JPH01127379A

JPH01127379A - 熱転写シート

Info

Publication number: JPH01127379A
Application number: JP62286239A
Authority: JP
Inventors: Yuji Kikuchi; 菊池　勇治; Tsutomu Yashiro; 八代　勉
Original assignee: Victor Company of Japan Ltd
Current assignee: Victor Company of Japan Ltd
Priority date: 1987-11-12
Filing date: 1987-11-12
Publication date: 1989-05-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は熱転写シート、更に詳細には、被転写シート上
に記録画像の保護層が形成されている熱転写シートに関
する。

（従来の技術及びその問題点）近年、ホームビデオあるいはコンピューターグラフィッ
クス等、各種のカラー画像再生装置が普及し、これに伴
って再生画像情報を出力する装置が望まれている。この
ような出力装置としては、例えばインクジェット方式、
電子写真方式、あるいは熱転写方式等のプリンター出力
装置が開発されつつある。そして、これら各種のプリン
ター出力装置のうち、熱転写方式のプリンターは、機構
が簡単であって取り扱いが容易であり、更には印字の際
の騒音が少なく、また階調性の良いカラー画像記録が得
られる等の特長を有している。

この熱転写型のプリンターに、は、熱昇華性の染料を色
材として用いる昇華型と、熱溶融性の結着剤及び色材と
して顔料を用いた溶融型がある。これら熱転写方式のプ
リンターによる印字の原理は、インク層を基体の一面に
設けた転写シートと被転写シートを、被転写シートと転
写シートのインク層が対向するように重ね合わせ、例え
ば転写シートの基体側よりプリンターのサーマルヘッド
で加熱し、転写シートのインク層における色材を被転写
シートに転写するものである。

ところで昇華型と溶融型の熱転写方式を比べると、昇華
型は保存安定性及び感度において溶融型に劣っているの
が現状である。しかし、昇華型の熱転写方式は、溶融型
と異なり、従来の銀塩写真に近い高品位の記録画像が得
られるのが大きな特長であり、用途開発もこの点を最大
限に生かす方向で進んでいる。

しかしながら、この昇華型の熱転写方式も、本格的な実
用レベルに達するには、保存安定性の根本的な改良が必
要である。というのは、昇華性染料は、一般に常温常圧
でも蒸気圧を持つため、徐々にではあるが記録された画
像を形成している定着染料も昇華する。従って退色が起
こり濃度の低下を発生する。また、耐光性に劣り、紫外
線等の露光により記録画像の濃度は低下するという欠点
を有する。

これら昇華型のプリンターの欠点を改善するためにいろ
いろな提案がなされている。例えば、特開昭６０−２３
０９６号公報に示される如く、耐熱性基村上に、加熱に
より溶融転着して剥離しつる樹脂層を設けたカラーハー
ドコピー印画紙用カバーフィルムが提案されている。し
かし、この方式では、転写シートとは全く別に専用の保
護樹脂層を設けたシートを準備しなくてはならない。ま
た、このような別の専用シートを熱転写プリンターに組
み込むことは、機構の簡単さで民生向への普及を狙う昇
華型熱転写方式にとって大きな障害となる。あるいはカ
バーフィルム転写機構を熱転写プリンターに組み込まな
い場合は、別置の専用ラミネーターが必要となり、いづ
れにしてもコストアップは避けられないという欠点があ
る。

また、特開昭６０−１６２６８８号公報に示される如く
、被転写シートの顕色剤層上に紫外線吸収剤層を設け、
顕色剤層に記録された画像の耐光性を向上させる提案が
なされている。そして、該公報には、その方法として、
■紫外線吸収剤層を画像が記録された被転写シート上に
塗布する方法、■予め顕色剤層上に紫外線吸収剤層を設
けておく、方法、■転写基紙上に紫外線吸収剤転写層を
有する紫外線吸収剤転写シートを用いる方法、■染料か
らなる熱転写層に紫外線吸収剤を含有させ染料とともに
熱移行させる方法が記載されている。■に関しては、上
記特開昭６０−２３０９６号公報に記載の発明と同じ考
え方である。■は■と同様熱転写プリンターでの画像記
録後の後処理を必要とするものであり、装置の大型化は
避けられない方法である。■および■の方法は、いづれ
も発色濃度の低下をもたらし、それを防ぐために、紫外
線吸収剤層の厚さの制限あるいは熱転写層バインダーへ
の紫外線吸収剤添加量の制限があると考えられる。

以上のように、これまでの昇華型プリンターにおける保
存性の改良に関する提案は、専ら被転写シート上の塗料
組成物に紫外線吸収剤等を添加して耐光性を改良するか
、あるいはカバーフィルムとして専用転写シートを準備
し、これより転写して保護層とする考え方で研究開発が
推し進められてきた。

（問題点を解決するための手段）本発明者は、昇華型熱転写方式の研究開発を鋭意推し進
めていたが、昇華型の本格的な普及のためには、記録画
像の長期保存性の改良が最も重要であると考え、しかも
熱転写方式が有している本格的な特長を失うことなくこ
の問題の解決を試みた結果、本発明を完成するに至った
。

すなわち本発明は、転写シート基体上の同一面上に、感
熱インク層と、前記感熱インク層の転写後に感熱インク
層と同様剥離転写するための被転写シート記録画像の保
護層とを面順次に具えてなることを特徴とする熱転写シ
ートである。

（発明の実施例）以下、本発明を実施例を示す図面に基づいて説明する。

第１図は、本発明の熱転写シートの一例を示す図面であ
って、図中、（１）はイエローインク部、（２）はマゼ
ンタインク部、（３）はシアンインク部（以下、インク
部をインク層ともいうことがある）、（４）は保護層部
、（５）は転写シート基体である。第１図に示す熱転写
シートは３色インク層が面順次に（１）、（２）、（３
）と塗布されている転写シート基体に、これらインク層
と同一面上に（４）の保護層部を形成し、結果として、
３色インク層（１）、（２）、（３）と該保護層部（４
）を面順次に配置し、保護層もインク層と同様に剥離転
写される構成になっている。インク層は、例えば上記し
た如く、（１）イエローインク部、（２）マゼンタイン
ク部、（３）シアンインク部の順になっている。この順
序は、色再現特性に応じて適宜選択することができる。

また、黒インク層を加えて４色面順次にしてもよい。更
にまた、本発明効果を奏する限り、色数の如何を問わな
い。

第２図は、第１図に示す転写シートの特に保護層部（４
）の断面図を示す。図中、（６）は離型層、（７）は保
護層を示し、保護層（７）は転写シート基体面上の離型
層（６）の上に塗布形成されている。

ここで、（５）の転写シート基体としては、公知のプラ
スチックフィルム、コンデンサー紙などが利用できる。

例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポ
リアクリレート、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン
など耐熱性を有する材料が用いられている。基体厚みは
、薄いほど熱感度に優れ、サーマルヘッドの解像性再現
に優れるが、逆に耐熱性、工程上の取扱い易さなどの点
で２〜１０ｏＬＬｍ、好ましくは３〜２０μｍの基体が
用いられる。

感熱インク部（１）、（２）、（３）は、昇華型転写シ
ートの場合、昇華性染料とバインダー等から成る。バイ
ンダーとしては、昇華性染料との親和性が大きくなく、
昇華性染料の昇華を防げないもの、さらには適度の耐熱
性を有しサーマルヘッドで熱転写したときに転写シート
と被転写シートが熱融着を起こさない樹脂が用いられる
。

例えば、線状飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ス
チレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロ
ース樹脂、メチルセルロース樹脂、セルロースアセテー
トプロピオネート樹脂、メチルメタアクリレート樹脂等
が単独であるいは混合して用いられる。これら樹脂と昇
華性染料を適当な溶剤に溶解し、基体シート上に塗布し
、乾燥して、インク層塗膜を形成する。

保護層部（４）を形成する保護層（７）は、被転写シー
ト上で記録された画像からの昇華性染料の再昇華を妨げ
、かつ、耐光性に対して効果のある樹脂及び添加剤から
成る。樹脂としては、サーマルヘッドにて熱エネルギー
を基体の反対面より与えられたとき、軟化溶融して速や
かに離型層（６）から層状のまま剥離し、そして被転写
シート上にサーマルヘッドとプラテンの間の抑圧と該熱
エネルギーによって転写し、接着するものが選ばれる。

かかる樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレン樹脂等が
挙げられ、これらの中からガラス転移点や、軟化点など
熱特性の観点から重合度などを中心に考慮して選ばれる
。即ち、ガラス転移点が高い樹ＩＩ畝具体的には約７０
’Ｃ以上のＴｇを有するポリエステル樹脂や重合度が２
０００以上のポリビニルブチラール樹脂などを保護層塗
料組成物に用いると、速やかな転写のための軟化溶融作
用が不充分で、保護層転写時に保護層の一部が転写シー
ト上に残留したり、膜が破れたり、さらには転写後の被
転写シートとの密着性に問題があったりと特性上多くの
不具合を生じた。また、添加剤としては、耐光性向上の
目的で公知の紫外線吸収剤等が添加される。保護層（７
）の厚さは、工程上の制約、剥離性の容易さ、保存性の
改善程度などを考慮して決定され、１〜５０μｍが用い
られるが、好ましくは３〜２０μｍが適用される。保護
層（７）は、これら樹脂等を適当な溶剤に溶解し、次の
離型層（６）の上に塗布、乾燥して形成される。

離型層（６）としては、熱により速やかに保護層（７）
を剥離し、かつ、耐熱性に優れた樹脂が用いられ、例え
ばシリコーン樹脂、フッ素系樹脂等が用いられる。これ
らは０．１〜１０ＪＬｍ、好ましくは０．１〜２μｍの
厚さになるように塗布されて形成される。

保護層部（４）は、インク層と同時にあるいは別工程で
形成することができる。

本発明の熱転写シートは、サーマルヘッド熱転写プリン
ターによって、まず（１）のイエロー画像を転写され、
順次（２）マゼンタ、（３）シアンと重ねて転写されて
カラー画像が記録される。

以上のような画像記録に続けて、熱転写シートの保護層
（４）が被転写シート上に転写されて、記録画像の保護
層（４）を形成する。

次に、本発明を更に具体的に説明する。

第１図の構成を有する本発明熱転写シートを次の方法に
より作成した。

裏面に耐熱滑性層を設けた６μｍ厚のポリエチレンテレ
フタレートフィルム（テトロンフィルム、余人製）基体
上に、昇華性インク層（１）。

（２）、（３）を、乾燥後のインク層塗膜が１μｍ厚に
なるように所定厚グラビア方式にて塗布した。このイン
ク層組成物をイエロー、マゼンタ、シアン各色について
次に示す。

（イエローインク組成物）ＰＴＹ−５２（三菱化成製、昇華性染料）１．５重量部バイロン−２９０（東洋紡製、線状ポリエステル樹脂）１．Ｏ（バーキュ
リーズ社製、エチルセルロース）６メチルエチルケトン
　　　　　　　　　　４゜トルエン　　　　　　　　　
　　　　　　　４゜シクロヘキサノン　　　　　　　　
　　　ｌＯ（マゼンタインク組成物）カヤセット−Ｒ−０２６（日本化薬製、昇華性染料）　　　　４重量部バイロン
−２９０（東洋紡製、線状ポリエステル樹脂）ｏ、５ＣＡＰ−４
８２−０，５（Ｋｏｄａｋ　　製、　セルトスアセテートプロピオネ
ート）　　　　　　　２　、　５メチルエチルケトン　
　　　　　　　　　４゜トルエン　　　　　　　　　　
　　　　　　４゜シクロヘキサノン　　　　　　　　　
　　　１゜（シアンインク組成物）ＰＴＢ−１６（三菱化成製、昇華性染料）６重量部バイロン−２９０（東洋紡製、線状ポリエステル樹脂）　　　　１ＢＸ−
１（積水化学製　、　ポリビニールブチラール樹月旨）
　４メチルエチルケトン　　　　　　　　　　４゜トル
エン　　　　　　　　　　　　　　　　４゜シクロへキ
サノン　　　　　　　　　　　１０以上のインク組成物
を該基体上に印刷塗布すると同時に、同一基体上に離型
層（６）及びその離型層（６）上に保護層（７）を、同
一印刷工程の中で印刷塗布した。

離型層（６）としては、シリコーン樹脂（Ｘ−６２−２
１１２、信越化学製）を乾燥後の塗布厚が０．２μｍ厚
になるように所定厚塗布し、続けて位置合わせな行なっ
て、この離型層（６）上に保護層（７）を重ねて塗布し
た。

保護層としては、次に示す組成物を用いた。

（保護層塗料組成物）バイロン−３００（東洋紡製、線状ポリエステル樹脂、Ｔｇ＝７℃）５重
量部Ｌ−１（積水化学製、ポリビニールブチラール樹脂、Ｔｇ＝５
９℃）２５ジ−ソーブ（白石カルシウム製、紫外線吸収剤）０．３メチルエチ
ルケトン　　　　　　　　　　３５トルエン　　　　　
　　　　　　　　　　　３５このような組成物を保護層
塗料組成物を乾燥後の塗布厚が５μｍ厚になるように離
型層上に塗布した。

斜上の如くして得た本発明熱転写シートを用い、画像記
録と保護層転写テストを実施した。通常のサーマルプリ
ンター装置を用い、イエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、
シアン（Ｃ）の順に画像を記録したのち、続けて保護層
（７）を転写した。ここで保護層を被転写シート上に転
写したものと転写しないものを作成し、５０℃、９０％
ＲＨでの保存性の比較、及び、常温での紫外線照射時の
耐光性について比較検討した。次の第１表にそのときの
記録濃度の変化結果を示す。

（以下余白）第１表＊反射濃度変化（初期値よりの濃度変化）はマクベス反
射濃度計ＲＤ−９１８で測定した。

以上の結果より、保護層の形式は、昇華型熱転写記録画
像の保存性改善に効果の大きいことがわかった。

（発明の効果）本発明に係る保護層を有する熱−転写シートを用いると
、従来と全く同じ熱転写方式で、さらには同じ熱転写プ
リンター装置で、昇華型熱転写方式の最大の欠点であっ
た保存性を容易に改善することが可能となり、写真調ビ
クトリアル画像のプリンターとして有望視されている本
方式の普及に多大なる貢献をするものと考えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は３色インクと保護層を面順次に塗布した本発明
熱転写シートの一例の部分平面図、第２図は転写シート
の保護層塗布部の断面図を示す。１・・・イエローインク部、２・・・マゼンタインク部
、３・・・シアンインク部、４・・・保護層部、５・・
・転写シート基体、６・・・離型層、７・・・保護層。

Claims

【特許請求の範囲】

転写シート基体上の同一面上に、感熱インク層と、前記
感熱インク層の転写後に感熱インク層と同様剥離転写す
るための被転写シート記録画像の保護層とを面順次に具
えてなることを特徴とする熱転写シート。