JP2002265041A - ラテックスの移送方法 - Google Patents

ラテックスの移送方法

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JP2002265041A JP2001060718A JP2001060718A JP2002265041A JP 2002265041 A JP2002265041 A JP 2002265041A JP 2001060718 A JP2001060718 A JP 2001060718A JP 2001060718 A JP2001060718 A JP 2001060718A JP 2002265041 A JP2002265041 A JP 2002265041A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラテックスの移送時における凝固物の生
成を防止するとともに、移送後の重合反応槽、回収槽さ
らにはその他の槽の槽壁への残存ラテックスの乾燥に伴
う付着物の生成を効率的に防止することを目的とする。 【解決手段】 乳化重合体ラテックスを、加圧したスチ
ーム又はスチームと不活性ガスの圧力により移送するこ
とを特徴とするラテックスの移送方法。特にスチーム又
はスチームと不活性ガスのゲージ圧力は50kPa以上
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乳化重合体ラテック
スの移送方法に関するものであり、さらに詳しくは、ラ
テックスの移送時における凝固物の生成を防止するとと
もに、移送後の重合反応槽、回収槽さらにはその他の槽
の槽壁への残存ラテックスの乾燥に伴う付着物の生成を
効率的に防止することのできるラテックスの移送方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】乳化重合体ラテックスは多くの場合、乳
化重合によって製造され、そのままのラテックス状態で
塗料、紙塗工、繊維加工等、広範囲に使用されている。
また、一方では、プラスチックやゴムの製造段階におい
ても乳化重合を用いる場合が多く、その際は中間製品と
してラテックス状態で取扱われ、塩析等の工程を経て最
終製品に加工される。これらの用途に供されるラテック
スは、一般に反応槽において重合され、必要に応じて回
収槽で未反応単量体の除去が実施されるが、それぞれの
工程の終了後に次の槽や貯蔵用タンクまたは出荷用タン
クローリー等へ移送される。この移送に関し、従来の方
法では凝固物の生成や槽壁へのラテックス残存に伴う付
着物の生成等、生産を阻害する問題点があった。すなわ
ち、ラテックスを移送する手段としては、ポンプが一般
的に使用されるが、その際の機械的剪断力によりラテッ
クスが破壊されて多量の凝固物が生成し、その凝固物除
去のための工程が必要となったり、またラテックス収率
の低下を来たす等の問題があった。このような重合反応
槽や回収槽及びまたはその他の槽においては、特に粘度
の高いラテックスの場合に顕著に現れるが、移送後に槽
壁へ残存したラテックスがそのまま乾燥して付着物とな
って堆積し、その結果反応時の除熱が問題となったり、
またその付着物が剥がれ落ちて製品に混入し、製品の品
質に悪影響を及ぼしたり、さらには配管等において閉塞
等の問題が発生したりする。そのため、移送終了後に水
を壁面に噴射し、ラテックスを洗い流す方法が行われる
が、大型槽の場合は洗浄効率が悪かったり、不要の廃水
が多量に排出され、その処理が新たな負担となる等の問
題がある。以上のように、移送は乳化重合体ラテックス
を製造する上で必要不可欠な工程ではあるが、現状は効
率、費用等の点で必ずしも十分な方法で実施されている
とは言えないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ラテックス
の移送時における凝固物の生成を防止するとともに、移
送後の重合反応槽、回収槽さらにはその他の槽の槽壁へ
の残存ラテックスの乾燥に伴う付着物の生成を効率的に
防止することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、加圧したスチ
ームを利用することにより、ラテックスの移送に際し凝
固物の生成や乾燥による壁面への付着物生成を防止でき
るという事実を見い出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は乳化重合体ラテックス
を、加圧したスチーム又はスチームと不活性ガスの圧力
により移送することを特徴とするラテックスの移送方法
を提供するものであり、この方法を採用することによ
り、前述の問題点を発生させることなくラテックスを効
率的に移送することが可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における乳化重合体ラテックスとしては、特に制
限はなく、例えば、ポリブタジエンラテックス、スチレ
ン−ブタジエン系共重合体ラテックス、アクリロニトリ
ル−ブタジエン系共重合体ラテックス、メチルメタクリ
レート−ブタジエン系共重合体ラテックス等のブタジエ
ンゴム系ラテックス、アクリル系ゴムラテックス、エチ
レン−プロピレン系ゴムラテックス、アクリロニトリル
−スチレン系共重合体ラテックス、スチレン−メチルメ
タアクリレート系共重合体ラテックス、アクリロニトリ
ル−スチレン−メチルメタアクリレート系共重合体ラテ
ックス等の樹脂ラテックス、また、上記ブタジエンゴム
系ラテックス、アクリル系ゴムラテックス、エチレン−
プロピレン系ゴムラテックス等のゴムラテックスにスチ
レン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等の樹
脂形成性モノマーを重合してなるグラフト重合体ラテッ
クス等が挙げられるが、乳化重合によって製造されたラ
テックスであれば、すべてのラテックスに対して適用す
ることができる。また、固体のゴム状重合体を溶媒に溶
解し、乳化剤及び脱イオン水を加えて強制攪拌等により
乳化して製造したラテックスも含め、すべてのラテック
スの移送に適用することができる。
【0007】本発明においては、ラテックスを移送する
際に加圧したスチームを用いることが必須である。加圧
したスチームを用いて移送することにより、ラテックス
に機械的剪断力が加わらず凝固物の生成を防止すること
ができるとともに、スチームが凝縮する際に槽の壁面を
凝縮にて生成した水が流れ落ち、壁面へのラテックスの
残存を防止し、それが乾燥して付着物となるのを防止す
る効果を発揮する。
【0008】また、必要に応じ窒素等の不活性ガスを併
用することも可能である。不活性ガスを併用することに
より、スチームが凝縮する際に発生する水の量を調節す
ることができ、ラテックス中の固形分の低下を緩和でき
る。不活性ガスを併用する際のスチームと不活性ガスの
使用割合としては、スチーム10〜100容量%及び不
活性ガス90〜0容量%であることが好ましく、スチー
ム10〜99容量%及び不活性ガス90〜1容量%であ
ることが最も好ましい。不活性ガスの使用割合が90容
量%を超えると、スチームの凝縮による壁面の洗浄効果
が低下するため好ましくない。
【0009】スチームでの移送に関しては、その方法に
特に制限はなく、例えば移送の最初から最後までスチー
ムで加圧する方法や、移送の途中からスチームを使用す
る方法等任意の方法で移送することができる。また、ス
チームと不活性ガスを併用する場合においては、移送の
初期段階において不活性ガスを使用し途中からスチーム
を使用する方法や、スチームと不活性ガスを同時に使用
する方法等、任意の方法で移送することができる。
【0010】さらに加圧するための圧力や添加速度につ
いても任意の圧力に設定可能であり、ラテックスの性状
や槽の容量・材質等に応じて適正な圧力や速度とするこ
とができる。特に、加圧したスチーム又はスチームと不
活性ガスのゲージ圧力については、50kPa以上であ
ることが好ましい。50kPa未満では、配管抵抗によ
る圧損の為、移送圧力が不充分となり、送液に時間を要
す、又は全量を送液することが出来ず残液が発生する等
の要因となるので好ましくない。
【0011】上記ラテックスの移送に際しての具体的な
実施態様としては、通常、乳化重合体ラテックスが重合
される重合反応槽や回収槽、さらにはその他の槽(例え
ば濃縮槽、混合槽、副原料添加タンクや一時貯蔵タン
ク)からの移送に適用することができる。具体的には、
重合反応槽から回収槽への移送又は回収工程が不要な場
合には重合反応槽からその他の槽や貯蔵タンク等への移
送、また回収槽からその他の槽や貯蔵タンク等への移
送、さらにはその他の槽から貯蔵タンク等への移送など
が挙げられる。ここで貯蔵タンク等としては、貯蔵タン
クのみならず、最終出荷のためのタンクローリーやタン
カーへの移送も含めることができる。なお、本発明にお
いてはラテックスの移送であればよく、上記実施態様に
限られるもではない。また、これら槽の材質についても
特に制限はなく、ステンレス等の金属槽やその上にガラ
スライニングを施したいわゆるGL槽等あらゆる材質の
槽において効果を発揮する。また、本発明のラテックス
の移送方法においては、特に重合反応槽、回収槽その他
の槽として30m3以上の大型槽においてその効果が顕
著に表れるものであり、好ましい実施態様である。
【0012】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に限定されるものではない。
【0013】[実施例1]SUS316製40m3の重
合反応槽を使用し、公知の方法によってポリブタジエン
ラテックスの乳化重合を行なった。得られたラテックス
は固形分50%、数平均粒子径は0.3μであった。ま
た、ラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通
過し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計
量)を測定したところ、全固形分に対し0.01%であ
った。反応終了後、250kPaに加圧したスチームを
用い、反応槽内の圧力を200〜250kPaに保ちつ
つ1時間かけてラテックスを未反応モノマー回収槽に移
送した。移送完了後反応槽内を減圧にして残存ブタジエ
ンガスを除去した後、槽壁の状況を目視観察した結果、
ラテックスの残存は全く認められず、若干存在した付着
物も容易に除去することできた。また、回収槽に移送さ
れたラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通
過し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計
量)を測定したところ、全固形分に対し0.01%であ
り、反応終了時点でのラテックス中の微小凝固物量から
の増加は認められなかった。
【0014】[実施例2]重合反応槽として、40m3
のGL槽を用いた以外は、実施例1と同様の方法で乳化
重合を行い、固形分50%、数平均粒子径0.3μ、及
びラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通過
し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計
量)0.01%のポリブタジエンラテックスを得た。反
応終了後、実施例1と同様にラテックスの移送を行っ
た。移送完了後、重合反応槽内を減圧にして残存ブタジ
エンガスを除去した後、槽壁の状況を目視観察した結
果、実施例1と同様にラテックスの残存は全く認められ
ず、若干存在した付着物も容易に除去できた。また、回
収槽に移送されたラテックス中の微小凝固物(60メッ
シュ金網を通過し、300メッシュ金網上に残存する残
渣を乾燥後計量)を測定したところ、全固形分に対し
0.01%であり、反応終了時点でのラテックス中の微
小凝固物量からの増加は認められなかった。
【0015】[実施例3]実施例1において、ラテック
スを移送する方法を下記のように変更した以外は同一の
操作を実施した。即ち、ラテックス全容量の30%を2
50kPaに加圧した窒素を用いて移送した後、残り7
0%を250kPaに加圧したスチームに切り替えて全
体で1時間かけて移送した。その際、移送開始から完了
まで反応槽内の圧力は200〜250kPaに保った。
移送完了後、重合反応槽内を減圧にして残存ブタジエン
ガスを除去した後、槽壁の状況を目視観察した結果、実
施例1と同様にラテックスの残存は全く認められず、若
干存在した付着物も容易に除去できた。また、回収槽に
移送されたラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金
網を通過し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾
燥後計量)を測定したところ、全固形分に対し0.01
%であり、反応終了時点でのラテックス中の微小凝固物
量からの増加は認められなかった。
【0016】[実施例4]実施例1において、ラテック
スを移送する方法を下記のように変更した以外は同一の
操作を実施した。即ち、ラテックスの移送に際し、25
0kPaに加圧したスチームと、同じく250kPaに
加圧した窒素とを開始から完了まで併用して全体で1時
間かけて移送した。その際、反応槽内の圧力は200〜
250kPaに保った。移送完了後、重合反応槽内を減
圧にして残存ブタジエンガスを除去した後、槽壁の状況
を目視観察した結果、実施例1と同様にラテックスの残
存は全く認められず、若干存在した付着物も容易に除去
できた。また、回収槽に移送されたラテックス中の微小
凝固物(60メッシュ金網を通過し、300メッシュ金
網上に残存する残渣を乾燥後計量)を測定したところ、
全固形分に対し0.01%であり、反応終了時点でのラ
テックス中の微小凝固物量からの増加は認められなかっ
た。
【0017】[比較例1]実施例1と同一の乳化重合法
により、同一のポリブタジエンラテックスを得た。その
後、ラテックスを重合反応槽から未反応モノマー回収槽
への移送に際しポンプを使用し、移送中の重合反応槽内
圧力を一定に保つために窒素を必要量重合反応槽内へ供
給した。移送完了後、重合反応槽内を減圧にして残存ブ
タジエンガスを除去した後、槽壁の状況を目視観察した
結果、残存ラテックスの乾燥に起因すると考えられるフ
ィルム状の付着がほぼ全面に存在し、厚い部分では一部
ラテックスの残存も認められた。また、回収槽に移送さ
れたラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通
過し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計
量)を測定したところ、全固形分に対し0.5%と反応
終了時点でのラテックス中の微小凝固物量から大幅に増
加した。
【0018】[比較例2]実施例1と同一の乳化重合法
により、同一のポリブタジエンラテックスを得た。その
後、ラテックスを重合反応槽から未反応モノマー回収槽
への移送に際し、250kPaに加圧した窒素のみを用
いて移送した。移送完了後、重合反応槽内を減圧にして
残存ブタジエンガスを除去した後、槽壁の状況を目視観
察した結果、残存ラテックスの乾燥に起因すると考えら
れるフィルム状の付着がほぼ全面に存在し、厚い部分で
は一部ラテックスの残存も認められた。また、回収槽に
移送されたラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金
網を通過し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾
燥後計量)を測定したところ、全固形分に対し0.01
%であり、微小凝固物量増加は認められなかった。
【0019】[実施例5]SUS316製40m3の重
合反応槽を使用し、実施例1で得られたポリブタジエン
ラテックスをベースにスチレン及びアクリロニトリルを
用い、公知の乳化重合法により、グラフト重合体ラテッ
クスを得た。得られたラテックスは固形分40%、グラ
フト重合体の重量比はポリブタジエン/スチレン/アク
リロニトリル=50/35/15であった。また、ラテ
ックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通過し、3
00メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計量)を測
定したところ、全固形分に対し0.05%であった。反
応終了後、250kPaに加圧したスチームを用い、重
合反応槽内の圧力を200〜250kPaに保ちつつ1
時間かけてラテックスを未反応モノマー回収槽に移送し
た。移送完了後、重合反応槽の槽壁の状況を目視観察し
た結果、ラテックスの残存は全く認められず、若干存在
した付着物も容易に除去できた。また、回収槽に移送さ
れたラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通
過し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計
量)を測定したところ、全固形分に対し0.05%であ
り、反応終了時点でのラテックス中の微小凝固物量から
の増加は認められなかった。
【0020】[実施例6]SUS316製40m3の重
合反応槽を使用し、公知の乳化重合法によりカルボキシ
変性スチレン−ブタジエン共重合体(重量比:アクリル
酸/スチレン/ブタジエン=3/60/35)ラテック
スを得た。得られたラテックスは固形分50%、数平均
粒子径は0.15μであった。また、ラテックス中の微
小凝固物(60メッシュ金網を通過し、300メッシュ
金網上に残存する残渣を乾燥後計量)を測定したとこ
ろ、全固形分に対し0.01%であった。反応終了後、
250kPaに加圧したスチームを用い、重合反応槽内
の圧力を200〜250kPaに保ちつつ1時間かけて
ラテックスを未反応モノマー回収槽に移送した。移送完
了後、重合反応槽内を減圧にして残存ブタジエンガスを
除去した後、槽壁の状況を目視観察した結果、ラテック
スの残存は全く認められず、若干存在した付着物も容易
に除去できた。また、回収槽に移送されたラテックス中
の微小凝固物(60メッシュ金網を通過し、300メッ
シュ金網上に残存する残渣を乾燥後計量)を測定したと
ころ、全固形分に対し0.01%であり、反応終了時点
でのラテックス中の微小凝固物量からの増加は認められ
なかった。
【0021】[比較例3]実施例5と同一の乳化重合法
により、同一のグラフト重合体を得た。その後、ラテッ
クスを重合反応槽から未反応モノマー回収槽への移送に
際し、250kPaに加圧した窒素のみを用いて移送し
た。移送完了後、重合反応槽内を減圧にして残存ブタジ
エンガスを除去した後、槽壁の状況を目視観察した結
果、残存ラテックスの乾燥に起因すると考えられるフィ
ルム状の付着がほぼ全面に存在し、厚い部分では一部ラ
テックスの残存も認められた。また、回収槽に移送され
たラテックス中の微小凝固物(60メッシュ金網を通過
し、300メッシュ金網上に残存する残渣を乾燥後計
量)を測定したところ、全固形分に対し0.05%であ
り、微小凝固物量増加は認められなかった。
【0022】[比較例4]実施例6と同一の乳化重合法
により、同一のカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共
重合体ラテックスを得た。その後、ラテックスを重合反
応槽から未反応モノマー回収槽への移送に際し、250
kPaに加圧した窒素のみを用いて移送した。移送完了
後、重合反応槽内を減圧にして残存ブタジエンガスを除
去した後、槽壁の状況を目視観察した結果、残存ラテッ
クスの乾燥に起因すると考えられるフィルム状の付着が
ほぼ全面に存在し、厚い部分では一部ラテックスの残存
も認められた。また、回収槽に移送されたラテックス中
の微小凝固物(60メッシュ金網を通過し、300メッ
シュ金網上に残存する残渣を乾燥後計量)を測定したと
ころ、全固形分に対し0.01%であり、反応終了時点
でのラテックス中の微小凝固物量からの増加は認められ
なかった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、乳化共重合体ラ
テックスの移送に際し、凝固物や槽壁への付着の発生を
著しく抑制することができ、かつ、それに付随して必然
となるこれら付着物等の除去工程が不要もしくは極めて
その頻度を低減することが可能であり、工業生産上きわ
めて有利となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F047 AA11 CC00 3J071 AA14 BB05 BB11 DD01 DD36 FF16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化重合体ラテックスを、加圧したスチー
    ム又はスチームと不活性ガスの圧力により移送すること
    を特徴とするラテックスの移送方法。
  2. 【請求項2】スチームと不活性ガスの使用割合が、スチ
    ーム10〜100容量%及び不活性ガス90〜0容量%
    である請求項1記載のラテックスの移送方法。
  3. 【請求項3】スチーム又はスチームと不活性ガスのゲー
    ジ圧力が、50kPa以上である請求項1〜2記載のラ
    テックスの移送方法。
  4. 【請求項4】乳化重合体ラテックスの移送が、次の
    (1)〜(3)から選ばれる移送である請求項1〜3記
    載のラテックスの移送方法。 (1)重合反応槽から回収槽、その他の槽又は貯蔵用タ
    ンク等への移送 (2)回収槽からその他の槽又は貯蔵用タンク等への移
    送 (3)その他の槽から貯蔵用タンク等への移送
  5. 【請求項5】重合反応槽、回収槽、その他の槽が30m
    3以上の大型槽である請求項4記載のラテックスの移送
    方法。
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