JPH0979369A - 無段変速機搭載車の変速異常対策装置 - Google Patents

無段変速機搭載車の変速異常対策装置

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JPH0979369A
JPH0979369A JP23871195A JP23871195A JPH0979369A JP H0979369 A JPH0979369 A JP H0979369A JP 23871195 A JP23871195 A JP 23871195A JP 23871195 A JP23871195 A JP 23871195A JP H0979369 A JPH0979369 A JP H0979369A
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JP
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shift
gear
abnormality
speed
gear ratio
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JP23871195A
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English (en)
Inventor
Yusuke Minagawa
裕介 皆川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の変速異常は発生原因をつかみに
くく、発生原因ごとの対策を行ったのでは時間的に間に
合わず、弊害を生ずる。 【解決手段】 フェールフラグFLGf が1の変速異常
時は、変速速度を決める変速指令値変化量DSTPを正
常時のDSTPn より小さなDSTPf にする。また、
ステップ133で基準操作量FSTP、トルクシフト補
償操作量TS1、フィードバック操作量FBSTPの合
算により目標変速指令値DSRSTPを決定するに際し
て、基準操作量FSTPを変速異常時は、固定変速比1
に対応した固定値にする。よって変速異常時は、変速比
が固定変速比1に保持され、又これへの変速速度が低下
されることから、異常の発生原因ごとの対策が一時にな
され、対策が時間的に間に合わないといった弊害をなく
すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Vベルト式無段変
速機や、トロイダル型無段変速機等の無段変速機を搭載
した車両に関し、特に、該無段変速機が変速異常を発生
した時における対策装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無段変速機は、目標変速状態に応じ決定
した変速指令値に変速アクチュエータを応動させ、この
アクチュエータで変速制御弁を操作することにより、実
変速状態を上記の目標変速状態に持ち来す。
【0003】ここで、トロイダル型無段変速機について
更に詳述するに、この種無段変速機は通常、例えば特開
平7−4508号公報に記載の如く、同軸配置した入出
力コーンディスクと、これら入出力コーンディスク間で
摩擦係合により動力の受渡しを行うパワーローラとで伝
動系を構成され、後述の如き変速制御装置を具える。
【0004】パワーローラは入出力コーンディスク間に
挟圧され、パワーローラと、入出力コーンディスクとの
間の油膜の剪断によって、パワーローラは入出力コーン
ディスク間での動力伝達を行う。つまり、入力コーンデ
ィスクの回転は上記油膜の剪断によってパワーローラに
伝達され、次いでパワーローラの回転が上記油膜の剪断
によって出力コーンディスクに伝達され、逆に出力コー
ンディスクから入力コーンディスクへの動力伝達もパワ
ーローラを介して同様になされる。
【0005】ここでトロイダル型無段変速機における一
般的な変速制御装置を説明するに、これは変速アクチュ
エータを有し、該アクチュエータは、目標変速比に対応
したアクチュエータ操作量を与えられて対応位置に回転
し、変速制御弁の内外弁体のうち、外弁体を内弁体に対
し相対的に中立位置から変位させる。これにより両パワ
ーローラは、流体圧でピストンを介して、パワーローラ
回転軸線が入出力コーンディスクの回転軸線と交差する
非変速位置から、相互逆向きに変位される。これにより
両パワーローラは対応方向にオフセットされ、入出力コ
ーンディスクからの分力でパワーローラ回転軸線と直交
する首振り軸線周りに傾転され、入出力コーンディスク
に対するパワーローラの摩擦接触円弧径が連続的に変化
することで無段変速を行わせることができる。
【0006】かかる無段変速により上記の目標変速比が
達成される時、パワーローラのオフセット量および傾転
角をフィードバックされる変速制御弁の内弁体は、外弁
体に対し相対的に初期の中立位置に復帰し、同時に、両
パワーローラは、その回転軸線が入出力コーンディスク
の回転軸線と交差する非変速位置に戻ることで、上記目
標変速比の達成状態を維持することができる。
【0007】ところで、無段変速機、特に上記のトロイ
ダル型無段変速機においては、変速制御系に故障を生
じ、異常な変速を行うようになると、有段変速機の場合
よりも、不都合が大きく、変速異常時の対策が望まれ
る。しかし従来は、かかる変速異常対策が積極的に提案
されていないのが実情であると、本願出願人は認識して
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、無段変速機の
変速異常を考察するに、原因としては、前記変速アクチ
ュエータのトルク不足等による該アクチュエータおよび
変速制御弁の動作不良と、変速制御油圧回路を含む無段
変速機自身の故障とが考えられる。そして、前者が原因
の変速異常に対しては、変速速度を低下させるのが安全
上有用であり、後者が原因の変速異常に対しては、変速
比を不都合が最小限に抑えられる値に固定するのが安全
上有用である、というように異常の発生原因によって異
常対策が異なる。
【0009】しかし無段変速機にあっては、変速制御装
置の機構上およびシステム上、変速異常の原因をつきと
めることが困難であり、加えて、つきとめることができ
たとしても、原因を判別し、その後に原因ごとの対策を
行っていたのでは、時間的に間に合わず不都合が発生し
てしまう懸念がある。
【0010】また、いずれにしても変速異常時は、無段
変速機の前段におけるエンジンの出力トルクを低下させ
た方が安全上好ましい。
【0011】本発明は、上述の観点から変速異常時、そ
の原因に関係なく変速異常に対して有用な上記の対策を
全て実行するようにした異常対策装置を提案し、もって
上述の問題を解消することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による無段変速機搭載車の変速異常対策装置は、目標変
速状態に応じた変速指令値に応動する変速アクチュエー
タで変速制御弁を操作することにより、実変速状態が前
記目標変速状態に向けて変化するよう構成した無段変速
機を搭載し、この無段変速機を経てエンジン動力を車輪
に伝達される車両において、無段変速機が異常な変速を
行うようになったのを検出する変速異常検出手段と、該
手段からの信号にそれぞれ応答して変速異常検出時に、
前記エンジンの出力トルクを減ずるトルクダウン手段
と、前記変速指令値を設定変速比対応の値に固定する変
速比固定手段と、変速指令値を設定変速比対応の値にす
る速度を低下させる変速速度低下手段とを設けたことを
特徴とするものである。
【0013】かかる第1構成において変速アクチュエー
タは、目標変速状態に応じた変速指令値に応動して変速
制御弁を操作する。かかる変速制御弁の操作に呼応して
無段変速機は、実変速状態を目標変速状態に向けて変化
され、車両は、かように変速制御される無段変速機を経
てエンジン動力を車輪に伝達される。
【0014】ここで、無段変速機が異常な変速を行うよ
うになったのを変速異常検出手段が検出すると、該手段
からの信号にそれぞれ応答して、トルクダウン手段はエ
ンジンの出力トルクを減じ、変速比固定手段は上記変速
指令値を設定変速比対応の値に固定し、変速速度低下手
段は変速指令値を設定変速比対応の値にする速度を低下
させる。よって変速異常時は、当該変速異常の発生原因
にかかわらず、全ての異常対策が同時になされることと
なり、確実且つ速やかに変速異常に対処することができ
るし、原因を究明してから原因ごとの対策をする場合に
懸念される、対策遅れに伴う不都合の発生も回避するこ
とができる。
【0015】また第2発明による無段変速機搭載車の変
速異常対策装置は、前記目標変速状態と実変速状態との
間の変速状態偏差を演算する変速状態偏差演算手段を付
加して具え、前記変速異常検出手段は、該演算した変速
状態偏差が正常時はあり得ないような設定値以上の大き
さになった時をもって、前記変速異常が発生したと判別
するよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】かかる第2発明の構成においては、変速状
態偏差演算手段が上記目標変速状態と実変速状態との間
の変速状態偏差を演算し、変速異常検出手段は、かかる
演算した変速状態偏差が正常時はあり得ないような設定
値以上の大きさになった時をもって、前記変速異常が発
生したと判別する。この場合、目標変速状態と実変速状
態との間の変速状態偏差のみから異常を判別することと
なり、異常検出が容易である。
【0017】更に第3発明による無段変速機搭載車の変
速異常対策装置は、前記目標変速状態と実変速状態との
間の変速状態偏差を演算する変速状態偏差演算手段、お
よび変速比の変化速度を検出する変速速度検出手段を付
加して具え、これら手段からの信号に応答して前記変速
異常検出手段は、変速状態偏差が小さな領域において該
領域では正常ならあり得ないような高速で変速比が変化
する時をもって、前記変速異常が発生したと判別するよ
う構成したことを特徴とするものである。
【0018】かかる第3発明の構成においては、変速状
態偏差が小さな領域において該領域では正常ならあり得
ないような高速で変速比が変化する時をもって、前記変
速異常が発生したと判別することから、変速状態偏差が
小さな領域において異常判別を完了することとなり、実
変速状態が目標変速状態から大きくずれてしまってから
異常と判別する場合に較べ、異常の検出を速やかに行っ
て、変速異常対策を迅速なものにすることができる。
【0019】また第4発明による無段変速機搭載車の変
速異常対策装置は、前記設定変速比を1にしたことを特
徴とするものである。
【0020】かかる第4発明においては、変速異常対策
の1つである、変速比の固定に際し、変速比が設定変速
比1に固定されることとなり、当該設定変速比によれ
ば、発進も可能であるし、高速走行も可能であり、異常
対策による走行への弊害を最小限にすることができる
【0021】更に第5発明による無段変速機搭載車の変
速異常対策装置は、前記エンジンの回転数が、高速変速
比側への変速異常を示す低エンジンの回転数域であるの
を検出する高速変速比側変速異常検出手段と、該手段が
高速変速比側への変速異常を検出する時、前記トルクダ
ウン手段によるエンジン出力トルクの低減を中止するト
ルクダウン中止手段とを付加して設けたことを特徴とす
るものである。
【0022】かかる第5発明の構成においては、エンジ
ンの回転数が、高速変速比側への変速異常を示す低エン
ジンの回転数域であるのを、高速変速比側変速異常検出
手段によって検出される時、トルクダウン中止手段が前
記トルクダウン手段によるエンジン出力トルクの低減を
中止する。
【0023】よって、高速変速比側変速異常時にトルク
ダウンが行われることがなくなり、高速変速比側変速異
常で車輪駆動トルクが不足している状態にもかかわら
ず、トルクダウンが行われれて走行不能になってしまう
ような事態に至るのを回避することができる。その反
面、逆に低速変速比側への変速異常時は、トルクダウン
手段によるエンジン出力トルクの低減を実行させること
から、当該変速異常時においてエンジンが吹け上がるよ
うな不都合を回避することができる。
【0024】また第6発明による無段変速機搭載車の変
速異常対策装置は、上記高速変速比側変速異常検出手段
からの信号に応答し、該手段が高速変速比側への変速異
常を検出する時、エンジンおよび無段変速機間における
流体伝動手段を、入出力要素間が直結されたロックアッ
プ状態にするのを禁止するロックアップ禁止手段を付加
して設けたことを特徴とするものである。
【0025】かかる第6発明の構成では、高速変速比側
への変速異常時においてロックアップ禁止手段が、エン
ジンおよび無段変速機間における流体伝動手段のロック
アップを禁止する。よって、当該変速異常時は車輪駆動
トルクの不足を惹起するが、これを流体伝動手段のトル
ク増大作用により補償し得ることとなり、当該変速異常
時に走行不能になるのを回避することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一
実施の態様になる変速異常対策装置を具えた車両用のト
ロイダル型無段変速機を例示し、図1は同トロイダル型
無段変速機の縦断側面図、図2は同じくその縦断正面図
である。
【0027】先ず、トロイダル伝動ユニットを説明する
に、これは原動機であるエンジンEからの回転を、流体
伝動手段であるトルクコンバータT/Cを経由して伝達
される入力軸20を具え、この入力軸は図1に明示する
ように、エンジンEから遠い端部を変速機ケース21内
に軸受22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機
ケース21の中間壁23内に軸受24および中空出力軸
25を介して回転自在に支持する。入力軸20上には入
出力コーンディスク1,2をそれぞれ回転自在に支持
し、これらコーンディスクを、トロイド曲面1a,2a
が相互に対向するよう配置する。そして入出力コーンデ
ィスク1,2の対向するトロイド曲面間には、入力軸2
0を挟んでその両側に配置した一対のパワーローラ3を
介在させ、これらパワーローラを入出力コーンディスク
1,2間に挟圧するために、以下の構成を採用する。
【0028】即ち、入力軸20の軸受け端部にローディ
ングナット26を螺合し、該ローディングナットにより
抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカムディス
ク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲面1aか
ら遠い端面との間にローディングカム28を介在させ、
このローディングカムを介して入力軸20からカムディ
スク27への回転が入力コーンディスク1に伝達される
ようになす。ここで、入力コーンディスク1の回転はパ
ワーローラ3の回転を介して出力コーンディスク2に伝
わり、この伝動中ローディングカム28は伝達トルクに
比例したスラストを発生して、パワーローラ3を入出力
コーンディスク1,2間に挟圧し、上記の動力伝達を可
能ならしめる。
【0029】出力コーンディスク2は中空出力軸25に
楔着し、この軸上に出力歯車29を一体回転するよう嵌
着することで、出力コーンディスク2の回転を出力歯車
29およびディファレンシャルギヤ装置D/Gを介して
左右駆動車輪WL ,WR に伝達可能とする。出力軸25
は更に、ラジアル兼スラスト軸受30を介して変速機ケ
ース21の端蓋31内に回転自在に支持し、この端蓋3
1内には別にラジアル兼スラスト軸受32を介して入力
軸20を回転自在に支持する。ここで、ラジアル兼スラ
スト軸受30,32はスペーサ33を介して相互に接近
し得ないよう突き合わせ、また相互に遠去かる方向へも
相対変位不能になるよう、対応する出力歯車29および
入力軸20に対し軸線方向に衝接させる。かくて、ロー
ディングカム28によって入出力コーンディスク1,2
間に作用するスラストは、スペーサ33を挟むような内
力となり、変速機ケース21に作用することがない。
【0030】各パワーローラ3は図2にも示すように、
トラニオン41に回転自在に支持し、該トラニオンは各
々、上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端
に回転自在および揺動自在に、また下端を球面継手44
によりロアリンク45の両端に回転自在および揺動自在
に連結する。そして、アッパリンク43およびロアリン
ク45は中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41を
相互逆向きに同期して上下動させ得るようにする。
【0031】かように両トラニオン41を相互逆向きに
同期して上下動させることにより変速を行う変速制御装
置を、図2に基づき次に説明する。各トラニオン41に
は、これらを個々に上下方向へストロークさせるための
ピストン6を設け、両ピストン6の両側にそれぞれ上方
室51,52および下方室53,54を画成する。そし
て両ピストン6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。ここで、変速制御弁5は
スプール型の内弁体5aとスリーブ型の外弁体5bとを
相互に摺動自在に嵌合して具え、外弁体5bを弁外筐5
cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0032】上記の変速制御弁5は、入力ポート5dを
圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン
室51,54に、また他方の連絡ポート5fをピストン
室52,53にそれぞれ接続する。そして内弁体5a
を、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカ
ム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介し
て共働させ、外弁体5bを変速アクチュエータとしての
ステップモータ4にラックアンドピニオン型式で駆動係
合させる。
【0033】変速制御弁5への操作指令は、変速指令値
(アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)に応動
するステップモータ4がラックアンドピニオンを介し外
弁体5bにストロークとして与えることとする。この操
作指令で変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し
相対的に中立位置から例えば図2の位置に変位される
時、圧力源55からの流体圧が室52,53に供給され
る一方、他の室51,54がドレンされ、また変速制御
弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置
から逆方向に変位される時、圧力源55からの流体圧が
室51,54に供給される一方、他の室52,53がド
レンされ、両トラニオン41が流体圧でピストン6を介
して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位される
ものとする。これにより両パワーローラ3は、その回転
軸線O1 が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O2
と交差する図示の非変速位置からオフセット(オフセッ
ト量y)されることになり、該オフセットによりパワー
ローラ3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分
力で、自己の回転軸線O1 と直交する首振り軸線O3
周りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことがで
きる。
【0034】かかる変速中、一方のトラニオン41の下
端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介し
て、トラニオン41およびパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)および傾転角φを変速制御弁5
の内弁体5aに機械的にフィードバックされる。そして
上記の無段変速によりステップモータ4への変速指令値
(アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)が達成
される時、上記のプリセスカム7を介した機械的フィー
ドバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、外弁体5
bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、
両パワーローラ3は、回転軸線O1 が入出力コーンディ
スク1,2の回転軸線O2 と交差する図示の非変速位置
に戻ることで、上記変速指令値の達成状態を維持するこ
とができる。
【0035】なお、パワーローラ傾転角φを目標変速比
に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本
的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィ
ードバックすればよいことになるが、ここでパワーロー
ラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速
制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与え
て、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0036】ステップモータ4への変速指令値(アクチ
ュエータ操作量=ステップ数ASTP)は変速機コント
ローラ61によりこれを決定し、これがためコントロー
ラ61には、エンジンスロットル開度TVOを検出する
スロットル開度センサ62からの信号、変速機出力軸2
5の回転数No を検出する出力回転センサ63からの信
号、変速機入力軸20の回転数Nt を検出する入力回転
センサ64からの信号、およびエンジン回転数Ne を検
出するエンジン回転センサ65からの信号をそれぞれ入
力する。コントローラ61は、これら入力情報をもとに
以下の演算によりステップモータ4への変速指令値(ス
テップ数ASTP)を決定するが、その外にトルクコン
バータT/C(図1参照)の入出力要素間における直結
(ロックアップ)を制御するロックアップ信号L/Uを
適宜出力し、更にエンジン1(図1参照)を運転制御す
るエンジンコントローラ67へ後述のトルクダウン信号
FLGe を適宜出力するものとする。
【0037】図3(a)〜(c)は、変速機コントロー
ラ61が例えば10msec毎の定時割り込みにより実行す
るもので、先ずステップ71においてスロットル開度T
VO、エンジン回転数Ne 、入力軸回転数Nt 、および
出力軸回転数No を読み込み、次のステップ72で、出
力軸回転数No に定数Aを掛けて車速VSPを演算す
る。
【0038】更にステップ73〜79のうち、ステップ
73,74,75,78においては、上記の読み込み情
報および演算結果をもとに後述の如くに、ステップモー
タ4への変速指令値(指令ステップ数ASTP)を演算
し、本発明における変速異常検出手段を構成するステッ
プ76では、変速機の変速制御に係わる異常を判別し、
ステップ79では、当該異常時であるか否かに応じてト
ルクコンバータT/Cのロックアップ制御を行うものと
する。
【0039】最後にステップ80では、ステップ73,
74,75,78において求めたステップ数ASTPを
ステップモータ4に出力することにより、前記の変速制
御を生起させると同時に、ステップ76での判定結果か
ら得られた、詳しくは後述する信号FLGe およびFL
f のうち、FLGe をエンジンコントローラ67およ
びステップ79でのロックアップ制御部に出力し、FL
f をステップ73での基準操作量計算部およびステッ
プ77でのステップモータ制御部に出力する。
【0040】以後ステップ73〜79を順次詳述する
に、ステップ73は、トルクシフトを考慮しないステッ
プモータ4の基準操作量(基準ステップ数)FSTP
を、図4の制御プログラムにより算出するものである。
ここで、トルクシフトはトロイダル型無段変速機に特有
の外乱で、パワーローラ3を支持するトラニオン41の
変形を主たる原因として、更にガタが加わって生じた、
パワーローラ3とトラニオン41との間におけるオフセ
ット方向相対変位に起因して、変速制御弁5が中立位置
に復帰した変速終了時も、実変速比が目標値からずれる
現象のことである。
【0041】このトルクシフトを考慮しないステップモ
ータ4の基準操作量(基準ステップ数)FSTPを求め
るに際しては、先ず図4におけるステップ81で、図5
に例示する予定の変速マップを基に、車速VSPおよび
スロットル開度TVOから目標とすべき入力軸回転数N
t * を検索し、これを変数DSRREVにセットする。
ここで目標とすべき入力軸回転数Nt * は、本発明にお
ける目標変速状態に相当する。次いでステップ82にお
いて、詳しくは図12および図13につき後述するフェ
ールフラグFLGf から、これが1の変速異常時か、0
の正常時かを判定する。
【0042】正常時ならステップ83において、ステッ
プ81における目標入力回転数DSRREVを出力軸回
転数No で除算し、目標変速比RTOを求める。そして
ステップ84で、図6に例示した特性に対応するテーブ
ルデータを基に、上記目標変速比RTOに対応するステ
ップモータ4の基準操作量(基準ステップ数)FSTP
を検索して求める。
【0043】ところで変速異常時なら、本発明における
変速比固定手段に対応したステップ85で、目標変速比
RTOに当該変速異常時用の固定値RTO1 をセットす
る。ここで変速異常時用の固定値RTO1 は、慎重な発
進操作を行えば車両の発進も可能であるし、且つ高速道
路上での走行も可能な変速比とするのが良く、本例では
変速機入出力軸回転数が同じになる1とした。
【0044】図3(b)におけるステップ74は、前記
のトルクシフトに起因した変速制御への影響をなくすた
めのステップモータ4のトルクシフト補償操作量(トル
クシフト補償ステップ数)TS1を図7の制御プログラ
ムにより算出するものである。図7におけるステップ8
6では、スロットル開度TVOおよびエンジン回転数N
e から、図8に例示するエンジン性能線図に対応したマ
ップを基に、エンジントルクTe を検索して求める。次
のステップ87では、図9に例示するトルクコンバータ
の性能線図を基に、エンジン回転数(トルクコンバータ
入力回転数)N e に対する変速機入力軸回転数(トルク
コンバータ出力回転数)Nt の比で表されるトルクコン
バータ速度比eから、トルクコンバータのトルク比tr
toを検索して、これをTRTOにセットする。
【0045】そして次のステップ88では、上記トルク
コンバータトルク比TRTOに、ステップ85で求めた
エンジントルクTe を掛けて求め得る変速機入力軸トル
ク(トルクコンバータ出力トルク)Tt と、前記目標変
速比RTOとから、図10に例示するトルクシフト(T
S)発生特性に対応したマップをもとに、トルクシフト
TSを検索すると共に、該トルクシフトを補償するため
に必要なステップモータ4のトルクシフト補償ステップ
数TS1 を検索により求める。
【0046】図3(b)におけるステップ75は、前記
目標入力軸回転数Nt * と実入力軸回転数Nt との間の
入力回転偏差、つまり目標変速状態と実変速状態との間
の変速状態偏差に基づき、該偏差をなくすのに必要なス
テップモータ4のフィードバック操作量FBSTPを、
図11の制御プログラムにより算出するものである。図
11のステップ91は、本発明における変速状態偏差演
算手段を成し、このステップ91では、目標入力軸回転
数Nt * と実入力軸回転数Nt との間の入力回転偏差N
err を演算する。そして次のステップ92では、当該入
力回転偏差Ner r の積分値Ni を求める。
【0047】そしてステップ93で、スロットル開度T
VOおよび車速VSPから決定した比例制御定数Kp
上記の入力回転偏差Nerr に掛けて、比例制御分のステ
ップモータフィードバック操作量FBp を求め、次のス
テップ94で、スロットル開度TVOおよび車速VSP
から決定した積分制御定数Ki を上記の入力回転偏差積
分値Ni に掛けて、積分制御分のステップモータフィー
ドバック操作量FBiを求める。次いでステップ95に
おいて、上記の操作量FBp およびFBi を加算し、ス
テップモータ4のフィードバック操作量FBSTPを求
める。
【0048】図3(b)におけるステップ76は、本発
明における変速異常検出手段に相当し、トロイダル型無
段変速機が変速制御に関する故障を生じた場合、図12
の制御プログラムによりこれを変速異常と判別するもの
である。つまり、先ずステップ111において入力回転
偏差Nerr の絶対値|Nerr |が、正常な変速制御がな
されていればあり得ないような設定値Nf 以上である時
をもって、故障が発生した異常時と判別する。ステップ
111で、|Nerr |<Nf の正常時であると判別した
場合、このことを示すようにステップ112でフェール
フラグFLGfを0にリセットし、|Nerr |≧Nf
異常時であると判別した場合、このことを示すようにス
テップ113でフェールフラグFLGf を1にセットす
る。
【0049】異常時であると判別している間は更に、ス
テップ114〜117で以下の処理を行う。ステップ1
14では、エンジン回転数Ne (入力軸回転数Nt でも
よい)がヒステリシスを越えて上方設定値NFH以上にな
った変速異常か否か、つまり低速変速比側への変速異常
であるか否かを判定し、低速変速比側への変速異常であ
るとき、本発明におけるトルクダウン手段を成すステッ
プ116でエンジントルク制御フラグFLGe を1にセ
ットする。本発明における高速変速比側変速異常検出手
段に対応したステップ115では、エンジン回転数Ne
がヒステリシスを越えて下方設定値NFL未満になった異
常であると判別するときは、つまり高速変速比側への変
速異常であると判別するときは、本発明におけるトルク
ダウン中止手段を成すステップ117でエンジントルク
制御フラグFLGe を0にリセットする。
【0050】エンジン回転数Ne が上方設定値NFH以上
になるということは、上記の異常が低速側変速比になる
変速異常であるから、このことを示すように上記の通り
1にセットされたエンジントルク制御フラグFLG
e を、図2に示すごとくエンジンコントローラ67に伝
送し、該エンジンコントローラ67を介してエンジンE
のトルクを低下させ、これにより、車輪駆動トルクが上
記の変速異常で過大になって、エンジンが吹け上がると
いった弊害を回避する。逆に、エンジン回転数Neが下
方設定値NFL未満になるということは、上記の異常が高
速側変速比になる変速異常であるから、このことを示す
ように上記の通りエンジントルク制御フラグFLGe
0にリセットすることで、エンジンコントローラ67に
対するエンジントルク制御フラグFLGe の伝送、つま
りエンジンEのトルクダウンを中止し、これにより、上
記の変速異常で車輪駆動トルクが不足するのに、更にエ
ンジンEのトルクダウンがなされて、走行不能になると
いった弊害を回避する。
【0051】なお、異常判別は上記に代えて図13に示
すプログラムにより、入力軸回転数偏差Nerr が小さい
にもかかわらず、変速比の変化速度が速い時をもって故
障が発生した変速異常時と判別することもできる。但し
図13において、図12におけると同様の処理を行うス
テップは同一符号にて示すにとどめ、重複説明を省略し
た。
【0052】図13のステップ118では、入力軸回転
数偏差Nerr が、目標入力軸回転数Nt * に応じて定め
た設定値Nf1未満か否かを判定し、Nerr <Nf1と判定
する時、本発明における変速速度検出手段に相当するス
テップ119において、入出力軸回転数Ni ,No の比
で表される変速比i=Ni /No を演算すると共に、該
演算の1周期間における変速比iの変化量から変速比変
化速度(d/dt)iを求めた後、ステップ120で、
この変速比変化速度(d/dt)iが変速比iおよび入
力軸回転数Nt を基に決定した設定速度(d/dt)i
S 以上の高速である時をもって異常時と判別する。な
お、上記変速比iおよび変速比変化速度(d/dt)i
の代わりに、パワーローラ傾転角φおよびその変化速度
(d/dt)φを同様の考え方によりモニタしてもよい
ことは言うまでもない。
【0053】ここで、ステップ118における設定入力
軸回転数偏差Nf1は、変速比変化速度(d/dt)iか
ら異常の発生を検知し得なくなる入力軸回転数偏差域の
下限値とし、また設定変速比変化速度(d/dt)iS
は、変速異常時に現れる変速比変化速度の下限値とす
る。ところで設定変速比変化速度(d/dt)iS を上
記のように、変速比iおよび入力軸回転数Nt を基に決
定する理由を次に説明する。
【0054】変速比変化速度(d/dt)iを表すパワ
ーローラ傾転角φの変化速度(d/dt)φは、本願出
願人の発行になる「公開技報YP0−910017」に
も記載されているが、前記パワーローラオフセット量y
と、パワーローラ傾転角φ(変速比i)と、パワーロー
ラ回転速度(入力軸回転数Nt )との関数で近似的に表
されることが知られている。従って当該近似式におい
て、パワーローラオフセット量yが所定値となる時の傾
転角変化速度(d/dt)φ、つまり変速比変化速度
(d/dt)iを、変速比iおよび入力軸回転数Nt
ら求めて、これを上記の設定変速比変化速度(d/d
t)iS にすればよいことが判る。これが、設定変速比
変化速度(d/dt)iS を変速比iおよび入力軸回転
数Nt を基に決定する理由である。
【0055】図14のタイムチャートにより、入力軸回
転数偏差Nerr が小さいにもかかわらず、変速比の変化
速度(d/dt)iが速い時をもって故障が発生した異
常時と判別し得ることを次に説明する。図14は、瞬時
0 にスロットル開度TVOを0/8開度から4/8開
度へとステップ状に変化させた結果、目標入力軸回転数
t * も同図(a),(b)に実線で示すごとくステッ
プ状に変化した場合における変速比iの時系列変化状況
を示す。
【0056】図14(a)は、変速が正常に行われてい
る場合のタイムチャートで、変速比iの正常な時系列変
化に呼応して入力軸回転数Nt は1点鎖線で示すように
目標入力軸回転数Nt * に一致する。ここで、入力回転
偏差Nerr が設定偏差Nf1(図13のステップ118参
照)未満になった瞬時t2 における変速比iの演算周期
Δt1 中の変化量、つまり変速比変化速度(d/dt)
C は設定速度(d/dt)iS 未満である。ところ
で、変速が正常に行われない場合は同図(b)に示すよ
うに、(a)における1点鎖線で示す入力軸回転変化お
よび変速比変化を移記した2点鎖線との比較から明らか
な如く、入力軸回転数Nt が1点鎖線で示すように目標
入力軸回転数Nt * を横切るような変速比iの時系列変
化を惹起する。かかる異常時において、入力回転偏差N
err が設定偏差Nf1未満になった瞬時t1 における変速
比iの演算周期Δt1 中の変化量、つまり変速比変化速
度(d/dt)if は設定速度(d/dt)iS 以上と
なる。よって、入力軸回転数偏差Nerr が設定偏差Nf1
より小さいにもかかわらず、変速比の変化速度(d/d
t)iが設定速度(d/dt)iS 以上となる時をもっ
て故障が発生した異常時と判別することができる。
【0057】なお、図12の異常判別方式によれば、モ
ニタ対象が入力回転偏差Nerr のみで、異常判別が容易
であり、図13の異常判別によれば、入力回転偏差N
err が小さいうちから異常を判別し得ることとなり、入
力回転偏差Nerr が大きくなって初めて異常であると判
別する場合に較べ、異常対策を速やか、且つ的確に実施
することができる。
【0058】図3(b)におけるステップ78は、ステ
ップモータ4の制御を図15のプログラムに沿って行う
ものである。図15のステップ130では、図12およ
び図13における変速異常判定結果であるフェールフラ
グFLGf から、これが1の変速異常時か、0の正常時
かをチェックする。正常時ならステップ131で、ステ
ップ134,135における1演算サイクルのモータス
テップ数変更量(変速速度を決定する変速指令値変更
量)DSTPを、正常時用の設定値DSTPn に決定す
る。変速異常時なら、ステップ132で、1演算サイク
ルのモータステップ数変更量DSTPを、異常時用の設
定値DSTPf に決定する。ここで、異常時用の設定値
DSTPf は正常時用の設定値DSTPn よりも小さい
ものとし、これにより1演算サイクル当たりの変速指令
値変化量、つまり変速速度を、変速異常時は正常時に較
べて低下させる。よってステップ132は、本発明にお
ける変速速度低下手段を構成する。
【0059】制御は、ステップ131または132から
ステップ133に進み、ここで前記基準操作量FSTP
と、トルクシフト補償操作量TS1と、フィードバック
操作量FBSTPとを合算し、ステップモータ4の目標
ステップ数DSRSTPを求める。次いでステップ13
4において、この目標ステップ数DSRSTPに対して
現在のステップ数指令値ASTPが大き過ぎるのか、不
足しているのかを判定する。
【0060】ステップ数指令値ASTPが大き過ぎてい
る間、ステップ135で、ステップ数指令値ASTP
を、ステップ131または132により上記のごとくに
決定した設定値DSTPづつ低下させ、ステップ136
おいてステップ数指令値ASTPが目標ステップ数DS
RSTPに達したと判定するまで、当該ステップ数指令
値ASTPの低下を継続する。逆にステップ134で、
ステップ数指令値ASTPが小さ過ぎると判定する間、
ステップ137で、ステップ数指令値ASTPを上記の
設定値DSTPづつ増加させ、ステップ138において
ステップ数指令値ASTPが目標ステップ数DSRST
Pに達したと判定するまで、当該ステップ数指令値AS
TPの増加を継続する。以上によりステップ数指令値A
STPが目標ステップ数DSRSTPに達したところ
で、制御はステップ136または138からステップ1
39に進み、ここでステップ数指令値ASTPを目標ス
テップ数DSRSTPに一致させる。
【0061】かくして、ステップモータ4は最終的に目
標ステップ数DSRSTPだけ操作され、トロイダル型
無段変速機の変速比を前記の変速制御により、トルクシ
フトやその他の外乱に影響されることなく図5の変速マ
ップに沿った変速比に持ち来すことができる。
【0062】ところで図4につき前述したように、フェ
ールフラグFLGf が1であると判定する変速異常時
は、ステップ85で目標変速比RTOを、入出力軸回転
数が同じになる1に固定する構成であるから、加えて図
15につき前述したように、フェールフラグFLGf
1であると判定する変速異常時は、ステップ132で、
変速速度を決定する1演算サイクル当たりの変速指令値
変化量DSTPを、正常時のDSTPn よりも小さなD
STP f に決定し、変速速度を変速異常時に低下させる
構成であるから、更に、図12および図13につき前述
したように、変速異常が低速変速比側への変速異常であ
る時はステップ116で、エンジン出力トルクを低下さ
せる構成にしたこととも相俟って、変速異常時は、当該
変速異常の発生原因にかかわらず、全ての異常対策が同
時になされることとなり、確実且つ速やかに変速異常に
対処することができるし、原因を究明してから原因ごと
の対策をする場合に懸念される、対策遅れに伴う不都合
の発生も回避することができる。
【0063】そして、変速異常時に上記のごとく変速比
を1に固定することで、慎重な操作であれば車両を発進
させることができるし、高速道路での走行も可能ならし
め、異常対策によっても走行への支承を最小限に止める
ことができる。
【0064】更に、図12および図13につき前述した
ように、変速異常が高速変速比側への変速異常である時
はステップ117で、エンジン出力トルクを低下させる
上記の対策を行わないことにしたから、当該変速異常が
車輪駆動力を不足気味にするにもかかわらず、エンジン
出力トルクが低下されて走行不能に陥るといった弊害を
回避することができる。
【0065】図3(b)における最後のステップ79
は、図12または図13の異常判定結果に応じ、図16
のごとくにトルクコンバータT/C(図1参照)のロッ
クアップ制御を行うものである。図16のステップ14
1では、高速変速比側への異常発生を判別して、エンジ
ントルク制御フラグFLGe が0にされているか否かを
チェックする。このエンジントルク制御フラグFLGe
が0であるとき、つまり前記したように高速側変速比に
なるような異常時は、本発明におけるロックアップ禁止
手段を成すステップ142において、ロックアップ信号
L/UをOFFしてトルクコンバータを、入出力要素間
が直結されないコンバータ状態に保持し、これにより、
当該変速異常で車輪駆動トルクが不足気味になるにもか
かわらず、トルクコンバータT/Cのロックアップ状態
で更にトルク不足になって走行不能に至ることのないよ
うにする。そして、エンジントルク制御フラグFLGe
が0以外であるときは、トルク不足の懸念はないから、
ステップ143で、トルクコンバータを通常通りにロッ
クアップ制御すべく、ロックアップ信号L/Uを決定す
ることとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる変速異常対策装置
を具えたトロイダル型無段変速機を例示する縦断側面図
である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御シ
ステムと共に示す縦断正面図である。
【図3】同例におけるコントローラが実行する変速制御
プログラムで、(a)は、信号計測処理のフローチャー
ト、(b)は、変速制御処理のフローチャート、(c)
は、信号出力処理のフローチャートである。
【図4】図3(b)におけるステップモータ基準操作量
の演算処理ステップを具体的に示すフローチャートであ
る。
【図5】トロイダル型無段変速機の変速マップを例示す
る線図である。
【図6】目標変速比に対するステップモータ基準操作量
の特性を示す線図である。
【図7】図3(b)におけるトルクシフト補償操作量の
演算処理ステップを具体的に示すフローチャートであ
る。
【図8】エンジンの性能曲線を例示する特性線図であ
る。
【図9】トルクコンバータの性能曲線を例示する特性線
図である。
【図10】トロイダル型無段変速機におけるトルクシフ
トの発生状況、および該トルクシフトによる変速制御へ
の影響をなくすのに必要なステップモータのトルクシフ
ト補償操作量を示す線図である。
【図11】図3(b)におけるフィードバック操作量の
演算処理ステップを具体的に示すフローチャートであ
る。
【図12】図3(b)における変速制御異常判定処理の
ステップを具体的に示すフローチャートである。
【図13】同じく変速制御異常判定処理のステップに係
わる他の例を具体的に示すフローチャートである。
【図14】図13の動作説明に用いた、正常時と異常時
との間における変速比変化速度の違いを示す動作タイム
チャートで、(a)は、変速制御が正常である場合の動
作タイムチャート、(b)は、変速制御が異常である場
合の動作タイムチャートである。
【図15】図3(b)におけるステップモータの制御処
理ステップを具体的に示すフローチャートである。
【図16】図3(b)におけるトルクコンバータのロッ
クアップ制御処理ステップを具体的に示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
E エンジン T/C トルクコンバータ D/G ディファレンシャルギヤ装置 WL 左駆動車輪 WR 右駆動車輪 1 入力コーンディスク 2 出力コーンディスク 3 パワーローラ 4 ステップモータ(変速アクチュエータ) 5 変速制御弁 6 ピストン 7 プリセスカム 8 変速リンク 20 入力軸 28 ローディングカム 41 トラニオン 61 変速機コントローラ 62 スロットル開度センサ 63 出力回転センサ 64 入力回転センサ 65 エンジン回転センサ 67 エンジンコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // F16H 59:68

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標変速状態に応じた変速指令値に応動
    する変速アクチュエータで変速制御弁を操作することに
    より、実変速状態が前記目標変速状態に向けて変化する
    よう構成した無段変速機を搭載し、この無段変速機を経
    てエンジン動力を車輪に伝達される車両において、 無段変速機が異常な変速を行うようになったのを検出す
    る変速異常検出手段と、 該手段からの信号にそれぞれ応答して変速異常検出時
    に、 前記エンジンの出力トルクを減ずるトルクダウン手段
    と、 前記変速指令値を設定変速比対応の値に固定する変速比
    固定手段と、 変速指令値を設定変速比対応の値にする速度を低下させ
    る変速速度低下手段とを具備することを特徴とする無段
    変速機搭載車の変速異常対策装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記目標変速状態と
    実変速状態との間の変速状態偏差を演算する変速状態偏
    差演算手段を付加して具え、 前記変速異常検出手段は、該演算した変速状態偏差が正
    常時はあり得ないような設定値以上の大きさになった時
    をもって、前記変速異常が発生したと判別するよう構成
    したことを特徴とする無段変速機搭載車の変速異常対策
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記目標変速状態と
    実変速状態との間の変速状態偏差を演算する変速状態偏
    差演算手段、および変速比の変化速度を検出する変速速
    度検出手段を付加して具え、 これら手段からの信号に応答して前記変速異常検出手段
    は、変速状態偏差が小さな領域において該領域では正常
    ならあり得ないような高速で変速比が変化する時をもっ
    て、前記変速異常が発生したと判別するよう構成したこ
    とを特徴とする無段変速機搭載車の変速異常対策装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記設定変速比が1であることを特徴とする無段変
    速機搭載車の変速異常対策装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記エンジンの回転数が、高速変速比側への変速異
    常を示す低エンジンの回転数域であるのを検出する高速
    変速比側変速異常検出手段と、該手段が高速変速比側へ
    の変速異常を検出する時、前記トルクダウン手段による
    エンジン出力トルクの低減を中止するトルクダウン中止
    手段とを付加して設けたことを特徴とする無段変速機搭
    載車の変速異常対策装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記高速変速比側変
    速異常検出手段からの信号に応答し、該手段が高速変速
    比側への変速異常を検出する時、エンジンおよび無段変
    速機間における流体伝動手段を、入出力要素間が直結さ
    れたロックアップ状態にするのを禁止するロックアップ
    禁止手段を付加して設けたことを特徴とする無段変速機
    搭載車の変速異常対策装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998044279A1 (fr) * 1997-03-31 1998-10-08 Isuzu Motors Limited Transmission toroidale continuement variable
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