JP3494004B2 - マニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

マニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御装置

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JP3494004B2
JP3494004B2 JP10094998A JP10094998A JP3494004B2 JP 3494004 B2 JP3494004 B2 JP 3494004B2 JP 10094998 A JP10094998 A JP 10094998A JP 10094998 A JP10094998 A JP 10094998A JP 3494004 B2 JP3494004 B2 JP 3494004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マニュアルレンジ
付き自動変速機の変速制御装置、特に、マニュアルレン
ジでトラクションコントロール装置が作動する時の変速
制御技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は、例えば日産自動車(株)
が昭和62年3月に発行した「NISSAN RE4R
01A型 フルレンジ電子制御オートマチックトランス
ミッション整備要領書」(A261C07)に記載のよ
うに、運転者がシフトレバーによりマニュアルバルブを
自動変速(D)レンジに操作している間、クラッチや、
ブレーキ等の複数の摩擦要素を選択的に締結させること
により歯車伝動系の動力伝達経路(変速段)を決定し
て、当該選択変速段で入力軸から出力軸への動力伝達が
可能な状態となり、また、締結する摩擦要素を切り換え
ることにより他の変速段への変速を行うよう構成する。
【0003】ここで自動変速(D)レンジの変速制御を
説明するに、このDレンジでは、図5に前進4速の場合
について例示する予定の変速線図(数字が変速段を表
し、実線はアップシフト線、破線はダウンシフト線であ
る)を基に車速VSPおよびエンジンスロットル開度T
VOから、現在の運転状態に好適な変速段を検索し、現
在の選択変速段が当該好適変速段と違っていれば好適変
速段への自動変速を行わせ、現在の選択変速段が好適変
速段と同じなら現在の変速段を維持するような変速制御
を行うように構成するのが常套である。
【0004】一方で、自動変速機において手動変速をも
可能にした型式のものが提案されつつあり、既に一部の
車両には実用されている。この場合、一般的には運転者
が操作するシフトレバーに、マニュアル(M)レンジを
付加して設定し、当該マニュアル(M)レンジでシフト
レバーの操作により手動アップシフト指令または手動ダ
ウンシフト指令を出す度に、自動変速機を現在の変速段
から高速側の変速段または低速側の変速段へ順次変速さ
せるよう構成するのが常套である。
【0005】従ってMレンジでは構成上、車速VSPお
よびエンジンスロットル開度TVOにより規定された全
ての運転領域において何れの変速段をも選択可能とな
る。しかるに、変速段ごとに異なるが或る車速よりも低
車速の領域においてはエンジンストール(エンジンの停
止)が発生し、実際上は、Mレンジ第3速用のものにつ
いて図6に例示するように、エンジンストールを発生し
ない下限車速に対応する車速値のところに強制ダウンシ
フト線α(図6では2←3ダウンシフト線)を設定し、
この強制ダウンシフト線αを横切るような車速VSPの
低下があった時は運転者からの指令に関係なく強制的に
ダウンシフトさせてエンジンストールの発生を防止する
必要がある。
【0006】他方で、この強制ダウンシフトの直後に運
転者が手動アップシフト指令を発しても直ちにアップシ
フトが行われることのないよう、強制ダウンシフト線に
対し高車速側にハンチング防止用のヒステリシスを持た
せて、図6にβで示すようなアップシフト禁止領域境界
線を設定し、この線βよりも低車速側でアップシフトを
禁止し、この線βを越える車速VSPの上昇がない限り
運転者の手動アップシフト指令によっても対応したアッ
プシフトが行われないようにすべきである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車輪の駆動ス
リップを防止するためにエンジン出力を適宜低減させる
型式のトラクションコントロール装置を具えたエンジン
からの回転を入力される自動変速機の場合、Mレンジで
トラクションコントロール装置が作動する時は、エンジ
ン出力が低下されることから、上記の強制ダウンシフト
領域が当該エンジン出力低下分だけ不適切になり、目的
とするエンジンストール防止効果を期待できなくなる。
【0008】 請求項1に記載の第1発明は、マニュア
ルレンジでトラクションコントロール装置が作動する時
も、狙いとするエンジンストール防止作用が得られるよ
うにして上記の問題解決を実現することを主たる目的と
する。
【0009】 第1発明は更に、強制ダウンシフト線の
操作により上記のダウンシフトが一層確実になり、上記
の作用効果を更に顕著なものにするようにしたマニュア
ルレンジ付き自動変速機の変速制御装置を提案すること
を目的とする。
【0010】 請求項に記載の第発明は、強制ダウ
ンシフト線だけでなくアップシフト禁止領域境界線をも
操作して第1発明の目的が達成されるようにしたマニュ
アルレンジ付き自動変速機の変速制御装置を提案するこ
とを目的とする。
【0011】 請求項に記載の第発明は、マニュア
ルレンジでトラクションコントロール装置が作動する時
も、狙いとするエンジンストール防止作用が得られるよ
うにするための最も簡易な方式を提案することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】これら目的のため、先ず
第1発明によるマニュアルレンジ付き自動変速機の変速
制御装置は、車輪の駆動スリップが発生する時エンジン
出力を低減して該駆動スリップを防止するトラクション
コントロール装置を具えたエンジンからの回転を入力さ
れ、手動変速が可能なマニュアルレンジでは選択変速段
ごとにエンジンストール防止用に定めてある強制ダウン
シフト線を横切る車速低下がある時自動的にダウンシフ
トを行うようにした自動変速機を要旨構成の基礎前提と
し、これに対し以下のような構成を付加する。
【0013】 つまり、マニュアルレンジが選択されて
いる間に前記トラクションコントロール装置が作動する
時、前記強制ダウンシフト線を高車速側にずらして該マ
ニュアルレンジでの選択変速段を許可する領域を狭くす
るよう構成したものである。
【0014】 第発明によるマニュアルレンジ付き自
動変速機の変速制御装置は、第発明において、前記強
制ダウンシフト線に対し高車速側にハンチング防止用の
ヒステリシスを持たせて設定してあるアップシフト禁止
領域境界線を、トラクションコントロール装置の作動時
は高車速側にずらすように構成したことを特徴とするも
のである。
【0015】 第発明によるマニュアルレンジ付き自
動変速機の変速制御装置は、車輪の駆動スリップが発生
する時エンジン出力を低減して該駆動スリップを防止す
るトラクションコントロール装置を具えたエンジンから
の回転を入力され、予定の変速線図を基に決定された好
適変速段を選択する自動変速レンジの他に、手動変速が
可能なマニュアルレンジを付加した自動変速機におい
て、マニュアルレンジが選択されている間に前記トラク
ションコントロール装置が作動する時、マニュアルレン
ジでも、前記予定の変速線図に基づく自動変速レンジで
の変速制御と同じ変速制御が実行されるよう構成したこ
とを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】車輪の駆動スリップが発生する時トラク
ションコントロール装置はエンジン出力を低減して該駆
動スリップを防止するよう作動する。自動変速機はエン
ジンからの回転を入力され、自動的に変速段を決定する
ほか、マニュアルレンジでは手動変速も可能である。と
ころで第1発明においては、マニュアルレンジが選択さ
れている間にトラクションコントロール装置が上記の作
動を行う時、当該マニュアルレンジでの選択変速段を許
可する領域を狭くするから、早期にマニュアルレンジで
の選択変速段を許可しない領域に入ってダウンシフトが
なされることとなり、トラクションコントロール装置の
作動でエンジン出力が低下されていても、エンジンスト
ールの発生を防止することができる。
【0017】 そして発明においては、上記の通り
マニュアルレンジでの選択変速段を許可する領域を狭く
するに際し特に、マニュアルレンジでの選択変速段ごと
にエンジンストール防止用に定めてある強制ダウンシフ
ト線を、トラクションコントロール装置の作動時は高車
速側にずらして上記領域を狭くする目的を達成する
ら、上記したダウンシフトが一層確実になり、上記作用
効果を更に顕著なものにすることができる。
【0018】 第発明においては、上記強制ダウンシ
フト線に対し高車速側にハンチング防止用のヒステリシ
スを持たせて設定してあるアップシフト禁止領域境界線
を、トラクションコントロール装置の作動時は高車速側
にずらすから、第1発明におけるダウンシフト後のアッ
プシフトが生じにくくなり、この点でも第1発明の上記
作用効果を更に顕著なものにすることができる。
【0019】 第発明においては、トラクションコン
トロール装置が第1発明と同様に作動し、自動変速機が
自動変速レンジの場合、予定の変速線図を基に決定され
た好適変速段を選択するよう自動変速を行い、マニュア
ルレンジの場合、手動による変速を行う。ところで後者
マニュアルレンジが選択されている間にトラクション
コントロール装置が作動する時、マニュアルレンジで
、上記予定の変速線図に基づく自動変速レンジでの変
速制御と同じ変速制御を実行することから、手動変速は
犠牲になるものの、マニュアルレンジでトラクションコ
ントロール装置が作動する時のエンジンストールに関す
る問題解決を完全なものにすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるマニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御装
置を示し、1はエンジン、2はトルクコンバータ、3は
自動変速機であり、エンジン回転はトルクコンバータ2
を経て自動変速機の入力軸4に伝達するものとする。
【0021】エンジン1はトラクションコントロール装
置(TCS)9を具え、このトラクションコントロール
装置9は、車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を検
出した時、エンジン出力を低下させて車輪の駆動スリッ
プを防止する周知のものとする。
【0022】自動変速機3は、基本的には前記した日産
自動車(株)発行「RE4R01A型オートマチックト
ランスミッション整備要領書」(A261C07)に記
載されたと同様なものとし、同軸突き合わせ関係に配置
した入出力軸4,5上にフロントプラネタリギヤ組6お
よびリヤプラネタリギヤ組7を載置して具える。
【0023】そして、変速用摩擦要素としてフォワード
クラッチF/C、ハイクラッチH/C、バンドブレーキ
B/B、ローワンウエイクラッチL/OWC、フォワー
ドワンウエイクラッチF/OWC、およびリバースクラ
ッチR/Cを具え、更にローワンウエイクラッチL/O
WCに対し並列的に設けたローリバースブレーキLR/
B、およびフォワードワンウエイクラッチF/OWCに
対し並列的に設けたオーバーランクラッチOR/Cを具
え、これら摩擦要素を選択的に図2(b)に○で示すよ
うに締結させることにより前進第1速〜第4速と、後退
の変速段を選択し得るものとする。
【0024】なお、ローリバースブレーキLR/Bおよ
びオーバーランクラッチOR/Cに関する図2(b)の
(○)は、第1速〜第3速でエンジンブレーキが必要な
時に(運転者が後述するOD禁止スイッチ13により3
速エンジンブレーキを指令したり、詳しくは後述するシ
フトレバー15を介したマニュアルバルブ(図示せず)
のIIレンジまたはIレンジ選択により2速エンジンブ
レーキまたは1速エンジンブレーキを指令している時
に)締結させることを示す。ちなみに第4速は、図1の
場合エンジンブレーキが効くギヤトレーンであり、第4
速時にエンジンブレーキを可能にするための摩擦要素は
存在しない。
【0025】また上記摩擦要素の選択的作動(締結)を
実行するために本実施の形態においては特に、自動変速
機3のコントロールバルブ8に挿置して、シフトソレノ
イドAおよびBと、オーバーランクラッチソレノイド1
0とを設け、コントロールバルブ8には更に、自動変速
機の上記各摩擦要素を締結作動させるための油圧である
ライン圧を制御するためにライン圧ソレノイド11を挿
置して設ける。そして自動変速機3は、シフトソレノイ
ドAおよびBを図2(a)に示すON(ソレノイド圧発
生),OFF(ソレノイド圧消失)の組み合わせとなる
よう制御することにより、対応する前進第1速〜第4速
が選択されるよう図2(b)の締結論理に従って、摩擦
要素F/C,H/C,B/Bを選択的に締結させるもの
とする。
【0026】なお、ローリバースブレーキLR/Bおよ
びリバースクラッチR/Cはそれぞれ、運転者がシフト
レバー15を1速エンジンブレーキ(I)レンジ位置
や、後退走行(R)レンジ位置にする時、これに連動す
るマニュアルバルブ(図示せず)のポートより作動油圧
の供給を受けて所定通りに締結され、第1速でのエンジ
ンブレーキを、ローリバースブレーキLR/Bの締結
と、後述するオーバーランクラッチOR/Cの締結とで
可能にしたり、後退変速段の選択を、ローリバースブレ
ーキLR/BおよびリバースクラッチR/Cの締結で可
能にするものとする。ここでオーバーランクラッチOR
/Cは、上記オーバーランクラッチソレノイド10のO
FF(ソレノイド圧消失)で締結され、オーバーランク
ラッチソレノイド10のON(ソレノイド圧発生)で開
放されるものとする。
【0027】またライン圧ソレノイド11は、ONデュ
ーティの増大により自動変速機のライン圧を上昇させる
ものとする。
【0028】ソレノイドA,B,10のON,OFFお
よびソレノイド11の駆動デューティはコントローラ1
4により決定し、該コントローラには、トラクションコ
ントロール装置9から、該装置が作動中か非作動中かの
信号を入力するほか、運転者がシフトレバー15により
選んだ選択レンジ、および同じく運転者がシフトレバー
15により発生させる後述の手動変速指令、更にはOD
(第4速)禁止スイッチ13からの3速エンジンブレー
キ指令を検知するセレクタスイッチ16からの信号と、
エンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロット
ル開度センサ17からの信号と、車速VSPを検出する
車速センサ18からの信号とをそれぞれ入力する。
【0029】シフトレバー15およびセレクタスイッチ
16について補足説明するに、シフトレバー15は前記
文献にも記載の通り周知の、駐車(P)レンジ位置と、
後退走行(R)レンジ位置と、中立(N)レンジ位置
と、前進自動変速(D)レンジ位置と、2速エンジンブ
レーキ(II)レンジ位置と、1速エンジンブレーキ
(I)レンジ位置とを一直線上に配置されて有するほ
か、本実施の形態においては特に、該一直線からオフセ
ットしてマニュアル変速(M)レンジ位置を有する。
【0030】セレクタスイッチ16は、シフトレバー1
5がこれらレンジ位置のどこに操作されているかを示す
信号をコントローラ14に出力すると共に、OD(第4
速)禁止スイッチ13からの3速エンジンブレーキ指令
をコントローラ14に出力するものとする。
【0031】そしてシフトレバー15は、マニュアル変
速(M)レンジ位置にある間、アップシフト(+)位置
と、ダウンシフト(−)位置との間に自己復帰形式に弾
支されており、運転者が、1段階高速側へのアップシフ
ト変速を希望する度にシフトレバー15をアップシフト
(+)位置にし、1段階低速側へのダウンシフト変速を
希望する度にシフトレバー15をダウンシフト(−)位
置にするようにしたもので、セレクタスイッチ16は、
シフトレバー15をアップシフト(+)位置またはダウ
ンシフト(−)位置にされる度に、これらアップシフト
変速またはダウンシフト変速のための手動変速指令をコ
ントローラ14に出力するものとする。
【0032】なお前記ではローリバースブレーキLR/
Bの締結が、シフトレバー15の1速エンジンブレーキ
(I)レンジ位置において、これに連動するマニュアル
バルブ(図示せず)からの作動油圧により行われると述
べたが、マニュアル変速(M)レンジでは、オーバーラ
ンクラッチソレノイド10のOFF(ソレノイド圧消
失)でオーバーランクラッチOR/Cが締結される時に
両シフトソレノイドA,BのONで対応するシフトバル
ブ(図示せず)が1速選択位置である場合に、これらシ
フトバルブを経由した油圧によりローリバースブレーキ
LR/Bが締結されるようなものとする。従ってマニュ
アル変速(M)レンジでは、第1速が選択されていれば
オーバーランクラッチソレノイド10をOFFするだけ
で、オーバーランクラッチOR/Cのみならずローリバ
ースブレーキLR/Bも締結され、Mレンジ第1速での
エンジンブレーキを得ることができる。
【0033】コントローラ14は、上記の入力情報をも
とに図3の制御プログラムを実行して以下のごとくに、
本発明が狙いとするMレンジでの変速制御を含めた変速
制御を行うものとする。先ずステップ31において、マ
ニュアル(M)レンジか否かを判定する。Mレンジでな
ければ、つまり、P,R,D,II,Iレンジなら、制
御をステップ32,33に進めて、前記文献に記載され
ているような通常の変速制御およびライン圧制御を、ソ
レノイドA,B,10のON,OFFおよびソレノイド
11のデューティ制御を介して行う。
【0034】ステップ32での通常の変速制御を説明す
るに、コントローラ14はDレンジが選択されている場
合、図5に例示する変速線図に対応した変速マップをも
とにスロットル開度TVOおよび車速VSPから、現在
の運転状態において要求される好適変速段を検索する。
次いでコントローラ14は、現在の選択変速段が好適変
速段と一致しているか否かを判定し、不一致なら好適変
速段への変速が実行されるよう、つまり図2(b)の締
結論理にもとづき当該変速のための摩擦要素の締結、解
放切換えが行われるよう、図2(a)の論理に基づきソ
レノイドA,BのON,OFF切り換えを行う。
【0035】勿論、現在の選択変速段が好適変速段と一
致している場合、コントローラ14はソレノイドA,B
のON,OFFを現在のままに保ち、今の選択変速段を
維持する。
【0036】OD(第4速)禁止スイッチ13がONさ
れて3速エンジンブレーキ指令を受けるとコントローラ
14は、第4速への変速が生じないように変速制御する
と共に、オーバーランクラッチソレノイド10のOFF
によりオーバーランクラッチOR/Cを締結して第3速
でのエンジンブレーキを可能にする。シフトレバー15
をIIレンジにすると、コントローラ14は第3速への
変速が生じないように変速制御すると共に、オーバーラ
ンクラッチソレノイド10のOFFによりオーバーラン
クラッチOR/Cを締結して第2速でのエンジンブレー
キを可能にする。シフトレバー15をIレンジにする
と、コントローラ14は第2速への変速が生じないよう
に変速制御すると共に、オーバーランクラッチソレノイ
ド10のOFFによりオーバーランクラッチOR/Cを
締結する。そして、シフトレバー15に連動するマニュ
アルバルブ(図示せず)からの作動油圧によりローリバ
ースブレーキLR/Bが締結され、オーバーランクラッ
チOR/Cの締結と相俟って第1速でのエンジンブレー
キを可能にする。
【0037】ステップ31においてMレンジであると判
定する場合、コントローラ14は制御をステップ34に
進め、トラクションコントロール装置9が作動中である
か否かを判定し、判定結果に応じて以下のごとくに手動
変速を行わせる。トラクションコントロール装置9が非
作動中である場合、ステップ35において、Mレンジ・
TCS非作動用の変速マップを読み出す。当該Mレンジ
・TCS非作動用の変速マップは選択変速段ごとに異な
り、例えばMレンジ第3速の場合、図6に例示するよう
な強制ダウンシフト(2←3)線αおよびアップシフト
禁止領域境界線βを持つものとする。
【0038】ここで強制ダウンシフト(2←3)線α
は、当該Mレンジ第3速でエンジンストールを発生しな
い下限車速に対応する車速値のところに設定し、この強
制ダウンシフト線αを横切るような車速VSPの低下が
あった時は運転者からの指令に関係なく強制的にダウン
シフトさせてエンジンストールの発生を防止するもので
ある。またアップシフト禁止領域境界線βは、強制ダウ
ンシフト線αに対し高車速側にハンチング防止用のヒス
テリシスを持たせ、線βよりも低車速側でアップシフト
(2→3変速)を禁止し、線βを越える車速VSPの上
昇がない限り運転者の手動アップシフト指令によっても
対応したアップシフトが行われないようにするものであ
る。これにより、上記の強制ダウンシフトの直後に運転
者が手動アップシフト指令を発しても直ちにアップシフ
トが行われることがなく、所謂ハンチングを防止するこ
とができる。
【0039】次いでステップ36において、ソレノイド
11のデューティ制御によりライン圧を前記文献に記載
されていると同様に制御する。更にステップ37で、ス
テップ35において読み出したMレンジ・TCS非作動
用の変速マップを基に、以下の手動変速を行わせる。つ
まりコントローラ14は、強制ダウンシフト線(α)よ
りも高車速側での運転中なら、シフトレバー15がアッ
プシフト(+)位置またはダウンシフト(−)位置にさ
れる度に、セレクタスイッチ16からのアップシフト手
動変速指令またはダウンシフト手動変速指令を受けて、
図2(b)の締結論理にもとづき、現在の選択変速段を
基準にしたアップシフト変速またはダウンシフト変速の
ための摩擦要素の締結、解放切換えが行われるよう、図
2(a)の論理に基づきソレノイドA,BのON,OF
F切り換えを行う。そして当該Mレンジでは常時エンジ
ンブレーキが効くよう、オーバーランクラッチソレノイ
ド10のOFFによりオーバーランクラッチOR/Cを
締結する(第1速〜第3速)と共にローリバースブレー
キLR/Bを締結する(第1速)が、第4速ではこれら
を締結しなくてもエンジンブレーキが得られるから、そ
してオーバーランクラッチOR/Cを締結するとインタ
ーロックを生ずるため、オーバーランクラッチソレノイ
ド10をONしておく。
【0040】ステップ34でトラクションコントロール
装置9が作動中であると判定する場合、ステップ38に
おいて、Mレンジ・TCS作動用の変速マップを読み出
す。当該Mレンジ・TCS作動用の変速マップも選択変
速段ごとに異なり、例えばMレンジ第3速の場合、図6
に例示するような強制ダウンシフト(2←3)線γおよ
びアップシフト禁止領域境界線δを持つものとする。
【0041】Mレンジ・TCS作動用の強制ダウンシフ
ト線(γ)およびアップシフト禁止領域境界線(δ)は
それぞれ、Mレンジ・TCS非作動用の強制ダウンシフ
ト線(α)およびアップシフト禁止領域境界線(β)と
同趣旨のものであるが、トラクションコントロール装置
9の作動によりエンジン出力が低下されているためにエ
ンジンストール発生領域が広くなることに呼応して、こ
れに符合するようMレンジ・TCS作動用の強制ダウン
シフト線(γ)およびアップシフト禁止領域境界線
(δ)をそれぞれ、Mレンジ・TCS非作動用の強制ダ
ウンシフト線(α)およびアップシフト禁止領域境界線
(β)よりも図6に例示するごとく高車速側にずらし、
Mレンジでの選択変速段(図6では第3速)を許可する
領域を狭くする。
【0042】次いでステップ39において、ソレノイド
11のデューティ制御によりライン圧を前記文献に記載
されているよりも、トラクションコントロール装置9の
作動によりエンジン出力が低下されている分低下補正す
る。これにより、ライン圧がトラクションコントロール
装置9の作動時もエンジン出力に対応したものとなり、
ライン圧が高過ぎてこれにより締結作動される摩擦要素
の締結容量過大で変速ショックが発生するのを防止する
ことができる。
【0043】その後ステップ37で、ステップ38にお
いて読み出したMレンジ・TCS作動用の変速マップを
基に、前記したと同様の手動変速を行わせる。ところで
Mレンジ・TCS作動用の変速マップが図6に例示する
ごとく、強制ダウンシフト線(γ)およびアップシフト
禁止領域境界線(δ)をそれぞれ、Mレンジ・TCS非
作動用の強制ダウンシフト線(α)およびアップシフト
禁止領域境界線(β)よりも高車速側にずらし、Mレン
ジでの選択変速段(図6では第3速)を許可する領域を
狭くしたものであることから、早期にMレンジでの選択
変速段を許可しない領域に入ってダウンシフトがなされ
ることとなり、トラクションコントロール装置9の作動
でエンジン出力が低下されていても、エンジンストール
の発生を確実に防止し得ると共に、当該ダウンシフト後
のアップシフトが生じにくくなり、この点でもエンジン
ストールの発生を確実に防止するという上記の作用効果
を更に顕著なものにすることができる。
【0044】なお図3に示す実施の形態においては、M
レンジでの選択変速段を許可する領域を狭くして、トラ
クションコントロール装置9の作動時もエンジンストー
ルが発生しないようにしたが、図4により、トラクショ
ンコントロール装置9の作動時はDレンジにおけると同
様の変速を行わせ、Mレンジ用の変速を禁止するように
しても同様の目的を達成することができる。図4に示す
実施の形態においては、ステップ41においてトラクシ
ョンコントロール装置9が作動中か否かを判定し、作動
中でなければステップ42で通常のライン圧制御を行わ
せるが、作動中ならステップ43で、トラクションコン
トロール装置9の作動によるエンジン出力低下分だけラ
イン圧の低下補正を行って、前記したと同様にトラクシ
ョンコントロール中の大きな変速ショックを防止する。
【0045】次いでステップ44においてマニュアル
(M)レンジか否かを判定し、Mレンジ以外のP,R,
D,II,Iレンジなら、制御をステップ45に進め
て、前記したと同様な通常の変速制御を、ソレノイド
A,B,10のON,OFFにより実行する。Mレンジ
なら、ステップ46においてトラクションコントロール
装置9が作動中か否かを判定し、作動中でなければステ
ップ47において、Mレンジ第3速の場合につき図6に
例示したMレンジ・TCS非作動用の強制ダウンシフト
線(α)およびアップシフト禁止領域境界線(β)を有
するMレンジ用変速マップに基づき、前記したと同様に
該Mレンジ用の変速を行わせる。
【0046】ところでステップ46においてトラクショ
ンコントロール装置9が作動中であると判定する場合
は、制御をステップ45に進めて、Dレンジにおけると
同様の変速制御を行わせ、Mレンジ用の変速を禁止する
ようにする。この場合、手動変速は犠牲になるものの、
Mレンジでトラクションコントロール装置9が作動する
時のエンジンストールに関する問題解決を完全なものに
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる変速制御装置を具
えたマニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御システ
ム図である。
【図2】(a)は、同自動変速機におけるシフトソレノ
イドのON,OFFと選択変速段との関係を示す図面、
(b)は、同自動変速機における選択変速段と摩擦要素
の締結論理との関係を示す図面である。
【図3】同自動変速機においてコントローラが実行す
る、変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態になる変速制御プログ
ラムを示す、図3と同様なフローチャートである。
【図5】Dレンジにおいて用いる変速パターンを示す線
図である。
【図6】Mレンジ第3速が選択されている時の第3速許
可領域を、トラクションコントロール装置の作動時と、
非作動時とで比較して示す線図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 自動変速機 4 入力軸 5 出力軸 6 フロントプラネタリギヤ組 7 リヤプラネタリギヤ組 8 コントロールバルブ 9 トラクションコントロール装置 A シフトソレノイド B シフトソレノイド 10 オーバーランクラッチソレノイド 11 ライン圧ソレノイド 13 OD禁止スイッチ 14 コントローラ 15 シフトレバー 16 セレクタスイッチ 17 スロットル開度センサ 18 車速センサ F/C フォワードクラッチ H/C ハイクラッチ B/B バンドブレーキ LR/B ローリバースブレーキ OR/C オーバーランクラッチ L/OWC ロークワンウエイクラッチ F/OWC フォワードワンウエイクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:14 F16H 59:14 (56)参考文献 特開 平6−191312(JP,A) 特開 平9−166213(JP,A) 特開 平3−149463(JP,A) 特開 平9−257125(JP,A) 特開 平6−235455(JP,A) 特開 平10−138796(JP,A) 特開 平10−212982(JP,A) 特開 平4−194447(JP,A) 特開 平8−150859(JP,A) 実開 平2−102061(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の駆動スリップが発生する時エンジ
    ン出力を低減して該駆動スリップを防止するトラクショ
    ンコントロール装置を具えたエンジンからの回転を入力
    され、手動変速が可能なマニュアルレンジでは選択変速
    段ごとにエンジンストール防止用に定めてある強制ダウ
    ンシフト線を横切る車速低下がある時自動的にダウンシ
    フトを行うようにした自動変速機において、 マニュアルレンジが選択されている間に前記トラクショ
    ンコントロール装置が作動する時、前記強制ダウンシフ
    ト線を高車速側にずらして該マニュアルレンジでの選択
    変速段を許可する領域を狭くするよう構成したことを特
    徴とするマニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項において、前記強制ダウンシフ
    ト線に対し高車速側にハンチング防止用のヒステリシス
    を持たせて設定してあるアップシフト禁止領域境界線
    を、トラクションコントロール装置の作動時は高車速側
    にずらすよう構成したことを特徴とするマニュアルレン
    ジ付き自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 車輪の駆動スリップが発生する時エンジ
    ン出力を低減して該駆動スリップを防止するトラクショ
    ンコントロール装置を具えたエンジンからの回転を入力
    され、予定の変速線図を基に決定された好適変速段を選
    択する自動変速レンジの他に、手動変速が可能なマニュ
    アルレンジを付加した自動変速機において、 マニュアルレンジが選択されている間に前記トラクショ
    ンコントロール装置が作動する時、マニュアルレンジで
    、前記予定の変速線図に基づく自動変速レンジでの変
    速制御と同じ変速制御が実行されるよう構成したことを
    特徴とするマニュアルレンジ付き自動変速機の変速制御
    装置。
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