JP2007170610A - マニュアルモード付無段変速機 - Google Patents

マニュアルモード付無段変速機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007170610A
JP2007170610A JP2005372057A JP2005372057A JP2007170610A JP 2007170610 A JP2007170610 A JP 2007170610A JP 2005372057 A JP2005372057 A JP 2005372057A JP 2005372057 A JP2005372057 A JP 2005372057A JP 2007170610 A JP2007170610 A JP 2007170610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
shift
continuously variable
variable transmission
auto
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005372057A
Other languages
English (en)
Inventor
Fuminori Sugino
史典 杉野
Yasutaka Kawamura
泰孝 河村
Makoto Okazaki
誠 岡崎
Yasuyuki Nishihara
康幸 西原
Satoru Takizawa
哲 滝沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2005372057A priority Critical patent/JP2007170610A/ja
Publication of JP2007170610A publication Critical patent/JP2007170610A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

【課題】マニュアルモード付無段変速機において、マニュアルモード時、適切なタイミングでオートアップシフトを行うことで、エンジンの過回転が発生するのを抑え、また、エンジンが高回転速度域で使用される頻度を下げる。
【解決手段】変速機の実入力回転速度Niと目標入力回転速度tNiのうち、いずれか大きい方をオートアップシフト判定用回転速度AupJNiとして選択し(ステップS20〜S22)、無段変速機がマニュアルモードにあり、かつ、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiが所定のオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えた場合に、UP/DOWNスイッチが操作されなくても無段変速機の変速段を高速側に変更するオートアップシフトを実行する(ステップS24、S28)。
【選択図】図5

Description

本発明は、マニュアルモードを有する無段変速機に関し、特に、マニュアルモードが選択されているときの変速制御に関する。
マニュアルモード付無段変速機においては、マニュアルモードが選択されているときにエンジンが過回転(オーバーレブ)しないよう、変速機の入力回転速度が所定のオートアップシフト判定しきい値を超えた場合に自動的に変速段を一段高速側にアップシフトさせるオートアップシフト制御を行っている。
変速機の入力回転速度がオートアップシフト判定しきい値を超えたかを判断する際、変速機の入力回転速度として、特許文献1に記載の無段変速機は実エンジン回転速度を、また、特許文献2に記載の無段変速機は目標エンジン回転速度を用いており、それぞれ判断に用いる回転速度がオートアップシフト判定しきい値を超えるとオートアップシフトを実行するようにしていた。
特開2005−140174公報 特開平9−264415号公報
特許文献1に記載のように実エンジン回転速度を用いる場合、実エンジン回転速度がオートアップシフト判定しきい値に達したところでオートアップシフトが行われるので、エンジンの過回転を確実に防止することができる利点がある。しかしながら、この方法では、エンジンの回転速度が実際にオートアップシフト判定しきい値に達するまでオートアップシフトが行われないので、実エンジン回転速度が過回転には至らないもののかなり高い回転速度まで上昇することになり、燃費、騒音、振動の面で好ましくない場合がある。オートアップシフト判定しきい値を低く設定すればかかる問題は抑えられるものの、過回転に達しないような状況でもオートアップシフトが行われるようになり、エンジンの回転速度を所望の回転速度まで上昇させることができず、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
一方、特許文献2に記載のように目標エンジン回転速度を用いる場合は、目標エンジン回転速度がオートアップシフト判定しきい値に達したときにオートアップシフトが行われるので、目標エンジン回転速度から実エンジン回転速度が過度に上昇することが予測される場合には、前もってオートアップシフトが行われ、エンジンが高回転速度域で使用される頻度を下げることができる。しかしながら、無段変速機は、低変速段からの全開加速時等において、トロイダル式無段変速機にあってはトルクシフト、ベルト式無段変速機にあっては入力トルク増大を受けたプライマリプーリの溝幅拡大によって、変速比が目標とする変速比よりも低速側(ロー側、変速比大側)にずれ、目標エンジン回転速度よりも実エンジン回転速度の方が先に上昇してしまうという特性を有しており、このため、オートアップシフトの判断に特許文献2のように目標エンジン回転速度を用いた場合、オートアップシフトの判断が遅れ、エンジンの過回転が発生する可能性がある。
本発明は、このような技術的課題を鑑みてなされたもので、マニュアルモードを備えた無段変速機において、マニュアルモード時、適切なタイミングでオートアップシフトを行うことで、エンジンの過回転が発生するのを抑えつつ、エンジンが高回転速度域で使用される頻度を下げることを目的とする。
本発明によれば、変速機の実入力回転速度と目標入力回転速度のうち、いずれか大きい方をオートアップシフト判定用回転速度として選択し、無段変速機がマニュアルモードにあり、かつ、オートアップシフト判定用回転速度がオートアップシフト判定しきい値を超えた場合に、変速段切換えスイッチが操作されなくても無段変速機の変速段が高速側に変更される。
加速時、通常は実入力回転速度よりも目標入力回転速度のほうが先に上昇するので、本発明によれば、目標入力回転速度により実入力回転速度が上昇することを予見してオートアップシフトを前もって実行し、エンジンが高回転速度域で使用される頻度を下げることができる。その一方で、低変速段からの全開加速時等、実入力回転速度が目標入力回転速度よりも先に上昇するような状況では、実入力回転速度がオートアップシフト判定しきい値を超えたことをもってオートアップシフトを実行し、エンジンの過回転を確実に防止することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、変速機の変速段、変速比の説明において「低速側」、「高速側」という表現を用いるが、「低速側」は変速比大側ないしロー側、「高速側」は変速比小側ないしハイ側を意味する。
図1、図2は本発明が適用されるトロイダル式無段変速機の構成を示し、図1は変速機の縦断面図、図2は変速機の横断面及び変速機の制御装置を示している。
図中右側よりエンジンの回転が伝達される入力軸20は、エンジンから遠い端部を変速機ケース21内に軸受22を介して回転自在に支持され、中央を変速機ケース21の中間壁23内に軸受24及び中空出力軸25を介して回転自在に支持される。
入力軸20には入力ディスク1が支持されており、中空出力軸25には出力ディスク2が支持されている。入力ディスク1は入力軸20に対して軸方向に変位可能かつ相対回転不能に係合されている。出力ディスク2は出力軸25に連結され、出力軸25と一体回転する。入出力ディスク1、2は、そのトロイド曲面1a、2aが互いに対向するように同軸配置され、入出力ディスク1、2の対向するトロイド曲面1a、2aの間には、入力軸20を挟んでその両側に配置した一対のパワーローラ3、3が配置される。
入力軸20の軸受22側端部にはローディングナット26が螺合されている。このローディングナット26により抜け止めされ入力軸20上に回転係合されるカムディスク27と、入力ディスク1のトロイド曲面1aから遠い端面との間には、ローディングカム28が配置され、このローディングカム28を介して、カムディスク27の回転が入力ディスク1へと伝達される。
入力ディスク1の回転は両パワーローラ3、3の回転を介して出力ディスク2に伝達される。このときローディングカム28は伝達トルクに比例したスラスト力を発生し、パワーローラ3、3を入出力ディスク1、2の間に狭圧し、上記動力伝達を可能にする。出力軸25上には出力歯車29が一体回転するように嵌着されており、出力ディスク2に伝達された動力は出力軸25、出力歯車29を介して車両の駆動軸へと出力される。
なお、出力軸25は、ラジアルスラスト軸受30を介して変速機ケース21の端蓋31内に回転自在に支持されており、この端蓋31内には別にラジアルスラスト軸受32を介して入力軸20も回転自在に支持されている。ラジアルスラスト軸受30、32は、スペーサ33を介して相互に接近しないように突き合わせられており、また相互に遠ざかる方向への相対変位不能になるよう、対応する出力歯車29、入力軸20に対し軸線方向に当接している。このような構成とすることで、ローディングカム28によって入出力ディスク1、2間に作用するスラスト力は、スペーサ33を挟む内力となり、変速機ケース21に作用することがない。
各パワーローラ3、3は、図2にも示すように、トラニオン41、41に回転自在に支持されており、このトラニオン41、41は、それぞれ上端を球面継手42によりアッパリンク43の両端に回転自在かつ揺動自在に、また、下端を球面継手44によりロアリンク45の両端に回転自在かつ揺動自在に連結されている。
そして、アッパリンク43及びロアリンク45は、中央を球面継手46、47により変速機ケース21に上下方向に揺動可能に支持され、両トラニオン41、41を相互逆向きに同期して上下動する。トロイダル式無段変速機は、両トラニオン41、41を、相互逆向きに同期して上下動させることによって変速を行うのであるが、これについて図2を参照しながらさらに説明する。
各トラニオン41、41には、これらを個々に上下方向へストロークさせるためのピストン6、6が設けられており、両ピストン6、6の両側に、それぞれ上方ピストン室51、52及び下方ピストン室53、54が画成されている。そして両ピストン6、6を相互逆向きにストローク制御するために、変速制御弁5が設置される。
変速制御弁5は、スプール型の内弁体5aと、スリーブ型の外弁体5bとを相互に摺動可能に嵌合させ、外弁体5bを弁ケース5cに摺動自在に嵌合させることで構成される。変速制御弁5は、入力ポート5dを圧力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン室51、54に、また、他方の連絡ポート5fをピストン室52、53にそれぞれ接続する。そして、内弁体5aを、一方のトラニオン41の下端に固着したプリセスカム7のカム面に、ベルクランク型の変速レバー8を介して共動させ、外弁体5bを変速アクチュエータとしてのステップモータ4に、ラックアンドピニオン形式で係合させる。
変速制御弁5の操作指令は、駆動位置指令Astepに応動するステップモータ4から、ラックアンドピニオンを介して外弁体5bにストロークとして与えられる。この操作指令で、変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から、例えば、図2の位置に変位されて変速制御弁5が開くとき、圧力源55からの流体圧(ライン圧PL)が室52、53に供給される一方、他の室51、54がドレーンされる。また、変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から逆方向に変位されて変速制御弁5が開くとき、圧力源55からの流体圧が室51、54に供給される一方、他の室52、53がドレーンされ、両トラニオン41、41が流体圧でピストン6、6を介して図中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位される。
パワーローラ3、3は、図示位置から上下方向にオフセット(オフセット量y)され、このオフセットによりパワーローラ3、3は入出力ディスク1、2からの首振り分力で、自己の回転軸線O1と直行する首振り軸線O3の周りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行う。
変速中、一方のトラニオン41の下端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介して、トラニオン41及びパワーローラ3の上述した上下動(オフセット量y)及び傾転角φを変速制御弁5の内弁体5aに機械的にxで示すようにフィードバックする。
上記無段変速により、ステップモータ4への駆動位置指令Astepに対応した変速比指令値が達成されると、プリセスカム7を介した機械的フィ一ドバックが変速制御弁5の内弁体5aをして外弁体5bに対し相対的に初期の中立位置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3、3は、回転軸線O1が入出力ディスク1、2の回転軸線O2と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の達成状態を維持する。
なお、パワーローラ傾転角φを変速比指令値に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基本的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフィードバックすればよいが、ここでパワーローラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変速制御が振動的になるのを防止するダンピング効果を与えて、変速制御のハンチング現象を回避するためである。
ステップモータ4への駆動位置指令Astepは、コントローラ61によって設定される。コントローラ61には、図2に示すように、エンジンのスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ62、車速VSPを検出する車速センサ63、入力ディスク1の回転速度(入力回転速度)Niを検出する入力回転速度センサ64、出力ディスク2の回転速度(出力回転速度)Noを検出する出力回転速度センサ65、変速機の作動油温TMPを検出する油温センサ66、油圧源55からのライン圧PLを検出するライン圧センサ67(通常は、ライン圧PLをコントローラ61で制御するからコントローラ61の内部信号から検知する)、エンジンの回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ68、セレクトレバー位置を検出するインヒビタスイッチ60、マニュアルモード選択時の運転者による変速操作を検出するUP/DOWNスイッチ(変速段切換えスイッチ)69、スロットル開度TVO及び車速VSPに応じて変速比が制御される自動変速モード、UP/DOWNスイッチ69によって変更される目標変速段SftPOSに対応して実変速比がステップ的に変更されるマニュアルモードのいずれかを選択するモード選択スイッチ70、それぞれからの信号が入力される。コントローラ61は、これらセンサ、スイッチからの信号に基づきステップモータ4への駆動位置指令Astepを設定し、ステップモータ4に駆動指令を出す。
図3は自動変速モードが選択されているときにコントローラ61が行う変速制御の内容を示したものであり、コントローラ61において所定時間毎、例えば、10msec毎に実行される。
これを参照しながら自動変速モードにおける変速制御について説明すると、まず、ステップS1では、車速センサ63で検出された車速VSP、入力回転速度センサ64で検出された入力回転速度Ni、出力回転速度センサ65で検出された出力回転速度No、スロットル開度センサ62で検出されたスロットル開度TVO、モード選択スイッチ70から出力される変速機の変速モード(自動変速モードあるいはマニュアルモード)等を読み込む。
ステップS2では、コントローラ61のメモリ内に格納されている図4に示す自動変速モード用変速マップを参照し、スロットル開度TVO、車速VSPに対応する到達入力回転速度Ni*を算出する。
ステップS3では、この到達入力回転速度Ni*を出力回転速度Noで除して到達変速比i*を算出する。到達変速比i*は現在のスロットル開度TVO、車速VSPに応じて決定される最終的に到達する変速比である。ステップS4では、この到達変速比i*に所定の遅れ処理を施して目標変速比i0を算出する。目標変速比i0は変速機の変速比を所望の過渡応答で到達変速比i*に追従させるために時々刻々と変化する変速比の過渡的な目標値である。
ステップS5では、入力回転速度Niを出力回転速度Noで除して変速機の実変速比iを算出する。
ステップS6では、目標変速比i0から実変速比iを差し引いて変速比偏差を算出し、さらに、実変速比iを目標変速比i0にフィードバック制御するために、変速比偏差に応じたPID制御(Pは比例制御、Iは積分制御、Dは微分制御)による変速比フィードバック補正量fbiを算出する。
ステップS7では、目標変速比i0に変速比フィードバック補正量fbiを加えて補正済み目標変速比i*’を算出し、ステップS8では、この補正済み目標変速比i*’を実現するためのステップモータ4の目標ステップ数である駆動位置指令Astepを算出する。
ステップS9では、駆動位置指令Astepをステップモータ4に出力する。これにより、自動変速モードにおいてはスロットル開度TVOと車速VSPに応じて変速機の変速比が自動的に制御される。
次に、マニュアルモードにおける変速制御について説明する。
マニュアルモードにおいては、上記自動変速モードと異なり、運転者がUP/DOWNスイッチ69を操作することによって目標変速段SftPOSが変更され、変速機の実変速比が目標変速段SftPOSに対応する変速比までステップ的に制御される。UP/DOWNスイッチ69は、一般的には、セレクトレバーが+ゲート、−ゲートに操作されたことを検出するスイッチ、あるいは、ステアリングに設置された+ボタン、−ボタンが押されたことを検出するスイッチである。
このマニュアルモードにおいては、UP/DOWNスイッチ69が操作されない限り、変速機の変速比が目標変速段SftPOSに対応する変速比に固定されるため、車両が加速状態を続けるとエンジンの回転速度が過度に上昇する。このため、このようなエンジンの過回転を防止するために、マニュアルモードが選択されているときは、エンジンの回転速度がある程度上昇したところで運転者によるUP/DOWNスイッチ69の操作とは関係なく変速機の目標変速段SftPOSを自動的に高速側に変更するオートアップシフト制御が必要となる。
そこで、コントローラ61は、変速機の変速モードがマニュアルモードのときは、以下に説明するオートアップシフト制御を実行する。
図5を参照しながらコントローラ61が実行するオートアップシフト制御について説明する。図5はコントローラ61が実行するオートアップシフト制御の内容を示したフローチャートであり、コントローラ61において所定時間毎、例えば10msec毎に実行される。
これによると、まず、ステップS11では現在の変速機の変速モードがマニュアルモードかどうかを判断する。マニュアルモードかどうかの判断はモード選択スイッチ70からの入力信号に基づき行う。マニュアルモードである場合はステップS12に進み、そうでない場合はオートアップシフト制御を行う必要がないので処理を終了する。
ステップS12では、UP/DOWNスイッチ69からの入力信号に基づき、変速操作があったかどうかを判断する。変速操作があった場合はステップS13に進み、そうでない場合はステップS17に進んで現在の目標変速段SftPOSを維持する。
ステップS13では、ステップS12で検出された変速操作がダウンシフトかどうかを判断する。ダウンシフトである場合はステップS14に進み、アップシフトである場合はステップS15に進んで第1のタイマTM1をゼロにリセットする。
第1のタイマTM1は、後述するオートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えた状態が第1の所定時間N(例えば、0.5sec)継続した場合にのみオートアップシフトを許可するためのタイマである。ステップS15でこの第1のタイマTM1をゼロにリセットするのは、UP/DOWNスイッチ69が操作されたことによってアップシフト(マニュアルアップシフト)が行われるにもかかわらず、ステップS18以降の処理でオートアップシフトが続けて実行されるのを避けるためである。
ステップS15で第1のタイマTM1をゼロにリセットしたらステップS16に進み、目標変速段SftPOSを一段高速側に変更する。この結果、変速機の変速比を一段高速側の変速段に対応する変速比までステップ的に変更する変速制御が開始される(マニュアルアップシフト)。
ステップS14では、第2のタイマTM2が第2の所定値LimM以上かどうかを判断する。第2のタイマTM2は後述のステップS28でオートアップシフトが開始されたときにカウントが開始されるタイマであり、オートアップシフト開始後、第2の所定時間M経過するまでは、次のオートアップシフト、及び、UP/DOWNスイッチ69が操作されたことによるダウンシフト(マニュアルダウンシフト)を禁止するために用いられる。これらの変速制御を禁止するのは、オートアップシフトが完了する前にこれらの変速制御が重ねて行われると変速制御が不安定になるので、これを回避するためである。
第2の所定時間Mは、路面勾配等、変速時間に影響を与える要素、第1のタイマTM1によるオートアップシフトの開始遅れ等を考慮し、オートアップシフトが開始されてから完了するまでの時間よりも長い時間、例えば、0.8secに設定される。
ステップS14で第2のタイマTM2が第2の所定値LimMよりも小さいということは、前回のオートアップシフトが開始されてからまだ第2の所定時間Mが経過していないことを意味するので、ステップS17に進み、現在の目標変速段SftPOSを維持する(マニュアルダウンシフトの禁止)。一方、第2のタイマTM2が所定値LimM以上のときは、前回のオートアップシフトが開始されてから第2の所定時間Mが既に経過していることを意味するので、ステップS16に進み、目標変速段SftPOSを一段低速側に変更する。この結果、変速機の変速比を一段低速側の変速段に対応する変速比までステップ的に変更する変速制御が開始される(マニュアルダウンシフト)。
ステップS18では、入力回転速度センサ64で検出された実入力回転速度Niを読み込む。実入力回転速度Niの代わりにエンジン回転速度センサ68によって検出されるエンジン回転速度Neを読み込んでも良い。
ステップS19では、変速機の目標入力回転速度tNiを算出する。具体的には、目標入力回転速度tNiは、出力回転速度センサ65で検出された出力回転速度Noに目標変速段SftPOSに対応する変速比を掛けることで算出する。目標変速段SftPOSに対応する変速比はコントローラ61のメモリ内にテーブルとして格納されており、目標入力回転速度tNiを算出するにあたってはこのテーブルを参照する。
ステップS20では、実入力回転速度Niが目標入力回転速度tNiよりも大きいかどうかを判断する。低速段からの全開加速時のように実入力回転速度Niが目標入力回転速度tNiよりも大きくなる場合はステップS21に進んで、オートアップシフト判定回転速度AupJNiとして実入力回転速度Niを設定し、そうでない場合はステップS22に進んでオートアップシフト判定用回転速度AupJNiとして目標入力回転速度tNiを設定する。
ステップS23では、第2のタイマTM2が第2の所定値LimM以上かどうかを判断する。これは、上記の通り、オートアップシフトが開始されてから第2の所定時間Mが経過しているかどうかを判断するためであり、第2のタイマTM2が所定値LimMよりも小さいときは、オートアップシフトが開始されてから第2の所定時間Mがまだ経過していおらず、オートアップシフトが完了していない可能性があるので、ステップS25に進み、第2の所定時間Mが経過するのを待つ。ステップS25ではオートアップシフト開始からの経過時間を計測するために第2のタイマTM2をインクリメントする。
ステップS24では、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNith以上かどうかを判断する。オートアップシフト判定しきい値AupJNithは、エンジンや変速機の耐久性、振動、騒音を考慮して所定の高回転域に設定される値である。オートアップシフト判定しきい値AupJNithは変速機、変速機が搭載される車両の運転条件に応じて可変にしてもよい。
オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupNithを超えていない場合は、オートアップシフトを実行する必要がないのでステップS27に進み、第1のタイマTM1をゼロにリセットする。第1のタイマTM1をここでゼロにリセットするのは、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えた時点からの経過時間を第1のタイマTM1によってカウントするために、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えるまではタイマTM1をゼロに保持するためである。
ステップS26では、第1のタイマTM1が第1の所定値LimN以上かどうかを判断する。これは、上記の通り、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNith以上の状態が第1の所定時間N継続するまではオートアップシフトを許可しないようにすることで、信号ノイズ等で瞬間的にオートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupNith以上となったような場合にオートアップシフトが誤って実行されないようにするためである。
第1のタイマTM1が第1の所定値LimN以上である場合はステップS28に進んで目標変速比SftPOSを高速側に一段変更し、オートアップシフトを実行する。この結果、変速機の変速比を一段高速側の変速段に対応する変速比までステップ的に変更する変速制御が開始される。そして、オートアップシフトが実行されてからの経過時間を計測するために第2のタイマTM2をゼロにリセットする。
そうでない場合はステップS29に進み、第1のタイマTM1をインクリメントし、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNith以上となってからの時間を計測する。
次に、マニュアルモードにおいて上記オートアップシフト制御を行うことによる作用効果について説明する。
上記オートアップシフト制御によれば、変速機の実入力回転速度Niと目標入力回転速度tNiのうち大きい方がオートアップシフト判定用回転速度AupJNiとして設定され(図5のステップS20〜S22)、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えるとオートアップシフトが実行される(図5のステップS24、S28)。
したがって、加速時、通常は実入力回転速度Niよりも目標入力回転速度tNiが先に上昇するので、目標入力回転速度tNiにより実入力回転速度Niが上昇することを予見してオートアップシフトを実行し、エンジンが高回転速度域で使用される頻度を下げることができる。その一方で、低変速段からの全開加速時等では、トロイダル式無段変速機にあってはトルクシフトの影響で変速機の変速比が低速側にずれ、実入力回転速度Niが目標入力回転速度tNiよりも先に上昇する。このような状況では、実入力回転速度Niがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えたことをもってオートアップシフトが実行されるので、エンジンが過回転となるのを確実に防止することができる。
ただし、オートアップシフトはオートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えると直ちに実行されるのではなく、この状態が第1の所定時間N、例えば、0.5sec継続した場合にのみオートアップシフトが許可され、オートアップシフトが実行される(図5のステップS26、S28)。
このようにオートアップシフト判定を第1の所定時間Nだけ待つようにしたことにより、信号ノイズ等で瞬間的にオートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定しきい値AupJNithを超えてしまったような場合にまでオートアップシフトが実行されるのを防止し、オートアップシフト制御を安定して行わせることができる。
図6は、上記制御によりオートアップシフトが実行されるときの様子を示したタイムチャートである。時刻t1でオートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定用回転速度AupJNithを超えているが、この時点ではまだオートアップシフトは許可されず、目標変速段SftPOSは変更されない。
その後、オートアップシフト判定用回転速度AupJNiがオートアップシフト判定用回転速度AupJNithを超えている状態が第1の所定時間N継続すると(時刻t2)、オートアップシフトが許可されて目標変速段SftPOSが高速段側に一段変更され、オートアップシフトが開始される。
また、オートアップシフトが開始されてから第2の所定時間M、例えば、0.8secが経過するまで、図6においては時刻t3までは、次のオートアップシフト、及び、運転者がUP/DOWNスイッチ69が操作されたことによるマニュアルダウンシフトが禁止される(ステップS14、ステップS23)。これにより、オートアップシフトが完了する前にこれらの変速制御が行われることがなくなり、変速制御が重複することによって変速制御の安定性が低下するのを防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用可能な構成の一例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、ここではトロイダル式無段変速機に対して本発明を適用した場合を例にとって説明したが、本発明はトロイダル式無段変速機に限定されるものではく、ベルト式無段変速機に対しても適用することができる。マニュアルモードを有するベルト式無段変速機においても、低速段からの全開加速時等に入力トルクの増大を受けてプライマリプーリの溝幅が拡大し、変速比が低速側にずれて実入力回転速度よりも目標入力回転速度が先に上昇するので、本発明を適用すれば上記トロイダル式無段変速機に適用した場合と同様の作用効果が期待できる。
本発明に係るトロイダル式無段変速機の縦断面図である。 本発明に係るトロイダル式無段変速機の横断面及び制御装置を示す図である。 コントローラが実行する変速制御の内容を示したフローチャートである。 コントローラに格納される自動変速モード用変速マップである。 オートアップシフト制御の内容を示したフローチャートである。 オートアップシフト制御が行われる様子を示したタイムチャートである。
符号の説明
1 入力ディスク
2 出力ディスク
3 パワーローラ
4 ステップモータ
5 変速制御弁
6 ピストン
7 プリセスカム
8 変速リンク
20 入力軸
28 ローディングカム
41 トラニオン
43 アッパリンク
45 ロアリンク
60 インヒビタスイッチ
61 コントローラ
62 スロットル開度センサ
63 車速センサ
64 入力回転センサ
65 出力回転センサ
66 油温センサ
67 ライン圧センサ
68 エンジン回転センサ
69 UP/DOWNスイッチ(変速段切換えスイッチ)
70 モード選択スイッチ

Claims (4)

  1. 目標変速段を変更する変速段切換えスイッチを備え、変速モードとして実変速比が前記目標変速段に対応する変速比にステップ的に制御されるマニュアルモードを有する無段変速機において、
    前記無段変速機の実入力回転速度を検出する実入力回転速度検出手段と、
    前記目標変速段を含む前記無段変速機の運転状態に応じて前記無段変速機の目標入力回転速度を設定する目標入力回転速度設定手段と、
    前記実入力回転速度と前記目標入力回転速度のうちいずれか大きい方をオートアップシフト判定用回転速度として選択するオートアップシフト判定用回転速度選択手段と、
    前記無段変速機の変速モードが前記マニュアルモードであり、かつ、前記オートアップシフト判定用回転速度が所定のオートアップシフト判定しきい値を超えた場合に、前記変速段切換えスイッチが操作されなくても前記目標変速段を高速側に変更するオートアップシフトを実行する変速制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機。
  2. 前記変速制御手段は、前記オートアップシフト判定用回転速度が前記オートアップシフト判定しきい値を超えた状態が第1の所定時間継続した場合に前記オートアップシフトを実行することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記変速制御手段は、前記オートアップシフトを開始してから第2の所定時間が経過するまでは、次のオートアップシフトの実行を禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機。
  4. 前記変速制御手段は、前記オートアップシフトを開始してから第2の所定時間が経過するまでは、前記目標変速段を低速側に変更するように前記変速段切換えスイッチが操作されても前記目標変速段を変更しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の無段変速機。
JP2005372057A 2005-12-26 2005-12-26 マニュアルモード付無段変速機 Pending JP2007170610A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372057A JP2007170610A (ja) 2005-12-26 2005-12-26 マニュアルモード付無段変速機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005372057A JP2007170610A (ja) 2005-12-26 2005-12-26 マニュアルモード付無段変速機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007170610A true JP2007170610A (ja) 2007-07-05

Family

ID=38297417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005372057A Pending JP2007170610A (ja) 2005-12-26 2005-12-26 マニュアルモード付無段変速機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007170610A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011247382A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Honda Motor Co Ltd 船外機の制御装置
JP2014058909A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Toyota Motor Corp エンジン制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011247382A (ja) * 2010-05-28 2011-12-08 Honda Motor Co Ltd 船外機の制御装置
US8641462B2 (en) 2010-05-28 2014-02-04 Honda Motor Co., Ltd. Outboard motor control apparatus
JP2014058909A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Toyota Motor Corp エンジン制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3751754B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3430927B2 (ja) トロイダル型無段変速機用変速制御装置
JP3725697B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2007170610A (ja) マニュアルモード付無段変速機
JP3870676B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3414268B2 (ja) トロイダル型無段変速機の変速制御装置
JP3572609B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP2001099291A (ja) トロイダル型無段変速機の発進時変速制御装置
JP3399371B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2001099309A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3292157B2 (ja) トロイダル式無段変速機の変速制御装置
JP3561907B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3303797B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2000097302A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2001082595A (ja) 変速比無限大無段変速機の制御装置
JP2001099287A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP4304745B2 (ja) パワートレインの制御装置
JP2001099304A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP4253891B2 (ja) パワートレインの制御装置
JP2007170611A (ja) 車両用トロイダル式無段変速機
JP3303796B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2001099306A (ja) 自動変速機のロックアップ制御装置
JP2001097078A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3303795B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2000046161A (ja) 自動変速機の変速制御装置