JP3633398B2 - トロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトロイダル型無段変速機の変速制御装置、特にエンジンを停止した状態での惰性走行や牽引等により高速側変速比選択状態となった後における発進時の急なダウンシフトを防止し得るようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機は通常、例えば特開平7−4508号公報に記載の如く、同軸配置した入出力コーンディスクと、これら入出力コーンディスク間で摩擦係合により動力の受渡しを行う複数のパワーローラとで伝動系を構成され、後述の如き変速制御装置を具える。
【0003】
パワーローラは入出力コーンディスク間に挟圧され、パワーローラと、入出力コーンディスクとの間の油膜の剪断によってパワーローラは入出力コーンディスク間での動力伝達を行う。
つまり、入力コーンディスクの回転は上記油膜の剪断によってパワーローラに伝達され、次いでパワーローラの回転が上記油膜の剪断によって出力コーンディスクに伝達され、逆に出力コーンディスクから入力コーンディスクへの動力伝達もパワーローラを介して同様になされる。
【0004】
ここでトロイダル型無段変速機における一般的な変速制御装置を説明するに、これはステップモータ等の変速アクチュエータを有し、該変速アクチュエータは、車両運転状態に応じて求める目標変速比に対応した操作位置に変位され、変速制御弁をこれに応動させて中立状態からずらせる。
これにより両パワーローラは、エンジン駆動されるオイルポンプからのオイルを媒体とする油圧でサーボピストンを介し、パワーローラ回転軸線が入出力コーンディスクの回転軸線と交差する非変速位置から、相互逆向きに変位される。
かかる変位により両パワーローラは、入出力コーンディスクの回転軸線に対し対応方向にオフセットされ、入出力コーンディスクからの分力でパワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線周りに傾転され、入出力コーンディスクに対するパワーローラの摩擦接触円弧径が連続的に変化することで無段変速を行わせることができる。
【0005】
かかる無段変速により上記の目標変速比が達成される時、パワーローラのオフセット量および傾転角をフィードバックされて変速制御弁は初期の中立位置に復帰し、同時に、両パワーローラは、その回転軸線が入出力コーンディスクの回転軸線と交差する非変速位置に戻ることで、上記目標変速比の達成状態を維持することができる。
なお、パワーローラ傾転角を目標変速比に対応した値にすることが変速制御の狙いであることから、基本的にはパワーローラ傾転角のみを変速制御弁にフィードバックすれば良いことになるが、パワーローラオフセット量をもフィードバックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与えて、変速制御のハンチングを回避するためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、トロイダル型無段変速機の上記変速制御機構にあっては、エンジンが停止していてオイルポンプからの吐出油が存在せず、上記パワーローラのオフセットを司るサーボピストンが位置を拘束されない状態で車両を惰性走行させたり牽引すると、変速機出力軸側からのトルクによりトロイダル型無段変速機が変速制御機構の構成故に、変速アクチュエータの操作位置とは関係なく高速側変速比選択状態にされる。
ちなみに上記の惰性走行や牽引で車両が数メートル移動しただけでトロイダル型無段変速機は最高速変速比が選択された状態になってしまう。
【0007】
この状態からエンジンをキースイッチの投入により始動させて走行しようとすると、変速アクチュエータが発進時は通常、目標変速比(発進用変速比)である最低速変速比対応の操作位置にされることから、変速がダウンシフトとなり、しかもトロイダル型無段変速機が前記の通り大抵は最高速変速比選択状態にされているため、これから最低速変速比への変速比段差が大きく結果として急な変速が発生する。
この現象は運転者をして発進当初はトルク不足と感じさせ、その後上記の急なダウンシフトに伴う急なトルク上昇で車両の飛び出し感を運転者に与えてしまい、何れにしても運転者を戸惑わせることとなる。
【0008】
従って、上記のようにトロイダル型無段変速機が高速変速比選択状態にされたもとでの発進(以下、ハイ発進と言う)時において、運転者を戸惑わせるような急なトルク上昇を伴う急なダウンシフトが起きないようにするハイ発進対策が必要になるが、
請求項1に記載の第1発明は、当該ハイ発進対策を行うべきか否かを判断するための資料、つまりハイ発進であるか否かの資料を的確に、しかもエンジンのイグニッションスイッチが投入される前に提供して、当該ハイ発進時の適切な対策を遅滞なく行わせ得るようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案し、もって上記問題解決の一助となすことを目的とする。
【0009】
また、請求項1に記載の第1発明は、ハイ発進を運転者に知らせ得るようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0010】
請求項2に記載の第2発明は、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態にされたハイ発進であるのを、簡単且つ安価な圧力スイッチの状態のみから検知し得るようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0015】
請求項3に記載の第3発明は、第2発明において、ハイ発進を運転者に知らせ得るようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0016】
請求項4に記載の第4発明は、ハイ発進を運転者に警報するも、当該ハイ発進に対する対策は警報を受けた運転者の操作に任せるようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0017】
請求項5に記載の第5発明は、ハイ発進を運転者に知らせる警報が何時までも継続される弊害を生ずることのないようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0018】
請求項6に記載の第6発明は、ハイ発進を運転者に知らせる警報が不必要になされることのないようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0019】
請求項7に記載の第7発明は、ハイ発進時において運転者を戸惑わせるような急なトルク上昇を伴う急なダウンシフトが起きないようにするための簡単で効果的なハイ発進対策を施したトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0020】
請求項8に記載の第8発明は、ハイ発進後において変速比を滑らかに目標変速比に接近させ得るようにし、もってこの間もトルクの急増が起きないようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この目的のため第1発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、
変速アクチュエータの操作位置に応じた変速比へ油圧により変速制御されるトロイダル型無段変速機であって、該トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際しては発進用の低速側変速比へのダウンシフトを行わせるようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置において、
エンジンのイグニッションスイッチが投入される直前までの変速機出力回転量が所定以上である場合、車両の空走を警報する第一の警報と、
エンジンのイグニッションスイッチが投入されたときのエンジンのイグニッションスイッチが投入される直前までの変速機出力回転量が所定以上である場合、高速側変速比選択状態の発進であることを警報する第二の警報とを行う警報装置を具えたことを特徴とするものである。
【0022】
第2発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、
変速アクチュエータの操作位置に応じた変速比へ油圧により変速制御されるトロイダル型無段変速機であって、当該トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際しては発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせるようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置において、
トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを、トロイダル型無段変速機のアップシフト油圧回路内圧が設定圧未満であることから検知するよう構成したことを特徴とするものである。
【0028】
第3発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、第2発明において、
トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを検知する時、警報を発するよう構成したことを特徴とするものである。
【0029】
第4発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、第2発明において、
トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを検知する時、発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせる前記制御に代えて、警報を発するよう構成したことを特徴とするものである。
【0030】
第5発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、第2発明において、
前記警報を設定時間だけ行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0031】
第6発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、第2発明において、
トロイダル型無段変速機の実変速比が目標変速比に一致したところで前記警報を停止させるよう構成したことを特徴とするものである。
【0032】
第7発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、第2発明において、
トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際して発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせるために、前記変速アクチュエータを最低速変速比対応の操作位置よりも高速側の設定操作位置にするよう構成したことを特徴とするものである。
【0033】
第8発明によるトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置は、第2発明において、
発進によりトロイダル型無段変速機の実変速比を検出可能となった後は、目標変速比が該実変速比よりも低速側変速比である間、前記変速アクチュエータの操作位置を急変速とならない速度で徐々に低速側変速比の方向へ変化させるよう構成したことを特徴とするものである。
【0034】
【発明の効果】
トロイダル型無段変速機は変速アクチュエータの操作位置に応じた変速比へ油圧により変速制御される。
ところでトロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際しては発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせるから、当該ハイ発進時に急なダウンシフトに伴う急なトルク上昇を生ずることがなく、車両の飛び出し感を運転者に与えて運転者を戸惑わせるような状況が発生する事態を回避し得る。
【0035】
そして第1発明においては特に、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを、エンジンのイグニッションスイッチが投入される直前までの変速機出力回転量が設定回転量以上であることから検知するため、当該ハイ発進であるのを、エンジンのイグニッションスイッチが投入される前に検知して上記適切な変速制御を遅滞なく行わせることができる。
【0036】
さらに第1発明においては、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時のハイ発進であるのを検知する時に警報を発するから、当該ハイ発進を運転者に知らせることができる。
【0037】
第2発明においては、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを、トロイダル型無段変速機のアップシフト油圧回路内圧が設定圧未満であることから検知するため、当該ハイ発進であるのを、簡単且つ安価な圧力スイッチの状態のみから検知することができる。
【0042】
第3発明においては第2発明でトロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時のハイ発進であるのを検知する時に警報を発するから、当該ハイ発進を運転者に知らせることができる。
【0043】
第4発明においては、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時のハイ発進であるのを検知する時、発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせる前記制御に代えて警報を発するため、当該ハイ発進時の対策は警報を受けた運転者の操作に任せることができる。
【0044】
第5発明においては、上記警報器を設定時間だけ作動させるため、ハイ発進を運転者に知らせる警報が何時までも継続される弊害を回避することができる。
【0045】
第6発明においては、トロイダル型無段変速機の実変速比が目標変速比に一致したところで前記警報を停止させるため、ハイ発進を運転者に知らせる警報が不必要になされるのを防止することができる。
【0046】
第7発明においては、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時のハイ発進に際して発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせるために、変速アクチュエータを最低速変速比対応の操作位置よりも高速側の設定操作位置にする。
これがため当該ハイ発進時におけるダウンシフトが、変速アクチュエータの上記設定操作位置に対応した変速比への変速となり、この設定操作位置が発進用の最低速変速比対応の操作位置よりも高速側のものであることによってダウンシフト前後の変速比段差を小さくすることができる。
従って、ハイ発進時に最低速変速比への急なダウンシフトが発生するのを回避することができ、かかる急なダウンシフトに伴う急なトルク上昇で車両の飛び出し感を運転者に与えて運転者を戸惑わせるような状況が発生する事態を回避し得る。
しかも、変速アクチュエータを発進時の目標変速比である最低速変速比対応の操作位置よりも高速側の設定操作位置にするだけで、簡単且つ効果的に上記の作用効果を達成することができる。
【0047】
第8発明においては、発進によりトロイダル型無段変速機の実変速比を検出可能となったら、目標変速比が当該実変速比よりも低速側変速比である間、変速アクチュエータの操作位置を急変速とならない速度で徐々に低速側変速比の方向へ変化させる。
これがため、上記ハイ発進後において変速比を滑らかに目標変速比に接近させることができ、この間もトルクの急増が起きないようにしてトロイダル型無段変速機の発進時変速性能を向上させることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1および図2は、本発明一実施の態様になる発進時変速制御装置を具えた車両用のトロイダル型無段変速機を例示し、図1は同トロイダル型無段変速機の縦断側面図、図2は同じくその縦断正面図である。
【0049】
先ず、トロイダル伝動ユニットを説明するに、これは図1に示すようにエンジンEからの回転を、トルクコンバータT/Cを経由して伝達される入力軸20を具え、この入力軸は同図に明示するように、エンジンEから遠い端部を変速機ケース21内に軸受22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機ケース21の中間壁23内に軸受24および中空出力軸25を介して回転自在に支持する。
入力軸20上には入出力コーンディスク1,2をそれぞれ回転自在に支持し、これらコーンディスクを、トロイド曲面1a,2aが相互に対向するよう配置する。
そして入出力コーンディスク1,2の対向するトロイド曲面間には、入力軸20を挟んでその両側に配置した一対のパワーローラ3を介在させ、これらパワーローラを入出力コーンディスク1,2間に挟圧するために、以下の構成を採用する。
【0050】
即ち、入力軸20の軸受け端部にローディングナット26を螺合し、該ローディングナットにより抜け止めして入力軸20上に回転係合させたカムディスク27と、入力コーンディスク1のトロイド曲面1aから遠い端面との間にローディングカム28を介在させ、このローディングカムを介して入力軸20からカムディスク27への回転が入力コーンディスク1に伝達されるようになす。
ここで、入力コーンディスク1の回転はパワーローラ3の回転を介して出力コーンディスク2に伝わり、この伝動中ローディングカム28は伝達トルクに比例したスラストを発生して、パワーローラ3を入出力コーンディスク1,2間に挟圧し、上記の動力伝達を可能ならしめる。
【0051】
出力コーンディスク2は中空出力軸25に楔着し、この軸上に出力歯車29を一体回転するよう嵌着することで、出力コーンディスク2の回転を出力歯車29およびディファレンシャルギヤ装置D/Gを介して左右駆動車輪W ,W に伝達可能とする。
出力軸25は更に、ラジアル兼スラスト軸受30を介して変速機ケース21の端蓋31内に回転自在に支持し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラスト軸受32を介して入力軸20を回転自在に支持する。
【0052】
ここで、ラジアル兼スラスト軸受30,32はスペーサ33を介して相互に接近し得ないよう突き合わせ、また相互に遠去かる方向へも相対変位不能になるよう、対応する出力歯車29および入力軸20に対し軸線方向に衝接させる。かくて、ローディングカム28によって入出力コーンディスク1,2間に作用するスラストは、スペーサ33を挟むような内力となり、変速機ケース21に作用することがない。
【0053】
各パワーローラ3は図2にも示すように、トラニオン41に回転自在に支持し、該トラニオンは各々、上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端に回転自在および揺動自在に、また下端を球面継手44によりロアリンク45の両端に回転自在および揺動自在に連結する。
そして、アッパリンク43およびロアリンク45は中央を球面継手46,47により変速機ケース21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41を相互逆向きに同期して上下動させ得るようにする。
【0054】
かように両トラニオン41を相互逆向きに同期して上下動させることにより変速を行う変速制御装置を、図2に基づき次に説明する。
各トラニオン41には、これらを個々に上下方向へストロークさせるためのサーボピストン6を設け、両サーボピストン6の両側にそれぞれ上方室51,52および下方室53,54を画成する。
そして両サーボピストン6を相互逆向きにストローク制御するために、変速制御弁5を設置する。ここで、変速制御弁5はスプール型の内弁体5aとスリーブ型の外弁体5bとを相互に摺動自在に嵌合して具え、外弁体5bを弁外筐5cに摺動自在に嵌合して構成する。
【0055】
上記の変速制御弁5は、入力ポート5dを圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをアップシフト用のサーボピストン室51,54に通じたアップシフト油圧回路56に、また他方の連絡ポート5fをダウンシフト用のサーボピストン室52,53に通じたダウンシフト油圧回路57にそれぞれ接続する。
そして変速制御弁5の内弁体5aを、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介して共働させ、外弁体5bを変速アクチュエータとしてのステップモータ4にラックアンドピニオン型式で駆動係合させる。
【0056】
変速制御弁5への操作指令は、車両運転状態に応じて定めた目標変速比(変速アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)に応動するステップモータ4がラックアンドピニオンを介し外弁体5bにストロークとして与えることとする。
この操作指令で変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から例えば図2の矢印Low方向へ図示位置に変位される時、圧力源55からの流体圧が室52,53へのダウンシフト油圧回路57内に供給されてダウンシフト油圧PLOを上昇させる一方、他の室51,54へのアップシフト油圧回路56がドレンポートに通じてアップシフト油圧PHIを低下させ、サーボピストン6の上下間に圧力差を生じさせる。
【0057】
また変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から逆方向に変位される時、圧力源55からの流体圧がアップシフト油圧回路56を経て室51,54に供給される一方、他の室52,53に通じたダウンシフト油圧回路57がドレンされてサーボピストン6の上下間に上記とは逆の圧力差を生じさせる。
これにより、両トラニオン41が流体圧でサーボピストン6を介して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位され、両パワーローラ3は、その回転軸線O が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O と交差する図示の非変速位置からオフセット(オフセット量y)される。かかるオフセットによりパワーローラ3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分力で、自己の回転軸線O と直交する首振り軸線O の周りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことができる。
【0058】
かかる変速中、一方のトラニオン41の下端に結合したプリセスカム7は変速リンク8を介して、トラニオン41およびパワーローラ3の上述した上下動(オフセット量y)および傾転角φを変速制御弁5の内弁体5aに機械的にフィードバックする。
そして上記の無段変速によりステップモータ4への目標変速比(変速アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)が達成される時、上記のプリセスカム7を介した機械的フィードバックが変速制御弁5の内弁体5aをして、外弁体5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3は、回転軸線O が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O と交差する図示の非変速位置に戻ることで、上記目標変速比の達成状態を維持することができる。
【0059】
なお、パワーローラ傾転角φを目標変速比に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィードバックすればよいことになるが、ここでパワーローラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与えて、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
【0060】
ステップモータ4への目標変速比(変速アクチュエータ操作量=ステップ数ASTP)はコントローラ61によりこれを決定し、これがためコントローラ61には、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ62からの信号、変速機出力軸25の回転数N を検出する出力回転センサ63からの信号、変速機入力軸20の回転数N を検出する入力回転センサ64からの信号、エンジン回転数N を検出するエンジン回転センサ65からの信号、エンジンキースイッチ66からのエンジンキー位置信号、アップシフト油圧回路56内におけるアップシフト油圧PHIが設定圧以上である時にONする油圧スイッチ73からの信号、およびパワーローラ傾転角φが設定角以上(高速側変速比選択状態)である時にONになるパワーローラ傾転角スイッチ67からの信号をそれぞれ入力する。
コントローラ61の出力端子には上記のステップモータ4を接続する他に、詳しくは後述の用に供する警報器68を接続して設ける。
【0061】
パワーローラ傾転角スイッチ67は図6に明示するように、トラニオン41の下端に固着されてパワーローラ3の前記傾転に伴って回転するカム69と、パワーローラ傾転角φが設定角以上(高速側変速比選択状態)である時にこのカム69に接してON信号を発するセンサとしての接点70とを具え、接点70をブラケット71により変速機ケースに取着する。
【0062】
コントローラ61は、これら入力情報をもとに以下の演算によりステップモータ4への目標変速比(ステップ数ASTP)を決定するものとする。
まず通常の変速制御を概略説明するに、変速機出力回転数N に定数を掛けて車速を演算し、この車速とスロットル開度TVOとから予定の変速マップを基に目標変速機入力回転数を検索し、これを変速機出力回転数N で除算して目標変速比を算出する。そして当該目標変速比に対応するステップモータ4のステップ数ASTPを算出する。
なお当該ステップ数ASTPは周知のごとく、スロットル開度TVO、エンジン回転数N 、変速機入力回転数N から求め得る変速機入力トルクに応じたトルクシフトを補償するためトルクシフト補償ステップ数だけ修正することもできる。
【0063】
次いでコントローラ61が図3および図4の制御プログラムを実行して行う本発明に係わる発進時変速制御を詳述する。
図3は、トロイダル型無段変速機が高速側変速比を選択している状態でのハイ発進か否かを判定するプログラムで、エンジンキースイッチがステアリングロックを解除した位置である時に実行されるものとする。
ステップ81では、ステップ84においてエンジンキースイッチによりイグニッションスイッチがONされたエンジン始動時と判定するまでの間における出力回転センサ63からのパルス信号を積算する。つまりステップ81では、エンジンキースイッチによりステアリングロックが解除されてからエンジンが始動されるまでの間における変速機出力回転量(エンジン停止状態での惰性走行や牽引による走行距離)を計測する。
【0064】
ステップ82で上記の積算値(エンジン停止状態での惰性走行や牽引による走行距離)が発生したと判定する空走時は、ステップ83において警報器68を作動させることによりかかる車両の空走(ハイ発進の可能性)を運転者に知らせて注意を促すが、そうでなければステップ83をスキップして警報を発しない。
ステップ84においてイグニッションスイッチのONによりエンジンが始動されたと判定する場合、ステップ85で警報器68を一旦OFFさせ、次のステップ86において、ステップ82での積算値(エンジン停止状態での惰性走行や牽引による走行距離)が、トロイダル型無段変速機を高速側変速比選択状態にするような設定値α(例えば0.5mの空走距離相当値)以上であるか否かを判定する。
【0065】
積算値が設定値α未満であればトロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっておらず、ハイ発進に当たらないから制御をステップ87に進め、前記した通常通りに目標変速比(発進時故に最低速変速比)を求め、ステップモータ4のステップ数ASTPをこれに対応したものに定めて出力する。
しかして積算値が設定値α以上であればトロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっているハイ発進であるから制御をステップ88〜90に進める。
【0066】
ステップ88では、次回の制御のために上記の積算値を0にクリアし、ステップ89では警報器68を設定時間だけ作動させて当該ハイ発進を運転者に警報し、ステップ90では当該ハイ発進時における急なダウンシフトを回避するための変速制御を実行する。
ステップ89におけるハイ発進の警報は、登坂路での発進に際してハイ発進故に発進不能になっているのを運転者に知らせることにも通じ、この警報を聞いて運転者は発進不能の原因がハイ発進のためであることを知ることができ、一旦車両を後退走行させてトロイダル型無段変速機を最低速変速比が選択された状態にした後に再度前発進を行うなどの処置で発進不能対策をとることができる。
なおステップ89での警報と、ステップ90でのハイ発進時変速制御は必ずしも併用する必要はなく、いずれか一方のみを実行するようにしてもよいが、警報のみの場合は、ハイ発進時における急なダウンシフトの回避や登坂路発進不能の解消は運転者の操作に委ねられること勿論である。
【0067】
ステップ90でのハイ発進時変速制御は図4に示す如きものとし、先ずステップ91においてステップモータ4のステップ数ASTPを、発進時に目標変速比として設定される最低速変速比よりも高速側の設定変速比(例えば1.26)に対応した設定ステップ数βにセットして出力する。
これがため当該ハイ発進時におけるダウンシフトが、通常なら最低速変速比への変速であるところながら、これよりも高速側のステップ数βに対応した設定変速比への変速となり、通常よりもダウンシフト前後の変速比段差を小さくしてハイ発進時のダウンシフトを緩やかなものにすることができる。
従って、ハイ発進時に最低速変速比への急なダウンシフトが生起されるのを回避することができ、かかる急なダウンシフトに伴う急なトルク上昇で車両の飛び出し感を運転者に与えて運転者を戸惑わせるような状況が発生する事態を回避し得る。
しかもステップモータ4を、発進時の目標変速比である最低速変速比対応の操作位置よりも高速側の、設定ステップ数βに対応した操作位置にするだけで、簡単且つ効果的に上記の作用効果を達成することができる。
【0068】
次いでステップ92において、変速機出力回転数N から求めた車速を基に停車中か否か(例えば6km/h未満か否か)を判定する。
停車中と判定する間は変速機出力回転数N を実質上検出できない状況であり、これと変速機入力回転数N とから算出する変速機の実変速比も求め得ないことから、以後への制御に未だ進めないこととする。
停車中でなくなったらステップ93において、変速機出力回転数N および変速機入力回転数N から変速機の実変速比を算出し、さらに前記のごとく予定の変速マップから求める車両運転状態に応じた通常の目標変速比が当該実変速比よりも低速側のものであるか否かをチェックする。
目標変速比が実変速比よりも低速側である間は、まだ目標変速比に向けての急なダウンシフトが起き得るからこれを防止するためにステップ94において、ステップモータ4のステップ数ASTPを急変速とならない限界速度で徐々に低速側変速比に向かう方向へ変化させる。
従って、上記ハイ発進により車両が走行を開始した後において実変速比を滑らかに目標変速比に接近させることができ、この間もトルクの急増が起きないようにしてトロイダル型無段変速機の発進時変速性能を向上させることができる。
【0069】
ステップ93で目標変速比が実変速比よりも低速側でないと判定した後は、実変速比が目標変速比に追いついて急なダウンシフトが起きることはないから、制御をステップ95に進めて上記ハイ発進時変速制御を終了し、実変速比が目標変速比に追従するようステップモータ4のステップ数ASTPを決定する通常の変速制御に移行する。
次いでステップ96において、図3のステップ89で作動させた警報器68が未だ作動中か否かをチェックし、作動中ならもはや警報は不要であるからステップ97で警報器68をOFFする。
【0070】
上記実施の形態においては図3につき前述したように、エンジン停止中における車両の空走距離をもとに、トロイダル型無段変速機が高速側変速比にされた状態でのハイ発進であるか否かを判定することとしたが、この代わりに、ハイ発進時はエンジン始動時におけるアップシフト油圧PHI(図2参照)が低くなることから、図2の油圧スイッチ73がエンジン始動時にOFFであることをもってハイ発進であると判定することができる。
ここでハイ発進時はアップシフト油圧PHIが低くなる理由を説明する。ハイ発進でなければトロイダル型無段変速機が最低速変速比選択状態であって目標変速比がこれよりも低速側変速比であることはないから変速制御がアップシフトとなり、ステップモータ4は変速制御弁5の外弁体5bを図2の左方へ変位させてアップシフト油圧PHIを上昇させ、ダウンシフト油圧PLOを低下させる。しかしてハイ発進であるの場合、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態であって目標変速比がこれよりも低速側変速比であることから変速制御がダウンシフトとなり、ステップモータ4は変速制御弁5の外弁体5bを図2に示すように右行させてアップシフト油圧PHIを低下させ、ダウンシフト油圧PLOを上昇させる。これが、ハイ発進時はアップシフト油圧PHIが低くなる理由である。
【0071】
図5は、この論理にもとづきハイ発進であるか否かを判定するようにした本発明の他の実施の形態を示し、図3におけると同様のステップを同一符号により示した。
本実施の形態においては、ステップ84においてエンジンキースイッチによりイグニッションスイッチがONされ、エンジンが始動されたと判定する時、ステップ98において図2の油圧スイッチ73がOFFか否かにより、アップシフト油圧PHIがハイ発進を示すような低さであるか否かをチェックする。
エンジン始動時にアップシフト油圧PHIがハイ発進を示すような低さであると判定する場合、ステップ89において警報器68を設定時間だけ作動させて当該ハイ発進を運転者に警報し、ステップ90において当該ハイ発進時における急なダウンシフトを回避するための前記した変速制御を実行する。
【0072】
かように、エンジン始動時にアップシフト油圧PHIが設定圧未満(油圧スイッチ73がOFF)であることをもってハイ発進と判定する本実施の形態によれば、簡単且つ安価な油圧スイッチ73の状態のみからハイ発進を検知することができて大いに有利である。
【0073】
なお図5のステップ98で行うハイ発進であるか否かの判定は、上記した油圧スイッチ73の状態による代わりに、トロイダル型無段変速機の伝動比を決定するパワーローラ傾転角φによっても可能である。
この場合、図2および図6につき前述したように設けたパワーローラ傾転角スイッチ67の接点70が図6に明示するようにカム69に接してON信号を発する時をもってハイ発進と判定する。
本実施の形態においても、図1〜図4に示す実施の形態におけると同様、エンジンのイグニッションスイッチが投入されるエンジン始動時より前にハイ発進を検知して、当該ハイ発進時の前記適切な変速制御を遅滞なく行わせることができる。
さらに本実施の形態によれば、パワーローラ3の傾転に伴って回転するカム69と接し、その回転位置を検知する接点70によりハイ発進であるか否かを判定するため、当該判定を接触型式により確実且つ安価に行うことができる。
【0074】
なお本実施の形態では上記の接点70がカム69と接する前において自由状態のままにされていることから、接点70がカム69と接したことを検知するための所定の接点圧となる時のカム69の回転位置がバラツキを持ったものになる傾向にあり、予定通りのパワーローラ傾転角で接点70からON信号が出力される補償がない。
この問題解決のためには図7に示すように、ブラケット71により変速機ケースに取着するパワーローラ傾転角スイッチ67の接点70を1点鎖線で示す自由状態から押さえ板74により実線で示す位置に保持して接点70にプリロードを付与した構成にする。
この場合、接点70がカム69と接した瞬間に上記プリロード分の接点圧が発生して、接点70からON信号が確実に出力されることとなり、予定通りのパワーローラ傾転角において確実に接点70からON信号を出力させることができ、ハイ発進の検知を正確に行うことができる。
【0075】
なお、パワーローラ傾転角の検知に際し上記いずれの実施形態においても、カム69に接触する接点70により当該検知を行うこととしたが、接点70に代えて図8および図9に示すように電磁ピックアップ72で設定以上のパワーローラ傾転角を検知するようにしてもよい。
この場合、上記の検知をカム69に接触することなく行うことができ、機械的な故障の発生を減じ得て大いに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる発進時変速制御装置を具えたトロイダル型無段変速機を例示する縦断側面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を、その変速制御システムと共に示す縦断正面図である。
【図3】同例におけるコントローラが実行するハイ発進検知プログラムを示すフローチャートである。
【図4】同例におけるコントローラが実行するハイ発進時変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図5】本発明の他の実施の形態になるハイ発進検知プログラムを示すフローチャートである。
【図6】同実施の形態になるハイ発進検知において用いるパワーローラ傾転角スイッチを実用状態で示すトロイダル型無段変速機の要部底面図である。
【図7】パワーローラ傾転角スイッチの他の構成例を示す接点の詳細断面図である。
【図8】パワーローラ傾転角スイッチの更に他の構成例を示す要部断面図である。
【図9】同パワーローラ傾転角スイッチの底面図である。
【符号の説明】
E エンジン
T/C トルクコンバータ
D/G ディファレンシャルギヤ装置
左駆動車輪
右駆動車輪
1 入力コーンディスク
2 出力コーンディスク
3 パワーローラ
4 ステップモータ(変速アクチュエータ)
5 変速制御弁
6 サーボピストン
7 プリセスカム
8 変速リンク
20 入力軸
28 ローディングカム
41 トラニオン
56 アップシフト油圧回路
57 ダウンシフト油圧回路
61 コントローラ
62 スロットル開度センサ
63 出力回転センサ
64 入力回転センサ
65 エンジン回転センサ
66 エンジンキースイッチ
67 パワーローラ傾転角スイッチ
68 警報器
69 カム
70 接点(センサ)
71 ブラケット
72 電磁ピックアップ
73 油圧スイッチ
74 押さえ板

Claims (8)

  1. 変速アクチュエータの操作位置に応じた変速比へ油圧により変速制御されるトロイダル型無段変速機であって、該トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際しては発進用の低速側変速比へのダウンシフトを行わせるようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置において、
    エンジンのイグニッションスイッチが投入される直前までの変速機出力回転量が所定以上である場合、車両の空走を警報する第一の警報と、
    エンジンのイグニッションスイッチが投入されたときのエンジンのイグニッションスイッチが投入される直前までの変速機出力回転量が所定以上である場合、高速側変速比選択状態の発進であることを警報する第二の警報とを行う警報装置を具えたことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  2. 変速アクチュエータの操作位置に応じた変速比へ油圧により変速制御されるトロイダル型無段変速機であって、該トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際しては発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせるようにしたトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置において、
    トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを、トロイダル型無段変速機のアップシフト油圧回路内圧が設定圧未満であることから検知するよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  3. 請求項2において、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを検知する時、警報を発するよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  4. 請求項2において、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態になっている時の発進であるのを検知する時、発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせる前記制御に代えて、警報を発するよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  5. 請求項2において、前記警報を設定時間だけ行うよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  6. 請求項2において、トロイダル型無段変速機の実変速比が目標変速比に一致したところで前記警報を停止させるよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  7. 請求項2において、トロイダル型無段変速機が高速側変速比選択状態である時の発進に際して発進用の低速側変速比へのダウンシフトを緩やかに行わせるために、前記変速アクチュエータを最低速変速比対応の操作位置よりも高速側の設定操作位置にするよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
  8. 請求項2において、発進によりトロイダル型無段変速機の実変速比を検出可能となった後は、目標変速比が該実変速比よりも低速側変速比である間、前記変速アクチュエータの操作位置を急変速とならない速度で徐々に低速側変速比の方向へ変化させるよう構成したことを特徴とするトロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置。
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