JP3460547B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3460547B2
JP3460547B2 JP31204897A JP31204897A JP3460547B2 JP 3460547 B2 JP3460547 B2 JP 3460547B2 JP 31204897 A JP31204897 A JP 31204897A JP 31204897 A JP31204897 A JP 31204897A JP 3460547 B2 JP3460547 B2 JP 3460547B2
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逸朗 村本
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/664Friction gearings
    • F16H61/6648Friction gearings controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の変速
制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる無段変速機としては、
Vベルト式やトロイダル型等の無段変速機が従来から知
られており、特開昭58−54262号公報、特開平3
−288062号公報に開示されるようなトロイダル型
無段変速機が知られている。
【0003】これは、図12、図13に示すように、同
軸上に配置した入出力コーンディスク1、2と、これら
入出力コーンディスク1、2間で摩擦係合により動力の
受け渡しを行う一対のパワーローラ3、3からなる、い
わゆるシングルキャビティ型のトロイダル伝動ユニット
と、メカニカルフィードバック系に加えてPI制御によ
る電子フィードバック系を備えた変速制御装置から構成
されるものである。
【0004】このトロイダル型無段変速機10は、パワ
ーローラ3、3は入出力コーンディスク1、2間で狭
持、押圧され、パワーローラ3は入出力コーンディスク
1、2との間の油膜のせん断によって、入出力コーンデ
ィスク1、2間での動力伝達を行う。
【0005】入力コーンディスク1の回転は、油膜のせ
ん断力によってパワーローラ3へ伝達され、次いでパワ
ーローラ3の回転が上記油膜のせん断によって出力コー
ンディスク2に動力が伝達され、逆に出力コーンディス
ク2から入力コーンディスク1への動力伝達もパワーロ
ーラ3を介して、同様に行われる。
【0006】上記油膜のせん断力は入出力コーンディス
ク1、2とパワーローラ3との間に生じる速度差及び油
膜に働く圧力、すなわち、入出力コーンディスク1、2
の間でパワーローラ3を押し付ける圧力によって発生す
る。
【0007】このため、図12に示すように、上記押し
付け力を付与する機構は、エンジン側に連結される入力
軸20に配設されたカムディスク22と入力コーンディ
スク1の背面との間に、カムディスク22の径方向に回
転軸を備えたローディングカム28を設けるとともに、
背面に所定の斜面を設けた入力コーンディスク1を相対
回転自在に入力軸20で軸支し、さらにカムディスク2
2の対向面にも所定の斜面を備えた構成となっており、
カムディスク22と入力コーンディスク1の間に回転位
相差が発生した場合、入力コーンディスク1の背面に形
成された斜面とカムディスク22の斜面の間をローディ
ングカム28が転動することによって、入力コーンディ
スク1が入力軸20の軸方向(O2軸方向)へ押し付け
られ、ベアリング30を介して出力歯車29とともに軸
支された出力コーンディスク2との間でパワーローラ3
を押し付け、入力軸20に加わる伝達トルクに応じた押
し付け力を発生させるものである。なお、入力軸20は
ベアリング31を介してケーシング19に軸支され、ま
た、出力歯車29は図示しない出力軸を介して駆動輪と
連結される。また、無段変速機10への入力トルクが微
小な場合は、上記ローディングカム28が動作しないた
め、ベアリング31側に入力軸20を軸方向へ付勢する
皿バネ21を設け、常時所定の押し付け力(プリロー
ド)を付与する。
【0008】ここで、変速制御装置について説明する
と、図13に示すように、トラニオン41の下端部には
上下の油室6H、6Lへ供給された油圧に応動するピス
トン6aを備えた油圧シリンダ6と、これら油室6H、
6Lへ油圧を供給する変速制御弁5と、変速コントロー
ラ61からの指令に応じて変速制御弁5のスリーブ5b
を駆動するステップモータ4と、トラニオン41のO3
軸方向(図13の上下方向)及び軸まわりの変位を変速
制御弁5のスプール5aへフィードバックするプリセス
カム7及びリンクカム8を主体にメカニカルフィードバ
ック系が構成される。
【0009】ステップモータ4は、コントローラから目
標変速比に対応した変速指令値(ステップ数)を与えら
れて回転し、変速制御弁5を構成するスリーブ5b、ス
プール5aのうちスリーブ5bをラックアンドピニオン
機構によって往復駆動し、スプール5aに対し相対的に
所定の中立位置から変位させる。
【0010】変速制御弁5は、入力ポート5dを油圧源
60に接続しており、一方の連絡ポート5eを油圧シリ
ンダ6、6の油室6Lに、他方の連絡ポート5fを油圧
シリンダ6、6の油室6Hにそれぞれ連通させる。そし
て、スプール5aがリンクカム8を介してプリセスカム
7に連結される一方、スプール5aの外周とバルブボデ
ィ5cの内周の間で軸方向へ摺動自在なスリーブ5b
が、ラックアンドピニオンを介してステップモータ4に
駆動される。
【0011】ステップモータ4に駆動されたスプール5
aの変位によって、連絡ポート5e、5fが開口し、一
方が油圧源60に、他方がドレーンに連通することで、
両パワーローラ3、3はピストン6aに加わる油圧に応
じてO3軸方向へ変位するが、このとき、各ピストン6
aへの油圧は、対向するパワーローラ3、3が相互逆向
きに変位するよう供給され、例えば、図中左側のパワー
ローラ3が上昇すれば、図中右側のパワーローラ3が下
降する。
【0012】そして、対向するパワーローラ3、3は、
回転軸線O1が入出力コーンディスク1、2の回転軸線
2と交差する図示のような中立位置から、トラニオン
41、41の相互に逆向きな変位に応じて同期的にオフ
セットされる。
【0013】このO3軸方向のオフセット量yに基づい
て両パワーローラ3、3は、入出力コーンディスク1、
2からの分力で、自己の回転軸線O1と直交する首振り
軸線O3(=トラニオン41の回転軸線)のまわりに回
動する傾転運動を行い、入出力コーンディスク1、2に
対するパワーローラ3、3の摩擦接触半径が連続的に変
化することで任意の傾転角度φへ無段階に変速を行うこ
とができる。
【0014】上記パワーローラ3のO3軸方向のオフセ
ット量yと傾転角度φの関係は、次式により近似的に与
えられることが知られている。
【0015】
【数1】
【0016】ただし、θ、η、R;変速機構の寸法に応
じて決まる定数 No;出力コーンディスク2の回転数 である。
【0017】このような無段変速によってコントローラ
からの変速指令値が達成されるとき、パワーローラ3の
3軸方向オフセット量y及び傾転角度φを、トラニオ
ン41、プリセスカム7及びリンクカム8を介して変速
制御弁5のスプール5aへフィードバックし、スプール
5aはスリーブ5bに対し相対的に初期の中立位置に復
帰して油室6H、6Lへの作動油の吸排が遮断されるた
め、トラニオン41、41は両パワーローラ3、3の回
転軸線O1が、入出力コーンディスク1、2の回転軸線
2と交差する中立位置へ戻ることで、上記変速指令値
の達成状態を維持するのである。
【0018】トロイダル型の無段変速機10において
は、トラニオン41並びにパワーローラ3のO3軸方向
変位が微小(例えば、数mm)であるがゆえに、伝達する
トルクによって、フィードバック機構を構成するトラニ
オン41の一部が変形した場合、目標変速比に対して誤
差を生じてしまうという問題がある。
【0019】すなわち、トラニオン41の変形はプリセ
スカム7をO3軸方向へ変位させることになり、メカニ
カルフィードバック系の経路長が変化するとともに、こ
の経路長の変化はリンクカム8を介して変速制御弁5の
スプール5aに伝達され、変速制御弁5が中立位置(連
絡ポート5e、5fが閉鎖される位置)へ戻って変速を
終了したときのパワーローラ3の傾転角φ(実変速比)
が、変速指令値に対応した目標傾転角(目標変速比)に
対して誤差を生じるトルクシフトが発生する。
【0020】このトルクシフトを解消するため、図14
に示すように、目標変速比と実変速比の偏差eに基づく
電子的フィードバック系を付加したものを、本願出願人
は特開平8−296722号公報として提案している。
【0021】また、本願出願人は、比例積分制御(以
下、PI制御という)の遅れやメカニカルフィードバッ
ク系の変形を見越してフィードフォワード制御を行い、
変速比制御の精度と応答性を向上させるものとして、特
開平8−326887号公報として提案している。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、上記(1)式に示したように、トロイダル型
無段変速機の変速特性は、入出力コーンディスク1、2
の回転数及び傾転角度によって大きく変化することを考
慮して、電子的フィードバック系は、回転数及び回転数
と傾転角度からフィードバックゲインを変更するもので
あるが、変速機構及びメカニカルフィードバック系は油
圧によって作動するよう構成されるため、作動油の温度
変化やライン圧の変化によっても変速特性が変化するの
で、フィードバックゲインは、回転数、傾転角度、作動
油温度及びライン圧の4つの要素に基づいて決定する必
要があるが、これら4つの要素に対応したフィードバッ
クゲインを決定する場合には、ゲインマップとして予め
用意するテーブルの数が飛躍的に増大するという問題が
あり、例えば、各要素の最大値と最小値を16分割して
ゲインマップを設定した場合では、テーブルの大きさは
16×16×16×16=65536となって、例え
ば、ゲイン値を表すのに1バイトの容量が必要とする
と、テーブルの容量だけで約64Kバイトの容量が必要
となって、テーブルを格納するROM等の図示しない記
憶手段の容量が増大して、製造コストが増大するという
問題がある。
【0023】また、上記図14に示した従来例では、傾
転角度φをフィードバックするメカニカルフィードバッ
ク量を相殺する電子フィードバックを設けることによ
り、入出力コーンディスクの回転数によるゲイン変換
を、単純な割り算にて実現したもので、上記作動油の状
態は加味されておらず、変速特性に応じた正確なフィー
ドバックゲインが得られていないという問題があった。
【0024】さらに、フィードバックゲインのテーブル
の大きさを64Kバイト以上に設定すると、16ビット
以上のアドレスバスが必要となって、産業用に広く流通
している安価な8ビットマイクロコンピュータの採用が
困難になって、高価な16ビットマイクロコンピュータ
等を採用すると、さらに製造コストを増大させてしまう
という問題があった。
【0025】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、製造コストの増大を防ぎながらも、多数の
要素からフィードバックゲインを正確に決定して制御精
度を向上させることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、アクチュ
エータに駆動される油圧制御機構を介して制御される変
速機構とを備えて変速比を連続的に変更する無段変速機
と、運転状態に応じて前記無段変速機の目標変速比を演
算するとともに、実際の変速比と目標変速比の偏差に基
づいて、実際の変速比が目標変速比に一致するように前
記アクチュエータを駆動するフィードバック制御手段と
を備えた無段変速機の変速制御装置において、前記フィ
ードバック制御手段は、前記油圧制御機構に加わる油圧
を検出する油圧検出手段と、同じく油温を検出する油温
検出手段と、出力軸側に連結された回転体の速度または
この回転体の速度に対応する物理量を検出する出力軸回
転数検出手段と、入力軸に連結された回転体の速度また
はこの回転体の速度に対応する物理量および前記出力軸
回転数検出手段が検出した出力軸に連結された回転体の
速度またはこの回転体の速度に対応する物理量から変速
比を検出する変速比検出手段と、これら検出した油圧、
油温、変速比及び出力側の回転体の回転数とからフィー
ドバックゲインを決定するフィードバックゲイン設定手
段とを備え、このフィードバックゲイン設定手段は、
記油圧、油温、変速比及び出力側の回転体の回転数のう
ちの2つから、予め設定された2次元配列のテーブルよ
第1変数を算出する第1変数演算手段と、前記油圧、
油温、変速比及び出力側の回転体の回転数のうち第1変
数で用いた値を除く2つから、予め設定された2次元配
列のテーブルより第2変数を算出する第2変数演算手段
とを備えて、これら第1変数及び第2変数と、予め設定
されて第1変数と第2変数を2次元配列させたテーブル
からフィードバックゲインを決定する。
【0027】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第1変数演算手段は、前記油圧と油温を2次
元配列させたテーブルから前記第1変数を算出し、前記
第2変数演算手段は、前記出力軸側の回転数と変速比に
対応する物理量を2次元配列させたテーブルから前記第
2変数を算出して、これら第1変数及び第2変数と、予
め設定されて第1変数と第2変数を2次元配列させたテ
ーブルからフィードバックゲインを決定する
【0028】
【0029】また、第3の発明は、アクチュエータに駆
動される油圧制御機構を介して制御される変速機構とを
備えて変速比を連続的に変更する無段変速機と、運転状
態に応じて前記無段変速機の目標変速比を演算するとと
もに、実際の変速比と目標変速比の偏差に基づいて、実
際の変速比が目標変速比に一致するように前記アクチュ
エータを駆動するフィードバック制御手段とを備えた無
段変速機の変速制御装置において、前記フィードバック
制御手段は、前記油圧制御機構に加わる油圧を検出する
油圧検出手段と、同じく油温を検出する油温検出手段
と、出力軸側に連結された回転体の速度またはこの回転
体の速度に対応する物理量を検出する出力軸回転数検出
手段と、入力軸に連結された回転体の速度またはこの回
転体の速度に対応する物理量および前記出力軸回転数検
出手段が検出した出力軸に連結された回転体の速度また
はこの回転体の速度に対応する物理量から変速比を検出
する変速比検出手段と、これら検出した油圧、油温、変
速比及び出力側の回転体の回転数とからフィードバック
ゲインを決定するフィードバックゲイン設定手段とを備
、このフィードバックゲイン設定手段は、前記油圧、
油温、変速比及び出力側の回転体の回転数のうちの2つ
から、予め設定された2次元配列のテーブルより第1変
数を算出する第1変数演算手段と、前記油圧、油温、変
速比及び出力側の回転体の回転数のうち第1変数で用い
た値を除く2つから、予め設定された2次元配列のテー
ブルより第2変数を算出する第2変数演算手段とを備え
て、これら第1変数及び第2変数と、予め設定されて第
1変数と第2変数を2次元配列させたテーブルから求め
た値を線形補間によってフィードバックゲインとして
定する。
【0030】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記第1変数演算手段は、前記油圧と油温を2次
元配列させたテーブルから前記第1変数を算出し、前記
第2変数演算手段は、前記出力軸側の回転数と変速比に
対応する物理量を2次元配列させたテーブルから前記第
2変数を算出して、これら第1変数及び第2変数と、予
め設定されて第1変数と第2変数を2次元配列させたテ
ーブルから求めた値を線形補間によってフィードバック
ゲインとして決定する。また、第5の発明は、前記第3
または第4の発明において、前記フィードバック制御手
段は、メカニカルフィードバック手段と、比例積分制御
によるPI制御手段とから構成され、前記フィードバッ
クゲイン設定手段は、前記メカニカルフィードバック手
段による比例分ゲインをaとし、前記第1変数をg、第
2変数をfとした場合、所定の正の実数λ1、λ2、λ3
に対して、積分ゲインをλ1λ2λ3/gfとし、比例ゲ
インを(λ1λ2+λ2λ3+λ3λ1)/gfまたは(λ1
λ2+λ2λ3+λ3λ1)/gf−aとして各フィードバ
ックゲインを決定する。また、第6の発明は、前記第1
ないし第5の発明のいずれか一つにおいて、前記無段変
速機が、入出力コーンディスクに狭持されるパワーロー
ラを備えたトロイダル型で構成され、前記変速比検出手
段は、パワーローラの傾転角を検出する。
【0031】
【発明の効果】したがって、第1または第2の発明は、
油圧制御機構を備えた無段変速機の変速制御を、電子的
フィードバックによって行う場合、無段変速機の運転状
態、すなわち、出力軸側に連結された回転体の速度と、
入力軸側の回転体の速度に対応する変速比に加えて、油
圧制御機構に加わる作動油の油圧と油温を加味してフィ
ードバックゲインを決定することで、作動油の状態変化
に応じた変速特性の変動を確実に吸収して変速制御の精
度を向上させることができ、例えば、寒冷地などで油温
が極めて低い場合では作動油の粘性が増大して油圧ポン
プの吸入効率が低下するため油圧が低下するが、フィー
ドバックゲインには油温及び油圧が加味されているた
め、温度変化や油圧の変化が変速特性に影響を及ぼすの
を防いで、常時正確なフィードバック制御を行うことが
できる。そして、フィードバックゲインの決定は、油圧
と油温から求めた第1変数と、出力軸側の回転数と変速
比に対応する物理量に基づく第2変数によって各ゲイン
の決定を行うようにしたため、例えば、第1及び第2変
数を2次元配列から求め、これら第1及び第2変数によ
って2次元配列に設定されたフィードバックゲインを求
める場合、使用する配列をすべて2次元配列とすること
で、制御手段に記憶させておくテーブルなどの容量を飛
躍的に低減でき、したがって、低価格のマイクロコンピ
ュータを採用することが可能となって製造コストを大幅
に低減しながらも制御精度の向上を図ることができるの
である。
【0032】
【0033】
【0034】また、第3または第4の発明は、油圧と油
温に基づく前記第1変数と、出力軸側の回転数と変速比
に対応する物理量に基づく第2変数と、予め設定したゲ
インとの関係より線形補間によってフィードバックゲイ
ンを決定するため、制御手段に記憶させておくテーブル
などの容量をさらに低減可能となり、製造コストの低減
をさらに推進できる。
【0035】また、第5の発明は、メカニカルフィード
バック手段と、比例積分制御による電子フィードバック
を行う場合、第1変数をg、第2変数をfとした場合、
電子的フィードバックでメカニカルフィードバックの相
殺を行う場合には、積分ゲインをλ1λ2λ3/gf、比
例ゲインを(λ1λ2+λ2λ3+λ3λ1)/gfとして直
接算出でき、または、電子的フィードバックでメカニカ
ルフィードバックの相殺を行わない場合には(λ1λ2
λ2λ3+λ3λ1)/gf−a(a=メカニカルフィード
バック手段による比例分ゲイン)として直接演算するこ
とで、制御手段に必要な記憶容量のさらに低減して、製
造コストの低減を図りながら、運転性に悪影響を及ぼす
フィードバック系のハンチングを抑制することができ
る。また、第6の発明は、無段変速機をトロイダル型で
構成した場合、パワーローラの傾転角度、すなわち、実
際の変速比に基づいてフィードバックゲインを決定する
ことで、目標変速比または目標傾転角度を決定するプロ
セスと、フィードバックゲインを決定するプロセスを明
確に分離でき、フィードバックゲイン決定のための処理
を簡易に構成できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0037】図1はトロイダル型無段変速機10とし
て、前記従来例と同様のシングルキャビティ型式のトロ
イダル型を採用するとともに、無段変速機10の変速制
御コントローラ61に本発明を適用した一例を示す。
【0038】無段変速機10は、入力軸20側にロック
アップ機構L/Uを備えたトルクコンバータ12を介し
てエンジン11に連結される一方、出力軸側(出力コー
ンディスク2側)を図示しない駆動輪に連結しており、
トロイダル型の無段変速機10の変速機構及びメカニカ
ルフィードバック機構は前記従来例に示した図12、図
13と同様に構成され、変速制御コントローラ61の指
令に応じてステップモータ4(アクチュエータ)が変速
制御弁5を駆動することで変速が行われるもので、前記
従来例と同一のものに同一の図番を付して重複説明を省
略する。
【0039】変速制御コントローラ61は、マイクロコ
ンピュータを主体に構成されており、スロットル開度セ
ンサ62が検出したスロットル開度TVO、無段変速機
10の出力軸側に配設された車速センサ63からの車速
VSP及び入力軸回転センサ64が検出した無段変速機
10の入力軸20の回転数Niに基づいて車両の運転状
態に応じた目標変速比を演算するとともに、油温センサ
65が検出した無段変速機10の油温Tempと、油圧セ
ンサが検出した無段変速機10のライン圧PLに基づい
て、PID制御(比例、積分、微分制御)の各ゲインc
0、c1、c2を求め、無段変速機10の実際の変速比が
目標変速比と一致するような変速指令値U(すなわち、
ステップ数STP)を演算し、ステップモータ4へ指令
する。なお、車速センサ63は無段変速機10の出力軸
回転数Noに所定の定数を乗じたものを車速VSPとし
て出力するものである。
【0040】この変速制御コントローラ61の変速制御
の概要は、図2に示すように、実際の変速比、すなわ
ち、パワーローラ3の傾転角を求める傾転角算出部71
と、スロットル開度TVOと車速VSPに応じて目標変
速比を演算する目標傾転角算出部(図示せず)と、パワ
ーローラ3のオフセット量yを演算するy変位推定部7
2と、ゲイン算出部73、積分器74、ステップ変換部
75を主体に構成されて、各種ゲインの乗算と、各種信
号の加減算を行っている。
【0041】まず、傾転角算出部71は、車速VSP
(∝出力軸回転数No)と入力軸回転数Niの比をと
り、車速VSPと出力コーンディスク2の関係を定める
所定の定数を乗じることで、実際の変速比、すなわち、
パワーローラ3の実際の傾転角度φを求める。
【0042】図示しない目標傾転角算出部は、スロット
ル開度TVOと車速VSPから、予め設定したマップ
(図示せず)に基づいて目標傾転角度、すなわち、目標
変速比を演算する。
【0043】y変位推定部72は、本願出願人が提案し
た特願平7−71495号と同様にして、パワーローラ
3のオフセット量yを推定する。なお、このオフセット
量yは、パワーローラ3の傾転角度φの微分値から求め
ても良い。
【0044】ゲイン算出部73では、PID制御の各ゲ
イン、すなわち、積分ゲインc0、比例ゲインc1、微分
ゲインc2を次式によって決定する。
【0045】
【数2】
【0046】すなわち、トロイダル型無段変速機10の
特性を、図3のように表現した場合、伝達関数は次式の
ように表される。
【0047】
【数3】
【0048】したがって、上記(3)式は線形システム
として近似し、これが、次の(4)式で表される特性を
持つように、上記積分ゲインc0、比例ゲインc1、微分
ゲインc2を決定した結果が上記(2)式である。
【0049】
【数4】
【0050】ただし、所定の定数λ1、λ2、λ3は、上
記伝達関数の極を表す係数であり、これら定数は、正の
実数でなければならない。
【0051】すなわち、定数λ1、λ2、λ3の何れかが
負であれば、系は不安定となって目標傾転角度へ制御す
ることは不可能となり、また、定数λ1、λ2、λ3の何
れかが虚数であれば、フィードバック特性が振動的とな
って、運転性に悪影響をもたらすハンチングを生じるこ
とになる。
【0052】変速制御コントローラ61を図2のように
構成した場合のゲイン、すなわち上記(2)式の算出過
程を以下に説明する。
【0053】変速制御コントローラ61を図2のように
構成した場合、図4に示すように、メカニカルフィード
バック系のプリセスカムの作用を指令値Uに加算するカ
ム相殺フィードバック70を設けることにより、上記
(3)式に示した伝達関数の特性は、次の(5)式に示
す特性と等価になる。
【0054】
【数5】
【0055】なお、上記カム相殺フィードバック70
は、図14に示した前記従来例と同様に、傾転角度φを
フィードバックするメカニカルフィードバック量を相殺
するものである。
【0056】これに、図2に示したように、目標傾転角
度と傾転角度算出部71で算出された実傾転角度との偏
差e、及び積分器74で算出される偏差eの積分値にそ
れぞれ比例ゲインc1と積分ゲインc0を乗じた後に加算
したものから、y変位推定部72で求めたオフセット量
yの値にゲインc2を乗じたものを減算する。そして、
この値に、上記カム相殺フィードバック部70からの値
を加算すると、目標傾転角度から実傾転角度までの伝達
関数は、次の(6)式で表現されることは、制御理論で
広く知られているものである。
【0057】
【数6】
【0058】この式(6)が上記(4)式と一致するた
めには、上記(2)式に示すように、各ゲインc0
1、c2を決定しなければならない。なお、カム相殺フ
ィードバック70を用いない場合には、上記(2)式に
代わって、次の(7)式を用い、メカニカルフィードバ
ックを相殺する効果を比例ゲインc1に持たせることで
等価となる。
【0059】
【数7】
【0060】ここで、図3に示したように、トロイダル
型無段変速機10は線形システムとしたが、実際には定
数としたg及びfが、様々な要因によって変化する非線
形システムであるが、非線形システムであっても、特定
の動作条件において線形近似した制御系を、条件の変化
に応じて切り換えることで良好な制御を行うことができ
ることは、制御論において、ゲインスケジュール法とし
て広く知られたところである。
【0061】すなわち、それぞれの動作条件において
g、fを求めておき、上記(2)式ないし(7)式によ
って、各ゲインc0、c1、c2をそれぞれの条件毎に予
め計算しておき、動作条件の変化に応じて予め求めてお
いた各ゲインc0、c1、c2を切り換えるのである。
【0062】上記(2)式以降で用いられるgは、変速
制御弁5のバルブ開口量x(スリーブ5bとスプール5
aの隙間量)からパワーローラ3のオフセット量yまで
のゲインであるから、油圧システム(変速機構及びメカ
ニカルフィードバック系)に影響を与える条件に応じて
変化する。
【0063】また、上記(2)式以降で用いられる
は、上記(1)式に対して、トロイダル型無段変速機1
0の構造から決定される定数(θ、η、R)と、傾転角
度φ及び出力コーンディスク回転数Noを代入して得ら
れる値である。
【0064】したがって、図2のゲイン算出部73に
は、油圧システムに影響を与える油温センサ65が検出
した油温Tempと、油圧センサ66が検出したライン圧
PLと、傾転角度算出部71が求めた実傾転角度φに対
応する実変速比Ratioと、出力コーンディスク2の回転
数Noと等価である車速センサ63が検出した車速VS
Pの各信号が入力され、各ゲイン毎に予め実験などによ
って設定された4次元配列を、これら各信号に基づいて
参照することで、ゲインc0、c1、c2を決定するので
ある。
【0065】これら各ゲインのテーブルを、c0_Tabl
e、c1_Table、c2_Tableとすると、 c0=c0_Table(VSP,Ratio,Temp,PL) c1=c1_Table(VSP,Ratio,Temp,PL) c2=c2_Table(VSP,Ratio,Temp,PL) のように、3つの4次元配列を参照することで、動作状
態(すなわち、運転状態)に応じた各ゲインを求めるこ
とができる。
【0066】こうして、ゲイン算出部73で求めた各ゲ
インc0、c1、c2を乗じた、偏差e、偏差eの積分値
及びオフセット量yは、図2に示すように、加算または
減算されてからステップ変換部75へ入力され、ステッ
プ変換部75では、目標傾転角度と実傾転角度の偏差e
を解消する変速制御弁5のバルブ変位量(開口量)を求
めるとともに、このバルブ変位量に対応するステップ数
STPをステップモータ4へ指令する。
【0067】
【0068】次に、変速制御コントローラ61のゲイン
算出部73で行われる上記変速制御について、図5のフ
ローチャートを参照しながら以下に詳述する。この処理
は所定時間毎に実行され、例えば、10msec毎に実行さ
れるものである。
【0069】まず、ステップS1では、車速センサ63
から読み込んだ車速VSPを整数化処理して格納し、ス
テップS2では入力軸回転センサ64から読み込んだ入
力コーンディスク1の回転数Niを整数化処理して格納
する。ステップS3では油温センサ65から読み込んだ
油温Tempを整数化処理して格納し、ステップS4では
油圧センサ66から読み込んだライン圧PLを整数化処
理して格納する。
【0070】ここで、各整数化処理は、例えば、車速V
SPの最小値を0、最大値を255とし、ゲインc0
求める配列c0_Tableの大きさが、0から15までの添
え字をとるものとすれば、VSP=入力値×16/(1
+255−0)の小数部を切り捨てる処理を行って、入
力値の最大値と最小値が配列の添え字の最大値と最小値
となるように数値を調整する処理である。
【0071】そして、ステップS5では、上記入力軸の
回転数Niと車速VSPから次式によって実変速比Rat
ioを求める。
【0072】Ratio=Ni/VSP×Cg なお、Cgは車速VSPを出力コーンディスク2の回転
数No(出力軸回転数)へ変換するための定数である。
【0073】こうして求めた、各入力値に基づいて、ス
テップS6では、3つのゲインc0、c1、c2を、各4
次元配列c0_Table、c1_Table、c2_Tableより求める
のである。
【0074】したがって、目標変速比と実変速比または
傾転角度に加えて、油温Temp及びライン圧PLに応じ
たフィードバックゲインを求めてフィードバック制御を
行うようにしたため、例えば、寒冷地などで油温Temp
が極めて低い場合では作動油の粘性が増大して油圧ポン
プの吸入効率が低下するためライン圧PLが低下する
が、フィードバックゲインには油温Temp及びライン圧
PLが加味されているため、温度変化や油圧源60から
のライン圧PLの変化が変速特性に影響を及ぼすのを防
いで、常時正確なフィードバック制御を行うことがで
き、また、目標変速比または目標傾転角度を決定するプ
ロセス(目標傾転角演算部)と、フィードバックゲイン
を決定するプロセスを明確に分離することが可能となっ
て、変速制御システムの構造を明快にすることができ、
開発を容易に行うことが可能となる。
【0075】図6は第2の実施形態を示すフローチャー
トで、前記第1実施形態のゲイン算出部73で行われる
制御のうち、ステップS6で行われる配列の演算を、ス
テップS10、S11の2つに分けて行うようにしたも
ので、ステップS1〜S5は、前記第1実施形態と同様
である。
【0076】前記第1実施形態と同じく、油温Tempと
ライン圧PLは、図3に示すgに関する値であり、ま
た、傾転角度φと車速VSPは図3のfに関係する値で
あり、両者は独立であるから、ステップS10で、油温
Tempとライン圧PLから、予め設定した2次元の配列
g_Tableにより値giを求め、同様に傾転角度φと車速
VSPから予め設定した2次元の配列f_Tableによって
値fiを求める。これら変数fi、giは、ゲイン配列
0_Table、c1_Table、c2_Tableの添え字となる整数
であり、上記図3に示したトロイダル型無段変速機10
の線形モデルと必ずしも関わりのある値でなくても良
い。
【0077】そして、ステップS11では、上記変数g
iとfiから、図7に示すように、各ゲインに応じた次
のような2次元配列に基づいて、各ゲインc0、c1、c
2を求めるのである。
【0078】c0=c0_Table(fi、gi) c1=c1_Table(fi、gi) c2=c2_Table(fi、gi) したがって、図7に示すように、ゲイン配列c0_Table
〜c2_Tableを参照するための、参照配列g_Table、f_
Tableを設けたため、すべての配列を2次元とすること
ができ、4次元配列のような大きな配列を用いる必要が
なくなって、ROM等の図示しない記憶手段の容量が増
大するのを抑制して、製造コストの増大を防ぐことが可
能となるとともに、演算処理を簡素にすることで従来の
8ビットマイクロコンピュータを採用して装置の全体的
な製造コストの増大を抑制できるのである。
【0079】そして、フィードバックゲインを求める際
に、油温Tempとライン圧PLから値giを、傾転角度
φ(または変速比)と車速VSPから値fiを求めるよ
うにしたため、フィードバックゲインを決定するプロセ
スを、作動油に関するプロセスと、走行状態に関するプ
ロセスに分離することができ、フィードバックゲインの
決定プロセスを明快にすることができ、実験等による配
列の決定を容易にして、開発作業の短縮を図ることがで
きるのである。
【0080】ここで、上記ステップS10で求めた値f
i及びgiは、各ゲインc0、c1、c2を決定する配列
の場所を表す整数であるが、図3に示すトロイダル型無
段変速機の特性モデルに関連する物理量であっても良
い。
【0081】図8、図9は第3の実施形態を示すフロー
チャートで、前記第2実施形態のゲイン算出部73で行
われる制御のうち、ステップS10、S11で行われる
配列の演算に補間処理を付加したもので、ステップS1
〜S5は、前記第2実施形態と同様である。
【0082】そして、ステップS20では、実変速比R
atioと車速VSPから予め設定した2次元配列f_Table
によって変数fの値を求め、同様に、油温Tempとライ
ン圧PLから、予め設定した2次元配列g_Tableにより
変数gの値を求める。これら変数f、gの値は必ずしも
整数ではない。
【0083】次に、ステップS21で変数iを0にリセ
ットしてから、ステップS22、23で、値が小さい順
に収容されている配列f_Tableindex(i)から、ステップ
S20で求めた変数fよりも大きく、かつ、fに最も近
いi番目の値を求め、ステップS24ではこのi番目の
値を、 f1=f_Tableindex(i) として、変数f1へ代入する。
【0084】ステップS25〜S26では、上記ステッ
プS21〜S23と同様にして、ステップS25で変数
iを0にリセットしてから、ステップS26、27で、
値が小さい順に収容されている配列g_Tableindex(i)か
ら、ステップS20で求めた変数gよりも大きく、か
つ、gに最も近いi番目の値と、gよりも小さいi−1
番目の値を求め、ステップS28で、 g1=g_Tableindex(i-1) g2=g_Tableindex(i) として、変数g1、g2へ代入する。ただし、g1<g
2である。
【0085】そして、ステップS29では、図9にも示
すように、前記第2実施形態と同じく、ゲインc0を求
める2次元配列c0_Table(g、f)より、 c0_1=c0_Table(g1、f1) c0_2=c0_Table(g2、f1) を求め、 c0={c0_1×(g−g1)+c0_2×(g2−
g)}/(g2−g1) として、線形補間を施したゲインc0を求めるのであ
る。
【0086】したがって、ゲインc0は、変数g、g
1、g2によって線形補間を施して、最終的な値を求め
るようにしたため、2次元配列をc0_Table(g、f)
を小さくしながらも、フィードバックゲインc0、c1
2の精度を確保でき、変速制御コントローラ61を構
成するROM等の図示しない記憶手段の容量をさらに低
減でき、製造コストの削減を推進できるのである。
【0087】なお、上記ステップS21からS29で
は、ゲインc0についてのみ説明したが、図示はしない
が、ゲインc1、c2も2次元配列c1_Table(g、
f)、c2_Table(g、f)より線形補間を施して求め
るものである。
【0088】また、変数g、fの関係を逆にして、2次
元配列をc0_Table(f、g)とし、変数f、f1、f
2によって線形補間を施しても同様である。
【0089】さらに、図10に示すように、c0_Table
(g、f)を、有限要素法などで用いられる三角形を表
す方程式によって上記と同様の線形補間を行ってもよ
い。
【0090】なお、上記実施形態において、ゲインの演
算にはゲイン配列を用いたが、変速制御コントローラ6
1に処理速度の高いマイクロコンピュータを採用すると
ともに、変数f、gが図3に示したパラメータを意味す
る場合、上記(2)式または(7)式を用いて直接算出
してもよく、この場合、図2のようにカム相殺フィード
バック70を用いる場合には、上記(2)式を用いる一
方、カム相殺フィードバックを使用しない場合には、メ
カニカルフィードバックを相殺する効果を比例ゲインc
1に持たせるため上記(7)式を用いれば、フィードバ
ックゲインの算出がより簡易になるとともに、運転性に
重要な影響を及ぼすフィードバック系のハンチングを抑
制することが可能となる。
【0091】また、目標傾転角度から実傾転角度までの
伝達関数を上記(6)式に代わって、次の(8)式のよ
うな特性とする場合、変速制御コントローラ61の構成
は、図11に示すように、実傾転角度φに直接比例ゲイ
ンc1を乗じた値を積分値から減算するような構成とす
ればよく、上記と同様の作用、効果を得ることができ
る。
【0092】
【数8】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機の変速制
御装置の概念図。
【図2】同じく変速制御コントローラのブロック図であ
る。
【図3】トロイダル型無段変速機の特性モデルである。
【図4】同じくカム相殺フィードバックの一例を示すモ
デルである。
【図5】ゲイン算出部で行われる制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図6】第2の実施形態を示し、ゲイン算出部で行われ
る制御の一例を示すフローチャートである。
【図7】同じく、入力と、参照配列、ゲイン配列及び出
力ゲインの関係を示す概念図である。
【図8】第3の実施形態を示し、ゲイン算出部で行われ
る制御の一例を示すフローチャートの前半部である。
【図9】同じく、フローチャートの後半部である。
【図10】他の実施形態を示し、ゲイン配列と参照値
g、fの関係を示す概念図である。ゲイン算出部で行わ
れる制御の一例を示すフローチャートの前半部である。
【図11】他の実施形態を示し、変速制御装置の一例を
示す概念図。
【図12】トロイダル型無段変速機及び変速制御弁の横
断面図。
【図13】同じく、トロイダル型無段変速機の縦断面
図。
【図14】同じく、従来の変速制御装置の一例を示す概
念図。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 5a スプール 5b スリーブ 6 油圧シリンダ 7 プリセスカム 8 リンクカム 10 無段変速機 20 入力軸 41 トラニオン 61 変速制御コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 車速センサ 64 入力軸回転センサ 65 油温センサ 66 油圧センサ 70 カム相殺フィードバック部 71 傾転角算出部 72 y変位推定部 73 ゲイン算出部 74 積分器 75 ステップ変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−242741(JP,A) 特開 平7−151218(JP,A) 特開 平3−134365(JP,A) 特開 平7−259940(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクチュエータに駆動される油圧制御機構
    を介して制御される変速機構とを備えて変速比を連続的
    に変更する無段変速機と、 運転状態に応じて前記無段変速機の目標変速比を演算す
    るとともに、実際の変速比と目標変速比の偏差に基づい
    て、実際の変速比が目標変速比に一致するように前記ア
    クチュエータを駆動するフィードバック制御手段とを備
    えた無段変速機の変速制御装置において、 前記フィードバック制御手段は、 前記油圧制御機構に加わる油圧を検出する油圧検出手段
    と、 同じく油温を検出する油温検出手段と、 出力軸側に連結された回転体の速度またはこの回転体の
    速度に対応する物理量を検出する出力軸回転数検出手段
    と、 入力軸に連結された回転体の速度またはこの回転体の速
    度に対応する物理量および前記出力軸回転数検出手段が
    検出した出力軸に連結された回転体の速度またはこの回
    転体の速度に対応する物理量から変速比を検出する変速
    比検出手段と、 これら検出した油圧、油温、変速比及び出力側の回転体
    の回転数とからフィードバックゲインを決定するフィー
    ドバックゲイン設定手段とを備え、 このフィードバックゲイン設定手段は、前記油圧、油温、変速比及び出力側の回転体の回転数の
    うちの2つから、予め設定された2次元配列のテーブル
    より 第1変数を算出する第1変数演算手段と、前記油圧、油温、変速比及び出力側の回転体の回転数の
    うち第1変数で用いた値を除く2つから、予め設定され
    た2次元配列のテーブルより 第2変数を算出する第2変
    数演算手段とを備えて、これら第1変数及び第2変数
    と、予め設定されて第1変数と第2変数を2次元配列さ
    せたテーブルからフィードバックゲインを決定すること
    を特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】前記第1変数演算手段は、前記油圧と油温
    を2次元配列させたテーブルから前記第1変数を算出
    し、 前記第2変数演算手段は、前記出力軸側の回転数と変速
    比に対応する物理量を2次元配列させたテーブルから前
    記第2変数を算出して、これら第1変数及び第2変数
    と、予め設定されて第1変数と第2変数を2次元配列さ
    せたテーブルからフィードバックゲインを決定すること
    を特徴とする請求項1に 記載の無段変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】アクチュエータに駆動される油圧制御機構
    を介して制御される変速機構とを備えて変速比を連続的
    に変更する無段変速機と、 運転状態に応じて前記無段変速機の目標変速比を演算す
    るとともに、実際の変速比と目標変速比の偏差に基づい
    て、実際の変速比が目標変速比に一致するように前記ア
    クチュエータを駆動するフィードバック制御手段とを備
    えた無段変速機の変速制御装置において、 前記フィードバック制御手段は、 前記油圧制御機構に加わる油圧を検出する油圧検出手段
    と、 同じく油温を検出する油温検出手段と、 出力軸側に連結された回転体の速度またはこの回転体の
    速度に対応する物理量を検出する出力軸回転数検出手段
    と、 入力軸に連結された回転体の速度またはこの回転体の速
    度に対応する物理量および前記出力軸回転数検出手段が
    検出した出力軸に連結された回転体の速度またはこの回
    転体の速度に対応する物理量から変速比を検出する変速
    比検出手段と、 これら検出した油圧、油温、変速比及び出力側の回転体
    の回転数とからフィードバックゲインを決定するフィー
    ドバックゲイン設定手段とを備え 、 このフィードバックゲイン設定手段は、前記油圧、油温、変速比及び出力側の回転体の回転数の
    うちの2つから、予め設定された2次元配列のテーブル
    より 第1変数を算出する第1変数演算手段と、前記油圧、油温、変速比及び出力側の回転体の回転数の
    うち第1変数で用いた値を除く2つから、予め設定され
    た2次元配列のテーブルより 第2変数を算出する第2変
    数演算手段とを備えて、これら第1変数及び第2変数
    と、予め設定されて第1変数と第2変数を2次元配列さ
    せたテーブルから求めた値を線形補間によ ってフィード
    バックゲインとして決定することを特徴とする無段変速
    機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】前記第1変数演算手段は、前記油圧と油温
    を2次元配列させたテーブルから前記第1変数を算出
    し、 前記第2変数演算手段は、前記出力軸側の回転数と変速
    比に対応する物理量を2次元配列させたテーブルから前
    記第2変数を算出して、これら第1変数及び第2変数
    と、予め設定されて第1変数と第2変数を2次元配列さ
    せたテーブルから求めた値を線形補間によってフィード
    バックゲインとして決定することを特徴とする請求項3
    記載の無段変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】前記フィードバック制御手段は、メカニカ
    ルフィードバック手段と、比例積分制御によるPI制御
    手段とから構成され、 前記フィードバックゲイン設定手段は、前記メカニカル
    フィードバック手段による比例分ゲインをaとし、前記
    第1変数をg、第2変数をfとした場合、 所定の正の実数λ 1 、λ 2 、λ 3 に対して、積分ゲインを
    λ 1 λ 2 λ 3 /gfとし、比例ゲインを(λ 1 λ 2 +λ 2 λ 3
    +λ 3 λ 1 )/gfまたは(λ 1 λ 2 +λ 2 λ 3 +λ 3 λ 1 )/
    gf−aとして各フィードバックゲインを決定すること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載 の無段変速
    機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】前記無段変速機が、入出力コーンディスク
    に狭持されるパワーローラを備えたトロイダル型で構成
    され、 前記変速比検出手段は、パワーローラの傾転角を検出す
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか
    一つに記載の無段変速機の変速制御装置。
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