JPH08324140A - 保護層熱転写フィルム及び印画物 - Google Patents

保護層熱転写フィルム及び印画物

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JPH08324140A
JPH08324140A JP15853195A JP15853195A JPH08324140A JP H08324140 A JPH08324140 A JP H08324140A JP 15853195 A JP15853195 A JP 15853195A JP 15853195 A JP15853195 A JP 15853195A JP H08324140 A JPH08324140 A JP H08324140A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】着色剤によって画像等が形成された印画物に捺
印性や水性インキの筆記性を付与し、且つ耐候性、耐薬
品性、耐溶剤性等の耐久性を合わせ持たせるために、印
画物上に第一に吸水性を持ち、且つ上記耐久性を合わせ
持つ保護層熱転写フィルムの形成、及びその保護層が転
写された印画物を提供することを目的とする。 【構成】基本的に、耐熱性基材フィルム上に熱転写性保
護層を積層した構成であり、画像等が形成された印画物
に、上記熱転写性保護層が基材フィルムから熱剥離し、
積層される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剥離可能に保護層が設
けられた保護層熱転写フィルムに関し、更に詳しくは感
熱転写記録方式によって形成された画像に対して捺印性
や、水性ペン、万年筆等の筆記性を与え、同時に優れた
耐候性、耐薬品性、耐溶剤性等の耐久性を与えることが
できる保護層熱転写フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来種々の熱転写方法が公知であるが、
それらの中で基材フィルム上に熱昇華性染料とバインダ
ーを含有する染料層を設けた熱転写シートを用い、画像
情報に対応してサーマルヘッド、レーザー等の加熱手段
により染料層中の染料を昇華(熱移行)させて、記録を
行う昇華型感熱記録方式が知られている。また、基材フ
ィルム上に顔料等の着色剤及びワックス等のビヒクルを
含有する熱溶融性インキ層を設けた熱転写シートを用
い、同様の加熱手段により軟化した溶融インキ層成分を
転写させて画像を形成する熱溶融型感熱記録方式が知ら
れている。これらの熱転写方法では、各種の画像が簡便
に形成することができるので、印刷枚数が比較的少なく
てもよい印刷物、例えば身分証明書等のカードや各種証
明書等に利用されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような熱転写シートを使用して身分証明書等を作製した
場合、熱溶融型の熱転写シートを使用すると、文字や数
字等の如き単調な画像の形成は容易であるが、これらの
画像は、耐久性、特に耐磨耗性に劣るという欠点があ
る。一方、熱昇華転写型の熱転写シートを使用した場合
には、顔写真等の階調性画像を精密に形成することがで
きるが、形成された画像は、通常の印刷インキによるも
のとは異なり、ビヒクルが無く、染料によって形成され
ているが耐候性、耐摩擦性、耐薬品性等の耐久性に劣る
という欠点がある。
【0004】上記の問題を解決する手段として、熱溶融
性着色剤層あるいは熱昇華性染料の熱転写によって得ら
れた画像上に、熱転写性樹脂層を有する保護層熱転写フ
ィルムを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を
用いて熱転写性樹脂層を転写させ、画像上に保護層を形
成する方法が知られている。
【0005】この保護層を設けることによって、画像の
耐摩擦性、耐薬品性、耐溶剤性等をある程度向上させる
ことができ、さらに保護層中に紫外線吸収剤等を添加す
ることにより、耐光性を向上させることが可能となる。
しかしながら、上記の如き保護層が設けられた画像は、
その保護層が吸水性能を全く有しないために、水性スタ
ンプ等の捺印が必要な用途、例えば、パスポートの顔写
真用途には使用することができない。従って、文字を書
いたりスタンプを押したりする際には、使用できる筆記
具やスタンプの種類に制限が生じるという問題が発生す
る。
【0006】さらに、パスポートの顔写真等に使用する
場合には、偽造防止のためにより高い耐薬品性、耐溶剤
性が必要とされており、従来の保護層では、たとえ硬
化、架橋させた樹脂からなる保護層を用いても、十分な
耐久性を得るには至っていない。従って、本発明の目的
は、上記従来技術の問題を解決し、水性インキを吸収、
定着させることができることによって、捺印性、筆記性
に優れ、且つより優れた耐薬品性、耐溶剤性を有する画
像を保護する保護層熱転写フィルム、及びこの保護層の
形成された印画物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決する
ために、本発明者らは、耐熱性基材フィルム上に、少な
くとも1層以上の熱転写性保護層が積層された保護層熱
転写フィルムにおいて、転写後の保護層が吸水性を有
し、且つ優れた耐薬品性、耐溶剤性をも有する画像を保
護する保護層熱転写フィルムを発明するに至った。具体
的には、転写後に最表面を形成する吸水性表面層が、実
質的に透明な多孔層であることや、転写後に最表面を形
成する吸水性表面層が、少なくとも吸水性を有する吸水
性微細領域と、耐水性を有する耐水性微細領域から成る
部分吸水層であることを特徴とする保護層熱転写フィル
ムであり、また前記吸水性微細領域を形成する樹脂が、
少なくとも水溶性樹脂と非水溶性樹脂の両者を含有する
ことを特徴とする保護層熱転写フィルムを提供するもの
である。
【0008】また、同時に前記透明多孔質領域、又は耐
水性微細領域を構成する材料の平均粒子径が、0.1ミ
クロン以下の微粒子を主成分とすることを特徴とする保
護層熱転写フィルムであり、前記透明多孔質領域、又は
耐水性微細領域を構成する材料が、耐水性の樹脂バイン
ダーを含有することを特徴とする保護層熱転写フィルム
である。
【0009】更に、熱転写性保護層中に紫外線を吸収す
る材料を含有する保護層熱転写フィルムが、前記熱転写
性保護層と、熱昇華性色材層、或いは熱溶融性色材層の
少なくとも1層が、フィルム基材上に面順次に形成され
ていることを特徴とする保護層熱転写フィルムも形成で
きる。
【0010】従って、着色剤によって形成された画像を
有する印画物の表面に、該熱転写性保護層が積層される
ことにより、印画物上に、水性インキが捺印され、且つ
耐薬品性、耐溶剤性を兼ね備えた印画物を提供すること
を特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の保護層熱転写フィルムにより、画像上
に形成された熱転写性保護層は、吸水性を有する層が存
在するため、元々は全く水性インキが定着しない印画物
に、水性インキによる捺印を施したり、水性ペンで筆記
したりすることが可能となる。
【0012】
【実施例】次に好ましい実施例を図解的に示す添付図面
を参照して本発明を更に具体的に説明する。図1、図
2、図3、図4、はそれぞれ本発明の保護層熱転写フィ
ルムの一実施例を説明する模式断面図である。図1は、
最も単純な層構成の例であり、基材フィルムの一方の面
に、最表面が吸水性表面層からなる熱転写性保護層を単
一層として設けた構成である。
【0013】図2は、基材フィルム1の一方の面に熱転
写性保護層2を基材フィルム側から順に吸水性表面層
4、熱接着性樹脂層6の2層に積層したものであり、図
3は、基材フィルム1の一方の面に、熱転写性保護層2
を基材フィルム側から順に、吸水性表面層4、紫外線遮
断層5、熱接着性樹脂層6の3層に分けて積層した構成
である。図4は、基材フィルムの一方の面に、基材フィ
ルム側から順に、離型層3、吸水性表面層4、紫外線遮
断層5、熱接着性樹脂層6を積層し、もう一方の面には
耐熱性、スリップ性を付与する背面層7を設けた構成で
ある。
【0014】背面層7は、プリンターのサーマルヘッド
との熱融着を防止する作用を有しており、図1〜図3の
構成の場合、図示してはいないが、必要に応じて設ける
ことができ、また基材フィルムの耐熱性やスリップ性が
良好である場合には不要である。また、基材フィルムと
熱転写性保護層の間の剥離性が適当でない場合に、離型
層3を設けることができる。これは熱転写性保護層と基
材フィルムとの接着性を調整し、熱転写性保護層の剥離
を良好に行うために設けるもので、この層も図1〜図3
の場合、図示していないが必要に応じて設けることがで
きる。
【0015】勿論、基材フィルムと熱転写性保護層との
剥離性が良好な場合には剥離層3は基本的には不要であ
る。尚、離型層3を設ける場合は、熱転写性保護層2は
転写により離型層から剥離され、離型層3自体は基材フ
ィルム側に残るように形成する。
【0016】以下に本発明の保護層熱転写フィルム及び
これを転写して得られる印画物の構成材料と製造方法に
ついて説明する。
【0017】まず、基材フィルム及び各層について順次
説明する。 (基材フィルム)本発明の保護層熱転写フィルムに用い
られている基材フィルムとしては、従来の熱転写フィル
ムに使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま
用いることができると共に、フィルムの表面に易接着処
理のしてあるものや、その他のものも使用することがで
き、特に制限はされない。
【0018】好ましい基材フィルムの具体例としては、
例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミ
ド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、
及びグラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙
類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積
層した複合フィルムなども使用できる。これらの基材フ
ィルムの厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるよう
に材料に応じて適宜変更しているが、通常は3〜100
ミクロン程度が好ましい。
【0019】(離型層)通常、基材フィルムの一方の面
に熱転写性保護層2を設けて転写フィルムを作製する
が、基材フィルムと熱転写性保護層2の材質の組合せに
よっては熱転写の際の離型性か良好でない場合がある。
このような場合、基材フィルム面に予め離型層3を設け
ることができる(図4)。離型層3は、ワックス類、シ
リコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アク
リル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導
体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリル
ビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、及びこれ
らの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗
布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバース
コート等の方法で塗布、乾燥することにより形成でき、
塗膜の厚さは0.1〜2ミクロン程度で充分である。
【0020】また、本発明の離型層3は、離型層表面に
微細な凹凸を形成させても良く、これによって吸水性表
面層の表面積を増大させることができ、吸水性表面層の
吸水性能を向上させることが可能となる。離型層3に使
用する材料を選定する際に、注意しなければならない点
としては、熱転写性保護層2と適切な離型性を有するこ
とは勿論の事であるが、更に、熱転写性保護層2との接
着力よりも、基材フィルムとの接着力を高くすることが
大切であり、もし基材フィルムとの接着力が十分でない
場合には、離型層毎、保護層が転写される等の異常転写
の原因となる。そのため、上記材料が使用される。
【0021】(熱転写性保護層)本発明の保護層熱転写
フィルムにおいて、熱転写性保護層2は熱転写により被
転写体の印画面に転写されて保護層を形成するものであ
る。従って熱転写性保護層2が具備すべき機能として
は、熱転写の際、基材フィルムまたはその上に設けられ
た離型層3から確実に(箔切れ性良く)剥がれること、
被転写体に対する接着性が良いこと、印画面の保護層と
して、まず第一に水性インキを吸収し、水性捺印性、非
油性材料による筆記性を有すること、耐摩擦性、耐スク
ラッチ性等の各種耐性、更に、本発明では優れた耐薬品
性、耐溶剤性を付与できること、また透明性がよく転写
面の画像が忠実に再現されること、並びに紫外線等によ
り画像の経時的鮮明さを損なわないこと、即ち耐候性を
向上させることなどが挙げられる。この点から図1に示
したような熱転写性保護層2を単層で設けることもでき
るが、必要に応じて図2〜図4のように基材フィルム側
から吸水性表面層4、熱接着性樹脂層6の順、或いは吸
水性表面層4、紫外線遮断層5、熱接着性樹脂層6の順
のように2層または3層の多層構成で設けることが好ま
しい。このような場合の各層について以下に説明する。
【0022】(吸水性表面層)前記基材フィルム、また
は離型層3の上に設ける吸水性表面層4は、吸水性能を
有する層であれば持に制限されるものではないが、同時
に耐水性、耐溶剤性や、耐アルコール性、耐アセトン性
等の耐溶剤性、耐可塑剤性等の性能を併せ持つことが好
ましい。前記吸水性を有する吸水性表面層4を得る一つ
の方法としては、吸水性表面層4を実質的に透明な多孔
層とする方法がある。
【0023】(透明性多孔層)吸水性表面層4を透明性
多孔層として形成する方法としては、例えば、ある樹脂
を、その樹脂に対して親溶媒である低沸点の溶剤と,貧
溶媒である高沸点の溶剤の混合溶媒に溶解させ、この樹
脂含有インキを前記基材フィルムまたは離型層3の上に
塗布し、まず低沸点の親溶媒を乾燥除去した後に、高沸
点の貧溶媒を乾燥除去して形成する方法や、あるいは、
凍結乾燥を利用して形成する方法が考えられるが、いず
れの方法も透明性や、多孔層の物理的強度の点で十分な
性能を得ることは難しい。
【0024】高い透明性と物理的強度を有する多孔層を
形成する簡便な方法としては、微細粒子を水や有機溶剤
に分散させ、これを塗布乾燥させて形成する方法があ
る。形成された被膜が均一で、しかも微細粒子間に十分
な結合力が存在する場合には、微細粒子同士を結合させ
る結着剤を特には必要としないが、微細粒子間の結合力
が不十分であったり、あるいは微細粒子を塗布,乾燥す
る際に粒子が凝集してしまい、均一な被膜が得られない
場合には、結着剤や,分散安定剤,増粘剤としての性能
を有するような材料の添加が必要である。
【0025】微細粒子の形状は特に制限はなく、球状、
針状、無定形等どのような形状でも良いが、球状粒子を
用いる場合には、その粒子径をできる限り均一にするこ
とが望ましく、もし粒子径が不均一な微細粒子を用いて
多孔層を形成した場合には、均一な微細粒子を用いて形
成された多孔層と比較して、空隙率が低くなってしま
い、従って吸水性能が低下してしまう。
【0026】微細粒子の粒子径は、形成された多孔層が
実質的に透明である限りにおいては特特に制限されるも
のではないが、例えば球状の微細粒子を用いて多孔層を
形成する場合には、実質的に透明な性能を維持するため
には、その平均粒子径は0.3ミクロン以下、特に好ま
しくは0.1ミクロン以下であり、これより大きな平均
粒子径の微細粒子を用いて多孔層を形成した場合には、
その透明性を維持することが困難となってしまう。
【0027】吸水性表面層としての透明性多孔層の厚み
は、0.1ミクロン〜200ミクロン特に好ましくは
1.0ミクロン〜50ミクロンの厚みが適当で、これよ
り薄い場合には吸水性能、耐久性が不十分であり、これ
より厚い場合には透明性、転写性の点で問題が生じてし
まう。
【0028】微細粒子を形成する材料は、有機,無機い
ずれのタイプでも良く、有機微細粒子としては例えば、
アクリル系微細粒子、セルロース系微細粒子、非セルロ
ース系多糖類微細粒子等が挙げられ、無機微細粒子とし
ては、例えば、シリカあるいはその変成物の微粒子、ア
ルミナゾル、その他の金属や金属酸化物の微粒子が挙げ
られる。特に、粒子自体の耐溶剤性が高く、粒子表面に
親水性基を有する微細粒子が好ましく、それらの諸性能
を満たす微細粒子の中で最も好ましいものは、コロイダ
ルシリカが挙げられ、日産化学社製スノーテックスシリ
ーズ、触媒化成工業社製カタロイドシリーズ等が好適で
ある。
【0029】個々の微細粒子同士を強固に結合させる結
着剤としては、結着剤の性能を有する材料であれば特に
制限はなく、あらゆる材料を用いることが可能である
が、微細粒子としてコロイダルシリカを用いる場合に
は、結着剤としては水溶性樹脂を用いることが持に好ま
しく、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)系
樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、アルキルビニルエー
テル樹脂、マレイン酸共重合体樹脂、ポリビニルピロリ
ドン系樹脂、セルロース系樹脂、水溶性アルキッド樹
脂、非セルロース系水溶性多糖類等が挙げられる。
【0030】その中で特に好適な結着剤はPVA系樹脂で
あり、コロイダルシリカとPVA系樹脂の混合比は、1/
30≦PVA樹脂/コロイダルシリカ≦1/3(重量
比)の範囲が望ましい。この混合比が1/30よりも小
さい場合には結着剤としての効果が不十分であり、1/
3よりも大きい場合には多孔質構造を形成することがで
きなくなり、吸水性能が失われてしまう。また、前記結
着剤は、硬化剤等を用いて硬化させることによって、多
孔層の耐水性,耐溶剤性を一層向上させることが可能と
なり、結着剤としてPVA樹脂を用いる場合には、硬化
剤としては例えば、スミレーズレジン5004に代表さ
れる住友化学社製のスミレーズレジンシリーズ等が効果
的である。
【0031】(部分吸水層による耐水性付与)吸水性と
同時に、耐水性を付与するために、部分的に耐水性を吸
水性表面層4に付与することが考えられる。その方法と
しては、吸水性表面層4が少なくとも、吸水性を有する
吸水性微細領域と、耐水性を有する耐水性微細領域から
構成された部分吸水層とするものである。この部分吸水
層を得る方法としては、例えば吸水性樹脂と耐水性樹脂
を混合し、その相溶性を調節して、吸水性樹脂と耐水性
樹脂が、いわゆる海島構造を形成することによって吸水
性微細領域と耐水性微細領域を有する部分吸水層とする
方法が考えられる。
【0032】吸水性能、耐水性能の点で、さらに優れた
部分吸水層を得る方法としては前述した透明性多孔層の
空隙に、吸水性樹脂を充填する方法があり、この場合、
吸水性樹脂が吸水性微細領域であり、透明性多孔層を形
成している部分が耐水性微細領域に相当する。吸水性樹
脂を透明性多孔層の空隙に充填する方法としては、どの
ような方法を用いてもよいが、簡便な方法として例え
ば、透明性多孔層の表面に、吸水性樹脂含有インキをロ
ールコート法等によって塗布し、吸水性樹脂含有インキ
を透明性多孔層の空隙に浸み込ませる方法がある。
【0033】吸水性微細領域を形成する材料は、吸水性
を有する材料であれば特に制限はなく、どのような材料
によって形成しても良いが、最も好ましい材料として
は、水溶性の材料が挙げられ、具体的には、寒天やアル
ギン酸ソーダ等の海草抽出物、アラビアゴムやトロロア
オイ等の植物粘物質、カゼインやゼラチン等の動物性蛋
白、プルランやデキストラン等の発酵粘物質、デンプン
及びデンプン質、メチルセルロースやカルボキシメチル
セルロース,ヒドロキシエチルセルロース等のセルロー
ス系物質、ポリビニルピロリドンやアルキルビニルエー
テル,ポリマレイン酸共重合体,水溶性ポリエステル,
ポリビニルアルコール等の合成高分子、ポリリン酸ソー
ダ等の無機高分子等が吸水性微細領域を形成する水溶性
材料として用いることができる。
【0034】また、吸水性微細領域を形成する材料とし
ては、前記吸水性材料のみから構成されても良いが、吸
水性保護層全体の耐水性、耐溶剤性をより向上させるた
めには、吸水性微細領域を前記吸水性材料と耐水性材料
の混合物とすることが望ましい。耐水性材料として用い
ることのできる材料としては、吸水性材料との相溶性が
良く、均一な被膜を形成することのできる材料であれば
特に制限はなく、あらゆる材料が使用できる。
【0035】このような透明性保護層4を形成する方法
としては、グラビアコート、グラビアリバースコート、
ロールコート、その他多くの手段が利用でき、上記の樹
脂を含む塗工液を塗布・乾燥することによって形成する
ことかできる。
【0036】(紫外線遮断層)本発明において、保護層
を転写する印画物に形成された画像が、太陽光等に含ま
れる紫外線によって、退色や変色するのを抑制するため
に、熱転写性保護層に紫外線遮断層を設けることが望ま
しい。紫外線遮断層は紫外線吸収剤を樹脂に含有させた
インキを塗布し、成膜して形成される。使用する紫外線
吸収剤としては、従来公知のベンゾフェノン系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合
物、シアノアクリレート系化合物、サリシレート系化合
物等の有機系の紫外線吸収剤が使用可能であり、また亜
鉛、チタン、セリウム、スズ、鉄等の酸化物の如き無機
系の紫外線吸収能を有する微粒子を樹脂中に添加するこ
とができる。使用する樹脂としては、特に制限されず、
あらゆる樹脂が使用可能であるが、例えば、アクリル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系
樹脂、ハロゲン化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ポリエチレン等の炭
化水素系樹脂、ポリビニルアルコールやポリビニルピロ
リドン等のビニル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げ
られる。また、紫外線遮断層を特別に設けず、前記の紫
外線吸収剤を吸水性表面層或いは熱接着性樹脂層に添加
しても良い。
【0037】また、反応性紫外線吸収剤を樹脂に反応結
合させた樹脂を単独または混合して、吸水性表面層4及
び/又は熱接着性樹脂層6に含有させたり、それら樹脂
を紫外線遮断層として設けてもよい。上記反応性紫外線
吸収剤を樹脂に反応固定する方法としては、種々の方法
が利用可能であるが、例えば従来公知のモノマー、オリ
ゴマー、又は反応性重合体の樹脂成分と前記の如き付加
重合性二重結合を有する反応性紫外線吸収剤とラジカル
重合することにより、共重合体を得ることができる。ま
た、反応性紫外線吸収剤が水酸基、アミノ基、カルボキ
シル基、エポキシ基イソシアネート基等を有する場合に
は、上記の官能基と反応性基を有する熱可塑性樹脂を使
用し、必要に応じて触媒を用いて、熱等によって反応性
紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に反応固定することができ
る。反応性紫外線吸収剤と共重合するモノマー成分とし
ては、以下のようなものが挙げられる。
【0038】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリ
レート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イ
ソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、ラウリルトリデシル(メタ)アクリレート、
トリデシル(メタ)アクリレート、セリルステアリル
(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレー
ト、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、メタアクリル
酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ターシャリーブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エ
チレンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、デカエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ペンタデカエチレン(メタ)アクリレー
ト、ペンタコンタヘクタエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、ブチレンジ(メタ )アクリレート、アリ
ール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
(メタアクリレート、へキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジメタアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトニルヘキサ(メタ)アクリレー
ト、1,6─へキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ホスファゼンヘキサ(メタ)アクリレート等が使用
できる。
【0039】また、上記の物質はモノマーに限らずオリ
ゴマーとして使用してもよく、更に上記物質の重合体ま
たはその誘導体からなるポリエステルアクリレート系、
エポキシアクリレート系等のアクリル系反応性重合体も
使用可能である。これらのモノマー、オリゴマー、アク
リル系反応性重合体は、単独でも混合して用いてもよ
い。
【0040】以上の如き熱可塑性樹脂のモノマー、オリ
ゴマー、又はアクリル系反応性重合体と反応性紫外線吸
収剤とを共重合することにより、反応性紫外線吸収剤を
反応固定した熱可塑性の共重合樹脂が得られるが、この
共重合性樹脂中には10〜90重量%、好ましくは30
〜70重量%の反応性紫外線吸収剤を含有していること
か望ましい。含有量がこれより少ないと満足できる耐光
性が得難く、これより大きくなると塗布時のベトつき
や、染料画像への接着時の画像のにじみ等の問題を生じ
る等の問題がある。また、この共重合樹脂の分子量は5
000〜290000程度が好ましく、更には9000
〜250000程度が良い。分子量が5000未満であ
ると、皮膜強度に劣るため、保護層として十分な強靭性
が得られない。また、300000を越えると粘度が上
がり、取扱いが煩雑になるという問題がある。本発明の
紫外線遮断層は、上記の如き反応性紫外線吸収剤を反応
結合させてなる樹脂をから形成することができるが、こ
の層は前記樹脂単独で形成してもよいし、必要であれば
他の樹脂を混合してもよい。尚、前記反応性紫外線吸収
剤を共重合してなる熱可塑性樹脂の構造式の一例を示す
が、本発明の共重合樹脂はこれに限定されるべきもので
はない。
【0041】
【化1】
【0042】前記の如き紫外線遮断層を、前記透明シー
ト上に形成する場合、接着性が悪い場合には、プライマ
ー層を形成することができる。かかるプライマー層を形
成する樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオール樹脂、及びこれら
の樹脂とイソシアネート類との反応物等を使用すること
ができる。使用するイソシアネート類としては従来使用
されている、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネ
ート化合物等を使用することができる。前述の如きプラ
イマー層は、厚さ0.1〜10ミクロンの範囲となるよ
うに形成することが好ましい。
【0043】以上の如きの紫外線遮断層は、通常第3図
ないしは第4図のように、吸水性表面層4と熱接着性樹
脂層6の間に、層5として設けることが好ましい。紫外
線遮断層5の形成方法は、前記吸水性保護層の形成方法
と同じ方法でよく、その厚さは0.1〜5ミクロン程度
で充分である。
【0044】(熱接着性樹脂層)次に、以上の各層を接
着性よく印画面に転写するために、最上層として熱接着
性樹脂層6を設けることができる。この熱接着性樹脂層
6には、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル─酢酸ビニル共重合樹
脂、スチレン─アクリル共重合樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂等のような熱時接着性の良好な樹
脂を用いることができる。これらの樹脂の1種または2
種以上を溶液、或いはエマルジョンなど塗布可能な形に
したものを、前記透明性樹脂層で挙げた塗布方法の中か
ら適した方法をそれぞれ選択して、塗布、乾燥すること
により形成できる。熱接着性樹脂層6の厚さは、0.1
〜5ミクロン程度の範囲が好ましい。
【0045】(背面層)また、本発明の保護層熱転写フ
ィルムにおいて、熱転写性保護層2を設けた反対側の面
には、必要に応じてプリンタ一のサーマルヘッドや転写
用熱板等との粘着を防止し、且つ、滑り性を良くする目
的で背面層7(耐熱性スリップ層)を設けることができ
る(図4参照)。背面層7の材質は、ブチラール樹脂等
をイソシアネート化合物で硬化した樹脂、シリコーン樹
脂等従来公知のものがそのまま使用でき、その厚さは
0.1〜5ミクロン程度で十分である。また、背面層は
必要に応じてプライマー層を介して設けてもよい。
【0046】(保護層熱転写フィルムの製造および転写
方法)以上、本発明の保護層熱転写フィルムを構成する
各層について説明したが、これらの中、熱転写性保護層
の全体の厚さは、0.5〜200ミクロン程度の範囲が
好ましい。そして、このような熱転写性保護層は、基材
フィルム上に単独で設けて保護層のみの転写フィルムと
してもよいが、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの
熱昇華性染料インキ層やブラックの熱溶融型転写インキ
層(カーボンブラック含有)の熱転写インキ層を面順次
に配列して設け、熱転写インキ層と熱転写性保護層とが
同一基材に配置された一体型の転写フィルムとしてもよ
い。一体型の転写フィルムとする場合、版のパターンは
特に限定されないが、例えば下記のような層パターンを
面順次に繰り返し設けた転写フィルムが挙げられる。
(以下、色の表示について、イエローはYe、マゼンタ
はMg、シアンはCy、ブラックはBkと略記する。)
(1)Ye染料層、Mg染料層、Cy染料層、熱転写性
保護層(2)Ye染料層、Mg染料層、Cy染料層、B
k染料層、熱転写性保護層(3)Ye染料層、Mg染料
層、Cy染料層、Bk溶融インキ層、熱転写性保護層
(4)Bk染料層、熱転写性保護層(5)Bk溶融イン
キ層、熱転写性保護層これらの版パターンにおいて、B
k染料層、Bk溶融インキ層、熱転写性保護層の大きさ
は、他の層に比べて大きく形成されていてもよい。ま
た、各層を検出する検知マークは、各層の何処に設けて
もよく例えば、各層領域の頭、或いは先頭色の頭に設け
ることができる。また、上記のようなインキ層と熱転写
性保護層とが一体型の転写フィルムにおいては、これら
を所定のパターンで位置を合わせて刷り重ねる必要があ
るため、これらの各層には蛍光増白剤などの添加剤を加
えておき、紫外線照射などにより、目視、或いは機械検
知による位置合わせを容易にすることができる。また、
上記の熱転写インキ層に関して、使用するインキの材質
および基材フィルム面に設ける方法などについては、従
来公知の熱転写シートに用いたインキや方法をそのまま
使用することかできる。以上のような保護層熱転写フィ
ルムを用いて保護する画像は、通常は、熱昇華型転写方
法及び/又は熱溶融型転写方法により形成された画像で
あるが、特に、熱昇華型転写による画像に適用する場合
には、該画像に保護層が形成されると共に、転写時の熱
によって画像を形成している染料が再発色処理されるの
で、画像が一層鮮明になるという効果がある。しかし、
これに限定するものではなく広く利用できるものであ
る。
【0047】また、熱昇華型転写画像及び/又は溶融型
熱転写画像は、熱昇華型のインキ層を有する熱転写シー
ト、熱溶融型インキ層を有する熱転写シート、或いは本
発明の保護層熱転写シートを用いてポリエステル樹脂や
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル─酢酸ビニル供重合樹脂、
ポリカーボネート等のプラスチックシートを基材とする
受像シートやカード基材、或いは、染料受容性のある樹
脂層(受容層)を後述する基材シート上に設けた熱転写
受像シートやこれらの樹脂類からなるフィルム、シー
ト、成形物に形成され、本発明の印画物を構成する。染
料受容性のある樹脂としては、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、各種ポリアク
リレート等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、ポリスチレンまたはその共重合体等のポリスチレン
系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等の
オレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、
そして、アイオノマー、セルロースジアセテート、セル
ローストリアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカー
ボネートなどが挙げられ、これらの樹脂層中に、保護層
熱転写フィルムとの融着を防止するためにシリコーンオ
イル等の離型剤を添加してもよい。
【0048】上記のような熱転写受像シートに使用する
シート基材としては、(1)合成紙(ポリオレフィン
系、ポリスチレン系等)、(2)上質紙、アート紙、コ
ート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹
脂溶液若しくはエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテック
ス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、その他セルロース繊
維紙等の天然繊維紙、(3)ポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、
ポリメチルメタアクリレート、ポリカーボネート等の各
種のプラスチックのフィルム若しくはシートが使用でき
る。上記の中、(1)の合成紙は、その表面に熱伝導率
の低い(換言すれば断熱性の高い)ミクロボイド層を有
するものが好ましい。また、上記(1)〜(3)の任意
の組合せによる積層体も使用できる。代表的な積層体の
例として、セルロース繊維紙と合成紙、或いは、セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルム若しくはシートとの
積層体が挙げられる。
【0049】また、画像が形成される被転写体としてカ
ードを用いる場合の材料について説明する。本発明で使
用するカード基材は、熱昇華性染料が染着される樹脂で
構成されている。従来公知のポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、
ポリメタアクリレート、ポリカーボネート等の各種のプ
ラスチックのフィルムまたはシート、合成樹脂に白色顔
料や充填剤を加えて成膜した白色不透明のフィルム若し
くはシート、或いは発泡させた発泡シート等、更に、合
成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)等が単体
で使用でき、必要に応じて染料受容層を形成できる。ま
た染料受容層を設けた上質紙、アート紙、コート紙、キ
ャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂溶液また
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙、その他セルロース繊維紙等も使用
でき、特に限定されない。また、上記基材フィルム等の
任意の組合せによる積層体も使用できる。
【0050】本発明における好ましいカード基材の一例
は、白色顔料を含むポリ塩化ビニルシートの中心層の両
面に透明なポリ塩化ビニル層が積層された構成を有して
おり、少なくとも画像形成面である透明塩化ビニル層に
は適当な量の可塑剤が含有されて染科の染着性が良好に
されている。これら可塑剤の量の好ましい範囲は、染料
受容面を形成するポリ塩化ビニル100重量部当たり
0.1〜10重量部であり特に好ましい範囲は3〜5重
量部である。可塑剤の使用量が少なすぎると昇華性染料
に対する染着性が不充分であり、一方、可塑剤の量が多
すぎると染料受容面が柔らかくなり、熱転写時に画像を
形成する熱転写シートの染料層と密着し易くなるため、
染料層が剥離し、そのまま転写するという異常転写が発
生し易くなり、また、保存中に印字画像に惨みが生じ、
鮮明な画像が得られないので好ましくない。
【0051】印画物の染料受容面には、更に、着色顔
料、白色顔料、体質顔料、充填剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤等も任意に
使用することができる。また印画物を構成するカード基
材には、予めその面に必要な磁気記録層やエンボス模
様、他の印刷模様、光メモリー、ICメモリー、バーコ
ード等を形成しておいてもよいし、また、昇華転写方式
等により顔写真等の情報を形成前後にこれらの磁気記録
層等を設けてもよい。上記カード基材上に設けられる顔
写真は、本発明の昇華型の熱転写シートを用いて常法に
従って形成することができる。また、同時に昇華型の熱
転写シートで文字、バーコード等の情報も形成できる
が、これらの情報は、高濃度の黒色印字が可能な熱溶融
インキ型の熱転写シートを用いて形成することが好まし
い。
【0052】受像シートもしくはカード等に熱転写シー
トを用いてサーマルプリンターによってカラ一画像及び
/又は文字画像を形成し、その上に本発明の保護層熱転
写フィルムを用いて、熱転写性保護層を転写して保護層
を形成するか熱転写インキ層を有する本発明の保護層熱
転写フィルムを用いる。転写に際しては、サーマルプリ
ンターは、昇華転写用、溶融転写用、保護層転写用とい
うように別々に転写条件を設定してもよいし、また、共
通のプリンターでそれぞれ印字エネルギーを適切に調整
して行ってもよい。尚、本発明の保護層熱転写フィルム
では、加熱手段としてサーマルプリンターに限定され
ず、その他熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ライン
ヒーター、アイロン等でも転写できる。また、保護層
は、形成された画像の全面に転写してもよいし、特定の
部分のみに転写してもい。
【0053】次に、より具体的な実施例および比較例を
挙げ、本発明を更に詳細に説明する。尚、文中、「部」
で表示したものは、重量部を意味する。 (実施例1)1.昇華性染料熱転写フィルムの作製 下記組成の昇華性染料を含む3色のインキを調整した。 (1)イエローインキの組成 下記構造式で表されるキノフタロン系染料 5.5部 ポリビニルブチラール(エスレックBX─1積水化学工業製)4.5部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1:1) 90.0部
【0054】
【化2】
【0055】(2)マゼンタインキの組成 イエローインキの組成において、染料の種類のみをマゼ
ンタ染料(C.I.D─isperse Red 6
0)に換え、その他はイエローインキと同様にしてマゼ
ンタインキを調整した。 (3)シアンインキの組成 イエローインキの組成において、染料の種類のみをシア
ン染料(C.I.So─lvent Blue 63)
に換え、その他はイエローインキと同様にしてシアンイ
ンキを調整した。一方、基材フィルムとして厚さ6ミク
ロンの軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(以
下PETと表示)(商品名ルミラー東レ製)を用い、そ
の一方に背面層としてシリコーン樹脂からなる耐熱性ス
リップ層をグラビア印刷方式で全面に厚さ1ミクロンで
設け、もう一方の面にウレタン系樹脂からなるプライマ
ー層を全面に厚さ0.5ミクロンで設けた。次にこのプ
ライマー層の上に上記のインキ組成物をグラビア印刷方
式により塗布量が約3g/m2(固形分)になるように
それぞれイエロー、マゼンタ、シアンの順に面順次にP
ETフィルムの流れ方向に、各色とも長さ15cmで繰
り返しベタ印刷して3色の昇華性染料によるインキ層を
形成し、昇華性染料熱転写フィルムを作製した。
【0056】2.保護層熱転写フィルムの作製 次に、厚さ6ミクロンのPETフィルム(商品名ルミラ
ー東レ製)を基材フィルムとし、その一方の面に背面層
としてシリコーン樹脂による耐熱製スリップ層を乾燥時
の厚さが1ミクロンとなるるようにグラビアコート法で
形成し、もう一方の面に下記の組成の吸水性表面層用塗
布液をグラビアコート法で乾燥時の塗布量が10g/m
2となるように塗布、乾燥して吸水性表面層を形成し
た。
【0057】 <吸水性表面層用塗布液の組成> コロイダルシリカ分散液 100部 (スノーテックスOL 日産化学社製、平均粒径約50nm) ポリビニルアルコール樹脂(以下PVAと表示する) 3部 (ポバールC318:クラレ社製) イソプロピルアルコ−ル(以下IPAと表示する) 20部 次に、上記吸水性表面層の上に、下記の組成の熱接着性
樹脂層用塗布液をグラビアコート方式で乾燥時の塗布量
が1g/m2になるように塗布、乾燥して熱接着性樹脂
層を形成し、吸水性保護層を有する保護層熱転写フィル
ムを得た。
【0058】 <熱接着性樹脂層用塗布液の組成> スチレンーアクリルエマルジョン 100部 (ポリゾールAT─2011 昭和高分子社製) 水 50部 IPA 50部
【0059】(実施例2)実施例1の吸水性表面層と熱
接着性樹脂層の間に、下記の組成の紫外線遮断層用塗布
液をグラビアコート方式で乾燥時の塗布量が1g/m2
になるように塗布、乾燥して紫外線遮断層を形成した以
外は、実施例1と同様にして、実施例2の保護層熱転写
フィルムを形成した。 <紫外線遮断層用塗布液の組成> 反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 100部 (UVA−383MG BASFジャパン社製)
【0060】(実施例3)実施例2と同様にして吸水性
表面層を形成後、更に下記の組成の吸水性微細領域用塗
布液をグラビコート方式で乾燥時の塗布量が2g/m2
になるように吸水性表面層に塗布、乾燥して吸水性微細
領域を形成し、更に紫外線遮断層として、下記の組成の
紫外線遮断層用塗布液を、グラビアコート方式で乾燥時
の塗布量が1g/m2になるように塗布、乾燥して紫外
線遮断層を形成した以外は、実施例2と同様にして、実
施例3の保護層熱転写フィルムを形成した。 <吸水性微細領域用塗布液の組成> ポリビニルピロリドン樹脂(以下PVPと表示する)10部 (PVP K−90 ISP社製) IPA 90部 <紫外線遮断層用塗布液の組成> 反応性紫外線吸収剤を反応結合した共重合樹脂 70部 (UVA−635L BASFジャパン社製) メチルエチルケトン(以下MEKと表示する) 30部
【0061】(実施例4)実施例3の吸水性微細領域用
塗布液を下記の組成にした以外は、実施例3と同様にし
て実施例4の保護層熱転写フィルムを形成した。 <吸水性微細領域用塗布液の組成> PVP 10部 アクリル樹脂 25部 (BR─83 三菱レイヨン社製) IPA 60部 MEK 120部
【0062】(実施例5)実施例4の基材フィルムと吸
水性表面層の間に、下記の組成の離型層用塗布液を、グ
ラビアコート方式で乾燥時の塗布量が0.5g/m2に
なるように塗布、乾燥して離型層を形成した以外は、実
施例4と同様にして、実施例5の保護層熱転写フィルム
を形成した。 <離型層用塗布液の組成> 酢酸セルロース樹脂 4部 (L−20 ダイセル化学社製) 酢酸ビニル樹脂 1部 (C─2 セキスイ化学社製) MEK 95部
【0063】(実施例6)実施例5の吸水性表面層用塗
布液を下記の組成にした以外は、実施例5と同様にして
実施例6の保護層熱転写フィルムを形成した。 <吸水性表面層用塗布液の組成> コロイダルシリカ分散液 100部 (スノーテックスOL 日産化学社製、平均粒径約50nm) PVA 2部 硬化剤(スミレーズレジン5004 住友化学社製) 1部 IPA 20部 水 20部
【0064】(実施例7)実施例5の吸水性表面層用塗
布液を下記の組成にした以外は、実施例5と同様にして
実施例7の保護層熱転写フィルムを形成した。 <吸水性表面層用塗布液の組成> コロイダルシリカ分散液 100部 (スノーテックス20 日産化学社製、平均粒径約20nm) PVA 2部 硬化剤(スミレーズレジン5004 住友化学社製) 1部 IPA 20部 水 20部
【0065】(実施例8)実施例5の吸水性表面層用塗
布液を下記の組成にした以外は、実施例5と同様にして
実施例8の保護層熱転写フィルムを形成した。 <吸水性表面層用塗布液の組成> コロイダルシリカ分散液 50部 (スノーテックスXL 日産化学社製、平均粒径約60nm) PVA 2部 硬化剤(スミレーズレジン5004 住友化学社製) 1部 IPA 20部 水 70部
【0066】(実施例9)実施例5の吸水性表面層用塗
布液を下記の組成にした以外は、実施例5と同様にして
実施例9の保護層熱転写フィルムを形成した。 <吸水性表面層用塗布液の組成> コロイダルシリカ分散液 100部 (スノーテックスXL 日産化学社製) PVA 2部 硬化剤(スミレーズレジン5004 住友化学社製) 1部 IPA 40部 水 140部
【0067】(比較例1)実施例1の吸水性表面層用塗
布液の代わりに、下記の組成の塗布液を用いた以外は、
実施例1と同様にして比較例1の保護層熱転写フィルム
を形成した。 <表面層用塗布液の組成> アクリル樹脂(BR−83 三菱レイヨン社) 20部 MEK 40部 トルエン 40部
【0068】(実施例10)下記に示す熱転写受像シー
トの受容層側に、前述の昇華性染料熱転写フィルム或い
は染料層一体型保護層熱転写フィルムの染料塗布面を重
ね合わせ、顔写真を色分解して得た電気信号に連結した
プリンターのサーマルヘッドを用いて熱エネルギーを付
与し、フルカラー画像を形成した。受像シートの基材シ
ートとして合成紙(ユポFRG−150、厚さ150ミ
クロン・王子油化合成紙製)を用い、その一方の面に下
記の組成の染料受容層塗布液をバーコーターにより、乾
燥時塗布量か4g/m2となるように塗布、乾燥して、
染料受容層を形成し、熱転写受像シートを作製した。 (染料受容層形成用塗布液) 塩化ビニル─酢酸ビニル共重合体 20部 (電化ビニル1000A 電気化学社製) エポキシ変性シリコーンオイル 1部 (X─22─2900T 信越化学社製) MEK/トルエン(1/1) 80部
【0069】(実施例11)上記の方法により得られ
た、フルカラー画像上に、実施例1〜9及び比較例1の
保護層転写フィルムを重ね合わせ、フルカラー画像を形
成したプリンターと同じプリンターを用いて、それぞれ
の熱転写性保護層を転写し、保護層付フルカラー画像を
形成した。
【0070】(実施例12) (転写画像の耐光性試験)実施例10で得られたカラー
画像に保護層の転写された各シートを試料として、画像
面の耐光性をキセノンフェードメータ(アトラス社製C
i─35A)で300KJ/m2照射し、照射前後の光
学濃度の変化を光学濃度計(マクベス社RD918)に
より測定し、下記式により光学濃度の残存率を算出し
た。
【0071】残存率は、照射後の光学濃度/照射前の光
学濃度で評価した。尚、耐光性試験の結果としては、上
記残存率を下記の区分の記号に換えて表1に示した。 ○:90%以上の残存率 △:残存率が80%以上90%未満 ×:残存率が80%未満
【0072】(実施例13) (転写画像の捺印性試験)実施例11で得られたカラー
画像に保護層の転写された受像シートを試料とし、水性
染科インキ(シャチハタ社製)を付着させたスタンプを
画像面に押し付け、10分間放置し、インキが定着して
いるかどうかを観察した。インキが定着しているものを
○、定着していないものを×とし、同様に表1に結果を
示した。
【0073】(実施例14) (転写画像の耐溶剤性及び耐水性試験)実施例11で得
られたカラー画像に保護層の転写された受像シートを試
料とし、アセトン、エタノール、水をそれぞれ綿棒に浸
して、試料の画像上を20往復擦り、画像及び保護層の
変化を観察した。尚、耐溶剤性、耐水性試験の結果とし
ては、画像及び保護層共に損傷のないものを○、画像に
損傷はないが保護層に損傷のあるものを△、画像,保護
層共に損傷のあるものを×とし、同様に表1に結果を示
した。
【0074】(実施例15) (転写画像の耐可塑剤性試験)実施例11で得られたカ
ラー画像に保護層の転写された受像シートを試料とし、
画像上に消しゴム(MONOトンボ社製)をのせ、30
0g/cm2の荷重をかけ、60℃の環境下に48時問
保存し、画像の損傷を観察した。画像の損傷が全くない
ものを○、損傷の程度が低いものを△、損傷の程度が著
しいものを×とし、同様に表1に結果を示した。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明は、上述のとおり構成されている
ので、次に記載する効果を有する。
【0077】本発明は、着色剤によって形成された印画
物の上に、実質的に透明な保護層熱転写フィルムを介し
て熱転写性保護層を転写、積層し、その保護層に吸水性
を有する効果を付与することで、これまでパスポート等
の感熱昇華性染料、或いは感熱溶融転写顔料含有バイン
ダー等による顔写真部等に水性の捺印ができず使用でき
なかったが、該熱転写性保護層の積層によりその捺印が
可能となり、パスポート写真等を本記録媒体により作製
することができるようになった。また水性の筆記体での
筆記が可能となり、パスポート写真等に限らず、水溶性
の捺印、筆記が必要な印画物への利用ができるようにな
った。
【0078】また本熱転写保護層が、部分的吸水性と部
分的耐水性を有することにより、耐溶剤性、耐薬品性が
付与され、それら溶剤、薬品によるパスポート等の偽造
が防止できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の保護層熱転写フィルムの一実施例を説
明する模式断面図である。
【図2】本発明の保護層熱転写フィルムの別の一実施例
を説明する模式断面図である。
【図3】本発明の保護層熱転写フィルムのまた別の一実
施例を説明する模式断面図である。
【図4】本発明の保護層熱転写フィルムの更に別の一実
施例を説明する模式断面図である。
【符号の説明】
1,基材フィルム 2,熱転写保護層 3,離型層 4,吸水性表面層 5,紫外線遮断層 6,熱接着性樹脂層 7,背面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舘花 敦司 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性基材フィルム上に、少なくとも1
    層以上の熱転写性保護層が積層された保護層熱転写フィ
    ルムにおいて、転写後の熱転写性保護層が吸水性を有す
    ることを持徴とする保護層熱転写フィルム。
  2. 【請求項2】 熱転写性保護層が、実質的に透明な吸水
    性表面層と、実質的に熱接着性樹脂層から構成されてい
    る請求項1に記載の保護層熱転写フィルム。
  3. 【請求項3】 転写後に最表面を形成する吸水性表面層
    が、実質的に透明な多孔層であることを特徴とする請求
    項2に記載の保護層熱転写フィルム。
  4. 【請求項4】 転写後に最表面を形成する吸水性表面層
    が、少なくとも、吸水性を有する吸水性微細領域と、耐
    水性を有する耐水性微細領域から成る、部分吸水層であ
    ることを特徴とする請求項2に記戟の保護層熱転写フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 前記吸水性微細領域を形成する樹脂が少
    なくとも水溶性樹脂と非水溶性樹脂の両者を含有するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の保護層熱転写フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 前記実質的に透明透明な多孔層で、且つ
    耐水性微細領域を構成する材料が、平均粒子径が0.1
    ミクロン以下の微粒子を主成分とするこを特徴とする請
    求項3〜5のいずれかに記載の保護層熱転写フィルム。
  7. 【請求項7】 前記実質的に透明透明な多孔層で、且つ
    耐水性微細領域を構成する材料が、耐水性の樹脂バイン
    ダーを含有することを特徴とする請求項3〜6のいずれ
    かに記載の保護層熱転写フィルム。
  8. 【請求項8】 熱転写性保護層中に紫外線を吸収する材
    料を含有することを持徴とする請求項1〜7のいずれか
    に記載の保護層熱転写フィルム。
  9. 【請求項9】 前記熱転写性保護層が、熱昇華性色材
    層、或いは熱溶融性色材層の少なくとも1層と、同一の
    基材フィルム上に面順次に形成されていることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の保護層転写フィル
    ム。
  10. 【請求項10】 着色剤によって形成された画像を有す
    る印画物の、画像形成面の少なくとも一部に、請求項1
    〜9のいずれかに記載の熱転写性保護層が層されている
    ことを特徴とする印画物。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の印画物上に、水性
    インキが捺印さていることを特徴とする印画物。
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