JPH08270772A - トロイダル型無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の変速制御装置

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JPH08270772A
JPH08270772A JP7071495A JP7149595A JPH08270772A JP H08270772 A JPH08270772 A JP H08270772A JP 7071495 A JP7071495 A JP 7071495A JP 7149595 A JP7149595 A JP 7149595A JP H08270772 A JPH08270772 A JP H08270772A
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逸朗 村本
Hitoshi Kidokoro
仁 城所
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/664Friction gearings
    • F16H61/6648Friction gearings controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速制御のダンピング用に機械的にフィード
バックするパワーローラオフセット量が外乱により実際
と異なるために生ずるトルクシフトをなくす。 【構成】 カム7を含むフィードバック系は、パワーロ
ーラ傾転角φをフィードバックしてこれが変速指令値U
に対応した値になるよう制御し、パワーローラオフセッ
ト量yをフィードバックして制御にダンピング効果を与
える。コントローラ61はUを決定するに際し、系61
fを経てフィードバックされるφと目標傾転角φ* との
偏差に応じたステップ数SFB、演算部61dを経てフィ
ードバックされる傾転角速度に応じたステップ数S
Dpを、目標傾転角φ* に対応したステップ数SFFに加算
してUを決定する。傾転角のフィードバックは外乱Δy
によるトルクシフトをなくし、傾転角速度のフィードバ
ックはハンチングを抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダル型無段変速
機に関し、特にその変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は通常、例えば
特開平3−89066号公報に記載の如くに構成する。
このトロイダル型無段変速機は図17に示すように、同
軸配置した入出力コーンディスク1,2と、これら入出
力コーンディスク間で摩擦係合により動力の受渡しを行
うパワーローラ3とよりなるトロイダル伝動ユニット、
および後述の如き変速制御装置を具える。
【0003】パワーローラ3は入出力コーンディスク
1,2間に挟圧され、パワーローラ3と、入出力コーン
ディスク1,2との間の油膜の剪断によって、パワーロ
ーラ3は入出力コーンディスク1,2間での動力伝達を
行う。つまり、入力コーンディスク1の回転は上記油膜
の剪断によってパワーローラ3に伝達され、次いでパワ
ーローラ3の回転が上記油膜の剪断によって出力コーン
ディスク2に伝達され、逆に出力コーンディスク2から
入力コーンディスク1への動力伝達もパワーローラ3を
介して同様になされる。
【0004】ここで変速制御装置を説明するに、これは
ステップモータ4を有し、該ステップモータは、目標変
速比に対応した変速指令値(ステップ数)を与えられて
対応位置に回転し、変速制御弁5の内外弁体5a,5b
のうち、外弁体5bを内弁体5aに対し相対的に中立位
置から変位させる。これにより、両パワーローラ3を流
体圧でピストン6を介して図中上下方向へ、但し相互逆
向きに変位させる。これにより両パワーローラ3は、回
転軸線O1 が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O
2 と交差する図示位置から対応方向にオフセットされ、
該オフセットによりパワーローラ3は入出力コーンディ
スク1,2からの分力で、自己の回転軸線O1 と直交す
る首振り軸線O3 の周りに傾転され、入出力コーンディ
スク1,2に対するパワーローラ3の摩擦接触円弧径が
連続的に変化することで無段変速を行うことができる。
【0005】かかる無段変速により上記の変速指令値が
達成される時、パワーローラ3のオフセットおよび傾転
をプリセスカム7および変速リンク8を介してフィード
バックされる変速制御弁5の内弁体5aは、外弁体5b
に対し相対的に初期の中立位置に復帰し、同時に、両パ
ワーローラ3は、回転軸線O1 が入出力コーンディスク
1,2の回転軸線O2 と交差する図示位置に戻ること
で、上記変速指令値の達成状態を維持することができ
る。
【0006】ここで、上記した変速機内の機械的な変速
制御系を模式図に表すと図18のごとくになり、この図
には、上記の変速制御指令値を決定するコントローラの
機能ブロック線図を併記した。
【0007】コントローラは、予めメモリしておいた変
速マップ、および目標変速比計算部を有する。そしてコ
ントローラは先ず、上記の変速マップを基にスロットル
開度TVOおよび車速VSPから、目標とすべき変速機
入力回転数Ni * を求め、次いで上記の目標変速比計算
部において、変速機目標入力回転数Ni * と変速機出力
回転数No とから目標変速比を演算し、この目標変速比
に対応した変速制御指令値(フィードフォワードステッ
プ数)をステップモータ4に与える。
【0008】この時ステップモータ4は、変速制御指令
値(フィードフォワードステップ数)に応じた駆動によ
り、変速制御弁5の外弁体5bをXSpだけ内弁体5aに
対し相対的に中立位置から変位させる。これにより、変
速制御弁5およびピストン6で構成される油圧サ−ボは
前記したように、パワーローラ3をy(mm)だけオフ
セットさせ、このオフセットに伴いパワーローラ3はφ
(rad.)だけ傾転する。この傾転φは、変速機出力
回転数No との関係で決まる変速機入力回転数Ni を目
標入力回転数Ni * に近づくよう変化させる。
【0009】ところでプリセスカム7は前記したよう
に、パワーローラオフセット量yおよびパワーローラ傾
転角φを変速制御弁5の内弁体5aにフィードバックし
て、これをX(mm)だけ、外弁体5bの上記変位に追
従するよう移動させ、変速制御弁5の内外弁体間相対変
位をdx(mm)に減ずる。このdxは変速の進行につ
れて小さくなり、上記の変速指令値が達成される時、遂
には0になる。この時変速制御弁5の内弁体5aおよび
外弁体5bは相対的に初期の中立位置に復帰し、変速指
令値の達成状態を維持することができる。
【0010】ここで、プリセスカム7からのフィードバ
ック量Xは、プリセスカム7のカム形状で決まる傾転角
フィードバックゲインをa、変速リンク8のレバー比で
決まるオフセット量フィードバックゲインをbとする
と、X=a・φ+b・yで表される。なお、パワーロー
ラ傾転角φを目標変速比に対応した値にすることが制御
の狙いであるから、基本的にプリセスカム7はパワーロ
ーラ傾転角φのみをフィードバックすればよいことにな
るが、ここでパワーローラオフセット量yをもフィード
バックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止す
るダンピング効果を与えて、変速制御のハンチング現象
を回避するためである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のトロイダル型無段変速機の変速制御装置にあっては、
パワーローラ3を回転自在に支持した部材の変形を主た
る原因として、更にガタが加わって生じた、パワーロー
ラ3とパワーローラ支持部材との間におけるオフセット
方向相対変位が、図18に示す外乱Δyとなってプリセ
スカム7に付加され、このプリセスカムを経て変速制御
弁5にフィードバックされるオフセット量を、本来フィ
ードバックすべきパワーローラ3のオフセット量に対し
て狂わしてしまう。このため、前記の式X=a・φ+b
・yで表される理論上のフィードバック量が、実際には
X=a・φ+b(y+Δy)となってしまい、フィード
バック量のずれ分(b・Δy)に起因して、変速制御弁
5が中立位置へ復帰した時に、つまり変速終了時に、パ
ワーローラ3が変速指令値に対応した傾転角になり得
ず、パワーローラ傾転角が目標変速比対応の傾転角から
ずれた所謂トルクシフトを生じて、変速精度の低下を免
れなかった。
【0012】上記のトルクシフトを、定常走行からアク
セルペダルの最大踏み込みによりキックダウン走行へ移
行した場合におけるシミュレーション結果のタイムチャ
ートにより示すと、図9(a)の如くになる。つまり、
破線で示すパワーローラ目標傾転角φ* に対して実傾転
角φが実線で示すような経時変化となって、大きくずれ
てしまい、トルクシフトが大きな問題となっていた。
【0013】上記のトルクシフトを解消する対策として
は、トルクシフトの主たる原因であるパワーローラ支持
部材の変形が、パワーローラ3を入出力コーンディスク
1,2間に挟圧する挟圧力に起因し、この挟圧力が変速
機入力トルクに対応して生ずるよう構成されていること
から、この変速機入力トルクと、フィードバックずれ量
(b・Δy)との関係を予め測定しておき、この測定結
果にもとづき、ステップモータ4への変速制御指令値
(フィードフォワードステップ数)を決定するに当たっ
て、これを、上記のトルクシフトが解消されるようにす
ることを狙って補正することが考えられる。
【0014】しかし実際には、パワーローラ3およびプ
リセスカム7間の相対的なオフセット方向の位置ずれΔ
yは、ガタの経時変化や、エンジンおよびトルクコンバ
ータの経時変化等により様々に変化し、上記の対策によ
って長期不変にトルクシフトを生じなくすることは不可
能に近い。
【0015】上記のトルクシフトを解消する他の対策と
しては、パワーローラ目標傾転角φ * に対するパワーロ
ーラ実傾転角φの偏差に応じたPI制御(Pは比例制
御、Iは積分制御)等のフィードバック制御により、パ
ワーローラ実傾転角φを目標傾転角φ* に収束させるよ
うにすることも考えられる。
【0016】ところで、トルクシフトの原因であるパワ
ーローラ3およびプリセスカム7間の相対的なオフセッ
ト方向の位置ずれΔyが相当に大きく、上記の収束を実
用的な応答レベルで達成するためには、上記フィードバ
ック制御の比例ゲインを相当に大きくする必要がある。
【0017】これがため上記のフィードバック制御で
は、トロイダル型無段変速機の変速制御系が2次以上の
高次系であることもあって、制御系の安定性が損なわれ
ることを確かめた。つまり、図9(a)と同じ条件で行
ったシミュレーション結果を示す同図(b)におけるパ
ワーローラ実傾転角φおよびパワーローラ目標傾転角φ
* の経時変化の比較から明らかなように、傾転角(変速
比)を変化させる過渡期において、実傾転角φが目標傾
転角φ* に対しハンチングし、当該フィードバック制御
のみでは十分でない。
【0018】なお上記の対策としては、前記の式におい
てハンチングに対し有効なダンピングを効かせるための
項b・yにおける係数bを、変速リンク8の変更により
大きくして上記のハンチングに関する問題をなくすこと
も考えられる。しかし図18に示すように、トルクシフ
トの原因であるパワーローラ3およびプリセスカム7間
の相対的なオフセット方向の位置ずれΔyも、係数bに
応じてフィードバック量を決定されることから、係数b
を大きくする対策では、却ってトルクシフトの増大によ
り変速制御精度の低下を惹起する。
【0019】従って本発明は、上記の考え方に基づくフ
ィードバック制御を付加するも、これに起因する上記ハ
ンチングの問題を解消するフィードバック系をも更に付
加し、もって係数bを上記の観点からフェールセーフ上
要求される最低限の小さなものにしておいても、安定し
た変速制御を実現可能なトロイダル型無段変速機の変速
制御装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による変速制御装置は、同軸配置した入出力コーンディ
スクと、これら入出力コーンディスク間で摩擦係合によ
り動力の受渡しを行うパワーローラとよりなるトロイダ
ル伝動ユニットを具え、変速指令値に対応して前記パワ
ーローラを、回転軸線が前記入出力コーンディスクの回
転軸線と交差する位置からオフセットさせ、該オフセッ
トにより入出力コーンディスクからの分力でパワーロー
ラを、自己の回転軸線と直交する首振り軸線周りに傾転
させることにより、無段変速を行なわせると共に、該無
段変速により前記変速指令値が達成される時、前記パワ
ーローラを、前記オフセットがなくなる位置に復帰させ
て、前記変速指令値の達成状態を維持するようにした変
速制御装置を有するトロイダル型無段変速機において、
前記変速指令値を演算する電子系に、前記パワーローラ
の傾転角に関した物理量を電子的にフィードバックする
第1の電子フィードバック系を付加すると共に、前記パ
ワーローラ傾転角の変化速度に関した物理量を電子的に
フィードバックする第2の電子フィードバック系を付加
し、前記変速指令値演算電子系は、これら第1および第
2の電子フィードバック系からの物理量をもとに前記変
速指令値を演算するよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0021】また第2発明によるトロイダル型無段変速
機の変速制御装置において、前記第1の電子フィードバ
ック系は前記変速指令値演算電子系に、前記パワーロー
ラの傾転角そのものを電子的にフィードバックするよう
構成したことを特徴とするものである。
【0022】更に第3発明によるトロイダル型無段変速
機の変速制御装置において、前記第1の電子フィードバ
ック系は前記変速指令値演算電子系に、前記入出力コー
ンディスク間の回転数比から求めた変速比を電子的にフ
ィードバックするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0023】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置において、前記第1の電子フィードバック
系は前記変速指令値演算電子系に、変速機入力回転数を
電子的にフィードバックするよう構成したことを特徴と
するものである。
【0024】第5発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、前記パワーローラのオフセット量を推
定するパワーローラオフセット量推定手段を付加して具
え、前記第2の電子フィードバック系は、該手段により
推定したパワーローラオフセット量を前記変速指令値演
算電子系にフィードバックするよう構成したことを特徴
とするものである。
【0025】第6発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、前記パワーローラの傾転角速度を推定
するパワーローラ傾転角速度推定手段を付加して具え、
前記第2の電子フィードバック系は、該手段により推定
したパワーローラ傾転角速度を前記変速指令値演算電子
系にフィードバックするよう構成したことを特徴とする
ものである。
【0026】第7発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、前記入出力コーンディスク間の回転数
比から求めた変速比の時間変化割合を推定する変速比変
化速度推定手段を付加して具え、前記第2の電子フィー
ドバック系は、該手段により推定した変速比変化速度を
前記変速指令値演算電子系にフィードバックするよう構
成したことを特徴とするものである。
【0027】第8発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、変速機入力回転数の時間変化割合を演
算する入力回転数変化速度演算手段を付加して具え、前
記第2の電子フィードバック系は、該手段により演算し
た入力回転数変化速度を前記変速指令値演算電子系にフ
ィードバックするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0028】第9発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、変速機出力回転数の時間変化割合を演
算する出力回転数変化速度演算手段を付加して具え、前
記第2の電子フィードバック系は、該手段により演算し
た出力回転数変化速度を前記変速指令値演算電子系にフ
ィードバックするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0029】第10発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置において、前記パワーローラオフセット
量推定手段は、トロイダル型無段変速機の変速制御系を
数式で表したモデルを有し、該モデルに前記変速指令値
を与えた時の該モデル内におけるパワーローラオフセッ
ト量を、パワーローラオフセット量推定値とする構成に
したことを特徴とするものである。
【0030】第11発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置において、前記パワーローラオフセット
量推定手段は、前記モデルに前記変速指令値を与えた時
の該モデル内におけるパワーローラ傾転角と、実際のパ
ワーローラ傾転角との間の偏差に応じ、該偏差がなくな
るよう前記変速指令値を修正して前記モデルに与えるモ
デル化誤差補正系を付加して具えたことを特徴とするも
のである。
【0031】第12発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、前記モデルに前記変速指令値を与え
た時の該モデル内におけるパワーローラ傾転角と、実際
のパワーローラ傾転角との間の偏差に応じ、該偏差が大
きいほど前記変速指令値演算電子系の変速指令値制御ゲ
インを低下させるゲイン変更手段を付加して具えたこと
を特徴とするものである。
【0032】第13発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、前記モデルに前記変速指令値を与え
た時の該モデル内におけるパワーローラ傾転角と、実際
のパワーローラ傾転角との間の偏差に応じ、該偏差が大
きいほど前記モデルの諸元を変速制御が振動的になるの
を防止するよう変更するモデル諸元変更手段を付加して
具えたことを特徴とするものである。
【0033】第14発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、前記モデルに前記変速指令値を与え
た時の該モデル内におけるパワーローラ傾転角と、実際
のパワーローラ傾転角との間の偏差に応じ、該偏差が大
きいほど前記変速指令値演算電子系で用いる変速マップ
を、変速が遅くなるよう変更する変速マップ変更手段を
付加して具えたことを特徴とするものである。
【0034】
【作用】第1発明において、トロイダル伝動ユニットの
パワーローラは、同軸配置の入出力コーンディスク間で
摩擦係合により動力の受渡しを行う。ここで変速に際し
変速制御装置は、変速指令値に対応して上記パワーロー
ラを、回転軸線が上記入出力コーンディスクの回転軸線
と交差する位置からオフセットさせ、該オフセットによ
り入出力コーンディスクからの分力でパワーローラを、
自己の回転軸線と直交する首振り軸線周りに傾転させる
ことにより、無段変速を行なわせる。この無段変速によ
り前記変速指令値が達成される時、変速制御装置はパワ
ーローラを、上記オフセットがなくなる位置に復帰させ
て、変速指令値の達成状態を維持する。
【0035】上記の変速中、第1の電子フィードバック
系は、前記の変速指令値を演算する電子系に、前記パワ
ーローラの傾転角に関した物理量を電子的にフィードバ
ックし、同時に第2の電子フィードバック系は、前記パ
ワーローラ傾転角の変化速度に関した物理量を電子的に
フィードバックする。そして上記変速指令値演算電子系
は、これら第1および第2の電子フィードバック系から
の物理量をもとに変速指令値を演算する。よって、第1
の電子フィードバック系によるパワーローラ傾転角に関
した物理量のフィードバックで、前記したトルクシフト
が回避されることとなり、また当該トルクシフト防止効
果が十分なものとなるようフィードバックゲインを大き
くしても、これに伴って生じようとする変速制御のハン
チングが、第2の電子フィードバック系によるパワーロ
ーラ傾転角速度に関した物理量のフィードバックで抑制
されることとなり、トルクシフトの確実な防止と、ハン
チングの抑制とを両立させることができる。
【0036】第2発明においては、上記第1の電子フィ
ードバック系が前記変速指令値演算電子系に、前記パワ
ーローラの傾転角そのものを電子的にフィードバックす
る。この場合、当該フィードバックにより防止すべきト
ルクシフト(パワーローラ傾転角の偏差)そのものをフ
ィードバックすることとなって、第1発明の作用効果を
一層確実なものにすることができる。
【0037】第3発明においては、上記第1の電子フィ
ードバック系が前記変速指令値演算電子系に、前記入出
力コーンディスク間の回転数比から求めた変速比を電子
的にフィードバックする。この場合も、変速中は車速
(出力コーンディスク回転数)が変化しないと見做して
差し支えないから、パワーローラ傾転角をフィードバッ
クするに等価となり、第2発明と同様の作用効果を達成
することができるのに加えて、パワーローラ傾転角をフ
ィードバックすることができない場合でも本発明の変速
制御装置を用いることができる点で大いに有用である。
【0038】第4発明においては、上記第1の電子フィ
ードバック系が前記変速指令値演算電子系に、変速機入
力回転数を電子的にフィードバックする。この場合も、
変速中は車速(出力コーンディスク回転数)が変化しな
いと見做して差し支えないから、パワーローラ傾転角を
フィードバックするに等価となり、第2発明と同様の作
用効果を達成することができるのに加えて、パワーロー
ラ傾転角をフィードバックすることができない場合でも
本発明の変速制御装置を用いることができる点で大いに
有用である。
【0039】第5発明においては、パワーローラオフセ
ット量推定手段が上記パワーローラのオフセット量を推
定し、前記第2の電子フィードバック系は、該手段によ
り推定したパワーローラオフセット量を前記変速指令値
演算電子系にフィードバックする。この場合、パワーロ
ーラのオフセット量がパワーローラ傾転角の変化速度に
対応して、結局パワーローラ傾転角の変化速度をフィー
ドバックするに等価となり、前記第1発明の作用効果を
達成し得るのに加えて、パワーローラ傾転角の変化速度
そのものを推定するよりも、パワーローラのオフセット
量を推定する方が、微分の必要がない分、ノイズの混入
を防げて精度上大いに有利である。
【0040】第6発明においては、パワーローラ傾転角
速度推定手段がパワーローラ傾転角の変化速度を推定
し、前記第2の電子フィードバック系は、該手段により
推定したパワーローラ傾転角速度を前記変速指令値演算
電子系にフィードバックする。パワーローラ傾転角速度
の推定に当たっては、パワーローラ傾転角を実測し、測
定値を微分してパワーローラ傾転角速度を推定したり、
入出力コーンディスクの回転数比から変速比を求め、こ
の変速比からパワーローラ傾転角を逆算し、結果を微分
してパワーローラ傾転角速度を推定することができる
が、いずれにしても第2の電子フィードバック系が、当
該推定したパワーローラ傾転角速度そのものを変速指令
値演算電子系にフィードバックすることから、前記した
第1発明の作用効果を一層確実なものにすることができ
る。
【0041】第7発明においては、変速比変化速度推定
手段が入出力コーンディスク間の回転数比から求めた変
速比の時間変化割合を推定し、前記第2の電子フィード
バック系は、該手段により推定した変速比変化速度を前
記変速指令値演算電子系にフィードバックする。この場
合も、変速比変化速度がパワーローラ傾転角の変化速度
に対応して、結局パワーローラ傾転角の変化速度をフィ
ードバックするに等価となり、前記第1発明の作用効果
を達成し得るのに加えて、既存のセンサで検出した入出
力コーンディスク回転数をそのまま利用して変速比の時
間変化割合を推定することができることから、コスト的
に有利である。
【0042】第8発明においては、入力回転数変化速度
演算手段が変速機入力回転数の時間変化割合を演算し、
前記第2の電子フィードバック系は、該手段により演算
した入力回転数変化速度を前記変速指令値演算電子系に
フィードバックする。この場合も、入力回転数変化速度
がパワーローラ傾転角の変化速度に対応して、結局パワ
ーローラ傾転角の変化速度をフィードバックするに等価
となり、前記第1発明の作用効果を達成し得るのに加え
て、既存のセンサで検出した変速機入力回転数をそのま
ま利用して変速機入力回転数の時間変化割合を推定する
ことができることから、コスト的に有利である。
【0043】第9発明においては、出力回転数変化速度
演算手段が変速機出力回転数の時間変化割合を演算し、
前記第2の電子フィードバック系は、該手段により演算
した出力回転数変化速度を前記変速指令値演算電子系に
フィードバックする。この場合も、出力回転数変化速度
がパワーローラ傾転角の変化速度に対応して、結局パワ
ーローラ傾転角の変化速度をフィードバックするに等価
となり、前記第1発明の作用効果を達成し得るのに加え
て、既存のセンサで検出した変速機出力回転数をそのま
ま利用して変速機出力回転数の時間変化割合を推定する
ことができることから、コスト的に有利である。
【0044】第10発明において、前記パワーローラオ
フセット量推定手段は、トロイダル型無段変速機の変速
制御系を数式で表したモデルを有し、該モデルに前記変
速指令値を与えた時の該モデル内におけるパワーローラ
オフセット量を、パワーローラオフセット量推定値とす
る。この場合、モデルを用いてパワーローラオフセット
量を推定することから、ハードウエアに余分な構成を付
加する必要がなくて構成を簡単にし得ると共に、パワー
ローラオフセットの推定を正確に行うことができる。
【0045】第11発明では、前記パワーローラオフセ
ット量推定手段におけるモデル化誤差補正系が、前記モ
デルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内における
パワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との
間の偏差に応じ、該偏差がなくなるよう前記変速指令値
を修正して前記モデルに与える。よって、実際の変速制
御系に対するモデルの誤差を常時なくして、該モデルを
用いて行うパワーローラオフセット量の推定を、上記第
10発明よりもさらに正確なものにすることができる。
【0046】第12発明においては、ゲイン変更手段
が、前記モデルに前記変速指令値を与えた時の該モデル
内におけるパワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ
傾転角との間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記変
速指令値演算電子系の変速指令値制御ゲインを低下させ
る。よって、モデル内におけるパワーローラ傾転角と、
実際のパワーローラ傾転角との間の偏差、つまりモデル
化誤差が大きい時、これに伴って変速制御が振動的にな
るのを、変速指令値制御ゲインの上記低下により抑制す
ることができ、モデル化誤差に伴う制御不安定に対する
フェールセーフ対策を実現し得る。
【0047】第13発明においては、モデル諸元変更手
段が、前記モデルに前記変速指令値を与えた時の該モデ
ル内におけるパワーローラ傾転角と、実際のパワーロー
ラ傾転角との間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記
モデルの諸元を変速制御が振動的になるのを防止するよ
う変更する。よってこの場合も、モデル内におけるパワ
ーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との間の
偏差、つまりモデル化誤差が大きい時、これに伴って変
速制御が振動的になるのを、モデル諸元の上記変更によ
り抑制することができ、モデル化誤差に伴う制御不安定
に対するフェールセーフ対策を実現し得る。
【0048】第14発明においては、変速マップ変更手
段が、前記モデルに前記変速指令値を与えた時の該モデ
ル内におけるパワーローラ傾転角と、実際のパワーロー
ラ傾転角との間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記
変速指令値演算電子系で用いる変速マップを、変速が遅
くなるよう変更する。よってこの場合も、モデル内にお
けるパワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角
との間の偏差、つまりモデル化誤差が大きい時、これに
伴って変速制御が振動的になるのを、変速マップの上記
変更により抑制することができ、モデル化誤差に伴う制
御不安定に対するフェールセーフ対策を実現し得る。
【0049】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1および図2は、本発明一実施の態様にな
る変速制御装置を具えたトロイダル型無段変速機を例示
し、図1は同トロイダル型無段変速機の縦断側面図、図
2は同じくその縦断正面図である。なお便宜上、これら
図中、図17におけると同様の部分は同一符号を付して
示した。
【0050】先ず、トロイダル伝動ユニットを説明する
に、これは図示せざるエンジンからの回転を伝達される
入力軸20を具え、この入力軸は図1に明示するよう
に、エンジンから遠い端部を変速機ケース21内に軸受
22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機ケース
21の中間壁23内に軸受24および中空出力軸25を
介して回転自在に支持する。入力軸20上には入出力コ
ーンディスク1,2をそれぞれ回転自在に支持し、これ
らコーンディスクを、トロイド曲面1a,2aが相互に
対向するよう配置する。そして入出力コーンディスク
1,2の対向するトロイド曲面間には、入力軸20を挟
んでその両側に配置した一対のパワーローラ3を介在さ
せ、これらパワーローラを入出力コーンディスク1,2
間に挟圧するために、以下の構成を採用する。
【0051】即ち、入力軸20の軸受け端部にローディ
ングナット26を螺合し、該ローディングナットにより
抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカムディス
ク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲面1aか
ら遠い端面との間にローディングカム28を介在させ、
このローディングカムを介して入力軸20からカムディ
スク27への回転が入力コーンディスク1に伝達される
ようになす。ここで、入力コーンディスク1の回転はパ
ワーローラ3の回転を介して出力コーンディスク2に伝
わり、この伝動中ローディングカム28は伝達トルクに
比例したスラストを発生して、パワーローラ3を入出力
コーンディスク1,2間に挟圧し、上記の動力伝達を可
能ならしめる。
【0052】出力コーンディスク2は出力軸25に楔着
し、この軸上に出力歯車29を一体回転するよう嵌着す
る。出力軸25は更に、ラジアル兼スラスト軸受30を
介して変速機ケース21の端蓋31内に回転自在に支持
し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラスト軸受3
2を介して入力軸20を回転自在に支持する。ここで、
ラジアル兼スラスト軸受30,32はスペーサ33を介
して相互に接近し得ないよう突き合わせ、また相互に遠
去かる方向へも相対変位不能になるよう、対応する出力
歯車29および入力軸20に対し軸線方向に衝接させ
る。かくて、ローディングカム28によって入出力コー
ンディスク1,2間に作用するスラストは、スペーサ3
3を挟むような内力となり、変速機ケース21に作用す
ることがない。
【0053】各パワーローラ3は図2にも示すように、
トラニオン41に回転自在に支持し、該トラニオンは各
々、上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端
に回転自在および揺動自在に、また下端を球面継手44
によりロアリンク45の両端に回転自在および揺動自在
に連結する。そして、アッパリンク43およびロアリン
ク45は中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41を
相互逆向きに同期して上下動させ得るようにする。
【0054】かように両トラニオン41を相互逆向きに
同期して上下動させることにより変速を行う変速制御装
置を、図2に基づき次に説明する。各トラニオン41に
は、これらを個々に上下方向へストロークさせるための
ピストン6を設け、両ピストン6の両側にそれぞれ上方
室51,52および下方室53,54を画成する。そし
て両ピストン6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。ここで、変速制御弁5は
スプール型の内弁体5aとスリーブ型の外弁体5bとを
相互に摺動自在に嵌合して具え、外弁体5bを弁外筐5
cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0055】上記の変速制御弁5は、入力ポート5dを
圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン
室51,54に、また他方の連絡ポート5fをピストン
室52,53にそれぞれ接続する。そして内弁体5a
を、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカ
ム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介し
て共働させ、外弁体5bをステップモータ4にラックア
ンドピニオン型式で駆動係合させる。
【0056】変速制御弁5の操作指令は、変速指令値U
に応動するステップモータ4がラックアンドピニオンを
介し外弁体5bにストロークとして与えることとする。
この操作指令で変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5a
に対し相対的に中立位置から例えば図2の位置に変位さ
れる時、圧力源55からの流体圧が室52,53に供給
される一方、他の室51,54がドレンされ、また変速
制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立
位置から逆方向に変位される時、圧力源55からの流体
圧が室51,54に供給される一方、他の室52,53
がドレンされ、両トラニオン41が流体圧でピストン6
を介して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位さ
れるものとする。これにより両パワーローラ3は、回転
軸線O1が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O2
と交差する図示位置からオフセット(オフセット量y)
されることになり、該オフセットによりパワーローラ3
は入出力コーンディスク1,2からの首振り分力で、自
己の回転軸線O1 と直交する首振り軸線O3 の周りに傾
転(傾転角φ)されて無段変速を行うことができる。
【0057】かかる変速中、一方のトラニオン41の下
端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介し
て、トラニオン41およびパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)および傾転角φを変速制御弁5
の内弁体5aに機械的にフィードバックされる。そして
上記の無段変速によりステップモータ4への変速指令値
Uが達成される時、上記のプリセスカム7を介した機械
的フィードバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、
外弁体5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、
同時に、両パワーローラ3は、回転軸線O1 が入出力コ
ーンディスク1,2の回転軸線O2 と交差する図示位置
に戻ることで、上記変速指令値の達成状態を維持するこ
とができる。
【0058】なお、パワーローラ傾転角φを目標変速比
に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本
的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィ
ードバックすればよいことになるが、ここでパワーロー
ラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速
制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与え
て、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0059】ステップモータ4への変速指令値Uは、変
速指令値演算系を成すコントローラ61によりこれを決
定し、これがためコントローラ61には、エンジンスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ62
からの信号、車速VSPを検出する車速センサ63から
の信号、および変速機入力回転数Ni (エンジン回転数
e でもよい)を検出する入力回転センサ64からの信
号をそれぞれ入力する。コントローラ61は、これら入
力情報をもとに以下の演算によりステップモータ4への
変速指令値Uを決定するものとする。
【0060】本例では特に、プリセスカム7がパワーロ
ーラ傾転角φのみならず、上記の目的から、パワーロー
ラオフセット量yをもフィードバックするが故に、前記
したごとくに生ずるトルクシフトの問題を解消するため
に、コントローラ61を図3に示すごとくに構成する。
なおこの図3には、上記変速機内におけるプリセスカム
7を介した機械的フィードバック変速制御系をも併記し
たが、この機械的フィードバック変速制御系は、図18
につき前述したと同じもので、同じ模式図によって表現
し得るため、対応するもの同士同一符号により示した。
ここで、オフセット量yに係わる係数b(変速リンク8
で決まる)は前記の理由から、フェールセーフ上要求さ
れる最低限の小さなものにとどめることとする。
【0061】コントローラ61は、予めメモリしておい
た変速マップ61aと、目標傾転角演算部61bと、第
1の電子フィードバック系を構成するPI制御部61c
と、第2の電子フィードバック系の一部を成し、パワー
ローラ傾転角速度推定手段を構成する傾転角速度演算部
61dとを有する。そしてコントローラ61は先ず、上
記の変速マップ61aを基にスロットル開度TVOおよ
び車速VSPから、目標とすべき変速機入力回転数Ni
* を求め、次いで目標傾転角演算部61bにおいて、変
速機目標入力回転数Ni * と変速機出力回転数No とか
らパワーローラ目標傾転角φ* を演算する。
【0062】コントローラ61は先ず、当該パワーロー
ラ目標傾転角φ* に対応したステップモータ4のフィー
ドフォワードステップ数SFFをフィードフォワード系6
1eに出力する。またコントローラ61はPI制御部6
1cにおいて、フィードバック系61fからの実際のパ
ワーローラ傾転角φと、上記パワーローラ目標傾転角φ
* との偏差に応じたフィードバックステップ数SFBを求
める。ここでPI制御部61cにおけるフィードバック
制御の比例ゲインは、前記した通りトルクシフトの原因
である外乱Δyが大きいのに呼応して大きく設定し、パ
ワーローラ傾転角φを良好な応答で目標傾転角φ* に収
束させるようにする。
【0063】しかし、かようにフィードバック制御の比
例ゲインを大きくする場合、前記したように制御系の安
定性が損なわれて、過渡期において変速制御のハンチン
グを生ずることから、これを回避するためにコントロー
ラ61は、傾転角速度演算部61dにおいてパワーロー
ラ傾転角φの時間変化割合(d/dt)φを求め、これ
にゲインKを乗算してダンピングステップ数SDp=K・
(d/dt)φを求め、第2の電子フィードバック系6
1gに出力することとする。
【0064】コントローラ61は、フィードフォワード
ステップ数SFF、フィードバックステップ数SFB、およ
びダンピングステップ数SDpの総和を、変速指令値(ス
テップ数)Uとしてステップモータ4に与える。この時
ステップモータ4は、変速制御指令値Uに応じた段歩駆
動により、変速制御弁5の外弁体5bをXSpだけ内弁体
5aに対し相対的に中立位置から変位させる。これによ
り、変速制御弁5およびピストン6で構成される油圧サ
−ボは、パワーローラ3をyだけオフセットさせ、この
オフセットに伴いパワーローラ3はφだけ傾転する。こ
の傾転φは、変速機出力回転数No との関係で決まる変
速機入力回転数Ni を目標入力回転数N i * に近づくよ
う変化させ、所定の変速を行わせることができる。
【0065】この変速中プリセスカム7は前記したよう
に、パワーローラオフセット量yおよびパワーローラ傾
転角φを変速制御弁5の内弁体5aにフィードバックし
て、これをXだけ、外弁体5bの上記変位に追従するよ
う移動させ、変速制御弁5の内外弁体間相対変位をdx
に減ずる。このdxは変速の進行につれて小さくなり、
上記の変速指令値が達成される時、遂には0になる。こ
の時変速制御弁5の内弁体5aおよび外弁体5bは相対
的に初期の中立位置に復帰し、変速指令値Uの達成状態
を維持することができる。
【0066】ところで、プリセスカム7および変速リン
ク8を含む機械的フィードバック系が、パワーローラ傾
転角φだけでなくパワーローラオフセット量yをもフィ
ードバックすることから、パワーローラ3およびプリセ
スカム7間のオフセット方向相対ずれ量Δyに伴う前記
トルクシフトの問題を生じようとするが、変速指令値U
を決定するに当たって、パワーローラ傾転角φを電子的
に系61fを経てフィードバックし、これと目標傾転角
φ* との偏差に応じたPI制御により当該決定を行うこ
とから、上記のずれ量Δyがフィードバックされること
がなくなり、上記トルクシフトの問題を解消することが
できる。
【0067】なお、この問題解決を十分な応答性をもっ
て実現するには、ずれ量Δyが相当に大きいことから、
上記PI制御の比例ゲインを前記したように大きくする
を要するが、この場合、図9(b)につき前述したよう
に変速過渡期において制御がハンチングを生じて不安定
になる。しかして本例においては、上記フィードバック
対象のパワーローラ傾転角φを1階微分した傾転角速度
(d/dt)φを演算部61dで求め、これに応じたフ
ィードバックをかけて、ダンピングステップ数SDp=K
・(d/dt)φだけ変速指令値Uを補正することか
ら、図9(a),(b)と同じ条件で行ったシミュレー
ション結果を示す図9(c)によって示されるように、
変速過渡期において制御がハンチングを生じるという問
題をもなくすことができる。
【0068】以上の作用説明から明らかなように本例で
は、第1の電子フィードバック系61fと、第2の電子
フィードバック系61gとで、トルクシフトを生ずるこ
となく、そして十分な応答性および安定性をもって、パ
ワーローラ傾転角φを目標値φ* に一致させることが可
能となり、プリセスカム7および変速リンク8を含む機
械的なフィードバック系が不要であるが、この機械的な
フィードバック系は、電子フィードバック系が故障等で
機能しなくなった時のフェールセーフ用に残しておくこ
ととする。但し、この機械的なフィードバック系は、ト
ルクシフトの原因であるずれ量Δyをフィードバックす
ることから、先に既に説明したが、このΔyに係わる係
数bが上記のフェールセーフ上要求される最小限の小さ
なものとなるよう変速リンク8を構成すること勿論であ
る。
【0069】なお、上述の例では第1の電子フィードバ
ック系61fにパワーローラ傾転角φそのものをフィー
ドバックすることとしたが、パワーローラ傾転角φを表
す物理量であれば、その他の情報でも良い。ここで、そ
の他の情報としては、傾転角φで変速比iが決まること
から、入出力コーンディスク1,2の回転数比から変速
比iを求め、これを系61fにフィードバックしたり、
また変速中は車速、つまり出力コーンディスク2の回転
数が変化しないと見做せることから、変速機入力回転数
を検出して系61fにフィードバックすることが考えら
れ、これらによっても前記の作用効果を達成し得ること
はいうまでもない。
【0070】コントローラ61は、これをマイクロコン
ピュータで構成する場合、図4乃至図7に示す制御プロ
グラムを実行して、前記したと同様の作用を果たし得
る。図4は、制御の全体を示すメインルーチンで、ステ
ップ100において、図5のサブルーチンにより前記フ
ィードフォワードステップ数SFFを演算し、ステップ1
10において、図6のサブルーチンにより前記フィード
バックステップ数S FBを演算し、ステップ120におい
て、図7のサブルーチンにより前記ダンピングステップ
数SDPを演算する。
【0071】図5においてフィードフォワードステップ
数SFFを演算するに当たっては、ステップ200,21
0でスロットル開度TVOおよび車速VSPをそれぞれ
読み込む。次いでステップ220において、スロットル
開度TVOおよび車速VSPから前記の変速マップ61
a(図3参照)をもとに、変速機の目標入力回転数N i
* を求め、ステップ230において、車速VSPからフ
ァイナルドライブギヤ比を考慮して変速機出力回転数N
o を演算する。ステップ240では、変速機目標入力回
転数Ni * および変速機出力回転数No から判る目標変
速比Ni * /N o から、これに対応したパワーローラ目
標傾転角φ* を算出し、ステップ250において、パワ
ーローラ目標傾転角φ* を達成するためのステップモー
タ4のフィードフォワードステップ数SFFを算出する。
【0072】図6においてフィードバックステップ数S
FBを演算するに当たっては、ステップ300,310で
スロットル開度TVOおよび車速VSPをそれぞれ読み
込む。次いでステップ320において、スロットル開度
TVOおよび車速VSPから、予め設定されているゲイ
ンマップをもとに、前記PI制御61c(図3参照)に
おけるP(比例)ゲインKp およびI(積分)ゲインK
I を検索して決定する。次のステップ330において
は、図5のステップ240で求めたパワーローラ目標傾
転角φ* を読み込み、更にステップ340において、実
際のパワーローラ傾転角φを読み込む。ここでパワーロ
ーラ傾転角φの読み込みに当たっては、変速機入力回転
数Ni と、車速VSPから判る変速機出力回転数No
から、実変速比iを求め、この実変速比iからパワーロ
ーラ傾転角φを割り出すことができる。次いでステップ
350において、実際のパワーローラ傾転角φと、パワ
ーローラ目標傾転角φ* との間における偏差Δφを求
め、ステップ360でこの偏差Δφと、その積分値にそ
れぞれ、比例ゲインKp および積分ゲインKI を乗じて
得られた値を合計することによりフィードバックステッ
プ数SFBを演算する。
【0073】図7においてダンピングステップ数SDP
演算するに当たっては、ステップ400,410におい
て変速機入力回転数Ni および変速機出力回転数No
読み込み、ステップ420で、これらを基に実変速比i
=Ni /No を算出する。次いでステップ430におい
て、実変速比iからパワーローラ傾転角φを割り出して
求め、ステップ440において、パワーローラ傾転角φ
の時間変化割合(傾転角速度)(d/dt)φを計算す
る。パワーローラ傾転角速度(d/dt)φの計算に当
たっては、図7の1演算サイクル中におけるパワーロー
ラ傾転角φの変化量を求め、これをパワーローラ傾転角
速度(d/dt)φとすることが考えられる。ここで、
パワーローラ傾転角φの上記差分値が大きめに出るのを
考慮してローパスフィルタを掛けることも考えられる。
次にステップ450で、ダンピングステップ数SDPをS
DP=K・(d/dt)φにより演算する。
【0074】図4のステップ130では、以上のように
して求めたフィードフォワードステップ数SFF、フィー
ドバックステップ数SFB、およびダンピングステップ数
DPを合計して、変速指令値U=SFF+SFB+SDPを求
め、これをステップ140においてステップモータ4へ
の出力することにより、前記の変速を行わせる。
【0075】図8は本発明による変速制御装置の他の例
で、この図中、図3におけると同様の部分を同一符号に
より示し、また同じ記号は全て同じ意味合いを持つもの
とする。本例では、第2の電子フィードバック系61g
にフィードバックする物理量として、パワーローラ傾転
角速度(d/dt)φを表すものであるが、パワーロー
ラオフセット量の推定値ym をフィードバックするよう
変更した。ここで、パワーローラオフセット量yがパワ
ーローラ傾転角速度(d/dt)φを表すものであっ
て、パワーローラ傾転角速度(d/dt)φの代りにパ
ワーローラオフセット量の上記推定値ym を系61gに
フィードバック可能であることを以下に証明する。
【0076】トロイダル型無段変速機において、パワー
ローラオフセット量yと、パワーローラ傾転角φとの間
には、次式により表される所定の関係が成立することが
知られている。
【数1】(d/dt)φ=f×y …(1) 但し、
【数2】 f=〔cos(θ- φ)(1+η-cosφ) 〕Ω0 / 〔1+η-cos(2θ- φ) 〕 …(2) ここで、Ω0 は出力コーンディスク2の回転数、η,θ
はトロイダル型無段変速機の設計段階で決まる構造に関
する定数であり、上式からパワーローラオフセット量y
がパワーローラ傾転角速度(d/dt)φの関数であっ
て、上記パワーローラオフセット量の推定値ym をパワ
ーローラ傾転角速度(d/dt)φの代りに系61gへ
フィードバックしても、前記した例におけると同様の作
用効果を達成し得ることが証明された。
【0077】図8の例においてはこの観点から、図3に
おける傾転角速度演算部61dに代えて、パワーローラ
オフセット量推定手段としてのモデル61hを設ける。
このモデル61hは、プリセスカム7を含むトロイダル
型無段変速機内の機械的フィードバック変速制御系を数
式で表したモデルとする。従って変速制御系モデル61
hは、パワーローラモデル3mと、油圧サーボモデル5
m,6mと、プリセスカムモデル7mとよりなる図示の
ごとき模式図で表すことができ、ゲインKSMに応じた変
速指令値Uを与えた時、油圧サーボモデル5m,6mは
パワーローラモデル3mをオフセットさせ、オフセット
量推定値ym によりパワーローラモデル3mの傾転(φ
m )が生起される。パワーローラモデル3mのオフセッ
ト量推定値ym および傾転角推定値φm はプリセスカム
モデル7mを経てフィードバックされ、オフセット量推
定値ym のフィードバックによるダンピング効果のも
と、傾転角推定値φm を変速指令値Uに対応したものに
する。
【0078】ここで、上記の変速制御系モデル61hが
実際の機械的フィードバック変速制御系と完全に一致し
ており、モデル化誤差のないものであれば、傾転角推定
値φ m は実傾転角φと同じになる。従って、傾転角推定
値φm と実傾転角φとの間の偏差はモデル化誤差を表
し、このモデル化誤差に係数Kerr を乗じた値だけモデ
ル61hへの入力を補正して、モデル化誤差をなくすた
めのモデル化誤差補正系61iをモデル61hに付加す
る。
【0079】本例では、上記の変速制御系モデル61h
内におけるオフセット量推定値ymにゲインKを乗じて
ダンピングステップ数SDPを演算し、これを系61gに
フィードバックする。ところで、パワーローラオフセッ
ト量y(オフセット量推定値ym )がパワーローラ傾転
角速度(d/dt)φの関数であって、オフセット量推
定値ym を前記実施例におけるパワーローラ傾転角速度
(d/dt)φの代りに系61gへフィードバックする
本例の構成によっても、前記した実施例におけると同様
の作用効果を達成することができる。なお、前記実施例
のようにパワーローラ傾転角速度(d/dt)φをフィ
ードバックする場合、微分演算が必要であることから、
演算結果にノイズが混入し易いが、本例のようにオフセ
ット量推定値ym をフィードバックする場合、ノイズの
混入が少なく、この点で大いに有利である。
【0080】なお系61gにフィードバックするのは、
上記2例のパワーローラ傾転角速度(d/dt)φや、
パワーローラオフセット量推定値ym に限られず、パワ
ーローラ傾転角速度(d/dt)φを表す物理量であれ
ば、その他のものでも良い。ここで、パワーローラ傾転
角速度(d/dt)φを表すその他の物理量としては、
短い変速期間中は車速(変速機出力回転数)を一定と見
做すことができるから、変速機入出力回転数比から求め
た変速比の変化速度や、変速機入力回転数の変化速度が
考えられ、更に変速比を一定に保って走行する場合は、
変速機出力回転数の変化速度が考えられる。
【0081】上記その他の物理量を用いる場合、図示し
なかったが、変速比の変化速度を推定する変速比変化速
度推定手段や、変速機入力回転数の変化速度を演算する
入力回転数変化速度演算手段や、変速機出力回転数の変
化速度を演算する出力回転数変化速度演算を設け、これ
ら手段からの信号に応じたフィードバックを系61gに
掛ければ良い。
【0082】図10、図12、および図14はそれぞ
れ、フィードバック変速制御系モデル61hが何らかの
理由でモデル化誤差を生じた時においても、変速制御不
能になったり、変速制御がでたらめになることのないよ
うにする、フェールセーフ対策例を示す。
【0083】パワーローラ3を制御する油圧回路は、変
速制御弁5の開度を入力とし、パワーローラオフセット
量yを出力とした場合、入出力の関係を純積分に近似で
きる特性を持った構造にすることができる。この条件下
においては、前記の関数fが定数であるならば、制御論
において状態推定オブザーバとして知られる以下の関係
式によりパワーローラオフセット量推定値ym を計算す
ることができる。
【数3】 (dφm /dt)=a11×φm +a12×y m + k1 ×φ …(3) (dym /dt)=a21×φm +a22×y m + k2 ×φ+c×U …(4)
【0084】従って、フィードバック変速制御系モデル
61hは、図10、図12、および図14にそれぞれ示
す行列式により表すことができる。ここでa11,a12
21,a22,k1 ,k2 ,cはそれぞれ、プリセスカム
7を含む機械的なフィードバック系のフィードバックゲ
インや、前記の関数fや、設計値である状態推定オブザ
ーバの極により計算される所定の値である。Uは変速比
制御機構が出力する信号、つまり本例ではステップモー
タ4に与えるステップ数であるが、これらと、変速制御
弁5のストローク位置とを結び付ける換算係数として前
記cが与えられる。
【0085】前記のように、プリセスカム7を含む機械
的なフィードバック系による傾転角フィードバックゲイ
ンをaとし、オフセット量yのフィードバックゲインを
bとし、設計値である状態推定オブザーバ極をωとする
と、
【数4】a11=−k112=f a21=−(k2 +a) a22=−b k1 =2×ω−b k2 =(ω2 −k1 ×b)/f−a と与えられる。
【0086】なお、制御すべきトロイダル型無段変速機
が上記と異なる構造を持つ場合であっても、上記(1)
式,(2)式、および与えるべき入力とパワーローラオ
フセット量yの関係式を実験により求めることにより、
同様にパワーローラオフセット量yを推定することが可
能である。
【0087】図10の実施例においては、オブザーバの
推定傾転角φm と実傾転角φとの差で表されるモデル化
誤差をゲイン変更手段61j に入力する。前記したよう
な、パワーローラオフセット量yとパワーローラ傾転角
φとの関係を表す関数fが定数であればオブザーバーは
収束することが保証される。しかし実際には関数であ
り、またトロイダル型無段変速機の運転状況、外部から
の力学的干渉等により構造が変化し、予め設定された関
数fとは異なる関数関係になることも考えられる。この
ような場合、オブザーバの推定値ym ,φm が正しい値
となる保証はなく、上記のモデル化誤差を生ずる。
【0088】本例においては、オブザーバの傾転角の推
定値φm と実傾転角φとの差が所定値以上であれば、オ
ブザーバが正しく機能していないとして、ゲイン変更手
段61j により、PI制御部61C のフィードバックゲ
インである比例ゲインkp および積分ゲインkI をとも
に図11に示すように低下させ、これにより、オブザー
バが正しくない推定値ym を出力する場合において前記
の変速制御が振動的な制御になるのを防止する。
【0089】また図12の例においては、オブザーバの
傾転角推定値φm と実傾転角φとの偏差をモデル諸元変
更手段としてのパラメータ変更部61k で監視し、これ
が所定の値以上であれば、トロイダル型無段変速機の特
性が変化したとし、変化した特性においてオブザーバが
正しく収束するように、オブザーバを構成する諸元を変
更可能な構成にする。
【0090】つまり、パラメータ計算部61k は偏差φ
−φm に応じて図13に示す関数関係に基づき、(2)
式によって与えられる関数fの値を変化させ、パラメー
タa 11, a12, a21, a22, k1 ,k2 ,cを計算し、
これをモデル61h に供給する。ここで図13における
0 は設計値、あるいは実験により求めた理想値であ
る。
【0091】なおパラメータ計算部61k はトロイダル
型無段変速機内の作動油温および圧力、スロットル開度
などの情報、φおよびφm の時系列的変化などの情報を
利用する構成にすることもできる。
【0092】本例でも、オブザーバが正しくない推定値
を出力している場合、これをすみやかに正しい値に収束
するようにすることができ、不適性な推定値ym に基づ
く変速制御で制御が振動的になるのを防止する。
【0093】図14の例では、偏差φ−φm を変速マッ
プ制御手段61n に入力し、この手段は入力された偏差
が大きい時、目標傾転角演算部61b およびPI制御部
61 c で決定されるフィードフォワードステップ数SFF
を、図15に示すように変速が生じにくくなるよう修正
するものとする。これによりφとφm の差(モデル化誤
差)が大きいときは変速比が現在の変速比から目標変速
比へ向けゆっくり変化するようになり、本例でも、モデ
ル化誤差により制御が振動的になるのを防止することが
できる。
【0094】図16は本発明の更に他の例を示す。オブ
ザーバが正しくない推定値を出力している場合、トロイ
ダル型無段変速機に外部から力学的干渉が加えられた等
が考えられ、この場合、早急に所定の処置を行うことが
要求される。そのため本例では、オブザーバが所定の推
定値を出力していない時に大きな偏差(φ−φm )を警
報装置61p に送り、警報を発生するようにし、合わせ
て、この時のオブザーバ計算結果φ,φm ,y,ym
記憶手段61g に記憶し、以後の修理等に役立てる構成
とする。
【0095】
【発明の効果】かくして第1発明によるトロイダル型無
段変速機の変速制御装置は、請求項1に記載のごとく、
トロイダル型無段変速機の変速中、変速指令値を演算す
る電子系に、パワーローラの傾転角に関した物理量を電
子的にフィードバックし、同時にパワーローラ傾転角の
変化速度に関した物理量を電子的にフィードバックする
構成にし、上記変速指令値演算電子系がこれらフィード
バックされた物理量をもとに変速指令値を演算する構成
にしたから、パワーローラ傾転角に関した物理量のフィ
ードバックで、トルクシフトが回避されることとなり、
また当該トルクシフト防止効果が十分なものとなるよう
フィードバックゲインを大きくしても、これに伴って生
じようとする変速制御のハンチングが、パワーローラ傾
転角速度に関した物理量のフィードバックで抑制される
こととなり、トルクシフトの確実な防止と、ハンチング
の抑制とを両立させることができる。
【0096】第2発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項2に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角に関した物理量のフィードバックを行う電子フ
ィードバック系が変速指令値演算電子系に、パワーロー
ラの傾転角そのものを電子的にフィードバックする構成
にしたから、当該フィードバックにより防止すべきトル
クシフト(パワーローラ傾転角の偏差)そのものをフィ
ードバックすることとなって、第1発明の作用効果を一
層確実なものにすることができる。
【0097】第3発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項3に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角に関した物理量のフィードバックを行う電子フ
ィードバック系が変速指令値演算電子系に、入出力コー
ンディスク間の回転数比から求めた変速比を電子的にフ
ィードバックする構成にしたから、この場合も、変速中
は車速(出力コーンディスク回転数)が変化しないと見
做して差し支えないから、パワーローラ傾転角をフィー
ドバックするに等価となり、第2発明と同様の作用効果
を達成することができるのに加えて、パワーローラ傾転
角をフィードバックすることができない場合でも本発明
の変速制御装置を用いることができる点で大いに有用で
ある。
【0098】第4発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項4に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角に関した物理量のフィードバックを行う電子フ
ィードバック系が変速指令値演算電子系に、変速機入力
回転数を電子的にフィードバックする構成にしたから、
この場合も、変速中は車速(出力コーンディスク回転
数)が変化しないと見做して差し支えないから、パワー
ローラ傾転角をフィードバックするに等価となり、第2
発明と同様の作用効果を達成することができるのに加え
て、パワーローラ傾転角をフィードバックすることがで
きない場合でも本発明の変速制御装置を用いることがで
きる点で大いに有用である。
【0099】第5発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項5に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角速度に関した物理量のフィードバックを行う電
子フィードバック系が、パワーローラオフセット量の推
定値を変速指令値演算電子系にフィードバックする構成
にしたから、パワーローラのオフセット量がパワーロー
ラ傾転角の変化速度に対応して、結局パワーローラ傾転
角の変化速度をフィードバックするに等価となり、前記
第1発明の作用効果を達成し得るのに加えて、パワーロ
ーラ傾転角の変化速度そのものを推定するよりも、パワ
ーローラのオフセット量を推定する方が、微分の必要が
ない分、ノイズの混入を防げて精度上大いに有利であ
る。
【0100】第6発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項6に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角速度に関した物理量のフィードバックを行う電
子フィードバック系が、パワーローラ傾転角速度の推定
値を変速指令値演算電子系にフィードバックする構成に
したから、パワーローラ傾転角速度そのものを変速指令
値演算電子系にフィードバックすることから、前記した
第1発明の作用効果を一層確実なものにすることができ
る。
【0101】第7発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項7に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角速度に関した物理量のフィードバックを行う電
子フィードバック系が、変速比変化速度の推定値を前記
変速指令値演算電子系にフィードバックする構成にした
から、この場合も、変速比変化速度がパワーローラ傾転
角の変化速度に対応して、結局パワーローラ傾転角の変
化速度をフィードバックするに等価となり、前記第1発
明の作用効果を達成し得るのに加えて、既存のセンサで
検出した入出力コーンディスク回転数をそのまま利用し
て変速比の時間変化割合を推定することができることか
ら、コスト的に有利である。
【0102】第8発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項8に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角速度に関した物理量のフィードバックを行う電
子フィードバック系が、変速機入力回転数変化速度の演
算値を変速指令値演算電子系にフィードバックする構成
にしたから、この場合も、入力回転数変化速度がパワー
ローラ傾転角の変化速度に対応して、結局パワーローラ
傾転角の変化速度をフィードバックするに等価となり、
前記第1発明の作用効果を達成し得るのに加えて、既存
のセンサで検出した変速機入力回転数をそのまま利用し
て変速機入力回転数の時間変化割合を推定することがで
きることから、コスト的に有利である。
【0103】第9発明によるトロイダル型無段変速機の
変速制御装置は、請求項9に記載のごとく、パワーロー
ラ傾転角速度に関した物理量のフィードバックを行う電
子フィードバック系が、変速機出力回転数変化速度の演
算値を変速指令値演算電子系にフィードバックする構成
にしたから、においては、出力回転数変化速度演算手段
が変速機出力回転数の時間変化割合をこの場合も、出力
回転数変化速度がパワーローラ傾転角の変化速度に対応
して、結局パワーローラ傾転角の変化速度をフィードバ
ックするに等価となり、前記第1発明の作用効果を達成
し得るのに加えて、既存のセンサで検出した変速機出力
回転数をそのまま利用して変速機出力回転数の時間変化
割合を推定することができることから、コスト的に有利
である。
【0104】第10発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、請求項10に記載のごとく、前記パ
ワーローラオフセット量の推定に際し、トロイダル型無
段変速機の変速制御系を数式で表したモデルを用い、該
モデルに変速指令値を与えた時の該モデル内におけるパ
ワーローラオフセット量を、パワーローラオフセット量
推定値とする構成にしたから、モデルを用いてパワーロ
ーラオフセット量を推定するが故に、ハードウエアに余
分な構成を付加する必要がなくて構成を簡単にし得ると
共に、パワーローラオフセットの推定を正確に行うこと
ができる。
【0105】第11発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、請求項11に記載のごとく、前記モ
デルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内における
パワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との
間の偏差に応じ、該偏差がなくなるよう前記変速指令値
を修正して前記モデルに与える構成にしたから、実際の
変速制御系に対するモデルの誤差を常時なくして、該モ
デルを用いて行うパワーローラオフセット量の推定を、
上記第10発明よりもさらに正確なものにすることがで
きる。
【0106】第12発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、請求項12に記載のごとく、上記モ
デルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内における
パワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との
間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記変速指令値演
算電子系の変速指令値制御ゲインを低下させる構成にし
たから、モデル内におけるパワーローラ傾転角と、実際
のパワーローラ傾転角との間の偏差、つまりモデル化誤
差が大きい時、これに伴って変速制御が振動的になるの
を、変速指令値制御ゲインの上記低下により抑制するこ
とができ、モデル化誤差に伴う制御不安定に対するフェ
ールセーフ対策を実現し得る。
【0107】第13発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、請求項13に記載のごとく、上記モ
デルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内における
パワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との
間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記モデルの諸元
を変速制御が振動的になるのを防止するよう変更する構
成にしたから、この場合も、モデル内におけるパワーロ
ーラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との間の偏
差、つまりモデル化誤差が大きい時、これに伴って変速
制御が振動的になるのを、モデル諸元の上記変更により
抑制することができ、モデル化誤差に伴う制御不安定に
対するフェールセーフ対策を実現し得る。
【0108】第14発明によるトロイダル型無段変速機
の変速制御装置は、請求項14に記載のごとく、上記モ
デルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内における
パワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との
間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記変速指令値演
算電子系で用いる変速マップを、変速が遅くなるよう変
更する構成にしたから、この場合も、モデル内における
パワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角との
間の偏差、つまりモデル化誤差が大きい時、これに伴っ
て変速制御が振動的になるのを、変速マップの上記変更
により抑制することができ、モデル化誤差に伴う制御不
安定に対するフェールセーフ対策を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置により変速制御すべきトロイダル型
無段変速機を例示する縦断側面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御シ
ステムと共に示す縦断正面図である。
【図3】同トロイダル型無段変速機用に構成した本発明
変速制御装置の一実施例を示す変速制御系の模式図であ
る。
【図4】同変速制御系をマイクロコンピュータを用いて
構成した場合において、該マイクロコンピュータが実行
すべき変速指令値決定プログラムのメインルーチンを示
すフローチャートである。
【図5】同変速指令値決定プログラムにおけるフィード
フォワードステップ数決定プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図6】同変速指令値決定プログラムにおけるフィード
バックステップ数決定プログラムを示すフローチャート
である。
【図7】同変速指令値決定プログラムにおけるダンピン
グステップ数決定プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図8】本発明による変速制御装置の他の例を示す、図
3におけると同様な模式図である。
【図9】(a)は、従来式トロイダル型無段変速機の変
速制御装置によるシミュレーション結果を示す動作タイ
ムチャート、(b)は、トロイダル型無段変速機の変速
制御装置にパワーローラ傾転角のみを電子的にフィード
バックした場合のシミュレーション結果を示す動作タイ
ムチャート、(c)は、トロイダル型無段変速機の変速
制御装置にパワーローラ傾転角を電子的にフィードバッ
クすると共に、パワーローラ傾転角速度をも電子的にフ
ィードバックするようにした図3の系によるシミュレー
ション結果を示す動作タイムチャートである。
【図10】本発明による変速制御装置の更に他の例を示
す、図8におけると同様な模式図である。
【図11】同例における変速制御装置において行うフィ
ードバックゲインの変更例を示すフィードバックゲイン
変更特性図である。
【図12】本発明による変速制御装置の更に別の例を示
す、図10におけると同様な模式図である。
【図13】同例における変速制御装置において行うモデ
ル諸元の変更例を示すモデルパラメータ変更特性図であ
る。
【図14】本発明による変速制御装置の更に他の例を示
す、図10におけると同様な模式図である。
【図15】同例の変速制御装置が行う変速動作例を示す
動作タイムチャートである。
【図16】本発明による変速制御装置の更に他の例を示
す、図10におけると同様な模式図である。
【図17】従来のトロイダル型無段変速機を示す縦断正
面図である。
【図18】同トロイダル型無段変速機の変速制御系を示
す模式図である。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 6 ピストン 7 プリセスカム 8 変速リンク 20 入力軸 28 ローディングカム 41 トラニオン 61 コントローラ(変速指令値演算電子系) 61a 変速マップ 61b 目標傾転角演算部 61C PI制御部 61d 傾転角速度演算部(パワーローラ傾転角速度推定
手段) 61e フィードフォワード系 61f 第1の電子フィードバック系 61g 第2の電子フィードバック系 61h 変速制御系モデル(パワーローラオフセット量推
定手段) 61i モデル化誤差補正系 61j ゲイン変更手段 61k パラメータ計算部(モデル諸元変更手段) 61n 変速マップ変更手段 61p 警報装置 61q 記憶装置 62 スロットル開度センサ 63 車速センサ 64 入力回転センサ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸配置した入出力コーンディスクと、
    これら入出力コーンディスク間で摩擦係合により動力の
    受渡しを行うパワーローラとよりなるトロイダル伝動ユ
    ニットを具え、 変速指令値に対応して前記パワーローラを、回転軸線が
    前記入出力コーンディスクの回転軸線と交差する位置か
    らオフセットさせ、該オフセットにより入出力コーンデ
    ィスクからの分力でパワーローラを、自己の回転軸線と
    直交する首振り軸線周りに傾転させることにより、無段
    変速を行なわせると共に、該無段変速により前記変速指
    令値が達成される時、前記パワーローラを、前記オフセ
    ットがなくなる位置に復帰させて、前記変速指令値の達
    成状態を維持するようにした変速制御装置を有するトロ
    イダル型無段変速機において、 前記変速指令値を演算する電子系に、前記パワーローラ
    の傾転角に関した物理量を電子的にフィードバックする
    第1の電子フィードバック系を付加すると共に、前記パ
    ワーローラ傾転角の変化速度に関した物理量を電子的に
    フィードバックする第2の電子フィードバック系を付加
    し、 前記変速指令値演算電子系は、これら第1および第2の
    電子フィードバック系からの物理量をもとに前記変速指
    令値を演算するよう構成したことを特徴とするトロイダ
    ル型無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1の電子フィ
    ードバック系は前記変速指令値演算電子系に、前記パワ
    ーローラの傾転角そのものを電子的にフィードバックす
    るよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記第1の電子フィ
    ードバック系は前記変速指令値演算電子系に、前記入出
    力コーンディスク間の回転数比から求めた変速比を電子
    的にフィードバックするよう構成したことを特徴とする
    トロイダル型無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記第1の電子フィ
    ードバック系は前記変速指令値演算電子系に、変速機入
    力回転数を電子的にフィードバックするよう構成したこ
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記パワーローラのオフセット量を推定するパワー
    ローラオフセット量推定手段を付加し、前記第2の電子
    フィードバック系は、該手段により推定したパワーロー
    ラオフセット量を前記変速指令値演算電子系にフィード
    バックするよう構成したことを特徴とするトロイダル型
    無段変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記パワーローラの傾転角速度を推定するパワーロ
    ーラ傾転角速度推定手段を付加し、前記第2の電子フィ
    ードバック系は、該手段により推定したパワーローラ傾
    転角速度を前記変速指令値演算電子系にフィードバック
    するよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変
    速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記入出力コーンディスク間の回転数比から求めた
    変速比の時間変化割合を推定する変速比変化速度推定手
    段を付加し、前記第2の電子フィードバック系は、該手
    段により推定した変速比変化速度を前記変速指令値演算
    電子系にフィードバックするよう構成したことを特徴と
    するトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、変速機入力回転数の時間変化割合を演算する入力回
    転数変化速度演算手段を付加し、前記第2の電子フィー
    ドバック系は、該手段により演算した入力回転数変化速
    度を前記変速指令値演算電子系にフィードバックするよ
    う構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の
    変速制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、変速機出力回転数の時間変化割合を演算する出力回
    転数変化速度演算手段を付加し、前記第2の電子フィー
    ドバック系は、該手段により演算した出力回転数変化速
    度を前記変速指令値演算電子系にフィードバックするよ
    う構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の
    変速制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項5において、前記パワーローラ
    オフセット量推定手段は、トロイダル型無段変速機の変
    速制御系を数式で表したモデルを有し、該モデルに前記
    変速指令値を与えた時の該モデル内におけるパワーロー
    ラオフセット量を、パワーローラオフセット量推定値と
    する構成にしたことを特徴とするトロイダル型無段変速
    機の変速制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記パワーロー
    ラオフセット量推定手段は、前記モデルに前記変速指令
    値を与えた時の該モデル内におけるパワーローラ傾転角
    と、実際のパワーローラ傾転角との間の偏差に応じ、該
    偏差がなくなるよう前記変速指令値を修正して前記モデ
    ルに与えるモデル化誤差補正系を付加したものであるこ
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機の変速制御装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項10または11において、前記
    モデルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内におけ
    るパワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角と
    の間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記変速指令値
    演算電子系の変速指令値制御ゲインを低下させるゲイン
    変更手段を付加したことを特徴とするトロイダル型無段
    変速機の変速制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項10または11において、前記
    モデルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内におけ
    るパワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角と
    の間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記モデルの諸
    元を変速制御が振動的になるのを防止するよう変更する
    モデル諸元変更手段を付加したことを特徴とするトロイ
    ダル型無段変速機の変速制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項10または11において、前記
    モデルに前記変速指令値を与えた時の該モデル内におけ
    るパワーローラ傾転角と、実際のパワーローラ傾転角と
    の間の偏差に応じ、該偏差が大きいほど前記変速指令値
    演算電子系で用いる変速マップを、変速が遅くなるよう
    変更する変速マップ変更手段を付加したことを特徴とす
    るトロイダル型無段変速機の変速制御装置。
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