JP2002200852A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP2002200852A JP2000399977A JP2000399977A JP2002200852A JP 2002200852 A JP2002200852 A JP 2002200852A JP 2000399977 A JP2000399977 A JP 2000399977A JP 2000399977 A JP2000399977 A JP 2000399977A JP 2002200852 A JP2002200852 A JP 2002200852A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーマルプリンタでのプリント時の高熱に影
響されずに金属光沢に優れ、得られる印画物の高温保存
時におけるひび割れ等の破損を防止した熱転写シートを
提供することを目的とする。 【解決手段】 フィルム基材の一方の面に、少なくと
も、剥離アンカー層、金属蒸着層、接着層を順次設けた
熱転写シートで、該剥離アンカー層中にTg60℃以
上、200℃以下の樹脂バインダーと、平均粒子径10
〜300nmの微粒子を含有し、該微粒子が剥離アンカ
ー層全体の固形分に対して、1〜60質量%の割合で含
有されていることで、サーマルヘッド加熱下で、マット
化しない程度の耐熱性を有した印字物が得られ、また1
00℃近い高温下に印字物を長時間保存しても、樹脂バ
インダー中に細かい微粒子を分散させて、印字物表面層
が熱変形しても、その微粒子が熱吸収剤、緩衝剤として
機能して、ひび割れを防止した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録方式によ
って、被転写材に金属光沢等の金属感を有する文字や図
柄等をプリントするための熱転写シートに関する。特
に、サーマルプリンタでのプリント時の高熱に影響され
ずに金属光沢に優れ、得られる印画物の高温保存時にお
けるひび割れ等の破損を防止した熱転写シートに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属光沢をもつ印字物等を得
る方法として、転写箔を用いて、印字物と同一形状の凸
部を有する金属等のスタンプで熱圧接するホットスタン
ピング法が知られている。この転写箔として、例えば、
9〜25μm程度の基材フィルム上に剥離層、蒸着アン
カー層、金属蒸着層、接着層を順次積層したものを用い
る。そして、転写箔の接着層側を紙等の被転写体と対向
させ、基材フィルム側から100〜130℃程度に加熱
したスタンプを数秒間押し当てることにより、所望の画
像を被転写体に転写させる画像記録方法である。しかし
ながら、ホットスタンピング法では、金属等でできたス
タンプをその都度作製する必要があるために、少部数の
印字にはコスト的に適しておらず、更にハーフトーン調
の記録を行うためにはスタンプに網点等の精密加工が要
求される上、細かいハーフトーン画像の記録は困難であ
る。
【0003】これに対して、近年、サーマルヘッドと熱
転写リボンを用いた熱転写記録方式が普及するに至り、
この方法は少部数の印字に適しており、また面積階調に
よるハーフトーン調の画像も容易に記録できるため、上
記スタンプの代わりにサーマルヘッドを用いた、転写記
録方法が望まれている。例えば特開昭63−30288
号公報では、従来のホットスタンピング法に用いる転写
箔についてその基材フィルムを薄膜化したものを用い
て、サーマルヘッドで熱転写することを試みている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
サーマルヘッドにより金属蒸着層を転写して、金属光沢
を有する印画物を得る際に、熱転写シートの転写層に使
用しているバインダの耐熱性が低いと、得られる印画物
の金属蒸着層の表面がマット化してしまう。また、それ
に対して、用いる熱転写シートの転写層のバインダにT
gの高い樹脂を用いることが試みられたが、その印画物
を100℃近い高温下で長時間保存すると、印画物の転
写面でひび割れ、すなわち微細な亀裂が生じてしまい、
鏡面光沢の優れた金属光沢感を有する記録物を得ること
が出来ないという問題が生じる。
【0005】したがって、上記の問題を解決するため、
本発明は、サーマルヘッドによる高熱を受けても、印画
物とした時に、金属蒸着層がマット化せず、印画物を1
00℃近い高温下で長時間保存しても、印画物の転写面
でひび割れが生じることなく、金属光沢感を有する記録
物を形成することができる熱転写シートを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、フィルム基材の一方の面に、少なくと
も、剥離アンカー層、金属蒸着層、接着層を順次設けた
熱転写シートにおいて、該剥離アンカー層中にTg60
℃以上、200℃以下の樹脂バインダーと、平均粒子径
10〜300nmの微粒子を含有し、該微粒子が剥離ア
ンカー層全体の固形分に対して、1〜60質量%の割合
で含有されていることを特徴とする。前記剥離アンカー
層中の微粒子として、コロイダルシリカを用いることが
好ましく行なわれる。
【0007】本発明の熱転写シートは、フィルム基材の
一方の面に、少なくとも、剥離アンカー層、金属蒸着
層、接着層を順次設けて、該剥離アンカー層中にTg6
0℃以上、200℃以下の樹脂バインダーと、平均粒子
径10〜300nmの微粒子を含有し、該微粒子が剥離
アンカー層全体の固形分に対して、1〜60質量%の割
合で含有されていることで、サーマルヘッド加熱下で、
マット化しない程度の耐熱性を有した印字物が得られ、
また100℃近い高温下に印字物を長時間保存しても、
樹脂バインダー中に細かい微粒子を分散させて、印字物
表面層が熱変形しても、その微粒子が熱吸収剤、緩衝剤
として機能して、ひび割れを防止した。また、粒子を添
加することにより印字時の切れ性を上げる効果が見られ
た。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、好ましい実施の形態を挙
げて、本発明を更に詳しく説明する。図1は本発明の金
属光沢を有する熱転写シートの一実施例を示す縦断面図
である。同図の熱転写シート1は、フィルム基材2の背
面側に耐熱層6が設けられており、フィルム基材2のお
もて面側に、順に剥離アンカー層3、金属蒸着層4、接
着層5が設けられた構成である。なお、耐熱層6は場合
により適宜省略することもできる。また、本発明の熱転
写シートの使用形状は、通常は連続帯状の熱転写シート
として使用されるが、一枚単位のシート状としても使用
可能である。
【0009】以下、本発明の熱転写シートの層毎に順次
説明する。 (フィルム基材)熱転写シートのフィルム基材2は、従
来公知のある程度の耐熱性と強度を有するものであれ
ば、いずれのものでもよく、例えば、0.5〜50μ
m、好ましくは3〜10μm程度の厚さのポリエステル
フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィ
ルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリ
カーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィル
ム、セロファン等であり、特に好ましいものは、ポリエ
ステルフィルムである。
【0010】(耐熱層)本発明の熱転写シートは、フィ
ルム基材の他方の面に、サーマルヘッドの熱によるステ
ィッキングや印字しわ等の悪影響を防止するため、耐熱
層6を設けることができる。上記の耐熱層を形成する樹
脂としては、従来公知のものであればよく、例えばポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチ
レン/ブタジエン共重合体樹脂、アクリルポリオール、
ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセ
ルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロー
スアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブ
チレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタ
レート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポ
リオレフィン樹脂等が挙げられる。また、より耐熱性向
上のために、各種イソシアネート硬化剤や不飽和結合を
有するモノマー、オリゴマーとの反応生成物でもよく、
硬化方法は加熱、電離放射線の照射等、硬化手段は限定
されない。
【0011】これらの樹脂からなる耐熱層に添加、ある
いは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、
シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン
系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アク
リルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサ
ン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げら
れるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコ
ール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及び燐酸
エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加
することがより好ましい。耐熱層は、上記に記載した樹
脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、
溶解又は分散させて、耐熱層形成用インキを調製し、こ
れを、上記のフィルム基材の他方に面に、例えば、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリ
バースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥
して形成することができる。
【0012】(剥離アンカー層)剥離アンカー層3は、
基本的には金属蒸着の際の下地を提供し、且つフィルム
基材等を蒸着時の熱から保護すると共に、加熱によりフ
ィルム基材と剥離アンカー層との間で剥離し、印画物の
最表面となる層であり光沢を実現するためのものであ
る。また、剥離アンカー層は、転写印字後は金属蒸着層
と共に被転写体に転写移行し、金属蒸着層の上層に位置
して金属蒸着層に密着して記録物の一構成要素となるの
ものであり、金属蒸着層を擦り傷や腐食等の機械的及び
化学的強度を向上させる保護層として機能する層でもあ
り、金属蒸着層の金属光沢を透視可能な程度に透明性を
有する層でもある。
【0013】さらに、本発明の剥離アンカー層は、従来
のホットスタンピング法では受けることのなかった、サ
ーマルヘッドによる高熱に耐えて金属蒸着層のマット化
を起こさないように耐熱性を有する。また、本発明の剥
離アンカー層は、加熱硬化等の硬化処理が不要で、単に
溶液を塗工し乾燥すれば容易に設けることができる層で
もある。このような耐熱性を有する剥離アンカー層に用
いる材料としては、樹脂バインダーと微粒子であり、樹
脂バインダーはTgが70〜260℃程度のものが用い
られ、Tg60℃以上、200℃以下の樹脂バインダー
が印画物とした時の表面がマット化せず、印画物を10
0℃近い高温下で長時間保存しても、印画物の転写面で
ひび割れが生じない効果が充分に発揮でき、特に好まし
い。本発明の剥離アンカー層は、平均粒子径10〜30
0nmの微粒子を添加し、該微粒子を剥離アンカー層全
体の固形分に対して、1〜60質量%の割合で含有させ
る。
【0014】上記の樹脂バインダーとしては、具体的に
はポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエーテル樹脂、ニトロセル
ロース、エチルセルロース、その他、セルロース誘導体
等があり、また塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリアリレ
ート樹脂、ノルボルネン系水添樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂(PEEK)やポリエーテルケトン樹脂(PEK)等
のポリエーテルケトン類、ポリエーテルスルホン樹脂、
ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂等が挙
げられる。なお、これらは単独、或いは混合物として用
いてもよい。樹脂バインダーのTgが60℃未満である
と、サーマルヘッド加熱により、転写された印字物表面
がマット化してしまう。また、樹脂バインダーのTgが
200℃、特に260℃を超えると、得られる印画物を
100℃近い高温下で長時間保存すると、印画物の転写
面でひび割れが生じやすい。
【0015】剥離アンカー層に添加する微粒子は、平均
粒子径が10〜300nmの大きさで、シリカ、コロイ
ダルシリカ、タルク、アルミナ、炭酸カルシウム等の無
機微粒子、またテフロン微粒子、架橋尿素樹脂微粒子、
スチレン−アクリル樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、
ポリカーボネート樹脂微粒子等の有機微粒子が挙げられ
る。但し、上記の微粒子は使用する樹脂バインダーとの
組み合せで、樹脂バインダー中に分散しやすいものを用
いる。特に、コロイダルシリカと、樹脂バインダーとし
てポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂の組み合せが微
粒子分散性等の点で好ましい。上記の微粒子は、平均粒
子径で10nmより小さいと、熱吸収剤、緩衝剤とし
て、ひび割れ防止の機能を発揮出来ず、また平均粒子径
で300nmよりも大きいと、転写された印字物表面が
白化して、光沢性が低下する。
【0016】剥離アンカー層の厚みは、通常は、塗工量
で0.1〜10g/m2の範囲で設ける。厚みが0.1
g/m2未満では剥離アンカー層として機能せず、10
g/m2を超えると、印字時の箔切れが悪くなり、ハー
フトーン調の記録には適さなくなる。また、剥離アンカ
ー層には、例えば、アルミニウム等による金属蒸着層の
着色を目的として、公知の染料や顔料等によるシアン、
マゼンタ、イエロー、ブラック及びその他の色の色材
(着色剤)等を適宜混合することができる。
【0017】(金属蒸着層)金属蒸着層4は、アルミニ
ウム、亜鉛、スズ、クロム、金、銀等の金属、或いは真
ちゅう等の合金等を真空蒸着、スパッタリング等の真空
下によるメタライジング法で形成した金属薄膜層であ
る。金属蒸着層の厚みは、通常、100〜1000Å、
好ましくは200〜500Åの範囲とすれば、金属光沢
を得るには充分である。薄すぎると光沢感が得られる程
に可視光線を反射せず、厚すぎると印字時の箔切れが悪
くなりハーフトーン調の記録に向かず、また不経済であ
る。
【0018】(接着層)接着層5としては、ワックスや
熱可塑性樹脂等の単独、又はこれらの混合物が用いられ
る。接着層は50〜120℃の融点、または軟化点を有
するワックス及び/又は熱可塑性樹脂を主体に含有する
ものである。上記の融点、または軟化点が低すぎると、
熱転写シートの巻取り保管上、ブロッキングが生じやす
く、一方で融点、または軟化点が高すぎると、熱転写の
際に被転写体への接着が弱くなりこのましくない。上記
のワックスとして、具体的には、カルナバワックス、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エ
ステルワックス、フッシャートロプシュワックス、各種
の低分子量ポリエチレン、木ロウ、みつロウ、鯨ロウ、
イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリ
ラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪
酸エステル、脂肪酸アミドなどの従来公知の各種ワック
ス類が使用できる。また熱可塑性樹脂としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体などの、エチレン
と他の重合性モノマーとの共重合物であるエチレン系共
重合体や、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、石油樹
脂、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂等、或いはポリイ
ソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン
−アクリロニトリルゴム等の合成ゴムや天然ゴム等のエ
ラストマー類である。
【0019】接着層の厚みは、被転写材の表面形状によ
って必要な厚みが異なるが、金属蒸着層の光沢感、箔切
れ性が損なわれない限り、薄く形成する方が、印字感
度、プリントされた画像の定着性、解像性の点で好まし
い。例えば、塗工量で0.3〜5.0g/m2、好まし
くは0.3〜3.0g/m2の範囲が良い。0.3g/
2未満では、充分な接着力を得ることができない。一
方、5g/m2を超えると接着層を溶融させるに過大な
エネルギーが必要となり、又、箔切れも低下して好まし
くない。
【0020】(剥離層)本発明の熱転写シートは、剥離
アンカー層が剥離層の機能を有しているので剥離層は必
要ないが、フィルム基材と剥離アンカー層との剥離性が
不足している場合には、フィルム基材と剥離アンカー層
との間に剥離層を設けることができる。剥離層として
は、例えば、カルナバワックス、パラフィンワックス、
マイクロクリスタリンワックス、エステルワックス、フ
ィシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレ
ン、木ロウ、みつロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロ
ウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロ
ラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸
アミド等の種々のワックス類が使用できる。
【0021】剥離層は、上記に挙げたワックスを主体に
含有し、フィルム基材との剥離性等が適切であれば、ワ
ックス以外の樹脂も混合して使用してもよい。このよう
な樹脂としては、例えば、ポリイソプレンゴム、スチレ
ンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム等
のゴム系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニル
エーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体型樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ポリ塩素化オレフィン系樹脂、ポリカーボネート、
ポリビニルブチラール系樹脂等が挙げられる。剥離層の
厚みは、乾燥時の塗工量で0.01〜1.0g/m2
範囲が好ましい。0.01g/m2未満であると、剥離
層としての機能をなさず、1.0g/m2を超えると、
剥離層自身がマット化するため、十分な金属光沢が得ら
れなくなる。
【0022】なお、上記の如く構成された本発明の熱転
写シートは、サーマルヘッドを用いるサーマルプリンタ
ーに最適であるが、従来のホットスタンピング法の転写
箔としても使用できる。また、解像性にも優れるため
に、文字や図柄等の画像を微小なパターンの集合体とし
てプリントする用途にも適し、これら画像に金属光沢を
付与できる。したがって、濃度階調表現方法として、網
点の大小等による転写部分の面積の大小で濃度階調を表
現する、すなわち面積階調を利用すれば、中間的な濃度
も再現できる。なお、面積階調の方法としては網点以外
にも、砂目、レンガ模様等による印刷分野で公知のスク
リーンパターン等も利用できる。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に
説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断り
のない限り質量基準である。 (実施例1)厚さ6.0μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルムを基材とし、その一方の面に下記組成の耐
熱層塗工液により厚さ(乾燥時の塗工量、以下同様)
0.3g/m2の耐熱層を塗工形成した。次いで、他方
の面に下記組成で溶媒に溶解または分散させた塗工液
で、厚さ0.3g/m2の剥離アンカー層を塗工して形
成した。次いで、剥離アンカー層上にさらに厚さ300
Åのアルミニウムの金属蒸着層を真空蒸着法により形成
し、更に金属蒸着層の上に、厚さ0.3g/m2の接着
層を下記組成で塗工形成して、本発明の実施例1の熱転
写シートを得た。
【0024】 (耐熱層塗工液) スチレン−アクリロニトリル共重合体 11部 線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部 ジンクステアリルホスフェート 6部 メラミン樹脂粉末 3部 メチルエチルケトン 80部
【0025】 (剥離アンカー層組成) ポリエステル樹脂(Tg90℃) 50部 コロイダルシリカ(一次粒子の平均粒子径30nm) 50部 これらを溶媒に溶解、分散させた。
【0026】 (接着層組成) ポリエステル樹脂(ガラス転移温度75℃) 90部 マレイン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10部 これらを溶媒に溶解、分散させた。
【0027】(実施例2)実施例1において、剥離アン
カー層の形成を下記組成に代えた以外は、実施例1と同
様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。 (剥離アンカー層組成) アクリル樹脂(Tg105℃) 50部 コロイダルシリカ(一次粒子の平均粒子径30nm) 50部 これらを溶媒に溶解、分散させた。
【0028】(比較例1)実施例1において、剥離アン
カー層の形成を下記組成に代えた以外は、実施例1と同
様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。 (剥離アンカー層組成) ポリエステル樹脂(Tg90℃) 100部 これを溶媒に溶解、分散させた。
【0029】(比較例2)実施例1において、剥離アン
カー層の形成を下記組成に代えた以外は、実施例1と同
様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。 (剥離アンカー層組成) ポリエステル樹脂(Tg90℃) 30部 コロイダルシリカ(一次粒子の平均粒子径30nm) 70部 これらを溶媒に溶解、分散させた。
【0030】(比較例3)実施例1において、剥離アン
カー層の形成を下記組成に代えた以外は、実施例1と同
様にして、比較例3の熱転写シートを作製した。 (剥離アンカー層組成) ポリエステル樹脂(Tg50℃) 50部 コロイダルシリカ(一次粒子の平均粒子径30nm) 50部 これらを溶媒に溶解、分散させた。
【0031】(比較例4)実施例1において、剥離アン
カー層の形成を下記組成に代えた以外は、実施例1と同
様にして、比較例4の熱転写シートを作製した。 (剥離アンカー層組成) ポリアミドイミド樹脂(Tg260℃) 100部 こらを溶媒に溶解、分散させた。
【0032】(評価方法)上記実施例及び比較例の熱転
写シートを使用し、被転写体として日本ビクター(株)
製クリアレシーバ(OHPシート)を用い、また、プリ
ンタとしてはSIP社製工程管理プリンターを用いて、
印加エネルギーを0.6mJ/dotにて、印字速度1
0mmsec/lineにて、テストパターンを印画し
て、下記のような評価を行った。
【0033】(印画物の金属光沢感、外観)上記の条件
で得られた各印画物について、印字部、特にベタ部にマ
ット化が見られるか、目視にて金属光沢感、外観を調べ
た。その評価の基準は以下の通りである。 ○:印字表面が全くマット化せず、金属光沢があり、外
観良好である。 △:印字表面の一部にマット化が見られる。 ×:印字表面の大部分もしくは全面がマット化し、外観
不良である。
【0034】(ひび割れ性)上記の条件で得られた各印
画物を、温度85℃、湿度はフリーに設定されたオーブ
ン中に240時間保存後、目視にて印字物表面のひび割
れの有無を調べた。その評価の基準は以下の通りであ
る。 ○:ひび割れが全く発生していない。 △:数ヶ所でひび割れが発生している。 ×:多数個所でひび割れが発生している。
【0035】評価結果は下記表1の通りである。
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上の通り、本発明の熱転写シートは、
フィルム基材の一方の面に、少なくとも、剥離アンカー
層、金属蒸着層、接着層を順次設けて、該剥離アンカー
層中にTg80℃以上、200℃以下の樹脂バインダー
と、平均粒子径10〜100nmの微粒子を含有し、該
微粒子が剥離アンカー層全体の固形分に対して、1〜6
0質量%の割合で含有されていることで、サーマルヘッ
ド加熱下で、マット化しない程度の耐熱性を有した印字
物が得られ、また100℃近い高温下に印字物を長時間
保存しても、樹脂バインダー中に細かい微粒子を分散さ
せて、印字物表面層が熱変形しても、その微粒子が熱吸
収剤、緩衝剤として機能して、ひび割れを防止できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属光沢を有する熱転写シートの一実
施例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 熱転写シート 2 フィルム基材 3 剥離アンカー層 4 金属蒸着層 5 接着層 6 耐熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 博文 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2C068 AA06 BB18 BB27 BB33 BC20 BC33 2H111 AA08 AA11 AA33 BA09 BA33 BA53 BA55 4J002 AB021 AB031 BB241 BC021 BC072 BD152 BE061 BG001 CC162 CC182 CF001 CF061 CG001 CG002 CH001 CH071 CH091 CK021 CM041 CN031 DE146 DE236 DJ016 DJ046 FD097 FD202 GF00 GS00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム基材の一方の面に、少なくと
    も、剥離アンカー層、金属蒸着層、接着層を順次設けた
    熱転写シートにおいて、該剥離アンカー層中にTg60
    ℃以上、200℃以下の樹脂バインダーと、平均粒子径
    10〜300nmの微粒子を含有しことを特徴とする熱
    転写シート。
  2. 【請求項2】 前記剥離アンカー層中の該微粒子が剥離
    アンカー層全体の固形分に対して、1〜60質量%の割
    合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載す
    る熱転写シート。
  3. 【請求項3】前記剥離アンカー層中の該微粒子が、コロ
    イダルシリカであることを特徴とする請求項1に記載す
    る熱転写シート。
  4. 【請求項4】前記剥離アンカー層中に色材等添加されて
    いることを特徴とする請求項1に記載する熱転写シー
    ト。
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