JP3938839B2 - 自動変速機のピストンストローク終了判断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の摩擦要素のうちの少なくとも2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結することにより選択した変速段を決定する自動変速機であって、これら摩擦要素のうちの最後に締結される第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを、前記自動変速機の入力回転の変化を表す状態量に基づいて判断するピストンストローク終了判断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動変速機は、複数のクラッチやブレーキ等の摩擦要素を選択的に油圧作動(締結)させることにより歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定し、トルクコンバータを経て入力されたエンジン回転を選択変速段に応じたギヤ比で回転・トルク変換して出力する。つまり、自動変速機は、締結作動させる摩擦要素を切り換えることにより他の変速段を変更して、所謂、変速を実行する。
【0003】
ところで上記変速制御を行う摩擦要素の状態に応じて、変速の進行度合いを管理する場合、摩擦要素の状態を推定する必要があるが、その例としては従来、例えば特開平4−366063号公報に記載されている通り、自動変速機を中立レンジから前進レンジに切り替えたセレクト時や中立レンジから後進レンジに切り替えたセレクト時のセレクト変速に際し締結作動させるべき発進用摩擦要素がピストンストロークを終了して締結容量を持ち始めたのを、つまり発進用摩擦要素が締結し始めたのを、セレクト操作後にトルクコンバータの入出力回転比で表される速度比が変速機入力回転数の低下を示すように減少した時をもって推定して、締結開始前は発進用摩擦要素の作動油圧をストロークが適切に行われるようストローク制御し、締結開始後は発進用摩擦要素の作動油圧をセレクト変速が適切に進行するよう容量制御するというように、トルクコンバータ速度比の変化から発進用摩擦要素のストローク終了(締結開始)を推定するようにしたものが知られている。
【0004】
特に、2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結させることにより選択された変速段を決定する自動変速機では、これら摩擦要素のうちの最後に締結される第1の摩擦要素により変速が進行するため、良い変速ショックを成立させるためには、上記第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の摩擦要素を異なるタイミングで締結させる自動変速機にあっては、上記第1の摩擦要素の1つ前に行われる第2の摩擦要素の締結時に自動変速機の入力回転であるタービン回転Ntが微小変化するため、第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと誤って検出してしまう恐れがある。この問題の発生は、特に、摩擦要素の締結時に生じる引き摺りが大きくなりやすい自動変速機の低油温時には顕著である。
【0006】
具体例として、図5を参照して中立レンジ(N)から後進レンジ(R)にセレクト操作を行った時の切り替え変速を説明する。なお、このN→R変速は、リバースクラッチR/CおよびローリバースブレーキLR/Bの2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結させることにより行われるものとする。
【0007】
図5は、上記セレクト操作を説明するためのタイムチャートであって、(a)はセレクト操作によって選択されたレンジを示す信号、(b)はリバースクラッチR/CおよびローリバースブレーキLR/Bそれぞれに供給される油圧PRおよび油圧PL、(c)はエンジン回転数Neおよびタービン回転数Ntを示す。
【0008】
N→R変速を開始する際は、その他のクラッチ締結による引き摺りなどのため、理論上は、動力伝達系が中立(ニュートラル)でも、図5(b)に示す如くのリバースクラッチR/Cの急激な締結によって、タービン回転数Ntが図5(c)に示す如く、ΔNtだけ僅かに下降し、この微小な回転数の低下ΔNtがピストンストロークの終了を誤検出してしまう原因となる。
【0009】
また上記ニュートラルは、理論上、リバースクラッチR/Cだけを締結する場合も可能であるが、制御は解放状態にある摩擦要素であっても、実際には微少なトルクを伝達してしまい、この微少トルクが伝達される現象は低温状態において顕著である。
【0010】
一方、N→D変速やN→R変速において、変速前の入力回転数、即ち、変速前のタービン回転数Ntは、エンジントルク、トルクコンバータの伝達トルク、動力伝達系の摩擦要素の引き摺りトルクの微妙な関係で決定されるため、動力伝達系の伝達トルクが僅かでも変わると、この伝達トルクの変化が直ちにタービン回転数Ntの変化となって現れる。
【0011】
従って、リバースクラッチR/Cだけを締結することでニュートラルとした場合のN→R変速でも、動力伝達系の伝達トルクの変化によってタービン回転数Ntが変動することが考えられ、このタービン回転数Ntの変動によって、ピストンストロークの終了を誤検出してしまうこともあり得る。
【0012】
本発明は、上述した事実に鑑みてなされたものであって、少なくとも2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結する自動変速機において、これら摩擦要素のうち、最後に締結される第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークの終了を適切に判断できる自動変速機のピストンストローク終了判断装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、先ず第1発明に係る自動変速機のピストンストローク終了判断装置は、複数の摩擦要素のうちの少なくとも2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結することにより選択した変速段を決定する自動変速機であって、これら摩擦要素のうちの最後に締結される第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを、前記自動変速機の入力回転の変化を表す状態量に基づいて判断するピストンストローク終了判断装置において、前記第1の摩擦要素の1つ前に締結される摩擦要素を第2の摩擦要素として、この第2の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了する以前に、前記第1の摩擦要素のピストンの前記ストロークを開始し、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断し、該第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するまでは、前記第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断しないようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
また第2発明に係る自動変速機のピストンストローク終了判断装置は、上記第1発明において、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、タイマーによって計測された時間が予め設定された所定時間を経過したときをもってなされる。
【0015】
また第3発明に係る自動変速機のピストンストローク終了判断装置は、上記第1発明において、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、前記第2の摩擦要素に油圧を検出する油圧検出手段を設け、この手段によって検出された前記第2の摩擦要素の作動油圧が予め設定された所定値に達したときをもってなされる。
【0016】
第4発明に係る自動変速機のピストンストローク終了判断装置は、上記第1発明において、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、該第2の摩擦要素のピストンのストローク量を検出する手段を設け、この手段によって検出されたストローク量が所定値に達したときをもってなされる。
【0017】
第5発明に係る自動変速機のピストンストローク終了判断装置は、上記第1発明において、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、前記第2の摩擦要素の締結によって生じる自動変速機の入力側回転の変化を表す状態量が検知されたときをもってなされる。
【0018】
第6発明に係る自動変速機のピストンストローク終了判断装置は、上記第1発明乃至第5発明のいずれか一発明において、自動変速機内から検出された油温が予め設定された所定値を上回る場合は、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断することなく、前記第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する。
【0019】
【発明の効果】
本発明に係るピストンストローク終了判断装置は、複数の摩擦要素のうちの少なくとも2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結することにより選択した変速段を決定する自動変速機であって、これら摩擦要素のうちの最後に締結される第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを、前記自動変速機の入力回転の変化を表す状態量に基づいて判断するものである。
【0020】
第1発明装置によれば、第1の摩擦要素の1つ前に締結される摩擦要素を第2の摩擦要素として、この第2の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了する以前に、前記第1の摩擦要素のピストンの前記ストロークを開始し、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断し、この第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するまでは、第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断しないようにする。このため、第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したどうかを判断する際、第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了するまでに他の摩擦要素に発生した引き摺りなどの影響を排除することができる。
【0021】
従って本発明は、第2の摩擦要素におけるピストンストロークが終了するまでに他の摩擦要素に発生した引き摺りなどの影響によって第1の摩擦要素におけるピストンストロークが終了したとの誤った判断を防止できるから、第1の摩擦要素におけるピストンストロークの終了を適切に判断できる。
【0022】
第2発明は、上記第1発明において、タイマーによって計測された時間が予め設定された所定時間を経過したときをもって、第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するから、第1発明の作用効果をさらに確実に達成することができる。
【0023】
第3発明は、上記第1発明において、第2の摩擦要素に油圧を検出する油圧検出手段を設け、この手段によって検出された第2の摩擦要素の油圧が予め設定された所定値に達したときをもって、上記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するから、第1発明の作用効果をさらに確実に達成することができる。
【0024】
第4発明は、上記第1発明において、第2の摩擦要素のピストンのストローク量を検出する手段を設け、この手段によって検出されたストローク量が所定値に達したときをもって、上記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するから、第1発明の作用効果をさらに確実に達成することができる。
【0025】
第5発明は、上記第1発明において、第2の摩擦要素の締結によって生じる自動変速機の入力側回転の変化を表す状態量が検知されたときをもって、上記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するから、このピストンストローク終了を既存の情報から判断できれるため、第1発明の作用効果をさらに確実に達成することができる。
【0026】
第6発明は、上記第1発明乃至第5発明のいずれか一発明において、自動変速機内から検出された油温が予め設定された所定値を上回る場合は、第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断することなく、第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する。つまり、第2の摩擦要素の締結により生じる入力側回転の変動に伴い、第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したことを誤って判断するのは、低油温時で顕著に生じるため、そのときだけ第1発明による対策を行い、常温以上の上記誤判断が生じない状況では従来通りの制御を実行することができる。
【0027】
従って第6発明は、摩擦要素を締結する際に大きな引き摺りを生じやすい温度条件を排除して上記ピストンストロークの終了を判断できるから、第1発明の作用効果をより一層確実に達成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明一実施の形態になる自動変速機のピストンストローク終了判断装置およびセレクト変速制御装置を示し、1はエンジン、2は自動変速機である。
エンジン1は、運転者が操作するアクセルペダルに連動してその踏み込みにつれ全閉から全開に向け開度増大するスロットルバルブにより出力を加減され、エンジン1の出力回転はトルクコンバータ3を経て自動変速機2の入力軸4に入力されるものとする。
【0029】
自動変速機2は、同軸突き合わせ関係に配置した入出力軸4,5上にエンジン1の側から順次フロントプラネタリギヤ組6およびリヤプラネタリギヤ組7を載置して具え、これらを自動変速機2における遊星歯車変速機構の主たる構成要素とする。
エンジン1に近いフロントプラネタリギヤ組6は、フロントサンギヤSF 、フロントリングギヤRF 、これらに噛合するフロントピニオンPF 、および該フロントピニオンを回転自在に支持するフロントキャリアCFよりなる単純遊星歯車組とし、
エンジン1から遠いリヤプラネタリギヤ組7も、リヤサンギヤSR 、リヤリングギヤRR 、これらに噛合するリヤピニオンPR 、および該リヤピニオンを回転自在に支持するリヤキャリアCRよりなる単純遊星歯車組とする。
【0030】
遊星歯車変速機構の伝動経路(変速段)を決定する摩擦要素としてはロークラッチL/C、2速・4速ブレーキ2−4/B、ハイクラッチH/C、ローリバースブレーキLR/B、ローワンウエイクラッチL/OWC、およびリバースクラッチR/Cを、以下のごとく両プラネタリギヤ組6,7の構成要素に相関させて設ける。
つまり、フロントサンギヤSF はリバースクラッチR/Cにより入力軸4に適宜結合可能にすると共に、2速・4速ブレーキ2−4/Bにより適宜固定可能とする。
【0031】
フロントキャリアCF はハイクラッチH/Cにより入力軸4に適宜結合可能にする。
フロントキャリアCF は更に、ローワンウエイクラッチL/OWCによりエンジン回転と逆方向の回転を阻止すると共に、ローリバースブレーキLR/Bにより適宜固定可能とする。
そしてフロントキャリアCF と、リヤリングギヤRR との間を、ロークラッチL/Cにより適宜結合可能とする。
フロントリングギヤRF およびリヤキャリアCR 間を相互に結合し、これらフロントリングギヤRF およびリヤキャリアCRを出力軸6に結合し、リヤサンギヤSR を入力軸4に結合する。
【0032】
上記遊星歯車変速機構の動力伝達列は、摩擦要素L/C,2−4/B,H/C,LR/B,R/Cの図2に実線の〇印で示す選択的油圧作動(締結)と、ローワンウェイクラッチL/OWCの同図に実線の〇印で示す自己係合とにより、前進第1速(1st)、前進第2速(2nd)、前進第3速(3rd)、前進第4速(4th)の前進変速段と、後退変速段(Rev )とを得ることができる。
なお図2に点線の〇印で示す油圧作動(締結)は、エンジンブレーキが必要な時に作動させるべき摩擦要素である。
【0033】
図2に示す変速制御用摩擦要素L/C,2−4/B,H/C,LR/B,R/Cの締結論理は図1に示すコントロールバルブボディー8により実現し、このコントロールバルブボディー8には図示せざるマニュアルバルブの他に、ライン圧ソレノイド9、ロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13などを挿置する。
【0034】
ライン圧ソレノイド9はそのON,OFFにより、変速制御の元圧であるライン圧を高低切り替えし、図示せざるマニュアルバルブは、希望する走行形態に応じて運転者により前進走行(D)レンジ位置、後退走行(R)レンジ位置、または駐停車(P,N)レンジ位置に操作されるものとする。
【0035】
Dレンジでマニュアルバルブは、上記のライン圧を元圧としてロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13のデューティ制御により対応するロークラッチL/C、2速・4速ブレーキ2−4/B、ハイクラッチH/C、ローリバースブレーキLR/Bの作動油圧を個々に制御し得るようライン圧を所定の回路に供給し、当該各ソレノイドのデューティ制御により図2に示した第1速〜第4速の締結論理を実現するものとする。
【0036】
Rレンジでマニュアルバルブは、ライン圧をリバースクラッチR/Cに直接的に供給してこれを締結作動させ、一方でローリバースブレーキソレノイド13が上記のデューティ制御によりローリバースブレーキLR/Bの作動油圧を時系列制御してこれを締結作動させ、これらにより図2に示した後退の締結論理を実現するものとする。
【0037】
なおP,Nレンジでマニュアルバルブはライン圧をどの回路にも供給せず、全ての摩擦要素を解放状態にすることにより自動変速機を中立状態にする。
【0038】
ライン圧ソレノイド9のON,OFF制御、およびロークラッチソレノイド10、2速・4速ブレーキソレノイド11、ハイクラッチソレノイド12、ローリバースブレーキソレノイド13のデューティ制御はそれぞれ変速機コントローラ14により実行し、
そのために変速機コントローラ14には、エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ15からの信号と、
トルクコンバータ3の出力回転数(変速機入力回転数)であるタービン回転数Nt を検出するタービン回転センサ16からの信号と、
自動変速機2の出力軸5の回転数NO を検出する出力回転センサ17からの信号と、
選択レンジを検出するインヒビタスイッチ18からの信号とをそれぞれ入力する。
【0039】
Dレンジでの自動変速作用を説明するに、変速機コントローラ14は図示せざる制御プログラムを実行し、インヒビタスイッチ18からの入力信号に応じた予定の変速マップをもとにスロットル開度TVOおよび変速機出力回転数NO (車速)から、現在の運転状態において要求される好適変速段を検索する。
【0040】
次いで変速機コントローラ14は、現在選択中の現状変速段が好適変速段と一致しているか否かを判定し、不一致なら変速指令を発して好適変速段への変速が実行されるよう、つまり図2の締結論理表にもとづき当該変速のための摩擦要素の締結、解放切換えが行われるようソレノイド10〜13のデューティ制御により、当該摩擦要素の作動油圧を変更する。
【0041】
ここで本発明によるピストンストローク終了判断装置の作用を図3のフローチャートおよび図4のタイムチャートを参照して詳細に説明する。
【0042】
図3のフローチャートは、変速機コントローラ14において、制御サイクルに従って予め設定された所定時間ごとに繰り返し実行されるものであって、中立レンジ位置(N)から後進走行レンジ位置(R)への切り替えによるN→R変速は、ローリバースブレーキLR/BおよびリバースクラッチR/Cの2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結することによって達成され、中立レンジ位置(N)から前進走行レンジ位置(D)への切り替えによるN→D変速は、1つの摩擦要素だけを締結することによって達成される。
【0043】
なお、本実施形態のN→R変速においては、ローリバースブレーキLR/Bを最後に締結される第1の摩擦要素とし、リバースクラッチR/CをローリバースブレーキLR/Bの1つ前に締結される第2の摩擦要素とするが、他の実施形態として、リバースクラッチR/Cを第1の摩擦要素とし、ローリバースブレーキLR/Bを第2の摩擦要素としてもよい。
【0044】
先ずステップ11では、エンゲージメント判断、即ち、変速を行うため、変速段の切り替え判断が行われた直後であるかを判断し、変速段の切り替え判断が行われた直後であると判断されると、変速動作が実際に開始されるものとして、ステップ12に移行し、このステップ12にて、変速開始前のタービン回転数Nt(init)を設定し、ステップ13に移行する。なお、変速動作が既に継続中である場合は、ステップ11では、変速段の切り替え判断が行われた直後でないと判断され、ステップ11からステップ13に直接移行する。
【0045】
ステップ13では、現在の変速が中立レンジ位置(N)から前進走行レンジ位置(D)への切り替えによるN→D変速であるかどうかを判断する。ステップ13にてN→D変速であると判断されると、1つの摩擦要素の締結によって変速が完了するため、この摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを従来と同様の技術思想に基いて判断することに支障ない条件であるとして、そのままステップ18に移行するが、ステップ13にてN→D変速でないと判断されると、それ以外の変速であるとしてステップ14に移行する。
【0046】
ステップ14では、中立レンジ位置(N)から後進走行レンジ位置(R)への切り替えによるN→R変速であるかどうかを判断する。ステップ14にてN→R変速でないと判断されると、如何なる変速をもする必要がないとして、そのまま本フローチャートを終了するが、ステップ14にてN→R変速であると判断されると、リバースクラッチR/CおよびローリバースブレーキLR/Bを異なるタイミングで締結させるN→R変速であるとしてステップ15に移行する。
【0047】
ステップ15では、自動変速機内のオイルの温度Tmpを検出し、この検出された油温Tmpが予め設定された所定油温Tmp(0)以上であるかどうかを判断する。
【0048】
ステップ15において、油温Tmpが所定油温Tmp(0)以上であると判断されると、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを直接判断するのに支障がない温度条件であるとして、そのままステップ18に移行する。つまり、ステップ15では、自動変速機内から検出された油温Tmpが予め設定された所定値Tmp(0)を上回る場合は、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断することなく、直接、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する。
【0049】
この場合、摩擦要素を締結する際に大きな引き摺りを生じやすい温度条件を排除してリバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断できるから、リバースクラッチL/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了するまでに他の摩擦要素に発生した引き摺りなどの影響をより一層確実に排除できる。
【0050】
具体的には、所定値Tmp(0)を上回る油温の場合は、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断するため、従来と同様の判断制御を行うことで、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかの判断が簡単になる。また、所定値Tmp(0)をさらに高温側に設定する場合は、高い油温域において発生する摩擦要素の引き摺りを解消することができる。
【0051】
つまり、リバースクラッチR/Cの締結により生じるタービン回転Ntの変動に伴い、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したことを誤って判断するのは低油温時で顕著に生じるため、そのときだけステップ16,17による対策を行い、常温以上の上記誤判断が生じない状況では従来通りの制御を実行することができる。
【0052】
従って、摩擦要素を締結する際に大きな引き摺りを生じやすい温度条件を排除して上記ピストンストロークの終了を判断できるから、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかをより一層確実に達成することができる。
【0053】
他方、ステップ15において、油温Tmpが所定油温Tmp(0)以上でないと判断されると、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかの判断を直接行うのに支障がある温度条件であるとして、ステップ16に移行する。
【0054】
ステップ16では、前回ジョブの時間をタイマーカウント値TM(old)として、このタイマーカウント値TM(old)に対してΔTMをインクリメントして新たなタイマーカウント値TM(new)として更新し、ステップ17にて、新たに更新されたタイマーカウント値TM(new)が予め設定された所定のタイマーカウント値TM(0)を経過したかどうかを判断する。
【0055】
ステップ17において、タイマーカウント値TM(new)が所定値TM(0)を越えていないと判断されると、タイマーによって計測された時間が予め設定された所定時間Δtを経過していないとして、リバースクラッチR/Cを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了していないと判断される。このため、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークが終了したかどうかの判断を行うのに支障のある条件であるとして、そのまま本フローチャートを終了する。
【0056】
他方、ステップ17において、タイマーカウント値TM(new)が所定値TM(0)を越えたと判断されると、タイマーによって計測された時間が予め設定された所定時間Δtを経過したとして、リバースクラッチR/Cを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断される。このため、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークが終了したかどうかの判断を行うのに支障のない条件であるとして、ステップ18に移行する。
【0057】
ステップ18では、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかの判断を行うため、現在のタービン回転数Nt(new)を検出し、ステップ12で設定された変速開始前のタービン回転数Nt(init)と現在のタービン回転数Nt(new)との差分ΔNt(=Nt(init)−Nt(new))が予め設定された所定回転数Nt(0)よりも大きい値かどうかを判断し、差分ΔNtが所定回転数Nt(0)よりも大きい値でないと判断されると、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了していないとして、そのまま本フローチャートを終了するが、差分ΔNtが所定回転数Nt(0)よりも大きい値であると判断されると、ステップ19に移行し、このステップ19にて、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断する。
【0058】
本フローチャートによれば、ローリバースブレーキLR/Bの1つ前に締結されるリバースクラッチR/Cを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断し、このリバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するまでは、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断しないようにする。このため、ローリバースブレーキLR/Bを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したどうかを判断する際、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了するまでに他の摩擦要素に発生した引き摺りなどの影響を排除することができる。
【0059】
従って、本発明は、リバースクラッチR/Cにおけるピストンストロークが終了するまでに他の摩擦要素に発生した引き摺りなどの影響によってローリバースブレーキLR/Bにおけるピストンストロークが終了したとの誤った判断を防止できるから、ローリバースブレーキLR/Bにおけるピストンストロークの終了を適切に判断できる。
【0060】
特に、本実施形態では、タイマーによって計測された時間が予め設定された所定時間Δtを経過したときをもって、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するから、本発明の作用効果をさらに確実に達成することができる。
【0061】
ところで、上記ステップ16およびステップ17は、タイマーによってタイマー値TMをカウントすることで計測された時間が予め設定された所定時間Δtを経過したときをもって、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するが、この判断は、タイマーによって所定時間Δtを計測することに限らず、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを確実に終了しており、且つ、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了していないことを検知できればよい。
【0062】
従って、ステップ16およびステップ17は、他の実施形態として、リバースクラッチR/C側に油圧を検出する油圧検出手段を設け、この手段によって検出された作動油圧PRが予め設定された所定値PR(0)に達したときをもって、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断することも可能である。この場合、タイマーで計測する場合と同様、本発明の作用効果を更に確実に達成することができる。なお、油圧検出手段としては、例えば、油圧センサや油圧スイッチなどがあり、作動油圧PRを直接検出する以外にも、スイッチのON/OFFから検出してもよい。
【0063】
ステップ16およびステップ17は、さらなる他の実施形態として、リバースクラッチR/Cを作動させるためのピストンのストローク量を検出する手段を設け、この手段によって検出されたストローク量が所定値に達したときをもって、リバースクラッチR/Cを作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断することも可能である。この場合も、タイマーで計測する場合と同様、本発明の作用効果を更に確実に達成することができる。なお、ピストンストローク量を検出する手段としては、例えば、ピストンストロークセンサから作動油圧PRを直接検出する以外にも、ON/OFFスイッチから検出してもよい。
【0064】
ステップ16およびステップ17は、別の実施形態として、リバースクラッチR/Cの締結によって生じる自動変速機の入力側回転数、即ち、タービン回転数Ntの変化を表す状態量が検知されたときをもって、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断してもよい。この場合、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したことを既存の情報から判断できれるため、本発明の作用効果をさらに確実に達成することができる。なお、タービン回転数Ntの変化を表す状態量には、タービン回転数Ntの変化率や、自動変速機の入力側トルクの変化率、つまり、タービントルクTtの変化率、または、トルクコンバータの速度比etの変化率などがある。
【0065】
図4は、図3のフローチャートを実行した際のタイムチャートであって、(a)はセレクト操作によって選択されたレンジを示す信号、(b)はリバースクラッチR/CおよびローリバースブレーキLR/Bそれぞれに供給されるおよび油圧PRおよび油圧PL、(c)はエンジン回転数Neおよびタービン回転数Ntを示す。
【0066】
このタイムチャートによれば、タイマーによって所定時間Δtをカウントすることで、最後に締結されるローリバースブレーキLR/Bの1つ前に締結されるリバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとして、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断することにより、リバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了するまでに他の摩擦要素に発生した引き摺りなどの影響、ここでは、リバースクラッチR/Cの急激な締結に伴いタービン回転数がΔNtだけ低下することによる影響を確実に排除していることがわかる。
【0067】
また他の実施形態は、リバースクラッチR/Cに油圧を検出する油圧検出手段を設け、図4(b)の符号AにおけるリバースクラッチR/Cの作動油圧PLを検出することで、最後に締結されるローリバースブレーキLR/Bの1つ前に締結されるリバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとして、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する。
【0068】
さらなる他の実施形態は、リバースクラッチR/Cを作動させるためのピストンのストローク量を検出する手段を設け、図4(b)の符号Aにおけるピストンストローク量を検出することで、最後に締結されるローリバースブレーキLR/Bの1つ前に締結されるリバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとして、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する。
【0069】
別の実施形態は、リバースクラッチR/Cの締結によって生じるタービン回転数Ntの変化を表す状態量が検知された図4(c)の符号Bにおいて、最後に締結されるローリバースブレーキLR/Bの1つ前に締結されるリバースクラッチR/Cのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとして、ローリバースブレーキLR/Bのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断する。
【0070】
上述したところは、本発明の好適な実施形態を示したに過ぎず、当業者によれば、請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、図3のフローチャートでは、本発明の作用を簡単に説明するため、中立レンジ位置(N)から前進走行レンジ位置(D)に切り替えたことによる変速は、1つの摩擦要素のみによる締結で達成されるものとしたが、前進走行レンジ位置(D)は、図2の示す如く、前進第1速(1st)、前進第2速(2nd)、前進第3速(3rd)、前進第4速(4th)の前進変速段と細分化して、N→R変速と同様、2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結する変速としてフローチャートを変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる自動変速機のピストンストローク終了判断装置およびセレクト変速制御装置を具えた自動変速機の伝動列、およびその変速制御システムを示す概略系統図である。
【図2】 同自動変速機の選択変速段と、摩擦要素の締結論理との関係を示す図である。
【図3】 同実施の形態におけるピストンストローク終了判断装置の作用を説明するためのフローチャートである。
【図4】 図3のフローチャートにおけるN→Rセレクトで後進用摩擦要素が締結する時の時系列変化を示すタイムチャートであって、(a)はセレクト操作によって選択されたレンジを示す信号、(b)はリバースクラッチR/CおよびローリバースブレーキLR/Bそれぞれに供給される油圧PRおよび油圧PL、(c)はエンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、および変速機出力回転数Noを示す。
【図5】 従来装置におけるN→Rセレクトで後進用摩擦要素が締結する時の時系列変化を示すタイムチャートであって、(a)はセレクト操作によって選択されたレンジを示す信号、(b)はリバースクラッチR/CおよびローリバースブレーキLR/Bそれぞれに供給される油圧PRおよび油圧PL、(c)はエンジン回転数Neおよびタービン回転数Ntを示す。
【符号の説明】
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
4 入力軸
5 出力軸
6 フロントプラネタリギヤ組
7 リヤプラネタリギヤ組
8 コントロールバルブ
9 ライン圧ソレノイド
10 ロークラッチソレノイド
11 2速・4速ブレーキソレノイド
12 ハイクラッチソレノイド
13 ローリバースブレーキソレノイド
14 変速機コントローラ
15 スロットル開度センサ
16 タービン回転センサ
17 出力回転センサ
18 インヒビタスイッチ
L/C ロークラッチ
2-4/B 2速・4速ブレーキ
H/C ハイクラッチ
LR/B ローリバースブレーキ
R/C リバースクラッチ
L/OWC ローワンウエイクラッチ
Claims (6)
- 複数の摩擦要素のうちの少なくとも2つの摩擦要素を異なるタイミングで締結することにより選択した変速段を決定する自動変速機であって、
これら摩擦要素のうちの最後に締結される第1の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを、前記自動変速機の入力回転の変化を表す状態量に基づいて判断するピストンストローク終了判断装置において、
前記第1の摩擦要素の1つ前に締結される摩擦要素を第2の摩擦要素として、この第2の摩擦要素を作動させるためのピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了する以前に、前記第1の摩擦要素のピストンの前記ストロークを開始し、
前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断し、
該第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したと判断するまでは、前記第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断しないようにしたことを特徴とする自動変速機のピストンストローク終了判断装置。 - 前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、タイマーによって計測された時間が予め設定された所定時間を経過したときをもってなされることを特徴とする請求項1に記載のピストンストローク終了判断装置。
- 前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、前記第2の摩擦要素に油圧を検出する油圧検出手段を設け、この手段によって検出された前記第2の摩擦要素の油圧が予め設定された所定値に達したときをもってなされることを特徴とする請求項1に記載のピストンストローク終了判断装置。
- 前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、該第2の摩擦要素のピストンのストローク量を検出する手段を設け、この手段によって検出されたストローク量が所定値に達したときをもってなされることを特徴とする請求項1に記載のピストンストローク終了判断装置。
- 前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したとの判断は、前記第2の摩擦要素の締結によって生じる自動変速機の入力側回転の変化を表す状態量が検知されたときをもってなされることを特徴とする請求項1に記載のピストンストローク終了判断装置。
- 自動変速機内から検出された油温が予め設定された所定値を上回る場合は、前記第2の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断することなく、前記第1の摩擦要素のピストンが実際に締結を開始できる位置までのストロークを終了したかどうかを判断するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のピストンストローク終了判断装置。
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