JP2001099287A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents
無段変速機の変速制御装置Info
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Abstract
標値が変化する時、変速レスポンスを犠牲にすることな
く、実際値が基本定常目標値よりも低下するアンダーシ
ュートや実際値が基本定常目標値よりも上昇するオーバ
ーシュートを抑えることができる無段変速機の変速制御
装置を提供すること。 【解決手段】 定常目標値と過渡目標値との偏差に基づ
いて変速時定数を算出して変速制御を行う無段変速機の
変速制御装置において、車両走行状態により実際値が定
常目標値に至るまでの間を、変速前半の第1の制御領域
と、変速後半の第2の制御領域とに分ける領域分割変速
制御に入る手段を有し、定常目標値設定手段は、変速前
半の第1の制御領域では、基本定常目標値より現在値に
近い値であって、入力回転の低下もしくは上昇を待ち受
けて回転制限する第1の定常目標値を設定し、変速後半
の第2の制御領域では、第2の制御領域に入った時の実
際値が基本定常目標値に収束する第2の定常目標値を設
定する手段とした。
Description
セル操作が行われた時、定常目標値(到達変速比や到達
入力回転数)に対し過渡目標値(目標変速比や目標入力
回転数)を決め、所定の変速応答で実際値を定常目標値
に徐々に近づける変速比制御が行われる無段変速機の変
速制御装置の技術分野に属する。
は、例えば、特開平5−126239号公報に記載のも
のが知られている。
が行われた時、その時の車速とスロットル開度に基づき
設定された定常目標変速比に対し過渡的な目標値として
過渡目標変速比を決め、両目標変速比の変速比偏差に基
づいて算出される変速時定数(図12にダウンシフトの
場合、図13にアップシフトの場合)による変速応答に
て変速比制御を行うことで、実変速比を滑らかな曲線を
描いて定常目標変速比に到達させる技術が記載されてい
る。
無段変速機の変速制御装置にあっては、例えば、ステッ
プ的なアクセル足離し操作によりアップシフトさせた場
合、図14に示すように、変速開始域での実入力回転数
InpREVの落ち込みが目標入力回転数LInpRE
Vより大きくなり、しかも、定常目標値である基本到達
入力回転数TDsrREVまでの実入力回転数InpR
EVの低下量が大きいため、実入力回転数InpREV
が基本到達入力回転数TDsrREVより低い回転数ま
で低下してしまうアンダーシュートが発生してしまうこ
とがあるという問題がある。
回転数の制約がある場合、図15に示すように、アクセ
ル足離し操作開始点から実入力回転数InpREVの低
下によりコースト線を横切り、エンジン側のロックアッ
プ禁止回転数(例えば、1050rpm)以下の回転数
域までエンジン回転数を下げることになり、コーストロ
ックアップOFFの車速(例えば、28km/h)になって
いないのにロックアップが解除されてしまうことにな
る。
げて対処することができるが、コースト線を持ち上げる
ということは、0/8開度時のエンジン回転数を高くす
ることであり、言い換えると、ローギア化することであ
るため、コースト時の減速度が高くなってしまい、減速
度要求値を満足できない場合がある。
ウンシフトの場合にはオーバーシュート)の発生要因に
ついて述べる。
の発生には、特に、トロイダル型無段変速機にみられる
が、変速指令が無くても入力トルクにより変速する、い
わゆる、トルクシフトが大きく絡む。
Hi変速するこの特性では、到達入力回転数の偏差が大
きいほど、オーバーシュート(ダウンシフトの場合)も
アンダーシュートも大きい。
を使っているため、それぞれの変速比の関係は、図16
に示すようになる。
npREVが決まるため、トルクシフト補償無しでは、
実変速比Ratioは目標変速比RatioOに対して
大きくずれて変速してしまう。但し、アクセルを踏んだ
とき、戻したとき、そのままの状態を長時間維持してお
けば、メカのフィードバックで実変速比Ratioが目
標変速比RatioOに追いつくことになる。
すように、アクセルのON−OFFを伴うため、トルク
変化が大きいほど、トルクシフトでずれる変速比も大き
いため、変速直後のオーバーシュートもアンダーシュー
トも大きくなる。
atioOを算出するには変速時定数を用いる。この変
速時定数を遅くすれば、オーバーシュートもアンダーシ
ュートも小さくはできる。但し、常時この時定数設定で
は、変速自体に「間延び感」が出てしまい、変速レスポ
ンスの悪さだけが目立ってしまう。
速比を予め用意した補正マップに従って補正をかけ、不
足分はフィードバック制御にて補うものとしている。変
速レスポンスの向上のためにもフィードバック制御が必
要となる。
バックで補いきれないため、積分分(I分)を貯め込む
ことになる。
標変速比RatioOに対して実変速比Ratioが遅
れるため、I分はLow変速をさせる方向に貯まること
になる。足離しアップシフトが行われた場合、目標変速
比RatioOに対して実変速比Ratioが遅れる分
があるため、I分へHi変速をさせる方向に貯まること
になる。
は、今までのI分の貯まりを放出してから変速方向のI
分を貯めることになる。すなわち、足離しの前が、踏み
込み後に目標変速比RatioOが実変速比Ratio
に追いつく前だったとすると、図17に示すように、目
標変速比RatioOがHi変速に転じた後、まず、I
分を放出してからHi側にI分が貯まるため、アンダー
シュートを助ける作用がある。
るのか、または、どの方向に貯まっているのかによっ
て、アンダーシュートのしやすさは異なる。
ので、アクセル急操作等によりステップ的に定常目標値
が変化する時、変速レスポンスを犠牲にすることなく、
実際値が基本定常目標値よりも低下するアンダーシュー
トや実際値が基本定常目標値よりも上昇するオーバーシ
ュートを抑えることができる無段変速機の変速制御装置
を提供することを目的とする。
載の発明では、運転者の操作状態及び車両の走行状態に
より定常的な目標値である定常目標値を設定する定常目
標値設定手段と、設定された前記定常目標値と後述する
変速時定数に基づいて変速途中の過渡的な目標値である
過渡目標値を設定する過渡目標値設定手段と、定常目標
値と過渡目標値との偏差に基づいて変速時定数を算出す
る変速時定数算出手段と、を備えた無段変速機の変速制
御装置において、車両走行状態により実際値が定常目標
値に至るまでの間を、変速前半の第1の制御領域と、変
速後半の第2の制御領域とに分ける領域分割変速制御に
入る手段を有し、前記定常目標値設定手段は、運転者の
操作状態及び車両の走行状態に基づいた最終的に到達さ
せる基本定常目標値と、変速前半の第1の制御領域で
は、前記基本定常目標値より現在値に近い値であって、
入力回転の低下もしくは上昇を待ち受けて回転を制限す
る第1の定常目標値と、変速後半の第2の制御領域で
は、第2の制御領域に入った時の実際値を前記基本定常
目標値に収束させる第2の定常目標値とを設定すること
を特徴とする。
求項1記載の無段変速機の変速制御装置において、前記
定常目標値設定手段は、第1の制御領域で基本定常目標
値より現在値に近い値であって、入力回転の低下もしく
は上昇を待ち受けて回転を制限する一定値を第1の定常
目標値として設定し、第2の制御領域に入った時点から
基本定常目標値まで、変速開始時の過渡目標値に基づい
て設定された初期値及び傾きにて連続的に変化する値を
第2の定常目標値として設定することを特徴とする。
求項1または請求項2記載の無段変速機の変速制御装置
において、アクセル足離しによるアップシフト時、元々
ロックアップしていない車速領域、及び、アクセル足離
しをしてもコースト線がロックアップ禁止回転までに余
裕があり、ロックアップ禁止回転まで下がることのない
車速領域では通常変速制御を行い、前記領域分割変速制
御に入らない手段としたことを特徴とする。
求項1ないし請求項3記載の無段変速機の変速制御装置
において、アクセル踏み込みによるダウンシフト時、非
ロックアップ時にはロックアップ時よりも早めに、前記
領域分割変速制御に入る手段としたことを特徴とする。
求項1ないし請求項4記載の無段変速機の変速制御装置
において、制御開始条件が成立する場合、制御開始時に
決められた目標入力回転数と予め設定された入力回転数
の切り換え設定値との大小が比較され、目標入力回転数
が切り換え設定値を超える時点で第1の制御領域から第
2の制御領域に切り換える手段としたことを特徴とす
る。
求項1ないし請求項5記載の無段変速機の変速制御装置
において、走行状態により決まる定常目標値と、待ち受
け回転制限値として設定された第1の定常目標値との大
小を比較し、現在値が定常目標値より第1の定常目標値
に近い場合には、前記領域分割変速制御に入り、遠い場
合には通常の変速制御を行う手段としたことを特徴とす
る。
求項1ないし請求項6記載の無段変速機の変速制御装置
において、アクセル足離しによるアップシフト時であっ
て、過渡目標値が切り換え設定値を超えない第1の制御
領域であると判断された場合、アイドルオフでは、前記
領域分割変速制御に入らない手段としたことを特徴とす
る。
発明にあっては、領域分割変速制御に入らない変速時に
は、定常目標値設定手段において、運転者の操作状態及
び車両の走行状態(スロットル開度や車速)により定常
的な目標値である定常目標値が設定され、過渡目標値設
定手段において、設定された定常目標値と後述する変速
時定数に基づいて変速途中の過渡的な目標値である過渡
目標値が設定される。そして、変速応答を決める変速時
定数は、変速時定数算出手段において、定常目標値と過
渡目標値との偏差に基づいて算出される。
テップ的なアクセル操作を行うと、車両走行状態により
実際値が定常目標値に至るまでの間が、変速前半の第1
の制御領域と、変速後半の第2の制御領域とに分けられ
る領域分割変速制御に入る。この領域分割変速制御で
は、運転操作状態と車両の走行状態に基づいた最終的に
到達させる基本定常目標値が設定されると共に、変速前
半の第1の制御領域では、基本定常目標値より現在値に
近い値であって、入力回転の低下もしくは上昇を待ち受
けて回転を制限する第1の定常目標値が設定され、この
第1の定常目標値と過渡目標値との偏差に基づいて算出
された変速時定数により変速制御が行われる。そして、
変速後半の第2の制御領域では、第2の制御領域に入っ
た時の実際値が基本定常目標値に収束する第2の定常目
標値が設定され、この第2の定常目標値と過渡目標値と
の偏差に基づいて算出された変速時定数により変速制御
が行われる。
シュートやオーバーシュートが起こる前に、一旦、回転
落ちや回転上昇が第1の定常目標値の設定により受け止
められることになり、一気にアンダーシュートやオーバ
ーシュートに向かう実際値の変化が防止される。
に収束する第2の定常目標値の設定により、本来、制御
目標とする定常目標値に実際値を収束させることができ
る。
的に定常目標値が変化する時、変速速度を遅くする方向
に変速時定数を変更することでの変速レスポンスを犠牲
にすることなく、実際値が基本定常目標値よりも低下す
るアンダーシュートや実際値が基本定常目標値よりも上
昇するオーバーシュートを抑えることができる。
は、定常目標値設定手段において、基本定常目標値より
現在値に近い値であって、入力回転の低下もしくは上昇
を待ち受けて回転制限する一定値が第1の定常目標値と
して設定され、第2の制御領域に入った時点から基本定
常目標値まで、変速開始時の過渡目標値に基づいて設定
された初期値及び傾きにて連続的に変化する値が第2の
定常目標値として設定される。
1の定常目標値による簡単な制御により、入力回転の低
下もしくは上昇を待ち受けて回転変化を制限することが
できるし、第2の制御領域では、連続的に変化する第2
の定常目標値の設定により、実際値も第2の定常目標値
に沿うように徐々に変化し、定常目標値への収束性を向
上させることができる。
は、アクセル足離しによるアップシフト時、元々ロック
アップしていない車速領域、及び、アクセル足離しをし
てもコースト線がロックアップ禁止回転までに余裕があ
り、ロックアップ禁止回転まで下がることのない車速領
域では、通常変速制御が行われ、2つの制御領域に分け
て行う領域分割変速制御には入らない。
と、通常の変速制御を行う場合に比べて変速レスポンス
が悪化することになるが、車速条件において必要時にの
み行うようにすることで、全体的変速レスポンスの悪化
を防止できる。
は、アクセル踏み込みによるダウンシフト時、非ロック
アップ時にはロックアップ時よりも早めに、2つの制御
領域に分けて行う領域分割変速制御に入る。
ップ状態ではロックアップ状態に比べて変速機入力回転
数が上がりやすいという特性に対応して領域分割変速制
御に入ることができる。なお、アクセル足離し時には、
上記車速条件から明らかなように、ロックアップ状態の
みを領域分割変速制御の対象にしている。
は、制御開始条件が成立する場合、制御開始時に決めら
れた目標入力回転数と予め設定された入力回転数の切り
換え設定値との大小が比較され、目標入力回転数が切り
換え設定値を超える時点で第1の制御領域から第2の制
御領域に切り換えられる。
目標変速比から逆算した目標入力回転数が用いられ、入
力回転数のみを用いた制御領域の切り換えとなること
で、切り換え時の回転差が抑えられたスムーズな切り換
えとするこいができる。
は、走行状態により決まる定常目標値と、待ち受け回転
制限値として設定された第1の定常目標値との大小が比
較され、現在値が定常目標値より第1の定常目標値に近
い場合には、領域分割変速制御に入り、遠い場合には通
常の変速制御が行われる。
常目標値に近い場合には、待ち受け回転制限作用が行わ
れず領域分割変速制御が無意味であるため、必要時にの
み行うようにすることで、全体的変速レスポンスの悪化
を防止している。
は、アクセル足離しによるアップシフト時であって、過
渡目標値が切り換え設定値を超えない第1の制御領域で
あると判断された場合、アイドルオフでは、領域分割変
速制御に入ることがなく、通常の変速制御が行われる。
ンの時とは異なり、トルクシフトの方向が変わらないた
め、アンダーシュートになることがなく、この場合は、
領域分割変速制御に入らないものとされ、全体的変速レ
スポンスの悪化を防止している。
御装置を、図面を参照して詳細に説明する。
装置の構成について]図1及び図2は、本発明による無
段変速機の変速制御装置を備えるトロイダル型無段変速
機を示し、図1はトロイダル型無段変速機の伝動ユニッ
トを示す縦断側面図、図2はトロイダル型無段変速機の
変速制御装置を示す図である。
ある伝動ユニットを、図1により説明する。この伝動ユ
ニットは、図示しないエンジンからの回転が伝達される
入力軸20を備え、この入力軸20は、図1に示すよう
に、エンジンから遠い端部を変速機ケース21内に軸受
22を介して回転自在に支持し、中央部を変速機ケース
21の中間壁23内に軸受24及び中空出力軸25を介
して回転自在に支持する。
を支持し、前記中空出力軸25には出力コーンディスク
2を支持し、入出力コーンディスク1,2は、そのトロ
イド曲面1a,2aが互いに対向するように同軸配置す
る。
向するトロイド曲面1a,2a間には、入力軸20を挟
んでその両側に配置した一対のパワーローラ3,3を介
在させ、これらのパワーローラ3,3を入出力コーンデ
ィスク1,2間に挟圧するために、以下の構成を採用す
る。
ローディングナット26を螺合し、このローディングナ
ット26により抜け止めして入力軸20上に回転係合さ
せたカムディスク27と、入力コーンディスク1のトロ
イド曲面1aから遠い端面との間にローディングカム2
8を介在させ、このローディングカム28を介して、入
力軸20からカムディスク27への回転が入力コーンデ
ィスク1に伝達されるようになす。
パワーローラ3,3の回転を介して出力コーンディスク
2に伝わり、この伝動中、ローディングカム28は伝達
トルクに比例したスラストを発生して、パワーローラ
3,3を入出力コーンディスク1,2間に狭圧し、上記
動力伝達を可能にする。
に楔着し、この出力軸25上に出力歯車29を一体回転
するように嵌着する。
軸受30を介して変速機ケース21の端蓋31内に回転
自在に支持し、この端蓋31内には別にラジアル兼スラ
スト軸受32を介して入力軸20を回転自在に支持す
る。ここで、ラジアル兼スラスト軸受30,32は、ス
ペーサ33を開始て相互に接近しないように突き合わ
せ、また相互に遠ざかる方向への相対変位不能になるよ
う、対応する出力歯車29入力軸20に対し軸線方向に
衝接させる。
よって入出力コーンディスク1,2間に作用するスラス
トは、スペーサ33を挟むような内力となり、変速機ケ
ース21に作用することがない。
うに、トラニオン41,41に回転自在に支持し、この
トラニオン41,41は、それぞれ上端を球面継手42
によりアッパリンク43の両端に回転自在及び揺動自在
に、また、下端を球面継手44によりロアリンク45の
両端に回転自在及び揺動自在に連結する。
45は、中央を球面継手46,47により変速機ケース
21に上下方向揺動可能に支持し、両トラニオン41,
41を相互逆向きにに同期して上下動させ得るようにす
る。
相互逆向きに同期して上下動させることによって変速を
行う変速制御装置を、図2に基づいて説明する。
に上下方向へストロークさせるためのピストン6,6を
設け、両ピストン6,6の両側に、それぞれ上方室5
1,52及び下方室53,54を画成する。そして両ピ
ストン6,6を相互逆向きにストローク制御するため
に、変速制御弁5を設置する。
弁体5aと、スリーブ型の外弁体5bとを相互に摺動可
能に嵌合し、外弁体5bを弁ケース5cに摺動自在に嵌
合して構成する。
力源55に接続し、一方の連絡ポート5eをピストン室
51,54に、また、他方の連絡ポート5fをピストン
知る52,53にそれぞれ接続する。
41の下端に固着したプリセスカム7のカム面に、ベル
クランク型の変速レバー8を介して共働させ、外弁体5
bを変速アクチュエータとしてのステップモータ4に、
ラックアンドピニオン型式で駆動係合させる。
タ駆動位置指令Astep(ステップ位置指令)に応動
するステップモータ4が、ラックアンドピニオンを介し
外弁体5bにストロークとして与えることとする。
bが内弁体5aに対し相対的に中立位置から、例えば、
図2の位置に変位されて変速制御弁5が開くとき、圧力
源55からの流体圧(ライン圧PL)が室52,53に
供給される一方、他の室51,54がドレンされ、ま
た、変速制御弁5の外弁体5bが内弁体5aに対し相対
的に中立位置から逆方向に変位されて変速制御弁5が開
くとき、圧力源55からの流体圧が室51,54に供給
される一方、他の室52,53がドレンされ、両トラニ
オン41,41が流体圧でピストン6,6を介して図
中、対応した上下方向へ相互逆向きに変位されるものと
する。
軸軸O1が入出力コーンディスク1,2の回転軸線O2
と交差する図示位置からオフセット(オフセット量y)
されることになり、核オフセットによりパワーローラ
3,3は入出力コーンディスク1,2からの首振り分力
で、自己の回転軸線O1と直行する首振り軸線O3の周
りに傾転(傾転角φ)されて無段変速を行うことができ
る。
の下端に結合したプリセスカム7は、変速リンク8を介
して、トラニオン41及びパワーローラ3の上述した上
下動(オフセット量y)及び傾転角φを変速制御弁5の
内弁体5aに機械的にxで示すようにフィードバックさ
れる。
タ4へのアクチュエータ駆動位置指令Astepに対応
した変速比指令値が達成される時、上記のプリセスカム
7を介した機械的フィ一ドバックが変速制御弁5の内弁
体5aをして、外弁体5bに対し相対的に初期の中立位
置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3,3は、回転
軸線O1が入出力コーンディスク1,2の回転軸線02
と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の
達成状態を維持することができる。
値に対応した値にすることが制御の狙いであるから、基
本的にプリセスカム7はパワーローラ傾転角φのみをフ
ィードバックすればよいことになるが、ここでパワーロ
ーラオフセット量yをもフィードバックする理由は、変
速制御が振動的になるのを防止ずるダンピング効果を与
えて、変速制御のハンチング現象を回避するためであ
る。
位置指令Astepは、コントローラ61によって設定
される。
すように、エンジンスロットル開度TVOを検出するス
ロットル開度センサ62からの信号、車速VSPを検出
する車速センサ63からの信号、入力コーンディスク1
の回転数Ni(エンジン回転数Neでもよい)を検出す
る入力回転センサ64からの信号、出力コーンディスク
2の回転数Noを検出する出力回転センサ65からの信
号、変速機作動油温TMPを検出ずる油温センサ66か
らの信号、前記油圧源55からのライン圧PLを検出す
る(通常は、ライン圧PLをコントローラ61で制御す
るからコントローラ61の内部信号から検知する)ライ
ン圧センサ67からの信号、工ンジン回転数Neを検出
するエンジン回転センサ68からの信号、インヒビタス
イッチ60からのレンジ情報についての信号、UP/D
OWNスイッチ69からのUP/DOWN情報について
の信号、モード選択スイッチ70からの選択モード信
号、工ンジン制御装置310からのトルクダウン許可信
号、アンチスキッド制御装置(ABS)320からのA
BS制御信号、トラクションコントロール装置(TC
S)330からのTCS制御信号及び定速走行装置34
0からのASCDクルーズ信号をそれぞれ入力する。
を基にして以下の演算によってステップモータ4へのア
クチュエータ駆動位置指令Astep(変速指令値)を
設定するものとする。
形態では、コントローラ61を図3に示すように構成す
る。
6で検出した油温TMPや、排気浄化触媒の活性化運転
中か否かなど、各種条件に応じて変速マッブを選択す
る。
して選択された変速マップが例えば図4に示すようなも
のである場合について説明すると、図2のセンサ62,
63でそれぞれ検出したスロットル開度TVO及び車速
VSPから、同図の変速線図に対応した変速マップをも
とに、現在の運転状態での定常的な目標入力回転数とす
べき到達入力回転数Ni*を検索して求める。
Ni*を図2のセンサ65で検出した変速機出力回転数
Noで除算することによって、到達入力回転数Ni*に
対応する定常的な目標変速比である到達変速比i*を求
める。
進通常走行レンジD、前進スポーツ走行レンジDs)、
車速VSP、スロットル開度TVO、エンジン回転数N
e、アクセルペダル操作速度、トルクダウン制御装置
(図示せず)からのトルクダウン量に関する信号及びト
ルクダウン許可信号、アンチスキッド制御信号、トラク
ション制御信号、定速走行信号、後に説明する目標変速
比Ratio0との変速比偏差RtoERR、などの各
種条件に応じて変速制御の第1変速時定数Tg1及び第
2変速時定数Tg2を設定するとともに、到達変速比i
*と目標変速比Ratio0との偏差Eipを算出する。
遅れ系に対応するために設定される第1変速時定数Tg
1及び第2変速時定数Tg2は、到達変速比i*に対す
る変速の応答性を設定して変速速度を定めるためのもの
で、目標変速比算出部75は、到達変速比i*を第1変
速時定数Tg1及び第2変速時定数Tg2で定めた変速
応答をもって実現するための過渡的な時時刻々の目標変
速比Ratio0及び中間変速比Ratio00をそれ
ぞれ算出し、目標変速比Ratio0のみを出力する。
って変速機入力トルクTiを求めるものであり、先ずス
ロットル開度TVO及びエンジン回転数Neからエンジ
ン出力トルクを求め、次いでトルクコンバータの入出力
回転数(Ne,Ni)比である速度比からトルクコンバ
ータのトルク比tを求め、最後にエンジン出力トルクに
トルク比tを乗じて変速機入力トルクTiを算出する。
渡的な上記目標変速比Ratio0及び当該変速機入力
トルクTiから、トロイダル型無段変速機に特有なトル
クシフト(変速比の不正)をなくすためのトルクシフト
補償変速比TSrtoを算出する。
シフトを補足説明すると、トロイダル型無段変速機の伝
動中には、既に説明したようにしてパワーローラ3,3
を入出力コーンディスク1,2間に挟圧することからト
ラニオン41の変形が発生し、これによりこのトラニオ
ンの下端におけるプリセスカム7の位置が変化してプリ
セスカム7及び変速リンク8からなる機械的フィードバ
ック系の系路長変化を惹起し、これによって上記トルク
シフトを発生させる。
ルクシフトは、目標変速比Ratio0及び変速機入力
トルクTiによって異なり、トルクシフト補償変速比算
出部77は、これらの2次元マップからトルクシフト補
償変速比TSrtoを検索によって求める。
Niを図2のセンサ65で検出した変速機出力回転数N
oで除算することによって、実変速比Ratioを算出
する。変速比偏差算出部79は、上記目標変速比Rat
io0から実変速比Ratioを差し引いて、両者間に
おける変速比偏差RtoERR(=Ratio0−Ra
tio)を求める。
80は、変速比偏差RtoERRに応じた周知のPID
制御(Pは比例制御、Iは積分制御、Dは微分制御)に
よる変速比フィードバック補正量を算出するときに用い
られ、それぞれの制御のフィードバックゲインのうち、
変速機入力回転数Ni及び車速VSPに応じて設定すべ
き第1の比例制御用フィードバックゲインfbpDAT
A1、積分制御用フィードバックゲインfbiDATA
1、及び微分制御用フィードバックゲインfbdDAT
A1をそれぞれ求める。
DATA1,fbiDATA1,fbdDATA1は、
変速機入力回転数Ni及び車速VSPの2次元マップと
して予め定めておき、このマップを基に変速機入力回転
数Ni及び車速VSPから検素により求めるものとす
る。
81は、上記PID制御による変速比フィードバック補
正量を算出するときに用いるフィードバックゲインのう
ち、変速機作動油温TMP及びライン圧PLに応じて設
定すべき第2の比例制御用フィードバックゲインfbp
DATA2、積分制御用フィードバックゲインfbiD
ATA2、及び微分制御用フィードバックゲインfbd
DATA2をそれぞれ求める。
DATA2,fbiDATA2,fbdDATA2は、
作動油温TMP及びライン圧PLの2次元マップとして
予め定めておき、このマップを基に作動油温TMP及び
ライン圧PLから検索により求めるものとする。
第1のフィ一ドバックゲイン及び第2のフィードバック
ゲインを対応するもの同士掛け合わせて、比例制御用フ
ィードバックゲインfbpDATA(=fbpDATA
1×fbpDATA2)、積分制御用フィードバックゲ
インfbiDATA(=fbiDATA1×fbiDA
TA2)、及び微分制御用フィードバックゲインfbd
DATA(=fbdDATA1×fbdDATA2)を
求める。
めたフィードバックゲインを用い、変速比偏差RtoE
RRに応じたPID制御による変速比フィードバック補
正量FBrtoを算出するために、先す比例制御による
変速比フィードバック補正量をRtoERR×fbpD
ATAにより求め、次いで積分制御による変速比フィー
ドバック補正量を∫RtoERR×fbiDATAによ
り求め、更に微分制御による変速比フィードバック補正
量を(d/dt)RtoERR×fbdDATAにより求
め、最後にこれら3者の和値をPID制御による変速比
フィードバック補正量FBrto(=RtoERR×f
bpDATA+∫RtoERR×fbiDATA+(d/
dt)RtoERR×fbdDATA)とする。
tio0をトルクシフト補償変速比TSrto及び変速
比フィードバック補正量FBrtoだけ補正して、補正
済目標変速比DsrRTO(=Ratio0+TSrt
o+FBrto)を求める。目標ステップ数(アクチュ
エータ目標駆動位置)算出部86は、上記の補正済目標
変速比DsrRTOを実現するためのステップモータ
(アクチュエータ)4の目標ステップ数(アクチュエー
タ目標駆動位置)DsrSTPをマップ検索により求め
る。
は、ステップモータ駆動速度設定部88が変速機作動油
温TMPなどから設定するステップモータ4の限界駆動
速度でも1制御周期中にステップモータ4が上記目標ス
テップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステップモ
ータ4の上記限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位
置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとな
し、ステップモータ4が1制御周期中に上記目標ステッ
プ数DsrSTPに変位し得るときは、当該目標ステッ
ブ数DsrSTPをそのままステップモータ4への駆動
位置指令Astepとなすものとする。
時ステップモータ4の実駆動位置とみなすことができ
る。
epに対応する方向及び位置に変位されてラックアンド
ピニオンを介し変速制御弁5の外弁体5bをストロ一ク
させ、トロイダル型無段変速機を既に説明したように所
定通りに変速させることができる。
に対応した変速比指令値が達成される時、プリセスカム
7を介した機械的フィードバックが変速制御弁5の内弁
体5aをして、外分体5bに対し相対的に初期の中立位
置に復帰させ、同時に、両パワーローラ3,3は、回転
軸線01が入出力コーンディスク1,2の回転軸線0 2
と交差する図示位置に戻ることで、上記変速比指令値の
達成状態を維持することができる。
追従可能判定部89を付加して設ける。
は、ステップモータ4が補正済目標変速比DsrRTO
に対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位
置)DsrSTPに追従可能か否かを、以下により判定
するものである。
(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆
動位置とみなすことができる駆動位置指令Astepと
の間におけるステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置
偏差)△STPを求める。
速度設定部88によって既に説明したように設定された
ステップモ一夕4の限界駆動速度でもステップモータ4
が1制御周期中に解消し得ないステップ数偏差(アクチ
ュエータ駆動位置偏差)の下限値△STPLIMよりも
ステップ数偏差(アクチュエータ駆動位置偏差)△ST
Pが小さい時(△STP<△STPLIM)、ステップ
モータ4が補正済目標変速比DsrRTOに対応した目
標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrS
TPに追従可能であると判定し、逆に△STP≧△ST
PLIMである時、ステップモータ4が目標ステップ数
(アクチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従不
能であると判定する。
目標変速比DsrRTOに対応した目標ステップ数(ア
クチュエータ目標駆動位置)DsrSTPに追従可能で
あると判定する場合、PID制御部84で、既に説明し
た通りのPID制御による変速比フィードバック補正量
FBrtoの演算を継続させる。
ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)DsrST
Pに追従不能であると判定した場合は、積分制御による
変速比フィードバック補正量∫RtoERR×fbiD
ATAを当該判定時における値に保持するようPID制
御部84に指令する。
駆動位置指令算出部87において、ステップモータ4の
限界駆動速度でも1制御周期中にステップモータ4が目
標ステップ数DsrSTPに変位し得ないとき、ステッ
プモータ4の限界駆動速度で実現可能な実現可能限界位
置をステップモータ4への駆動位置指令Astepとな
すようにし、この駆動位置指令Astepをステップモ
ータ4の実駆動位置として判定部89でのステップモー
タ追従可能判定に資することにしたから、このような追
従可能判定を行うに際して必要なステップモータ4の実
駆動位置を、変速制御装置からステップモータ4への駆
動位置指令Astepで検知することとなり、上記の追
従可能判定を、ステップモータ4の実駆動位置の実測に
頼ることなく廉価に行うことができる。
従可能判定部89において、目標ステップ数(アクチュ
エータ目標駆動位置)DsrSTPと、実駆動位置(駆
動位置指令)Astepとの間におけるステップ数偏差
(アクチュエータ駆動位置偏差)△STFが、ステップ
モータ4の限界駆動速度ごとに定めた追従判定基準偏差
△STPLIMよりも小さい時(△STP<△STP
LIM)、ステップモータ4が補正済目標変速比Dsr
RTOに対応した目標ステップ数(アクチュエータ目標
駆動位置)DsrSTPに追従可能であると判定し、逆
に△STP≧△STPLIMである時、ステップモータ
4が目標ステップ数(アクチュエータ目標駆動位置)D
srSTPに追従不能であると判定するため、油温TM
Pなどで種々に変化するステップモータ4の限界駆動速
度に関係なくステップモータ4の追従可能判定を確実に
行うことができる。
ローラ61をマイクロコンピュータで構成する場合、図
3について説明した通常の変速制御は図5のプログラム
でこれを実行する。
ンは、例えば、10msごとに実行される。先ず、ステ
ップ91において、変速時定数算出部74(図3)は、
車速センサ63(図2)によって検出された車速VS
P、エンジン回転センサ68(図2)によって検出され
たエンジン回転数Ne、入力回転センサ64(図2)に
よって検出された変速機入力回転数Ni、スロットル開
度センサ62(図2)によって検出されたスロットル開
度TVO、インヒビタスイッチ60(図2)からのレン
ジ情報(自動変速(D)レンジ、スポーツ走行(S)レ
ンジ等)等を読み込む。
回転数算出部72(図3)は、入力回転数Niを変速機
出力回転数Noによって除算することによって、実変速
比Ratioを算出する。次いで、ステップ93におい
て、スロットル開度TVO及び車速VSPから図4に図
示したような変速マップを基にして到達入力回転数Ni
*を検索して求める。
ップ94において、到達変速比算出部73(図3)は、
この到達入力回転数Ni*を変速機出力回転数Noで除
算することによって到達変速比i*を算出する。次い
で、偏差算出手段としてのステップ95において、変速
時定数算出部74(図3)は、到達変速比i*から、前
回のルーチンで算出した目標変速比Ratio0(これ
は後のステップ99で算出される。)を減算して偏差E
ipを算出する。
替、マニュアル変速による有段の変速(以下、「スイッ
チ変速」という。)があったか否か判定する。具体的に
は、モード選択スイッチ70(図2)からの選択モード
信号に応じて、パワーモードとスノーモードとの間の切
替の有無を検出し、インヒビタスイッチ60(図2)か
らマニュアルレンジ信号を検出するとともにUP/DO
WNスイッチ69(図2)からUP/DOWN情報につ
いての信号を検出したか否か判定する。次いで、モード
設定手段としてのステップ97、ステップ98及び目標
変速比設定手段としてのステップ99において、変速時
定数算出部74(図3)は、時定数算出モードと、第1
及び第2変速時定数Tg1及びTg2と、目標変速比R
atio0及び中間変速比Ratio00とをそれぞれ
算出する。
シフト補償変速比算出部77(図3)は、目標変速比R
atio0及び変速機入力トルクTiに関するマップか
らトルクシフト補償変速比TSrtoを算出する。次い
で、ステップ101において、PID制御部84(図
3)は、PID制御によって変速比フィードバック補正
量FBrtoを算出する。次いで、ステップ102にお
いて、目標変速比補正部85(図3)は、目標変速比R
atio0にトルクシフト補償変速比TSrto及び変
速比フィードバック補正量FBrto加算して、補正済
目標変速比DsrRTOを算出する。次いで、ステップ
103において、ステップモータ4(図2)への駆動位
置指令Astepを算出し、本ルーチンを終了する。
の変速制御についての説明であり、この通常の変速制御
とは区別して用いられる領域分割変速制御について以下
に説明する。この領域分割変速制御は、変速時定数を変
更する場合に比べ変速間延び感なく、アップシフトでの
アンダーシュート及びダウンシフトでのオーバーシュー
トを抑える制御である。なお、請求項記載の文言との対
応関係は、下記の通りである。
srREV 過渡目標値→目標入力回転数LInpREV 実際値→実入力回転数InpREV 第1の定常目標値及び第2の定常目標値→到達入力回転
数DsrREV 待ち受け回転制限値→待ち受け到達入力回転数WAIT
REVUL(DL) 切り換え設定値→後半制御開始入力回転数WAITRE
VUH(DL) 図6は変速制御プログラム中の領域分割変速制御処理を
示すフローチャートで、図7はアップシフト時のタイム
チャートで、図8はダウンシフト時のタイムチャートで
ある。
制御は、一度制御に入った後は、到達入力回転数Dsr
REVが基本到達入力回転数TDsrREVとなるまで
制御を続けるものとしている。制御中であれば傾きDr
evの計算を続ける。
判定がされる。本制御は、アップシフト及びダウンシフ
トでそれぞれの制御を行うため、判定が必要である。ま
た、どちらでもない場合には、本制御の必要がないた
め、ステップ126へ進み、DsrREV=TDsrR
EVとして制御を終了する。
転数の差Diffをとることで判断している(設定は、
約20rpm)。
し、今回の到達入力回転数は実入力回転数InpREV
から逆算した到達入力回転数LInpREVとし、両者
の際により算出される。
をダイレクトにみたいので、変速比ではなく入力回転同
志の比較とした。
/U状態、Idle状態から判断する。
106及びステップ107により判定される。つまり、
ステップ106では、アップシフト時に車速が制御領域
分割変速制御を必要とする車速領域かどうかが判断され
る。また、ステップ107では、ダウンシフト時に車速
が領域分割変速制御を必要とする車速領域かどうかが判
断される。
が通常の変速制御に比べて低下するので、必要時にのみ
本制御に入るようにしている。
時、元々ロックアップしていない車速領域、及び、アク
セル足離しをしてもコースト線がロックアップ禁止回転
となるまでに余裕があり、ロックアップ禁止回転まで下
がることのない領域は本制御の対象外とした。
り判定される。つまり、ステップ108では、ダウンシ
フトを考えると、ロックアップ時と非ロックアップ時と
では入力回転の上昇が異なり、非ロックアップ時の方が
オーバーシュートしやすいので、ロックアップ状態の判
定を行うようにした。
より判定される。つまり、ステップ110では、アクセ
ルペダルが完全に戻されているかどうかが判定される。
これは、アクセルペダルが踏まれている状態での足戻し
は、トルクシフトの変化がコーストに変化したときに比
べて小さく、アンダーシュートの心配がない。コースト
時のみを制御対象とするためにアイドル判定を行う。
電圧を基に、スロットルセンサオフセット分を補正し、
前回のアイドル判定と比較し、フェイル等に入っていな
いことを確認して判定したものである。
InpREVによって制御領域を分ける。
い、連続的に実入力回転数InpREVを変化させるた
め、前半と後半に分ける。基本的な考え方は、目標入力
回転数LInpREVに沿った実入力回転数InpRE
Vの実現である。つまり、アンダーシュートやオーバー
シュートを救うことを最優先として遅い変速とした場
合、変速の「間延び感」が出る。これと、本来、達成し
たいアンダーシュート及びオーバーシュートを救うこと
を両立させるためには、TDsrREVに近づいた変速
終期を含む変速後半と、変速初期を含む変速前半とを分
けたい。
シフトでの前半の制御領域を領域(1)、後半の制御領域
を領域(2)とし、ダウンシフトでの前半の制御領域を領
域(3)、後半の制御領域を領域(4)とする。
は、予め設定してある待ち受け回転数waitREVと
現在の基本到達入力回転数TDsrREVを比較するこ
とで行われる。
テップ113のように、大きい方;DsrREV=ma
x(WAITREVUL、TDsrREV)ダウンシフ
トの場合、ステップ123〜ステップ125のように、
小さい方;DsrREV=min(WAITREVD
H、TDsrREV)をとることで、目標入力回転数D
srREVのかさ上げをし、入力回転の急変を一時抑え
るようにしている。
定は、実験データを基に、前半の領域(1),(3)までは、
間延び感なく回転を変化させるため、できる限り基本到
達入力回転数TDsrREVに近いところで設定してい
る。
は、アンダーシュート及びオーバーシュートをさせない
レベルで、遅い変速とし(実験データにより傾きDre
vを決定)、本来の目標変速比通りの変速に近づけるよ
うにしている。
て基本的にアップシフト時は、目標入力回転数LInp
REVよりも小さく、ダウンシフト時は、目標入力回転
数LInpREVよりも大きく設定している。
または(3)→(4)へ切り換えるタイミングは、目標入力回
転数LInpREVのみにより行われ、連続的、段階的
に回転を制御するものとされる。
109において、目標入力回転数LInpREVが設定
値(WAITREVUH)まで変化したところで領域
(1)から領域(2)へ切り換えるようにしている。
TREVUL(=waitREV)と、領域(2)の後半
制御開始入力回転数WAITREVUH(図6では設定
値)との間には、100rpm程度の差を付け、待ち受
け到達入力回転数WAITREVULを後半制御開始入
力回転数WAITREVUHより下にすることで、自動
的に制御開始回転を通過するようにして、目標入力回転
数LInpREVのみで連続的に制御領域を切り換える
ものとした。
108でのロックアップの判定に基づき、ステップ12
1とステップ122とで領域(3)から領域(4)へ切り換え
る設定値を異ならせている。
が判定される。制御開始入力回転数及び回転変化の傾き
は、一度決めたものを制御終了まで使うものとしてい
る。よって、初回である場合は、ステップ116及びス
テップ117へ進み、初期値の設定と回転変化の傾きが
設定される。
る基本到達入力回転数TDsrREVが、到達入力回転
数DsrREVと同じになったところで終了とする。つ
まり、TDsrREV=DsrREVが制御終了条件で
あり、この条件が成立しない間は、ステップ119へ進
み、設定された回転変化の傾きにより制御が継続され
る。
図9〜図13に基づいて、領域分割変速制御(アップシ
フトの例)で用いられる各値等の決め方について説明す
る。
EV)からアップシフトを判断し、図9に示すように、
到達入力回転数は、TDsrREV→DsrREV’
へ、設定回転になると右下がりDsrREVへ、結果的
に到達入力回転数DsrREVはDsrREV”の軌跡
となる。このDsrREV”から求められる到達変速比
DRatio→DRatio”へ、このDRatio”
から求められる目標変速比RatioO→Ratio
O”へ、結果的に得られる変速比Ratio→Rati
o”となる。そして、最終的に得られる入力回転数In
pREVは、図9のInpREV”となり、アンダーシ
ュートが抑えられる。
図10に示すように、目標入力回転数LInpREVが
後半制御開始入力回転数WAITREVUHとなった時
点から制御領域が切り換えられるため、単純に、後半制
御開始入力回転数WAITREVUHに近い値(例え
ば、100rpmの差)を設定する。
基本到達入力回転数TDsrREVの既定割合(7〜8
割)のところに設定する。
REVのカーブは異なり、アンダーシュートに至る入力
回転数は異なるが、変速時定数が決まってしまえば、ほ
とんど同じである(時定数マッチングとセットで定数決
めをする必要あり)。
で変速が終了するように変速時定数が決められるので、
既定割合での目標入力回転数LInpREVの変曲点
(+の符号位置)の回転数は、高回転からの足離し時も
低回点からの足離し時もほとんど変わらない。逆に、公
開点からのトルク変化が大きい方は、低回転からの足離
しよりも若干高めの位置になるので、この入力回転で後
半制御開始入力回転数WAITREVUHを設定すれ
ば、低回転からの足離し時には有利な方向となる。
ピッチテーブルと制御開始時の目標入力回転数LInp
REVを基に算出される。
pm以上から下がってきた場合、1590(DsrRE
V)=1600(LInpREV)−10(αREV)
となり、1590rpmから傾き3rpm/bitで回
転を下げていくことになる。
数のみで決める。
ように、基本到達入力回転数TDsrREVの既定割合
である。
数αREVと同様に、、予め設定されている不等ピッチ
テーブルと制御開始時の目標入力回転数LInpREV
を基に算出され、図13に示すように、制御開始時の目
標入力回転数LInpREVが大きいほど大きくとる。
を出さないようにするためには、変速の時系列の傾きが
大きいほど、到達入力回転数DsrREVの傾きを大き
くとる必要があることによる。また、これによるアンダ
ーシュートのしやすさは、低回転からのアクセル足離し
の方が、アンダーシュート量が小さいことを考えると同
等と言える。
プシフトの逆となる。ロックアップ時と非ロックアップ
時とでの待ち受け回転数waitREVの違いは、トル
クコンバータのスリップ分を足し込んで非ロックアップ
時の待ち受け回転数waitREVを下げている。
制約がある中で、アップシフトにおいて、アンダーシュ
ートを許容値内に入れるために採用した制御変更点とメ
リットを簡単に述べると、下記のようになる。
るため、一気にアンダーシュートすることがない。
到達入力回転を落とす。
基本到達入力回転に達し易い。また、回転の落とし方を
従来の場合と変えていないため、間延び感もない。
V)と、基本到達入力回転(TDsrREV)とを分け
ている。
て、基本到達入力回転(TDsrREV)を使えるた
め、本来あるべき入力回転の落ち着き先は変わらない。
に列挙する。
EN)、L/U状態、目標入力回転数(LInpRE
V)、アイドル状態を持ち、通常変速と区別するものと
した。
入力回転である基本到達入力回転数TDsrREVと到
達入力回転数DsrREVと分けることで、他制御との
干渉を無くした。
rREVとすることで、最終目標とする入力ディスク回
転は変わらないものとした。
tREV)を設定することで、アクセル足離し及びアク
セル踏み込み直後のアンダーシュート及びオーバーシュ
ートを抑えるものとした。
かかった目標変速比RatioOから逆算した目標入力
回転数LInpREVを使うことで、制御切り換え時の
回転差を無くした。
により、変速しない、すなわち、回転変化のないアクセ
ル足離し等においても、初期の回転落ちを抑えることが
できる。
tioOから逆算した目標入力回転数LInpREVを
使う、つまり、直接、目標入力回転相当を制御すること
で、アンダーシュート及びオーバーシュートの回転を直
接制御することができる。
ンダーシュートによりロックアップ禁止回転を割り込む
ことによるロックアップOFFを防ぐ方法として、図6
に示すロジックとした。この方法では、アンダーシュー
トの逆の現象として、ダウンシフトのオーバーシュート
によるオーバーレブを防ぐ内容も織り込んでいる。
と、時定数込みの目標変速比RatioO逆算した目標
入力回転数LInpREVを比較することでアップシフ
ト,ダウンシフトと判断するものとしたため、アクセル
操作前後の目標回転差から確実にアップシフト,ダウン
シフトを判定することができる。
フト,ダウンシフトのそれぞれで各2領域に分けること
で、変速前半と後半の両方をコントロールできるものと
し、アップシフトでは、入力回転が高いとき、ダウンシ
フトでは入力回転が低いとき、待ち受け回転waitR
EVを設定し、制御初期からアンダーシュート,オーバ
ーシュートを抑えるものとした。
接目標値にすることで、現在の入力回転から目標回転に
近づくため、アンダーシュート量及びオーバーシュート
量を小さくすることができる。
開始時の入力回転にオフセット値である初期値αREV
を設定したため、制御切り換え時のつながりが良くな
る。
の入力回転の目標である基本到達入力回転数TDsrR
EVとすることで、本制御の有無による違和感が無い。
のではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
る無段変速機の変速制御装置をトロイダル型無段変速機
に適用する場合について説明したが、本発明の変速制御
装置をVベルト式無段変速機に適用することもできる。
るトロイダル型無段変速機の縦断側面図である。
システムと共に示す縦断正面図である。
ブロック線図である。
である。
制御プログラムの全体を示すフローチャートである。
を示すフローチャートである。
ムチャートである。
ムチャートである。
る各値の設定の仕方を説明するためのタイムチャートで
ある。
る図である。
る図である。
ある。
制御を行った場合にアンダーシュートを示す入力回転特
性を示す図である。
れている変速マップ上でアンダーシュートした場合にロ
ックアップ禁止に入ることを示す図である。
を示す変速比タイムチャートである。
ク制御での積分分の偏差貯め込みと放出を示す変速比タ
イムチャートである。
Claims (7)
- 【請求項1】 運転者の操作状態及び車両の走行状態に
より定常的な目標値である定常目標値を設定する定常目
標値設定手段と、 設定された前記定常目標値と後述する変速時定数に基づ
いて変速途中の過渡的な目標値である過渡目標値を設定
する過渡目標値設定手段と、 定常目標値と過渡目標値との偏差に基づいて変速時定数
を算出する変速時定数算出手段と、 を備えた無段変速機の変速制御装置において、 車両走行状態により実際値が定常目標値に至るまでの間
を、変速前半の第1の制御領域と、変速後半の第2の制
御領域とに分ける領域分割変速制御に入る手段を有し、 前記定常目標値設定手段は、運転者の操作状態及び車両
の走行状態に基づいた最終的に到達させる基本定常目標
値と、 変速前半の第1の制御領域では、前記基本定常目標値よ
り現在値に近い値であって、入力回転の低下もしくは上
昇を待ち受けて回転を制限する第1の定常目標値と、 変速後半の第2の制御領域では、第2の制御領域に入っ
た時の実際値を前記基本定常目標値に収束させる第2の
定常目標値とを設定することを特徴とする無段変速機の
変速制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の無段変速機の変速制御装
置において、 前記定常目標値設定手段は、第1の制御領域で基本定常
目標値より現在値に近い値であって、入力回転の低下も
しくは上昇を待ち受けて回転を制限する一定値を第1の
定常目標値として設定し、 第2の制御領域に入った時点から基本定常目標値まで、
変速開始時の過渡目標値に基づいて設定された初期値及
び傾きにて連続的に変化する値を第2の定常目標値とし
て設定することを特徴とする無段変速機の変速制御装
置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の無段変速
機の変速制御装置において、 アクセル足離しによるアップシフト時、元々ロックアッ
プしていない車速領域、及び、アクセル足離しをしても
コースト線がロックアップ禁止回転までに余裕があり、
ロックアップ禁止回転まで下がることのない車速領域で
は通常変速制御を行い、前記領域分割変速制御に入らな
い手段としたことを特徴とする無段変速機の変速制御装
置。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3記載の無段変速
機の変速制御装置において、 アクセル踏み込みによるダウンシフト時、非ロックアッ
プ時にはロックアップ時よりも早めに、前記領域分割変
速制御に入る手段としたことを特徴とする無段変速機の
変速制御装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載の無段変速
機の変速制御装置において、 制御開始条件が成立する場合、制御開始時に決められた
目標入力回転数と予め設定された入力回転数の切り換え
設定値との大小が比較され、目標入力回転数が切り換え
設定値を超える時点で第1の制御領域から第2の制御領
域に切り換える手段としたことを特徴とする無段変速機
の変速制御装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5記載の無段変速
機の変速制御装置において、 走行状態により決まる定常目標値と、待ち受け回転制限
値として設定された第1の定常目標値との大小を比較
し、現在値が定常目標値より第1の定常目標値に近い場
合には、前記領域分割変速制御に入り、遠い場合には通
常の変速制御を行う手段としたことを特徴とする無段変
速機の変速制御装置。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項6記載の無段変速
機の変速制御装置において、 アクセル足離しによるアップシフト時であって、過渡目
標値が切り換え設定値を超えない第1の制御領域である
と判断された場合、アイドルオフでは、前記領域分割変
速制御に入らない手段としたことを特徴とする無段変速
機の変速制御装置。
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---|---|---|---|
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JP28042199A JP3651330B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 無段変速機の変速制御装置 |
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