JP3591395B2 - 車両用油圧式無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用油圧式無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転数フィードバック制御又は圧力フィードバック制御により変速比を制御する、車両用油圧式無段変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無段変速機が、変速比を連続的に制御することで変速ショックを回避できる点や燃料消費効率の優れた点に着目され、特に車両用の開発が盛んに行なわれている。このような無段変速機では、一般に油圧制御により変速比の制御を行なうようになっている。
【0003】
例えばベルト式無段変速機の場合、機関(エンジン)で発生した動力がベルトを介してプライマリプーリからセカンダリプーリへ伝達される。この際、通常はセカンダリプーリの油圧ピストンには伝達トルクなどの基本特性に合わせて設定された油圧(ライン圧)を作用させてベルトへのクランプ力を与えておき、プライマリプーリの油圧ピストンに作用させる油圧(プライマリ圧)を調整することで変速〔変速比(プライマリプーリとセカンダリプーリとの各有効半径比)の制御〕を行なう。
【0004】
車両用無段変速機の場合、このような変速制御は、一般に、プライマリプーリの回転数(回転速度)フィードバック制御により行なう。つまり、変速制御は、プライマリプーリの目標回転数を車速やスロットル開度に基づいて設定し、プライマリプーリの実回転数がこの目標回転数になるように、プライマリプーリ側に作用させる油圧を制御することで行なうようにしている。
【0005】
ところで、回転数センサでは、回転数が低速になるほど検出が困難になるのが一般的である。したがって、車両の極低速走行時或いは停止時には、プライマリプーリの回転数の検出が困難になるため、回転数フィードバック制御を実行することができず、オープンループ制御により、変速比をフル・ロー(最低速側の変速比)に制御している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オープンループ制御では、制御精度が悪いため次のような課題か生じる。
▲1▼プライマリ圧が高過ぎる場合には、渋滞路走行時に徐々にアップシフトしてしまい、発進性の悪化を招く。
【0007】
▲2▼プライマリ圧が低過ぎる場合、変速比が中間変速比となるおそれのある急ブレーキ直後の再発進などの際において、入力トルクを伝達しきれず、ベルトスリップを招くことがある。さらに、発進後車速が上がりアップシフトする際の応答性が悪化する不具合も招く。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、車両の極低速走行時や停止時にプライマリ圧を確保しつつ変速比を確実に目標値(例えばフル・ロー)に制御できるようにした、車両用油圧式無段変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の車両用油圧式無段変速機の変速制御装置では、通常時は、回転数フィードバック制御手段により、車両の車速と車両に搭載されたエンジンの負荷とから回転要素の目標回転数を設定し、実回転数が目標回転数になるように回転要素の油圧制御系をフィードバック制御し、車両が略停止状態(極低速走行状態或いは停止状態)にあることが検出されたら、切換手段によって、回転数フィードバック制御から圧力フィードバック制御手段による圧力フィードバック制御へと回転要素の油圧制御系の制御を切り換える。圧力フィードバック制御時には、油圧検出手段により、油圧制御系の実油圧を検出し、目標油圧設定手段により、油圧制御系の目標油圧を設定して、圧力フィードバック制御手段により、油圧検出手段で検出された実油圧が目標油圧設定手段で設定された目標油圧になるように回転要素の油圧制御系をフィードバック制御する。したがって、車両の極低速走行時や停止時においても、油圧を最適値に確保しつつ変速比を確実に目標値(例えばフル・ロー)に制御することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明すると、図1〜図3は本発明の一実施形態としての車両用油圧式無段変速機の変速制御装置を示すもので、これらの図に基づいて説明する。
まず、本実施形態にかかる車両の動力伝達機構について説明すると、図2(a),(b)に示すように、本動力伝達機構では、エンジン(内燃機関)1から出力された回転は、トルクコンバータ(トルコン)2を介してベルト式無段変速機(CVT)20に伝達され、さらにフロントデフ31へ伝達されるようになっている。
【0010】
そして、トルコン2の出力軸7とベルト式無段変速機20の入力軸24との間には、正転反転切換機構4が配設されており、エンジン1からトルコン2を介して入力される回転は、この正転反転切換機構4を介して無段変速機構20に入力されるようになっている。無段変速機20は、変速制御等を後述の油圧制御により行なう油圧式無段変速機となっている。
【0011】
この無段変速機構20をさらに詳述すると、無段変速機構20は、プライマリプーリ(無段変速機構20の回転要素)21とセカンダリプーリ22とベルト23とから構成されており、正転反転切換機構4からプライマリシャフト24に入力された回転は、プライマリシャフト24と同軸一体のプライマリプーリ21からベルト23を介してセカンダリプーリ22へ入力されるようになっている。
【0012】
プライマリプーリ21,セカンダリプーリ22はそれぞれ一体に回転する2つのシーブ21a,21b,22a,22bから構成されている。それぞれ一方のシーブ21a,22aは軸方向に固定された固定シーブであり、他方のシーブ21b,22bは油圧アクチュエータ(油圧ピストン)21c,22cによって軸方向に可動する可動シーブになっている。
【0013】
油圧ピストン21c,22cには、オイルタンク61内の作動油をオイルポンプ62で加圧して得られる制御油圧が供給され、これに応じて可動シーブ21b,22bの固定シーブ21a,22a側への押圧力が調整されるようになっている。セカンダリプーリ22の油圧ピストン22cには、調圧弁(ライン圧調整弁)63により調圧されたライン圧が加えられ、プライマリプーリ21の油圧ピストン21cには、調圧弁63により調圧された上で流量制御弁(変速比調整弁)64により流量調整された作動油が供給され、この作動油が変速比調整用油圧(プライマリ圧)Pとして作用するようになっている。また、調圧弁63は、ライン圧制御用ソレノイド63Aを電気信号によりデューティ制御することにより制御される。流量制御弁64は、変速制御用ソレノイド64Aを電気信号によりデューティ制御することにより制御され、変速ソレノイドバルブとも称する。
【0014】
なお、ライン圧は、ベルト23の滑りを回避して動力伝達性を確保できる範囲で可能な限り低い圧力にすることが、オイルポンプ62によるエネルギ損失の低減や変速機自体の耐久性を高める上で重要であり、伝達トルク,セカンダリプーリ22のベルトの掛かり半径と対応する値に基づいてベルト張力制御圧(ライン圧に対応する圧力)Pout を設定し、このベルト張力制御圧Pout に基づいて、調圧弁63を制御してオイルポンプ62の吐出圧を調圧することにより、ライン圧制御を行なうようになっている。
【0015】
また、セカンダリプーリ22の油圧ピストン22cに与えられるライン圧P及びプライマリプーリ21の油圧ピストン21cに与えられるプライマリ圧Pは、コントローラ(電子制御コントロールユニット=ECU)50の指令信号により、それぞれ制御されるようになっている。
つまり、ECU50には、エンジン回転数センサ(クランク角センサ又はカム角センサ)41,スロットル開度センサ46,プライマリプーリ21の回転数(回転速度)を検出するプライマリ回転センサ43,セカンダリプーリ22の回転数(回転速度)を検出するセカンダリ回転センサ44,ライン圧を検出するライン圧センサ45,変速比調整用油圧(プライマリ圧)Pを検出するプライマリ圧センサ(油圧検出手段)47,A/Fセンサ48,作動油の油温を検出する油温センサ(図示略)等の各検出信号が入力され、ECU50では、これらの検出信号に基づいて各プーリ21,22への油圧供給系にそなえられた調圧弁63や流量制御弁64を制御するようになっている。
【0016】
そして、図2(b)に示すように、ECU50には、上述の流量制御弁64の制御(変速比制御)を行なう機能(変速制御手段又はプライマリ圧制御手段)52と、調圧弁63の制御(ライン圧制御)を行なう機能(ライン圧制御手段)53とが設けられている。特に、変速制御手段52には、図1に示すように、プライマリプーリ(回転要素)21の油圧制御系である流量制御弁(変速比調整弁)64を回転数フィードバック制御する回転数フィードバック制御手段54と、流量制御弁64を圧力フィードバック制御する圧力フィードバック制御手段55と、回転数フィードバック制御と圧力フィードバック制御とを切り換える切換手段56とがそなえられる。
【0017】
このうち、回転数フィードバック制御手段54は、車両の車速に対応したパラメータ〔ここでは、車速に対応するセカンダリプーリ22の回転数(セカンダリ回転数)〕と車両に搭載されたエンジンの負荷(ここでは、アクセル開度)とからプライマリプーリ21の目標回転数を設定する目標プライマリ回転設定手段54Aと、プライマリ回転センサ43で検出されたプライマリプーリ21の実回転数Nと目標回転数NPTとの偏差ΔN(=NPT−N)を算出する算出手段(減算器)54Bと、この偏差ΔNにPID補正〔比例補正(P補正),積分補正(I補正),微分補正(D補正)〕を施すPID補正手段54Cと、この偏差ΔNにPID補正を施された制御量(変速デューティ)に基づいて、プライマリプーリ21の実回転数Nが目標回転数NPTになるように流量制御弁(変速比調整弁)64をフィードバック制御する。
【0018】
また、圧力フィードバック制御手段55は、ベルト式無段変速機20に入力される入力トルクからプライマリ圧の目標値(目標油圧としての目標プライマリ圧)PPTを設定する目標プライマリ圧設定手段(目標油圧設定手段)55Aと、プライマリ圧センサ47で検出されたプライマリ圧(プライマリプーリ21の油圧ピストン21cに与えられる作動油圧)Pと目標プライマリ圧PPTとの偏差ΔP(=PPT−P)を算出する算出手段(減算器)55Bと、この偏差ΔPにPID補正〔比例補正(P補正),積分補正(I補正),微分補正(D補正)〕を施すPID補正手段55Cと、この偏差ΔPにPID補正を施された制御量(変速デューティ)に基づいて、実プライマリ圧Pが目標プライマリ圧PPTになるように流量制御弁(変速比調整弁)64をフィードバック制御する。
【0019】
なお、プライマリプーリ21への入力トルクTinは、エンジンの定常回転時の出力トルクTeと、増大分出力トルクΔTeと、トルコン2のトルク比tとから次式に基づいて算出することができる。
Tin=(Te+ΔTe)×t
上式において、定常回転時の出力トルクTeとエンジントルク増大分ΔTeとの和(Te+ΔTe)がエンジン1の出力トルクに相当し、このエンジン出力トルク(Te+ΔTe)は、このトルク比tに応じて無段変速機構20のプライマリプーリ21に入力するために、トルク比tを乗算している。
【0020】
上式中のエンジンの定常回転時の出力トルクTeは、エンジン回転数センサ41で検出されたエンジン回転速度Neと、スロットル開度センサ46で検出されたスロットル開度θとから推定できるが、ここでは、エンジン回転速度Ne,スロットル開度θに対して出力トルクTeを対応させたマップを用いて出力トルクTeを求めるようにしている。なお、出力トルクTeは、このほか、エンジン回転速度Neと吸気充填効率A/Neとから求めてもよく、エンジン回転数Neと平均有効圧(トルク/排気量;目標Pe)とから求めてもよく、エンジン回転数Neとブースト圧とから求めてもよい。
【0021】
また、増大分出力トルクΔTeとは、エンジンの暖機中や加速時等のように、通常時よりもエンジンへの燃料供給量を増大した際にその分増大するエンジントルクである。このときの燃料供給量の増大は混合気の空燃比減少に対応するので、ここでは、排気通路にそなえたA/Fセンサ47の空燃比検出情報に基づいて、エンジントルク増大分ΔTeを求めるようにしている。なお、A/Fセンサ47をそなえない場合には、エンジン空燃比制御にかかる目標空燃比の情報に基づいて、エンジントルク増大分ΔTeを求めてもよい。
【0022】
トルク比tは、トルコン2の入出力速度比〔トルコン2の出力回転速度(=無段変速機構20のプライマリプーリ21の回転速度Ninをトルコン2の入力回転速度(=エンジン1の回転速度Ne)で除算した値(Nin/Ne)〕に基づいて算出することができる。
そして、切換手段56では、通常時は、回転数フィードバック制御手段54による回転数フィードバック制御により流量制御弁64を制御させ、車両が略停止状態(極低速走行状態或いは停止状態)にあることが検出されたら、回転数フィードバック制御から圧力フィードバック制御手段55による圧力フィードバック制御へと流量制御弁(油圧制御系)64の制御を切り換えるようになっている。
【0023】
なお、本実施形態では、車両が略停止状態にあるか否かを、車速に直接的に対応するセカンダリプーリ22の回転数(セカンダリ回転数)N及び車速に間接的に対応するプライマリプーリ21の回転数(プライマリ回転数)Nに基づいて判定するようになっている。
つまり、車両が走行中に、セカンダリ回転数Nが予め設定された微小な閾値NS1以下になるか又はプライマリ回転数Nが予め設定された微小な閾値NP1以下になったときには、車両が略停止状態になったと判定する。逆に、車両が略停止状態あるときに、セカンダリ回転数Nが予め設定された微小な閾値NS2(>NS1)以上になり且つプライマリ回転数Nが予め設定された微小な閾値NP2(>NP1)以上になったときには、車両が走行状態に復帰したと判定する。
【0024】
このようにセカンダリ回転数N及びプライマリ回転数Nの両方を用いて車両が略停止状態になったか否か及び走行状態に復帰したか否かを判定しているのは、以下の理由による。
つまり、プライマリ回転数が正確に検出できない場合には、当然ながらプライマリ回転数をフィードバック制御できないからであり、また、セカンダリ回転数が正確に検出できない場合には、目標とするプライマリ回転の設定ができないので、やはり、プライマリ回転数をフィードバック制御できないからである。
【0025】
また、プライマリ回転センサ43及びセカンダリ回転センサ44の二つの回転数センサの情報に基づいて、両センサ43,44の検出値がいずれも各閾値NS2,NP2以上になったら車両が走行状態に復帰したと判定することにより、車両が走行状態に復帰したことを速やか且つ確実に判定できるようにしているのである。なお、判定閾値NS1とNS2,NP1とNP2に、ヒステリシスを設けているのは、制御のハンチングを防止して安定した制御を実現するためである。
【0026】
また、本実施形態では、圧力フィードバック制御の際に、プライマリ圧を適切に確保しつつ変速比をフル・ローに制御するようになっている。つまり、変速比をフル・ローに制御する場合、プライマリ圧をライン圧よりも低下させるが、この際、実プライマリ圧を認識しながら適切に低下させるようになっている。
もちろん、切換手段56では、車両が略停止状態から走行状態になったら、流量制御弁64の制御モードを圧力フィードバック制御から回転数フィードバック制御へと復帰させるようになっている。
【0027】
なお、流量制御弁64の制御は、変速制御ソレノイド64Aをデューティ制御することにより行なうが、この変速制御ソレノイド64Aの制御デューティは、演算手段(加算器)58において、回転数フィードバック制御手段54により算出された偏差ΔNにPID補正を施された制御量(変速デューティ)、又は、圧力フィードバック制御手段55により算出された偏差ΔPにPID補正を施された制御量(変速デューティ)を、油温,ライン圧,変速比,入力回転数とから変速基準デューティ算出手段57により算出された変速基準デューティに加算することにより算出する。なお、油温,ライン圧,入力回転数は、例えば油圧センサ,ライン圧センサ45,エンジン回転数センサ41の各検出結果から得ることができ、変速比は、例えばプライマリ回転センサ43で検出されたプライマリ回転数及びセカンダリ回転センサ44で検出されたプライマリ回転数から算出することができる。
【0028】
本発明の一実施形態としての車両用油圧式無段変速機の変速制御装置は、上述のように構成されているので、例えば図3のフローチャートに示すようにして変速制御が行なわれる。
つまり、まず、ステップS10で、変速基準デューティ算出手段57により、油温,ライン圧,変速比,入力回転数とから変速基準デューティを算出する。次に、ステップS20で、フラグFが1か否かを判定する。このフラグFは、車両が走行状態にあると判定されると1とされ、車両が略停止状態にあると判定されると0とされる。
【0029】
ここで、例えば、前回の制御周期で車両が走行状態であると判定されると、ステップS30,ステップS40に進み、ステップS30ではセカンダリ回転数Nが予め設定された閾値NS1よりも大であるか閾値NS1以下であるかを判定し、ステップS40ではプライマリ回転数Nが予め設定された閾値NP1よりも大であるか閾値NP1以下であるかを判定する。
【0030】
ステップS30でセカンダリ回転数Nが閾値NS1よりも大であると判定され、且つ、ステップS40でプライマリ回転数Nが閾値NP1よりも大であると判定されると、車両は走行状態を維持しているので、回転数フィードバック制御手段54により、プライマリプーリ21の回転数が目標値となるように流量制御弁64を制御する。
【0031】
つまり、ステップS50に進み、目標プライマリ回転設定手段54Aにより、車両の車速に対応したパラメータ(ここでは、セカンダリ回転数)と車両に搭載されたエンジンの負荷(ここでは、アクセル開度)とからプライマリプーリ21の目標回転数を設定する。そして、ステップS60に進み、算出手段54Bにより、プライマリプーリ21の実回転数Nと目標回転数NPTとの偏差ΔN(=NPT−N)を算出し、PID補正手段54Cにより、この偏差ΔNにPID補正を施す。
【0032】
さらに、ステップS70でフラグFを1に保持して、ステップS80に進み、ステップS10で算出した変速基準デューティと、ステップS60で求めた変速デューティ(偏差ΔNにPID補正を施された制御量)とに基づいて、変速制御ソレノイド64Aをデューティ制御により駆動する。
一方、ステップS30でセカンダリ回転数Nが閾値NS1以下であると判定された場合、又は、ステップS40でプライマリ回転数Nが閾値NP1以下であると判定された場合には、車両は略停止状態になったとして、圧力フィードバック制御手段55により、プライマリプーリ21に作用する油圧が目標値となるように流量制御弁64を制御する。つまり、ステップS110に進み、目標プライマリ圧設定手段55Aにより、ベルト式無段変速機20に入力される入力トルクからプライマリ圧の目標値(目標プライマリ圧)PPTを設定する。そして、ステップS120に進み、算出手段55Bにより、実プライマリ圧Pと目標プライマリ圧PPTとの偏差ΔP(=PPT−P)を算出し、PID補正手段55Cにより、この偏差ΔPにPID補正を施す。
【0033】
さらに、ステップS130でフラグFを0にセットして、ステップS80に進み、ステップS10で算出した変速基準デューティと、ステップS120で求めた変速デューティ(偏差ΔPにPID補正を施された制御量)とに基づいて、変速制御ソレノイド64Aをデューティ制御により駆動する。
また、このように車両は略停止状態になったとしてフラグFが0にセットされると、ステップS20からステップS90,ステップS100に進み、ステップS90ではセカンダリ回転数Nが予め設定された閾値NS2以上であるか否かを判定し、ステップS100ではプライマリ回転数Nが予め設定された閾値NP2以上であるか否かを判定する。
【0034】
ステップS90でセカンダリ回転数Nが閾値NS2未満であると判定された場合、又は、ステップS100でプライマリ回転数Nが閾値NP2未満であると判定された場合には、車両は略停止状態を保持しているので、ステップS90,ステップS100,ステップS80により、流量制御弁64を圧力フィードバック制御する。また、ステップS130でフラグFを0に保持する。
【0035】
一方、ステップS90でセカンダリ回転数Nが閾値NS2以上あると判定され、且つ、ステップS100でプライマリ回転数Nが閾値NP2以上であると判定されると、車両は走行状態に復帰したので、ステップS50,ステップS60,ステップS80により、流量制御弁64を回転数フィードバック制御する。また、ステップS70でフラグFを1にセットする。
【0036】
このように、車両が略停止状態(極低速走行状態或いは停止状態)でない通常走行時には、切換手段56が、回転数フィードバック制御手段54による回転数フィードバック制御を選択し、流量制御弁64の変速制御ソレノイド64Aを回転数フィードバックによりデューティ制御して変速比を制御するので、回転数フィードバック制御によって、変速比が最適な状態になるようプライマリプーリ回転数が制御される。
【0037】
一方、車両が略停止状態(極低速走行状態或いは停止状態)の場合には、切換手段56が、回転数フィードバック制御手段54による回転数フィードバック制御から圧力フィードバック制御手段55による圧力フィードバック制御に切り換え、この圧力フィードバック制御により流量制御弁64の変速制御ソレノイド64Aをデューティ制御して、プライマリ圧Pを調整し変速比を制御するので、車両が略停止状態であってプライマリプーリ21の実回転数N等の回転速度の検出が困難な場合にも、圧力フィードバック制御によって、プライマリ圧を適切な値(目標プライマリ圧)にしながら、変速比をフル・ローに制御することができる。したがって、例えばプライマリ圧が過剰に高くなることもなく、渋滞路走行時に変速比が徐々にアップシフトしてオーバドライブ側になってしまったりすることも回避でき、発進性が良好に保たれる。また、プライマリ圧が過剰に低くなることもなく、再発進時のベルトスリップを確実に回避することができる。
【0038】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施しうるものである。
例えば、本実施形態では、車両が略停止状態の場合には変速比をフル・ローに制御しているが、変速比の制御はフル・ローに限定されない。つまり、ライン圧とプライマリ圧との関係から予想される中間変速比の状態に制御することも考えられる。
【0039】
また、車両が走行中か略停止中かの判定は、セカンダリ回転数N及びプライマリ回転数Nの一方のみ、又は、車速に関連する他のパラメータに基づいてもよい。
さらに、油圧制御系63,64はデューティソレノイドの制御に限らずリニアソレノイドを用いたポジション制御等他の制御も適用しうる。
【0040】
また、本発明は、ベルト式のものに限定されず油圧式無段変速機には広く適用でき、例えばトロイダル式等のものにも適用しうる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両用油圧式無段変速機の変速制御装置によれば、車両の略停止時、即ち、車両の極低速走行時や停止時において、回転要素に供給される油圧を確保しつつ変速比を確実に目標値(例えばフル・ロー)に制御することが可能になる。また、油圧が過剰に高くならないため、渋滞路走行時に変速比が徐々にアップシフトしてオーバドライブ側になってしまったりすることも回避でき、発進性が良好に保たれる。さらに、油圧が過剰に低くならないため、再発進時のベルトスリップを確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての車両用油圧式無段変速機の変速制御装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる油圧式無段変速機付き車両の動力伝達系を説明するための模式図であり、(a)はその無段変速機を含んだ動力伝達系の模式的構成図、(b)はその無段変速機の構成図である。
【図3】本発明の一実施形態としての車両用油圧式無段変速機の変速制御装置による制御内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
20 油圧式無段変速機
21 プライマリプーリ(回転要素)
47 プライマリ圧センサ(油圧検出手段)
52 変速制御手段
53 ライン圧制御手段
54 回転数フィードバック制御手段
54A 目標プライマリ回転設定手段
55 圧力フィードバック制御手段
55A 目標プライマリ圧設定手段(目標油圧設定手段)
56 切換手段
63 調圧弁(ライン圧調整弁)
64 流量制御弁(油圧制御系,変速比調整弁)

Claims (1)

  1. 車両の車速と該車両に搭載されたエンジンの負荷とから回転要素の目標回転数を設定し、実回転数が該目標回転数になるように該回転要素の油圧制御系をフィードバック制御する回転数フィードバック制御手段を有する車両用油圧式無段変速機の変速制御装置において、
    該油圧制御系に供給される実油圧を検出する油圧検出手段と、
    該油圧制御系に供給される目標油圧を設定する目標油圧設定手段と、
    該油圧検出手段で検出された実油圧が該目標油圧設定手段で設定された目標油圧になるように該回転要素の油圧制御系をフィードバック制御する圧力フィードバック制御手段と、
    通常時は、該回転数フィードバック制御手段による回転数フィードバック制御により該回転要素の油圧制御系を制御させ、該車両が略停止状態にあることが検出されたら、該回転数フィードバック制御から該圧力フィードバック制御手段による圧力フィードバック制御へと該回転要素の油圧制御系の制御を切り換える切換手段とをそなえている
    ことを特徴とする、車両用油圧式無段変速機の変速制御装置。
JP33160799A 1999-11-22 1999-11-22 車両用油圧式無段変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP3591395B2 (ja)

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