JP4467852B2 - 受容層転写シート及び熱転写受像シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材シートに昇華性染料受容層を剥離可能に設けた受容層転写シートに関し、特にその受容層転写シートを用いて得られる熱転写受像シートが細かい金属光沢片が散りばめられた、意匠性、装飾性の高いものとなる受容層転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱転写方式を用いて被転写体に文字や画像を形成することが行われている。熱転写方式としては、感熱昇華型転写方式と感熱溶融型転写方式が広く用いられている。このうち、感熱昇華型転写方式は、昇華性染料を色材とし、それを画像情報に応じて発熱制御されたサーマルヘッドやレーザー光等の加熱デバイスを用いて、熱転写シート上の昇華性染料層中の染料を熱転写受像シート等の被転写体に移行させて画像を形成させる方式である。
この感熱昇華型転写方式は、極めて短時間の加熱によってドット単位で染料の移行量を制御できる。このように形成された画像は、使用する色材が染料であることから非常に鮮明であり、且つ透明性に優れているため、得られる画像は中間調の再現性や階調性に優れ、極めて高精細な画像を得ることができる。このため、フルカラー銀塩写真に匹敵する高品質の画像を得ることができる。
【0003】
また、マルチメディアに関連した様々なハード及びソフトの発達により、この熱転写方式はコンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像、そしてCD−ROM、その他に代表されるデジタル画像及びビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。
このような用途の多様化に伴い、任意の対象物にも昇華染料が転写できる転写型受像シートが使用される場合がある。
具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真、絵ハガキ、また、表示パネル、照明パネル、広告用印刷パネル、装飾パネル、スイッチパネル、キーボード操作パネル、押し釦スイッチパネル等の用途などをあげることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平2000−118152号公報等には、金属蒸着が施された基材上に受容層を設け、装飾性が高く、メタリック調で美麗な画像が得られる熱転写受像シートが開示されている。この公報に示されるような金属蒸着された基材を使用した熱転写受像シートでは、その金属蒸着するには、真空蒸着法やスパッタリング法等の特別な方法で加工する必要があり、また、基材毎に金属蒸着、受容層形成を行わなければならなく、製造コストが高くついてしまうという問題がある。さらに、この公報においては、金属光沢が全面に形成された上に昇華染料による画像を設けており、細かい金属光沢片が散りばめられた画像を形成することはできない。
また、上記特開平10−16415号公報や、特開昭63−290789公報に記載されているような金属光沢層が形成されている熱転写リボンを用いた場合、隠蔽性を重要視しているため、サーマルヘッドの解像度等を変更しない限り、細かい金属光沢片が散りばめられた画像を形成することはできない。
【0005】
さらに、特開平9−30141号公報においては、金属光沢層上に受像層を設け、金属光沢をもつフルカラー画像を得るという内容が開示されているが、これは、金属光沢面をもつ印画物に昇華、或いは溶融転写によりカラー画像を設けるものであり、高い金属光沢性を必要としており、砂子や吹雪模様の金属光沢片が散りばめられた画像を形成するものではない。
したがって、上記課題を解決するために、本発明の目的は、細かい金属光沢片が散りばめられた、意匠性、装飾性の高い画像を容易に作成できる受容層転写シート及びそれを用いた熱転写受像シートを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は基材シートの一方の面に少なくとも、離型成分を含有する昇華性染料受容層を剥離可能に設けた受容層転写シートにおいて、該受容層に着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、受容層の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であるようにした。また、本発明は、基材シートの一方の面に、離型成分を含有する昇華性染料受容層、接着層を順次積層した受容層群を剥離可能に設けた受容層転写シートにおいて、該受容層及び/または接着層に、着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、かつ該受容層群の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ接着層の塗布量が0.1g/m 2 以上10g/m 2 以下であり、受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であるようにした。
【0007】
前記の昇華性染料受容層と基材シートの間に離型層を設けることができる。また、前記のアルミフレーク顔料を含有する受容層及び/または接着層は、アルミフレーク顔料を樹脂バインダーに対し、0.1%以上10%未満の比率で含有することが好ましい。このように、アルミフレーク顔料を含有する層における、該顔料の樹脂バインダーに対する含有比率を規定することにより、上記の平均透過率の条件を満足し、金属光沢性に優れた画像が得られる。
【0008】
前記の昇華性染料受容層または受容層群を、基材シート上に種々の色の昇華性染料層から選ばれる少なくとも1つの染料層と、面順次に設けることができ、被転写体に対し、一つの熱転写プリンターで、まず受容層を熱転写し、その後に、熱転写シートを交換せずに、その受容層を有する同一の熱転写シートを用いて、インラインで、転写された受容層上に、昇華性染料層の染料を熱転写して、熱転写画像を形成でき、より効率的に印画物を作成できる。
また、前記の昇華性染料受容層に含有する離型成分が、エポキシ変性、メチルスチレン変性、ポリエーテル変性、アミノ変性、アルキル変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、オレフィン変性、カルビノール変性等の変性シリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、これを用いることで、受容層に昇華性染料を熱転写して画像形成する際、受容層と染料層との離型性が良好となる。
【0009】
前記基材シートの昇華性染料受容層を設けた面とは反対面に、耐熱滑性層を設けることができ、熱転写時のサーマルヘッド等との滑り性を良くし、またスティッキングを防止することができる。
本発明の熱転写受像シートは、上記のいずれかに記載する受容層転写シートを用いて、昇華性染料受容層または受容層群を被転写体に熱転写することにより形成されるものである。
本発明では、受容層群は昇華性染料受容層と接着層を積層したものを代表とする、基材シートに剥離可能に設けた受容層を少なくとも含む複層のことである。
【0010】
本発明の作用は、以下の通りである。本発明の受容層転写シートは、基材シートの一方の面に少なくとも、離型成分を含有する昇華性染料受容層を剥離可能に設けたもので、該受容層に着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、受容層の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であるようにした。あるいは、また基材シートの一方の面に、離型成分を含有する昇華性染料受容層、接着層を順次積層した受容層群を剥離可能に設けた受容層転写シートにおいて、該受容層及び/または接着層に、着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、かつ該受容層群の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ接着層の塗布量が0.1g/m 2 以上10g/m 2 以下であり、受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であるようにした。これにより、上記の受容層転写シートを用いて、昇華性染料受容層または受容層群を被転写体に熱転写して熱転写受像シートを作成でき、その熱転写受像シートに昇華性染料層から染料を熱転写して画像形成する。被転写体の受像面の地肌を隠蔽することなく、金属光沢片が散りばめられた、意匠性、装飾性の高い画像が得られる。また、アルミフレーク顔料を含有する受容層及び/または接着層を基材シート上に蒸着法により形成せずに、塗工方式で簡便に形成することができるため、製造コストが高くなることなく作製できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態について、詳述する。
図1は、本発明の受容層転写シート1である一つの実施形態を示す概略断面図であり、基材シート2の一方の面に、離型成分を含有する昇華性染料受容層3を剥離可能に設けたもので、該受容層3に着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、受容層3の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満である。
また、図2は本発明の受容層転写シート1である他の実施形態を示す概略断面図であり、基材シート2の一方の面に、離型成分を含有する昇華性染料受容層3、接着層4を順次積層した受容層群5を剥離可能に設けた構成で、該受容層3及び/または接着層4に、着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、かつ該受容層群5の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満である。
【0012】
図3は、本発明の受容層転写シート1である他の実施形態を示す概略断面図であり、基材シート2の一方の面に、離型層6、離型成分を含有する昇華性染料受容層3を順次積層し、また基材シート2の他方の面には耐熱滑性層7を設けた構成である。この場合、加熱時に昇華性染料受容層3が基材シート2から離型層5を介して剥離しやすくなっている。
図4は、本発明の受容層転写シート1である他の実施形態を示す概略断面図であり、基材シート2の一方の面に、離型層6、離型成分を含有する昇華性染料受容層3、接着層4を順次積層し、また基材シート2の他方の面には耐熱滑性層7を設けた構成である。この場合、加熱時に昇華性染料受容層3と接着層4の受容層群5が基材シート2から離型層6を介して剥離しやすくなっている。
【0013】
(基材シート)
本発明で用いる基材シート2としては、従来の熱転写シートに使用されていると同じ基材シートがそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。
好ましい基材シートの具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これらを複合した基材シートであってもよい。特に好ましい基材シートはポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムである。この基材シートの厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、例えば、2〜25μmである。
【0014】
(昇華性染料受容層)
本発明の受容層転写シートにおける基材シート上に剥離可能に設ける昇華性染料受容層3は、任意の被転写体上に転写された後、熱転写シートから移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持するためのものである。受容層を形成するための樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニルポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイオノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を挙げることができる。特に好ましい樹脂は、ビニル系樹脂、およびポリエステル系樹脂である。
【0015】
上記受容層中には、離型成分を含有していて、その離型成分としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面滑性剤、フッ素系界面滑性剤等が挙げられるが、エポキシ変性、メチルスチレン変性、ポリエーテル変性、アミノ変性、アルキル変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、オレフィン変性、カルビノール変性等の変性シリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが、昇華性染料層との離型性等の点から好ましい。上記離型成分の添加量は、受容層形成樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部が好ましい。この添加量の範囲を満たさない場合は、熱転写シートの染料層と受容層との融着、もしくは印字感度の低下等の問題が生じる場合がある。このような離型成分を添加することによって、転写後の受容層の表面に離型成分がブリードアウトして、受容層表面上に、離型性が付与される。
【0016】
また、受容層には着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有させることができる。そのアルミフレーク顔料は、以下に示す方法で製造することができる。
1.ロール状ないし連続状のキャリヤシート上に、エンボス模様付きの剥離表面を形成する。
2.上記剥離表面に、アルミニウムを蒸着法により、そのエンボス模様と合致する態様で、付着させ、アルミニウム皮膜を形成する。
3.上記剥離表面を溶解し、アルミニウム皮膜とキャリヤシートを互いに分離させる。
4.上記の分離されたアルミニウム皮膜を塗工インキで使用する際に適する寸法に細分化する。
安価で光沢感を出すためには金属フレーク顔料がアルミフレーク顔料であることが好ましく、また、アルミフレークの粒径は25μm以上2000μm未満、厚さは5μm未満の鱗片状のものが好ましい。
【0017】
また、アルミフレーク顔料は、それ自体が着色顔料等で表面を着色しているものでも、あるいは顔料表面を着色処理していない非着色のものでも、使用することができる。
受容層は、アルミフレーク顔料を樹脂バインダーに対して、0.1%以上10%未満の比率(重量比率)で含有させることが好ましい。これにより、受容層転写シートの形態で測定した条件で、受容層または受容層群における400nm〜700nm域の波長光の平均透過率が60%以上95%未満となり、充分な透明性を有し、かつ金属光沢性に優れた画像が得られ、転写不良のない、切れの良い転写が行なわれる。上記の透過率の測定は、基材シート、受容層等を含む受容層転写シート全体の透過率と、受容層または受容層群を除いた受容層転写シートの透過率の差で得られる透過率で規定する。
【0018】
本発明における透過率とは、JIS Z 8120で規定しており、すなわち透過光の放射束または光束φtと、入射光の放射束または光束φiとの比φt/φiのことであり、透過率測定はJIS Z 8722に準じて行った。詳しくは、島津製作所製自記分光光度計UV−3100を用い、透過率測定を行った。測定は、400〜700nmの波長光を使用した。
以上のように、受容層は、樹脂、離型成分、アルミフレーク顔料と、受容層転写シートの形態において、400nm〜700nm域の波長光の平均透過率が60%以上95%未満である条件で、必要に応じて各種の染料や顔料等の着色剤や、その他添加剤を加え、さらに有機溶剤等の溶媒成分を配合調整した受容層形成用塗工液を、従来公知のグラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等の方法により、乾燥状態で厚さ0.5〜10g/m2程度、好ましくは1〜5g/m2を設け形成するものである。
乾燥塗膜の厚さが、少なすぎると、昇華性染料の染着能力が不足し、金属光沢感が不足してくる。また一方でその厚さが多すぎると、転写時の受容層の切れ性が悪くなり、印画物に影響を及ぼす。また、隠蔽性が増し、目的とする細かい金属光沢片が散りばめられた雰囲気を表現することができない。
また、受容層は連続被覆層であるのが好ましいが、樹脂エマルジョンや樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成してもよい。
【0019】
(接着層)
本発明の受容層転写シートは、昇華性染料受容層の上に、接着層4を設け、熱転写時の被転写体と受容層との接着性を向上させることができる。
この接着層は、従来公知の粘着剤や感熱接着剤がいずれも使用できるが、ガラス転移温度が50℃〜80℃の熱可塑性樹脂から形成することがより好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択することが好ましい。特に、接着剤層は、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂を用いることが好ましく、接着性が良好となる。又、接着性や、サーマルヘッド等の加熱手段にて全面ではなく、一部がパターン状に受容層を転写する場合は、前記に挙げたような樹脂は分子量の小さい方が好ましい。
【0020】
上記の紫外線吸収性樹脂は、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。具体的には、サリシレート系、フェニルアクリレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、クマリン系、トリアジン系、ニッケルキレート系の様な従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
【0021】
接着層には、着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有することが好ましく、アルミフレーク顔料を樹脂バインダーに対し、0.1%以上10%未満の比率(重量比率)で含有することが好ましい。アルミフレーク顔料については、昇華性染料受容層で説明したものと同様のものが使用できる。
上記のような接着層を構成する樹脂に、アルミフレーク顔料を、受容層転写シートの形態で測定した条件で、受容層と接着層を合わせた受容層群における400nm〜700nm域の波長光の平均透過率が60%以上95%未満である条件で、必要に応じて各種添加剤を加えた塗工液を前記受容層の形成方法と同様の方法で、塗布及び乾燥することによって、好ましくは乾燥時で0.1g/m2以上10g/m2以下の厚みに形成する。
接着層の乾燥塗膜の厚さが、0.1g/m2未満であると、転写時の被転写体との接着性が不足し、また金属光沢感が不足したりする。また一方でその厚さが10g/m2を越えると、受容層転写時の感度が悪くなり、印画物に影響を及ぼす。また、隠蔽性が増し、目的とする細かい金属光沢片が散りばめられた雰囲気を表現することが難しくなる。
上記のように、接着層におけるアルミフレーク顔料の樹脂バインダーに対する含有比率と、接着層の塗布量を一定の範囲に収めることにより、受容層転写シートの形態で測定した条件で、受容層群における400nm〜700nm域の波長光の平均透過率が60%以上95%未満となり、充分な透明性を有し、かつ金属光沢性に優れた画像が得られ、転写不良のない、切れの良い転写が行なわれる。
【0022】
(離型層)
本発明の受容層転写シートは、基材シートと昇華性染料受容層との間に離型層6を設け、加熱時に受容層が基材シートから剥離しやすくなる。
離型層は、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、弗素樹脂等の如く離型性に優れた材料、或はサーマルヘッドの熱によって溶融しない比較的高軟化点の樹脂、例えば、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、あるいはこれらの樹脂にワックス等の熱離型剤を含有させた樹脂から形成する。形成方法は前記受容層の形成方法と同様でよく、その厚みは乾燥時0.1〜5g/m2程度で十分である。また、転写後に艶消し染料受容層が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、あるいは離型層の染料受容層側の表面をマット処理することにより、表面をマット状にすることもできる。
【0023】
(耐熱滑性層)
また、本発明においては、サーマルヘッド等の加熱手段に接する側の表面に、サーマルヘッド等との滑り性を良くし、かつスティッキングを防止するために、基材シート上に耐熱滑性層7を設けることが好ましい。耐熱滑性層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤または滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。
このような耐熱滑性層を設けることによって、熱に弱いプラスチックフィルムを基材とした受容層転写シートにおいても、スティッキングが起こることなく熱印字が可能であって、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工のし易さ等のメリットが生かせる。
【0024】
この耐熱滑性層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを、好適に使用し、形成される。
耐熱滑性層に使用されるバインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性またはフッ素変性ウレタン樹脂などが、あげられる。
【0025】
これらのなかで、数個の反応性基、例えば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、ポリイソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用することが好ましい。
耐熱滑性層を形成する手段は、上記のごとき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。
耐熱滑性層の厚さは、乾燥状態で、0.01〜3g/m2程度が好ましい。
【0026】
本発明の受容層転写シートは、基材シート上に種々の色の昇華性染料層から選ばれる少なくとも1つの染料層と、前記の昇華性染料受容層または受容層群を、面順次に設けることができる。
例えば、図5に示すように、基材シートの同一面に、受容層と接着層からなる受容層群5と、イエロー8y、マゼンタ8m、シアン8cの各色の昇華性染料層8とを、各々所定の大きさで、面順次に、設けた感熱転写シート1が挙げられる。この場合、受容層群5と、イエロー8y、マゼンタ8m、シアン8cの各色の昇華性染料層8とからなる単位の転写層が、基材シート上に、繰り返し形成されている。
【0027】
昇華性染料層8として、イエロー、マゼンタ、シアンの他に、ブラック等の種々の色の昇華性染料層を、基材シート上に面順次に設けることができる。
このような受容層または受容層群と昇華性染料層を基材シート上に面順次に設けた受容層転写シートによれば、被転写体に対し、一つの熱転写プリンターで、まず受容層を熱転写し、その後に、熱転写シートを交換せずに、その受容層を有する同一の熱転写シートを用いて、インラインで、転写された受容層上に、昇華性染料層の染料を熱転写して、熱転写画像を形成でき、より効率的に印画物を作成できる。
【0028】
本発明の受容層転写シートを用いて、被転写体に受容層を熱転写し、その転写された受容層に染料熱転写画像を形成するための昇華性染料層は、上記のように受容層と面順次に一体的に設けたものでも、また受容層の設けられた熱転写シートとは別個の基材シートに設けられたものでも、以下に示すような構成にすることができる。
染料層は、染料を任意のバインダーで担持してなる層である。使用する染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であって、従来公知の熱転写シートに使用されている染料は、いずれも本発明に有効に使用可能であるが、色相、耐光性、バインダーへの溶解性を考慮して選択する。
【0029】
好ましい染料としては、例えばジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メロシアニン等のメチン系、インドアニリン、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、キサンテン系、オキサジン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、ベンゼンアゾ系、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジズアゾ等のアゾ系、スピロピラン系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンラクタム系、ナフトキノン系、アントラキノン系、キノフタロン系等の染料が挙げられる。
【0030】
具体的には例えば次のような染料が用いられる。
C.I.(Color Index)イエロー51、3、54、79、60、23、7、141;C.I.ディスパースブルー24、56、14、301、334、165、19、72、87、287、154、26;C.I.ディスパースレッド135、146、59、1、73、60、167;C.I.ディスパースバイオレット4、13、26、36、56、31;C.I.ソルベントバイオレット13;C.I.ソルベントブラック3;C.I.ソルベントグリーン3;C.I.ソルベントイエロー56、14、16、29;C.I.ソルベントブルー70、35、63、36、50、49、111、105、97、11;C.I.ソルベントレッド135、81、18、25、19、23、24、143、146、182等。
【0031】
更に、本発明の受容層転写シートにより被転写体に転写された受容層に熱転写して使用する染料層で用いる、特に好ましい染料を示すと、以下のようなものが挙げられる。
インドアニリン、ピラゾロアゾメチン、ピラゾロトリアゾールアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、ピリドンアゾメチンに代表されるアゾメチン系、ジシアノスチレン、トリシアノスチレンに代表されるシアノメチレン系、、ピリドンアゾ、イミダゾールアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾに代表されるベンゼンアゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系等の染料。
【0032】
上記の如き染料を担持するためのバインダー樹脂としては、既知のものが使用可能であり、例えばエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられ、単独又は混合することにより任意に用いることができる。これらの中ではポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールが画像形成時における受容層との剥離性の点から好ましい。
【0033】
上記の如き染料およびバインダー樹脂に、さらに必要に応じて各種の添加剤を加え、適当な有機溶剤に溶解、あるいは有機溶剤や水に分散した分散体をグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、基材シート上に塗布、乾燥して染料層を形成することができる。上記の如くして形成した染料層の厚みは乾燥時で0.2〜5.0g/m2、好ましくは0.4〜2.0g/m2が適当である。前記染料層表面には、さらに異常転写を防止するために、粘着防止層、すなわち離型層を設けることもできる。この離型層は、粘着防止性の無機粉末、シリコーンポリマー、アクリルポリマー、弗素化ポリマーの如き離型性に優れた樹脂等を用いて乾燥時の厚さ0.01〜5g/m2、好ましくは0.05〜2g/m2の層を設けることができる。また、染料層を形成する前述のバインダー樹脂に、シリコーンセグメント、弗化炭素セグメント、長鎖アルキルセグメント等の離型性セグメントをグラフトさせた離型性バインダーを用いてもよい。
【0034】
また、受容層または受容層群と染料層を基材シート上に面順次に設けた受容層転写シートの場合、各層を検出する検知マークは、各層の何処に設けてもよく、例えば、各層領域の頭、或いは先頭色の頭に設けることができる。また、上記のような色材層と透明層を所定のパターンで位置を合わせて刷り重ねる必要があるため、例えば受容層には蛍光増白剤などの添加剤を加えておき、紫外線照射などにより、目視、或いは機械検知による位置合わせを容易にすることができる。
【0035】
(熱転写受像シート)
本発明の熱転写受像シートは、上記に説明した受容層転写シートを用いて、昇華性染料受容層または受容層群を被転写体に熱転写して作成され、その熱転写受像シートに昇華性染料層から染料を熱転写して画像を形成する。
熱転写受像シートの基材、つまり被転写体としては、例えば、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙等のセルロース繊維紙、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート等の各種のプラスチックフィルムまたはシート等が使用でき、また、これらの合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透明フィルム、あるいは基材内部に微細空隙(ミクロボイド)を有するフィルム等も使用でき、特に限定されない。また、上記基材の任意の組合せによる積層体も使用できる。
これらの基材の厚みは任意でよく、例えば、10〜300μm程度の厚みが一般的である。
【0036】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
<サンプル1>
(離型層インキ組成)
ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボン9004)
ポリビニルアセタール樹脂:KS−5(積水化学工業(株)製) 30重量部
ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(重量比1/1) 300重量部
(受容層インキ組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部
(電気化学工業(株)製 デンカラック#1000A)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 3重量部
(日本ユニカー(株)製 FZ−2101)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80重量部
(接着層インキ組成)
アクリル樹脂 30重量部
(三菱レイヨン(株)製 BR−87)
アルミフレーク顔料 3重量部
(AVERY DENNISON製 商品名;Metalure)
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
【0037】
<サンプル2>
(離型層インキ組成)
ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボン9004)
ポリビニルアセタール樹脂:KS−5(積水化学工業(株)製) 30重量部
ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(重量比1/1) 300重量部
(受容層インキ組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部
(電気化学工業(株)製 デンカラック#1000A)
エポキシ変性シリコーンオイル 5重量部
(信越シリコーン(株)製 X−22−3000T)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80重量部
(接着層インキ組成)
アクリル樹脂 30重量部
(三菱レイヨン(株)製 BR−87)
アルミフレーク顔料 0.03重量部
(AVERY DENNISON製 商品名;Metalure)
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
【0038】
<サンプル3>
(離型層インキ組成)
ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボン9004)
ポリビニルアセタール樹脂:KS−5(積水化学工業(株)製) 30重量部
ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(重量比1/1) 300重量部
(受容層インキ組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部
(電気化学工業(株)製 デンカラック#1000A)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 5重量部
(日本ユニカー(株)製 FZ−2101)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80重量部
(接着層インキ組成)
アクリル樹脂 30重量部
(三菱レイヨン(株)製 BR−87)
アルミフレーク顔料 3重量部
(尾池工業(株)製 商品名;LG#100)
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
【0039】
<サンプル4>
(離型層インキ組成)
ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボン9004)
ポリビニルアセタール樹脂:KS−5(積水化学工業(株)製) 30重量部
ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(重量比1/1) 300重量部
(受容層インキ組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部
(電気化学工業(株)製 デンカラック#1000A)
エポキシ変性シリコーンオイル 5重量部
(信越シリコーン(株)製 X−22−3000T)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80重量部
(接着層インキ組成)
アクリル樹脂 30重量部
(三菱レイヨン(株)製 BR−87)
アルミフレーク顔料 0.03重量部
(尾池工業(株)製 商品名;LG#100)
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
【0040】
<サンプル5>
(離型層インキ組成)
ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボン9004)
ポリビニルアセタール樹脂:KS−5(積水化学工業(株)製) 30重量部
ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(重量比1/1) 300重量部
(受容層インキ組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部
(電気化学工業(株)製 デンカラック#1000A)
エポキシ変性シリコーンオイル 5重量部
(信越シリコーン(株)製 X−22−3000T)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80重量部
(接着層インキ組成)
アクリル樹脂 30重量部
(三菱レイヨン(株)製 BR−87)
アルミフレーク顔料 10重量部
(尾池工業(株)製 商品名;LG#100)
メチルエチルケトン 30重量部
トルエン 30重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
【0042】
<サンプル7>
(離型層インキ組成)
ポリウレタン樹脂 100重量部
(大日本インキ化学工業(株)製 クリスボン9004)
ポリビニルアセタール樹脂:KS−5(積水化学工業(株)製) 30重量部
ジメチルホルムアミド/メチルエチルケトン(重量比1/1) 300重量部
(受容層インキ組成)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部
(電気化学工業(株)製 デンカラック#1000A)
ポリエーテル変性シリコーンオイル 5重量部
(日本ユニカー(株)製 FZ−2101)
メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 10重量部
アルミフレーク顔料 1重量部
(尾池工業(株)製 商品名;LG#100)
(接着層インキ組成)
アクリル樹脂 30重量部
(三菱レイヨン(株)製 BR−87)
メチルエチルケトン 35重量部
トルエン 35重量部
【0043】
下記条件で作製した背面原反の背面層の設けられた面とは反対面に、上記のサンプル1〜4で示した塗工液を、離型層、受容層、接着層の順に、表1に示す塗工量(乾燥時)になるように塗布して、実施例の受容層転写シートを作製した。<背面原反>
厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラー)の一方の面に下記の背面層用インキをワイヤーバーコーティング法により塗布、乾燥後、さらに加熱熟成して硬化処理を施し、背面層(乾燥時の厚さ1μm)を形成した。(乾燥はドライヤーで仮乾燥後、100℃のオーブンで2分間乾燥させた。)
【0044】
(背面層用インキの組成)
ポリビニルブチラール樹脂 3.6重量部
(積水化学工業(株)製 エスレックBX−1)
ポリイソシアネート 19.2重量部
(大日本インキ化学工業(株)製パーノックD750−45)
リン酸エステル系界面活性剤 2.9重量部
(第一工業製薬(株)製 プライサーフA208S)
リン酸エステル系界面活性剤 0.3重量部
(東邦化学(株)製 フォスファノールRD720)
タルク 0.2重量部
(日本タルク(株)製:Y/X=0.03)
メチルエチルケトン 33.0重量部
トルエン 33.0重量部
【0045】
また、上記の背面原反の背面層の設けられた面とは反対面に、上記のサンプル2、5で示した塗工液を、表2に示す塗工量(乾燥時)になるように塗布して、比較例の受容層転写シートを作製した。
【0046】
(評価方法)
上記の実施例及び比較例で作製した受容層転写シートの背面側から、下記印字条件で、アルミフレーク顔料を含む受像層群を転写して、熱転写受像シートを用意した。
被転写体としては、コート紙 FKギャラン260g/m2(富士共和製紙株式会社製)を用いた。
続いて、P330プリンターにて、昇華転写プリンターP330用昇華性インクリボンと、上記方法で作製した熱転写受像シートを用い、カラー画像を作製した。画像としてはデジタルカメラで撮影した風景画を用いた。
【0047】
<印字条件>
サーマルヘッド;3139Ω 300dpi
ラインスピード;10msec
パルスデューティ;70%
電圧;16V
印加エネルギー;0.45mj/dot
【0048】
上記の得られた画像形成物を、目視にて観察し、意匠、装飾性について、下記の評価基準にて、評価した。
男性及び女性あわせて10人に上記の印画物を目視にて、観察してもらい、良否についての質問に対し、その回答内容により、評価した。
○:良い旨の回答が5人以上で、かつ嫌いとの回答がない。
△:良い旨の回答が5人以上で、かつ嫌いの回答が1人以上2人以下である。
×:良い旨の回答が4人以下である。
【0049】
また、各画像形成物に対し、アルミフレーク顔料を含有する受容層群の尾引きの有無を目視観察して、転写性の評価を行なった。
○:尾引き2mm以下
△:尾引き2mm以上5mm以下
×:尾引き5mm以上
【0050】
また、各画像形成物に対し、画像形成時の受容層と染料層との離型性を調べるため、画像形成面を目視観察した。
○:画像形成面に異常がなく、離型性が良好である。
△:染料層が受容層側に少しとられて、部分的な転写不良がある。
×:染料層が受容層側に大きくとられて、異常転写が認められる。
【0051】
上記の各サンプルで作製した受容層転写シートの透過率を、島津製作所製UV3100で背面基材上にアルミフレーク顔料を含有する層(接着層)のみを除いて、その他の離型層、受容層を塗工したシートをリファレンスとし測定を行って、平均透過率を表1、2に示した。
【0052】
(評価結果)
実施例の評価結果は下記の表1の通りである。
【表1】
【0053】
比較例の評価結果は下記の表2の通りである。
【表2】
【0054】
実施例の画像形成物は、金属光沢片が散りばめられたような柄となっており、意匠、装飾性に優れ、受容層群の尾引きがなく、転写性に優れ、また受容層と染料層との離型性が良好であり、さらに受容層転写シートの形態で測定した条件で、受容層または受容層群における400nm〜700nm域の波長光の平均透過率が60%以上95%未満であり、充分な透明性を有し、被転写体の受像面の地肌を隠蔽することなく、金属光沢片が散りばめられた、意匠性、装飾性の高い画像が得られる。
それに対し、比較例の画像形成物は、アルミフレーク顔料を含有する層の透明性が低く、被転写体の受像面の地肌を隠蔽したり、あるいは金属光沢性に乏しいものであったり、または透明層の尾引きが生じたり、または画像形成時の染料層の異常転写が生じるものであった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の受容層転写シートは、基材シートの一方の面に少なくとも、離型成分を含有する昇華性染料受容層を剥離可能に設けたもので、該受容層に着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、受容層の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であるようにした。あるいは、また基材シートの一方の面に、離型成分を含有する昇華性染料受容層、接着層を順次積層した受容層群を剥離可能に設けた受容層転写シートにおいて、該受容層及び/または接着層に、着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、かつ該受容層群の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ接着層の塗布量が0.1g/m 2 以上10g/m 2 以下であり、受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であるようにした。
【0056】
これにより、上記の受容層転写シートを用いて、昇華性染料受容層または受容層群を被転写体に熱転写して熱転写受像シートを作成でき、その熱転写受像シートに昇華性染料層から染料を熱転写して画像形成する。被転写体の受像面の地肌を隠蔽することなく、金属光沢片が散りばめられた、意匠性、装飾性の高い画像が得られる。また、アルミフレーク顔料を含有する受容層及び/または接着層を基材シート上に蒸着法により形成せずに、塗工方式で簡便に形成することができるため、製造コストが高くなることなく作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受容層転写シートである一つの実施形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明の受容層転写シートである他の実施形態を示す概略断面図である。
【図3】本発明の受容層転写シートである他の実施形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の受容層転写シートである他の実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の受容層転写シートである他の実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 受容層転写シート
2 基材シート
3 昇華性染料受容層
4 接着層
5 受容層群
6 離型層
7 耐熱滑性層
8 昇華性染料層
Claims (8)
- 基材シートの一方の面に少なくとも、離型成分を含有する昇華性染料受容層を剥離可能に設けた受容層転写シートにおいて、該受容層に着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、受容層の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であることを特徴とする受容層転写シート。
- 基材シートの一方の面に、離型成分を含有する昇華性染料受容層、接着層を順次積層した受容層群を剥離可能に設けた受容層転写シートにおいて、該受容層及び/または接着層に、着色或いは非着色のアルミフレーク顔料を含有し、かつ該受容層群の400nm〜700nm域の平均透過率が60%以上95%未満であり、かつ接着層の塗布量が0.1g/m 2 以上10g/m 2 以下であり、受容層の塗布量が2g/m 2 以上3g/m 2 以下であることを特徴とする受容層転写シート。
- 前記の昇華性染料受容層と基材シートの間に離型層を設けていることを特徴とする請求項1または2に記載する受容層転写シート。
- 前記のアルミフレーク顔料を含有する受容層及び/または接着層は、アルミフレーク顔料を樹脂バインダーに対し、0.1%以上10%未満の比率で含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載する受容層転写シート。
- 前記の昇華性染料受容層または受容層群を、基材シート上に種々の色の昇華性染料層から選ばれる少なくとも1つの染料層と、面順次に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載する受容層転写シート。
- 前記の昇華性染料受容層に含有する離型成分が、エポキシ変性、メチルスチレン変性、ポリエーテル変性、アミノ変性、アルキル変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、オレフィン変性、カルビノール変性等の変性シリコーンオイルからなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載する受容層転写シート。
- 前記基材シートの昇華性染料受容層を設けた面とは反対面に、耐熱滑性層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載する受容層転写シート。
- 請求項1〜8のいずれかに記載する受容層転写シートを用いて、昇華性染料受容層または受容層群を被転写体に熱転写することにより形成されることを特徴とする熱転写受像シート。
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