JP3139448B2 - 自動変速機の繰り返し変速検知装置 - Google Patents

自動変速機の繰り返し変速検知装置

Info

Publication number
JP3139448B2
JP3139448B2 JP10073896A JP7389698A JP3139448B2 JP 3139448 B2 JP3139448 B2 JP 3139448B2 JP 10073896 A JP10073896 A JP 10073896A JP 7389698 A JP7389698 A JP 7389698A JP 3139448 B2 JP3139448 B2 JP 3139448B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
automatic transmission
time
repetitive
command
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10073896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11270669A (ja
Inventor
健司 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP10073896A priority Critical patent/JP3139448B2/ja
Publication of JPH11270669A publication Critical patent/JPH11270669A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3139448B2 publication Critical patent/JP3139448B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動変速機の繰り返
し変速を検知するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、例えば日産自動車(株)
が昭和62年3月に発行した「NISSAN RE4R
01A型 フルレンジ電子制御オートマチックトランス
ミッション整備要領書」(A261C07)に記載のよ
うに、運転者がシフトレバーにより操作するマニュアル
バルブの前進レンジにおいて、クラッチや、ブレーキ等
の複数の摩擦要素を、選択的に油圧作動(締結)させる
ことにより歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定
され、当該選択変速段で入力軸から出力軸への動力伝達
が可能であり、作動する摩擦要素を切り換えることによ
り他の変速段への変速を行うよう構成する。そして自動
変速機は、複数の摩擦要素を選択的に油圧作動させるに
際し今日では、コントローラによる電子制御でこれを行
うよう構成するのが常套であり、該コントローラは、運
転状態から求めた好適変速段と現在の変速段が不一致で
ある時、当該好適変速段への変速指令をシフトソレノイ
ド等へ出力することにより、該当する摩擦要素の締結作
動を行わせる。
【0003】ところで昨今は、自動変速機でありなが
ら、これを手動変速も可能になるよう、シフトレバーに
マニュアルレンジ位置を設定し、当該マニュアルレンジ
で運転者がシフトレバーをアップシフト位置へ倒す度に
1段づつアップシフト変速可能とし、逆に運転者がシフ
トレバーをダウンシフト位置へ倒す度に1段づつダウン
シフト変速可能とした自動変速機が一部に実用されてい
る。例えば、かように手動変速も可能にした自動変速機
において、運転者が遊び感覚で不用意にシフトレバーを
マニュアルレンジ位置で、アップシフト位置やダウンシ
フト位置へ頻繁に倒すと、その都度アップシフト信号や
ダウンシフト信号がコントローラに入力され、自動変速
機はこれらに呼応したコントローラからの変速指令で頻
繁にアップシフト変速されたり、ダウンシフト変速され
ることになる。
【0004】かかる頻繁な変速が同種の変速(例えば1
→2変速)で繰り返されると、その度に締結されるべき
摩擦要素の発熱量が多くて放熱量を上回り、当該摩擦要
素の耐久性を著しく低下させる。
【0005】従来かかる耐久性の問題に鑑み、例えば特
開平5−223167号公報や、特開平6−11033
号公報に記載されたごとき対策が提案されている。前者
の文献に記載の対策は、マニュアルレンジで運転者がシ
フトレバーをアップシフト位置およびダウンシフト位置
へ倒した時にコントローラへ入力されるマニュアルアッ
プシフト信号およびマニュアルダウンシフト信号の所定
個数前の信号から現在の信号までの時間を計測し、当該
時間が所定時間以下であるとき繰り返し変速であると判
断し、繰り返し変速であるとの判定時はマニュアルレン
ジでも自動変速のみを行わせるというものである。
【0006】また後者の文献に記載の対策は、運転者に
よる変速パターンの切り換えが短い周期で行われて、こ
れに伴う変速段の継続時間が短い時は、変速判断から変
速指令を出すまでの遅延時間を長くして変速の実行を遅
らせるようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし何れの従来技術
も、運転者による手動の切り換え操作に応じた、コント
ローラへの入力信号をもとに、繰り返し変速を判定する
構成であったため、以下の問題を生ずる。つまり、運転
者による手動の切り換え操作に応じた信号はコントロー
ラに入力されて、コントローラがこれを基に変速判断を
行う時の資料であって、当該信号がコントローラに入力
されたからといって必ずしも変速が行われるものでもな
い。例えば、運転者が手動による切り換え操作を素早く
繰り返すような場合、信号処理上、実際の変速に至るこ
とがなく、従って運転者による切り換え操作信号をもっ
て繰り返し変速を判定する従来の構成では共に、繰り返
し変速を正確に判定することができず、実際には摩擦要
素の耐久性に関する前記の問題を生じないにもかかわら
ず、不必要に上記それぞれの対策が実行されてしまうと
いう弊害を免れない。
【0008】請求項1に記載の第1発明は、コントロー
ラへの運転者操作信号ではなく、コントローラから出力
されて実際の変速を生起させる変速指令をもとに繰り返
し変速を確実に判定し得るようにすることで、その誤判
定を確実に防止し得るようにし、これにより従来装置の
上記問題を解消した自動変速機の繰り返し変速検知装置
を提案することを目的とする。
【0009】請求項2に記載の第2発明は、第1発明の
目的を簡単に達成し得るようにしたものである。
【0010】請求項3に記載の第3発明は、第1発明の
目的を第2発明よりも簡便に実現し得るようにしたもの
である。
【0011】請求項4に記載の第4発明は、エンジン回
転数の変化にかかわらず第1発明の目的を達成し得るよ
うにしたものである。
【0012】請求項5に記載の第5発明は、変速の種類
にかかわらず第1発明の目的を達成し得るようにしたも
のである。
【0013】請求項6に記載の第6発明は、エンジンス
ロットル開度にかかわらず第1発明の目的を達成し得る
ようにしたものである。
【0014】請求項7に記載の第7発明は、変速機作動
油温にかかわらず第1発明の目的を達成し得るようにし
たものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】これら目的のため、先ず
第1発明による自動変速機の繰り返し変速検知装置は、
コントローラから出力された変速指令に基づき、複数の
摩擦要素を選択的に締結作動させて或る変速段を選択し
たり、締結作動する摩擦要素の切り換えにより他の変速
段への変速を行うようにした自動変速機において、前記
コントローラから出力された変速指令をもとに同種の変
速指令が、該変速指令時に締結作動される摩擦要素の冷
却不足を生ずることのないようにするのに必要な最低の
変速インターバル確保時間内に継続して出力されたの
を、同種の変速が高頻度で繰り返し発生したと判定する
よう構成したことを特徴とするものである。
【0016】第2発明による自動変速機の繰り返し変速
検知装置は、第1発明において、前記変速インターバル
確保時間を、前記変速指令時におけるエンジン回転数か
ら演算により求めるよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0017】第3発明による自動変速機の繰り返し変速
検知装置は、第1発明において、前記変速インターバル
確保時間を、変速指令時におけるエンジン回転数のマッ
プとして予め記憶しておくよう構成したことを特徴とす
るもである。
【0018】第4発明による自動変速機の繰り返し変速
検知装置は、第1発明乃至第3発明のいずれかにおい
て、前記変速インターバル確保時間をエンジン回転数の
上昇につれ長くするよう構成したことを特徴とするもの
である。
【0019】第5発明による自動変速機の繰り返し変速
検知装置は、第1発明乃至第4発明のいずれかにおい
て、前記変速インターバル確保時間を変速の種類に応じ
て異ならせるよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0020】第6発明による自動変速機の繰り返し変速
検知装置は、第1発明乃至第5発明のいずれかにおい
て、前記変速インターバル確保時間をエンジンスロット
ル開度が大きいほど長くするよう構成したことを特徴と
するものである。
【0021】第7発明による自動変速機の繰り返し変速
検知装置は、第1発明乃至第6発明のいずれかにおい
て、前記変速インターバル確保時間を変速機作動油温が
高いほど長くするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
【0022】
【発明の効果】自動変速機は、コントローラから出力さ
れた変速指令に基づき、締結作動する摩擦要素の切り換
えにより変速を行う。ところで第1発明による繰り返し
変速検知装置は、上記コントローラから出力された変速
指令をもとに同種の変速指令が、該変速指令時に締結作
動される摩擦要素の冷却不足を生ずることのないように
するのに必要な最低の変速インターバル確保時間内に継
続して出力されたのを、同種の変速が高頻度で繰り返し
発生したと判定して、当該繰り返し変速を検知する。
【0023】かかる第1発明においては、コントローラ
への運転者操作信号ではなく、コントローラから出力さ
れて実際の変速を生起させる変速指令をもとに繰り返し
変速を判定するため、例えば、運転者が手動による切り
換え操作を素早く繰り返したことから、実際の変速に至
ることがないにもかかわらず、これをもって繰り返し変
速と判定するような誤判定を防止することができ、実際
には摩擦要素の耐久性に関する前記の問題を生じないに
もかかわらず、当該誤判定に基づき繰り返し変速に対す
る対策が不必要に実行されてしまうという弊害を回避す
ることができる。
【0024】また第1発明においては特に、同種の変速
指令が摩擦要素の冷却不足を生ずることのないようにす
るのに必要な最低の変速インターバル確保時間内に継続
して出力されたのをもって、同種の変速が高頻度で繰り
返し発生したと判定して繰り返し変速を検知するから、
摩擦要素の耐久性に関する前記の問題を生ずる繰り返し
変速の判定が極めて正確であり、上記の作用効果を一層
確実に達成することができる。
【0025】第2発明においては、上記変速インターバ
ル確保時間を、変速指令時におけるエンジン回転数から
演算により求めるため、変速インターバル確保時間を簡
単に求めることができ、第1発明の目的を簡単に達成し
得る。
【0026】第3発明においては、前記変速インターバ
ル確保時間を、変速指令時におけるエンジン回転数のマ
ップとして予め記憶しておくことから、第1発明の目的
を第2発明よりも簡便に実現することができるし、演算
処理が不要になってコスト的にも有利である。
【0027】第4発明においては、前記変速インターバ
ル確保時間をエンジン回転数の上昇につれ長くするか
ら、エンジン回転数の如何にかかわらず第1発明の目的
を達成することができて大いに有利である。
【0028】第5発明においては、前記変速インターバ
ル確保時間を変速の種類に応じて異ならせるため、変速
の種類にかかわらず第1発明の目的を達成することがき
て大いに有利である。
【0029】第6発明においては、前記変速インターバ
ル確保時間をエンジンスロットル開度が大きいほど長く
するから、エンジンスロットル開度の如何にかかわらず
第1発明の目的を達成することがきて大いに有利であ
る。
【0030】第7発明においては、前記変速インターバ
ル確保時間を変速機作動油温が高いほど長くするから、
変速機作動油温の如何にかかわらず第1発明の目的を達
成することができて大いに有利である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明一実施の形態
になる繰り返し変速検知装置を具えた自動変速機の変速
制御装置を示し、1はエンジン、2はトルクコンバー
タ、3は自動変速機であり、エンジン回転はトルクコン
バータ2を経て自動変速機の入力軸4に伝達するものと
する。
【0032】自動変速機3は、基本的には前記した日産
自動車(株)発行「RE4R01A型オートマチックト
ランスミッション整備要領書」(A261C07)に記
載されたと同様なものとし、同軸突き合わせ関係に配置
した入出力軸4,5上にフロントプラネタリギヤ組6お
よびリヤプラネタリギヤ組7を載置して具える。
【0033】そして、摩擦要素としてフォワードクラッ
チF/C、ハイクラッチH/C、バンドブレーキB/
B、ローリバースブレーキLR/B、ローワンウエイク
ラッチL/OWC、およびリバースクラッチR/Cを具
え、これらを選択的に図2(b)に○で示すように締結
させることにより前進第1速〜第4速と、後退の変速段
を選択し得るものとする。なお、ロークリバースブレー
キLR/Bに関する図2の(○)は、第1速でエンジン
ブレーキが必要な時に(運転者が後述のエンジンブレー
キレンジLを選択している時に)締結させることを示
す。
【0034】また上記摩擦要素の選択的作動(締結)を
実行するために本実施の形態においては特に、自動変速
機3のコントロールバルブ8に挿置して、シフトソレノ
イド9および10を設け、コントロールバルブ8には更
に、トルクコンバータ2のロックアップ制御のためにロ
ックアップソレノイド11を挿置して設ける。そして自
動変速機3は、シフトソレノイド9および10を図2
(a)に示すON,OFFの組み合わせとなるよう制御
することにより、対応する前進第1速〜第4速が選択さ
れるよう図2(b)の締結論理に従って、摩擦要素F/
C,H/C,B/B,を選択的に締結させるものとす
る。
【0035】なお、ローリバースブレーキLR/Bおよ
びリバースクラッチR/Cはそれぞれ、運転者が後述す
るシフトレバー15をエンジンブレーキ(L)レンジ位
置や、マニュアル変速(M)レンジ位置や、後退走行
(R)レンジ位置にする時、これに連動するマニュアル
バルブ(図示せず)のポートより作動油圧の供給を受け
て所定通りに締結され、第1速でのエンジンブレーキを
可能にしたり、後退変速段の選択を可能にするものとす
る。
【0036】またロックアップソレノイド11は、ON
によりトルクコンバータ2のロックアップクラッチを締
結して、トルクコンバータ2を入出力要素間が直結され
たロックアップ状態にし、OFFによりロックアップク
ラッチを解放してトルクコンバータ2をコンバータ状態
にするものとする。
【0037】ソレノイド9〜11のON,OFFはコン
トローラ14によりこれを行い、該コントローラには、
運転者がシフトレバー15により選んだ選択レンジ、お
よび同じく運転者がシフトレバー15により発生させる
後述の手動変速指令を検知するセレクタスイッチ16か
らの信号と、エンジン1のスロットル開度TVOを検出
するスロットル開度センサ17からの信号と、車速VS
Pを検出する車速センサ18からの信号と、変速機作動
油温TOIL を検出する油温センサ19からの信号と、エ
ンジン回転数Ne を検出するエンジン回転センサ20か
らの信号とを入力する。
【0038】シフトレバー15およびセレクタスイッチ
16について補足説明するに、シフトレバー15は前記
文献にも記載の通り周知の、駐車(P)レンジ位置と、
後退走行(R)レンジ位置と、中立(N)レンジ位置
と、前進自動変速(D)レンジ位置と、エンジンブレー
キ(L)レンジ位置とを一直線上に配置されて有するほ
か、該一直線からオフセットしてマニュアル変速(M)
レンジ位置を有する。
【0039】セレクタスイッチ16は、シフトレバー1
5がこれらレンジ位置のどこに操作されているかを示す
信号をコントローラ14に出力するものとする。そして
シフトレバー15は、マニュアル変速(M)レンジ位置
にある間、アップシフト(+)位置と、ダウンシフト
(−)位置との間に自己復帰形式に弾支されており、運
転者が、1段階高速側へのアップシフト変速を希望する
度にシフトレバー15をアップシフト(+)位置にし、
1段階低速側へのダウンシフト変速を希望する度にシフ
トレバー15をダウンシフト(−)位置にするようにし
たもので、セレクタスイッチ16は、シフトレバー15
をアップシフト(+)位置またはダウンシフト(−)位
置にされる度に、これらアップシフト変速またはダウン
シフト変速のための手動変速信号をコントローラ14に
出力するものとする。
【0040】コントローラ14は、上記の入力情報をも
とに以下の変速制御を実行すると共に、本発明が狙いと
する繰り返し変速の検知および当該繰り返し変速を警報
器12のONにより警報するものとする。先ず変速制御
を説明するに、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレン
ジ、Lレンジでは、コントローラ14は前記文献におけ
るとほぼ同様の変速制御を行うべく、ソレノイド9,1
0のON,OFFを制御すると共に、ソレノイド11の
ON,OFFを介してトルクコンバータ2のロックアッ
プ制御を行う。但し、Lレンジを前記文献では1レンジ
と記述している。
【0041】Dレンジでの自動変速を説明すると、コン
トローラ14は図示せざる制御プログラムを実行して、
例えば前記文献に示された変速マップをもとに、スロッ
トル開度TVOおよび車速VSPから、現在の運転状態
において要求される好適変速段を検索する。次いでコン
トローラ14は、現在の選択変速段が好適変速段と一致
しているか否かを判定し、不一致なら好適変速段への変
速が実行されるよう、つまり図2(b)の締結論理にも
とづき当該変速のための摩擦要素の締結、解放切換えが
行われるよう、図2(a)の論理に基づきソレノイド
9,10のON,OFF切り換えを行う。
【0042】勿論、現在の選択変速段が好適変速段と一
致している場合、コントローラ14はソレノイド9,1
0のON,OFFを現在のままに保ち、今の選択変速段
を維持する。
【0043】Mレンジでの手動変速を説明するに、コン
トローラ14は、シフトレバー15がアップシフト
(+)位置またはダウンシフト(−)位置にされる度
に、セレクタスイッチ16からのアップシフト手動変速
信号またはダウンシフト手動変速信号を受けて、図2
(b)の締結論理にもとづき、現在の選択変速段を基準
にしたアップシフト変速またはダウンシフト変速のため
の摩擦要素の締結、解放切換えが行われるよう、図2
(a)の論理に基づきソレノイド9,10のON,OF
F切り換えを行う。
【0044】従って、Mレンジにおいて運転者がシフト
レバー15を頻繁にアップシフト(+)位置またはダウ
ンシフト(−)位置にすると、その都度セレクタスイッ
チ16からコントローラ14にアップシフト手動変速信
号またはダウンシフト手動変速信号が入力され、コント
ローラ14は、これら変速信号が変速応答遅れに相当し
た時間隔を越える周期で入力される場合、対応したアッ
プシフト変速指令またはダウンシフト変速指令をソレノ
イド9,10へ出力して実際の変速を生起させる。これ
がため、Mレンジにおいて運転者がシフトレバー15を
頻繁にアップシフト(+)位置とダウンシフト(−)位
置との間で操作した場合、同種の変速が頻繁に繰り返さ
れることとなり、同じ摩擦要素が頻繁に締結、解放を繰
り返されてその発熱量が放熱量を上回り、当該摩擦要素
の耐久性を著しく低下させてしまうという問題が懸念さ
れる。
【0045】図3および図4は、この問題解決のために
コントローラ14が変速の種類(1→2変速、2→1変
速、2→3変速、3→2変速、3→4変速、4→3変速
の何れか1つだが、ここでは2→3変速とする)ごとに
実行する、繰り返し変速検知および警報プログラムを示
す。先ず図3のステップ21において、シフトソレノイ
ド9,10へ対応する変速指令(2→3変速指令)が有
ったか否かを判定し、当該変速指令がなければ制御をそ
のまま終了する。
【0046】ステップ21において対応する変速指令が
有ったと判定する場合、ステップ22において、当該変
速時に締結されるべき摩擦要素の発熱量が放熱量を上回
って摩擦要素の冷却不足を生ずることのないようにする
のに必要な最低の変速インターバル確保時間αを α=C0 +C2 ・Ne 2 ・・・(1) 但し、C0 ,C2 :定数 Ne :変速指令時のエンジン回転数 の演算により求める。なお、変速インターバル確保時間
αは図5に実線で示すようなマップとして予めメモリし
ておき、検索により求めるようにしても良いこと勿論で
ある。
【0047】次いでステップ23において、当該変速指
令(2→3変速指令)からの経過時間を計測すべくタイ
マーtをインクリメントさせ、ステップ24において、
タイマーtが上記の変速インターバル確保時間α以上を
示しているか否かを判定する。タイマーtが変速インタ
ーバル確保時間α未満を示している間は、ステップ25
において、改めて同種の2→3変速指令がソレノイド
9,10へ出力されたか否かを判定し、2→3変速指令
がなければステップ28において、即座に変速インター
バル確保フラグFLAGを1にセットするが、2→3変
速指令が有ればステップ26,27において、当該新た
な2→3変速指令時におけるエンジン回転数Ne をもと
に上記(1)式の演算により変速インターバル確保時間
αを求め直すと共に、タイマーtをリセットした後に、
ステップ28において変速インターバル確保フラグFL
AGを1にセットする。
【0048】ステップ28で変速インターバル確保フラ
グFLAGを1にセットした後はいずれにしても、制御
をステップ23に戻して上記のループを繰り返すことと
し、ステップ24でタイマーtが変速インターバル確保
時間α以上を示すことになった時に、制御をステップ2
9,30に進めて変速インターバル確保フラグFLAG
を0にリセットすると共に、タイマーtを0にリセット
する。従って変速インターバル確保フラグFLAGは、
結果として以下のごとくに定まる。図6は、瞬時t1
2 に2→3変速指令がソレノイド9,10へ出力さ
れ、当該変速指令時のエンジン回転数Ne がNe1,Ne2
であった場合を例として、変速インターバル確保フラグ
FLAGの変化形態を示し、第1回目の2→3変速指令
瞬時t1 から変速インターバル確保時間α(α=C0
2 ・Ne1 2 )が経過する瞬時t3 までの間における瞬
時t2 に第2回目の2→3変速指令がソレノイド9,1
0へ出力されたため、瞬時t1 に1にセットされた変速
インターバル確保フラグFLAGが瞬時t2 の後も1を
維持するが、第2回目の2→3変速指令瞬時t2 から新
たな変速インターバル確保時間α(α=C0 +C2 ・N
e2 2 )が経過する瞬時t4 までの間に、同種の変速指令
がソレノイド9,10へ出力されなかったため、変速イ
ンターバル確保フラグFLAGは当該瞬時t4 に初めて
0にリセットされる。
【0049】図4は、上記のようにして定めた変速イン
ターバル確保フラグFLAGに基づき繰り返し変速を検
知するためのプログラム、および当該繰り返し変速の検
知時において、図1の警報器12を適切に作動させるた
めのプログラムを示すものである。ステップ41におい
て、変速インターバル確保フラグFLAGが1にセット
されていると判定する間に、ステップ42で、2→3変
速指令がソレノイド9,10へ出力されたと判定した
時、つまり2→3変速指令瞬時から変速インターバル確
保時間αが経過する前に次の2→3変速指令が出力され
た場合、これをもって2→3変速に関する繰り返し変速
があったと判定し、ステップ43において図6に示すご
とくに警報器12を作動させることにより当該繰り返し
変速を運転者に知らせて、摩擦要素の耐久性に関する問
題を生ずるような変速操作を止めるよう運転者に注意を
促すこととする。
【0050】しかし、ステップ41において変速インタ
ーバル確保フラグFLAGが1にセットされていないと
判定する時や、ステップ42において2→3変速指令が
ソレノイド9,10へ出力されなかったと判定する時
は、制御をステップ44に進めて警報器12をOFFす
る。
【0051】以上説明した本実施の形態においては、コ
ントローラ14からソレノイド9,10へ出力された変
速指令をもとに、同種の変速指令(上記では、2→3変
速指令)が変速インターバル確保時間α内に継続して出
力されたのを、同種の変速(2→3変速指令)が高頻度
で繰り返し発生したと判定するため、つまり、セレクタ
スイッチ16からコントローラ14へのアップシフト手
動変速(+)信号またはダウンシフト手動変速(−)信
号ではなく、コントローラ14からシフトソレノイド
9,10へ出力されて実際の変速を生起させる変速指令
をもとに繰り返し変速の判定を行うため、例えば、運転
者が手動による切り換え操作を素早く繰り返したことか
ら、実際の変速に至ることがないにもかかわらず、これ
をもって繰り返し変速と判定するような誤判定を防止す
ることができ、実際には摩擦要素の耐久性に関する前記
の問題を生じないにもかかわらず、当該誤判定に基づき
警報器12が不必要に作動されてしまうといった弊害を
回避することができる。
【0052】また上記の変速インターバル確保時間αが
前記したように、変速指令時に締結作動される摩擦要素
の発熱が冷却不足を生ずることのないようにするのに必
要な最低の変速時間隔であることから、回避すべき摩擦
要素の耐久性に関する問題を本当に発生するような繰り
返し変速を確実に検知することができ、当該問題を生じ
ないにもかかわらず、繰り返し変速であると誤判定し
て、不要に警報器12が作動されてしまうといった弊害
を回避することができる。
【0053】さらに、上記変速インターバル確保時間α
を変速指令時におけるエンジン回転数(図6のNe1, N
e2)から演算により求めるため、問題となる摩擦要素の
発熱量がエンジン回転数により変化するのに良く符合し
て、変速インターバル確保時間αを正確、且つ、簡単に
求め得ると共に、上記の作用効果を一層確実に達成する
ことができる。
【0054】なお、上記変速インターバル確保時間αを
図5に実線で示すごとく、変速指令時におけるエンジン
回転数のマップとして予め記憶しておけば、これを求め
るための演算処理が不要になってコスト上大いに有利で
ある。
【0055】ここで変速インターバル確保時間αは、問
題となる摩擦要素の発熱量がエンジン回転数の上昇につ
れて多くなることから、前記(1)式および図5の実線
から明らかなようにエンジン回転数の上昇につれ長くす
るのは当然であるが、更に変速インターバル確保時間α
は、変速の種類ごとに異ならせたり、エンジンスロット
ル開度TVOに応じてこれが大きいほど長くしたり、図
5に1点鎖線で例示するように変速機作動油温TOIL
応じてこれが高いほど長くするのが、実情に即して好ま
しい。
【0056】そして繰り返し変速の検知時に、変速制御
自身を操作して対策するのでなく、警報により運転者に
自動変速機の繰り返し変速であることを知らせるのみと
するから、以下の作用効果が得られる。つまり、前記し
た特開平5−223167号公報に記載されているよう
に、繰り返し変速の検知時はマニュアルレンジでも自動
変速しか行われないようにする対策では、運転者がこれ
を認知し難いために、マニュアルレンジで手動変速操作
をしても変速が起こらないとか、マニュアルレンジなの
に自動変速が行われてしまうといった、運転上の違和感
を生ずる問題を生じ、前記した特開平6−11033号
公報に記載されているように、繰り返し変速の検知時に
変速の実行を遅らせる対策では、運転者による操作時に
変速が起きず、かなり遅れて運転者が意図しない時に変
速がなされ、この場合も運転上の違和感を生ずるといっ
た問題が発生する。しかして本実施の形態におけるよう
に、繰り返し変速の検知時に警報により運転者に自動変
速機の繰り返し変速であることを知らせるのみとする場
合、運転者は、上記の警報により繰り返し変速の原因と
なっている操作を止めることで対処することができ、上
記運転上の違和感を伴うことなしに対処し得て大いに有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる繰り返し変速検
知を具えた自動変速機の変速制御システム図である。
【図2】 同自動変速機の変速制御形態を示し、 (a)は、同自動変速機におけるシフトソレノイドのO
N,OFFと選択変速段との関係を示す図面、 (b)は、同自動変速機における選択変速段と摩擦要素
の締結論理との関係を示す図面である。
【図3】 同自動変速機においてコントローラが繰り返
し変速の検知のために用いる変速インターバル確保フラ
グの決定処理のためのプログラムを示すフローチャート
である。
【図4】 同自動変速機においてコントローラが実行す
る繰り返し変速の検知のためのプログラム、および繰り
返し変速を警報するためのプログラムを示すフローチャ
ートである。
【図5】 同実施の形態において、繰り返し変速の検知
のために用いる変速インターバル確保時間の変化特性図
である。
【図6】 同実施の形態において繰り返し変速を警報す
る警報器の動作タイムチャートである。
【符号の説明】 1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 自動変速機 4 入力軸 5 出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ 9 シフトソレノイド 10 シフトソレノイド 11 ロックアップソレノイド 12 警報器 14 コントローラ 15 シフトレバー 16 セレクタスイッチ 17 スロットル開度センサ 18 車速センサ 19 油温センサ 20 エンジン回転センサ

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コントローラから出力された変速指令に
    基づき、複数の摩擦要素を選択的に締結作動させて或る
    変速段を選択したり、締結作動する摩擦要素の切り換え
    により他の変速段への変速を行うようにした自動変速機
    において、 前記コントローラから出力された変速指令をもとに同種
    の変速指令が、該変速指令時に締結作動される摩擦要素
    の冷却不足を生ずることのないようにするのに必要な最
    低の変速インターバル確保時間内に継続して出力された
    のを、同種の変速が高頻度で繰り返し発生したと判定す
    るよう構成したことを特徴とする自動変速機の繰り返し
    変速検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記変速インターバ
    ル確保時間を、前記変速指令時におけるエンジン回転数
    から演算により求めるよう構成したことを特徴とする自
    動変速機の繰り返し変速検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記変速インターバ
    ル確保時間を、変速指令時におけるエンジン回転数のマ
    ップとして予め記憶しておくよう構成したことを特徴と
    する自動変速機の繰り返し変速検知装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、前記変速インターバル確保時間をエンジン回転数の
    上昇につれ長くするよう構成したことを特徴とする自動
    変速機の繰り返し変速検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項におい
    て、前記変速インターバル確保時間を変速の種類に応じ
    て異ならせるよう構成したことを特徴とする自動変速機
    の繰り返し変速検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、前記変速インターバル確保時間をエンジンスロット
    ル開度が大きいほど長くするよう構成したことを特徴と
    する自動変速機の繰り返し変速検知装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項におい
    て、前記変速インターバル確保時間を変速機作動油温が
    高いほど長くするよう構成したことを特徴とする自動変
    速機の繰り返し変速検知装置。
JP10073896A 1998-03-23 1998-03-23 自動変速機の繰り返し変速検知装置 Expired - Lifetime JP3139448B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10073896A JP3139448B2 (ja) 1998-03-23 1998-03-23 自動変速機の繰り返し変速検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10073896A JP3139448B2 (ja) 1998-03-23 1998-03-23 自動変速機の繰り返し変速検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11270669A JPH11270669A (ja) 1999-10-05
JP3139448B2 true JP3139448B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=13531439

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10073896A Expired - Lifetime JP3139448B2 (ja) 1998-03-23 1998-03-23 自動変速機の繰り返し変速検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3139448B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4940513B2 (ja) * 2001-07-19 2012-05-30 トヨタ自動車株式会社 変速機のシフト制御装置
JP4999395B2 (ja) * 2006-07-31 2012-08-15 株式会社デンソー レンジ切換機構の制御装置
JP4913535B2 (ja) * 2006-10-19 2012-04-11 本田技研工業株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP2009250382A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Denso Corp シフトレンジ切替装置
JP4935951B2 (ja) * 2011-08-01 2012-05-23 トヨタ自動車株式会社 シフト制御装置
JP5951287B2 (ja) * 2012-03-02 2016-07-13 本田技研工業株式会社 パワーユニットの保護制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11270669A (ja) 1999-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3104160B2 (ja) 車両用自動変速機の制御装置
JP2008215530A (ja) 自動変速機の制御装置
JP4311434B2 (ja) 車両の制御装置、制御方法およびその制御方法をコンピュータに実現させるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
EP1188968B1 (en) Shift control apparatus for automatic transmission
JP6718021B2 (ja) シフターの異常診断装置及びシフターの異常診断方法
JP3139448B2 (ja) 自動変速機の繰り返し変速検知装置
EP1188966B1 (en) Shift control apparatus for automatic transmission
KR100411121B1 (ko) 자동 변속기의 변속 쇼크 제어장치 및 방법
JP2002089674A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3230515B2 (ja) 手動変速可能な自動変速機の変速制御装置
JPH07301312A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP3938839B2 (ja) 自動変速機のピストンストローク終了判断装置
US6863640B2 (en) Control apparatus and control method for automatic transmission
JP3470590B2 (ja) 自動変速機の変速段選択異常検出装置
JPH08159266A (ja) 自動変速機の変速油圧制御装置
JP3036528B1 (ja) 手動変速レンジ付き自動変速機の変速制御装置
JP3494004B2 (ja) マニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御装置
JPH11270666A (ja) 自動変速機の変速制御装置
KR100262605B1 (ko) 자동변속기의변속제어방법
KR100279444B1 (ko) 자동변속기의 크리프시 변속 제어방법
KR100295848B1 (ko) 자동변속기의변속제어방법
JP3033566B1 (ja) 自動変速機の変速制御装置
KR100309169B1 (ko) 자동변속기의변속제어장치및그방법
KR100325220B1 (ko) 차량용 자동 변속기의 변속 제어 방법
KR100285494B1 (ko) 파워 온 1--〉2 업 쉬프트 변속 초기 제어방법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071215

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111215

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121215

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131215

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term