JP4101450B2 - 無段変速機の発進時変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の発進時変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機の発進時変速制御、特に、変速制御油圧が発生していないエンジン停止状態で車両牽引などにより無段変速機が高速側変速比にされた状態からエンジンの始動により発進が行われた時における変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル型無段変速機やVベルト式無段変速機などの無段変速機は、エンジンからの入力回転を無段階に変速して出力することができ、変速品質が有段の変速機に較べて良好である。
無段変速機の変速に際しては、変速機入出力軸と共に回転するパルスギヤを設け、これに対設した磁気ピックアップやホールICセンサより入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを取り出し、これら入出力回転パルスを基に実変速比を求めてこれが目標変速比になるよう変速させるのが常套である。
【0003】
ここで実変速比の求め方を、入出力回転数の上昇により図5のごとく入力回転パルスおよび出力回転パルスの周期が徐々に短くなる場合について説明するに、出力回転パルスおよび入力回転パルスの2周期時間t0,t1,t2・・・およびT0,T1・・・を計測し続け、入出力回転パルスの2周期時間の計測終了の度に、直前における入力回転パルスの2周期計測時間を出力回転パルスの2周期計測時間により除算して、実変速比(T0/t0),(T0/t1),(T1/t1),(T1/t2)を図5に示すように求める。
かように入出力回転パルスの周期から実変速比を求める場合、常用回転域においてはパルス周期が短くて高精度に実変速比を求めることができる。
【0004】
しかし、入出力軸の常用回転数が異なることから入出力パルスギヤ間で歯数を異ならせてあるため、入出力回転パルスの周期計測終了タイミング(データ更新タイミング)が異なること、またノイズ除去のためのフィルター演算処理を行っているため、1度程度のデータ更新では実変速比の演算精度が出ないことなどとも相まって、発進直後のような極低回転域においては入出力回転パルスの周期が計測限界を超えることとなって実際上は実変速比を演算することができない。
この場合、通常は実変速比を差し支えない固定値(通常は最もロー側の変速比を設定する)として変速制御に資するのが普通であった。
【0005】
一方で無段変速機、特にトロイダル型無段変速機は、変速制御油圧が発生していないエンジン停止状態で車両の牽引などにより車輪側から回転力が逆入力されると勝手に高速側変速比にされる傾向にあり、この高速側変速比にされた状態からエンジンの始動により発進が行われると、以下の問題を生ずる。
つまり、この時無段変速機は発進故に目標変速比を当然最低速変速比にしているが、上記発進前の高速側変速比から当該最低速変速比への変速は車両の発進により回転が発生しないと行われ得ず、上記高速側変速比が選択された状態での発進(本明細書ではこれをハイ発進と言う)となる。
【0006】
このハイ発進時は高速側変速比故に運転者がトルク不足を感じて、発進時に踏み込んだアクセルペダルを更に踏み込み、これにより車両が発進して回転が発生すると直ちに発進前の高速側変速比から最低速変速比への変速が行われ、車輪駆動トルクの急増により車両の加速力が急に大きくなって運転者を戸惑わせるという問題を生ずる。
この問題はトロイダル型無段変速機の場合、変速応答が他の型式の無段変速機に較べて頗る速いために特に顕著となる。
なお発進後に回転数が、実変速比を上記の通り正確に演算可能な回転数となった時は、この実変速比が運転状態に応じて定めた目標変速比(発進故に最低速変速比)に追従するよう通常通りの変速制御が可能であるが、この時は上記の問題が発生して既に収まった後である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の問題解決のためには、ハイ発進時に目標変速比を最低速変速比ではなく一旦中間変速比とし、発進前の高速側変速比から一旦この中間変速比へとダウンシフトさせ、しかる後に発進時の通常の目標変速比である最低速変速比へとダウンシフトさせる等のハイ発進対策が考えられる。
【0008】
しかし、従来のように入出力回転パルスの周期から実変速比を求めるのでは、発進直後のような極低回転域において前記したごとく実変速比を演算することができないため、ハイ発進であることすら検知することができず、上記の対策を採用することができない。
【0009】
請求項1に記載の第1発明は、入出力回転パルスの周期からではなく、発生個数の対比により実変速比を求めれば、どんなにパルス周期が長くなっても、つまり発進直後のような極低回転域においても実変速比を確実に求めることができ、更に回転量が半回転程度でも実変速比を演算し得て、実変速比が発進前の高速側変速比から運転状態に応じた目標変速比(発進時故に最低速変速比)にダウンシフトし終える前にハイ発進の検知が可能であり、十分にハイ発進対策を採用し得るようになるとの事実認識にもとづき、この着想を具体化して上記の問題を解消した無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0010】
また、発明は、そのハイ発進の検知に際し、入力回転パルスの発生個数を基準にした簡易な手法により当該ハイ発進検知を行い得る無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0011】
請求項に記載の第発明は、第発明によるハイ発進の検知に際して用いる入力回転パルスの基準個数を、ハイ発進の検知がハイ発進対策の必要な間に完了してハイ発進対策による効果が一層確実なものとなるようにした無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0012】
請求項に記載の第発明は、第1発明によるハイ発進の検知に際し、出力回転パルスの発生個数を基準にした簡易な手法により当該ハイ発進検知を行い得る無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0013】
また、請求項に記載の第発明は、そのハイ発進の検知に際して用いる出力回転パルスの基準個数を、ハイ発進の検知がハイ発進対策の必要な間に完了してハイ発進対策による効果が一層確実なものとなるようにした無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0014】
請求項に記載の第発明は、そのハイ発進の検知に際し、原動機の始動後1回目の発進操作時から設定時間内における入出力回転パルスの発生個数を用いた簡易な手法により当該ハイ発進検知を行い得る無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0015】
請求項に記載の第発明は、そのハイ発進の検知に際して用いる設定時間を、ハイ発進の検知がハイ発進対策の必要な間に完了してハイ発進対策による効果が一層確実なものとなるようにした無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0016】
請求項に記載の第発明は、第1発明〜第発明によるハイ発進の検知が不要な車速域で無駄に当該検知が行われることのないようにした無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0017】
請求項に記載の第発明は、第1発明〜第発明によるハイ発進の検知が不要な入力回転域で無駄に当該検知が行われることのないようにした無段変速機の発進時変速制御装置を提案することを目的とする。
【0018】
請求項に記載の第発明は、第1発明〜第発明によるハイ発進の検知が行われた時に行うべきハイ発進対策の簡易な一手法を提案することを目的とする。
【0019】
請求項10に記載の第10発明は、第1発明〜第発明によるハイ発進の検知が行われた時に行うべき好適なハイ発進対策を提案することを目的とする。
【0020】
請求項11に記載の第11発明は、第1発明〜第発明によるハイ発進の検知が行われた時に行うべきハイ発進対策の別の簡易な一手法を提案することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
これら目的のため先ず第1発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、
原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される無段変速機を搭載した車両において、
前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0022】
また、発明による無段変速機の発進時変速制御装置は
前記入力回転パルスが所定数発生した時における前記出力回転パルスの発生数が設定値以上である時をもって前記ハイ発進と判定するよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第発明において、
前記入力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の入力回転量に対応させたことを特徴とするものである。
【0024】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第1発明において、
前記出力回転パルスが所定数発生した時における前記入力回転パルスの発生数が設定値未満である時をもって前記ハイ発進と判定するよう構成したことを特徴とするものである。
【0025】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される無段変速機を搭載した車両であって、前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成した無段変速機の発進時変速制御装置において、
前記出力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の出力回転量に対応させたことを特徴とするものである。
【0026】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される無段変速機を搭載した車両であって、前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成し、前記出力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の出力回転量に対応させた無段変速機の発進時変速制御装置において、
前記原動機が始動されて1回目の発進操作時から設定時間が経過するまでの間における前記入力回転パルスの発生数および前記出力回転パルスの発生数の比または差を基に前記ハイ発進を判定するよう構成したことを特徴とするものである。
【0027】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第発明において、
前記設定時間を、実変速比が目標変速比になる前の予定時間としたことを特徴とするものである。
【0028】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第1発明乃至第発明のいずれかにおいて、
前記出力回転パルスの周期から出力回転を求め得る高い車速域では前記ハイ発進判定を中止するよう構成したことを特徴とするものである。
【0029】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第1発明乃至第発明のいずれかにおいて、
前記入力回転パルスの周期から入力回転を求め得る高い入力回転域では前記ハイ発進判定を中止するよう構成したことを特徴とするものである。
【0030】
発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第1発明乃至第発明のいずれかにおいて、前記ハイ発進制御を以下のごときものとする。
つまり、前記ハイ発進判定時に前記高速側変速比および最低速変速比間における中間変速比を前記目標変速比とし、実変速比がこの中間変速比に一致または該中間変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に通常の変速制御に戻すようなハイ発進制御とする。
【0031】
10発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第1発明乃至第発明のいずれかにおいて、前記ハイ発進制御を以下のごときものとする。
つまり、前記目標変速比をハイ発進判定時に前記高速側変速比および最低速変速比間の中間変速比とし、前記入力回転パルスおよび出力回転パルスがそれぞれの周期から入力回転および出力回転を求めて実変速比を演算し得る回転域になった後は、前記目標変速比を前記中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比に向け変化させ、実変速比がこの好適変速比に一致または該好適変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に通常の変速制御に戻すようなハイ発進制御とする。
【0032】
11発明による無段変速機の発進時変速制御装置は、第1発明乃至第発明のいずれかにおいて、前記ハイ発進制御を以下のごときものとする。
前記目標変速比をハイ発進判定時に前記高速側変速比および最低速変速比間の中間変速比とし、前記入力回転パルスおよび出力回転パルスがそれぞれの周期から入力回転および出力回転を求めて実変速比を演算し得る回転域になった後は、設定時間中前記目標変速比を前記中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比に向け変化させ、該設定時間の経過時に通常の変速制御に戻すようなハイ発進制御とする。
【0033】
【発明の効果】
無段変速機は、原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される。
ところで第1発明による発進時変速制御装置は、原動機が始動された後1回目の発進操作時からの入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は当該高速側変速比から上記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行う。
【0034】
かように、始動後1回目の発進操作時からの入出力回転パルスの個数を対比して実変速比を求める第1発明によれば、発進直後のような極低回転域でパルス周期が極端に長くなる場合でも確実に実変速比を求めることができると共に、半回転程度での僅かな回転量でも実変速比を演算し得て実変速比が発進前の高速側変速比から運転状態に応じた目標変速比(発進時故に最低速変速比)にダウンシフトし終える前にハイ発進の検知が可能であり、十分に上記のハイ発進制御を採用し得てその対策効果を享受することができる。
【0035】
また、発明においては、入力回転パルスが所定数発生した時における出力回転パルスの発生数が設定値以上である時をもってハイ発進と判定するため、
そのハイ発進の検知に際し、入力回転パルスの発生個数を基準にした簡易な手法により当該ハイ発進検知を行うことができる。
【0036】
発明においては、第発明における入力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比(発進時故に最低速変速比)になる前の入力回転量に対応させたため、
ハイ発進の検知がハイ発進対策の必要な間に完了するのを保証してハイ発進対策による効果を一層確実なものにすることができる。
【0037】
発明においては、出力回転パルスが所定数発生した時における入力回転パルスの発生数が設定値未満である時をもってハイ発進と判定するため、
第1発明によるハイ発進の検知に際し、出力回転パルスの発生個数を基準にした簡易な手法により当該ハイ発進検知を行うことができる。
【0038】
発明においては、前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成したときにおける出力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比(発進時故に最低速変速比)になる前の出力回転量に対応させたため、
ハイ発進の検知がハイ発進対策の必要な間に完了するのを保証してハイ発進対策による効果を一層確実なものにすることができる。
【0039】
発明においては、原動機が始動されて1回目の発進操作時から設定時間が経過するまでの間における入力回転パルスの発生数および出力回転パルスの発生数の比または差を基にハイ発進を判定するため、
そのハイ発進の検知に際し、始動後1回目の発進操作時から設定時間内における入出力回転パルスの発生個数を用いた簡易な手法により当該ハイ発進検知を行うことができる。
【0040】
発明においては、第発明における設定時間を、実変速比が目標変速比(発進時故に最低速変速比)になる前の予定時間としたため、
ハイ発進の検知がハイ発進対策の必要な間に完了するのを保証してハイ発進対策による効果を一層確実なものにすることができる。
【0041】
発明においては、出力回転パルスの周期から出力回転を求め得る高い車速域では上記のハイ発進判定を中止するため、
ハイ発進の検知が不要な車速域で無駄に当該ハイ発進検知が行われるのを防止することができる。
【0042】
発明においては、入力回転パルスの周期から入力回転を求め得る高い入力回転域では上記のハイ発進判定を中止するため、
ハイ発進の検知が不要な入力回転域で無駄に当該ハイ発進検知が行われるのを防止することができる。
【0043】
発明においては、ハイ発進判定時に高速側変速比および最低速変速比間における中間変速比を目標変速比とし、実変速比がこの中間変速比に一致または該中間変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に通常の変速制御に戻すようなハイ発進制御としたため、簡易な手法でハイ発進対策を行うことができて大いに有利である。
【0044】
10発明においては、目標変速比をハイ発進判定時に高速側変速比および最低速変速比間の中間変速比とし、入力回転パルスおよび出力回転パルスがそれぞれの周期から入力回転および出力回転を求めて実変速比を演算し得る回転域になった後は、目標変速比を上記中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比に向け変化させ、実変速比がこの好適変速比に一致または該好適変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に通常の変速制御に戻すようなハイ発進制御としたため、
上記中間変速比から上記好適変速比に向かう間にショックが殆ど生じない好適な手法でハイ発進対策を行うことができる。
【0045】
11発明においては、目標変速比をハイ発進判定時に高速側変速比および最低速変速比間の中間変速比とし、入力回転パルスおよび出力回転パルスがそれぞれの周期から入力回転および出力回転を求めて実変速比を演算し得る回転域になった後は、設定時間中目標変速比を上記中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比に向け変化させ、該設定時間の経過時に通常の変速制御に戻すようなハイ発進制御としたため、この場合も簡易な手法でハイ発進対策を行うことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態になる発進時変速制御装置を具えた無段変速機を含む車両用パワーローラの制御系を示し、1は原動機としてのエンジン、2はトロイダル型無段変速機である。
エンジン1はイグニッションスイッチにより始動され、運転者が操作するアクセルペダルに連動してその踏み込みにつれ全閉から全開に向け開度増大するスロットルバルブにより出力を加減されるものとする。
【0047】
トロイダル型無段変速機2は、運転者がマニュアルレバーにより手動で選択するレンジ、例えば駐車(P)レンジ、後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進自動変速(D)レンジ、エンジンブレーキ(Ds)レンジに応じ、PレンジおよびNレンジではエンジン1からの入力回転を出力せず、従って駐停車を可能にし、Rレンジではエンジン1からの入力回転を逆転して出力することにより後退走行を可能にし、DレンジおよびDsレンジではエンジン1からの入力回転を無段変速下に出力して前進無段変速走行を可能にする。
【0048】
本実施の形態においては、発進時変速制御装置をハイ発進判定手段およびハイ発進制御手段の一体化ユニット3により構成し、これには、エンジン1の始動を検出するエンジン始動検出手段4からの信号と、トロイダル型無段変速機2がPレンジおよびNレンジ以外の走行レンジにされていて、且つ、エンジン1がアイドリング状態からアクセルペダルの踏み込みにより出力を上昇されたパワーオンを検出するパワーオン検出手段5からの信号と、トロイダル型無段変速機2の入力回転を検出する入力回転検出手段6からの信号と、トロイダル型無段変速機2の出力回転を検出する出力回転検出手段7からの信号とを入力する。
【0049】
ここで入力回転検出手段6および出力回転検出手段7はそれぞれ周知のごとく、トロイダル型無段変速機2の入力軸および出力軸と共に回転するパルスギヤと、これらパルスギヤの歯に指向させて対設した磁気ピックアップやホールICセンサとで構成し、これら磁気ピックアップやホールICセンサより、変速機入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび変速機出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスをユニット3に供給するものとする。
【0050】
トロイダル型無段変速機2の変速に際しては発進時も含めて通常、上記入出力回転パルスの周期をもとに、図5につき前述したごとくにして実変速比を求め、この実変速比が運転状態に応じて定めた目標変速比になるよう変速させるが、
変速比が高速側変速比にされている状態でのハイ発進時は特に、ユニット3内におけるハイ発進判定手段により当該ハイ発進を判定して同ユニット3内におけるハイ発進制御手段によりハイ発進対策用の目標変速比を決定し、これに向けての変速が行われるよう変速指令手段8を介してトロイダル型無段変速機2を制御する。
【0051】
ユニット3内におけるハイ発進判定手段およびハイ発進制御手段は、ユニット3への上記入力情報をもとに図2の制御プログラムを実行してハイ発進時変速制御を行うものとする。
図2の制御プログラムは、エンジン1のイグニッションスイッチがONされ、エンジンの始動が可能になった時に開始され、先ずステップ11において、後述する発進時変速比判定フラグFLAGが0か否かにより、エンジン始動後1回目の発進操作があった時にのみ行う変速比の判定(発進時変速比判定)が未だかどうかを判定する。
【0052】
発進時変速比判定が未だであれば、ステップ12においてエンジン1が始動していると判定し、ステップ13においてP,Nレンジ以外の走行レンジと判定し、ステップ14においてアクセルペダルが踏み込まれた(アクセルON)と判定する時に、つまりエンジン始動後1回目の発進操作があったと判定する時に、前記入出力回転パルスの発生個数を計数するパルスカウンターによるカウントを開始させ、以下の制御に資する。
【0053】
つまりステップ15で、エンジン始動後1回目の発進操作があった時からの入力回転パルスの発生個数が所定数Ninになったと判定する時、ステップ16において前記の発進時変速比判定フラグFLAGを1にセットし、更にステップ17で、エンジン始動後1回目の発進操作があった時からの出力回転パルスの発生個数が設定値Nout以上か否かを判定する。
発進時に図3のごとくに出現する入出力パルスを基に付言するに、エンジン始動後1回目の発進操作があってから瞬時TM1に両パルスの個数を計数するパルスカウンターがカウントを開始し、入力回転パルスの発生個数が所定数Nin(=4)になった瞬時TM2における出力回転パルスの発生個数が設定値Nout(=5)以上か否かを判定する
【0054】
なお発進時変速比判定フラグFLAGは、イグニッションスイッチがOFFにされるまで1に保持されるものとする。
図3に例示するように、エンジン始動後1回目の発進操作があった時からの入力回転パルスの発生個数が所定数Ninになった時に、出力回転パルスの発生個数が設定値Nout以上であるということは、基準の入力回転量に対する出力回転量が多くて高速側変速比であることを意味し、この時はエンジン始動後1回目の発進が当該高速側変速比のもとでのハイ発進であると判定する。
【0055】
逆にエンジン始動後1回目の発進操作があった時からの入力回転パルスの発生個数が所定数Ninになった時に、出力回転パルスの発生個数が設定値Nout未満であるということは、基準の入力回転量に対する出力回転量が少なくて低速側変速比であることを意味し、この時はエンジン始動後1回目の発進が当該低速側変速比のもとでのロー発進であると判定する。
【0056】
ここで入力回転パルスの発生個数に係わる上記の所定数Ninは、ハイ発進時において発進前の高速側変速比にある実変速比が発進時の目標変速比である最低速変速比になる前の変速機入力回転量(トロイダル型無段変速機の場合、図3に示すように例えば入力軸の1/3〜1/2回転)に対応した値とする。
また出力回転パルスの発生個数に係わる設定値Noutは、入力回転パルスの発生個数に係わる所定数Ninとの関連において、前記した問題を生ずるようなハイ発進であることを示すような高速側変速比に対応した値とする。
【0057】
ステップ17でハイ発進が検知された時は、ステップ18で、出力回転パルスの周期から図5につき前述したように出力回転を求め得るVchk以上の比較的高い車速域でないと判定し、且つステップ19で、入力回転パルスの周期から図5につき前述したように入力回転を求め得るNcnk以上の比較的高い入力回転域でないと判定したことを条件に、つまり実変速比が未だハイ発進を解消する変速比に戻っていないことを条件に、ステップ20において以下のごときハイ発進対策制御を行う。
【0058】
このハイ発進対策制御は、上記のハイ発進判定時に出力回転パルス数の設定値Noutに対応した高速側変速比と、発進時の目標変速比である最低速変速比との間における中間変速比(例えば1.26)を当初の目標変速比とし、実変速比がこの中間変速比に一致するか、または該中間変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に、通常の変速制御に戻す。
これにより、ハイ発進時に発進前の高速側変速比から発進時の目標変速比である最低速変速比へと一気に変速が進行することがなくなり、ハイ発進時における車輪駆動トルクの急増を回避して運転者を戸惑わせることのないようにすることができる。
【0059】
そして本実施の形態においては、エンジン始動後1回目の発進操作時からの入出力回転パルスの個数を対比することにより発進時の実変速比を求めてハイ発進かどうかを判定するため、発進直後のような極低回転域でパルス周期が極端に長くなる場合でも確実に実変速比を求め得て当該判定を行うことができると共に、半回転程度での僅かな回転量でも実変速比を演算し得て実変速比が発進前の高速側変速比から発進時の目標変速比である最低速変速比にダウンシフトし終える前にハイ発進の検知が可能であり、十分に上記のハイ発進対策制御を採用し得てその対策効果を享受することができる。
【0060】
しかも本実施の形態においては、入力回転パルスが所定数(Nin)発生した時における出力回転パルスの発生数が設定値(Nout)以上である時をもってハイ発進と判定するため、入力回転パルスの発生個数を基準にした簡易な手法によりハイ発進検知を行うことができる。
【0061】
なお、ハイ発進対策制御としては上記の代わりに図4に示すごときものでもよい。
図4は、瞬時TM0にアクセルペダルの踏み込みによりスロットル開度TVOを開いてエンジン始動後1回目の発進操作を行うことで入出力回転パルスが同図に示すごとくに発生し、これらパルスの個数を瞬時TM1より計数し始め、入力回転パルスの個数が所定数Nin(ここでは6個)発生した瞬時TM2における出力回転パルスの個数が設定値(Nout)以上であったため当該瞬時TM2にハイ発進と判定した場合についてのハイ発進対策制御を示す。
しかし、当該ハイ発進検知瞬時TM2においては未だ発進直後の極低回転のため、入出力回転パルスの周期から図5につき前述したようにして実変速比演算値iR を演算することができず、実変速比演算値iR はこの演算が可能な回転域となる瞬時TM3まで最低速変速比に対応した固定値にされ、瞬時TM3以後図示のごとくに演算される。
【0062】
ハイ発進対策制御としては、ハイ発進検知瞬時TM2に目標変速比iS を、ハイ発進判定用の高速側変速比と最低速変速比との間の中間変速比(例えば1.26)にし、この状態を、実変速比演算開始瞬時TM3から実変速比iR の演算が安定するのに必要な所定時間Δt1が経過する瞬時TM4まで保持する。
そして瞬時TM4以後目標変速比iS を、実変速比iR が矢αで示すようにショックなく緩やかに変化するような態様で中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比(発進時のため当初は最低速変速比)に向け変化させる。
以上のように決定した目標変速比iS に実変速比iR が追従するようにハイ発進時変速制御を実行するが、この場合も中間変速比(例えば1.26)を当初の目標変速比とするから、ハイ発進時に発進前の高速側変速比から発進時の目標変速比である最低速変速比へと一気に変速が進行することがなくなり、ハイ発進時における車輪駆動トルクの急増を回避して運転者を戸惑わせることのないようにすることができる。
【0063】
なお本実施の形態では、実変速比iR が運転状態に応じた好適変速比(発進時のため当初は最低速変速比)に一致または該好適変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した図4の瞬時TM5にハイ発進対策制御を終了して通常の変速制御に戻す。
このため、ハイ発進対策制御から通常の変速制御への復帰をショックなく好適に行うことができる。
【0064】
なお当該ショックの問題は若干残るが、図4の瞬時TM4から設定時間Δt2の経過時に無条件に通常の変速制御に戻すようにする場合、制御の簡易化を図ることができる
【0065】
図2のステップ11で発進時変速比判定が済んでいると判定したり、ステップ12でエンジン1が未だ始動していないと判定したり、ステップ13でP,Nレンジと判定したり、ステップ14でアクセルペダルが踏み込まれていないと判定する場合は、エンジン始動後1回目の発進操作があったと判定するに至らないから、ステップ21で前記のパルスカウンターを0にクリアして次回の制御に備えて制御を終了する。
【0066】
また、ステップ15でエンジン始動後1回目の発進操作があった時からの入力回転パルスの発生個数が所定数Nin未満であると判定した時や、ステップ17でエンジン始動後1回目の発進操作があった時からの出力回転パルスの発生個数が設定値Nout未満と判定するロー発進判定時も、ステップ20のハイ発進対策制御が不要であるから制御をそのまま終了する。
【0067】
更に、ステップ18で車速がVchk以上の比較的高い車速域であると判定したり、ステップ19で入力回転がNcnk以上の比較的高い入力回転域であると判定する場合は、ステップ20におけるハイ発進対策制御を行うことなく制御をそのまま終了させることから以下の作用効果が得られる。
例えば、エンジン始動後に下り坂をクリープ走行させながら1回目の発進操作を行う発進時は、1回目の発進操作時に運転状態に応じた高速側変速比になっているが、この場合ような状態をもハイ発進と判定して目標変速比を中間変速比とするのでは、運転状態に応じた高速側変速比から中間変速比への無用な変速が発生してしまうことになる。
しかし図2では、Vchk以上の比較的高い車速域である時や、Ncnk以上の比較的高い入力回転域である時にステップ20をスキップすることから、当該状態をハイ発進と誤判定して無用なハイ発進対策制御が行われる弊害をなくすことができる。
【0068】
なお上記した実施の形態においては、ハイ発進の判定に際し、エンジン始動後1回目の発進操作時からの入力回転パルスが所定数(Nin)発生した時における出力回転パルスの発生数が設定値(Nout)以上である時をもってハイ発進と判定するようにしたが、
この代わりに、出力回転パルスが所定数発生した時における入力回転パルスの発生数が設定値未満である時をもってハイ発進と判定するようにしたり、
又は、エンジン始動後1回目の発進操作時から設定時間が経過するまでの間における入力回転パルスの発生数および出力回転パルスの発生数の比または差を基にハイ発進を判定するようにしても同様の作用効果を奏し得ることは言うまでもない。
ここで前者の場合は、出力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の出力回転量に対応させ、後者の場合は設定時間を、実変速比が目標変速比になる前の予定時間にすること勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる発進時変速制御装置を示すトロイダル型無段変速機搭載車のパワートレーン、およびその発進時変速制御システムを示す概略系統図である。
【図2】 同発進時変速制御装置が実行する発進時変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図3】 同発進時変速制御装置が行うハイ発進判定動作を示す変速機入出力回転パルスのタイムチャートである。
【図4】 本発明の他の実施の形態になる発進時変速制御装置が行うハイ発進対策制御を示す動作タイムチャートである。
【図5】 無段変速機における実変速比の演算動作を示す変速機入出力回転パルスのタイムチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 トロイダル型無段変速機
3 ハイ発進判定手段およびハイ発進制御手段の一体化ユニット
4 エンジン始動検出手段
5 パワーオン検出手段
6 入力回転検出手段
7 出力回転検出手段
8 変速指令手段

Claims (11)

  1. 原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される無段変速機を搭載した車両であって
    前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成した無段変速機の発進時変速制御装置において、
    前記入力回転パルスが所定数発生した時における前記出力回転パルスの発生数が設定値以上である時をもって前記ハイ発進と判定するように構成したことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  2. 請求項において、前記入力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の入力回転量に対応させたことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  3. 請求項1において、前記出力回転パルスが所定数発生した時における前記入力回転パルスの発生数が設定値未満である時をもって前記ハイ発進と判定するよう構成したことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  4. 原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される無段変速機を搭載した車両であって、
    前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成した無段変速機の発進時変速制御装置において、
    前記出力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の出力回転量に対応させたことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  5. 原動機からの入力回転を無段階に変速して出力回転となし、入力回転に応じた周期で発生する入力回転パルスおよび出力回転に応じた周期で発生する出力回転パルスを基に求めた実変速比が目標変速比になるよう変速制御される無段変速機を搭載した車両であって、
    前記原動機が始動された後1回目の発進操作時からの前記入力回転パルスおよび出力回転パルスの個数を対比して高速側変速比でのハイ発進を判定し、このハイ発進判定時は該高速側変速比から前記目標変速比へのダウンシフトを制限するハイ発進制御を行うよう構成し、
    前記出力回転パルスに係わる所定数を、実変速比が目標変速比になる前の出力回転量に対応させた無段変速機の発進時変速制御装置において、前記原動機が始動されて1回目の発進操作時から設定時間が経過するまでの間における前記入力回転パルスの発生数および前記出力回転パルスの発生数の比または差を基に前記ハイ発進を判定するよう構成したことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  6. 請求項において、前記設定時間を、実変速比が目標変速比になる前の予定時間としたことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項において、前記出力回転パルスの周期から出力回転を求め得る高い車速域では前記ハイ発進判定を中止するよう構成したことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項において、前記入力回転パルスの周期から入力回転を求め得る高い入力回転域では前記ハイ発進判定を中止するよう構成したことを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項において、前記ハイ発進制御は、前記ハイ発進判定時に前記高速側変速比および最低速変速比間における中間変速比を前記目標変速比とし、実変速比がこの中間変速比に一致または該中間変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に通常の変速制御に戻すものであることを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項において、前記ハイ発進制御は、前記目標変速比をハイ発進判定時に前記高速側変速比および最低速変速比間の中間変速比とし、前記入力回転パルスおよび出力回転パルスがそれぞれの周期から入力回転および出力回転を求めて実変速比を演算し得る回転域になった後は、前記目標変速比を前記中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比に向け変化させ、実変速比がこの好適変速比に一致または該好適変速比との偏差が設定値以内になるよう接近した時に通常の変速制御に戻すものであることを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
  11. 請求項1乃至のいずれか1項において、前記ハイ発進制御は、前記目標変速比をハイ発進判定時に前記高速側変速比および最低速変速比間の中間変速比とし、前記入力回転パルスおよび出力回転パルスがそれぞれの周期から入力回転および出力回転を求めて実変速比を演算し得る回転域になった後は、設定時間中前記目標変速比を前記中間変速比から徐々に運転状態に応じた好適変速比に向け変化させ、該設定時間の経過時に通常の変速制御に戻すものであることを特徴とする無段変速機の発進時変速制御装置。
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