JP2000053707A - 気相重合装置 - Google Patents

気相重合装置

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JP2000053707A
JP2000053707A JP10224893A JP22489398A JP2000053707A JP 2000053707 A JP2000053707 A JP 2000053707A JP 10224893 A JP10224893 A JP 10224893A JP 22489398 A JP22489398 A JP 22489398A JP 2000053707 A JP2000053707 A JP 2000053707A
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Japan
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polymer
gas
gas phase
discharge pipe
phase polymerization
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JP10224893A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Kikuchi
義明 菊池
Norio Hattori
典夫 服部
Toshihiro Okano
俊博 岡野
Tomohiro Arase
智洋 荒瀬
Ryoichi Yamamoto
良一 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 気相重合装置の沈降設備からガスを抜くため
の接続管の内壁面に粉状ポリマーの塊ができないように
するとともに気相重合装置の部品点数を減らすこと。 【解決手段】 気相重合装置の沈降タンクからガスを抜
くためのポリマー排出管12が、次の(1)式または
(2)式の条件を満たすように設定する。 L/D≧2……………………………………………………
…(1) Q/S≦4000m3/m2・hr…………………………
…(2) ただし、Lはポリマー排出管12の水平部12aの長さ
寸法,Dはポリマー排出管12の口径寸法(内径寸
法),Qはポリマー排出管12の嵩密度,Sはポリマー
排出管12の断面積。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気相重合装置、詳し
くはポリマーの原料でかつ気相状態にあるモノマーまた
は/およびコモノマーを、固体状重合触媒、および必要
に応じてその他の重合に必要な気相の共存下で重合反応
させることによって、粉状のポリマー(以下特に断わら
ない限り「粉状ポリマー」という。)を生成する気相重
合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最も一般的な気相重合装置としては、気
相重合器にガス分散板を有する流動床型がある。
【0003】この流動床型気相重合装置では、モノマー
またはモノマーを含有するガス(以下、特に断わらない
限り、これらを総称して単に「ガス」という。)をコン
プレッサまたはブロアにより導入管を用いて気相重合器
の下部に導入し、次で気相重合器の下部に配置されかつ
多数の孔を有するガス分散板により前記導入されたガス
を気相重合器内で均一に分散する。
【0004】この均一に分散されたガスは、気相重合器
内を上昇し、このときのガス上昇流によって、既に重合
反応によって生成された粉状ポリマーや固体状重合触媒
等の粉体を流動化させつつ一定の流動床(流動層)を形
成する。この流動床において、気相であるモノマーと固
体状重合触媒等の粉体とが接触することで重合し、粉状
ポリマーを生成する。なお、流動床の厚さは、ガスの流
動等によってコントロールできる。
【0005】また、気相重合器の上部には、気相重合器
からガスを排出するガス排出管が接続されている。前記
ガス導入管およびこのガス排出管は、気相重合器に対し
てガスを循環させるための気相循環系(例えば環状管
路)を形成する。
【0006】この気相循環系には、例えばコンプレッサ
やブロア等のガス循環機が備えられている。ガス循環機
は、気相循環系を介して気相重合器にガスを流動させる
装置であって、気相重合器において未反応の状態にあっ
てそこから抜き出された抜き出しガスや必要に応じて新
たに供給されるガスを気相重合器に送る装置である。
【0007】一方、気相重合器で重合に供されなかった
ガスは、ガス排出管を介して気相重合器から排出され、
その後、前記気相循環系を回ってガス導入管から再度気
相重合器に送り込まれ、再び重合反応に供される。
【0008】なお、ポリマーの原料であるモノマー,コ
モノマー,固体状重合触媒等は当然ながら気相循環系に
補給され、重合反応による減少分が補われるようになっ
ている。
【0009】ここで供給されるモノマー,コモノマーを
含有するガスや循環ガスは、流動層を形成できればよ
く、一部液相を含有していてもよい。特に反応熱が大な
る場合は、プロパン、プタン等の重合には不活性ではあ
るが、易揮発、凝縮性の媒体を含んでいてもよい。
【0010】また、気相重合器には、気相重合器で生成
済みの粉状ポリマーを気相重合器の外部に排出するため
のポリマー排出管が備えられている。ポリマー排出管
は、このポリマー排出管を介して気相重合器から排出さ
れて来る前記粉状ポリマーを沈降状態で一時的に貯留し
ておく沈降設備と接続されている。
【0011】沈降設備とは、沈降タンク,沈降ドラム等
の容器のことであり、以後特に断わらない限り、沈降設
備のことを総称して沈降タンクと称する。沈降タンクに
移送されて来る粉状ポリマーには、未反応モノマーその
他の重合反応に供されなかったガス(固体状重合触媒等
の粉体を含む。)を伴う。このため、沈降タンクには、
粉状ポリマーの他に、前記未反応モノマーその他のガス
も入ることになる。
【0012】沈降タンクに入った前記粉状ポリマーおよ
びガスは、沈降タンクに沈降する粉状ポリマーの層とそ
の上に溜るガスの層とに分けられる。前記ガスの層に係
るガスは、重合に供することができるガスである。この
ため、沈降タンクの上部は、ガス抜き用接続管を介して
気相重合器と接続されるようになっており、このガス抜
き用接続管を経由して前記ガスの層に係るガスは気相重
合器に戻されて再び利用される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、沈降タンク
からガス抜き用接続管を経由して気相重合器に戻される
ガスには、少量ではあるが粉状ポリマーを伴う。そし
て、この粉状ポリマーが、ガス抜き用接続管の内壁面、
殊にはガス抜き用接続管のうち粉状ポリマーが重力によ
って落下しにくい水平に配管された部分の内壁面に付着
する場合がある。すると、そこで成長して大きな塊とな
り、ガス抜き用接続管を塞いでしまう虞れがある。その
場合には、ガス抜き用接続管を洗浄して詰まりを解消し
なければならず面倒である。しかも、洗浄中は、装置の
稼働は停止されるので、生産性の低下を招来してしま
う。
【0014】また、装置の部品点数を減らすことが望ま
れていた。本発明は、かかる従来の問題点を解決するた
めのものであって、上記した粉状ポリマーの塊ができな
いようにすることと、装置の部品点数を減らすことを技
術的課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の気相重合装置
は、固体状重合触媒を用いる気相重合器で生成される粉
状のポリマーを前記重合器において反応に供されなかっ
た少なくとも一部の気相と共に前記気相重合器から排出
するポリマー排出管と、このポリマー排出管に直接また
は間接に接続され、かつポリマー排出管を介して排出さ
れて来る前記粉状のポリマーを沈降させる沈降設備と、
を備えた気相重合装置において、前記一部の気相を伴う
粉状のポリマーが前記気相重合器から前記沈降設備に流
れ至るまでの領域で、粉状のポリマーと気相とに分離し
てポリマー層および気相層を形成し、ポリマー層に含有
される気相が前記気相に対して0〜20vol%となる
まで固気分離する大きさの口径を有するポリマー分離部
を前記領域内に設けたことを特徴とする。
【0016】ここでいう気相には、気相重合器で重合に
供されず気相重合器から一旦抜き出されてから再利用さ
れる気相の他、必要に応じて新たに供給される気相(通
常、重合反応による減少分に相当する気相)および固体
状重合触媒等、重合に供される粉体をも含むものとす
る。なお、新たに供給される気相は、流動床を形成でき
ればよく、一部液相を含有していてもよい。また、反応
熱が大なる場合は、プロパン,プタン等の重合には不活
性ではあるが、易揮発,凝縮性の媒体を含んでいてもよ
い。
【0017】このように構成された本発明の気相重合装
置にあっては、気相重合器で重合反応に供されなかった
気相のうちの一部の気相を伴う粉状のポリマーが気相重
合器から沈降設備に流れ至るまでの領域で、前記一部の
気相を伴う粉状のポリマーが粉状のポリマーと気相とに
分離してポリマー層および流動状気相層を形成するの
で、ポリマー層に係る粉状のポリマーは気相含有率が極
めて低いものとなる。なお、ポリマー層の流れ方向に対
し、気相層に係る気相の流れ方向は、逆である。すなわ
ち、流動状ポリマー層が、ポリマー排出管を介して、気
相重合器側から沈降設備側へ流れるのに対して、流動状
気相層に係る気相は、固気分離に伴いポリマー流から気
相に移動し、その後ポリマー排出管を介して沈降タンク
側から気相重合器側へ流れる。
【0018】このため、沈降設備には、ポリマー層中に
含有される気相がポリマーから分離された気相に対して
0〜20vol%、好ましくは0〜10vol%とする
ことができ、流動状ポリマー層に係る気相含有率の低い
粉状のポリマーが流れ込むようになる。
【0019】また、前記領域は、ポリマー排出管である
ことが望ましく、ポリマー排出管にポリマー分離部を設
けることがさらに望ましい。前記沈降設備に流れ及んだ
粉状のポリマーは、前記のように含有率は低くても気相
が含まれる。このため、沈降設備においても粉状のポリ
マーが沈降し、ポリマー層と気相層とに分離して、ポリ
マー層の上に気相層ができる。
【0020】そして、沈降設備において分離した気相層
に係る気相は、前記ポリマー排出管における流動状気相
層に引き込まれ、ポリマー排出管を経由して気相重合器
に戻される。すなわち、ポリマー排出管は、従来技術で
述べたガス抜き用接続管を兼ねている。
【0021】したがって、本発明に係る気相重合装置に
あってはガス抜き用接続管が必要ないので、それだけ部
品点数が少なくて済む。そして、本発明に係る気相重合
装置のポリマー排出管には、口径が十分大きく設定され
たポリマー分離部が設けられているので、すなわち、流
動状ポリマー層の流れの影響で、流動状気相層に係る気
相が流動状ポリマー層に係るポリマーと共に流れないよ
うに、流動状ポリマー層と流動状気相層とが離れ得る程
の大きさの口径を有するポリマー分離部が設けられてい
るので、ポリマー排出管には大量のポリマーが流れ得
る。このため、ポリマー排出管は、その内壁面が常に粉
体であるポリマーによって洗われるので、ポリマー排出
管がポリマーによって詰まってしまうことがない。
【0022】さらに、本発明に係るポリマー分離部は水
平に設けられていることが望ましい。このようにするこ
とで、前記したポリマー分離部の大口径化による効果と
相挨って、ポリマー排出管のうち粉状ポリマーが重力落
下しにくい水平配管部分における内壁面への粉状ポリマ
ーの付着を有効に防止できる。
【0023】そして、前記ポリマー排出管を流れる前記
粉状のポリマーの体積流出速度を0.5m/sec以下に
設定することが好ましい。本発明者の実験によれば、ポ
リマーの体積流出速度を前記値に設定することで、流動
状ポリマー層および流動状気相層の分離が容易となり、
また、気相がポリマー排出管内を気相重合器に向けて戻
り易くなることが判っている。
【0024】また、ポリマー排出管が、次の(1)式ま
たは(2)式の条件を満たすように設定することが好適
である。 L/D≧2………………………………………………………(1) Q/S≦4000m3/m2・hr……………………………(2) ただし、Lはポリマー排出管の水平部の長さ寸法,Dは
ポリマー排出管の内口径寸法,Qはポリマー排出管入口
での体積流量(m3/hr)、Sはポリマー排出管の断
面積(m2)である。なお、前記(2)式は、好適には
Q/S≦2000m3/m2・hrの関係がよい。
【0025】なお、気相循環系とは、気相重合器のガス
排出口、除熱器、ブロアまたはコンプレッサ、気相重合
器のガス導入口およびこれらを直接または間接に接合す
る配管よりなるものをいう。上記したガス排出口からガ
ス導入口までの間の部分に前記以外の設備、例えばドレ
ーンポット等を加えてもよい。また、前記設備の配置や
数は、必要に応じて自由に設定することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の気相重合装置を図
示した実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1は、
本発明に係る気相重合装置を説明するための概略図であ
る。
【0027】気相重合装置1は、内部にガス分散板2を
有する気相重合器3を備えている。気相重合器3は、ポ
リマーの原料でありかつ気相状態にあるモノマーを、固
体状重合触媒を用いかつ気相で重合反応させることによ
って、粉状ポリマー4(図2参照)を生成する容器であ
る。なお、必要に応じてコモノマーも用いられる。
【0028】気相重合器3の下部にはガス導入管5が、
また上部にはガス排出管7が備えられ、これらガス排出
管7とガス導入管5とは接続されている。そして、これ
らガス排出管7とガス導入管5とを含み、かつ気相重合
器3で重合反応に供されなかった未反応モノマーその他
の重合反応に供されなかったガス(固体状重合触媒等の
粉体を含む。)を循環させる系が、気相循環系9であ
る。
【0029】この気相循環系9を循環するガス(固体状
重合触媒等の粉体を含む。)および新たに供給されるモ
ノマーを含むガスによって、気相重合器3内に流動床1
0(図2参照)が形成される。
【0030】気相循環系9には、ガス導入管5とガス排
出管7との間に設置された、除熱器9aとガス流動装置
としての循環ガスブロア(またはコンプレッサ)9bが
含まれる。除熱器9aによって重合反応で発生した反応
熱を除去しながら、循環ガスブロア9bによって気相循
環系9内をガスが繰り返し循環する。
【0031】なお、モノマー,その他の重合に必要なガ
ス(固体状重合触媒等の粉体を含む。)の供給は、気相
循環系9の適所(例えば、図1ので示す箇所)から行
われる。
【0032】また、必要に応じて供給されるコモノマー
は、例えば前記図1のまたはで示す箇所から為され
る。また、気相重合器3の下方では、気相重合器3の下
部に設けた、例えばボール弁11を備えたポリマー排出
管12を介して沈降タンク13が接続されている。
【0033】ポリマー排出管12は、気相重合器3で重
合反応によって生成された粉状ポリマー4を前記重合反
応に供されなかったガスのうちの一部のガスと共に気相
重合器3の外部、すなわち沈降タンク13に排出するた
めのものであるとともに、前記一部のガスを伴う粉状ポ
リマー4(図2の気相重合器3に梨字で示した部分)
が、気相重合器3から沈降タンク13に流れ至るまでの
領域でもある。
【0034】この実施の形態では、ポリマー排出管12
は、図2からよくわかるように、水平部12aと傾斜部
12bと垂直部12cとからなり、Lの字を倒立させた
ごとき形状をしている。
【0035】水平部12aは、ポリマー分離部としての
機能を有する。すなわち、水平部12aは、そこで前記
粉状ポリマーが沈降する(または、粉状ポリマーに含ま
れている気相がポリマー分離部内をまっすぐ上昇する)
ことで、前記一部の気相を伴う粉状ポリマー4が、粉状
ポリマー4’とガス15(図2参照)とに分離して、ポ
リマー排出管12内に流動状ポリマー層4A(図2のポ
リマー排出管12に梨字で示した部分)および流動状気
相層15A(図2のポリマー排出管12に点線の集合で
示した部分)を形成する。
【0036】また、水平部12aの口径は、流動状ポリ
マー層4Aの流れの影響で、流動状気相層15Aに係る
ガス15が流動状ポリマー層4Aに係るポリマーと共に
流れないように、流動状ポリマー層4Aと流動状気相層
15Aとが離れ得る程の大きさを有する。
【0037】なお、流動状ポリマー層4Aの流れ方向
(図2に実線矢印で示す。)に対し、流動状気相層15
Aに係る気相の流れ方向(図2に破線矢印で示す。)
は、逆である。すなわち、流動状ポリマー層4Aが、ポ
リマー排出管12を介して、気相重合器3側から沈降タ
ンク13側へ流れるのに対して、流動状気相層15Aに
係るガス15は、軽いので、ポリマー排出管12を介し
て沈降タンク13側から気相重合器3側へ流れる。
【0038】また、水平部12aの長さ寸法および口径
寸法(内径)をそれぞれ符号Lおよび符号Dで示し、ポ
リマー排出管12におけるポリマーのボリューム抜き出
し体積速度およびポリマー排出管12の断面積をそれぞ
れ符号Qおよび符号Sで示すことにする(符号Q,Sは
図示せず。)。
【0039】なお、ポリマーのボリューム抜き出し体積
速度であるQは、ポリマー抜き出し量(kg/hr)を
ポリマー嵩密度(kg/m3)で除することで求められ
る。すなわち、Q=ポリマー抜き出し量(kg/hr)
÷ポリマー嵩密度(kg/m 3)となる。
【0040】そして、ポリマー排出管12は、次の
(1)式または(2)式の条件を満たしており、この実
施の形態では当該条件を満たした管を大口径の管として
取り扱うことにする。
【0041】 L/D≧2………………………………………………………(1) Q/S≦4000m3/m2・hr……………………………(2) 本発明者によれば、Q/Sを上記値以下(好ましくはQ
/S≦2000m3/m2・hr)に設定することで、粉
状ポリマー4に同伴して気相重合器3からポリマー排出
管12を流れて来るガスを粉状ポリマー4から分離し易
くなり、粉体から分離された気相は粉体(パウダー)と
向流を形成しつつ効率よく重合器3へと移動する。した
がって、沈降タンク13に粉状ポリマー4と共に流れる
ガス15も少なくできる。
【0042】沈降設備としての沈降タンク13は、ポリ
マー排出管12を介して排出されて来る粉状ポリマー4
(正確には流動状ポリマー層4Aに係る粉状ポリマー
4’)を沈降状態で一時的に貯留しておくタンクであ
る。
【0043】そして、ボール弁11を開くことで、気相
重合器3からの粉状ポリマー4が、ポリマー排出管12
を経由して、気相含有率が低い粉状ポリマー4’になり
ながら気相沈降タンク13に入る。
【0044】沈降タンク13の下端には、移送タンク1
7が、例えばボール弁18を備えた接続管19を介して
接続されている。移送タンク17とは、沈降タンク13
に溜った粉状ポリマー(図示せず。)を図示しない別の
処理装置に移送する最終タンクのことであり、形態的に
は沈降タンク13と同等であっても異なっていてもよ
い。また、ボール弁18は、沈降タンク13にある粉状
ポリマー4を移送タンク17に導入するためのものであ
る。
【0045】また、移送タンク17の下部には、移送管
23が吐出弁25を介して接続されている。この吐出弁
25は常に開状態にある。次に、気相重合器3からの粉
状ポリマー4およびガスの排出のしかたについて述べ
る。 ボール弁11を開いて、粉状ポリマーを気相重合器3
からポリマー排出管12を経由させて沈降タンク13に
送る。このときボール弁18は閉じている。なお、粉状
ポリマー4’が沈降タンク13に入った分に相当する容
積の沈降タンク13内のガスが沈降タンク13からポリ
マー排出管12の流動状気相層15Aを経由して気相重
合器3に向けて排出される。ボール弁18が閉じている
ので、ガスを伴う粉状ポリマー4’を前記のように沈降
タンク13に送ると、沈降タンク13には所定量の粉状
ポリマーが堆積する。 沈降タンク13に所定量の粉状ポリマーが溜ったら、
ボール弁11を閉じて、気相重合器3からの粉状ポリマ
ー4の流出を止める。 次にボール弁18を開くと、沈降タンク13に堆積さ
れていた粉状ポリマーが、沈降タンク13の下端から接
続管19を経由して移送タンク17に流入する。また、
移送タンク17に流入する粉状ポリマーにも多少のガス
が伴うため、移送タンク17の上部空間部に溜るガス
(図示せず。)を抜くように設定してもよい。 粉状ポリマーを移送タンク17に流し終えたら、ボー
ル弁18を閉じる。吐出弁25は、前記のように常に開
状態にあるので、移送タンク17の粉状ポリマーは、移
送管23を経由して前記別の処理装置に常時移送され
る。なお、移送タンク17内に係る粉状ポリマー(図示
せず。)が移送タンク17になくなって、前記別の処理
装置への粉状ポリマーの供給が途絶えないように、ボー
ル弁11およびボール弁18の開閉制御が適宜なされる
ようになっている。
【0046】このように構成された気相重合装置1で
は、気相重合器3で重合反応に供されなかったガスのう
ちの一部のガスを伴う粉状のポリマー4が気相重合器3
から沈降タンク13に流れ至るまでの領域であるポリマ
ー排出管12で、前記粉状のポリマー4が粉状のポリマ
ー4’とガス15とに分離して流動状ポリマー層4Aお
よび流動状気相層15Aを形成するので、流動状ポリマ
ー層4Aに係る粉状のポリマー4’は気相含有率が極め
て低いものとなる。なお、既述したように、流動状ポリ
マー層4Aの流れ方向に対して、流動状気相層15Aに
係るガス15の流れ方向は逆であるため、沈降タンク1
3には、流動状ポリマー層4Aに係る気相含有率の極め
て低い粉状のポリマー4’が流れ込むようになる。
【0047】なお、沈降タンク13に導入されたポリマ
ー層には含まれているがポリマー層中の気相が20vo
l%以下であるため、沈降タンク13において粉状ポリ
マーが沈降すると、ポリマー層と気相層とに分離しても
均圧ラインを用いることなく、ポリマー層を気相重合器
から抜き出すことができる。
【0048】沈降タンク13において分離した気相層に
係る気相のうち剰余部は、ポリマー排出管12を通じて
気相重合器3に戻される。すなわち、ポリマー排出管1
2は、従来技術で述べたガス抜き用接続管を兼ねてい
る。
【0049】したがって、気相重合装置1にあっては従
来必要であったガス抜き用接続管が必要ないので、それ
だけ部品点数が少なくて済む。そして、ポリマー排出管
12には、口径が十分大きく設定されたポリマー分離部
としての水平部12aが設けられているので、すなわ
ち、流動状ポリマー層4Aの流れの影響で、流動状気相
層15Aに係る気相が流動状ポリマー層4Aに係るポリ
マーと共に流れないように、流動状ポリマー層4Aと流
動状気相層15Aとが離れ得る程の大きさの口径を有す
る水平部12aが設けられているので、ポリマー排出管
12には大量のポリマーが流れ得る。このため、ポリマ
ー排出管12は、その内壁面が常に粉体であるポリマー
によって洗われることとなる。したがって、ポリマー排
出管12がポリマーによって詰まってしまうことがな
い。
【0050】また、沈降タンク13での剰余ガスを気相
重合器に容易に戻すことができる。さらに、水平部12
aが水平であるから前記したその大口径化による効果と
相挨って、ポリマー排出管12のうち粉状ポリマーが重
力落下しにくい水平に配管された部分である水平部12
aの内壁面への粉状ポリマーの付着を有効に防止でき
る。
【0051】
【実施例1】抜き出し配管の内径50mm(2B)、抜
き出し配管の水平部長さ150mmすなわちL/D=
3.0として抜き出し配管を有するポリオレフィンの気
相重合設備においてメタロセン触媒を用いてオレフィン
の気相重合を実施したところ、嵩密度0.4g/ccの
ポリマー粒子を1180kg/hr連続的に抜き出すこ
とができた。
【0052】
【比較例1】抜き出し配管の50mm(2B)、抜き出
し配管の水平部長さ50mmすなわちL/D=1.0と
して抜き出し配管を有するポリオレフィンの気相重合設
備においてメタロセン触媒を用いてオレフィンの気相重
合を実施したところ嵩密度0.4g/ccのポリマー粒
子が375kg/hrまでしか連続的に抜き出すことが
できなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明の気相重合装置によれば、気相重
合器で重合反応に供されなかった気相のうちの一部の気
相を伴う粉状のポリマーが気相重合器から沈降設備に流
れ至るまでの領域で、前記気相を伴う粉状のポリマーが
粉状のポリマーと気相とに分離して流動状ポリマー層お
よび流動状気相層を形成し、前記流動状ポリマー層の流
れの影響で前記流動状気相層に係る気相が前記流動状ポ
リマー層に係るポリマーと共に流れないように、前記流
動状ポリマー層と前記流動状気相層とが離れ得る程の大
きさの口径を有するポリマー分離部を前記領域内に設け
たので、ポリマー排出管は、従来技術で述べたガス抜き
用接続管を兼ねる。このため、従来必要であったガス抜
き用接続管が必要なくなり、それだけ部品点数が少なく
て済む。
【0054】また、ポリマー排出管には大量のポリマー
が流れ得る。このため、ポリマー排出管は、その内壁面
が常に粉体であるポリマーによって洗われることとな
る。したがって、ポリマー排出管がポリマーによって詰
まってしまうことがないので、ポリマー排出管の洗浄が
不要となる。その結果、気相重合装置の稼働を停止する
必要もなく、生産性の低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】・・・本発明に係る気相重合装置を説明するた
めの概略図
【図2】・・・図1の要部拡大図
【符号の説明】
1…気相重合装置 2…ガス分散板 3…気相重合器 4…粉状ポリマー 4A…流動状ポリマー層 4’…流動状ポリマー層の粉状ポリマー 5…ガス導入管 7…ガス排出管 9…気相循環系 9a…除熱器 9b…循環ガスブロア 11…ボール弁 12…ポリマー排出管(ポリマー排出管を経由して前記
一部の気相を伴う粉状のポリマーが前記沈降設備に流れ
至るまでの領域) 12a…水平部(ポリマー分離部) 12b…傾斜部 12c…垂直部 13…沈降タンク(沈降設備) 15…流動状気相層のガス(気相) 15A…流動状気相層 17…移送タンク 18…ボール弁 19…接続管 23…移送管 25…弁 L…水平部12aの長さ寸法 D…ポリマー排出管の口径寸法(内径寸法) Q…パウダのボリューム払い出し量(かさ密度) S…ポリマー排出管の断面積 V…ポリマー排出管の体積流出速度 W…重合量 X…気相重合器のポリマーかさ量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 俊博 千葉県市原市千種海岸3番地三井化学株式 会社内 (72)発明者 荒瀬 智洋 千葉県市原市千種海岸3番地三井化学株式 会社内 (72)発明者 山本 良一 千葉県市原市千種海岸3番地三井化学株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体状重合触媒を用いる気相重合器で生
    成される粉状のポリマーを前記重合器において反応に供
    されなかった少なくとも一部の気相と共に前記気相重合
    器から排出するポリマー排出管と、 このポリマー排出管に直接または間接に接続され、かつ
    ポリマー排出管を介して排出されて来る前記粉状のポリ
    マーを沈降させる沈降設備と、 を備えた気相重合装置において、 前記一部の気相を伴う粉状のポリマーが前記気相重合器
    から前記沈降設備に流れ至るまでの領域で、粉状のポリ
    マーと気相とに分離してポリマー層および気相層を形成
    し、ポリマー層に含有される気相が前記気相に対して0
    〜20vol%となるまで固気分離する大きさの口径を
    有するポリマー分離部を前記領域内に設けたことを特徴
    とする気相重合装置。
  2. 【請求項2】 前記領域は、ポリマー排出管であること
    を特徴とする請求項1に記載の気相重合装置。
  3. 【請求項3】 前記ポリマー分離部は、ポリマー排出管
    に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の気
    相重合装置。
  4. 【請求項4】 前記ポリマー分離部は水平に設けられて
    いることを特徴とする請求項3に記載の気相重合装置。
  5. 【請求項5】 ポリマー排出管が、次の(1)式または
    (2)式の条件を満たすように設定したことを特徴とす
    る請求項2〜請求項4に記載の気相重合装置。 L/D≧2………………………………………………………(1) Q/S≦4000m3/m2・hr……………………………(2) ただし、Lはポリマー排出管の水平部の長さ寸法,Dは
    ポリマー排出管の内口径寸法,Qはポリマー排出管入口
    での体積流量,Sはポリマー排出管の断面積。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002530441A (ja) * 1998-11-12 2002-09-17 ボレアリス テクノロジー オイ 重合リアクターを空にするための方法及び装置
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