマー 未反応塩化ビニルモノマー27000ppm含有 〔b〕…平均重合度 700の塩化ビニルホモポリマー 未反応塩化ビニルモノマー25000ppm含有
【0063】
【発明の効果】
(1)本願の請求項1記載の発明によれば、重合終了後
の未反応モノマーを含むポリ塩化ビニル含有スラリーか
ら未反応モノマーの除去装置であって、筒状の塔本体の
塔頂室にガス移送管を介して前記塔本体の外部に設けら
れた凝縮装置と、該凝縮装置で凝縮された水蒸気を含む
水蒸気凝縮水を前記塔本体内に返送する凝縮水移送管、
および前記凝縮装置で凝縮されなかった未反応モノマー
を含むガスを該凝縮装置から排出する排出管を設けたこ
とにより、未反応モノマーを蒸気凝縮水と分離して効率
よく回収することができる。
【0064】(2)本願の請求項2記載の発明によれ
ば、筒状の塔本体と凝縮装置とをつなぐ、ガス移送管と
凝縮水移送管を同一の移送管としたことにより、上記発
明の効果に加え、ガスの移送にともなって移送管内を上
昇するPVC粒子を、移送管を流下する凝縮水で洗浄し
て凝縮器へのPVC粒子の侵入を阻止し、凝縮器の閉塞
および除熱能力の低下を防止し、安定なモノマー除去処
理が可能となる。
【0065】(3)本願の請求項3記載の発明によれ
ば、凝縮装置を複数の凝縮器で構成し、塔本体の塔頂室
にガス移送管を介して塔本体の外部に設けた少なくとも
一つの凝縮器と、該凝縮器で凝縮されなかった未反応モ
ノマーを含むガスを凝縮させる他の少なくとも一つの凝
縮器とをガス排出管を介して連結したことにより、上記
発明の効果に加え、未反応モノマーを工程外に排出する
ことなく液化して効率よく回収することができる。
【0066】(4)本願の請求項4記載の発明によれ
ば、凝縮装置が、該凝縮装置で冷却に用いるための水を
導入する冷却水導入管と、該冷却に使用された水を排出
する冷却水排出管とを有しており、該冷却水排出管が温
水噴射装置に連結されていることにより、上記発明の効
果に加え、冷却水を温水洗浄用の温水として用いること
ができるうえ、必要によって前記冷却水排出管と温水噴
射装置との間に温水タンクを介在させることにより、エ
ネルギーロスを防止することができる。
【0067】(5)本願の請求項5記載の発明によれ
ば、凝縮装置で、未反応モノマーと水蒸気を含む混合ガ
スを、凝縮されなかった未反応モノマーを含むガスと、
凝縮された水蒸気を含む水蒸気凝縮水とに分離すること
により、未反応モノマーを効率よく回収することができ
る。 (6)本願の請求項6記載の発明によれば、凝縮装置に
て分離した凝縮されなかった未反応モノマーを含むガス
を、該凝縮装置に設けられたガス排出管を介して、液化
回収工程へ移送することにより、未反応モノマーを液化
して効率よく回収することができる。
【0068】(7)本願の請求項7記載の発明によれ
ば、凝縮装置にて分離した凝縮された水蒸気を含む水蒸
気凝縮水を、該凝縮装置に設けられた凝縮水移送管を介
して、該塔本体の塔頂室に返送することにより、上記発
明の効果に加え、未反応モノマーを工程外に排出するこ
となく回収することができる。 (8)本願の請求項8記載の発明によれば、凝縮装置が
少なくとも1基の凝縮器からなり、塔本体に連結されて
いる該凝縮器へ冷却のために導入する水の温度と量を、
該凝縮器に設けられたガス排出管から排出されるガスの
温度と塔頂室内のスラリーとの温度差が1〜20℃の範
囲であるように調整することにより、上記発明の効果に
加え、低温の凝縮水が塔頂室に還流されるのを防止して
未反応モノマーの除去効率を高く維持することができ
る。
【0069】(9)本願の請求項9記載の発明によれ
ば、凝縮装置が2基以上の凝縮器からなり、塔本体に連
結されている凝縮器に、ガス排出管を介して連結されて
いる他の凝縮器へ冷却のために導入する水の温度と量
を、該凝縮装置に設けられたガス排出管から排出される
ガスの温度と塔頂室内のスラリーとの温度差が20〜8
0℃の範囲であるように調整することにより、凝縮装置
が2基以上の凝縮器からなる場合であっても、低温の凝
縮水が塔頂室に還流されるのを防止して未反応モノマー
の除去効率を高く維持することができる。
【0070】(10)本願の請求項10記載の発明によ
れば、凝縮されなかった未反応モノマーを含むガスが、
未反応モノマーと水蒸気を含んでおり、該水蒸気の量
を、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口より導入さ
れる水蒸気量の20重量%以下とすることにより、上記
発明の効果に加え、回収未反応モノマーの純度が向上す
る。
【0071】(11)本願の請求項11記載の発明によ
れば、凝縮されなかった未反応モノマーを含むガスが、
未反応モノマーと水蒸気を含んでおり、該水蒸気の量
を、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入口より導入さ
れる水蒸気量の10重量%以下とすることにより、上記
発明の効果に加え、回収未反応モノマーの純度がさらに
向上する。
【0072】(12)本願の請求項12記載の発明によ
れば、凝縮装置に10〜40℃の水を導入して凝縮器内
の冷却に用いた後、該冷却に使用したのちの水の温度が
40〜99℃の範囲となるように調整することにより、
上記発明の効果に加え、エネルギーロスを回避すること
ができる。 (13)本願の請求項13記載の発明によれば、冷却に
使用したのちの水を前記温水洗浄装置に移送し、該洗浄
の為の水として使用することにより、上記発明の効果に
加え、温水による洗浄効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の未反応モノマー除去処理装置の説明
図。
【図2】多孔板の模式的平面図。
【符号の説明】
1…PVCスラリータンク、2…ポンプ、3…熱交換
器、4…未反応モノマー除去処理塔、5…PVCスラリ
ータンク、6…凝縮器、7…凝縮器、8…温水タンク、
9…ポンプ、10…ポンプ、11…水蒸気噴入口、12
…排出口、13…排出管、14…排出管、15…冷却水
導入管、16…冷却水排出管、17…冷却水導入管、1
8…冷却水排出管、19…塔底室、20〜23…室、2
4…塔頂室、25〜29…温水噴射リング、30〜34
…多孔板、35〜38…流下管、39…凝縮水移送管を
兼ねるガス移送管、40…塔本体、41〜46…区画
壁、47…仕切板、48…PVCスラリー導入口、49
…PVCスラリー排出口。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合終了後の未反応モノマーを含むポリ
    塩化ビニル含有スラリーから未反応モノマーを除去する
    装置であって、該装置は、筒状の塔本体と、該塔本体内
    の垂直方向に設けられた複数の多孔板と、該多孔板をそ
    れぞれ底面としてその上に形成された複数の室と、前記
    複数の多孔板のうち最上部の多孔板の上側に設けられた
    スラリー導入部と、上方の室の多孔板から下方の室の多
    孔板へスラリーを順次流下させるように前記多孔板間に
    設けられた流下部と、塔本体の底部に設けられた水蒸気
    導入口と、塔本体の塔頂室にガス移送管を介して該塔本
    体の外部に設けられた凝縮装置と、前記複数の多孔板の
    うち最下部の多孔板の上側に設けられたスラリー排出口
    と、多孔板の直下に、少なくとも該多孔板の下面に向け
    て設けられた温水噴射装置とを有し、かつ、前記凝縮装
    置で凝縮された水蒸気を含む水蒸気凝縮水を前記塔本体
    内に返送する凝縮水移送管、および前記凝縮装置で凝縮
    されなかった未反応モノマーを含むガスを該凝縮装置か
    ら排出する排出管を設けたことを特徴とする未反応モノ
    マーの除去装置。
  2. 【請求項2】 前記筒状の塔本体と凝縮装置とをつな
    ぐ、ガス移送管と凝縮水移送管が同一の移送管であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の未反応モノマーの除去装
    置。
  3. 【請求項3】 前記凝縮装置が複数の凝縮器からなり、
    塔本体の塔頂室にガス移送管を介して該塔本体の外部に
    設けられた少なくとも一つの凝縮器が、該凝縮器で凝縮
    されなかった未反応モノマーを含むガスを該凝縮器から
    排出するために該凝縮器に設けられたガス排出管を介し
    て、他の少なくとも一つの凝縮器に連結されていること
    を特徴とする請求項1または2記載の未反応モノマーの
    除去装置。
  4. 【請求項4】 前記凝縮装置が、該凝縮装置で冷却に用
    いるための水を導入する冷却水導入管と、該冷却に使用
    された水を排出する冷却水排出管とを有しており、該冷
    却水排出管が、前記温水噴射装置に連結されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の未反応モ
    ノマーの除去装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の装置を
    用いて重合終了後の未反応モノマーを含むポリ塩化ビニ
    ル含有スラリーから未反応モノマーを除去する際に、前
    記凝縮装置で、未反応モノマーと水蒸気を含む混合ガス
    を、凝縮されなかった未反応モノマーを含むガスと、凝
    縮された水蒸気を含む水蒸気凝縮水とに分離することを
    特徴とする未反応モノマーの除去方法。
  6. 【請求項6】 前記凝縮装置にて分離した、凝縮されな
    かった未反応モノマーを含むガスを、該凝縮装置に設け
    られたガス排出管を介して、液化回収工程へ移送するこ
    とを特徴とする請求項5記載の未反応モノマーの除去方
    法。
  7. 【請求項7】 前記凝縮装置にて分離した、凝縮された
    水蒸気を含む水蒸気凝縮水を、該凝縮装置に設けられた
    凝縮水移送管を介して、塔本体の塔頂室に返送すること
    を特徴とする請求項5または6記載の未反応モノマーの
    除去方法。
  8. 【請求項8】 前記凝縮装置が少なくとも1基の凝縮器
    からなり、塔本体に連結されている該凝縮器へ冷却のた
    めに導入する水の温度と量を、該凝縮器に設けられたガ
    ス排出管から排出されるガスの温度と塔頂室内のスラリ
    ーとの温度差が1〜20℃の範囲であるように調整する
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の未反
    応モノマーの除去方法。
  9. 【請求項9】 前記凝縮装置が2基以上の凝縮器からな
    り、塔本体に連結されている凝縮器に、ガス排出管を介
    して連結されている他の凝縮器へ冷却のため導入する水
    の温度と量を、該凝縮器に設けられたガス排出管から排
    出されるガスの温度と塔頂室内のスラリーとの温度差が
    20〜80℃の範囲であるように調整することを特徴と
    する請求項5〜7のいずれかに記載の未反応モノマーの
    除去方法。
  10. 【請求項10】 前記凝縮されなかった未反応モノマー
    を含むガスが、未反応モノマーと水蒸気を含んでおり、
    該水蒸気の量が、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入
    口より導入される水蒸気量の20重量%以下であること
    を特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の未反応モ
    ノマーの除去方法。
  11. 【請求項11】 前記凝縮されなかった未反応モノマー
    を含むガスが、未反応モノマーと水蒸気を含んでおり、
    該水蒸気の量が、塔本体の底部に設けられた水蒸気導入
    口より導入される水蒸気量の10重量%以下であること
    を特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の未反応モ
    ノマーの除去方法。
  12. 【請求項12】 前記凝縮装置に10〜40℃の水を導
    入して凝縮器内の冷却に用いた後、該冷却に使用したの
    ちの水の温度が40〜99℃の範囲となるように調整す
    ることを特徴とする請求項5〜11のいずれかに記載の
    未反応モノマーの除去方法。
  13. 【請求項13】 前記冷却に使用したのちの水を前記温
    水洗浄装置に移送し、該洗浄の為の水として使用するこ
    とを特徴とする請求項5〜12のいずれかに記載の未反
    応モノマーの除去方法。
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