JP2001099304A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP2001099304A
JP2001099304A JP28036599A JP28036599A JP2001099304A JP 2001099304 A JP2001099304 A JP 2001099304A JP 28036599 A JP28036599 A JP 28036599A JP 28036599 A JP28036599 A JP 28036599A JP 2001099304 A JP2001099304 A JP 2001099304A
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雅人 古閑
Mitsuru Watanabe
充 渡辺
Satoru Takizawa
哲 滝沢
Masatoshi Akanuma
正俊 赤沼
Shigeki Shimanaka
茂樹 島中
Hiroyasu Tanaka
寛康 田中
Junya Takayama
潤也 高山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二種類の車速センサ異常判定手法を組み合わ
せることで、変速機入力回転センサと変速機出力回転セ
ンサとの間に介在される変速機構の異常を簡単に精度良
く判定する無段変速機の変速制御装置を提供すること。 【解決手段】 回転センサにより検出されたエンジン回
転数と変速機入力回転数と変速機出力回転数の3つの検
出値に基づいて、変速機出力回転の検出値のみが、他の
検出値と異なる値を示した場合、車速センサが異常であ
ると判定する車速センサ異常判定手段と、車速センサが
異常であると判定された場合、車速センサ車速と推定車
体速との差の絶対値が、設定されたしきい値以下かどう
かを判断する車速差判断手段と、車速差絶対値がしきい
値以下という判断状態のまま設定時間を経過すると、回
転数比較による車速センサ異常の判定を覆して無段変速
機構が異常であると判定する変速機構異常判定手段と、
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速機出力回転を
車速情報として最適変速比を決める変速制御を行う無段
変速機の変速制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、無段変速機の変速制御装置として
は、例えば、特開平5−126239号公報に記載のも
のが知られている。
【0003】この公報には、エンジンからの入力回転を
無段階に変速して駆動輪への出力回転を得る無段変速機
構と、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ
と、変速機入力部材の回転を検出する変速機入力回転セ
ンサと、変速機出力部材の回転を検出する変速機出力回
転センサと、これらの回転センサからのセンサ信号を含
む入力情報に基づいて目標変速比を算出し、算出された
目標変速比が得られる駆動指令を変速アクチュエータに
出力する変速制御手段とを備えた無段変速機の変速制御
装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の無段変速機の変速制御装置にあっては、エンジン回
転センサと変速機入力回転センサと変速機出力回転セン
サのいずれかが異常である場合、これらの回転センサか
らのセンサ信号を含む入力情報に基づいて目標変速比を
算出する変速制御では、適切な目標変速比の算出がなさ
れないため、異常が発生すると早期に回転センサ異常を
判定し、フェールセーフ動作に入る必要がある。
【0005】この回転センサ異常判定手法として、回転
センサにより検出されたエンジン回転数と変速機入力回
転数と変速機出力回転数の3つの検出値を比較し、変速
機出力回転の検出値のみが、他の検出値と異なる値を示
した場合、変速機出力回転センサ、つまり、車速センサ
が異常であると判定する手法が提案されている。例え
ば、ロックアップ状態で変速比が1の時に全てが正常で
あれば、理論的にエンジン回転数=変速機入力回転数=
変速機出力回転数となることで、3つの検出値を互いに
比較することで1つの検出値が検出誤差範囲を超える値
であると認められる場合、その検出値を出力する回転セ
ンサが異常であるということができる。
【0006】しかしながら、トロイダル型無段変速機に
おいて、変速アクチュエータであるステップモータの作
動不良(脱調)やパワーローラの滑り等、無段変速機構
を構成する部品が異常である場合、変速電子制御側から
例えば変速比1を得る駆動指令が出力されているにもか
かわらず、無段変速機構の異常により変速機入力回転数
と変速機出力回転数の比(実変速比)が1とはならず、
無段変速機構を経過して検出される回転数である変速機
出力回転数が異常、つまり、車速センサが異常であると
誤判定されることになる。
【0007】本発明は上記問題点に着目してなされたも
ので、二種類の車速センサ異常判定手法を組み合わせる
ことで、変速機入力回転センサと変速機出力回転センサ
との間に介在される変速機構の異常を簡単に精度良く判
定する無段変速機の変速制御装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明では、エンジンからの入力回転を無段階に変速
して駆動輪への出力回転を得る無段変速機構と、エンジ
ン回転数を検出するエンジン回転センサと、変速機入力
部材の回転を検出する変速機入力回転センサと、変速機
出力部材の回転を検出する変速機出力回転センサと、こ
れらの回転センサからのセンサ信号を含む入力情報に基
づいて目標変速比を算出し、算出された目標変速比が得
られる駆動指令を変速アクチュエータに出力する変速制
御手段とを備えた無段変速機の変速制御装置において、
前記回転センサにより検出されたエンジン回転数と変速
機入力回転数と変速機出力回転数の3つの検出値に基づ
いて、変速機出力回転の検出値のみが、他の検出値と異
なる値を示した場合、変速機出力回転センサ(以下、車
速センサという)が異常であると判定する車速センサ異
常判定手段と、前記車速センサ異常判定手段により車速
センサが異常であると判定された場合、車速センサ信号
とは異なる信号により算出された推定車体速が正常であ
り、かつ、車速センサ信号に基づき算出された車速セン
サ車速と推定車体速との差の絶対値が、設定されたしき
い値以下かどうかを判断する車速差判断手段と、車速差
絶対値がしきい値以下という判断状態のまま設定時間を
経過すると、回転数比較による車速センサ異常という上
記判定結果は、無段変速機構の異常を原因とする判定結
果とみなし、無段変速機構が異常であると判定する変速
機構異常判定手段と、を備えていることを特徴とする。
【0009】本発明のうち請求項2記載の発明では、請
求項1記載の無段変速機の変速制御装置において、前記
変速機構異常判定手段を、上記車速差条件に加え、制動
力制御装置や駆動力制御装置がいずれも非作動であると
いう条件が成立する場合に無段変速機構が異常であると
判定する手段としたことを特徴とする。
【0010】本発明のうち請求項3記載の発明では、請
求項1または請求項2記載の無段変速機の変速制御装置
において、前記変速機構異常判定手段を、上記車速差条
件に加え、ロックアップ中であるという条件が成立する
場合に無段変速機構が異常であると判定する手段とした
ことを特徴とする。
【0011】本発明のうち請求項4記載の発明では、請
求項1ないし請求項3記載の無段変速機の変速制御装置
において、前記変速機構異常判定手段を、上記車速差条
件に加え、個別異常判定によりエンジン回転センサと変
速機入力回転センサと車速センサのいずれのセンサも正
常であるという条件が成立する場合に無段変速機構が異
常であると判定する手段としたことを特徴とする。
【0012】本発明のうち請求項5記載の発明では、請
求項1ないし請求項4記載の無段変速機の変速制御装置
において、前記変速制御手段を、制駆動力制御装置の非
作動時には、車速センサ信号に基づいて算出される車速
センサ車速を変速制御車速とし、制駆動力制御装置の作
動時には、制駆動力制御に用いる推定車体速を変速制御
車速とする手段とし、前記車速センサ異常判定手段によ
り車速センサが異常であると判定された場合、車速セン
サ車速を一定の固定値にし、推定車体速の使用を禁止
し、変速制御車速を固定値として変速制御を行う第1フ
ェールセーフ制御手段を設けたことを特徴とする。
【0013】本発明のうち請求項6記載の発明では、請
求項1ないし請求項5記載の無段変速機の変速制御装置
において、前記変速機構異常判定手段により変速機構が
異常であると判定された場合、走行中において変速アク
チュエータへの指令値と変速比との関係を初期化するイ
ニシャライズ処理を行う第2フェールセーフ制御手段を
設けたことを特徴とする。
【0014】本発明のうち請求項7記載の発明では、請
求項6記載の無段変速機の変速制御装置において、前記
第2フェールセーフ制御手段を、変速機構異常判定時の
走行中初期化指令情報を記憶し、この走行中初期化指令
情報に基づき変速範囲を狭く設定した制限範囲内に指令
値を制限することによりイニシャライズ処理を行う手段
としたことを特徴とする。
【0015】本発明のうち請求項8記載の発明では、請
求項6または請求項7記載の無段変速機の変速制御装置
において、前記変速機構異常判定手段により変速機構が
異常であると判定された場合、故障情報を記憶する故障
履歴メモリに変速機構異常情報を保存する故障情報記憶
手段を設けたことを特徴とする。
【0016】
【発明の作用および効果】本発明のうち請求項1記載の
発明にあっては、変速制御手段において、エンジン回転
数を検出するエンジン回転センサと、変速機入力部材の
回転を検出する変速機入力回転センサと、変速機出力部
材の回転を検出する変速機出力回転センサからのセンサ
信号を含む入力情報に基づいて目標変速比が算出され、
算出された目標変速比が得られる駆動指令が、エンジン
からの入力回転を無段階に変速して駆動輪への出力回転
を得る無段変速機構の変速アクチュエータに出力され
る。
【0017】そして、車速センサ異常判定手段におい
て、回転センサにより検出されたエンジン回転数と変速
機入力回転数と変速機出力回転数の3つの検出値に基づ
いて、変速機出力回転の検出値のみが、他の検出値と異
なる値を示した場合、車速センサが異常であると判定さ
れ、車速センサが異常であると判定された場合、車速差
判断手段において、車速センサ信号とは異なる信号によ
り算出された推定車体速が正常であり、かつ、車速セン
サ信号に基づき算出された車速センサ車速と推定車体速
との差の絶対値が、設定されたしきい値以下かどうかが
判断され、この車速差絶対値がしきい値以下という判断
状態のまま設定時間を経過すると、変速機構異常判定手
段において、回転数比較による車速センサ異常という上
記判定結果は、無段変速機構の異常を原因とする判定結
果とみなし、無段変速機構が異常であると判定される。
【0018】すなわち、三種の回転センサ検出値比較に
よる異常判定では、単純に車速センサ異常であると判定
されるが、車速センサによる検出値は変速機構を経過し
た回転情報である以上、この異常判定には、変速機構正
常で車速センサ異常の場合と、変速機構異常で車速セン
サ正常の場合と、変速機構も車速センサも異常の場合が
含まれる。このうち、変速機構も車速センサも同時に異
常であるというのは実際上きわめて起こりにくいことで
あるので、実質的には、変速機構正常で車速センサ異
常、もしくは、変速機構異常で車速センサ正常のいずれ
かであるといえる。一方、加速スリップ(駆動スリッ
プ)や減速スリップ(制動ロック)を生じていない限
り、駆動輪速である車速センサ車速と従動輪速である推
定車体速とはほぼ同じ値になることから、車速センサ車
速と推定車体速との差の絶対値が、設定されたしきい値
以下の正常な車速差範囲内の状態が設定時間継続するこ
とによって、車速センサ単体として正常と判定すること
ができる。
【0019】そこで、回転センサ検出値比較による異常
判定に、車速センサ単体として別の異常判定手法を導入
し、検出値比較による判定では異常と判定されても、車
速センサ単体としては正常という判定がなされたら、検
出値比較による異常判定は、変速機構の異常を原因とす
る判定結果とみなすことができるという考え方を導入し
て変速機構の異常が判定される。
【0020】よって、二種類の車速センサ異常判定手法
を組み合わせることで、変速機入力回転センサと変速機
出力回転センサとの間に介在される変速機構の異常を簡
単に精度良く判定することができる。
【0021】本発明のうち請求項2記載の発明にあって
は、変速機構異常判定手段において、上記車速差条件に
加え、制動力制御装置や駆動力制御装置がいずれも非作
動であるという条件が成立する場合に無段変速機構が異
常であると判定される。
【0022】よって、ABS(アンチロック・ブレーキ
・システム)、TCS(トラクション・コントロール・
システム)、VDC(ビークル・ダイナミクス・コント
ロール)等の制動力制御装置や駆動力制御装置が作動時
には、駆動スリップや制動ロック等の発生により、車速
センサ異常の誤検知を回避することができないため、制
駆動力制御装置の作動時には変速機構の異常判定を禁止
することで、正確な変速機構の異常判定を行うことがで
きる。
【0023】本発明のうち請求項3記載の発明にあって
は、変速機構異常判定手段において、上記車速差条件に
加え、ロックアップ中であるという条件が成立する場合
に無段変速機構が異常であると判定される。
【0024】よって、トルクコンバータのロックアップ
クラッチが解放されている時は、エンジン回転数と変速
機入力回転数の関係がトルクコンバータによる流体滑り
度合いにより変化し、正確な三種の回転センサの比較判
定を行うことができないため、ロックアップ時(コース
トロックアップ時も含む)以外には変速機構の異常判定
を禁止することで、正確な変速機構の異常判定を行うこ
とができる。
【0025】本発明のうち請求項4記載の発明にあって
は、変速機構異常判定手段において、上記車速差条件に
加え、個別異常判定によりエンジン回転センサと変速機
入力回転センサと車速センサのいずれのセンサも正常で
あるという条件が成立する場合に無段変速機構が異常で
あると判定される。
【0026】よって、エンジン回転センサと変速機入力
回転センサと車速センサとのいずれかが断線やショート
等の異常である場合、正確な三種の回転センサの比較判
定を行うことができないため、個別異常判定によりいず
れのセンサも正常ではない限り変速機構の異常判定を禁
止することで、正確な変速機構の異常判定を行うことが
できる。
【0027】本発明のうち請求項5記載の発明にあって
は、変速制御手段において、制駆動力制御装置の非作動
時には、車速センサ信号に基づいて算出される車速セン
サ車速が変速制御車速とされ、制駆動力制御装置の作動
時には、制駆動力制御に用いる推定車体速が変速制御車
速とされる。そして、車速センサ異常判定手段により車
速センサが異常であると判定された場合、第1フェール
セーフ制御手段において、車速センサ車速が一定の固定
値にされ、推定車体速の使用が禁止され、変速制御車速
が固定値とされて変速制御が行われる。
【0028】すなわち、通常時は車速センサ車速を使用
して目標変速比を決定し、車速センサの異常が発生した
場合、変速制御車速をある一定の値に固定して変速比を
決定している場合、その状態でTCSやABS等が作動
すると、変速制御車速が推定車体速に切り替わるため、
その切り替わりの際にその車速差により、急激なダウン
シフトや急激なアップシフトが発生してしまう。また、
推定車体速による変速制御から通常の車速センサ車速に
戻る際も同様な問題が発生する。
【0029】そこで、車速センサが異常であると判定さ
れた場合、推定車体速の使用を禁止し、車速センサ車速
が一定の固定値、つまり、変速制御車速を固定値とした
ままで変速制御を行うことで、TCSやABS等の制駆
動力制御装置の作動開始時や作動終了時であっても変速
比が一定に保たれ、意図しない車両挙動変化を招く急な
変速比変化を抑えることができる。
【0030】本発明のうち請求項6記載の発明にあって
は、変速機構異常判定手段により変速機構が異常である
と判定された場合、第2フェールセーフ制御手段におい
て、走行中において変速アクチュエータへの指令値と変
速比との関係を初期化するイニシャライズ処理が行われ
る。
【0031】すなわち、変速機構に異常が発生すると、
変速アクチュエータへの指令値と変速比との関係がずれ
ているので、そのまま走行すると、アクチュエータ動作
を規定するストッパ当たりが発生してしまう。
【0032】そこで、変速機構の異常が判定された場
合、走行中に変速アクチュエータへの指令値と変速比と
の関係を初期化するイニシャライズ(高車速イニシャラ
イズという)が実施される。
【0033】よって、変速機構が異常のまま走行して
も、変速アクチュエータへの指令値と変速比との関係の
ずれが修正され、ストッパ当たりを防止することができ
る。
【0034】本発明のうち請求項7記載の発明にあって
は、第2フェールセーフ制御手段において、変速機構異
常判定時の走行中初期化指令情報が記憶され、この走行
中初期化指令情報に基づき変速範囲を狭く設定した制限
範囲内に指令値を制限することによりイニシャライズ処
理が行われる。
【0035】すなわち、走行中に変速機構の異常が判定
されると、停車時に行われる通常のイニシャライズ処理
での変速範囲(変速アクチュエータの機械的な作動限界
位置に対応する範囲)より変速範囲を狭く設定した制限
範囲内に指令値が制限される。
【0036】よって、走行中に行われるイニシャライズ
処理での変速アクチュエータに対する駆動指令が、スト
ッパ当たりまで十分に余裕のある変速比範囲内に制限さ
れることで、変速アクチュエータへの指令値と変速比と
の関係のずれを修正しながら、ストッパ当たりが確実に
防止される。
【0037】本発明のうち請求項8記載の発明にあって
は、変速機構異常判定手段により変速機構が異常である
と判定された場合、故障情報記憶手段において、故障情
報を記憶する故障履歴メモリに変速機構異常情報が保存
される。
【0038】すなわち、変速機構に異常が発生した場合
には、何らかの違和感を持つはずであり、点検修理のた
めに車両をディラー等に入れる。このとき、故障履歴メ
モリに保存されている変速機構異常情報をディラー等に
おいて開くことにより、ディラー等では、変速機構が故
障であると素早く検知され、変速機構を正常状態に修復
する修理や部品交換等の対応を行うことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明による無段変速機の変速制
御装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】[無段変速機の伝動ユニット及び変速制御
装置の構成について]図1及び図2は、本発明による無
段変速機の変速制御装置を備えるトロイダル型無段変速
機を示し、図1はトロイダル型無段変速機の伝動ユニッ
トを示す縦断側面図、図2はトロイダル型無段変速機の
変速制御装置を示す図である。
【0041】まず、トロイダル型無段変速機の主要部で
ある伝動ユニットを、図1により説明する。この伝動ユ
ニットは、図示しないエンジンからの回転が伝達される
入力軸20を備え、この入力軸20は、図1に示すよう
に、エンジンから遠い端部を変速機ケース21内に軸受
22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機ケース
21の中間壁23内に軸受24及び中空出力軸25を介
して回転自在に支持する。
【0042】前記入力軸20には入力コーンディスク1
を支持し、前記中空出力軸25には出力コーンディスク
2を支持し、入出力コーンディスク1,2は、そのトロ
イド曲面1a,2aが互いに対向するように同軸配置す
る。
【0043】そして、入出力コーンディスク1,2の対
向するトロイド曲面1a,2a間には、入力軸20を挟
んでその両側に配置した一対のパワーローラ3,3を介
在させ、これらのパワーローラ3,3を入出力コーンデ
ィスク1,2間に挟圧するために、以下の構成を採用す
る。
【0044】すなわち、入力軸20の軸受22側端部に
ローディングナット26を螺合し、このローディングナ
ット26により抜け止めして入力軸20上に回転係合さ
せたカムディスク27と、入力コーンディスク1のトロ
イド曲面1aから遠い端面との間にローディングカム2
8を介在させ、このローディングカム28を介して、入
力軸20からカムディスク27への回転が入力コーンデ
ィスク1に伝達されるようになす。
【0045】ここで、入力コーンディスク1の回転は両
パワーローラ3,3の回転を介して出力コーンディスク
2に伝わり、この伝動中、ローディングカム28は伝達
トルクに比例したスラストを発生して、パワーローラ
3,3を入出力コーンディスク1,2間に狭圧し、上記
動力伝達を可能にする。
【0046】前記出力コーンディスク2は、出力軸25
に楔着し、この出力軸25上に出力歯車29を一体回転
するように嵌着する。
【0047】出力軸25はさらに、ラジアル兼スラスト
軸受30を介して変速機ケース21の端蓋31内に回転
自在に支持し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラ
スト軸受32を介して入力軸20を回転自在に支持す
る。ここで、ラジアル兼スラスト軸受30,32は、ス
ペーサ33を開始て相互に接近しないように突き合わ
せ、また相互に遠ざかる方向への相対変位不能になるよ
う、対応する出力歯車29入力軸20に対し軸線方向に
衝接させる。
【0048】上記構成により、ローディングカム28に
よって入出力コーンディスク1,2間に作用するスラス
トは、スペーサ33を挟むような内力となり、変速機ケ
ース21に作用することがない。
【0049】各パワーローラ3,3は、図2にも示すよ
うに、トラニオン41,41に回転自在に支持し、この
トラニオン41,41は、それぞれ上端を球面継手42
によりアッパリンク43の両端に回転自在及び揺動自在
に、また、下端を球面継手44によりロアリンク45の
両端に回転自在及び揺動自在に連結する。
【0050】そして、アッパリンク43及びロアリンク
45は、中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41,
41を相互逆向きにに同期して上下動させ得るようにす
る。
【0051】このように、両トラニオン41,41を、
相互逆向きに同期して上下動させることによって変速を
行う変速制御装置を、図2に基づいて説明する。
【0052】各トラニオン41,41は、これらを個々
に上下方向へストロークさせるためのピストン6,6を
設け、両ピストン6,6の両側に、それぞれ上方室5
1,52及び下方室53,54を画成する。そして両ピ
ストン6,6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。
【0053】ここで、変速制御弁5は、スプール型の内
弁体5aと、スリーブ型の外弁体5bとを相互に摺動可
能に嵌合し、外弁体5bを弁ケース5cに摺動自在に嵌
合して構成する。
【0054】上記変速制御弁5は、入力ポート5dを圧
力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン室
51,54に、また、他方の連絡ポート5fをピストン
知る52,53にそれぞれ接続する。
【0055】そして、内弁体5aを、一方のトラニオン
41の下端に固着したプリセスカム7のカム面に、ベル
クランク型の変速レバー8を介して共働させ、外弁体5
bを変速アクチュエータとしてのステップモータ4に、
ラックアンドピニオン型式で駆動係合させる。
【0056】変速制御弁5の操作指令は、アクチュエー
タ駆動位置指令Astep(ステップ位置指令)に応動
するステップモータ4が、ラックアンドピニオンを介し
外弁体5bにストロークとして与えることとする。
【0057】この操作指令で、変速制御弁5の外弁体5
bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から、例えば、
図2の位置に変位されて変速制御弁5が開くとき、圧力
源55からの流体圧(ライン圧PL)が室52,53に
供給される一方、他の室51,54がドレンされ、ま
た、変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対
的に中立位置から逆方向に変位されて変速制御弁5が開
くとき、圧力源55からの流体圧が室51,54に供給
される一方、他の室52,53がドレンされ、両トラニ
オン41,41が流体圧でピストン6,6を介して図
中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位されるものと
する。
【0058】これにより両パワーローラ3,3は、回転
軸軸Oが入出力コーンディスク1,2の回転軸線O
と交差する図示位置からオフセット(オフセット量y)
されることになり、核オフセットによりパワーローラ
3,3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分力
で、自己の回転軸線Oと直行する首振り軸線Oの周
りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことができ
る。
【0059】このような変速中、一方のトラニオン41
の下端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介
して、トラニオン41及びパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)及び傾転角φを変速制御弁5の
内弁体5aに機械的にxで示すようにフィードバックさ
れる。
【0060】そして上記無段変速により、ステップモー
タ4へのアクチュエータ駆動位置指令Astepに対応
した変速比指令値が達成される時、上記のプリセスカム
7を介した機械的フィ一ドバックが変速制御弁5の内弁
体5aをして、外弁体5bに対し相対的に初期の中立位
置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3,3は、回転
軸線Oが入出力コーンディスク1,2の回転軸線0
と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の
達成状態を維持することができる。
【0061】なお、パワーローラ傾転角φを変速比指令
値に対応した値にすることが制御の狙いであるから、一
般的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフ
ィードバックすればよいことになるが、ここでパワーロ
ーラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変
速制御が振動的になるのを防止ずるダンピング効果を与
えて、変速制御のハンチング現象を回避するためであ
る。
【0062】ステップモータ4へのアクチュエ一タ駆動
位置指令Astepは、コントローラ61によって決定
される。
【0063】このためにコントローラ61には図2に示
すように、エンジンスロットル開度TVOを検出するス
ロットル開度センサ62からの信号、車速VSPを検出
する車速センサ63からの信号、入力コーンディスク1
の回転数Ni(エンジン回転数Neでもよい)を検出す
る入力回転センサ64からの信号、出力コーンディスク
2の回転数Noを検出する出力回転センサ65からの信
号、変速機作動油温TMPを検出ずる油温センサ66か
らの信号、前記油圧源55からのライン圧Pを検出す
る(通常は、ライン圧Pをコントローラ61で制御す
るからコントローラ61の内部信号から検知する)ライ
ン圧センサ67からの信号、工ンジン回転数Neを検出
するエンジン回転センサ68からの信号、インヒビタス
イッチ60からのレンジ情報についての信号、UP/D
OWNスイッチ69からのUP/DOWN情報について
の信号、モード選択スイッチ70からの選択モード信
号、工ンジン制御装置310からのトルクダウン許可信
号、アンチスキッド制御装置(ABS)320からのA
BS制御信号、トラクションコントロール装置(TC
S)330からのTCS制御信号及び定速走行装置34
0からのASCDクルーズ信号をそれぞれ入力する。
【0064】コントローラ61は、上記の各種入力情報
を基にして以下の演算によってステップモータ4へのア
クチュエータ駆動位置指令Astep(変速指令値)を
決定するものとする。
【0065】[コントローラの構成について]本実施の
形態では、コントローラ61を図3に示すように構成す
る。
【0066】変速マップ選択部71は、図2のセンサ6
6で検出した油温TMPや、排気浄化触媒の活性化運転
中か否かなど、各種条件に応じて変速マッブを選択す
る。
【0067】到達入力回転数算出部72は、このように
して選択された変速マップが例えば図4に示すようなも
のである場合について説明すると、図2のセンサ62,
63でそれぞれ検出したスロットル開度TVO及び車速
VSPから、同図の変速線図に対応した変速マップをも
とに、現在の運転状態での定常的な目標入力回転数とす
べき到達入力回転数Ni*を検索して求める。
【0068】到達変速比演算部73は、到達入力回転数
Ni*を図2のセンサ65で検出した変速機出力回転数
Noで除算することによって、到達入力回転数Ni*
対応する定常的な目標変速比である到達変速比i*を求
める。
【0069】変速時定数算出部74は、選択レンジ(前
進通常走行レンジD、前進スポーツ走行レンジDs)、
車速VSP、スロットル開度TVO、エンジン回転数N
e、アクセルペダル操作速度、トルクダウン制御装置
(図示せず)からのトルクダウン量に関する信号及びト
ルクダウン許可信号、アンチスキッド制御信号、トラク
ション制御信号、定速走行信号、後に説明する目標変速
比Ratio0との変速比偏差RtoERR、などの各
種条件に応じて変速制御の第1変速時定数Tg1及び第
2変速時定数Tg2を決定するとともに、到達変速比i
*と目標変速比Ratio0との偏差Eipを算出する。
【0070】ここでトロイダル型無段変速機の2次的な
遅れ系に対応するために決定される第1変速時定数Tg
1及び第2変速時定数Tg2は、到達変速比i*に対す
る変速の応答性を決定して変速速度を定めるためのもの
で、目標変速比算出部75は、到達変速比i*を第1変
速時定数Tg1及び第2変速時定数Tg2で定めた変速
応答をもって実現するための過渡的な時時刻々の目標変
速比Ratio0及び中間変速比Ratio00をそれ
ぞれ算出し、目標変速比Ratio0のみを出力する。
【0071】入力トルク算出部76は、周知の方法によ
って変速機入力トルクTiを求めるものであり、先ずス
ロットル開度TVO及びエンジン回転数Neからエンジ
ン出力トルクを求め、次いでトルクコンバータの入出力
回転数(Ne,Ni)比である速度比からトルクコンバ
ータのトルク比tを求め、最後にエンジン出力トルクに
トルク比tを乗じて変速機入力トルクTiを算出する。
【0072】トルクシフト補償変速比算出部77は、過
渡的な上記目標変速比Ratio0及び当該変速機入力
トルクTiから、トロイダル型無段変速機に特有なトル
クシフト(変速比の不正)をなくすためのトルクシフト
補償変速比TSrtoを算出する。
【0073】ここで、トロイダル型無段変速機のトルク
シフトを補足説明すると、トロイダル型無段変速機の伝
動中には、既に説明したようにしてパワーローラ3,3
を入出力コーンディスク1,2間に挟圧することからト
ラニオン41の変形が発生し、これによりこのトラニオ
ンの下端におけるプリセスカム7の位置が変化してプリ
セスカム7及び変速リンク8からなる機械的フィードバ
ック系の系路長変化を惹起し、これによって上記トルク
シフトを発生させる。
【0074】したがって、トロイダル型無段変速機のト
ルクシフトは、目標変速比Ratio0及び変速機入力
トルクTiによって異なり、トルクシフト補償変速比算
出部77は、これらの2次元マップからトルクシフト補
償変速比TSrtoを検索によって求める。
【0075】実変速比算出部78は、変速機入力回転数
Niを図2のセンサ65で検出した変速機出力回転数N
oで除算することによって、実変速比Ratioを算出
する。変速比偏差算出部79は、上記目標変速比Rat
io0から実変速比Ratioを差し引いて、両者間に
おける変速比偏差RtoERR(=Ratio0−Ra
tio)を求める。
【0076】第1フィードバック(FB)ゲイン算出部
80は、変速比偏差RtoERRに応じた周知のPID
制御(Pは比例制御、Iは積分制御、Dは微分制御)に
よる変速比フィードバック補正量を算出するときに用い
られ、それぞれの制御のフィードバックゲインのうち、
変速機入力回転数Ni及び車速VSPに応じて決定すべ
き第1の比例制御用フィードバックゲインfbpDAT
A1、積分制御用フィードバックゲインfbiDATA
1、及び微分制御用フィードバックゲインfbdDAT
A1をそれぞれ求める。
【0077】これら第1のフィードバックゲインfbp
DATA1,fbiDATA1,fbdDATA1は、
変速機入力回転数Ni及び車速VSPの2次元マップと
して予め定めておき、このマップを基に変速機入力回転
数Ni及び車速VSPから検素により求めるものとす
る。
【0078】第2フィードバック(FB)ゲイン算出部
81は、上記PID制御による変速比フィードバック補
正量を算出するときに用いるフィードバックゲインのう
ち、変速機作動油温TMP及びライン圧Pに応じて決
定すべき第2の比例制御用フィードバックゲインfbp
DATA2、積分制御用フィードバックゲインfbiD
ATA2、及び微分制御用フィードバックゲインfbd
DATA2をそれぞれ求める。
【0079】これら第2のフィードバックゲインfbp
DATA2,fbiDATA2,fbdDATA2は、
作動油温TMP及びライン圧Pの2次元マップとして
予め定めておき、このマップを基に作動油温TMP及び
ライン圧Pから検索により求めるものとする。
【0080】フィードバックゲイン算出部83は、上記
第1のフィ一ドバックゲイン及び第2のフィードバック
ゲインを対応するもの同士掛け合わせて、比例制御用フ
ィードバックゲインfbpDATA(=fbpDATA
1×fbpDATA2)、積分制御用フィードバックゲ
インfbiDATA(=fbiDATA1×fbiDA
TA2)、及び微分制御用フィードバックゲインfbd
DATA(=fbdDATA1×fbdDATA2)を
求める。
【0081】PID制御部84は、以上のようにして求
めたフィードバックゲインを用い、変速比偏差RtoE
RRに応じたPID制御による変速比フィードバック補
正量FBrtoを算出するために、先す比例制御による
変速比フィードバック補正量をRtoERR×fbpD
ATAにより求め、次いで積分制御による変速比フィー
ドバック補正量を∫RtoERR×fbiDATAによ
り求め、更に微分制御による変速比フィードバック補正
量を(d/dt)RtoERR×fbdDATAにより求
め、最後にこれら3者の和値をPID制御による変速比
フィードバック補正量FBrto(=RtoERR×f
bpDATA+∫RtoERR×fbiDATA+(d/
dt)RtoERR×fbdDATA)とする。
【0082】目標変速比補正部85は、目標変速比Ra
tio0をトルクシフト補償変速比TSrto及び変速
比フィードバック補正量FBrtoだけ補正して、補正
済目標変速比DsrRTO(=Ratio0+TSrt
o+FBrto)を求める。目標ステップ数(アクチュ
エータ目標駆動位置)算出部86は、上記の補正済目標
変速比DsrRTOを実現するためのステップモータ
(アクチュエータ)4の目標ステップ数(アクチュエー
タ目標駆動位置)DsrSTPをマップ検索により求め
る。
【0083】ステップモータ駆動位置指令算出部87
は、ステップモータ駆動速度決定部88が変速機作動油
温TMPなどから決定するステップモータ4の限界駆動
速度でも1制御周期中にステップモータ4が上記目標ス
テップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステップモ
ータ4の上記限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位
置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとな
し、ステップモータ4が1制御周期中に上記目標ステッ
プ数DsrSTPに変位し得るときは、当該目標ステッ
ブ数DsrSTPをそのままステップモータ4への駆動
位置指令Astepとなすものとする。
【0084】したがって、駆動位置指令Astepは常
時ステップモータ4の実駆動位置とみなすことができ
る。
【0085】ステップモータ4は、駆動位置指令Ast
epに対応する方向及び位置に変位されてラックアンド
ピニオンを介し変速制御弁5の外弁体5bをストロ一ク
させ、トロイダル型無段変速機を既に説明したように所
定通りに変速させることができる。
【0086】この変速によって駆動位置指令Astep
に対応した変速比指令値が達成される時、プリセスカム
7を介した機械的フィードバックが変速制御弁5の内弁
体5aをして、外分体5bに対し相対的に初期の中立位
置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3,3は、回転
軸線0が入出力コーンディスク1,2の回転軸線0
と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の
達成状態を維持することができる。
【0087】なお、本実施の形態では、ステップモータ
追従可能判定部89を付加して設ける。
【0088】このステップモータ追従可能判定部89
は、ステップモータ4が補正済目標変速比DsrRTO
に対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位
置)DsrSTPに追従可能か否かを、以下により判定
するものである。
【0089】つまり判定部89は先ず、目標ステップ数
(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆
動位置とみなすことができる駆動位置指令Astepと
の間におけるステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置
偏差)△STPを求める。
【0090】そして判定部89は、ステップモータ駆動
速度決定部88によって既に説明したように決定された
ステップモ一夕4の限界駆動速度でもステップモータ4
が1制御周期中に解消し得ないステップ数偏差(アクチ
ュエータ駆動位置偏差)の下限値△STPLIMよりも
ステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)△ST
Pが小さい時(△STP<△STPLIM)、ステップ
モータ4が補正済目標変速比DsrRTOに対応した目
標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrS
TPに追従可能であると判定し、逆に△STP≧△ST
LIMである時、ステップモータ4が目標ステップ数
(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従不
能であると判定する。
【0091】判別部89は、ステップモータ4が補正済
目標変速比DsrRTOに対応した目標ステップ数(ア
クチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可能で
あると判定する場合、PID制御部84で、既に説明し
た通りのPID制御による変速比フィードバック補正量
FBrtoの演算を継続させる。
【0092】このようにして、ステップモータ4が目標
ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrST
Pに追従不能であると判定した場合は、積分制御による
変速比フィードバック補正量∫RtoERR×fbiD
ATAを当該判定時における値に保持するようPID制
御部84に指令する。
【0093】さらに本実施の形態では、ステップモータ
駆動位置指令算出部87において、ステップモータ4の
限界駆動速度でも1制御周期中にステップモータ4が目
標ステップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステッ
プモータ4の限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位
置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとな
すようにし、この駆動位置指令Astepをステップモ
ータ4の実駆動位置として判定部89でのステップモー
タ追従可能判定に資することにしたから、このような追
従可能判定を行うに際して必要なステップモータ4の実
駆動位置を、変速制御装置からステップモータ4への駆
動位置指令Astepで検知することとなり、上記の追
従可能判定を、ステップモータ4の実駆動位置の実測に
頼ることなく廉価に行うことができる。
【0094】また本実施の形態では、ステップモータ追
従可能判定部89において、目標ステップ数(アクチュ
エータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆動位置(駆
動位置指令)Astepとの間におけるステップ数偏差
(アクチュエータ駆動位置偏差)△STFが、ステップ
モータ4の限界駆動速度ごとに定めた追従判定基準偏差
△STPLIMよりも小さい時(△STP<△STP
LIM)、ステップモータ4が補正済目標変速比Dsr
RTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標
駆動位置)DsrSTPに追従可能であると判定し、逆
に△STP≧△STPLIMである時、ステップモータ
4が目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)D
srSTPに追従不能であると判定するため、油温TM
Pなどで種々に変化するステップモータ4の限界駆動速
度に関係なくステップモータ4の追従可能判定を確実に
行うことができる。
【0095】[変速制御の全体について]図2のコント
ローラ61をマイクロコンピュータで構成する場合、図
3について説明した変速制御は図5及び図6のプログラ
ムでこれを実行する(変速制御手段に相当)。
【0096】図5は変速制御の全体を示し、このルーチ
ンは、例えば、10msごとに実行される。先ず、ステ
ップ91において、変速時定数設定部74(図3)は、
車速センサ63(図2)によって検出された車速VS
P、エンジン回転センサ68(図2)によって検出され
たエンジン回転数Ne、入力回転センサ64(図2)に
よって検出された変速機入力回転数Ni、スロットル開
度センサ62(図2)によって検出されたスロットル開
度TVO、インヒビタスイッチ60(図2)からのレン
ジ情報(自動変速(D)レンジ、スポーツ走行(S)レ
ンジ等)等を読み込む。
【0097】次いで、ステップ92において、到達入力
回転数算出部72(図3)は、入力回転数Niを変速機
出力回転数Noによって除算することによって、実変速
比Ratioを算出する。次いで、ステップ93におい
て、スロットル開度TVO及び車速VSPから図4に図
示したような変速マップを基にして到達入力回転数Ni
を検索して求める。
【0098】次いで、到達変速比設定手段としてのステ
ップ94において、到達変速比算出部73(図3)は、
この到達入力回転数Niを変速機出力回転数Noで除
算することによって到達変速比iを算出する。次い
で、偏差算出手段としてのステップ95において、変速
時定数算出部74(図3)は、到達変速比iから、前
回のルーチンで算出した目標変速比Ratio0(これ
は後のステップ99で算出される。)を減算して偏差E
ipを算出する。
【0099】次いで、ステップ96において、モード切
替、マニュアル変速による有段の変速(以下、「スイッ
チ変速」という。)があったか否か判定する。具体的に
は、モード選択スイッチ70(図2)からの選択モード
信号に応じて、パワーモードとスノーモードとの間の切
替の有無を検出し、インヒビタスイッチ60(図2)か
らマニュアルレンジ信号を検出するとともにUP/DO
WNスイッチ69(図2)からUP/DOWN情報につ
いての信号を検出したか否か判定する。次いで、モード
設定手段としてのステップ97、ステップ98及び目標
変速比設定手段としてのステップ99において、変速時
定数算出部74(図3)は、時定数算出モードと、第1
及び第2変速時定数Tg1及びTg2と、目標変速比R
atio0及び中間変速比Ratio00とをそれぞれ
算出する。
【0100】その後、ステップ100において、トルク
シフト補償変速比算出部77(図3)は、目標変速比R
atio0及び変速機入力トルクTiに関するマップか
らトルクシフト補償変速比TSrtoを算出する。次い
で、ステップ101において、PID制御部84(図
3)は、PID制御によって変速比フィードバック補正
量FBrtoを算出する。次いで、ステップ102にお
いて、目標変速比補正部85(図3)は、目標変速比R
atio0にトルクシフト補償変速比TSrto及び変
速比フィードバック補正量FBrto加算して、補正済
目標変速比DsrRTOを算出する。次いで、ステップ
103において、ステップモータ4(図2)への駆動位
置指令Astepを算出し、本ルーチンを終了する。
【0101】[車速センサ異常及び変速機構異常判定に
ついて]図6(イ)は変速制御プログラム中の車速セン
サ異常及び変速機構異常判定処理を示すフローチャート
である。ここで、変速機構の出力回転数Noを検出する
出力回転センサ65が本発明での異常判定の対象となる
車速センサに相当する。なお、図2において、出力回転
センサ65とは別に車速センサ63が設けられている
が、この車速センサ63は、出力回転センサ65からの
出力回転数Noに対し終減速比や駆動系伝達応答等を考
慮して車速VSPを得るもので、出力回転数Noを入力
する車速演算回路により置き換え可能な検出手段であ
る。
【0102】先ず、ステップ104では、エンジン回転
センサ68と入力回転センサ64と出力回転センサ65
からのエンジン回転数Neと入力回転数Niと出力回転
数Noの比較により車速センサ正常か車速センサ異常か
の判定がされ、車速センサ正常の場合は、ステップ10
5へ進み、車速センサ正常を示す信号が出力され、車速
センサ異常の場合はステップ106へ進む(車速センサ
異常判定手段に相当)。
【0103】ここで、エンジン回転数Neと入力回転数
Niと出力回転数Noの比較判定は、図6(ロ)に示す
ように、Ne−NiとNi−NoとNe−Noのそれぞ
れについて、OKかNGかが判断され、3つの判断によ
る8通りの組み合わせパターンのうち、Ne−NiがO
Kで、Ni−NoとNe−NoがNGのパターン、つま
り、出力回転数Noを含まないNe−NiのみがOK
で、出力回転数Noが含まれる2つの値がNGの場合、
車速センサ(出力回転センサ65)が異常であると判定
される。
【0104】ステップ106では、従動輪速に基づいて
算出された推定車体速VSPFLが使用禁止か使用許可か
が判断され、使用禁止である場合はステップ107へ進
み、車速センサ異常を示す信号が出力され、使用許可で
ある場合はステップ108へ進む。このステップは、図
外の推定車体速異常判定において、推定車体速VSPFL
が異常であると判定されれば使用禁止され、推定車体速
VSPFLが正常であると判定されれば使用許可され、こ
の使用許可もしくは使用禁止を示す信号が出される。こ
の信号を読み込むことで判断される。
【0105】ステップ108では、出力回転センサ65
からの出力回転数Noに基づき算出された車速センサ車
速VSPSENと推定車体速VSPFLとの差の絶対値が、
設定されたしきい値C以下かどうかが判断され、しきい
値Cを超えていればステップ107へ進み、車速センサ
異常を示す信号が出力され、しきい値C以下であればス
テップ109へ進む。なお、ステップ106及びステッ
プ108は、車速差判断手段に相当する。
【0106】ステップ109では、車速差がしきい値C
以下の状態となって一定時間経過しているかどうかが判
断され、NOの場合はステップ110へ進み、車速セン
サフェールについて現在判定が保持され、YESの場合
はステップ111へ進み、車速センサ正常を示す信号が
出力される(請求項1記載の変速機構異常判定手段に相
当)。
【0107】ステップ112では、ABS、TCS、V
DCのいずれも非作動であるかどうかが判断され、何れ
かが作動である場合には、ステップ113へ進み、変速
機構正常を示す信号が出力され、いずれも非作動である
場合にはステップ114へ進む(請求項2記載の変速機
構異常判定手段に相当)。
【0108】ステップ114では、ロックアップ状態か
どうかが判断され、ロックアップもしくはコーストロッ
クアップ中以外の場合はステップ113へ進み、変速機
構正常を示す信号が出力され、ロックアップもしくはコ
ーストロックアップ中の場合はステップ115へ進む
(請求項3記載の変速機構異常判定手段に相当)。
【0109】ステップ115では、個別異常判定により
エンジン回転センサ68と入力回転センサ64と車速セ
ンサ(出力回転センサ65)が正常か異常かが判断さ
れ、何れかが異常である場合には、ステップ113へ進
み、変速機構正常を示す信号が出力され、いずれも正常
である場合にはステップ116へ進み、変速機構異常を
示す信号が出力される(請求項4記載の変速機構異常判
定手段に相当)。
【0110】すなわち、三種の回転センサ検出値比較に
よる異常判定では、単純に車速センサ異常であると判定
されるが、車速センサ(出力回転センサ65)による検
出値は変速機構を経過した回転情報である以上、この異
常判定には、変速機構正常で車速センサ異常の場合と、
変速機構異常で車速センサ正常の場合と、変速機構も車
速センサも異常の場合が含まれる。このうち、変速機構
も車速センサも同時に異常であるというのは実際上きわ
めて起こりにくいことであるので、実質的には、変速機
構正常で車速センサ異常、もしくは、変速機構異常で車
速センサ正常のいずれかであるといえる。
【0111】一方、加速スリップ(駆動スリップ)や減
速スリップ(制動ロック)を生じていない限り、駆動輪
速である車速センサ車速VSPSENと従動輪速である推
定車体速VSPFLとはほぼ同じ値になることから、車速
センサ車速VSPSENと推定車体速VSPFLとの差の絶
対値が、設定されたしきい値C以下の正常な車速差範囲
内の状態が設定時間継続することによって、車速センサ
単体として正常と判定することができる。
【0112】そこで、回転センサ検出値比較による異常
判定に、車速センサ単体として別の異常判定手法を導入
し、検出値比較による判定では異常と判定されても、車
速センサ単体としては正常という判定がなされたら、検
出値比較による異常判定は、変速機構の異常を原因とす
る判定結果とみなすことができるという考え方を導入し
て変速機構の異常が判定される。
【0113】よって、二種類の車速センサ異常判定手法
を組み合わせることで、入力回転センサ64と出力回転
センサ65との間に介在される変速機構の異常を簡単に
精度良く判定することができる。
【0114】また、変速機構異常判定のステップ112
において、ABSやTCSやVDC等の制駆動力制御装
置がいずれも非作動であるという条件を異常判定条件に
加えているため、正確な変速機構の異常判定を行うこと
ができる。
【0115】すなわち、車速センサ異常の誤検知を回避
することができない制駆動力制御装置の作動時には変速
機構の異常判定を禁止することで、正確な変速機構の異
常判定を行うことができる。
【0116】さらに、変速機構異常判定のステップ11
4において、ロックアップ中であるという条件を異常判
定条件に加えているため、正確な変速機構の異常判定を
行うことができる。
【0117】すなわち、トルクコンバータのロックアッ
プクラッチが解放されている時は、エンジン回転数と変
速機入力回転数の関係がトルクコンバータによる流体滑
り度合いにより変化し、正確な三種の回転センサの比較
判定を行うことができないため、ロックアップ時(コー
ストロックアップ時も含む)以外には変速機構の異常判
定を禁止することで、正確な変速機構の異常判定を行う
ことができる。
【0118】その上、変速機構異常判定のステップ11
5において、個別異常判定によりエンジン回転センサ6
8と入力回転センサ64と出力回転センサ65のいずれ
のセンサも正常であるという条件を異常判定条件に加え
ているため、正確な変速機構の異常判定を行うことがで
きる。
【0119】すなわち、エンジン回転センサ68と入力
回転センサ64と出力回転センサ65とのいずれかが断
線やショート等の異常である場合、正確な三種の回転セ
ンサ68,64,65の比較判定を行うことができない
ため、個別異常判定によりいずれのセンサ68,64,
65も正常ではない限り変速機構の異常判定を禁止する
ことで、正確な変速機構の異常判定を行うことができ
る。
【0120】[変速制御車速の設定について]上記説明
ではABSまたはTCSが非作動であることを前提と
し、車速VSPを用いて到達入力回転数Niを求める
場合について説明してきたが、本実施の形態では、アン
チスキッド制御装置320やトラクションコントロール
装置330から作動信号が入力された場合、変速制御車
速SftVSPとして、車速VSP(以下、車速センサ
車速VSPSEN)に代えて各装置320,330で用い
られる推定車体速VSPFLとする構成を採用している。
【0121】図7は変速制御プログラム中の変速制御車
速設定処理を示すフローチャートである。この処理は、
到達入力回転数算出部72(図3)において実行される
ものである。
【0122】先ず、ステップ117では、図6に示す車
速センサ異常判定結果を受けて車速センサ異常かどうか
が判断され、YESの場合はステップ118へ進み、N
Oの場合はステップ120へ進む。
【0123】ステップ118では、車速センサ車速VS
PSENが固定値に設定され、ステップ119へ進む。こ
の固定値は、例えば、有段変速機の3速に相当する変速
比が得られる車速値に設定される。
【0124】ステップ119では、推定車体速VSPFL
の使用が禁止され、ステップ117へ戻る。なお、ステ
ップ117〜ステップ119は、請求項5記載の第1フ
ェールセーフ制御手段に相当する。
【0125】ステップ120では、アンチスキッド制御
装置320からの作動信号によりABS作動かどうかが
判断される。非作動であると判断されるとステップ12
1へ進み、作動であると判断されるとステップ123へ
進む。
【0126】ステップ121では、トラクションコント
ロール装置330からの作動信号によりTCS作動かど
うかが判断される。非作動であると判断されるとステッ
プ122へ進み、作動であると判断されるとステップ1
23へ進む。
【0127】ステップ122では、変速制御車速Sft
VSPとして車速センサ車速VSPSENが設定され、ス
テップ117へ戻る。
【0128】ステップ123では、変速制御車速Sft
VSPとして推定車体速VSPFLが設定され、ステップ
124へ進む。ここで、推定車体速VSPFLとは、AB
S制御やTCS制御で従動輪速に基づいて決められる疑
似車体速や前後加速度センサからの出力信号を積分演算
することで得られる車体速演算値をいう。
【0129】ステップ124では、アンチスキッド制御
装置320からの作動信号によりABS作動かどうかが
判断される。非作動であると判断されるとステップ12
5へ進み、作動であると判断されるとステップ123へ
進む。
【0130】ステップ125では、トラクションコント
ロール装置330からの作動信号によりTCS作動かど
うかが判断される。非作動であると判断されるとステッ
プ126へ進み、作動であると判断されるとステップ1
23へ進む。
【0131】ステップ126では、スロットル開度TV
O及び推定車体速VSPFLから図4に示したような変速
マップを基にして到達入力回転数NiFLが算出される
と共に、スロットル開度TVO及び車速センサ車速VS
PSENから図4に示したような変速マップを基にして到
達入力回転数NiSENが算出され、ステップ127へ
進む。
【0132】ステップ127では、推定車体速VSPFL
を用いて算出された到達入力回転数NiFLと、車速セ
ンサ車速VSPSENを用いて算出された到達入力回転数
Ni SENとの差の絶対値が、設定しきい値A以下かど
うかが判断される。ここで、変速制御車速SftVSP
を推定車体速VSPFLから車速センサ車速VSPSENへ
戻すことにより変速比が変化する場合、乗員にとって変
速比変化を許容できる最大値を実験等により求め、この
求められた1つの値が設定しきい値Aとされる。このス
テップ127でYESと判断されると、ステップ122
へ進み、変速制御車速SftVSPが推定車体速VSP
FLから車速センサ車速VSPSENに戻される。また、ス
テップ127でNOと判断されると、ステップ128へ
進む。
【0133】ステップ128では、推定車体速VSPFL
が固定値B以下かどうかが判断される。ここで、変速制
御車速SftVSPの最小値として設定されている値が
固定値Bとされる。このステップ128でYESと判断
されると、ステップ122へ進み、変速制御車速Sft
VSPが推定車体速VSPFLから車速センサ車速VSP
SENに戻される。また、ステップ128でNOと判断さ
れると、ステップ123へ進む。
【0134】したがって、車速センサ(出力回転センサ
65)が正常であって、ABSもTCSも非作動である
車両走行時には、変速制御車速SftVSPとして車速
センサ車速VSPSENの設定が維持され、ABS或いは
TCSが作動を開始すると、変速制御車速SftVSP
が車速センサ車速VSPSENから推定車体速VSPFLに
切り換えられ、ABS或いはTCSの作動が終了し、A
BSもTCSも非作動状態になると、変速比の急変を抑
えるステップ127の戻し条件とステップ128の戻し
条件のうち何れかが成立すると、変速制御車速SftV
SPが推定車体速VSPFLから車速センサ車速VSPSE
Nに戻される。
【0135】一方、車速センサ(出力回転センサ65)
が異常であると判定されると、ステップ117→ステッ
プ118→ステップ119へと進み、車速センサ車速V
SPSENが一定の固定値にされ、推定車体速VSPFLの
使用が禁止され、変速制御車速SftVSPが固定値と
されて到達入力回転数Niを求める変速制御が行われ
る。
【0136】すなわち、通常は車速センサ車速VSPSE
Nを使用して到達入力回転数Niを決定し、車速セン
サの異常が発生した場合、変速制御車速SftVSPを
ある一定の値に固定して到達入力回転数Niを決定し
ている場合、その状態でTCSやABS等が作動する
と、変速制御車速SftVSPが推定車体速VSPFLに
切り替わるため、その切り替わりの際にその車速差によ
り、車両挙動変化やショックを招く急激なダウンシフト
や急激なアップシフトが発生してしまう。また、推定車
体速VSPFLによる変速制御から通常の車速センサ車速
VSPSENに戻る際も同様な問題が発生する。
【0137】そこで、車速センサ(出力回転センサ6
5)が異常であると判定された場合、推定車体速VSP
FLの使用を禁止し、車速センサ車速VSPSENが一定の
固定値、つまり、変速制御車速SftVSPを固定値と
したままで変速制御を行うことで、TCSやABS等の
制駆動力制御装置の作動開始時や作動終了時であっても
変速比が一定に保たれ、意図しない車両挙動変化やショ
ックを招く急な変速比変化を抑えることができる。
【0138】[高車速イニシャライズ処理について]図
8は変速制御プログラム中の高車速イニシャライズ処理
を示すフローチャートである。この処理は、ステップモ
ータ駆動位置指令算出部87(図3)において実行され
るものである。
【0139】先ず、ステップ129では、ステップモー
タ4への駆動位置指令Astepを読み込み、ステップ
130へ進む。
【0140】ステップ130では、図6に示す変速機構
異常判定結果を受けて変速機構が異常かどうかが判断さ
れ、YESの場合はステップ131へ進み、NOの場合
はステップ132へ進む。
【0141】ステップ131では、故障情報記憶制御に
従い履歴データに変速機構異常情報を保存し、ステップ
136へ進む(請求項8記載の故障情報記憶手段に相
当)。
【0142】ステップ132では、走行中の電源OFF
の有無が判定され、YESの場合はステップ133へ進
み、NOの場合はステップ134へ進む。
【0143】ステップ133では、走行中初期化指令情
報FLAGINIが、走行中初期化指令情報有りを示す
FLAGINI=1に設定され、ステップ134へ進
む。
【0144】ステップ134では、FLAGINI=1
かどうかが判断され、YESの場合はステップ136へ
進み、NOの場合はステップ135へ進む。
【0145】ステップ135では、駆動位置指令Ast
epが、通常のロー側制限値RTO1及びハイ側制限値
RTO2と比較される。ここで、通常のロー側制限値R
TO1及びハイ側制限値RTO2は、ステップモータ4
の双方向の機械的な作動限界位置に対応する。
【0146】このステップ135での比較において、A
step<RTO2であればステップ137でAste
p=RTO2とし、RTO2≦Astep≦RTO1で
あればステップ138でAstep=Astepとし、
Astep>RTO1であればステップ139でAst
ep=RTO1とする。
【0147】ステップ136では、駆動位置指令Ast
epが、高車速イニシャライズ時のロー側制限値INI
RTO1及びハイ側制限値INIRTO2と比較され
る。ここで、高車速イニシャライズ時のロー側制限値I
NIRTO1及びハイ側制限値INIRTO2は、上記
通常時のロー側制限値RTO1及びハイ側制限値RTO
2により規定される通常範囲(RTO2≦Astep≦
RTO1)よりも狭く設定した制限範囲(INIRTO
2≦Astep≦INIRTO1)に対応する。
【0148】このステップ136での比較において、A
step<INIRTO2であればステップ140でA
step=INIRTO2とし、INIRTO2≦As
tep≦INIRTO1であればステップ141でAs
tep=Astepとし、Astep>INIRTO1
であればステップ142でAstep=INIRTO1
とする。
【0149】ステップ143では、停車かどうかが判断
され、YESの場合はステップ144へ進み、ステップ
144では、走行中初期化指令情報FLAGINIが、
走行中初期化指令情報無しを示すFLAGINI=0に
設定される。
【0150】なお、ステップ130,ステップ136及
びステップ140〜ステップ142は、請求項6,7記
載の第2フェールセーフ制御手段に相当する。
【0151】よって、変速機構が異常であると判定され
た場合、ステップ129→ステップ130→ステップ1
31→ステップ136へと進む流れとなり、走行中にお
いて変速アクチュエータであるステップモータ4への駆
動位置指令Astepと変速比との関係を初期化する高
車速イニシャライズ処理が行われる。
【0152】すなわち、変速機構に異常が発生すると、
ステップモータ4への駆動位置指令Astepと変速比
との関係がずれているので、そのまま走行すると、ステ
ップモータ4の動作を規定するストッパ当たりが発生し
てしまう。
【0153】そこで、変速機構の異常が判定された場
合、高車速イニシャライズを実施することによって、変
速機構が異常のまま走行しても、ステップモータ4への
駆動位置指令Astepと変速比との関係のずれが修正
され、ストッパ当たりを防止することができる。
【0154】また、高車速イニシャライズ処理におい
て、図4に示すように、図中実線で示した停車時におけ
るイニシャライズ処理での変速範囲(RTO2≦Ast
ep≦RTO1)に比べ変速範囲を狭く設定した制限範
囲(INIRTO2≦Astep≦INIRTO1;図
4中破線で示す)内に駆動位置指令Astepを制限し
たため、ステップモータ4への駆動位置指令Astep
と変速比との関係のずれを修正しながら、ストッパ当た
りが確実に防止される。
【0155】さらに、変速機構が異常であると判定され
た場合、ステップ131において、履歴データに変速機
構異常情報を保存するようにしているため、ディラー等
では、変速機構が故障であると素早く検知され、変速機
構を正常状態に修復する修理や部品交換等の対応を行う
ことができる。
【0156】すなわち、変速機構に異常が発生した場合
には、何らかの違和感を持つはずであり、点検修理のた
めに車両をディラー等に入れる。このとき、履歴データ
に保存されている変速機構異常情報をディラー等におい
て開くことにより、ディラー等では、変速機構が故障で
あると素早く検知され、変速機構を正常状態に修復する
修理や部品交換等の対応を行うことができる。
【0157】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【0158】例えば、上記実施の形態では、本発明によ
る無段変速機の変速制御装置をトロイダル型無段変速機
に適用する場合について説明したが、本発明の変速制御
装置をVベルト式無段変速機に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による無段変速機の変速制御装置を備え
るトロイダル型無段変速機の縦断側面図である。
【図2】図1のトロイダル型無段変速機をその変速制御
システムと共に示す縦断正面図である。
【図3】図2のコントローラが実行する変速制御の機能
ブロック線図である。
【図4】無段変速機の変速パターンを例示する変速線図
である。
【図5】本発明による無段変速機の変速制御装置の変速
制御プログラムの全体を示すフローチャートである。
【図6】変速制御プログラム中の車速センサ異常及び変
速機構異常判定処理を示すフローチャートである。
【図7】変速制御プログラム中の変速制御車速設定処理
を示すフローチャートである。
【図8】変速制御プログラム中の高車速イニシャライズ
処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ 5 変速制御弁 6 ピストン 7 プリセスカム 8 変速リンク 20 入力軸 28 ローディングカム 41 トラニオン 43 アッパリンク 45 ロアリンク 60 インヒビタスイッチ 61 コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 車速センサ 64 入力回転センサ 65 出力回転センサ 66 油温センサ 67 ライン圧センサ 68 エンジン回転センサ 69 UP/DOWNスイッチ 70 モード選択スイッチ 71 変速マップ選択部 72 到達入力回転数算出部 73 到達変速比算出部 74 変速時定数算出部 75 目標変速比算出部 310 エンジン制御スイッチ 320 アンチスキッド制御装置 330 トラクションコントロール装置 340 定速走行装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:74 F16H 59:74 63:06 63:06 (72)発明者 滝沢 哲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 赤沼 正俊 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 島中 茂樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田中 寛康 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 高山 潤也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J052 AA20 CA21 DA02 DA06 FA01 GC43 GC44 HA13 KA01 KA09 LA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの入力回転を無段階に変速
    して駆動輪への出力回転を得る無段変速機構と、エンジ
    ン回転数を検出するエンジン回転センサと、変速機入力
    部材の回転を検出する変速機入力回転センサと、変速機
    出力部材の回転を検出する変速機出力回転センサと、こ
    れらの回転センサからのセンサ信号を含む入力情報に基
    づいて目標変速比を算出し、算出された目標変速比が得
    られる駆動指令を変速アクチュエータに出力する変速制
    御手段とを備えた無段変速機の変速制御装置において、 前記回転センサにより検出されたエンジン回転数と変速
    機入力回転数と変速機出力回転数の3つの検出値に基づ
    いて、変速機出力回転の検出値のみが、他の検出値と異
    なる値を示した場合、変速機出力回転センサ(以下、車
    速センサという)が異常であると判定する車速センサ異
    常判定手段と、 前記車速センサ異常判定手段により車速センサが異常で
    あると判定された場合、車速センサ信号とは異なる信号
    により算出された推定車体速が正常であり、かつ、車速
    センサ信号に基づき算出された車速センサ車速と推定車
    体速との差の絶対値が、設定されたしきい値以下かどう
    かを判断する車速差判断手段と、 車速差絶対値がしきい値以下という判断状態のまま設定
    時間を経過すると、回転数比較による車速センサ異常と
    いう上記判定結果は、無段変速機構の異常を原因とする
    判定結果とみなし、無段変速機構が異常であると判定す
    る変速機構異常判定手段と、 を備えていることを特徴とする無段変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の無段変速機の変速制御装
    置において、 前記変速機構異常判定手段を、上記車速差条件に加え、
    制動力制御装置や駆動力制御装置がいずれも非作動であ
    るという条件が成立する場合に無段変速機構が異常であ
    ると判定する手段としたことを特徴とする無段変速機の
    変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の無段変速
    機の変速制御装置において、 前記変速機構異常判定手段を、上記車速差条件に加え、
    ロックアップ中であるという条件が成立する場合に無段
    変速機構が異常であると判定する手段としたことを特徴
    とする無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載の無段変速
    機の変速制御装置において、 前記変速機構異常判定手段を、上記車速差条件に加え、
    個別異常判定によりエンジン回転センサと変速機入力回
    転センサと車速センサのいずれのセンサも正常であると
    いう条件が成立する場合に無段変速機構が異常であると
    判定する手段としたことを特徴とする無段変速機の変速
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載の無段変速
    機の変速制御装置において、 前記変速制御手段を、制駆動力制御装置の非作動時に
    は、車速センサ信号に基づいて算出される車速センサ車
    速を変速制御車速とし、制駆動力制御装置の作動時に
    は、制駆動力制御に用いる推定車体速を変速制御車速と
    する手段とし、 前記車速センサ異常判定手段により車速センサが異常で
    あると判定された場合、車速センサ車速を一定の固定値
    にし、推定車体速の使用を禁止し、変速制御車速を固定
    値として変速制御を行う第1フェールセーフ制御手段を
    設けたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5記載の無段変速
    機の変速制御装置において、 前記変速機構異常判定手段により変速機構が異常である
    と判定された場合、走行中において変速アクチュエータ
    への指令値と変速比との関係を初期化するイニシャライ
    ズ処理を行う第2フェールセーフ制御手段を設けたこと
    を特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の無段変速機の変速制御装
    置において、 前記第2フェールセーフ制御手段を、変速機構異常判定
    時の走行中初期化指令情報を記憶し、この走行中初期化
    指令情報に基づき変速範囲を狭く設定した制限範囲内に
    指令値を制限することによりイニシャライズ処理を行う
    手段としたことを特徴とする無段変速機の変速制御装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7記載の無段変速
    機の変速制御装置において、 前記変速機構異常判定手段により変速機構が異常である
    と判定された場合、故障情報を記憶する故障履歴メモリ
    に変速機構異常情報を保存する故障情報記憶手段を設け
    たことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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